2017年第1回定例会 かばさわ洋平議員の反対討論
2017.3.15
市長提案の59議案中12議案に反対し、発議第1号が否決され、請願第1号と請願第2号が不採択となったことについての討論を行います。
反対する第1の理由は、安倍自公政権の相変わらずの暴走政治に対し、千葉市長の政治姿勢と、新年度予算が自治体として防波堤の役割を果たしていないからであります。南スーダンPKO派兵の自衛隊への「駆け付け警護」などの新任務が付与され、PKOに参加する自衛隊員の命の危険性が高まっており、政府に対し撤退を求めるよう市長にただしましたが、「政府の動きを注視する」に留まりました。その後、政府は南スーダンPKOの自衛隊施設部隊の撤収を表明しました。南スーダンへの憲法違反の派兵の破たんを示すものであります。自治体の長は最高法規である憲法の遵守義務があり、下志津駐屯地のある千葉市の市長として、自衛隊員の生命や市民の「南スーダンからの撤退を」と願う声に応えて、政府に国政上の問題についても意見を述べるべきです。
また、貧困と格差が広がるなか、国に対して年金・介護・医療・生活保護改悪中止を求めても「制度の見直しも必要」との答弁です。市民生活の実態に寄り添い、国民生活をこわす政治への防波堤となって市民生活を守ることが必要です。
反対する第二の理由は、他自治体と同じ県民税を払っている市民に対して不公平な扱いを受けている県単独事業補助金、子ども医療費は他市が2分の1に対して千葉市は4分の1、重度障害者の医療費も他市が2分の1ですが、千葉市は1億円で頭打ちです。これら県との関係で不公平な35事業18億4,754万円は、千葉市にとって早急に改善が求められています。森田千葉県知事に要求できない熊谷市長の姿勢は、市民の利益を守る立場が欠落しており厳しく批判をするものであります。
反対する第三の理由は、財政健全化を名目に市民福祉を切り下げて、一方で大型開発に多額の予算を注ぎ込み、市民の願いや必要性の高い施策については先送りした予算であるからです。
新年度予算は、一般会計4,415億円で前年度比10.3%増でありますが、県費負担教職員給与負担等移譲による433億6,500万円を差し引くと、前年比22億6,500万円減額の予算です。
新年度予算を、「地方自治の本旨福祉の増進」の視点から検証すれば、第一に財政健全化を理由に市民に犠牲を強いる予算となっています。事務事業の見直しと称して、がん検診大腸がん5歳ごと廃止等のカットで6,573万円、福祉タクシー・自動車燃料費助成所得制限導入、障害者就労移行・自立訓練の作業着代費用の支給廃止、民間保育園退職手当共催掛金補助廃止、私立幼稚園長時間預かり保育事業H30年度で廃止。公共料金値上げでは、国民健康保険料6年連続値上げ、平均改定率4.4%、9億2,626万円負担増で、合計10億6千万円の福祉カットを強いています。
熊谷市長8年間の福祉カットは、事務事業見直し134件30億円、公共料金改定114億5千万円国保会計繰入カット27億6千万円、家庭ごみ有料化51億1千万円など合計223億2千万円にも上っています。
一方、大型開発には新年度10億7千万円の予算が計上されています。熊谷市政がスタートしたH22年度から多額の予算を注ぎ込んできた、千葉駅西口再開発、蘇我臨海開発等などに加えて、千葉駅周辺開発、海辺の活性化、幕張新都心など新たな開発に投資しており、新年度予算は10億7千万円計上し、次年度以降の事業には多額の予算が予定されています。この他、新庁舎建て替え予算額8,140万円、などが計上されております。熊谷市長8年間に実施された大型開発は、累計264億6千万円に及んでいます。
また、今後の大型開発や多額の予算が予定される事業は、都心・副都心の整備・千葉駅周辺の活性化等51億2,900万円、産業用地整備支援建設負担金・誉田明大農場10億円、新庁舎整備総事業費298億円、幕張メッセ改修160億円の千葉市負担、京葉線新駅建設費180億円の千葉市負担、新清掃工場建設360億円などであります。
以上、財政健全化を名目に市民福祉を切り下げて、一方で大型開発に多額の予算を注ぎ込む熊谷市政を転換し、市民生活・福祉を優先する市政に転換することこそが、97万市民の願いであります。
わが党は、大型開発を抑制し次の事業に予算を振り向けることを求めるものです。
第1に、財政健全化は福祉カットによる市民と、過度な給与カットによる職員の犠牲ですすめられてきたわけであり、改善された財政の一部を、今まで敬老会補助金カット134事業や公共料金値上げ等、市民を犠牲にした事業のうち切実な事業の復活に振り向け、難病見舞金復活、88才祝い金の継続、支払い可能な国民健康保険料に引き下げを実施することを求めるものです。市長は改善された財政は、「真に必要な福祉に使う」と答弁しましたが、私どもが提案した3事業は、真に必要な福祉そのものであり、この切実な願いを拒否することは「言行不一致」といわざるを得ません。
第2に、必要性、緊急性から求められる次の事業に取り組むことであります。
必要性の高い小中学校普通教室エアコン設置に速やかに取り組み、児童生徒を熱中症から守り、教育環境整備すること、そのために新年度エアコン設置の基本設計2,000万円を予算化することを求めるものです。市長は、学校教育審議会設置条例制定予算100万円を計上し、エアコン設置の是非を審議してから実施しようとしており、児童生徒の健康第一に考えればただちに設計費を予算化すべきです。
第3に国民健康保険についてですが、国庫負担金を大幅に増やすことが必要です。保険料値上げ平均改定率4.4%、1人5,079円の引上げは、3人家族だと1万5千円の値上げになり、払いたくても払いきれない保険料をなぜ市民に押しつけるのでしょうか。国民健康保険は市民の命と健康を守る社会保障であり、市民の所得が減り続けているのに6年連続の値上げを行うことは、市民生活の実態を把握していないと指摘せざるを得ません。料金値上げを撤回し、支払い可能な国保料への改定を強く求めるものです。
次に、市民生活に大きな影響を与える市政の課題について意見を述べます。
まず第1に、公民館の指定管理者制度の導入についてです。予定していた条例提出は延期されましたが、市は進めようとしており問題です。教育委員会は、指定管理者制度を導入して人件費を減らし、浮いた費用で公民館事業の充実や施設の改修を行うと説明しますが、本来行政が果たす責任を回避しています。利用者の高齢化が進むなか、新たに子ども食堂や学習支援を実施するなど居場所づくり支援を行い、公民館を軸とした地域活性化を求めるものです。
社会教育施設であり、様々な市の課題解決を行う役割を発揮すべきです。災害時の避難場所など市民の身近な施設である公民館を、コスト優先で指定管理者制度の導入は中止すべきです。中学校区ごとに公民館があり、無料で利用できる千葉市は、全国から高く評価されており、予算を充実させ、バリアフリー化を進め、老朽化対策を講じ、職員の研修を充実させ、直営として住民自治を発展させるべきです。
第2に新庁舎建て替えについてです。新年度予算案では基本設計8,140万円、PFI 導入可能性調査など計上していますが、わが党は建て替えの必要性は認めていますが、築47年の現庁舎は応急の耐震工事を行えば当分使える施設であり、市所有になった中央CCセンターに教育委員会の移転など行えば、行政の集約と賃貸料削減などが可能になります。また千葉市は財政危機の下で庁舎建設基金をほとんど借り入れて、資金ゼロ状態の下で298億円もの投資は無謀であり、そんな資金繰りができるのなら切実な市民福祉や小中学校普通教室エアコン設置に予算を回すべきであります。オリンピックや震災復興で建設作業者不足や、建設資金高騰の時であり、本庁舎整備は当分の間凍結して、しかるべき時期に市民の声もよく聞いて行うことを求めるものです。
第3は、IRカジノ誘致についてです。カジノ推進する法律が国会で強行採決され、市長は、幕張新都心への誘致について「慎重に検討すべきもの」とのべ否定をしていません。そしてH24年度 300万円の予算で実施した影響調査に続いて、新年度はギャンブル依存症調査に250万円の予算を計上したものです。どんな調査をするのか質問したら、千葉競輪場の入り口で入場者に対して「聞き取り調査」を行うという答弁でありました。千葉競輪場はピーク時には1日2万人もの入場者であったが今は、1日1,200人程度で主に年金暮らし高齢者が、100円の車券を1枚2枚買って、1日過ごす場所になっています。ここで聞き取りしてもギャンブル依存症の適切な調査にはならないのではないでしょうか。アリバイづくりの調査ではないのかと疑義もあります。市長は、IRカジノは幕張新都心の賑わいの一つとし考えているとしていますが、千葉市をギャンブル依存症が増え、市民が多額の損失を被り、風紀が乱れ、青少年に悪影響を広げ、暴力団の介入する街にしてはりません。幕張新都心の健全な発展のため、IRカジノをきっぱり断念すべきであります。
最後に、新年度予算では、千葉市を活性化する街づくりに予算を振り向けることを求めるものです。市の進める千葉市らしさ、加曽利貝塚・千葉氏・大賀ハス・海辺の街づくり予算900万円今後多額の予算を投入するより、太陽の子を育てる、若者が希望持つ街、高齢者が健康で元気な千葉市に向けて、デマンドタクシー運行支援、保育所の増設・木造保育所はリースで建て替え、「若者支援課をつくる」「高齢者元気プラン」策定実施などに予算を振り向けることを求めます。また、千葉市元気サイクル、特養ホーム建設、住宅リフォーム助成制度創設等、循環型事業推進をして経済活性化をはかることも求めておきます。
次に各局の指摘を致します。
まずは総務局についてです。
防災、自主防災組織結成促進は先進自治体を目指しての取り組みをすることと、マンホールトイレ整備3ケ所で合計61カ所は市内小中・養護学校69校の36%であり、今後の取り組み強化を求めます。
職員の残業は年間1,000時間を超える職員が1名、さらに700時間を超える職員が10名以上おり、深刻な実態が打開できていません。電通の長時間残業過労による自殺事件が社会問題になっている時、千葉市職員の長時間残業を改めて、厚労大臣告示残業の上限月45時間・年間360時間を厳守すべきであり、非正規職員ではなく、正規職員を増やすことを求めておきます。
次に、市民局です。
スポーツ振興基金条例については、わが党がかねてより求めてきたものであり、市民や企業からの寄附と基金の活用によって、当面は東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた障害者スポーツの推進につなげます。トップアスリートだけでなく、市民が気軽に楽しめる振興策の充実を図るよう求めます。
消費生活対策については、悪質な訪問販売・電話勧誘が増加しています。「カモリスト」と呼ばれる名簿が使われ被害を拡大している状況があり、被害防止対策の強化が求められています。消費者庁が持つ業者の顧客情報提供の受け皿となる「消費者安全確保地域協議会」を関係機関と早急に設置して、対策を講じるよう求めます。
千葉市文化交流プラザは今年度末を持って、廃止するとしていますが、廃止後の取り扱いについては、土地と建物を一体で売却することや音楽ホールを10年以上継続することを条件としています。この条件がついている理由は、何よりも市内に代替施設がないためです。施設更新に今後5年間で10億円の費用が必要となっていること、違反した時のペナルティーも検討中など課題が山積している以上、代替施設が決まるまで、廃止は取りやめ、市民の文化振興に寄与する施設を市が責任を持って運営していくことを求めておきます。
次に、保健福祉局です。
千葉市介護保険条例等の一部改正についてです。介護保険の改悪で要支援者向けのサービスが介護予防・日常生活支援総合事業移行する問題です。この総合事業は総介護費の抑制と重点化を図るものであり介護の社会化を目的にした介護の社会化の理念を捨てて、再び介護の家族化、介護の商品化を行うものです。厚労省の元局長であった堤修三氏が「この改正で制度の原則を失いつつあり介護保険は国家的詐欺になる」と鋭く指摘をしています。介護給付は必要に応じて負担は能力に応じる原則に基づいて実施されなければなりません。この点から一部改正には賛成しかねるものです。
次に、子ども未来局についてです。
保育園落ちた、入れないという市民からの声が寄せられています。現時点において、一次申込み時点で、入所待ちとなっているのが1,179人となっており、また現時点18施設で計37人保育士が不足している状況で、325人の子どもに影響があると予算分科会で明らかになりました。近隣政令市や東京都などが保育士への独自処遇上乗せを実施しているなか、千葉市在住の保育士との賃金格差が拡大し、他市へ流れているのが実態です。低すぎる保育士賃金の改善を先送りした結果、4月またしても保育士不足に伴う待機児童や入所待ち児童が増えることを懸念します。速やかに市独自の処遇改善に取り組むよう求めるものです。
わが党が再三求めてきた子どもルームの指導員の経験給が導入されたことは一歩前進ですが、4月に向けて指導員不足が現場で寄せられています。指導員の大幅な処遇改善で人材確保に努め、高学年ルームは専門の部屋でエアコン設置し、子ども達の放課後の居場所としての質向上に取り組むことを求めます。
次に、環境局についてです。
太陽光発電設備設置による景観阻害、反射光による住環境悪化、土地の形質変更による防災機能の低下、近隣への説明不足など問題となっています。地域環境との調和を図る対策を求めるものです。
新清掃工場整備は、ストーカ炉より格段に二酸化炭素を排出するガス化溶融を導入しようとしています。温暖化対策に逆行することや、炉メーカーによる施設整備・管理を行うことになるなど問題だらけです。整備のための多額の予算はプラスチック容器包装の回収と再資源化など、3R(スリーアール)を徹底すべきです。
次に、経済農政局についてです。
産業用地整備支援については、建設負担金という形で10億円の債務負担行為を設定しています。中学校や住宅街が隣接していることもあり住民環境へ配慮、住民への丁寧な説明を求めます。また、1企業にインフラ整備のために多額の予算を投入することはやめ、企業の呼び込み型ではなく、地域経済を支えてきた中小企業、商店街支援こそ必要です。
農政の予算を抜本的に引き上げることと、農家や後継者への営農支援が求められます。6次産業化をめざす農家への対策を強め、千葉市農業を基幹産業まで引き上げるために農政センターの役割を発揮することを求めておきます。
次に、都市局についてです。
千葉港整備事業の総額は47億3,000万円で進捗率は72%となり、これまでの千葉市負担は23億円を超えています。今後も円形桟橋・護岸工・2本目の桟橋・港湾緑地の2工区整備が予定され、年間の維持管理費は960万円になります。
千葉中央港地区まちづくりは複合施設のオープンから1年を迎え、訪日外国人旅行者を対象に海上交通を促進する取り組みはありますが、千葉港が来てみたい港と思われているのか、検証が必要です。千葉港の施設維持や安全対策の負担に加えて、施設整備が市民に必要か見直し、新たな整備については慎重にすべきです。
千葉駅周辺の活性化グランドデザインに基づき、千葉駅の新駅舎開業に合わせ、東口広場、西口ビル、中央公園から通町公園、千葉神社まで含めて、千葉都心地区の活性化に向けて事業が組まれています。中心市街地を重点にしたまちづくりに偏ることなく、6区全体をしっかりと見回してバランス感覚を持ったまちづくりに取り組むための予算編成を求めるものです。
千葉都市モノレールについてです。
千葉都市モノレールは、車輌の更新、資金ショート、千葉市所有のインフラ施設及びインフラ外施設の更新など、今後12年間で、モノレール会社が約156億円、千葉市が約156億円、合計312億円の支出が試算されています。モノレールは1日4万7千人の乗客を運ぶ、千葉市唯一の公共交通機関であり、必要な費用負担を行い維持管理しなければなりません。
そのために、経営困難に陥った原因を明らかにして、経営改善策を実行することが求められています。
経営困難に陥った主な原因は、一つに、循環ルートの頓挫による乗車人員の激減。2つに、共同事業者だった千葉県が撤退したこと。3つに、青葉病院までのルートによって、乗車人員1日8,800人増、25年間で80億円の増加を見込んだ計画の凍結にあったのではないでしょうか。乗車人員増加のための改善計画として、青葉病院ルートの検討の際には、国に対し、公共交通として補助を求めること、千葉県からの助成を求めること、沿線の人口増加策や高齢者へのサービス改善などに力を入れることを求めるものです。
次に、建設局についてです。
生活道路整備など市民の安全安心を確保するインフラ整備をすすめること、そのためにも土木事務所予算のさらなる増額を求めます。
道路直轄事業負担金は、国道357号線の車線拡幅に伴う花園橋拡幅整備と、国道16号線のワンズモール交差点の歩道橋撤去に伴う安全対策事業ですが、必要な工事とはいえ国が管理する国道の改築に係る事業費であり、本来国が負担すべきものです。
次に、教育委員会についてです。
県費負担教職員の給与負担等の移譲についてです。
県から委譲されるに伴い、子の看護休暇の対象事由から学校行事が適用除外となることや、介護休暇の取得期間が3年から6月と休暇制度等で従前の制度と比較して後退があります。休暇制度含めた労働条件の後退があってはなりません。また、病休や産休で教員が不在となっている未配置校は10校あります。移譲を契機に不在となっている教員の配置を速やかに改善すべく求めるものです。教員の働きやすい環境整備と教員多忙化、さらに行き届いた教育を千葉市の子ども達に届けるために少人数学級へ向けた教員配置と増員を求めておきます。なお、移譲に伴う費用439億円に対して、90億円は臨時財政対策債となっていることは問題です。移譲財源は、いわゆる「真水」であるべきで、国や県に改善を求めるべきであります。
千葉市学校教育審議会についてです。
小中学校普通教室へのエアコン整備等については、新たに学校教育審議会を設置して市民や有識者等の意見を十分に聴取するとのことですが、市民の公募はわずか2名です。2名で市民の意見を聞いたことになるのか疑問であります。また、予算審査分科会において答申の重みについては最大限尊重すると教育委員会は答弁しました。普通教室のエアコン設置は、審議会の答申次第ではさらに数年先延ばしになることを強く懸念するものであり、子どもの最善の利益を考えると賛成しかねます。子ども達の夏場の健康被害を何年も放置してはなりません。審議会を開かずとも、市長と教育委員会が今すぐにエアコン設置に向けた決断をして新年度予算において設置に向けた設計費の計上を強く求めるものです。
発議第1号 千葉市子どもの社会的養護検討委員会設置条例についてです。
児童虐待や育児放棄の増加など、社会的養護が必要とされる子どもが増えているなか、子どもの最善の利益を実現するために、里親等の普及啓発、里親等の委託推進及び支援、特別養子縁組制度の利用促進、子どもの養育強化等に関して調査審議し、市長に意見を述べる、千葉市子どもの社会的養護検討委員会を設置しようとするものです。
委員会審議において、市民ネットは「発議の必要性についてつかみ切れていない。市長も対応していることもある。今から委員会は立ち上げる段階ではないと思う」と反対。未来民進ちばは「社会的養護の問題は国、県との連携が必要。附属機関と類似し重複しないように記されている。思いはわかるが設置は必要ない」と反対。自民党は「里親推進の方針決まっているのに答申が逆になることのリスクもある。議会が後押しすればよい問題」と反対。公明党は「子どもへの困難事例は現場が対応している。検討委員会を持つよりも制度、協議機関で対応できる」と反対しました。
社会福祉審議会では、社会的養護について特化した議論はされてないなかで、審議会の位置づけを適切に判断もせず、反対したことは極めて遺憾です。産婦人科医など関係者を集めて、望まない妊娠への対応や子どもの自立に向けた取組み強化などは現状の審議会や縦割りの行政構造では不十分です。社会的養護の充実に向けての縦割りを解消した取組み強化を強く求めるものですあります。
次に、請願第1号カジノを含む統合リゾートIR候補地申請・誘致しないことに関する請願についてです。
本請願が、日本共産党・市民ネットの賛成、反対は自民・公明・未来民進で不採択となったのは遺憾です。
請願は「カジノ解禁がギャンブル依存症の拡大だけではなく、多重債務、暴力団関与やマネーロンダリング、周辺地域の治安悪化、青少年への悪影響など大きな問題を抱えることになる」として「千葉市の健全な発展のためにも、カジノを含む統合リゾートIRの候補地として申請を行わず、千葉市は誘致しないよう」求めています。当局の参考説明は、「MICE強化における選択肢の1つと認識し、IRの誘致について、慎重に検討を進める」とあり、誘致を進める可能性を示しています。
各会派の対応は、自民党が「カジノを健全でないという考えには賛同しかねる。自民党はカジノ推進派なので請願には賛成しかねる」。公明党は「現段階において、候補地の申請は行わないという最終的判断を下すことには賛成しかねる」。未来民進は「今回、最終的に誘致しない結論を出すことは賛成できない」などの意見でした。
日本共産党は、IR・カジノ誘致を望む、ごく一部の声ではなく、健全な千葉市を望む市民多数の声を尊重し、請願1号に賛成し採択・送付を求めるものです。
最後に、請願第2号就学援助の入学準備金を3月に支給することを求める請願についてです。
入学準備にかかる費用は制服はじめ、部活動用品含めると10万円を超えるという実態があるなか、現状の7月支給から入学前3月に支給改善を求めるものです。意見陳述では「制服を買えなくておさがりのあてをさがしまわった」「お金がないから部活動は諦めた」など、経済的困窮のなかで切実な実態の報告がありました。全国でも88の自治体、政令市でも4市、近隣でも船橋市や野田市、流山市などが3月支給へと改善をしています。千葉市は、公平性を強調して進めようとしない姿勢は、極めて問題です。
委員会審議では、市民ネットは「苦しんでいる子がいる現状があり、転入転出等の公平性を強調して支給を進めないことは疑問を感じる。」と賛成しました。未来民進ちばは「心情的には3月中に行うことが必要、しかし事務的コストもかかり、国も働きかけている」と反対。自民党は「入学前の説明会では就学援助についての説明は不十分。手を差し伸べたい気はあるが、課題もあることは認識しているため、様子みさせてもらいたい。」と反対。公明党は「医療費無料化など進んできた。課題があるため時期尚早で様子をみたい」と反対。
反対多数で不採択とされたことは極めて遺憾です。今必要なことは様子をみることではなく、子どもには責任がなく不利益を与える合理性のない就学援助の支給時期を、ただちに改善をはかることであります。就学援助の拡充なくして子ども貧困対策の前進はありません。教育委員会には早期改善へ向けた取組みを強く要望するものです。
最後に、5月に市長選挙があります。わが党は、新年度予算で市民生活を向上させる、住民福祉増進に向けた予算組替提案をしました。住みよい千葉市へ向けて、わが党は全力をつくすことを表明し、討論を終わります。