安心してくらせる住みよい千葉市をつくりましょう
日本共産党東京都議会議員団

2017年第1回定例会  佐々木ゆうき議員の代表質疑

2017.2.27

1.市長の基本姿勢について
(1)日本国憲法を千葉市に生かすことについて
 昨年11月に安保法制にもとづく、南スーダンPKO派兵の自衛隊への「駆け付け警護」などの新任務が付与されました。PKOに参加する陸上自衛隊幹部が首都ジュバで昨年7月に起きた大規模な戦闘が発生した際の状況を記録した日報を廃棄されたとしていましたが保管されていたことが問題となっています。深刻な「戦闘」状態を「発砲事案」や「衝突」としてごまかしてきた政府の責任は重大です。
 日本共産党は野党と市民の運動と連携して、安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するために力を尽くします。
 1つに、熊谷市長は、12月議会の野本議員の代表質問で「政府の動き注視する」との答弁の域を出ませんでした。市内に住む子育て中の母親は「南スーダンの市民が救われるために必要なことは、日本の自衛隊が派遣されることではないと思います。これ以上心や身体を傷つけられたり、命を失う人がいなくなるよう、各国政府は知恵を絞ってください。市民を戦禍に送りたくない。だれかの命が押しつぶされてしまわなければつくれない平和は本当の平和じゃない」とメッセージを寄せています。
 こうした市民の声にもとづいて、政府に撤退を求めるべきではないですか。
 2つに、「駆け付け警護」の新任務付与と集団的自衛権行使容認の閣議決定は憲法違反であり撤回することが必要ではないのか。
 3つに、稲田防衛大臣が南スーダンでの「戦闘」を「憲法9条上問題になるから『衝突』を使う」とした答弁は、憲法から照らしても問題があると考えないか。
  政府は、テロ等準備罪と名付けているいわゆる「共謀罪」法案の提出を狙っています。実際の犯罪ではなく、「相談・計画」するだけで罪になります。憲法の思想・内心・表現の自由を保障する憲法に違反すると考えないのか。
 陸上自衛隊木更津駐屯地で、2月からオスプレイの定期整備が始まりました。この定期整備に関連して1月19日には、防衛装備庁と米軍が「確認事項」を交わされ、飛来する経路、試験飛行は海上で行うことなどが盛り込まれ、自治体側の要望を受け入れた形です。一方で、「確認事項」を守らない可能性も明記されています。自衛隊が導入を決めているオスプレイを合わせれば、日米あわせて50機ものオスプレイが日本中を飛び回ることになります。
 1月8日の習志野第一空挺団のパラシュート降下始めに、沖縄駐留の特別部隊グリーンベレーが初めて参加したことも日米の軍事一体化を示すものです。
 1つに、1月8日の降下始めに関連して千葉市上空を自衛隊のヘリなどが飛行しましたが、千葉市に対し自衛隊から情報提供があったのか。
 2つに、木更津へのオスプレイ整備拠点化の撤回と、千葉市にも自衛隊と米軍に関する情報提供を求めるべきではないか。
 3つに、市民の安全を守るためにも、オスプレイが千葉市上空を飛行しないよう要請することを求めます。

(2)国政の市民生活への影響について
 野村総合研究所の調査や金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、富裕層への富が集中し、純金融資産5億円以上を保有する超富裕層が保有する金融資産は20年間で6.3億円から13.5億円に増える一方で、労働者の平均賃金は97年をピークにして年収で55万6千円も減少しています。さらに貧困層が拡大し、「貯蓄ゼロ世帯」は同じ20年間で3倍の30.9%に達しています。
 1つに、中間所得層の疲弊、貧困層拡大など格差拡大に追い打ちをかける、消費税10%への増税中止を求めること。
 2つに、年金・介護・医療・生活保護など社会保障分野での改悪中止を求めること。
 3つに、労働法制の改悪中止、労働関係法への「均等待遇」「同一労働同一賃金」の原則明記を求めること。
 4つに、給付型奨学金制度の規模の拡大を求めること。
 5つに、法人税は、実質負担率が中小企業は平均20%、大企業は平均12%と著しい不平等であり、大企業と中小企業の格差是正を政府に求めていくこと。
 6つに、2015年における富裕層および超富裕層の純金融資産総額は272兆円となり、その富を増やし続けています。そうした「1%の富裕層の政治」から「99%の国民のための政治」へと税制のあり方や経済政策の転換を市長は先頭になって安倍政権に求めていくべきではないか。

(3)核兵器廃絶への取り組みについて
 昨年11月に開催された第6回平和首長会議国内加盟都市会議総会で了承された議案に対する千葉市の対応についてです。
 この議案は「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に対し平和首長会議が賛同・協力すること。また、日本政府に対し、「核兵器禁止条約」の早期実現に向け、これまで以上に力強いリーダーシップを発揮して力を尽くしていただくよう、要請文を提出することとしたものです。
 1つに、この会議には千葉市から誰も参加しなかったようですが、賛同する立場はこれからも変わらないのか。
 2つに、核兵器廃絶の国際署名に賛同していますが、被爆者の取り組みに連帯し、協力して、市内の公共施設などで署名用紙を置いて来訪者に書いてもらう協力を呼びかけることを提案します。お答え下さい。

(4)新年度予算案の特徴について
①新年度予算、財政健全化と市民サービスカットについて
 新年度予算は一般会計で411億円増の4,415億円、特別会計で310億6,200万円増の4,678億8,200億円、合計で9,093億8,200万円となり前年度比8.6%増となっています。
 前年比で一般会計は増額していますが、県費負担教職員給与負担等委譲433億6,500万円を差し引くと、22億6,500万円減額の予算です。
 市民が求める産前・産後支援、子どもルームの整備や、日本共産党千葉市議団が条例提案を行なったことによって実現した障害者スポーツ推進、民間の財団による児童養護施設退所者への給付型奨学金制度創設などが新年度から実施されようとしています。
 一方で、新庁舎整備の基本設計とPFI等導入可能性調査に8,140万円、千葉駅東口地区市街地再開発に4億8,900万円、千葉駅西口地区市街地再開発に4,100万円、蘇我特定地区整備7億7,700万円となっています。
 市民負担増は国民健康保険料の値上げ、平均改定率4.4%引き上げで9億2,626万円の負担増、がん検診6,573万円カット、福祉タクシー・自動車燃料費助成所得制限導入、障害者就労移行・自立訓練の作業着代費用の支給廃止、民間保育園退職手当共済掛け金補助廃止などがあります。
 財政健全化のための福祉カットは、2010年度から15年度までの決算、2016年度予算と新年度予算の8年間で、事務事業見直し134件30億円、公共料金改定114億5千万円、国保会計繰り入れカット27億6千万円、家庭ごみ有料化51億1千万円で、福祉カットの合計は223億2千万円。熊谷市長のもとでの職員給与カットは90億5千万円で合計313億7千万円です。大型開発の累計は264億6千万円となります。
 1つに、大型開発を抑制せず、2010年度から2015年度決算まで蘇我特定地区に38億円、千葉駅西口再開発に60億円など、累計額は243億円となっている。最大の無駄遣いであり、維持管理が多大な負担となる大型開発を抑制せずに推進してきた市政は改めて、大型開発の抑制を求めるがどうか。
 2つに、新年度予算は日本共産党千葉市議団が求めてきた是正には程遠いものであり、市民の負担増を是正し、市民のくらしを支える予算へと変えるべきではないのか。
 3つに、財政健全化によって改善されてきた財政を活用して、この間削られてきた難病見舞金の復活、国民健康保険料の引き下げ、長寿祝い金の88歳支給復活などへ予算を回すことを提案します。お答え下さい。
②税金の集め方・使い方、働き方改革、産業構造の改革と「内発」型地域経済への転換について
 地域経済活性化や市民生活に関わるものであり、千葉市においても税金の集め方、税金の使い方、働き方の改革を求めるものです。
 1つに、税金の集め方、新たな税収の確保では、党市議団が提案している資本金10億円超の法人への法人市民税均等割りを制限税率いっぱいに課税し、2億9,800万円の自主財源を確保することを実行することを求めます。
 2つに、税金の使い方では、生活道路整備、公立保育所や認可保育所の増設、特養老人ホーム増設、住宅リフォーム助成制度創設など地域に仕事と雇用、税収を増やす地域循環・生活密着型に転換すること。
 3つに、働き方では、正社員が当たり前の雇用のルールを市内に本社・支社を置く大企業への要請を行ない、市職員の3人に1人が非正規雇用という割合を減らすことと、非常勤職員の賃金引き上げで雇用と暮らしを応援すること。
 4つに、産業構造の改革では、地域にある産業や企業など今ある地域の力を支援し、伸ばす、「内発」型に転換していくために、市独自の産業の確立をすること。都市農業の利点を生かし、UR都市再生機構の大規模団地の住民と連携して、朝市など実施し農家を応援する施策を進めること。
 以上の4点について千葉市において実施を求めます。それぞれにお答え下さい。

(5)災害対策について
 昨年の熊本地震や鳥取県中部地震、年末の糸魚川での火災などのあらゆる災害が相次いでいます。市民の命と安全を守るためにも政治の責任が問われています。
 1つに、国に対し、被災者生活再建支援法を改正し、「全壊」の場合の支援額を300万円から500万円に引き上げることや「半壊」「一部破損」も支援対象にすることを強く求めるべきではないですか。
 2つに、地域経済とコミュニティーの担い手である中小商工業者・農業者の事業再建への支援を、施設・設備再建への直接支援を含め、抜本的に強化するよう国に求めることを提案します。
  3つに、地域経済の担い手である事業者に対する災害が起こった際の市独自の支援を求めます。お答え下さい。

(6)新庁舎整備について
 新庁舎建て替えは必要ではありますが、財政危機で資金もない状況の下で、オリンピックや震災復興で建設事業費が高騰していること、市民のくらしが大変な時に、整備を急ぐことはやめて、しかるべき時期に先伸ばしすることが必要です。
 昨年12月議会の中央コミュニティセンターを市が10億円で取得することになりました。取得によって教育委員会の移転を行えば、当面、市役所機能の分散化を解消とあわせて賃貸料の解消ができます。
 現庁舎の耐震化を実施し長持ちさせ、中央コミュニティセンター内の倉庫などに使用している事務室に教育委員会を移転させて、まずは分散化の解消で対応すべきではないですか。

(7)学校の普通教室へのエアコン設置について
 児童生徒の健康と安全を守るために、学校のエアコン設置は待ったなしです。異常気象の下で猛暑が続き、教室の中で熱中症のため健康を害する事態が続いていても、エアコン設置に踏み出そうとしません。議会ではエアコンの設置の必要性はすべての会派が認めており、市長の決断が迫られています。
 小中学校の普通教室にエアコンを設置するために、政令市の中で少ない教育費を増やすことが必要です。特別支援学級や音楽室だけでなく、エアコン設置の予算を組んで、3~4か年計画で直ちに実施すべきです。
 1つに、エアコン設置に向けて市長は決断すべきです。
 2つに、新年度は調査費や基本設計費を組んで、翌年度から具体的に取る組むべきです。
 3つに、学校教育審議会が設置されようとしていますが、エアコン設置を最優先の議題にすべきですが、お答え下さい。

(8)オリンピック・パラリンピック開催費用の負担問題について
 2020年東京オリンピック・パラリンピックの費用分担をめぐって、仮設の費用は大会組織委員会が負担するとの原則を守るよう求めていますが、組織委員会などから回答はなく、分担議論に自治体側がどうかかわれるのかも示されていません。
 招致ファイルには大会組織委員会の予算が資金不足に陥った場合の補てんメカニズムが示されています。万が一、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は東京都が補てんすることとなっており、都が補てんしきれなかった場合には、最終的に、日本国政府が国内の関係法令に従い、補てんするとされています。
 1つに、現在の費用負担をめぐっての議論はどのようになっているのか。
 2つに、政府、組織委員会、東京都に対して毅然とした態度で自治体負担とならないように求めるべきではないですか。あわせて千葉市の準備においては費用の縮減、「簡素で無理のない市民に理解の得られる計画」を求めますが、お答え下さい。

(9)カジノを含む統合型リゾート(IR)について
  昨年の国会で「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」いわゆるカジノを含む統合型リゾート推進法が強行採決され、成立しました。カジノやホテル、商業施設、展示場などの大規模な施設を併設する統合型リゾート(IR)の整備に向けた基本法で、今後1年以内に実施法案が出されます。IRの中心になるのはカジノであり、刑法の賭博禁止の規定を外し、民間事業者が営利目的で賭博場の運営ができるようになります。
 カジノの解禁は、ギャンブル依存症の拡大だけでなく、多重債務、暴力団関与、マネーロンダリング、周辺地域の治安悪化、青少年への悪影響などがあります。
 熊谷市長は、IR誘致に対して幕張新都心のまちづくりとの整合性や、市民の意見を踏まえて判断するとされています。
 千葉市の将来にわたって健全な市政・経済発展のため、カジノを含む統合型リゾートに関する国への候補地申請は行わず、千葉市は誘致しないことを市長は表明すべきです。お答え下さい。

(10)千葉市らしさについて
 昨年の12月議会で日本共産党は、千葉氏など4資源によるアイデンティティの取り組みは否定しないものの、住み続けたい千葉市にするためには、子育て安心、若者が希望を持てる、高齢者が元気な千葉市の実現こそ求められていることを提案しました。新年度ではどのように具体化されたのか、以下伺います。
①子育て安心について
 保育については、2月1日現在で入所待ち児童は2,290人となっています。「近くの保育所を希望したが入れずに、遠くの保育所を紹介された」「たくさん希望を出したけれども入所できるかわからない」など、保育所の整備は待ったなしです。さらに、子どもルームの入所待ち児童の解消求められています。
 1つに、保育所待機児童解消に認可保育所の増設「緊急な課題」と位置付けて、活用可能な市有地を全面的に洗い出すことや、学校の空き教室活用など大胆に進め設置することを提案します。
 2つに、木造保育所の建て替えについて民設民営を中止し、リース方式による公設公営にすること。
 3つに、保育士の確保に市独自の支援を行なうことを求めます。お答え下さい。
 4つに、子どもルームについては、4箇所の増設および5箇所の実施設計などを行いますが、希望者の多い地域はさらに増設するなど柔軟な対応を求めるものです。
 5つに、かねてより求められていた指導員の待遇改善は新年度予算ではどのようになっているのか。詳細にお示し下さい。
 6つに、子育てに全力をあげて、昭和40年代に千葉市が全国に誇る子育て行政「太陽の子を育てる」という教訓を生かした子育ての予算配分をして、次期実施計画でさらに具体化することを求めます。
②若者が希望を持てるまちについて
 若者は将来への希望に胸を膨らませながら、現実社会の厳しさに立ち向かっています。
 1つに、市は若者に対して、希望や悩みの相談、就学への支援、就職・雇用の相談、住まいの支援など行政が実施で可能な様々な支援を行なうために、仮称「若者支援課」を立ち上げて対応することが求められていると思うがどうか。
 2つに、当面実施できる事業としては、若者相談室、学生の多くが利用できる給付型奨学金制度、住まいではエレベーターのない市営住宅の4、5階を提供し、若者と高齢者の入居者の共生を図るなど、次期実施計画で具体化することを求めます。お答え下さい。
③高齢者が元気な千葉市について
 高齢者が元気な千葉市にすることを提案しましたが、健康の問題では予防と元気で過ごせる事業を充実し、江戸川区のように高齢者が東京23区内で1番医療費が少なく、介護保険の利用が少ないことを参考にすべきです。
 高齢者の外出支援が急がれています。免許証の返還が多くなり、外出困難になっているもとでデマンドタクシーの実現は急務です。また高齢者を励ます88歳の長寿祝い金は復活すべきです。これら高齢者支援の予算はどうなっているのか。次期実施計画での具体化を含めて求めますが、お答え下さい。

2.総務行政について
(1)指定管理者制度の弊害について
 指定管理者制度については、コストカットとサービス向上が至上命題です。コスト削減と事業運営の提案が優れているからとの評価で、指定管理者が代わることによって、これまで継続してきた事業者の職員の雇用が確保されるのか懸念されます。継続雇用すれば人件費は増えますが、質の向上につながります。
 全国でも千葉市でもこの課題に直面しています。
 コストカットによるサービスの向上は矛盾しています。指定管理者制度についての検証を行い、見直すことも必要ではないのか。
(2)マイナンバー制度について
 マイナンバーが無くても支障はありません。情報漏えいのリスクがあるマイナンバー制度については凍結し、中止を求めます。お答え下さい。

3.市民行政について
(1)総合窓口、ワンストップサービスについて
 千葉市では住所変更等の手続きを1つの窓口で受け付ける「総合窓口・ワンストップサービス」を始めています。我が党市議団も求めてきました。中央区役所に全行政区の事務を一括して担う「区政事務センター」が設置され、そこで入力作業を行ない、区役所の職員は窓口対応に専念することで時間をかけずに各種書類を交付することにつなげるとしています。サービスの向上は良いことですが、市職員がその対応に追われているのも事実です。
 1つに、1月4日の実施以降の課題はどのようなものがあるのか。
 2つに、3月から4月の繁忙期における総合窓口での対応について伺います。
 3つに、「区政事務センター」の派遣職員が配置され、個人情報の漏えいへの懸念がされますが対策はどのように講じているのか。

(2)スポーツ振興基金について
 新年度予算には「千葉市スポーツ振興基金条例」が提案されています。日本共産党千葉市議団が昨年12月議会に「障害者スポーツ振興基金条例」を提案し、環境経済委員会で、「スポーツ振興全体の基金をつくる」との答弁があり、スポーツ全体の振興を図るものになっています。
 1つに、スポーツ振興基金をどのように今後活用していこうとしているのか。原資はどのようなものか。
 2つに、障害者スポーツ推進への活用についてはどのように具体化するのか、伺います。

4.保健福祉行政について
(1)国民健康保険事業について
①財政支援策・保険者支援制度について
 国からの財政支援策・保険者支援制度は、2017年度予算についても、低所得者対策の財政支援として1,700億円が支出され、被保険者一人当たり約5,000円の財政改善効果と国は示していますが、軽減措置には使われません。
 保険料は実質収支で足りない分を保険料で賄うとされ、新年度も1人あたり5,079円の値上げとなります。所得100万円の2人世帯ではこの6年間で約3万円の保険料の負担増となります。2017年度は、保険料引き下げに活用することを求めます。お答え下さい。
②「国保の広域化問題」について
 厚生労働省は、都道府県ごと一律の国民健康保険料になれば大幅な保険料アップにつながるとの指摘を受け、「一律の保険料水準を求める仕組みとはしていない」と述べました。2018年度以降も市町村の条件に合わせて保険料を決めることができるとの認識を示しています。
 2018年度に市町村から都道府県に運営主体が移ります。多くの自治体が国保料額を抑えるために一般会計から繰り入れをしていますが、都道府県への移行で繰り入れがなくなり、保険料の大幅引き上げを危惧する声があります。
 昨年12月27日に、埼玉県の第1回国保運営協議会が開かれ、県が、全市町村の2018年4月からの国民健康保険税率、市町村が県に支払う納付金などの第1回シミュレーションを示しました。それによると、蕨市民が支払う保険税は、一般会計からの繰入金がない場合、約77%値上げになります。現在の蕨市の被保険者一人当たりの保険税額は、7万1,589円、これを、応能割、応益割の比率を県平均に合わせた場合として、12万6,934円となり、77.3%増える計算となります。
 1つに、都道府県化した場合の千葉県、千葉市ではどうなるのか。
 2つに、千葉市においては都道府県単位化により、標準保険料率が算定され保険料の引き上げにつながる懸念があるがどうか。
 3つに、「都道府県化」は中止して、国に対して国民皆保険にふさわしい財政措置を行なうことこそ求めるべきではないですか。

(2)介護保険事業について
 介護保険制度の改悪により、4月から要支援者向けのサービスのうち「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護」が、介護予防・日常生活支援総合事業に移行されます。総合事業になっても費用負担は変えないとしつつも、ヘルパーの資格を有しない方が生活援助を行うなど介護サービスの質が落ちることが懸念されます。
 1つに、総合事業に従事するヘルパーの講習時間を減らさず、必要な講習時間を確保することを求めます。
 2つに、制度の課題の1つである介護人材の大幅な不足のためには、介護報酬の抜本的引き上げが必要です。市独自に報酬を引き上げて、介護人材の確保に取り組むべきです。

5.こども未来行政について
子どもの貧困への対策、調査結果について
 千葉市こども未来応援プラン策定に向け、昨年子どもの貧困について、実態調査を始め、支援制度を利用する子どものいる2千世帯を無作為に抽出してアンケートを実施されました。生活保護や就学援助など千葉市の支援制度を利用する世帯で18歳以下の13人に1人、約1万3千人という数字が出されました。国の調査では、6人に1人が貧困であることと比べても、調査の方法に問題があると指摘せざるをえません。
 1つに、調査結果にもとづいて今後どのようにプラン策定していくのか。
 2つに、支援を受けるまでに至らない「潜在的貧困」への対策を進めるためには、支援世帯だけでなく、就学前、小学4年、中学入学時などの段階での調査も必要ではないか。
 3つに、「子どもの居場所」の確保のためにも市独自にNPOなどが実施する「子ども食堂」への補助、支援を進めるべきではないですか。

6.環境行政について
(1)JFE東工場跡地への石炭火力発電所設置について
 東京湾には6基の石炭火力発電所の設置が計画されており、そのうち1基107万キロワットが市内で整備されようとしています。石炭火力は最新鋭の発電所でも、天然ガスを燃料にしたLNG火力に比べ約2倍の温室効果ガスを排出されるとしています。
 1つに、石炭火力発電所は温暖化防止に逆行するものであり、導入の撤回を国や事業者に求めていくべきではないですか。
 2つに、整備される周辺地域への説明会の実施など市民参加による情報公開が必要ではないですか。
 3つに、石炭火力の温室効果ガス排出量は、中国電力の試算では500万トンとされていますが、専門家の試算では720万トンとされているがどちらが正確なのか。これだけの環境への負荷は到底受け入れられないと思うがどうか。

(2)ゴミの分別、再資源化、新清掃工場ガス化溶融炉について
 
①「プラスチック製容器包装の再資源化」の実現は待ったなしの課題です。党市議団は、焼却ごみ量年間9,500トンの削減と、温室効果ガス排出量年間23,000トンの削減を求めています。政令市で未実施は他に3市だけであり、家庭ごみ手数料と粗大ごみ処理手数料、年間合計14億2千万円を活用し、実施に踏み出すべきです。
 ②新清掃工場ガス化溶融炉は、3Rが推進され、ごみの分別・減量が進められているのにも関わらず、多額の予算をかけてまで整備する必要はなく、温室効果ガスの削減に逆行することを千葉市が進めてはなりません。ガス化溶融炉の整備を中止し、環境に優しい清掃工場を建設することを求めます。お答え下さい。

7.経済農政について
(1)労働対策について
 若者を使い捨てにするブラック企業・ブラックバイトへの対策が求められています。電通の女性社員が過労自殺した問題からも対策が急務です。
 1つに、市独自の体制もとって、調査や相談、啓発に向けて取り組むべきです。
 2つに、とりわけブラック企業・ブラックバイト問題に特化したリーフレットの作成を行なうなどして、市内に住む若者へ配布をおこなってはどうか。

(2)農政について
 1つに、千葉市の都市と農業が近接している特有を生かして農業を基幹産業にまで発展させるという思い切った予算配分が必要ではないですか。
 2つに、生産から加工までの6次産業化を進めたい農家への対応をどのように進めていくのか。
 3つに、新規就農には、他自治体でも進められている低廉な住宅の確保の支援事業が必要と考えますが、千葉市でも実施してはどうか。

8.都市行政について
(1)団地の再生について
 千葉市内の大規模団地が老朽化し、空き家・空き室が目立ち、商店街も衰退しています。市の「総合戦略」には「空き家対策」「地域再生支援」の内容が盛り込まれています。空き家に若年世帯を流入させることや分譲マンションの建て替えを行なう管理組合への計画策定・設計・工事に要する経費の一部を助成することは必要なことですが、地元住民や専門家、行政、URを含めまち全体をどう活性化するかの研究を進めることが必要ではないのか。

(2)千葉駅ビルとその周辺への対策について
 JR千葉駅ビルのオープンによって、千葉銀座商店街など周辺の商店街がますます寂れてしまう懸念があります。活性化に向けた再開発として、これまで整備してきたフジモトビル、文化センターなどが入るツインビル、中心市街地の回遊性の向上や集客力強化として整備した「きぼーる」はその役割を果たしたのか疑問です。
 周辺地域の活性化のグランドデザインで回遊性などを持たせようとしていますが、中心部の商店街を応援する対策の具体化は図られるのか、伺います。

9.建設行政について
(1)土木事務所予算、職員の確保
 生活道路などの道路整備予算を抜本的に増やすことが必要です。12年前の90億円の予算が60億円台に減り、安心安全の道路整備が困難な状況にあることを指摘してきました。
 土木事務所予算の増額は今年度と新年度の2年間で6億4千万円増額しましたが、道路を維持していくためにさらに予算の増額と土木事務所職員の増員を求めます。

10.教育行政について
(1)県費負担教職員の給与負担等の移譲について
 新年度は、県費負担教職員給与負担等移譲で千葉市の一般会計に入ります。市は独自の学級編制および教員配置を実施するほかに、より効果的な非常勤講師の配置を予定しています。
 現行の小学1・2年および中学1年の35人学級、小学3年から6年生および中学2・3年の38人学級が、新しい基準では小学1年から4年まで35人学級、小学5年から中学3年生まで38人学級とする内容です。
 1つに、新年度では権限移譲を活用した非常勤講師等の配置はどのようになるのか。
 2つに、新基準ではこれまで中学1年の35人学級が38人学級となります。中学1年の基準はそのままにして、教員を配置することこそ必要ではないですか。

(2)就学援助制度について
 就学援助の認定率について、千葉市は8.5%で他の政令市と比べても低い水準であることを繰り返し述べてきました。申請書の配付方法について引き続き他市の状況等について研究している場合ではありません。
 1つに、他市でも既に実施され、これまでも提案してきたすべての児童生徒に申請用紙を配布して回収することなど、先進自治体に学んで取り組むべきです。
 2つに、入学準備のための制服代や体操服などの出費が家計を圧迫している実態があり、3月の前倒し支給へと変更する自治体が広がっています。文部科学省の「児童生徒が必要とする時期に支給されるよう、市町村に働きかけたい」との国会での答弁を踏まえ、入学準備金を入学前の3月に支給するよう求めます。お答え下さい。

(3)公民館について
 1つに、公民館への指定管理者制度の導入に関する陳情が12月議会で採択送付され、教育委員会は「重く受け止める」と答弁しましたが、陳情の採択送付後にどう対応しましたか。
 2つに、1月21日に全行政区で市民対象の説明会が開催されましたが、参加した市民からは「市の説明や参加者のやり取りを聞いて不安になった。直営のままでもできるのに指定管理者制度は導入すべきではない」など、他にも導入に反対する意見が述べられ、理解は得られていません。
 説明会で反対の意見が出されたのであれば、指定管理者制度の導入はすべきではありません。お答え下さい。
 3つに、地域の様々な課題を解決し、住民自治を育てる社会教育施設である公民館は市直営で行うべきです。

<2回目>

1.市長の基本姿勢
(1)日本国憲法を千葉市に生かすことについて
 日本国憲法を千葉市に生かすことについては、首相や大臣であっても自治体の長や公務員は、最高法規である日本国憲法の「憲法遵守義務」があります。
 「憲法9条があるから戦闘とは言えない」というような答弁を繰り返す政府に、自衛隊員の命を語る資格はありません。それを「コメントする立場にない」とする市長の姿勢は、国の姿勢をそのまま容認するものと言わざるをえません。
 南スーダンの事態は、PKO5原則が崩れていることを現地の自衛隊の日報でも、明らかではないですか。
 ただちに憲法にもとづいて撤退を市長として求めるべきではないですか。
 いわゆる「共謀罪」についても、思想信条の自由や表現の自由という民主主義の根幹を揺るがすもので、犯罪行為がなければ罰しないという刑法の原則を踏みにじるものであり、憲法を生かすという市長なら新設に反対する態度を示すべきです。お答え下さい。

(2)国政の市民生活への影響について
 市民が不安に思っている年金・介護・医療・生活保護の削減など、市民生活への影響を及ぼす社会保障改悪などについて中止を市長は求めようとしていません。「国が総合的に判断すべきもの」としていますが、消費税増税は所得の低い方に重い負担になるとの認識はないのか。
 個人消費は16カ月連続で減少しているのに、市民にこれ以上の負担をさせて良いのですか。
 「働き方改革実現会議」の政府案では、残業時間の上限を年間720時間などとする原案を示しています。これが改善と言えるのか。
 国政に関して「動向を注視する」では、責任ある市長の態度とは言えないのではないですか。

(3)核兵器廃絶への取り組みについて
 署名に取り組むことについては「趣旨を理解した上で自身の判断により行う必要がある」としていますが、平和首長会議は核兵器廃絶と世界平和の実現に寄与することを目的に取り組んでいます。その内容について周知することとあわせて人類とは共存できない核兵器を廃絶するために、自治体、市長が先頭になって署名を呼びかけることが必要ではないのですか。

(4)カジノを含む統合型リゾートについて
 「MICE強化における選択肢の一つ」として認識し、カジノの誘致断念を表明しない。新年度予算案では「ギャンブル等依存症に対する基礎調査」が盛り込まれており、これもカジノを含むIR誘致を足がかりにするための調査と捉えます。
 カジノがなくとも千葉市経済を健全に発展させるということを表明すべきではないですか。

(5)新年度予算案について
 大型開発については「可能な限り見直し」を行なったとして、今後の維持管理も含め多大な予算を注ぎ込む大型開発への反省がありません。次年度以降も都心・副都心の整備に36億2千万円。産業用地整備支援建設負担金の債務負担行為10億円。さらに新庁舎建て替え、幕張メッセ改修・京葉線新駅建設の千葉市負担、新清掃工場建設が今後予定されています。
 財政健全化は、市民生活・福祉を削り、市民を犠牲にした結果です。
 1つに、財政健全化で改善された財政を今まで犠牲にしてきた事業、難病見舞金、長寿祝い金88歳支給、国保料の値下げのために使うことを求めます。
 2つに、財政健全化と県費負担教職員給付負担等移譲によって、健全化判断比率が改善され、実質公債費比率18%を切ります。そのため建設事業債を増やすなどして、生活道路整備などの予算を増額すべきです。
 地域経済の活性化については、市内の事業所数31,987事業所、そのうち99%が中小零細企業となっています。
 経済農政局経済部の新年度予算は363億円のうち、中小企業金融対策に299億円。差し引くと63億8,500万円。さらに企業立地関係費46億円を差し引くと25億円となります。
 新年度の地域商業活性化事業1,240万円を、商店数4,555で割ると、1事業所あたり2,722円にしかなりません。
 企業立地など呼び込みだけでなく、今まで千葉市経済を支えてきた中小零細企業や商店を応援する予算を求めます。お答え下さい。

(6)学校の普通教室へのエアコン設置について
 私どもは、外壁改修やトイレ改修、音楽室などへのエアコン設置は否定していません。議会は普通教室へのエアコン設置を求めています。エアコン設置は基本設計や実施設計、そのための補正予算を組むのにも時間がかかるものです。審議会を設置せずとも、緊急課題として市長が決断すればできます。市長が学校現場に出向いて、子どもたちの命と健康を守ることを最優先に、エアコン設置を決断すべきです。市長がお答え下さい。

(7)新庁舎整備について
 多額の予算がかかる新庁舎整備は先送りして、市民福祉の向上にこそ予算を振り向けるべきです。お答え下さい。

(8)公民館について
 指定管理者制度の導入は「市民サービスの向上に有効な手段である」と答弁していますが、指定管理者制度はコストカットが大前提です。継続雇用につながらないから社会教育施設では制度はなじみません。指定管理者制度から直営に戻す自治体も全国的に見受けられます。
 地域の課題を解決していく社会教育施設である公民館は直営で行うべきではありませんか。

<3回目>

 憲法を生かすことや国政への対応について、熊谷市長が最初の予算編成で提案された2010年2月議会では、我が党のふくなが議員から、強い企業をさらに強くすれば経済が成長して市民の暮らしはよくなるとの政治路線に対する見解、これまでの構造改革路線について問われ、「構造改革路線についてですが、競争力を高め、日本経済を発展させることと労働者、国民の暮らしを支える施策はどちらも大事であり、私としては、もう一度両者のバランスを見直す時期に来ていると考えている」との見解を示されていました。当時の民主党政権に変わった直後の予算議会でした。
 今では、「国が総合的に判断すべきもの」「国の動向を注視する」と後退し続けています。国民を苦しめ、平和を脅かし、憲法をないがしろにする安倍政権に追随する姿勢はやめるべきです。
  財政健全化によって改善された財政を、これまで犠牲にしてきた事業、難病見舞金、長寿祝い金復活、国保料の値下げ求めましたが、拒否して「真に必要とする人への予算配分」と答弁しました。難病で大変な方、国保料が高くて払えない方は「真に必要でない」ということになります。健全化で犠牲にしてきた事業やそのために協力していただいたという感謝の気持ちも感じられない、冷たい市政と言わなければなりません。
 市民生活、福祉を犠牲にし、財政健全化と大型開発を進めてきた市政の転換が5月の市長選挙で迫られます。このことを述べて、明日から行われる予算審査特別委員会分科会の中で各分野の審査をしていきます。
  日本共産党千葉市議団を代表しての質疑を終わります。

  • 千葉市
  • 千葉市議会
  • 過去の千葉市議団ホームページ
  • JCPサポーター
  • 共産党のキホンのキホン
  • 日本共産党国会論戦MOVIE

ページTOPへ