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日本共産党東京都議会議員団

再生土規制条例の制定を!新庁舎整備は再検討を! 野本信正議員が一般質問〔2018年第1回定例会〕

○ 野本信正議員の一般質問と答弁(要旨)           2018.3.13

1.再生土について

【野本信正議員】

 再生土による埋め立て工事が原因で環境破壊が起こるなど、住民との間でトラブルが発生している。千葉市も対策を急がなければならない。

 佐倉市神門地区で4万8千立方メートルの大規模な再生土埋め立てが原因で異臭が発生し、近隣住民は窓も開けられず、洗濯物に臭いがつく、気分が悪くなる等居住環境が破壊されている。千葉県は環境基準を超えているとして汚染が確認された部分については、撤去を指導している。

 再生土は、原則産業廃棄物扱いにはならず、法律や残土条例では事実上対象外となっている。県内では成田市、四街道市、八街市などは、再生土埋め立てを条例で禁止したり、許可制にしている。

佐倉市神門地区での4万8千立方メートルの大規模な再生土埋め立てについて、私は行ってきたが悪臭などの被害は凄まじく住民の生活環境を破壊している。

 千葉市は現地調査をしたことがあるのか。千葉市でこのような事態になったら取り返しがつかないことになると、危機感を持って対策しなければならないと思ったのか。感想をお聞きしたい。

【環境局長答弁】

問題となっている埋立現場は佐倉市であるため、本市は調査をしておりませんが、先月15日に産業廃棄物指導課の職員3名で、現地を確認しております。現地を確認した際に、側溝や枡の排水が濁っており、アンモニア臭が感じられたと報告を受けております。本市としては、佐倉市や、県内の他地域でも埋立現場の周辺で植物が枯れた事例や悪臭が確認されていることを踏まえ、市域内で同様の事例が発生しないよう、毎日のパトロールや立ち入り調査の重要性を感じているところです。

 

【野本信正議員】

局長の答弁は、緊張感が感じられない。千葉市内の埋め立てで、神門の現場のように、凄まじい環境の破壊をしている現場を視察したならば、千葉市内に多く埋め立て場がある下で、「産業廃棄物と思われる不純物や不適正物の埋め立てがあるのか無いのか緊急に調査する」と答弁するのが、環境局の立場ではないのかと思う。

次に、千葉市内の再生土埋め立ての実態について、私は2月8日産業廃棄物指導課の案内で現地調査を行った。

 若葉区小間子町の現場は土砂がダンプカーで埋め立てられていたが、パワーポイントの画面にあるように、黒っぽい砂状の土砂で石ころ一つも混じっていない品物であった。「これは、再生土である」と関係者が言っていた。同行した産業廃棄物指導課の感想を聞きたい。

【環境局長答弁】

小間子町の現場で埋め立てられたものは、産業廃棄物である建設汚泥等を中間処理施設で脱水固化し、埋立資材として利用される再生土であり、県へ届出が提出された適正な埋立であると認識しております。

 

【野本信正議員】

また、若葉区中野町にある障害者施設、あしたば学園隣のメガソーラーが設置されている埋め立て面積6,828㎡に再生土を埋め立てた現場を見たが、画面にあるように、広い敷地に盛られた土砂の表面の至る所に、コンクリートガラがむき出しになっていて、再生土とは思えない状況を目の当たりにしてきた。

盛られた土砂からの雨水はホースによって一か所に集められ、地下浸透をさせるマンホールが、あしたば学園のすぐ隣に作られていた。もし佐倉市のように汚染水がもれだすようなことになると地下水が汚されて、あしたば学園の井戸水に影響をあたえることにもなりかねない。この埋め立ては産業廃棄物ではないのか、地下水汚染の調査はしないのか。

【環境局長答弁】

敷地内の一部に露出しておりましたコンクリートガラ様のものについては、産業廃棄物であると想定されますので、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき事業者に対し指導を行って参ります。なお、県の指導指針による届出が出ている現場であることから、県と連携し指導を行っていくとともに、今後も引き続き、定期的に現場を監視し、悪臭や周辺植栽への悪影響が確認されるなど、生活環境保全上の支障が生じる恐れがある場合は、再生土の分析を行うなど安全性を確認して参ります。

 

【野本信正議員】

答弁は、「敷地内のコンクリートは、産業廃棄物であると想定される」「必要があれば、再生土の分析を行う」と述べている。この現場の埋め立て面積は6,800㎡で、持ち込まれた土砂類は、10tトラック3,700台であり膨大である。

再生土として埋め立てられた現場の表面に産業廃棄物の露出が確認されていることは、地中に数メートルも埋め立てた土砂の中に、何が入っているのか疑問を持つのが環境行政として当然ではないのか問う。

 そして、隣に学園があり井戸水を使っていることを考えれば、ただちに試掘して再生土の分析を行うことを強く求めるがどうか、緊張感・緊迫感を持った答弁を求める。

【環境局長答弁】

当該地については、埋立て作業中の昨年5月から10月の間に、職員が14回、民間警備会社も100回以上現地を確認しており、場外からの廃棄物の埋立ては確認されておりませんが、今後、コンクリートガラについての聞き取り調査により廃棄物の不適正処分が確認された場合には、本市の立会いのもと、持病者に再生土の分析を指導して参ります。

 

【野本信正議員】

産業廃棄物指導課が、千葉市内の再生土埋め立て場を何か所把握しているのか聴いたら、H27年から29年で県に届けた場所が8件と、無届けだが市のパトロールで発見した場所が5件で、合計13件の報告である。千葉市内にたった13件しかないことを信じているのか。

【環境局長答弁】

 県の指導指針が施行された平成28年9月以前から、本市では、職員や民間警備会社への委託により年間365日監視パトロールを実施しており、再生土埋立てを含む、土砂等の埋立て現場については年間5,000件以上パトロールを行っており、市内の状況の把握に努めております。28年9月以降につきましては、監視パトロール等に加えて、県からの指導指針に基づく届出情報をもとに現地の確認を行い、実態の把握に努めております。

 

【野本信正議員】

また、千葉県の指針が届け出制のため3,000㎡以上も無届けが多いと聞くがどうか、また3,000㎡未満の届け出不要の再生土埋め立ては、市への書類提示などを実行しない埋め立てが多数あるのではないのか懸念される。

再生土の埋め立は、太陽光パネルの底地や資材置き場の造成に利用されていると報告されているので、市で調査することが必要である。

今、千葉市が把握している太陽光パネル設置場所は、環境局が把握している数は1,097件、この件数と重なるかも知れないが、農業委員会が農地転用を許可した数が70件である。合計1,000件を超す太陽光パネルの底地について、パトロールして調査することを求めるが。

【環境局長答弁】

 指導指針は任意の行政指導であるため、届出の提出等の指導に従わない事業者がいることは県から聞いておりますが、本市では、3,000㎡未満で届出不要であっても事業者に対し、土地造成の目的や再生土の製造元を聴取し、契約書等の提示などを求めており、これまでのところ、書類提示に応じなかった事例はありません。また、太陽光パネル設置場所に再生土が使用されている事例があることは認識しており、事業者からの相談や市民から問い合わせ等があった場合には、すべて現地を確認しておりますが、太陽光発電の事業認定の情報によると市内に1,000件を超える計画があることから、その情報を活用しながら、今後さらに、現地確認に努めて参ります。

 

【野本信正議員】

千葉市産業廃棄物指導課が、たった13件しか把握していないのは、千葉市に再生土を規制する独自の条例がないことが大きな原因である。

 千葉県が検討している条例は、「一定規模以上の再生土等の埋め立て等」について「計画書の届け出を義務付ける」とあり、事業内容の書類を提出するだけであって、事後の処分規定はあるが、事前に環境破壊など住民の苦しみを解決する保障は全くない。また3,000㎡未満は野放しである。

 県内の成田市、四街道市、八街市など7市1町は独自の条例で環境を守っている。先進自治体条例の規制方法は、9自治体が許可制、8自治体が禁止、規制する埋め立て面積は自治体毎に違うが、0㎡以上、300㎡以上、500㎡以上を対象にしている。千葉県のガイドラインでは野放しになっている、3000㎡未満をしっかりと規制している。千葉市も、再生土埋め立てを許可や禁止等する独自の条例の制定を行うように提案するが。

【環境局長答弁】

 再生土は産業廃棄物である泥土等を中間処理施設で脱水、固化し、埋立て資材として一般に利用されているものであり、国や県においても最終処分場のひっ迫の問題を解消するため、その流行利用を推進していることから、一律に埋め立て禁止とすることは適当でないと考えます。県条例は、本市も対象として県内全域を規制する予定であり、届出義務違反の罰則を伴うなど強制力を有するものとなると聞いております。

 また、再生土の流通・埋立ては市域を超え広域的に行われることが多く、中間処理業者、運搬業者、埋立て業者を各自治体が各々で規制するよりも、県内統一ルールで包括的に規制する方が効果的であると考えております。現時点では県の条例化の動向を注視して参りますが、引き続き、毎日のパトロールや立入調査を行うなど、再生土の不適切な埋立てが行なわれないよう監視・指導に努めて参ります。

 

【野本信正議員】

太陽光パネル設置場所のうち、事業者からの相談や市民からの問い合わせがあった場合現地を確認している。の答弁だが、その件数を環境局に確認したら、20~30件とのことである。

 1,000を超えている太陽光パネル設置場所の、わずか20~30件の現地調査では、廃棄物の混入など発見できない。もっと本気になって積極的に調査することを重ねて求めるがどうか。

【環境局長答弁】

市内には、1,000件を超える太陽光発電の事業認定があることから、公開されている情報を活用し、大規模なものから順次、現地確認に努めて参ります。

 

【野本信正議員】

独自条例の制定は極めて簡潔である。速やかに条例の制定を求めるが。画面であるように成田市は、既存の残土条例の第2条第1号の条文に、廃棄物の処理清掃に関する法律第2条第1項に規定する「廃棄物以外」のもの、と挿入し条例改正したのである。すなわち「廃棄物以外」の文言が入れば再生土を規制できるのである。県内先進自治体はおおむね同じである。

 千葉市の土砂条例第2条第1号の条文に、廃棄物の処理清掃に関する法律第2条第1項に規定する「廃棄物以外」のもの、という文言を加筆すれば、千葉市も条例に示されている、面積300㎡以上の再生土埋め立てを規制できることになるので実施を求めるがどうか。

【環境局長答弁】

 現在、県が実施しているパブリックコメントにおいて、条例の制定趣旨及び骨子案が示されており、その中では、埋立ての規制対象面積に関する記述はありませんが、県に確認したところ、3,000㎡未満の規制についても検討していると聞いておりますので、現時点では県の条例化の動向を注視して参ります。

 

【野本信正議員】

県条例と市条例の関係については、地方自治法第2条第6項に県条令に違反してはならないとある。

 また、すでに禁止や許可条例を制定している市町村から、「適用除外」が求められていることに対して、千葉県は「検討する」と答えている。千葉市も条例を制定し、千葉県に「適用除外」を求めるべきではないのか。

【環境局長答弁】

 県条例の適用除外については、現在示されている骨子案に「市町村がその地域の実情に応じて独自の再生土等の埋立て等について施策を講じる場合は条例の適用を除外することができることとする」と明記されております。本市が、適用除外を受け、独自条例の条例をもつことは可能ですが、現在、県では、市町村の要望を受け、現行の指導指針での課題を解消できるよう検討が進められていることから、現時点では、県の条例化の動向を注視して参ります。

 

【野本信正議員】

佐倉市神門地区と県内で問題が出ている埋め立て地での共通の被害は、悪臭や再生土の中にコンクリートガラや、鉄筋の切れ端などが混入されていている。

実態は再生土と称して、汚泥などに産業廃棄物を混入させて埋め立ててしまうことが摘発されている。私は2月に続いて3月10日にも神門に調査に行きましたが、凄まじい環境でした。このような悪質な行為をやめさせ、市民の生活環境と自然環境を守るため、実態調査や条例制定など、本気で取り組むことを求めるがどうか。

【環境局長答弁】

 再生土の流通、埋立ては、市域を超え広域的に行われることが多く、県内統一ルールで包括的に規制する方が効果的であると考えており、県の条例制定により罰則等の強制力を伴う規制へと強化されるなど、現行の指導指針での課題を解消できるよう検討が進められていることから、現時点では県の条例化の動向を注視して参ります。

 なお、県の条例が制定されても条例のみで悪質な行為を完全になくすことはできないと考えており、市民の生活環境を守るため、現場に最も近い本市が、毎日のパトロールに加え、必要に応じて立入調査を行うなど、実態を把握することにより、再生土の埋立てによる災害の発生等の未然防止、早期発見、早期対応に努めて参ります。

 

2.若葉区の諸問題について

【野本信正議員】

(1)交差点の安全について

その1 国道51号加曽利貝塚入り口の交差点は、信号機がないため貝塚の見学から帰る車両が、国道へ出る際に、通過車両の合間をぬって、やっと出ていて事故も心配されている。

国の特別史跡に指定されてから、訪問者と車両はどのくらい増えているのか。また、今後さらに増えていく可能性があると思うがどうか。

【教育次長答弁】

加曽利貝塚博物館の入館者は、2月末時点で6万5,000人余と昨年に比べ約1.5倍、一昨年度比べれば2倍以上に増加しております。車での来館者数調査は行っておりませんが、今年度から史跡外に約70台の臨時駐車場を確保しており、通常時で約20台から40台、イベント開催時には満車になるような状況で、今後も、来館者の増加にともなって車両の数が増加していくものと考えております。

 

【野本信正議員】

この際、千葉県警察に要望して、信号機の設置を急ぎ、安全な交差点にすることを提案するが。

【教育次長答弁】

 国道51号の交差点が加曽利貝塚への主要な入口となっており、来館者の交通対策を図るとともに、周辺住民の安全な通行を確保するため、関係機関等とも協議のうえ、信号機の設置について千葉県警察に要望して参ります。

 

【野本信正議員】

その2 市道千城台11号線は交通量が多く、千城台西2丁目市営住宅と3丁目県営住宅を挟んでの交差点は、千城台西保育所へ乳幼児とお母さんが横断し、千城台西小学校へ通学する児童生徒が横断している。

 その際に押しボタン信号機のある横断歩道を利用しているが、信号機の位置が交差点から30メートル離れたバス停付近にあるので、信号機を交差点の場所に移設して、横断を便利で安全にしてほしいとの要望が高い。

 また、市営住宅側からの道路は、保育所へ送迎する保護者の駐車場があり、市営住宅以外に住んでいる多数の住民も利用する道路のため交通量も多く、交差点は信号機が30メートルも離れているため交通事故が発生している。

 保育所に行き帰りする乳幼児とお母さんの安全と、千城台西小学校へ通学する児童生徒の安全のため、また交差点を利用する多数の車両の安全のため、信号機を交差点に移設することを提案する。 

千葉県警察と連絡を取り合って実現をしてほしいが答弁を。

【教育次長答弁】

 当該個所については、保育所や小学校に近接し、通学路等にもなっているため、児童等の安全を確保することが重要であると考えており、以前から、改善の要望があることを所轄の千葉東警察署に情報提供しておりますが、改善には至っておりません。

 所轄署からは、信号機の移設に当たっては、地域での合意形成や利用状況等の把握が必要であると伺っており、地域住民や児童の保護者、保育所利用者からの要望状況を勘案した上で、引き続き要望して参ります。

 

【野本信正議員】

(2)市営住宅桜木町団地の跡地について

 桜木市営霊園の隣にある桜木町団地は、S35年に建設された木造住宅であり  57年ぶりに建て替えられた。市営住宅の敷地面積約11,700㎡のうち、約5,400㎡が跡地として残されたが、市は民間に売却してその費用を新しい市営住宅建設費用に当てる計画と聞いている。跡地利用は近隣の静かな住宅地と整合性が求められているので、幾つかの提案をしたい。

 私はこの間、近隣の住宅を訪問して意見を聞いてきたが、それを踏まえて質問する。

市営住宅北側の住宅地との間の道路は約4メートルと狭いので市は、道路を広げる予定であるが、その結果通過車両が増えて交通事故の心配が考えられるので、広げる道路の住宅側に歩行者スペースを確保して安全にすることを提案するが。

【都市局長答弁】

 今回の道路整備は、幅員約4mの通路を6mの道路として整備するものです。これから行う道路設計の中で、住民要望や周辺の車両や歩行者の交通量を踏まえて、歩行者スペースの確保などの安全対策について検討して参ります。

 

【野本信正議員】

 近隣住民が憩える、公園の設置が望まれているがどうか。

【都市局長答弁】

 桜木町団地を建て替える際に、団地及び団地の近隣に居住する皆様が、身近な公園として利用することを目的に、桜木南第4公園を整備しました。なお、団地跡地における、更なる公園の整備につきましては、近隣住民の皆様のご意見も伺い、検討して参ります。

 

【野本信正議員】

民間に売却する際、近隣住宅と整合性のとれた利用が望まれる。第1種低層住居専用地域でも、住宅の一部を事務所にすることができる。墓地の隣だからといって、葬祭業者の受付をする事務所などが出来ないように、売却する時は条件を付けること。

【都市局長答弁】

 桜木団地の跡地は、第一種低層住居専用地域であり低層住宅の良好な環境を守るため、地域住民の皆様のご意見等を聴きながら条件付加などについて検討して参ります。

 

【野本信正議員】

この他住民からは、6メートルになる道路東側にカーブミラーの設置や、ごみステーション設置などの要望があった。

千葉市が近隣住民や自治会の要望・意見を尊重するため、跡地利用の声を聴く会などを開くよう求めるが。

【都市局長答弁】

 今後、来年度予定している道路整備に関して、説明会の開催を予定しており、その中で敷地利用についても近隣住民の皆様のご意見を伺って参ります。

 

3.新庁舎整備について

【野本信正議員】

 新年度は、事業者選定アドバイザリーを予算化し、実施設計・建設工事をH31年から行い、35年度には供用開始としている。

 日本共産党市議団は、建て替えは必要だが時期尚早であり、最小限の耐震工事で安全性を確保し、建設費が安定するオリンピック後に検討し直すことを求めてきた。

市長は新庁舎整備について、地震を初め災害に強い庁舎、市民の安心安全を支えるための総合防災拠点で、耐震性に優れた庁舎などとのべている。

 危機管理課が発表した千葉直下地震の想定は、家屋崩壊2万3千棟、死者1,130人など凄まじいものであるが、市庁舎の整備をしないままの現庁舎は、直下地震でどの程度の被害を受けるのか。壊滅状況になるのか。その結果被災者市民の救済がどのように困難になると想定しているのか。

【財政局長答弁】

 千葉市直下地震の想定は6強であり、平成23年に発生した東日本大震災よりも大きいため、地震発生時には、本庁舎の一部が損傷するなど、深刻な被害が発生する恐れがあるものと認識しております。仮に、本庁舎が使用できない場合には、速やかに災害対策本部会議を開けないことにより、本部長の意思決定や、本部長指示の伝達などが遅れるほか、重点的に対応すべき地域の特定や、関係機関への応援要請等に支障をきたすことが想定されることから、ポートサイドタワー12階会議室を、災害対策本部の代替施設として位置付け、災害対策本部機能を早期に確立することとしております。

 

【野本信正議員】

説明のような被害を想定し、市民の安全を守るためにも速やかな建て替えが必要というが、H35年度の供用開始まで6年間の期間がある。

この6年間の間に、千葉直下地震に遭遇した場合、市役所本庁が壊滅的打撃を受けて、市民を救済できなくなるリスクをどのように補うのか。

【財政局長答弁】

 災害対策本部の代替施設としている、ポートサイドタワー12階会議室には、地域防災無線の基地局や、衛星電話回線など整備しており、速やかに災害対策本部を設置することとしております。また、市役所機能が低下する中にあっても、迅速かつ適切に災害対策業務を開始するとともに、可能な限り早期に通常業務を復旧させるため、千葉市業務継続計画により、非常時優先業務を選定しているところであり、災害時には限られた人員等の資源を有効に活用していきたいと考えております。さらに、不足する場合には、他の地方公共団体や民間団体等からの人的・物的支援を円滑に受け入れるため、災害時受援計画により、受援体制を整備したところであります。

 

【野本信正議員】

答弁は、「地震発生時には、本庁舎の一部損傷など深刻な被害が発生する恐れがあるものと認識している」であった。新庁舎整備は着工から供用開始まで、計画通りに進んでも6年ぐらいになる。質問するが、この6年ぐらいの間に、千葉市直下地震が起こった場合、現庁舎に深刻な被害が発生し、建物の損傷で来庁者や職員に被害がおよび、災害対策にも重大な支障をきたすことになることについて何の対策もとらないのか。

【財政局長答弁】

 新庁舎が供用使用されるまでの間は、庁舎においては、来庁者や職員の安全のため書棚やロッカー等に転倒防止策を図るとともに、本庁舎が使用できない場合には、ポートサイドタワー12階に災害対策本部機能を早期確立し、迅速かつ適切に災害対応業務を開始します。また、通常業務を早期復旧するため、千葉市業務継続計画により、限られた人員等の資源を有効活用して参ります。

 

【野本信正議員】

千葉市直下地震に対して、新庁舎整備後は安心だが、供用までの6年間は危険なままで放置するのは無責任ではないか。

共産党は、現庁舎の必要最小限の耐震工事を求めているが、市はヤル気が全くないのは、安全安心のために使う予算は「ムダ使いになる」と思っているのか。

【財政局長答弁】

 耐震補強工事を行う場合には、改修計画の策定、仮庁舎への移転、耐震補強の設計や工事など、一定の期間とコストを要するため、新庁舎整備を進めて参ります。

 

【野本信正議員】

オリンピック需要などで、建設事業費が最も高騰している今、なぜ建設に着手するのか。市長は「長い目で見て一番費用負担が少なくなる方策」と説明してきたが、その判断の中には、建設時期における建設事業費の動向などは入っていない。新庁舎整備調査特別委員会視察で、高知市の説明によると、新庁舎整備の事業費について、H24年10月の基本構想時は、総額約100億円であったが、H27年3月の基本設計時は約180億円になっている。比較して1.6倍から1.79倍に増額している。

千葉市の建設事業費280億円も5~6年前は200億円を下回る金額であったかもしれない。今一番ピークと思われる時期に建設することは、多額の建設費を投入することになるが、なぜ今急ぐのか。

【財政局長答弁】

 千葉市直下地震の発生の可能性が高いなか、市民の安全・安心を守るまちづくりや体制を早期に確立する必要があるため、総合防災拠点として機能する新庁舎整備を進めるものであります。なお、今後の建設物価等の動向を見極めていく必要があると認識しておりますが、東日本大震災以降、現庁舎の抱える課題等を含め、そのあり方について議会や市民の皆様とともに検討を重ねた結果、早期の新庁舎整備を方針決定したところであります。

 

【野本信正議員】

私の質問は建設費コストが一番高騰している時に着手することは、高額の建設費を注ぎ込むことになり、それだけ市民の税金を多く使い、市財政に損失を与えることになる。と指摘したが、正面に応えていないのは指摘を認めたことになる。

他自治体の事例も示し千葉市の建設費280億円が5~6年前なら190億円か200億円ぐらいであった。今着手すると80億円から90億円余りの建設費の損失になり、「長い目で見て最も費用負担が多額になる」方策であり、再検討を促すがどうか。

【財政局長答弁】

 このたび、新庁舎整備の事業手法として選定したデザイン・ビルド方式では、早期の着工が可能となることにより、工事費に係る消費税の改正前税率の適用や、交付税措置のある有利な市債が活用できることなど、整備コストの縮減や財源確保など財政面でのメリットが大きいため、平成30年度から事業着手するものであります。

 

【野本信正議員】

必要最小限の耐震工事をただちに行い、オリンピックが終わり、建設費高騰が沈静化した後、改めて建設時宜を決める。今から5年後10年後まで待ってから実施することを改めて提案するが。

【財政局長答弁】

 現庁舎を耐震補強した場合では、狭隘化、老朽化の課題は解消されず、築47年を経過したことによる多額の維持管理経費の負担が今後も見込まれます。このため、非常時の業務継続性の確保など、防災面も含めた市役所の機能が最も高められ、かつ長い目で見て最も費用負担が少なくなる方策である新庁舎整備を進めることとしたものです。

 

【野本信正議員】

新庁舎の基本コンセプトは、まち・人・緑をつなぐシティホールとあり、低層棟には市役所に用事のある来庁者と、臨港プロムナードからの休息などで訪れる市民や企業のPRコーナーなど、いわゆる市民利用スペースが計画されている。

図面で見ると、イベントスペースとかカフェが情報ステーションのコーナーであり、食堂や売店も職員だけでなく市民の利用を考慮して面積を大きくしている。

市民利用スペースを見ると、市民向けにかなり広く取ってある。一日当たりの来庁者来庁者が 700人の千葉市が、なぜこんなに広く、またサービスの行き届いた施設が必要なのか。

「臨港プロムナードを歩く人が市役所に立ち寄る」「みなと公園を利用する人が立ち寄る」と言うが、臨港公園プロムナードを市役所から海側を歩いている人は、一日何人いるのか。みなと公園を利用する人は何人いるのか。

【財政局長答弁】

 臨港プロムナードの歩行者数や、みなと公園の利用者数については、把握しておりません。

 

【野本信正議員】

まち・人・緑をつなぐシティホールと言うが、臨港プロムナードを歩く人や港公園を利用する人がほとんどいない下で、ことさら広く豪華な市民利用スペースを確保することは無駄にならないのか。

【財政局長答弁】

 市役所本庁舎は、市民の安全・安心を支える総合防災拠点であり、非常時には災害情報の発信を行うとともに、一時避難や企業・団体等の活動スペースとして機能します。臨港プロムナード沿いの1・2階に配置した、市民センターや食堂、イベントスペースなど来庁者利用が多い機能については、非常時の対応に加え、新庁舎における賑わいが周辺エリアのまちづくりにも寄与するよう計画したものであり、今後、供用開始に向けて、こうした機能を最大限発揮できるよう、ソフト面での取組みの充実強化を図って参ります。

 

【野本信正議員】

次に高潮対策について問う。京葉線千葉みなと駅から海側の土地は千葉中央港土地区画整理で、1.5メートル嵩上げしている。千葉市役所の土地より1.5メートル高いのは、「千葉県危機管理課資料」荒川工事基準面、いわゆるAP5.5メートルと思うが何のために嵩上げをしたのか。

【財政局長答弁】

 千葉中央港土地区画整備事業区域は、海岸法の海岸保全区域に指定されており、開発にあたって海岸管理者との協議により、当該土地区画整備事業の施行者であるUR都市機構が高潮対策のため、高さ約1.5mの土地の嵩上げを行ったものであります。

 

【野本信正議員】

千葉市役所の土地はAP4.1メートル程度であるために、高潮の被害を受ける心配があり、そのために基本設計の概要中、環境配慮計画は、5メートルの高潮被害を想定し、機械室などは2階に設置している。

高潮被害が起きた場合、新庁舎の一階の正庁・イベントスペース・カフェが全部浸水被害に遭うと記載されていると思う。災害時一次避難場所のみなと公園も高潮に飲まれてしまう心配かあるが、新庁舎の対策はどのように行うのか。

【財政局長答弁】

 基本設計では、非常時の業務継続性を確立するため、危機管理センターや機械室について、浸水被害を受けない高さの階に設置するなどの対策をとっております。

 

【野本信正議員】

千葉直下地震など想定される大規模地震による津波と、高潮がダブルで発生した時は、千葉市の被害想定5メートルを上回る水害になる心配がある。

 新庁舎では津波・高潮対策が欠如しているので再検討を求める。

【財政局長答弁】

 津波、高潮、液状化などの本庁舎敷地が抱えるリスクへの対応については、基本構想から検討を重ね、基本設計に反映したところですが、津波、高潮が同時発生するなど、想定を超える水害が発生した場合には、来庁者や職員の安全を最優先に、上層階への避難誘導など、適切な対応を図って参ります。

 

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