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日本共産党東京都議会議員団

生活保護行政の充実を! ふくなが洋議員が一般質問〔2017年第4回定例会〕

○ ふくなが洋議員の一般質問と答弁        2017.12.12

1.生活保護行政について

【ふくなが洋議員】

 2017年1月17日付の読売新聞の報道をきっかけにして、小田原市の生活保護担当部署の職員が「保護なめんなよ」「不正を罰する」などの言葉の入ったジャンバーを着て保護行政を行っていたことが大きな社会問題となりました。

 「これは『闇の北九州方式』を思い起こさせる事件と同様」との識者の意見もありました。これらは、生存権の保障よりも財政対策が重要との姿勢が貫かれている問題があります。こうした経過を踏まえ質問を行います。

 最初に「闇の北九州方式」と言われた生活保護の問題がありました。この北九州市での生活保護問題について経過と千葉市の認識をお尋ねします。

【保健福祉局長答弁】

 北九州市において、生活保護の相談を行いながら受給に至らなかった方が、電気・水道等のライフラインを止められた末に、自宅で亡くなっていた事例が相次いだことを発端に、平成19年に「北九州市生活保護行政検証委員会」が立ちあげられました。

 

【ふくなが洋議員】

 千葉市の生活保護行政において30年前と現在の保護率、背景についてお示しください。小田原市の生活保護ジャンバー事件についても改めて見解を伺います。

【保健福祉局長答弁】

 本市の昭和61年度の保護率は6.7パーミルであり、一方、平成28年度の保護率は21.1パーミルとなっております。保護率が30年間で3倍余りとなった背景としましては、この間に「平成景気」、いわゆるバブル景気の崩壊や、世界金融危機など、大きな経済変動があったことや、低年金・無年金の高齢者世帯の増加などによるものと考えております。また、小田原市の生活保護担当職員が、不適切な表記がされたジャンパーを着用して業務に従事していた件につきましては、対人支援に関わる職員として福祉の心にかける行為であったと考えております。

 

【ふくなが洋議員】

 小田原市では市長を先頭に「迅速で誠実な対応」を行ったと関係者から高く評価をされています。この点についても伺います。

【保健福祉局長答弁】

 本年1月に、小田原市のジャンパーについての報道があったところですが、翌月には学識経験者や弁護士、市職員による「生活保護行政のあり方検討会」が立ちあげられ、4月に取りまとめられた報告書において「問題点の整理」及び「改善策の提案」が行なわれるなど、迅速な対応であったと考えております。

 

【ふくなが洋議員】

 小田原市では「保護行政のあり方検討会」を設置し生活保護行政の権利実現に努める弁護士、元生活保護利用者の方を委員に参加させています。

 千葉市においても小田原市のジャンバー事件に学んで生活保護行政について検証をするべきではないのか伺います。

【保健福祉局長答弁】

 本市においては、国が定めた実施要綱等に基づき、各区への事務監査を毎年行い、適切な生活保護行政が行なわれているか確認するとともに、不適切な事務執行に対しては是正の助言・指導を行うなど、生活保護の適正実施に努めているところです。

 

【ふくなが洋議員】

 「保護のしおり」「医療扶助のしおり」「「正しく届け出をしましょう」小田原市のパンフレットは高く評価をされています。まず千葉市も「いのちを大切にする」立場で見直しをするべきではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 本市においては制度の概要を説明する「生活保護のあらまし」、および、詳細版である「生活保護のしおり」の2種類の冊子を適宜使い分け、相談にみえた方などに制度の説明を行っているところです。今後もわかりやすい冊子となるよう、必要に応じて随時見直しを行って参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 千葉市の生活保護決定書は利用者には大変理解しにくい文書です。これ自体権利の侵害です。もっと理解できるように改善をするべきです。

【保健福祉局長答弁】

 生活保護の開始や変更に際して発出している「保護決定通知書」につきましては、それを受け取った方が内容を理解できる事が重要であることから、わかりやすい決定理由の記入を心掛けるなど、理解しやすいものとなるよう努めて参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 厚生労働省は平成24年2月23日厚生労働省の通知についてです。「生活に困窮された方の把握のための関係部局・機関等の連絡・連携体制の強化の徹底について」はなぜ出されたのか伺います。

【保健福祉局長答弁】

 生活に困窮し、社会的に孤立した方が公共料金等を滞納し、ライフラインの供給が止められた状態で発見されたという事案があったとことから、生活に困窮した方の情報を地方自治体が収集するとともに、適切な支援を行うよう通知されたものと承知しております。

 

【ふくなが洋議員】

 さらに経済産業省エネルギー庁も平成14年4月23日「福祉部局との連携等に係る協力について」の通知を出していますが何故このような通知が出されているのか。

【保健福祉局長答弁】

 生活困窮者による餓死事件等の報道を受け、資源エネルギー庁より、電力・ガス等の事業者に対し、料金未払いによる供給停止に関して柔軟な対応を求めるとともに、福祉部局との連携を求めて発出されたものと承知しております。

 

【ふくなが洋議員】

 千葉市の保護行政において電気・ガス・水道代の滞納について機械的にライフラインを停止するべきでないとの通知です。千葉市においてこうしたライフラインの停止による問題は起きていないのか伺います。

【保健福祉局長答弁】

 本市において、生活困窮者により、電気・ガス等のライフラインの供給が停止され、餓死に至ったような事例は把握しておりませんが、生活保護及び生活困窮者の窓口相談を受ける際には、ライフラインの状況等も確認したうえで、適切な対応に努めております。

 

【ふくなが洋議員】

 関係部局との連携通知の活用は福祉の現場では生かされているのか。

【保健福祉局長答弁】

 関係部局との連携としましては、本市の様々な窓口において生活困窮者の端緒を見逃さず、支援機関へつなげる仕組みの構築に取り組んでいるところです。なお、電気・ガス等のライフライン関係の事業者との連携の一つとして、何らかの異変を発見した場合に区役所へ通報していただく「孤独死防止通報制度」を運用しております。

 

【ふくなが洋議員】

 生活保護世帯の大学進学問題です。生活保護世帯の大学進学率は一般世帯の半分以下の33%とされています。千葉市の実態についてまず伺います。

【保健福祉局長答弁】

 本市の生活保護世帯に属する子どもの大学・専門学校等への進学率は、平成28年度で34.3パーセントとなっております。

 

【ふくなが洋議員】

 生活保護世帯は高校を卒業したら働くことが前提で保護を受けながら大学に進学することは原則認められておりません。これはなぜなのか。

【保健福祉局長答弁】

 国によると、高等学校への就学によって得られた技能や知識によって、当該被保険者がその稼働能力の活用を図るべきであることから、大学等への修学にあたっては、生活保護を受給している世帯から分離し、保護の対象ではなくなる取り扱いをすることとされております。

 

【ふくなが洋議員】

 1970年代高校進学率が80%を超えたことを踏まえて生活保護世帯内の高校進学を認めました。当時厚生省が「保護の受給は一時的な現象であり教育を受けることは一生の問題」といっています。ならば一般家庭の大学進学率が80%に達した今、世帯内就学は認められるのではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 現在、国において、生活保護世帯の子どもの大学等への進学を含めた自立支援を検討するための調査・研究を行っており、また、「生活保護制度に関する国と地方の協議」においても「生活保護世帯の子どもが大学等に進学し生活保護の対象でなくなった場合の支援を実現する必要がある」としていることから、今後、国において具体的な検討が行なわれるものと考えております。

 

【ふくなが洋議員】

 そのために千葉市の独自の支援を求めます。

【保健福祉局長答弁】

 今後、国において具体的な検討が行なわれるものと考えており、その動向を注視して参ります。

 

【ふくなが洋議員】

次に生活保護受給者が交通事故の被害者となった時の問題です。慰謝料がすべて収入認定される問題について、この規定はもっと柔軟にするべきではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 交通事故の慰謝料につきましては、生活保護制度上「収入として認定しないもの」としての取扱いがされず、また、収入から控除できる額も規定されていないため、原則として全額を収入として認定する取り扱いとなります。なお、その慰謝料から当該世帯の自立更新のために充てる金員を支出する場合には、収入認定から除外できる場合があります。

 

【ふくなが洋議員】

インフルエンザなどの予防接種について本人負担をなくすべきではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 生活保護法による医療扶助は、医療保険の適用の範囲において医療の給付を行うものであり、インフルエンザの予防接種は、保険診療の対象とされていないため、本人負担が生じるものとされております。

 

【ふくなが洋議員】

 必要な人に通院費(移送費)はきちんと支給されているのか、実態についてもお答えください。

【保健福祉局長答弁】

 医療機関に受診する際などに必要な交通費につきましては、受診者の申請に基づき、主治医及び本市の嘱託医の意見を伺った上で、必要な額を認定する取り扱いを行っており、平成28年度には2万件余りの支給実績となっております。なお、本庁が各区に行う生活保護法の監査に際しても、適切な取り扱いがなされているか確認しております。

 

2.福祉オンブズマン制度について

【ふくなが洋議員】

 現在、全国の33の自治体で保健福祉オンブズマン・福祉オンブズパーソンなどの呼び名で、福祉に関する市民の苦情・相談を迅速に処理する制度が実施されています。自治体で最初にオンブズマン制度を導入したのは1990年の川崎市であったと思います。オンブズマンはスウェーデンの制度で、議会・市長から任命されて任命者から独立をして、行政活動を調査し、国民からの苦情を処理する機関です。この制度については私も議会で質問を行ってきた所ですが改めて伺います。

 福祉サービスは今日、複雑多岐にわたり、市民にとって適正・公平・合理的に行われているのか心配の声があります。

 まず、福祉サービスについて市民からの苦情の件数と内容についてうかがいます。

【保健福祉局長答弁】

 平成28年度の、行政不服審査法に基づく審査請求件数は15件で、内訳は、障害関係、措置入院決定処分など6件、生活保護関係、生活保護の変更決定処分など4件、介護保険関係、介護保険料決定処分3件、児童関係、一時保護決定など2件となっております。

 

【ふくなが洋議員】

 福祉オンブズマンは制度を導入して市民の立場で市民の利益を守り公正・中立の立場で判断処理を行うべきではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 行政不服審査制により、その機会は確保されているものと考えております。

 

【ふくなが洋議員】

 生活保護、高齢者サービス、障害者サービス、子育てや保育の関するものなど、声が上げにくい立場の人の声を取りあげて行くことがこれから重要ではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 市民の皆様の声に耳を傾けていくことは重要であると認識しており、引き続き、丁寧な対応と適切な保健福祉サービスの提供に努めて参ります。

 

3.中央区役所・「きぼーる」問題について

【ふくなが洋議員】

 現在、中央区役所・美術課館の問題が焦点になっています。そこで、歴史的経過を踏まえて、区役所問題としてお尋ねをします。

 2001年、9月議会の決算審査特別委員会で、中央区役所が非常に手狭になっていると指摘を行い、改善を求めました。なぜ、この時に検討をすると言って具体化をしなかったのか。

【市民局長答弁】

当時、福祉事務所の規模拡大が狭隘化の主な要因となっていたため、基本計画が策定されていた保健福祉センター整備の中で、中央区役所の狭隘化の改善を図ろうとしたものと認識しております。

 

【ふくなが洋議員】

 2005年3月の保険下水委員会で、保健センターを第六地区(きぼーる)に移転をする問題を取り上げました。この指摘と今回の移転はどのような関係があるのか。

【市民局長答弁】

 中央保健福祉センターについては、区役所周辺での用地取得が困難であったことから、地域における福祉拠点の早期整備の観点から、比較的近くにある中央第六地区市街地再開発事業の中で整備されましたが、区役所と保健福祉センターが離れた場所にある事が課題として、ご指摘いただいていたところであります。今回の中央区役所の移転は、この課題の解消を図る事が目的の一つとなっております。

 

【ふくなが洋議員】

 当時の扇屋跡、現在の「きぼーる」のある場所について改めて伺います。この土地の購入経過と購入費用、そして全体費用について伺うものです。

【都市局長答弁】

 平成3年5月にジャスコ株式会社より、一括利用に係る意向の打診があり、都心部のまちづくりを進めるため、5年12月に、土地開発公社が5,027平方メートルを127億9,000万円で取得し、7年3月に公共公益施設用地として、本市が135億7,000万円で買い戻しをしました。

 

【ふくなが洋議員】

 答弁にもあるように、平成5年12月に取得して、千葉市が買い戻しを行い、そのまま8年間放置をして、平成19年10月に「きぼーる」としてオープンしました。なぜ8年間放置をしたのか。

【都市局長答弁】

 平成7年度に組織された「千葉中央第六地区市街地再開発準備組合」などの関係権利者と、再開発事業を前提とした整備の基本的構想を検討するとともに、民間活力導入のための手法検討、並びに、事業パートナー選定などの作業を進めていたことによるものです。

 

【ふくなが洋議員】

 「きぼーる」の全体費用について伺います。市の全体投資額、交付税措置について、わかりやすくお答えください。

【都市局長答弁】

 組合への再開発事業補助金や入居している各施設の取得権など、全体で約432億円となっております。また、市債発行額294億円のうち、55億円が交付税措置の対象となり、うち19億円が地方交付税の基準財政需要額に算入されております。

 

【ふくなが洋議員】

 さらに「きぼーる」の償還額について発行額、償還額の推移、残高についてうかがいます。

【財政局長答弁】

 きぼーるの整備に係る市債の発行額は全体で294億円で、償還額は、平成20年度に9億円、21年度以降は毎年度10億円を償還しております。残高は、28年度末で206億円です。

 

【ふくなが洋議員】

 この事業は、千葉市において負の遺産であったことは明らかではないのか。

【都市局長答弁】

 当該再開発事業は、中心市街地の活性化や、都心地区の中心にふさわしい都市景観の形成、行政・商業・業務機能の一層の集積を促進するため、シンボル性の高い官民複合型の地域拠点の整備を目的に実施したもので、導入施設の基本方針として、民間施設は「商業・業務施設」、公共公益施設を「こども・子育て支援」などと位置付け、市民サービスの向上を目指して参りました。きぼーる完成後、商店街や周辺公共施設との連携によるスタンプラリーや、きぼーる内アトリウムなどを活用したイベントなども実施してきており、きぼーる前の大通り、いわゆるきぼーる通りの歩行者通行量は、事業着手した平成17年度と直近の調査データである26年度とを比較すると、平日では約2倍、休日では約4倍の交通量となっており、地域の拠点施設として、賑わいの創出に寄与してきたものと考えております。

 

【ふくなが洋議員】

 中心市街地の活性化ではこれまでツインビル・TOM事業が取り組まれてきましたが、その目的・成果・課題はどうだったのか伺います。

【都市局長答弁】

 当該再開発事業は、土地の有効利用により中心市街地の活性化を図るため、商業・業務・文化を中心とした機能導入を図るとともに、建築物の高度化・不燃化により、快適で安全な魅力ある市街地の形成を図るため、平成61年度から、組合による再開発事業として実施されております。その後、平成元年7月に再開発ビルが竣工し、平成2年度末に組合は解散しております。この間、組合には約26億円を再開発事業補助金として支出しており、その内訳は国が約13億円、県と市が約6億5千万円となっております。また、文化センター等の保留床取得価格は、約49億円となっております。

【経済農政局長答弁】

 TMO事業は、ソフト事業による中心市街地の活性化を目的に、千葉市中心市街地まちづくり協議会が担っていたもので、ガイドマップの作成や中央公園の仮設ステージを活用したイベントのコーディネートなどが行われ、賑わい創出に一定の効果が見られました。一方、様々な団体が関与することから、それぞれの団体の役割が不明確になり、意識を共有しづらいなどの課題がありました。

 

4.加曽利貝塚について

【ふくなが洋議員】

 10月13日、加曽利貝塚が、官報で特別史跡に指定されました。45年ぶりに発掘調査も本格化をされるとの報道があり、縄文秋まつりも好評でした。

 私は以前から、特別史跡に指定されると同時に「神崎市吉野ケ里歴史公園周辺景観条例」や「青森市景観条例」で三内丸山遺跡の景観を守る条例が制定されていますが、 こうした先進事例に学んで、地域の特性を生かした周辺の環境を保全する責任が千葉市にはあると考えてきました。そこで伺います。

 千葉市は、加曽利貝塚景観保全条例を制定して、魅力あるまちづくりを進めるべきではないのか。

【都市局長答弁】

 加曽利貝塚隣接の坂月川周辺は、都市計画で「縄文の森特別緑地保全地区」に指定しており、良好な自然環境を保全することにしております。また、本市の景観計画の方針である、史跡など歴史を感じさせる景観保全・活用をテーマに、加曽利貝塚が持つ地域の歴史を伝える資源の保全・活用に努めるとともに、調和のとれた周辺の町並み景観の形成が図られるように誘導し、魅力あるまちづくりを進めて参りたいと考えております。

 

【ふくなが洋議員】

 博物館を移転するとともに、発掘調査を進めるために学芸員を増やし、特別史跡にふさわしい調査研究体制とするべきではないのか。

【教育次長答弁】

 加曽利貝塚では、今年度、約半世紀ぶりに本格的な発掘調査を行った結果、現在までに、県内屈指と思われる縄文時代晩期の集落跡が確認されたことや、数多くの遺物が新たに発見されております。そこで、今後、貝塚では国内唯一の特別史跡として「縄文文化と貝塚の性格を究明し、研究の成果を世界に発信していく拠点」となる博物館を目指し、博物館の移転や、坂月川など周辺環境も含めた一体的な整備を進めて参りたいと考えております。また、計画的な発掘調査に基づく新たな研究成果を広く発信するために、引き続き、職員の資質向上を図っていくとともに、縄文時代を専門とする学芸員の確保など、調査研究体制の充実について検討して参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 課題は、何といっても新たな博物館をどこに建てるのかです。市は何処に建てようとしているのか。

【教育次長答弁】

 新たな博物館の設置場所については、史跡と周辺環境との一体的な活用や公共交通からのアクセス、導線の確保など利便性や費用対効果、更には用地取得の可能性も考慮しつつ、グランドデザインを策定する中で、最もふさわしい場所を検討しております。

 

【ふくなが洋議員】

 新しい博物館は、できるだけ史跡と近い方が利便性が良いと考えるが、この点について伺います。

【都市局長答弁】

 特別緑地保全地区は、都市における良好な自然的環境を保全することを目的にしているため、樹木の伐採や建築行為などは制限されております。ただし、公益性の高い地方公共団体等が行なう行為については、一定の条件を満たすことにより可能となります。

 

【ふくなが洋議員】

 周辺は特別緑地地区に指定されています。その中に、緑地の保全管理と縄文文化を研究発表する博物館を建てることは、制度的にできないのか伺います。

【都市局長答弁】

 史跡や歴史を感じさせるまちづくりには、周辺地域との調和が重要であり、その周辺に住む市民の皆様の協力が必要であると認識しております。そのためにも、特別史跡である加曽利貝塚の重要性やその価値について、より多くの市民の皆様に理解してもらえるように発信し、地域資源としての加曽利貝塚の持つ魅力を感じ取ってもらえるように、さらには加曽利貝塚が近くにある街として周辺地域の意識が高まるように、庁内並びに関係機関と連携し進めて参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 史跡と周辺地域の調和ある街づくりをどのように進めるのか。史跡の価値と魅力を活かし、地域経済活性化のための手立てについて伺います。

【経済農政局長答弁】

 特別史跡指定を契機として、より多くの皆様に「加曽利貝塚」を訪れていただき、その良さを知っていただくため、「縄文秋まつり」等で、火起こしや、弓矢、「イボキサゴスープ」等の縄文グルメの試食など、「加曽利貝塚」でなければ体験できない催しを積極的に開催しているところです。さらには、周知・体験イベントに加えて、本市の貴重な財産である「加曽利貝塚」を地域経済活性化につなげていく視点も極めて重要であると考えており、民間事業者と連携した「かそりーぬ」をモチーフにした「ラインスタンプ」の作成や「貝」にまつわる商品の開発などに取り組んでおり、今後は、グリーンエリアにおける周遊型観光のメイン施設に「加曽利貝塚」を位置付けた観光体験プランの充実なども検討して参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 国の特別史跡に昇格したことについて、この背景には市民が開発から守ったことが大きく評価をされています。この点について説明をいただきたい。

【教育次長答弁】

 加曽利貝塚は、明治時代から多くの人類学者や考古学者が発掘に訪れ、本邦第一の貝塚として認識されていましたが、昭和30年代後半には、宅地開発により破壊の危機に陥っておりました。そこで、加曽利貝塚を保存するため、千葉市文化財保護審議会のメンバーであった武田宗久氏をはじめ、多くの学生や地元の方々が参加して発掘調査が行なわれ、遺跡の重要性が再確認されました。その後、新聞や雑誌、テレビ、ラジオなどあらゆるメディアで報じられ、多くの人々が関心を寄せるなか、昭和38年に市民が「加曽利貝塚を守る会」を設立し、街頭署名活動では1万人を超える署名を集めるなど、市民主導の大規模な保存運動が展開された結果、加曽利貝塚全域が保存されることとなりました。

 

5.石炭火力発電について

【ふくなが洋議員】

 先の代表質問に対する答弁がありました。その点を踏まえて引き続きお聞きします。

 結論的に言えば、石炭火力の増設は、温暖化対策にマイナスであることを認めないのか。

【環境局長答弁】

 国は、高効率の石炭火力発電の有効利用等により、環境負荷を低減しつつ活用するエネルギー源としている、一方、最新鋭技術の設備であってもCO2の排出量がLNGを使用した発電に比べ多くなることや、現在、多数の新増設計画が進められ、全ての計画が実行された場合、温暖化対策計画に掲げる26%削減目標の達成が困難になるとの考えを述べております。このため、国及び本市では、温室効果ガス削減のため、環境影響評価の計画段階環境配慮書手続きの意見にて、省エネ法の基づく目標達成に向けて計画的に取り組み、本事業者が目標を達成できないと判断した場合は、本事業の見直しを検討することを求めているところです。

 

【ふくなが洋議員】

 グテレス国連事務総長は「巨大インフラプロジェクトが環境に良くないなら、認可しないルールを確立すべき」と提案しています。この報告に対する見解とマクロン・フランス大統領は、2021年までに国内すべての石炭火力発電所の閉鎖を表明しています。こうした経過の流れの中で、石炭火力発電問題を考えるべきではなにか。

【環境局長答弁】

 国際的には、石炭火力発電から排出されるCO2を抑制する流れとなっており、石炭火力発電所廃止に向けた方針を発表した国もあります。電源構成など、エネルギー政策は、安定供給性、経済性、環境への適合性等、複合的視点が重要であることから、国において取り組むべき課題と考えますが、本市としては、国際情勢や国の動向について注視し、必要な情報を収集して参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 千葉市が平成29年2月6日、千葉県知事に回答した(仮称)蘇我火力発電所建設計画に係る計画段階環境配慮書に対する意見について伺います。

 この配慮書が出された経過と目的、石炭火力発電所建設に及ぼす影響について。

【環境局長答弁】

 計画段階環境配慮書は、環境影響評価法に基づき事業者が作成した図書であり、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなる恐れがある事業について、計画の立案段階において、環境保全のために適正な配慮をしなければならない事項の検討を行い、その結果をまとめたものです。配慮書については、大気、水質、自然環境、廃棄物、温暖化対策などの多岐にわたる項目について審査し、事業者に対して可能な限り環境負荷を低減するよう求めております。今後、事業者は環境影響評価手続きの中で、国、県、本市などの様々な意見を踏まえた対応が求められることとなります。

 

【ふくなが洋議員】

 なぜ、一番大事な温室効果ガスについて、根本的な問題点の「脱石炭火力」の指摘がないのか。

【環境局長答弁】

 石炭火力発電は、LNGを使用した発電に比べ、CO2の排出量が多くなりますが、国のエネルギー基本計画において、安定供給性や経済性に優れたベースロード電源とされています。このような中、環境省は、経済性の観点のみでの石炭火力発電所の新増設は許されないと述べており、環境影響評価の手続きにおける大臣意見の機会を通じて、厳しい姿勢で臨んで行きたいとしております。本市としても、今後の環境影響評価の各段階において、厳しい姿勢で削減対策が確実に実施されるよう事業者に求めて参ります。

 

【ふくなが洋議員】

 平成27年5月29日付で、これまで黒塗りだったJFEスチールの水質測定結果報告書のデータが開示されました。開示による水質結果報告書についての千葉市の評価について伺います。

【環境局長答弁】

 水質結果報告書につきましては、本市及び千葉県それぞれで測定値の審査を行っており、環境法令より厳しい基準である協定値を遵守していることを確認しております。

 

【ふくなが洋議員】

 データの開示は全国どこでも見ることができるようになっているのか。

【環境局長答弁】

 開示されたデータにつきましては、千葉市民に限らず、どなたにでも情報提供することが可能です。

 

【ふくなが洋議員】

 遡って開示することはできないのか。

【環境局長答弁】

 市が保管している水質結果報告書の過年度分についても、開示されたデータと同様の範囲で情報提供を行うことが可能です。

 

【ふくなが洋議員】

 大気汚染データはどのようになっているのか。

【環境局長答弁】

 大気汚染に係る測定データは大気・水質監視テレメータシステムにより常時監視しており、環境法令より厳しい基準である協定値の遵守状況を確認しております。

 

【ふくなが洋議員】

 CO2の排出が石炭火力発電では問われます。このCO2の排出予測はどのようになるのか。

【環境局長答弁】

 CO2排出量の予測については、計画段階環境配慮書に対する市長意見において、「使用が見込まれる石炭種のうち、最も温室効果ガス排出量が多くなる石炭種を想定し排出量を算出するとともに、削減に向けた取組みを明らかにすること」を求めております。今後の環境影響評価手続きの中で、CO2排出量の予測・評価を事業者が行なうことから、本市としましては、削減対策が確実に実施されるよう事業者に求めて参ります。

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