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日本共産党東京都議会議員団

2017年第1回定例会  もりた真弓議員の一般質問と答弁

2017.3.14

1、高齢者の外出支援について
【もりた真弓議員】
 「年を取り足腰が弱ってきて、杖を使用しても10分ぐらいしか歩けなくなった。タクシー代を出すのも大変なので、低年金受給者にバス乗車券を配布してほしい。」加齢による身体能力の低下により長距離の歩行が困難となった方や、年金が減らされるもとで経済的に困窮する方など、高齢者の実態は深刻です。
 冒頭に紹介した「市民の声」は千葉市のホームページに掲載されており、千葉市は回答の中で、過去の敬老事業について触れ、敬老乗車券の廃止理由に「平均寿命が大幅に伸びたことにより長寿の概念が変わったこと」と「対象者の急増による経費の増大により制度の維持が困難であること」をあげています。
 また千葉市は、今後高齢化がさらに進展し、医療・介護などの関連する施策への財政需要が大きく増加することが想定されることから、高齢者施策の充実については、限りある資源・財源の中で、高齢者の健康づくりや認知症や寝たきりなど重度の要介護状態となっても、できる限り住み慣れた地域で生活できる環境整備をとも述べています。
 かつて千葉市で実施していた敬老事業は70歳以上の高齢者を対象に、敬老乗車券8,000円分(バス回数券、モノレールカード、及びその両方)と敬老祝い金6,000円のどちらかを選択する形で実施されていました。平成19年に廃止となって約10年が経過しています。そこでうかがいますが
 1つに、敬老事業が行なわれていた当時と比較して、高齢者の今の暮らしは明らかに大変になり、外出は困難になっているのではないか。
 2つに、千葉市の掲げる「高齢になっても、住み慣れた地域で生活できる環境整備」とは何かおたずねします。
 3つに、高齢者が買い物や通院など日常生活を営むことや、外出して文化・芸術、趣味などの活動を楽しみ、日々の生活を充実させることは、認知症予防と心身の健康維持をめざす、千葉市の取り組みの大きな柱ではないのか。
 市内を行き来できるバス交通は、主要駅と地域の拠点を結ぶ、最も身近な公的交通網です。市内で運行している民間バスは12社ですが、H18年に342系統だった路線数を、H27年には477系統にと増やしています。採算の取れない路線については廃止をし、より採算性の高い都心・中心街の路線ルートへ移行し、ますます地域間格差が広がっています。
 4つに、公共交通網としてのバス路線の縮小・廃止は、車を運転しない交通弱者の生活を直撃することになると思うが、市としてどのように考えているのか、おたずねします。
【保健福祉次長答弁】
 10年前と比べ、高齢者の外出は困難になっているとのことですが、10年前の平成19年度に敬老乗車券等の配布の対象であった70歳以上の方は、約10万8千人でしたが、本年2月末では約17万人で、約1.6倍に増加しております。外出時の交通手段となる民間バスなどの公共交通機関は、10年前に比べ路線数が増えるなどしているところですが、一方で、核家族化の進展によって家族と一緒に外出する機会の減少や平均寿命の延伸により、高齢者自身の外出が難しくなっている新たな状況もうかがえるところです。現在、第7期高齢者保健福祉推進計画の策定にあたり実施している高齢者の実態調査しており、この結果などを参考とし、高齢者の外出状況の把握に努めて参ります。
 「住み慣れた地域で生活できる環境整備」「日々の生活を充実させる取組み」については、日常生活を安心して送ることができることに加え、趣味活動や生きがいを感じる活動、周囲の方々との交流などの場が身近な場所に複数存在することが、認知症予防や健康寿命の延伸につながり、高齢者がその人らしく住み慣れた地域で暮らし続けるために必要な環境であると認識しております。
【都市局次長答弁】
 超高齢化が進む中で、地域住民の移動手段となるバス路線を維持・確保することは重要な課題と考えております。
 市内のバスは、全て民間バス事業者により運行されており、定時性、速達性など利用者の利便性などを見極めながら、需要や採算性などを考慮し、バス路線の新設や撤退、増便、減便など行っておりますので、路線を維持するためには、何よりも、路線沿線の地域の方々にバスをご利用していただくことが重要と考えております。

【もりた真弓議員】
 「敬老乗車券制度」は政令指定都市では14市で導入中です。それぞれ利用者負担等の制度の変更などはしていますが、今現在も、敬老乗車券に類似する制度を継続しています。
 全国の少なくない自治体で、「敬老乗車券」が継続されている理由についておたずねします。
【保健福祉次長答弁】
  実施している多くの都市において、市営のバスなどを運行していることが、継続されている理由の一つではないかと考えております。

【もりた真弓議員】
 そもそも千葉市が敬老事業として、敬老乗車券制度を導入した理由は何だったのか。
【保健福祉次長答弁】
 平成5年度から高齢者の社会参加を促進するため、敬老乗車券を支給しておりましたが、平成19年度に支給総額が約7億円に達し、今後の更なる高齢化の進展を考えると制度の維持が困難なことから、敬老乗車券を廃止し、敬老祝金を節目支給としたところです。

【もりた真弓議員】
 70歳以上の高齢者人口は、10年前と比べて1.6倍、約62,000人増えているとのことでした。民間バスは、採算のとれる路線へとシフトし、もうからない地域からは撤退し、バスが走らなくなっています。2015年6月議会の野本議員の質問への答弁で、千葉市は「本格的な超高齢化社会を迎えるにあたり、高齢者の移動手段を確保していくことは重要な課題」としています。
  高齢者人口が増加する下で、移動手段の確保を急ぐ必要があるのではないか。
【都市局次長答弁】
 高齢者の移動手段も含め、利用の少ないバス路線については、行政及び交通事業者が、移動手段の確保のため多大な費用を負担して維持することは困難と考えております。このため、地域の方々が必要としている公共交通に対しては、地域自らが主体的に運営に参画し、これを支えていくような取り組みが必要であり、このような取組みに対し、本市は地域参画型コミュニティバス等運行支援制度により支援して参りたいと考えております。
 
【もりた真弓議員】
 市は「地域の特性に適した移動手段を構築していくためには、地域住民が主体となった取り組みが必要」と答えています。
 千葉市が取り組んでいる「地域参加型コミュニティバス等運行支援制度」については、2016年12月議会でのかばさわ議員の質問への答弁で、「稲毛区北部の1地区で協議会設立準備会を立ち上げたが、意見の集約に時間がかかっているため運行開始に至っていない」とのことでした。
 その後の進捗状況について。運営協議会への補助金交付は行なわれたのか。移動に不便を感じている地域に対しての周知はどのように行なったか。
【都市局次長答弁】
 現在、稲毛区北部で地域参画型コミュニティバスを立ち上げるべく進めておりますが、運行ルートや運行頻度、資金計画など協議している段階なため、運行には至っておりません。また、地域の公共交通は、地域の特性に適した交通手段を構築する必要があるため、制度については、地域の方々からの相談に応じて、出前講座による説明会や公共交通アドバイザーの派遣などを行って参ります。

【もりた真弓議員】
 地域住民が主体となった取り組みは必要で、地域の特性に適した移動手段を構築することは当然ですが、構築に時間がかかります。
 デマンドタクシーについても、我が市議団は、高齢者の外出支援を図るため、乗り合いタクシーなどの提案をしてきていますが、市は、地域住民の移動手段の確保施策の一つとしながら、運行経費がバスより高いとか、乗りあうことで乗車時間が長くなるなどの理由で、実現に至っていません。
 千葉市が早期に実施できる高齢者の移動手段はないのか。
【保健福祉次長答弁】
 現在、市社会福祉協議会において、高齢者福祉施設の事業者の協力を得て、デイサービス用の車両により買物に困っている高齢者の自宅と店舗の間を、週1回送迎する「買い物支援サービス」を2つの地域で実施しているところです。

【もりた真弓議員】
 デイサービス事業者等の車両を活用した高齢者支援については、今議会でも他の議員からも出されました。社会福祉協議会がかかわり、若葉区では大宮台、北大宮台、多部田町、緑区では大椎町で、特養ホームの事業者が買い物支援サービスに踏み出しています。
 他の地域でも、短時間の買い物等、送迎の空き時間に行なう地域支援事業として、デイサービス事業者等に協力を申し出てはどうか。
【保健福祉次長答弁】
 市としても、こうした取り組みが広がるよう市社会福祉協議会に働きかけるとともに、市老人福祉施設協議会に対し、協力を求めて参ります。

【もりた真弓議員】
 買い物支援サービスを行なっている事業者への助成制度を検討することを求めるがどうか。
【保健福祉次長答弁】
 社会福祉法人としての事業者の意向や運営状況を把握するなど、支援の必要性について、検討して参ります。

【もりた真弓議員】
 高齢者は待てません。毎日やっとの思いで生活している。自分の行きたい、必要な場所に自由に行けないのは、人権問題です。すぐに改善が必要です。

2、農地の活用について
【もりた真弓議員】
 国の基幹産業である農業は、その豊かな土壌で食料を生産します。また、農地は治水・保水能力に優れ、雨水の調整役としても重要で、環境保全などいくつもの役割を果たしています。
 しかし、農業を取り巻く状況は厳しく、後継者不足から営農をあきらめ、やむなく農地を手放さざるを得ない農家が後をたちません。駐車場や宅地、倉庫などへとつぎつぎ用途変更され、農地は毎年30ha~70haずつ減り続けています。千葉市内の農地は、10年前と比較して400haも減少するなど深刻です。
 作物をつくることができる農地を存続し、できるだけ農地として耕作し続けられるように、千葉市では現在、農家から耕作可能な土地を提供してもらい、中田都市農業交流センター市民農園、あすみガーデン市民農園、園芸協会市民農園で希望者を募り、市民農園として利用促進に取り組んでいます。退職を機に家庭菜園をはじめるかたも増えているとのことで、利用者が増えれば農地減少の解消に有効な方法のひとつと言えます。
 そこで、市民農園についてうかがいます。
 先日、地域の市民農園を利用する方から、相談が寄せられました。
 市民農園は、毎年2月1日付の市政だよりで利用者を募集し、はがきによる抽選で、3月から翌年の2月までの11か月間、貸し出しをしています。人気のある場所では必ずしも希望通りになるとは言えません。
 市民農園は、農家と市民が直接契約する形態で運営され、農地の管理は農家であり、市園芸協会はそのつなぎ役となっています。農地は、近隣の街並みや空間を保ち、周辺住民に寄与するものです。より多くの農地を保全し農地として継続することは、行政の役割です。うかがいますが
 1つに、市民農園が果たす役割について
 2つに、市民農園の利用状況と今回の応募状況について
 3つに、より多くの希望者へと貸出し、効率よく利用の促進を行なうためには何が必要か、お示しください。
【経済農政局長答弁】
 市民農園が果たす役割についてですが、市民農園は、都市住民にとって身近に土とふれあい、農業を体験できる場であり、農家と都市住民との交流において、重要な役割を果たしております。一方、担い手の高齢化や後継者不足と農地の遊休化が進む中、農地所有者にとっては、農地の有効活用につながり、農業経営の一助となっているものと考えております。
 市民農園の利用状況と今回の応募状況についてですが、本年1月末時点の利用率は、全区平均で82%となっており、特に、稲毛区が100%、次いで、中央区が97%、花見川区が94%、若葉区が73%、緑区が64%となっております。また、2月の応募状況は、791の空き区画に対し、232区画の申し込みがあり、平均倍率は0.3倍だったものの、募集区画数に対し応募が上回った区は、中央区2.4倍、稲毛区が2.1倍となっており、区による人気の偏りが生じている状況です。
 多くの希望者に貸し出し、利用促進に必要なことについてですが、園芸協会では、2月の申し込み抽選で漏れた方には、空きのある農園を斡旋しているほか、5月に行う追加募集の際には、対象を市外在住・在勤の方に広げるなど利用促進に努めております。今後とも、農園数が少なく、応募倍率の高い、花見川区、中央区、稲毛区などの都市部の農地を中心に開設希望者を募り、多くの利用希望者に提供できるよう開設支援を行って参ります。

【もりた真弓議員】
 市民農園は、都市住民にとっても農地所有者にとっても双方にメリットがあるとのことです。しかし、区ごとの応募状況には人気の偏りが生じています。
 こうした偏りの要因は何か。
【経済農政局長答弁】
 農園までの距離や交通アクセスなど、利用者にとっての利便性の違いなどが、偏りの主な要因と捉えております。

【もりた真弓議員】
 市民農園の応募倍率が高い都市部では、新たな開設希望者を募るとのことでした。
具体的にはどのような方法で行うのか。
【経済農政局長答弁】
 これまで、「市政だより」や「市ホームページ」「農業委員会だより」などを通じて、開設希望者を募っておりますが、今後は、JA千葉みらいの都市部に近い支店における地区座談会の場など、農業者の集まる機会をとらえ、利用率の高い都市部での市民農園の開設支援に努めて参ります。

【もりた真弓議員】
 空き区画は5月に追加募集を行なうとのことだが、どの程度埋まるのか。
【経済農政局長答弁】
 昨年5月の状況では、追加募集456区画に対し、66区画が埋まり、全体として利用率が2ポイント増加しました。また、本年2月の募集では、利用希望者が全区画数の7割強にとどまっていることから、今後、空き区画の追加場周により、利用率の向上を図って参ります。

【もりた真弓議員】
 市民農園では、貸し出す農家が水道とトイレを設置すると聞いたが、
 農機具の貸出があると、農園利用者も身軽に畑に行き作業できる。利用希望者も増えるのではないか。
【経済農政局長答弁】
 一部の農園では農機具の貸し出しを行い、利用者に好評を得ていることから、今後、農機具の貸出方法や取り扱いなどについて、市園芸協会と協議し、園主へ提案してまいります。

【もりた真弓議員】
 定年退職した男性が「今年は何をつくろうか」と計画し「いちごが上手にできたら持ってきますね」と楽しそうに話します。生きがいと健康につながる市民農園を、もっと多くの人に広げ、農家のみなさんとの活動につながれば、と思い取り上げました。千葉は気候も良く災害も少ない土地なのに休耕農地が多くもったいない。少しでも借りたい人と貸したい人のマッチングが進むことを求めてつぎに移ります。

3、避難者支援について
【もりた真弓議員】
 国が、原発事故で福島から自主避難している世帯への住宅支援を、今年3月で打ち切ることが、大問題となりました。支援打ち切りに対する抗議は全国に広がり、住宅提供の継続を求める意見書をあげた地方議会は56自治体にのぼります。
 千葉市議会では、2016年第3回定例議会に、市民団体から2本の陳情が提出されました。続く第4回定例議会には、共産党議員団から「福島第一原発事故による被災者への支援の継続を求める意見書」を提出しましたが、残念ながら他会派の賛成が得られず意見書採択に至らならなかった経過があります。
 千葉市は現在、福島から34世帯の避難者を受け入れていますが、自主避難者の20世帯については、住宅支援が打ち切りとなります。福島県から民間賃貸住宅の家賃の半額、上限30,000円の補助は出ますが、4月以降、大幅な負担増となります。
 そこでうかがいます。
 国と福島県が、支援を次々と打ち切り、原発事故を終わったことにしようとするもとで、千葉市の避難者への住宅支援の考え方についてお示しください。
【都市局次長答弁】
 千葉市の避難者への住宅支援の考え方についてですが、自主避難の方の4月以降の居住先は、全て確保されたことを確認しております。また、新たに本市に住みたいと言われる自主避難の方がいらっしゃれば、公的賃貸住宅に関する情報提供や、市営住宅に応募の際はポイントを付与する優遇措置など、できる限りの支援を行って参りたいと考えております。

【もりた真弓議員】
 千葉市の「自主避難者」の方の居住先は確保されたとのことでした。
 今月末で打ち切られる住宅支援ですが、新たに福島県が行なう住宅支援はいつまでか。
【都市局次長答弁】
 新たに行う福島県の住宅支援は、平成29年4月より2年間とのことです。

【もりた真弓議員】
 避難者のみなさんは「避難解除と言われても放射能は大丈夫か」「6年間使っていない自宅に住めるのか」「帰っても通える病院があるのか」など、様々な不安と困難を抱えて生活をしています。
 原発事故は収束とは言えず、避難された方はいつ福島に帰れるのかわかりません。住まいを失うことがないよう、千葉市は必要とする期間、住宅を提供しますか。
【都市局次長答弁】
 市営住宅に入居を希望され、入居要件を満たしている方は、公募により入居が決定すれば、既に市営住宅にお住まいの方と同様に、希望する期間、お住まいになることができます。なお、公募の際には、国の通知に基づく入居要件の緩和のほか、ポイントを付与する優遇措置がございます。

【もりた真弓議員】
 国は、今後避難指示を解除した自治体についても順次支援を打ち切る方針です。事故の責任と費用負担の大原則は、本来、事故の原因者・責任者である東電が全財産をはたいて責任を取るべきです。
 国と東電に住宅の無償提供を行なうよう求めるべきではないのか。
【都市局次長答弁】
 まず、国と福島県の動向を注視し、その上で必要に応じ、他都市とも協議しながら、本市の対応を定めて参りたいと考えております。

【もりた真弓議員】
 東日本大震災から6年を経過してなお復興事業は遅れ、被災者の大きな負担となっています。政府の露骨な「福島切り捨て」は、一方的な避難指示の解除、自主避難者への住宅無料提供の支援打ち切りにもなっています。原発推進のために、原発事故に苦しむ被災者に、新たな困難を押し付ける政治は許せません。すべての被災者の生活と生業が再建されるまで、国と東京電力が支援することを強く求めて、一般質問を終わります。

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