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日本共産党東京都議会議員団

学校エアコン設置などに予算振り向けるべき! 吉田まさよし議員が決算不認定討論!〔2017年第3回定例会〕

 

○ 吉田まさよし議員の決算不認定討論    2017.9.28

 

 

 日本共産党千葉市議団の吉田まさよしです。会派を代表して、平成28年度決算に対し、不認定の立場から討論を行います。

最初に、国政と千葉市政についてです。

憲法と地方自治についてただしました。代表質疑で、安倍首相が憲法9条の改悪を狙うなか、9月8日、安倍改憲を阻止しようと広範な人々が集まり、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会」が誕生し、6月までに3,000万人を目標にした「全国署名」に取り組み、憲法改正の発議そのものをさせない大きな世論をつくる取り組みを始めたことを紹介しました。安保法制、憲法問題が総選挙の大きな争点になろうとしています。

その上で、「安倍改憲に賛成か反対か」の問いましたが、市長は、憲法改正の手続きを述べるだけの答弁に終始しました。さらに「安倍改憲を肯定するのか」「それとも安倍政権には何も言えないのか」とただしましたが、全く答えませんでした。

 安倍政権がすすめる「戦争する国づくり」に対して何も語らず、千葉市民の平和への思いに意見を述べない市長の政治姿勢を厳しく批判するものです。

 

次に、平成28年度決算についてです。

はじめに、地方自治法と決算についてですが、地方自治法の本旨は「住民福祉の増進」です。しかし、平成28年度決算では、長寿祝い金の廃止、平成28年度まで5年連続の国保料の値上げ、福祉カットや公共料金の値上げなど市民サービスを後退させています。

 一方、大型開発は蘇我スポーツ公園整備7億3,300万円など6件で合計10億円を投入し、オリンピック・パラリンピックにかかるロンドン視察など、福祉を削り大型開発を継続しています。地方自治法の本旨「住民福祉の増進」に逆行している決算であり、認められません。

 

次に「脱財政危機宣言」の解除についてですが、「脱財政危機」宣言の解除について市長は、「宣言は、市民と市が協力して取り組む必要性をあるとして発出した」としました。

市長は、これまでの経緯と取り組みについて、職員給与の削減、市税等の徴収対策、公共料金の見直し、事務事業の見直し、大型開発の見直しを行ったと説明しています。

熊谷市政8年間の取り組みで、公共料金の見直し、事務事業の見直しのいわゆる福祉カットは事業数合計276件、削減額合計222億円にものぼります。

 市長は、我が党の代表質疑において、宣言の解除について「財政危機の克服に向けた取組みが市民のご協力のもと進めることができたと認識しており、改めてお礼申し上げます」と答弁されました。

この答弁の問題点は、1つに、市民生活・福祉を大きく後退させたこと。また、市民負担増を強いたことに対して、何も触れず、2つに、市民への一言のお詫びもないこと、3つに、多くの市民が福祉カットを認めていないのに「市民の協力のもとに進めた」と事実と違う発言をしていること。以上の3つの点です。

 市民に対して、「お礼を申し上げる」と述べただけであり、「だれも置き去りにしない社会」のスローガンに反して、市民を置き去りにしてきた熊谷市長の責任は厳しく問われます。

また、大型開発の見直しについて、「緊急性、必要性の観点から見直しを実施した」といいます。確かに、モノレール延伸凍結は事実ですが、蘇我スポーツ公園整備縮小は、当初計画350億円の事業費のうち23億円、約6.5%減らしただけであり、それ他の大型開発は進めています。千葉駅西口再開発、旅客船桟橋など熊谷市政8年間の大型開発事業費は264億円を注ぎ込んでいます。

 財政危機の改善は必要ですが、市民に多大な犠牲を強いてカットした財源を、都市の持続的発展のためと言って大型開発に注ぎ込んでいる市政を厳しく指摘するものです。今後の財政運営では、市民の多くが望んでいる小中学校の普通教室へのエアコン設置や、今まで削った事業の中で、緊急性・必要性の高い事業にも振り向けるべきです。

 

次に、これからのまちづくりについてです。

「まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」によれば、23年後に人口は約10万人減り、税収は90億円減収になるとしています。人口は43年後には約20万人減るとしています。

 財政局は、施設など総合管理計画・インフラ長寿命化基本計画・試算の総合評価の中で、学校、公民館、コミュニティーセンター、いきいきプラザなどの公共施設を今後30年の間に「選択と集中」で大幅に減らし、市民センター・連絡所3ケ所の廃止まで示し、超高齢化する住民へのサービスの切り捨てを強行しようとしています。

 脱財政危機宣言解除などについての説明で市長は、「本市の財政状況は依然として厳しいことから、今後も財政健全化の取り組みは推進していくとともに、本市の持続的発展につながる未来への投資については、財政健全化とのバランスを取りながら着実に推進して参る所存です」と述べています。

着実に推進する事業は、市長マニフェストのまちづくりでは、「時代の変化に対応した、新たな千葉市の骨格を作る都市政策」

1つに、駅ビル誕生を変革のチャンスと捉えた千葉都心の再生・千葉駅周辺の大規模工事。

2つに、幕張新都心の更なる活性化・幕張海浜公園へのにぎわい施設の導入・新駅設置・IRカジノの検討を進めるなどが華々しく計画されています。

 さらに、来への投資については着実に推進するとして、現在、分かっている事業だけでも、新庁舎整備に298億円、新清掃工場建設に300億円から360億円、海浜病院整備・医療器具更新も含め約200億円、稲毛海浜公園リニューアル24億円、千葉公園リニューアル・体育館建て替えに約50億円、競輪場の用地買収に20~30億円、中央区役所・美術館整備に合計16.5億円、千葉駅東口再開発など千葉駅周辺整備に25億円、旅客船第2桟橋整備など8億円、多くの大型開発が予定されています。

 これらが本当に必要なのか、急ぐ必要はあるのか、不要不急の大型開発は凍結・中止を含めて見直しすべきです。

また、国保料の連続値上げはじめ福祉カットと負担増を押しつけ、高齢者、市民の身近な公共施設を大幅に削減しながら、これらの大型開発を進めることは許されません。

 

次に、行政の責任で市民サービスを行うことについてです。

 千葉市が市民へのサービスに責任を持って実施することを強く求めるものです。総合窓口の案内や、記録の事務が民間に委ねられ、29年度は公民館も指定管理者制度導入が決まったなど、千葉市行政や教育委員会が責任を持って行う事業が安易に指定管理者に委託されて、市民サービスの低下と、行政の責任が回避されていることは中止すべきです。

 また「民間活力の導入」として市の事業を民間にまかせることが増えています。しかも、議会や市民に事前に知らせることなく、事業者と基本協定などを締結してから議会に報告し、押し付けています。市職員の技術や能力低下させ、議会軽視・市民無視のやり方はやめるべきです。

第2期財政健全化プランに、4つの「主要債務総額」の大幅な削減にのうち、国民健康保険事業累積赤字額55億2,300万円のうち平成22年度に一般会計からの繰入金を27億6,000万円予算化しなかったのは熊谷市長です。これが例年通り繰り入れていれば国民健康保険事業累積赤字額は、2分の1になり財政健全化は大きく進んでいたはずです。次年度以降に繰入金の増額をするよう求めるものです。

 

次に、新庁舎整備計画との関連についてです。

新庁舎整備の基本方針、基本理念は「人口構成や社会ニーズなど将来の変化に柔軟に対応できる新庁舎の整備を進める」とあり、新庁舎の使用期間は50年間として、現在人口97万人に見合った職員配置などを基に、建設面積を決めて、建設費298億円もかけようとしています。仮に新庁舎完成が5~7年後になると、30数年後には人口が約27万人減少します。将来、執務室はガラガラで無駄な庁舎になってしまうことになり、298億円のかなりの額は無駄遣いになることを指摘し、改善を求めましたが、その意思を示さないことは遺憾であります。

 

次に、気候変動・大規模地震による災害対策についてです。

1つに、豪雨による災害想定で、草野水路はじめ水路・河川の氾濫、洪水、崖崩れはじめ危険な場所は把握され対策は確実に行うこと。

2つに、首都直下地震の被害想定を受けて、市民の安全確保に住宅の耐震化を推進することです。現在18.8%となっている家具転倒防止対策の実施率では、家具転倒による死者想定が140人であり、実施率が100%になればゼロとなります。この際、対象者に申し込み用紙を届けるなど家具転倒防止金具の普及に全力を挙げること。

3つに、避難所へのマンホールトイレ設置は、建設局の計画的取り付けとともに、学校の大規模改造工事などと併せて行い、平成35年度までに学校への取り付けを終了すること。

以上の対策を強く求めておきます。

 

 次に各局への指摘を行います。

はじめに、総務局についてです。

マイナンバーに対して、情報漏れによる重大な被害の広がりを指摘し中止を求めてきました。市は、「安全に万全を尽くす」と答えてきましたが、税情報で11件の情報漏れがあり、今後も危険性は否めないことを指摘して再度中止を求めるものです。

職員採用については、技術職、専門職の採用を増やし、技術や専門職の継承を図ることを求めておきます。

 

次に、総合政策局についてです。

 県市間協議について、不公平な扱いを受けている千葉県単独事業補助金、37事業16億7千万円を是正し、千葉市の福祉予算を確保するため、平成22年第1回定例会で全会一致で採択された「千葉市への県支出金を他自治体と同じ補助率にするよう求める意見書」を尊重し、千葉県と真剣に交渉し、市長が知事へ直接要求することを強く求めるものです。

 

次に、市民局についてです。

障害者スポーツの推進では、障害のある方もない方も楽しむことの出来るスポーツ、ボッチャなどの普及啓発を進めること。引き続きスポーツ振興基金を活用し、さらなる競技用具の購入など、障害者スポーツの環境整備を求めるものです。

 文化振興については、企画の周知や案内と合わせ、住んでいる地域や障害、高齢化による心身の変化で、文化に触れる機会が少なくならないような環境整備も大事です。ヒアリングループなどを導入し、講演会やコンサートなどを一緒に楽しめる工夫をするよう求めておきます。

 

次に、保健福祉局についてです。

 介護現場での外国人労働者の「技能移転」による問題について、千葉市はトラブルを防ぎ労働条件を守るための対策と基本的には国内で人材確保を行うべきであります。また医療・福祉施設・家庭内での虐待問題について関係者への支援など虐待の未然防止を図ることを求めます。

 福祉オンブズマン制度を導入し、福祉サービスについて市民の不満・要望に対して解決を図ることを求めておきます。

 

次に、こども未来局についてです。

子どもの貧困への対策強化が求められます。市の調査結果では、千葉市の生活保護や児童扶養手当等の支援制度を利用している子どもたちの塾代は、5千円未満が67%と最も多く、21大都市の全児童平均では、5千円未満が0.6%と比較すると極めて少ないのが実態です。さらに無料の学習支援を求める方が87%という調査結果が出た以上、子どもの孤食解消のための子ども食堂支援と無料学習支援の拡充を求めるものです。

保育については、引き続き待機児童の解消に努めるべく、保育所増設と共に質の確保に向けて認可外施設含めた実効性ある監査強化を求めるものです。保育士確保については、朝夕のパート保育士の確保が困難な状況であるため、非常勤保育士の処遇改善に努めることを求めておきます。

子どもルーム運営においては、高学年ルーム拡充による慢性的な指導員不足、児童の詰め込み問題など、様々な問題が噴出しています。放課後の子ども居場所の質向上に向けて、今後、児童福祉審議会で市社会福祉協議会や関係者集めて、市の方針を定めることを求めるものです。

 

次に、環境局についてです。

 再生可能エネルギーの推進では、これまでも防災拠点の市内小中学校18校への太陽光パネル設置に取り組まれていますが、今後も機会をとらえて再生可能エネルギーの推進を求めておきます。

 路上喫煙防止では、タバコのマナーの呼びかけや市民理解の促進に取り組み、保健福祉局との連携で受動喫煙防止施策を進めるよう求めておきます。

 

次に、経済農政局についてです。

 幕張メッセの県事業負担金は、これまでも県との覚書により払い続けてきました。今後、老朽化対策やオリンピック・パラリンピック競技用の改修などで予定されるさらなる負担は、千葉県が行うよう求めるべきです。

 企業立地については、中長期的な地元雇用促進と人口増加につなげることをめざし、過去5年間で15億円投入しましたが、地元雇用は全体の3分の1です。市民の税金を使って企業誘致の取り組み強化を図るとしていますが、長年、千葉市経済を支えてきた地元の中小企業を支援する施策の充実に力を入れることを求めておきます。

 農政について、新規就農や農業後継者対策など就農支援の取り組みと同時に、耕作放棄地対策にも抜本的に予算をつけ対応すること。地産地消の推進ではさらなる市内産農作物の学校給食への積極的な導入や、市内農作物の6次産業化に力を入れることを求めます。

農家の生産意欲の低下や、集落の衰退につながる有害鳥獣被害については、農家の被害状況を把握するとともに、鳥獣の生態や繁殖条件の調査、鳥獣が里山を下りずに生息できる森林環境の整備など、抜本的な取り組みを求めておきます。

 

 

次に、都市局についてです。

 千葉中央港地区まちづくりなどを含む千葉港整備についてです。第2桟橋などを含めると総事業費は47億円かかり、そのうちの千葉市の負担は23億円です。旅客船さん橋の利用者数について、昨年度は1日あたり100人程度であり、多額の投資をしても利用されていません。事業を先延ばししても市民の不利益にはなりません。見直しを求めるものです。

 

次に、建設局についてです。

 土木事務所予算の確保についてです。市民から寄せられる生活道路の改善要望は、年間約1万2千件です。市民の安全を確保するための舗装・側溝の新設・改良や維持管理など、要望に応えられる土木事務所の予算を引き続き増額し、技術職の系統的な採用、技術の継承に取り組むよう求めておきます。

 道路直轄事業負担金についてです。昨年度は国道357号・湾岸千葉地区改良に約5億2,700万円、道路法第50条1項に基づき、市がこれまで国道の改築に3分の1の負担をし続けてきました。今後、ポートアリーナ前交差点から蘇我陸橋南交差点までの約5キロメートルの国道357号の拡幅工事が予定されています。国道の改築に係る事業費は、本来、国が全額負担すべきものであり、費用負担すべきではありません。

 

次に、水道局についてです。

 千葉市水道事業については、水道事業の経営を困難にしてきた背景には、これまで我が党が指摘してきた水源確保への莫大な投資、給水人口の過大な見積りが根底にあります。水道は市民の命、災害時の対応に関わる重要な問題です。

 千葉県からの給水原価と水道局の供給単価の改善、確保した水源の有効活用などを、引き続き求めるものです。

 

次に、消防局についてです。

 女性消防職員が働き続けられる環境づくりにさらなる充実を求めます。消防職員の採用について色覚検査は廃止をするべきです。消防団員については学生など奨学金制度を設けるなどして若者の消防団員を増やすこと求めるものです。

 

次に、病院局についてです。

自治体病院として経費の見直しなど経営改善を図ることを求めます。海浜病院の老朽化対策について具体的な検討を速やかに市民参加で行うべきです。

 

最後に、教育委員会についてです。

公民館については、老朽化対策が後回しにされ、管理運営費が削減され続けてきました。主催事業も1館当たり10万円ほどでは地域の課題解決などにつながる事業ができません。 

来年度から指定管理者制度を導入し、公民館の管理運営を教育振興財団に任せようとしていますが、公民館は、憲法、教育基本法、社会教育法に基づく行政から独立した教育機関であります。学びの自由と自治の空間を保障する施設です。この役割を発揮するためにも、本来は直営で社会教育施設として行われるべきです。

教員の増員についてです。非正規の教員が464人となっており、欠員の補充講師は235人となっています。子どもたちに責任をもって、教育の本来の目的である「人格の形成」を進めるためにも、正規教員の増員を行い、教員の多忙化を解消できるように対策を講じるよう求めておきます。

教育現場に、いわゆる愛国心などを含む教育の目標に沿って国家権力が人格形成にまで介入しようする新学習指導要領ではなく、地域や学校の実情、子どもの実態に合った学習指導要領であるべきです。

小中学校普通教室へのエアコン設置についてです。学校施設の老朽化対策とトイレの洋式化と同時に進めるべきです。今年の5月から9月までの間に、児童1名が熱中症にかかり救急搬送されていることを市長、教育委員会は命にかかわる重大問題として、重く受け止めるべきです。子どもたちが安心して学べる教育環境を整備するためにも、教育予算を大幅に増やして子どもの命を最優先にするべきです。

 

 以上で、討論を終わります。

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