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日本共産党東京都議会議員団

憲法改正、カジノ誘致、エアコン設置など市長をただす!野本議員が代表質疑〔2018年第3回定例会〕

野本信正議員の代表質疑(要旨)   2018.9.11

 

1 国政との関係について

その1 9条改憲、戦争反対について

 安倍総理は、次の国会で9条改憲を提案するとしているが、自衛隊を米軍と一緒に海外で行う戦争に無条件で参加させるもので絶対に認められない。自民党元幹事長の故野中広務氏は、生前「戦争に参加した者として戦争反対、憲法改正には反対」と述べた。国民世論の多数が9条改憲に反対している。

(1)市長はこれまでの答弁で、憲法改正手続きを述べて質問をはぐらかしている。9条改憲について市長自身の考えかたについてのべられたい。

(2)市民の平和と安全のために、憲法9条を護り発展させることは、市長の使命だと思うがその認識は。

 

その2 原発・再生可能エネルギー、東海原発と千葉県・千葉市について

(1)先の国会に、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法が、日本共産党・立憲民主党など、野党4党の共同で提案された。法案は「全ての原子炉等を速やかに停止し、計画的かつ効率的に廃止するとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギーの需給構造を転換し、持続可能な社会を実現する責務がある。原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である」と規定している。 

 法案に対する市長の見解を問い、原発廃止・エネルギー転換で未来への希望を市民に示すことを求める。

(2)東海第2原発再稼働を規制委員会が了承したが、事故があれば千葉県・千葉市にも被害が及ぶことへの見解と茨城県からの避難者受け入れについての判断は。また、市長も再稼働に反対することを求めるが。

 

その3 カジノ法案が強行採決された。

(1)西日本集中豪雨で多数の犠牲者と広範囲の地域で甚大な被害が発生し、支援の先頭に立つ国土交通大臣が現地に行かず、ギャンブル・カジノ法案成立を強行した異常についてどう思うのか。幕張新都心にIR誘致を検討している市長はどのように受け止めているのか。

(2)カジノは、「人の金を巻き上げるだけのゼロゲーム」と言われているが、観光振興にも経済成長にもつながらない、見解を。 お客は外国人だけでなく多くは日本人、千葉市民をギャンブルに巻き込んでいいのか。

(3)カジノで吸い上げた金は、3割が地元と国。7割を吸い上げる外国企業のために、千葉市が誘致していいのか。

(4)議員立法である、いわゆる「IR推進法」を提案した国会議員に、米国のカジノ企業関係者がパーテイ券購入、脱法的な資金提供どう思うのか

(5)ギャンブル依存症千葉市の調査結果は、男性7.8%、女性1.2%、競輪場調査対象者・男性14.5%全国調査3.6%(男性6.7%、女性0.6%)久里浜医療センター樋口進氏調査 ギャンブル依存症調査千葉市・全国平均の2~3倍である。幕張へのIR誘致断念を求めるが。

 

2 決算について

 H29年度決算の状況と特徴について

(1)財政健全化が進んだ背景について、29年度決算では国保料値上げなどの福祉カットを行い、熊谷市政スタート後、国保料6年連続値上げや高齢者祝い金カット始め134項目約220億円の福祉カットと負担増を押しつけてきたことに反省はないのか。

(2)また最近は福祉カットの質が低下し、心身障害者福祉手当の切り下げ、決算年度を超えるがオムツ給付等事業の所得制限を強め、月400円の利用料を4,000円にするなど、真に困っている人の福祉をさらに切り下げている。こんな質の悪い福祉カットは中止し真に困っている人を救うべきだが。

(3)財政危機をいいながら、多くの大型開発を実施し多額の財政を注ぎ込んできたが、市民福祉向上より大型開発を優先する姿勢は市民の願いと乖離するので改めるべきではないのか。

(4)H29年9月に、「脱財政危機宣言」を解除した。今後の財政運営、事業の選択は、財政危機を理由にカットしてきた福祉事業の復活や、負担増を強いてきた事業の改善など、財政健全化の犠牲になってきた市民に少しでも報いるべきではないのか。

 

3 酷暑の中で学校のエアコン設置

 熊谷市長は8月23日の記者会見で、166の小中学校に2020年までに設置することを明らかにした。

(1)市長は補正予算を計上したが、「基本計画策定費」7,800万円だけである。これではすべての普通教室でエアコンが利用できるのは、2021年の夏か、それ以降になってしまうことにならないか。

 今年度中に設計や入札を行い、工事を今年度後半から来年度早々に着工し、全ての普通教室で、2019年度夏からエアコンが利用できるように急ぐことを提案するが。(2)市原市は全学校に来年夏までに設置するため、33億円継続費補正予算を9月議会に計上した。市原市の財政規模は千葉市の1/6程度であるため、単純に比較すれば千葉市が200億円余の予算を計上したことになる。千葉市も市原市に学んで、全ての普通教室にエアコンを設置する予算の計上を求めるがどうか。

(3)国の補助制度の改善や、地方債措置の拡充がされれば、自治体のエアコン設置予算は改善される見通しになる。来年夏の利用をめざすには、当局が普通教室へのエアコン設置費として試算している66億円の補正予算を追加する必要があると思うがどうか。

(4)事業手法については今後決めていくことになるが、地元業者の参加と協力および地域経済への波及効果について見解を求める。

(5)この間、市長のツイッターが炎上したことについて一言触れておきたい。

7月17日、市長のツイートは、「『千葉駅周辺の開発をしているのにエアコンにはお金を付けない』とミスリードをしているのは共産党だけ」と突然言って、自分がエアコン設置に積極的でない理由を共産党にすり替えるような発言は問題であり、共産党市議団は抗議をした。ツイートで2回も共産党を批判しているが、私ども市議団は、「新庁舎整備」「千葉神社の参道整備」「競輪場再整備」「稲毛海浜公園リニューアル」「千葉駅周辺整備」などの大型公共事業について、市民参加で見直すことを提案している。それをミスリードだとする市長の見解は、緊急性や必要性について議論し優先順を決めることや、命を守ることを優先することを否定しているのか。

(6)66億円の予算確保は厳しいことであるが、千葉市の予定している事業の見直しを行い、子どもの安全・安心のため、エアコンを設置する事業を優先することを求めるがどうか。

 

4 自然災害と対策、防災・減災について

その1 豪雨災害について

 この間、西日本豪雨被害、たび重なる台風による被害、北海道の地震等が広がっているが、被害者の皆さんに心からのお悔やみを申し上げるとともに、被災者の皆さんにお見舞いを申し上げます。

(1)西日本豪雨被害について

  • 1年分の雨量が3日間に降った。●危機感、住民に伝わらず。●防災無線聞こえない。●ハザードマップが生かされていない。●住民に危機感が伝わらないことを解決するために、新たな防災の制度設計を、防災対策・予防・減災の抜本的な検討。などについて、どのように改善をしていくのか。

(2)台風21号通過の際大阪で、満潮時と重なり高潮と高波で最高潮位を観測し、浸水被害が広がった。千葉市の海岸沿いも同様の心配にどう対策するのか。

(3)千葉直下地震について、北海道の地震は他人事ではないと言われている。千葉市はこの地震から何を教訓にして対策を行うのか。

(4)避難所の学校にマンホールトイレの設置を急ぐとともに、学校体育館にエアコンの設置を求めるが。

(5)野党が共同して提出した、被災者生活再建支援法改正案は、被災者生活再建支援金の支給に係る国の補助割合を引き上げ、住宅の全壊・半壊・一部損壊に支援金が支給等改正し、被災者の生活の再建支援をおこなうことを求めている。市長も国に対して被災者生活再建支援法改正を求めるべきではないか。                    

(6)家具転倒防止金具取り付けを本気で広げることを求めるが。

 

5 街づくりについて

その1 集約型都市構造、立地適正化計画について

 千葉市の街づくりは基本構想の下にある基本計画に、H24年度から位置付けられてから集約型都市構造が都市計画マスタープランに明記され、今日立地適正化計画として進められようとしている。合わせてH26年度からスタートした公共施設見直し方針は870件の公共施設の廃止や統合を検討し、まち・ひと・しごと総合戦略人口ビジョンを合わせ千葉市の街づくり計画は、いずれも集約型都市構造を位置付けて、人口増加の時に郊外に拡散していった都市機能や市街地を、人口減少に伴い都心・拠点などに、都市機能誘導区域、居住促進区域に集約する、コンパクト・プラス・ネットワークを目指している。

(1)都心・拠点などには、公共施設、商業施設を集めるためなどが国の交付金制度が活用され、大型開発が集中することになるのではないのか。

(2)都心・拠点などに集約した街は活気がでるが、外れた地域は交通ネットワークや公共施設も縮小され、不便で住みづらい街になってしまうのでないのか。

(3)千葉市地域防災計画との整合性がずれてしまう懸念があるが。

(4)集約型都市構造、立地適正化計画は、人口減少を理由に集約と縮小を上から押しつける街づくりであり住民自治に反する街づくりといえるがどうか。街づくりは住民の住み良い環境を整備するため、行政と住民が一体となって進める住民自治へと転換すべきだがどうか。

 

6 大型開発について 

その1 新庁舎整備について

(1)プロジェクターの画面に見る新庁舎完成予想図の低層棟は、ホテルを思わせる華やかな施設である。構造も2階まで吹き抜けであり、新庁舎の高層棟に比べた場合、豪華で建設単価も高く、建設費もそれだけ高額になると思うがどうか。

(2)低層棟のグレードを高めることについて市は、基本設計のコンセプトで「まち・人・緑をつなぐシティホール」として、千葉駅から千葉みなとまでのプロムナードを利用する市民や、市役所隣のみなと公園の利用者が立ち寄ると説明している。そのため低層棟は、市民ヴォイド、街角広場、縁側テラス、イベントスペースなどが計画されている。

 しかし、委員会審議で当局も認めた様に、千葉駅から千葉みなとまでのプロムナードを利用する市民はほとんどいない。市役所隣のみなと公園で集う人影もまばらで、「まち・人・緑をつなぐシティホール」は現実と乖離しているのに、なぜ予算を注ぎ込むのか。

(3)本庁舎に来庁する市民は一日700人程度、そのうち400人は都市局、建設局へ来る業者などが中心と当局は説明している。市民の多くは、本庁舎ではなく区役所を利用していて、中央区役所は一日平均1,223人で、6区役所の来庁者数はそれぞれ1千人以上で、合計8,000人を超している。

一般市の本庁舎は、市民のシンボル的施設としてそれなりの整備は必要であるが、政令市の本庁舎は同じではないことを認識して、数々の市民利用施設とその規模が必要なのか再検討して、経費節減すべきではないのか。

(4)本庁舎整備期限をH35年度に決めているが絶対的理由はない。事業の優先順位を見直して、本庁舎整備3年~5年先に延長してその間に、子どもの命に関わる学校のエアコン設置を急ぐことが求められていると思うがどうか。建設費は可能な限り低く抑えるべきではないのか。

 

その2 250競輪について

(1)250競輪を市長は、民間が行う事業だとツイッターで説明しているが、市は国有地取得とスタンドの撤去に合計33億円を負担する。一般会計繰入金は、現在の千葉競輪の29年度決算は、年間1,700万円に対して、250競輪がスタートするH32年度収支予想は年間1,700万円と計画していて、10年後もずっと同額である。

年間1,700万円の繰入金だと、千葉競輪と同額の繰入金しかない250競輪に

33億円も支出する説明がつかないがどうか。

(2)入場者数は千葉競輪の29年度決算において356,356人であるが、本場開催の入場者と場外開催の入場者はそれぞれ何人となるのか。

(3)250競輪がスタートすると入場者数は千葉競輪を上回る予定と思う。

 先の計画で競輪場が廃止されていれば35万人以上の入場者が減って、それだけギャンブル依存症を少なくすることができはずであった。なぜ千葉市が、250競輪によってギャンブル依存症の原因事業を続けるのか。中止すべきではないのか。

 

その3 稲毛海浜公園リニューアルについて

(1)市が民間業者を公募した事業なのに市長は「民間の事業」と説明している。しかも人口海浜の砂購入に、オーストラリアから白い砂を、輸送費も含めて8億8千万円も支出して入れようとしているが、国産の砂でコストを抑えるべきではないのか。

(2)稲毛海浜公園リニューアルでオーストラリアから高額の白い砂を購入することや、見通しが不明の250競輪に33億円も注ぎ込むことが、千葉市の事業、予算措置に関わる必要性・緊急性から判断して優先する事業とは思えない。

 市民の福祉、子どもの命と比べ優先する事業と思えないがどうか。

 

7 障害者雇用について

 中央省庁による障害者雇用水増し問題は行政機関の約8割にあたる27機関で計3460人の不適切算入があり、地方自治体でも不適切な算入が次々と発覚している。千葉市でも、市長部局と教育委員会などで不適切な算入が報告され、市は政府機関の事例とは性格が違うと説明している。

(1)障害者団体からは「国が多くの障害者の働く場を奪っている」と厳しい批判が高まっている。

 障害者の26歳男性は、「私自身なりたくてなったわけではない。幸い就職はできたが、心ない言葉を掛けられたこともあった。障害者差別解消法が施行されたが、まだまだ名ばかりだと思う。水増し問題の発覚は障害者に対する間違った認識が広まるのではないかと危惧している」と述べている。以上障害者団体や、障害者からの発言を、不適切な算入が発覚した千葉市の責任者として、どう受け止めるのか。

(2)千葉市の不適切な算入は今年度だけのものなのか。また千葉市の市長部局と教育委員会は、法定雇用率を毎年クリアしていたのか。過去10年間にクリアしていた年が何回で、下回っていた年が何回で、どのくらい下回っていたのか。実態について示されたい。

(3)来年度からは法定雇用率のクリアはもちろん、上回る雇用を目指し、民間企業などに規範を示すべきではないのか。

 

8 オリンピック・パラリンピックについて

(1)無理のない取り組み、必要以上の費用負担はしない、市民理解が得られることを貫くべきだ、幕張メッセ大規模改修は千葉県の責任で行うよう求めるべきだが。

(2)パラスポーツの推進、パラスポーツの環境整備は一過性でなく持続的に行うべきであるが。その方向性は。

(3)障害のある人もない人もともに理解し合う共生社会を目指すためパラスポーツの推進とともに様々な取り組みが必要であり、行政のリーダーシップが求められているがどうか。あわせて障害者差別解消法の完全実施に向けてどのような取り組みをするのか。

 

9 保健福祉行政について

(1)国民健康保険広域化後について

広域化に伴い千葉県は国保財政の責任主体となり、納付金や標準保険料の算定や国保運営方針の策定など、県域全体の国保運営について中心的な役割を担うことになった。

2018年度は厚生労働省の激変緩和などの公費拡充によって、国保料値上げは回避されたが、6年を一期とする「国保運営方針」により、今後6年間は連続値上げとなるのか。値上げ額はどの程度か。保険料軽減にどのような対策を行うのか。

(2)国保の広域化は一般会計からの法定外繰入の中で、保険料の負担緩和を図る繰入の解消を眼目としているが、国保料は所得100万円の人が13万円以上であり、所得の10%を越していて払いたくても払えない高額である。これ以上の値上げは医療を受ける権利を侵されるので、値上げを中止して、一般会計からの必要な法定外繰入の実施を求めるが。

(3)子育て世代の国保料を高騰させる要因である均等割の見直しを求めるが。当面第3子までの均等割廃止を来年度から実施することを提案するがどうか。

 

10 環境行政について

 地球温暖化対策について

(1)豪雨・酷暑など地球温暖化の影響であると指摘されている。千葉市地球温暖化対策実行計画改定版温室効果ガスの削減目標数値は、産業、業務、家庭部門などの2013年度合計約1,577万トンを、2030年に209万トン削減する計画である。

 市の事務事業における削減目標と数値は、2011年度21万9千トンを2030年度に約4万8千トン削減する計画であり、今後18年間に、千葉市全体で合計209万トン削減する計画であるが、どんな取り組みをするのか問う。

(2)一方市内には、JFE敷地に計画されている100万キロワットの石炭火力発電所が、CO2年間排出量は500万トンといわれている。また千葉市が北谷津に建設するガス化溶融炉が稼働すると、年間約10万トンのCO2が発生する。発電に対しては、熱回収によるCO2削減効果で削減量が示されているが、石炭火力発電所とガス化溶融炉がCO2の発生源であることを認めるか。

また、地球温暖化対策実行計画でCO2を209万トン削減しても、その一方で510万トンが増えると、差し引き301万トン増えてしまう。これでは削減計画にならないことについてどのように説明するのか。

(3)地球温暖化対策を本気で進めなければならない。CO2の大幅削減が急務となる下で世界は、「脱石炭」を加速させている。市長は石炭火力発電所の中止を決断し、企業に申し入れることを求めるがどうか。

(4)北谷津に計画しているガス化溶融炉の燃料使用量を抑え、CO2削減をメーカーに求めることを提案するが。

(5)さらに、約2万3千トンのCO2が削減される容器包装プラスチック分別処理実施を求めるがどうか。

 

11 都市行政について

その1 モノレール、ルート延伸の見通しと利用者増加対策について

(1)都市モノレール延伸計画の検証について、市立青葉病院ルートと稲毛ルートが示されているが、延伸の見通しはどうか。

(2)利用者増加対策をしっかりと行っているのか。モノレール駅における、駅1キロの開発で何軒・何人増えたのか。

(3)沿線の住宅増加を奨励している千葉市が,沿線の市営住宅を761戸も減らすのは矛盾している。長寿命化再整備計画を元に戻し、千城台第3団地のバリアーフリー住宅216戸の建設を求めるが。

 

その2 公園樹木や街路樹の育ち過ぎ対策に予算の増額。

(1)身近な公園981か所の樹木は、近年育ち過ぎて莫大な落ち葉など、周辺住民に迷惑をかけ、若木への更新も必要になっている。しかし、市内のすべての公園の維持管理経費はH19年度約12億円に対して、H30年度約9億6千万円に減少しているが、日常管理のほかに、公園周辺に影響を及ぼしている樹木の管理に要する費用は確保できているのか。

(2)実態は街路樹も同様である。この際、公園の樹木や街路樹の育ち過ぎ対策に予算を増額し適切に管理を求めるが。

 

12 建設行政

(1)生活道路整備等土木事務所予算は、今年度はオリ・パラ用に約8億円増額し、71億円にしたが、次年度以後も今年度並みの予算配分を求めるがどうか。

(2)生活道路整備をすすめ街をきれいにして、地元建設業者に仕事がまわる循環型公共事業の促進を求めるが。

 

13 教育行政について

その1 全国学力・学習状況調査について

(1)教育学者の太田堯さんは全国学力テストについて「子どもを皆、モノのように扱って、数値の中で束にしてしまう。それが何県で一番になったとか大新聞に出る」と語っている。政令市の成績も公表され、その結果点数競争が起き、学力テストが最優先になり、学校、教師、そして子どもたちが振り回されている。と指摘されているが、千葉市の実態はどうか。

(2)点数アップのために過去の学力テストの問題を何度も子どもにやらせるため、他の授業や行事がつぶれ、学力テスト直前の春休みは宿題づけで、子どもがモノのように数値によって束にされているといわれている。千葉市の実態はどうか。「過去問」を繰り返すことは「学力向上」にならないと思うがどうか。

(3)学力テストの点数が上がったからといって、その子が幸せになるわけではない。文科省に対して「全国学力テスト」の中止を求めるべきではないか。

 

その2 就学援助の充実について

(1)格差と貧困の拡大により、働く人の3人に1人が年収200万円以下といわれる下で、18歳未満の子どもの貧困率は13.9%、約7人に1人が「貧困ライン」年間所得122万円未満になっている。とりわけ、母子世帯等一人親世帯の貧困率は、50.8%で、極めて深刻な事態となっている。発達成長期にある子ども時代の貧困は、健康や学力など子どもに必要な条件が経済的困窮によって奪われ、子ども本人の人生と、社会全体にも損失をもたらしていることについての見解を求める。

(2)収入の多少によって児童生徒の教育に影響が出ないように就学援助制度の充実と、対象者が漏れなく受給できるようにすることが求められているが、どのような取り組みがされているのか。この間認定率が向上していない問題点はなにか。

(3)就学援助認定数は6,041人で、小中学校児童生徒数72,501人中、8.33%である。

千葉市と同じ受給基準の堺市の認定率17.9%を当てはめると、千葉市には約12,978人の対象者が存在することになる。対象者でありながら制度を知らないため、受給できずに親・子とも大変な苦しみをしている家庭が多く存在していることに心を砕き、受給資格者で就学援助を受けていない人たちに制度を知らせ、希望者が申請できるように、親切で具体的な手立てをとるように求めるが。

(4)朝食もままならず学校給食をたのしみにしている児童生徒もいるときいている。その給食費の滞納者もいる。これらの家庭に就学援助が適用されれば大きく改善される。教育委員会は、子どもの貧困を深刻に受け止めているのか。潜在する就学援助対象者に手を差し伸べるとともに、わずかな所得の差で就学援助が受けられず困っている児童生徒を救済するため、受給基準の引き上げを求めるが。

 

 

 

 

<代表質疑2回目>

 

1.9条改憲、戦争反対について

(1)「公人として憲法を順守し尊重することは当然のこと」の答弁

 それならば憲法の全ての条項を順守し尊重することであり、憲法9条を順守し尊重するのは当然ではないのか。

 安倍総理の9条改憲に反対するのが当然でないのか。答えられたい。 

 

2.カジノ法案について

(1)幕張新都心へのIR誘致を断念するよう求めたが拒否して、「幕張新都心の活性化、強化に向けた一つ」と答えた。幕張新都心は、ギャンブル・カジノを誘致しないと発展しないのか問う。

(2)ギャンブル・カジノを誘致した場合、「ギャンブルの街幕張」のイメージが広がり、メッセやスタジアムはじめ多様で健全な楽しみに集まってくるお客が敬遠し、新都心の健全な発展を阻害する要因になると思うがどうか。 

(3)千葉市が税金を注ぎ込んで行ったギャンブル依存症調査の結果は、一問目で指摘したとおり、男性7.8%で、全国調査3.6%の2倍以上で深刻である。 

 また、千葉競輪場調査での男性の14.5%は驚異的数字であるのに、今後250競輪でギャンブルに誘い、さらにカジノにさそい、ギャンブル依存症を増やす原因を千葉市が提供していいのかを問う。

(4)IR誘致断念を重ねて求めるがどうか。

 

3.猛暑の中で学校のエアコン設置について

(1)市長の答弁と補正予算の審議を通じてはっきりしことは、来年夏には間に合わないこと、2020年夏も全学校に設置は難しいことである。

 手元にある市原市の工事・工程表を見ると、全ての教室にエアコンを設置する予算約33億円を9月議会に計上し、デザイン・ビルド方式で10月にプロポーザルで募集12月に契約、1月~2月に調査・設計、2月半ばから施工開始、夏にはエアコンの利用ができる計画である。

 来年夏までに全教室にエアコンを設置し、児童・生徒の命と健康を守ろうとする市原市の市長の決意と予算化は高く評価できる。

 熊谷市長も来年夏までの設置を目指して、あらゆる努力をすべきではないのか。

(2)財政見通しについて文部科学省の交付金の動向は気になるところであるが、

現行制度で試算すると、66億円のうち、補助金実質1/6約11億円、市債約41億円、交付税措置約17億円、一般財源約14億円になる。

 すなわち初期費用は約14億円でスタートできて、市負担金の市債はエアコンの耐用年数である15年程度で割賦返済になるので、財源確保は可能であると思われる。

 もし国庫補助金が実質1/3になれば、補助金収入は11億円増えることになる。

 当局は、いろんな想定をしていると思うが、現時点での考え方について問う。

(3)児童・生徒の命と健康を熱中症から守ろうとすることは、人権問題となっている。来年夏に全学校にエアコン設置を目指して、約66億円の追加補正を強く求める。 12月の第4回定例会では遅いので、10月後半にでも臨時議会を開き追加補正の計上を求めるが。

(4)エアコンの予算を確保するため、事業の選択が必要になるが、私どもは大型開発を緊急性・必要性から見直すことを一貫して提案してきた。250競輪や、千葉神社の参道整備とエアコン設置のどちらが優先なのか。新庁舎整備を3~5年延期してエアコン設置を急ぐことなど、市民参加で見直すことを提案してきた。

 今こそ大胆な見直しが必要であるが、事業の優先順位を決める基準はなにか。

 

4.環境行政、地球温暖化対策について

(1)答弁で明らかになったことは、千葉市の地球温暖化対策が、500万トンのCO2を発生する石炭火力発電所のCO2発生量を、ゼロにカウントしている。約10万トンを発生するガス化溶融炉は、熱回収によるCO2削減効果により、半分の約5万トンしかカンウントしていない。

 電力を使用した事業所などでCO2をカウントするからといっても、発電所が稼働しなければCO2は発生しない。温室効果ガスの発生源を抑制することが最大の地球温暖化対策であることを認識できないのか。

(2)千葉市において今後予定されている大規模な発生源の抑制は市長の使命である。500万トンのCO2を発生する石炭火力発電所のストップを求めることと、10万トンのCO2を発生するガス化溶融炉の改善をメーカーに求める。以上について重ねて答弁を。

 

 

 

野本信正議員の代表質疑に対する答弁(要旨)  2018.9.11

 

【熊谷市長の答弁】

市政運営の基本姿勢について

 はじめに、国政との関係についてお答えします。

9条改憲についての考え方と、憲法9条を護り発展させることは市長の使命ではないか、については関連がありますので、併せてお答えします。公人として憲法を尊重し遵守することは当然のことであります。憲法改正については、それぞれの考えがあってしかるべきであり、憲法に基づき、広く国民的議論を経た上で、国民投票により決まるものと考えております。

 次に、決算についてお答えします。

まず、福祉カットと負担増を押し付けてきたことに反省はないのか、とのことですが、財政健全化に向けた取組みを進める必要があった中、真に支えを必要としている方々のための予算が配分されるよう、市民生活に与える影響を考慮しつつ事務事業の見直しを行うとともに公共料金の適正を図ってきたもので、市民の皆様のご理解とご協力のもと進めることが出来たものと認識しております。

次に、質の悪い福祉カットは中止し真に困っている人を救うべき、とのことですが、高齢者及び障害者施策の展開にあたっては、それぞれのニーズを的確にとらえ、限られた財源を、より緊急性、必要性の高い事業に効率的に配分するため、より支援が必要な方に財源を振り向けることしたものです。

次に、市民福祉向上より大型開発向上を優先する市政は改めるべきではないのか、とのことですが、これまでも、大型開発の実践にあたりましては、緊急性・必要性の観点から可能な限りの見直しを行ってきたところであり、また、都市の魅力・活力の向上など本市の持続的発展につながる施策については、財政健全化とのバランスを踏まえ着実に推進していく必要があるものと考えております。なお、市民生活についてはこれまでも医療・介護・子育てなど必要な分野へ予算を配分してきたところであり、今後も施策の選択と集中の中で限られた財源を効率的に配分し、市民生活の向上を図って参ります。

次に、財政健全化に犠牲になってきた市民に少しでも報いるべきではないのか、とのことですが、今後も少子高齢化が進み、その対応に多額の財政需要が見込まれる一方で、市税収入の大幅な伸びが期待できず財源が限られることから、事業の選択と集中の取組みが必要であると考えております。このため、市民生活に与える影響などを考慮しつつ、市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、事務事業の見直しを行うとともに、公共料金の適正化を図っていく必要があると考えております。なお、今後も、限られた財源を効率的に配分し、真に支えを必要としている方々に予算が配分されるよう努めて参ります。

次に、酷暑に中での学校のエアコン設置についてお答えします。

まず、すべての普通教室でエアコンが利用できるのは、2021年の夏以降になってしまうことにならないか、今年度中に設計や入札を行い、工事を今年度後半から来年度早々に着工し、すべての普通教室で、2019年度夏からエアコンが利用できるよう急ぐことについてですが、市立小中学校166校、約2,400教室へのエアコン設置について、設計、発注手続き、施工という流れを考慮すると、事業規模が大きく、現時点では、来夏までの全校設置は難しいものと考えております。空調設備基本計画は、今年度末までに策定することとしておりますが、年内を目途に、事業手法やスケジュールなどについての方針を取りまとめ、可能な限り早期の着工を目指して参ります。

次に、市原市に学んで、すべての普通教室にエアコンを設置する予算の計上を求めることについてと、66億円の補正予算を追加することは関連がありますので、一括してお答えします。エアコンの設置に向け、必要な事業費や財源、地元事業者活用、さらには、設置に要する期間等から最適な事業手法を見極め、空調設備基本計画を策定することとしており、事業手法棟の決定後、補正予算の措置を念頭におき、早期設置に取り組んで参ります。

次に、地元業者の参加と協力及び地域経済への波及効果の見解についてですが、事業手法の決定にあたっては、地域経済の活性化や地元事業者の育成など様々な面から検討して参ります。

次に、緊急性や必要性について議論し誘電順を決めることや、命を守ることを優先することを否定しているのかについてですが、予算編成にあたっては、全市的な視点から、優先順位や緊急性を十分に勘案し、事業費の精査を行った上で、必要な分野に重点的に予算を配分してきたところです。教育環境については、緊急性や費用対効果を踏まえ、外壁やトイレの改修を最優先で取組とともに、エアコン整備についても、検討を行って参りました。このような中、昨今の猛暑や、本年4月に文部科学省が示している学校環境衛生基準における望ましい教室内温度が30度以下から28度以下に見直されたこと、また、保護者や市議会各会派等からエアコン設置に関して多数の要望が寄せられていること、さらに、7月26日に開催された千葉市学校教育審議会において「エアコンの設置について早急に対応して欲しい」との意見がまとめられたこと等から、エアコンの早期設置を目指す事としました。今後、児童生徒の健康と良好な学習環境確保の観点から、エアコンのできる限りの早期設置に向け、取り組んで参ります。

次に、予定している事業の見直しを行い、エアコンの設置事業を優先することについてですが、全市的な観点から優先順位や緊急性を十分に勘案するとともに、事業費の精査を行い、エアコンの設置が確実に行えるよう必要な財源確保に努めて参ります。

以上で答弁を終わります。私の答弁以外につきましては、両副市長、教育長から答弁をいたします。

 

【鈴木副市長の答弁】

市政運営の基本姿勢について

 はじめに、カジノ法案が強行採決されたことについてお答えします。

 まず、西日本豪雨時の「特定複合観光施設区域整備法」、いわゆる「IR整備法」の国会審議に係る見解についてですが、国会運営に関して、コメントする立場にはありませんが、災害対応については、国会審議の中で国土交通大臣が「全力で復旧復興にあたっている」と答弁しております。また、「IR整備法」については、立法府である国会において、然るべく審議が行なわれてきたものと承知しております。

次に、カジノが観光振興や経済成長につながらないこと、市民をギャンブルに巻き込むこと、本市へのカジノ誘致についてお尋ねにつきましては、関連がありますので、併せてお答えします。IR整備法では、特定観光複合施設として、カジノ施設と、MICE施設や多種多様な魅力増進施設などを、民間業者が一体的に設置・運営するものとしており、カジノの収益を活用しながら、大人から子供まで、世界中から観光客を集める、滞在型観光モデルを確立することで、観光及び地域経済の振興への効果が見込まれるものとされております。そうしたことから、本市としては、日本型IRは、MICE都市である幕張新都心の活性化、強化に向けた選択肢の一つと認識しておりますが、一方で、カジノを含むIRは、ギャンブル依存症などの議論もあるため、引き続き、国の動向等を見ながら慎重に検討を進めて参ります。

 次に、米国のカジノ企業関係者が「IR推進法」を提案した国会議員のパーティー券を購入したことについてですが、報道されていることは承知しておりますが、コメントする立場にはないと考えております。

 次に、本市の依存症調査で国に比べて高い数値が出ていることを踏まえ、幕張へのIR誘致を断念することを求めるとのことですが、ギャンブルについては、既に競輪、競馬などの公営競技が各地で開催され、また、遊技としてのパチンコ等も広く存在しております。ギャンブル依存症対策については、IRとは関係なく、取り組まなければならない課題と考え、昨年度に調査を実施したものですが、本市ではインターネットを使ったオンライン調査を実施しており、国の調査とは、調査の手法などが異なることから、数字のみを単純に比較できるものではありません。今後も依存症対策について、研究していく必要があると考えております。IRについては、先ほども申し上げましたが、引き続き、慎重に検討を進めて参ります。

次に、自然災害と対策、防災・減災についてお答えします。まず、豪雨被害を受けた防災対策の改善についてですが、今年に入ってからも「平成30年7月豪雨」や、「台風第21号」が発生するなど、近年、大規模な風水害が続いております。風水害においては、危険を事前に察知し、適切な避難行動をとることが、最も大切なことでありますが、残念ながら、避難をせずに亡くなられた方々も多数おりました。本市では、災害時の情報を確実に伝達できるよう、防災行政無線をはじめ、安全・安心メールやSNSなど様々な手段を活用しているところであります。さらに、本年8月から、ヤフー防災速報を活用した災害時の情報発信を開始しており、今後も、重層的な情報伝達に努めて参ります。また、市民の皆様に周囲の危険を認識していただくため、毎年、土砂災害の恐れのある地域に啓発チラシを配布しているほか、危険情報の入手方法や各種ハザードマップの活用などについて、さまざまな機会を捉え周知・啓発を図っているところです。今後も引き続き、近年の災害の事例等を紹介しながら、適切な避難行動を促す啓発を行い、市民の防災意識の醸成を図って参ります。

次に、台風と満潮が重なった際の、高潮と高波への対策についてですが、千葉県の東京湾沿岸海岸保全基本計画では、伊勢湾台風級の規模の台風と満潮時の潮位を考慮した上で、海抜3.9mを計画高潮位に設定しているとともに、千葉県は、さらに余裕高をもたせた高さの海岸保全施設を整備していることを確認しております。しかしながら、海岸保全施設の決壊や、想定を超える高潮などに備え、大型台風の接近が予想される場合には、気象庁等と連携しながら、早めの避難行動を呼びかけて参ります。

次に、北海道の地震から何を教訓にして対策を行うのかについてですが、今回の地震では、北海道全域での停電や、停電に伴う断水、厚真町での大規模な土砂崩れ、札幌市清田区での液状化などの被害が特徴的なものと考えております。現時点で、被害の全容は明らかになっていない所でありますが、今後、被災地や国、関係機関等の情報収集に努め、本市の防災対策の強化に活かして参ります。

次に、避難所へのマンホールトイレの設置及び学校体育館へのエアコンの設置についてですが、災害時における、し尿処理体制を強化し、避難所の衛生環境の向上を図るため、平成28年度までに、非常用井戸を水源としたマンホールトイレ58か所の整備を完了させたところであり、29年度からは、プールの水を活用したマンホールトイレの整備を開始し、さらに、今年度からは、整備箇所数を年間20か所に増やすことにより、2023年度末を目途に、すべての小中学校等への整備を完了させたいと考えております。また、体育館へのエアコンの設置につきましては、避難所における生活環境の改善を図るため、被災地の実態や他都市の状況等について、調査研究して参ります。

次に、被災者生活再建支援法についてですが、大規模な自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、国による支援金を支給し、早期の生活再建を目指すものであり、現在は、住宅の被害が全壊世帯、大規模半壊世帯又は半壊の住宅を解体した世帯が支給の対象となっております。本年7月、指定都市市長会では、被害に遭われた方の早期の生活再建をさらに進めるために、被災者の実態を踏まえた制度の見直しが必要であることから、災害救助法における救助範囲の拡大などとともに、支援金の支給対象者を半壊世帯へ拡大すること等を内閣府に対し提言したところであり、今後も支援額の引き上げや支援対象の拡充について、国の動向等に注視して参ります。

次に、家具転倒防止金具取り付けを本気で広げることについてですが、本年発生した、大阪府北部を震源とした地震や、平成30年度北海道胆振北部地震においても、家具等の転倒による死亡事故が発生したことから、あらためて、家具転倒防止対策の必要性を強く感じているところであります。本市では、今年度より、高齢者や障害者を対象とする家具転倒防止金具等取り付け費助成の周知を図るため、介護保険料決定通知封筒に案内を掲載するとともに、町内自治会などへの敬老会補助金の交付決定通知に案内を同封したほか、「障害者福祉のあんない」に特集ページを掲載しました。このほか、市政だよりや市政出前講座など、さまざまな機会を捉え、家具転倒防止対策の普及を図ってきたところであり、今後は、危険ブロック塀等改善補助事業と合わせて、家具転倒防止対策の啓発についても記載したリーフレットを、全町内自治会での回覧を予定するなど、更なる周知・啓発に努めて参りたいと考えております。また、本年6月に実施した、災害への備えについてのWEBアンケート調査では、家具類転倒によるケガなどの防止対策を行っていない理由として、「金具で壁に穴を空けたくない」「費用がかかる」「やり方がわからない」「借家のため金具が取り付けられない又は取り付けにくい」といった意見が多かったため、これらを踏まえ、関係機関等とも連携しながら、より一層の対策の促進に努めて参ります。

次に、新庁舎整備についてお答えします。まず、低層棟は高層棟に比べ、豪華で、建設単価も高く、建設費もそれだけ高額になると思うがどうかについてですが、共有している機能や不可分な設備等があることから、低層棟、高層棟の建物単価の比較は一概にできませんが、基本設計ではモノレール側に近接した低層棟には、エントランスのほか、市民センター、食堂・売店・イベントスペースなどの来庁者利用が多い機能を配置し、一方、高層棟には執務室や機械室などの機能を配置することとしていることから、機能の違いを踏まえ、低層棟、高層棟それぞれに適した構造、仕様の建物をコストに留意しながら整備して参りたいと考えております。

次に、「まち・人・緑をつなぐシティホール」は現実と乖離しているのになぜ予算を注ぎ込むのかについてですが、新庁舎がJR千葉駅エリアとポートタワーや旅客船桟橋などが立地する臨港エリアの中間に位置することから、「まち」と「みなと」をつなぐ結節点となるよう、来庁者利用が多い機能を整備すること、また、みなと公園をはじめとした緑のつながる立地環境を活かし、周辺の緑と調和した街並みを形成することなどにより、周辺エリアのまちづくりに寄与することを期待するものです。

次に、数々の市民利用施設とその規模が必要なのか、再検討して経費節減すべきではないのかについてですが、市民に身近で生活に関連した拠点である区役所と比較して、本庁舎は、一般市民の来庁者が少ない状況であることは認識しておりますが、新庁舎は市政運営の拠点となるとともに、市民に開かれたものである必要があると考えております。このことから、基本設計では、表玄関となる低層棟に明るく開放的な2層吹き抜けのロビー空間を設け、近接して情報提供や市民交流の機能を配慮することで、皆様に利用しやすい施設になるよう計画しています。さらにこの低層棟の1、2階は、非常時には復旧活動や災害情報の発信、一時避難者の受け入れなどを行う場として、様々な運用が可能な空間として計画しているものであります。

次に、事業の優先順位を見直して、本庁舎整備を3年から5年先に延長し、その間に学校のエアコン設置を急ぐことが求められていると思うがどうか、建設費は可能な限り低く抑えるべきではないのかについてですが、現庁舎が防災面などの課題を抱えている中、災害時に総合防災拠点になる新庁舎の整備は急務であると考えており、一日も早い供用開始を目指すものであります。また、財政面においても、消費税率が引き上げ前であるという点や、国の交付税措置のある有利な地方債制度が時限的に措置されていることなどを勘案し、新庁舎の整備に取り組むこととしたものです。建設費につきましては、設計・施工一括のデザインビルド方式による発注や、民間事業者のVE提案を採用することなどにより、可能な限りコスト縮減に努めて参ります。

次に、障害者雇用についてお答えします。

まず、障害者団体や障害者からの発言を、不適切な算入が発覚した千葉市の責任者としてどう受け止めるのかについてですが、障害者雇用は、障害者のある方が、その能力と適性に応じた雇用の場に就き、地域で独立した生活を送ることが出来るような社会の実現のため、障害者雇用促進法に基づき推進されており、本市においても、身体障害者を対象とした職員採用の実施や、知的障害者・精神障害者の一般就労へのステップアップを支援する「チャレンジドオフィスちばし」の開設等により、積極的に障害のある方々の雇用に努めてきたところです。この度、障害者雇用率の算定に誤りがあったことは遺憾であり、今後も、障害者雇用促進法の趣旨に則り、障害のある方の雇用拡大に努めて参ります。

次に、不適切な算入が今年度だけのものなのかについてですが、本市の障害者雇用率の算定は、職員の自己申告に基づき行っており、現在、千葉労働局から、平成26年6月1日時点の障害者雇用の内容について、再点検依頼を受け、職員の自己申告と障害者手帳の内容に相違がないか、確認作業を進めているところです。

次に、過去10年間に法定雇用率を下回っていた回数とどれくらい下回っていたかについてですが、平成21年度から平成29年度において、病院局を含む市長部局では、毎年度、法定雇用率を上回っておりますが、教育委員会では法定雇用率を下回った年度が6回ありました。

なお、教育委員会で法定雇用率を下回った年度のうち、最も高い雇用率は、平成28年度の2.17%であり、法定雇用率までの不足人数は1人、最も低い雇用率は、平成25年度の1.59%であり、法定雇用率までの不足人数は25人となっております。

次に、来年度から法定雇用率の達成はもちろん、上回る雇用を目指すべきではないかについてですが、身体障害者を対象とした職員採用を引き続き実施していくとともに、障害のある方を非常勤職員等として雇用するなど、法定雇用率の達成と雇用拡大に向けた取組みを進めて参ります。

次に、オリンピック・パラリンピックについてお答えします。

まず、幕張メッセ大規模改修は千葉県の責任で行うよう求めるべきだがどうかについてですが、幕張メッセは、ビジネス展示会や大規模イベント、国際会議など数多くのMICEの開催を通じ、経済効果はもとより、雇用の誘発、文化の振興、都市ブランドの向上等、様々な面で本市の活性化に寄与していることから、大規模改修に対し、本市が応分の費用負担をすることは必要であると考えております。なお、この負担は、平成28年8月に県と締結した「幕張メッセ建設事業及び大規模改修事業に関する覚書」に基づくもので、当該年度の地方債償還額を使用料収入でまかなえない場合、不足額の2分の1を本市が負担しますが、29年度まで大規模改修に関する負担実績はありません。

次に、パラスポーツ事業の推進と環境整備の今後の方向性についてですが、パラスポーツ施策の推進は、共生社会の実現を目指す本市にとって重要な取組みであると認識しております。本市は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて策定した千葉市行動計画において、「スポーツ文化を普及し発展させる」ことを施策の柱の一つとして掲げており、特にパラスポーツの普及・振興に重点的に取り組んでいるところであります。具体的には、小中学校にパラリンピアンなどを招いて、児童生徒が競技体験や交流を行う「学校訪問」の実施や、パラスポーツを体験出来る「パラスポーツフェスタちば」の開催、障害のある人もない人も共に参加することが出来る交流会などを行っております。また、環境整備については、体育館を中心に多目的トイレの設置や段差解消を行うとともに、ポートアリーナでは、車いす対応の多目的コートやトレーニング機器を整備してきたほか、パラスポーツ競技用具の貸し出しなどを行っているところです。今後は、これらのソフト、ハード両面の取組みを継続、充実させることにより、障害者と健常者が共にスポーツを通じて交流できる環境整備に努めて参ります。

次に、行政のリーダーシップが求められている中で、共生社会を目指し、障害者差別解消法の完全実施に向けて、どのような取組みをするのか、についてですが、本市では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催を契機として、障害のある人もない人も一緒に活動できる共生社会の実現に向けて、基本目標に「理解促進・社会参加の推進」を位置付け、「相互理解の推進」として、福祉講和の開催や障害者差別解消の推進など15事業を、また、「スポーツ・文化活動の支援及び交流の促進」として、パラスポーツの普及など25事業を盛り込んだところです。これらの事業の推進により、障害及び障害者に対する理解と認識を深め、差別や偏見を解消するとともに、これまで外出機会が少なかった障害者が気軽に街に出られるよう、さまざまな機会を提供するなど、障害のある人とない人の交流を充実させ、相互理解を促進して参ります。

 

国民健康保険広域化後について

まず、国保料は「国保運営方針」により、6年間は連続値上げとなるのか、値上げ額はどの程度か、についてですが、広域化後の保険料は、県へ市支払う納付金を賄うために賦課徴収することとなっており、納付金は毎年1月に県内市町村の総給付額などから県が算定します。医療費の増加に伴い納付金が上昇すれば、保険料も上昇することが見込まれますが、現時点では今後6年間の保険料がどの程度になるかはお答えすることはできません。

次に、保険料軽減にどのような対策を行うのか、についてですが、保険料の軽減については、国制度として7割・5割・2割の軽減措置のほか市政度として、1割の減免措置を実施しております。また、保険料の上昇を抑制することが出来るよう、収納率の向上などの歳入確保と医療費適正化のための保険事業の充実などの歳出抑制の取組みを推進していきたいと考えております。

 次に、保険料の値上げを行わず、一般会計からの必要な法定外繰り入れの実施を求める、とのことですが、国民健康保険事業特別会計が、平成30年度予算で、広域化やそれに併せ、行われた公費拡充の効果により収支不足の繰り入れがなくなり、累積赤字も解消してことから、財政運営上のあるべき姿になったところであり、現状では、保険料上昇抑制のために、一般会計から収支不足の法定外繰り入れを行うことは考えておりません。しかしながら、市民の負担が過度にならぬよう、適切な保険料の設定について検討して参ります。なお、平成30年度に実施された公費の拡充では、国保の構造的問題への対応は不十分であることから、更なる財政支援について、引き続き、国に要望して参ります。

 最後に、第3子までの均等割等廃止の実施を求めるとのことですが、広域化に合わせ行なわれた公費の拡充は、低所得者が多いなど財政基盤の弱い国保保険者に対して様々な観点から財政支援を行うものであり、20歳未満の子どもについても、その加入者数に応じて、公費拡充が図られていることから、本市独自に、子育て世帯の保険料を減額することは考えておりません。なお、これまでも、国に対して、政令指定都市会議を通じて、子育て世帯に対する軽減措置制度の創設を要望しているところであり、国の動向を注視していきたいと考えております。また、今年度から新たに保険者に加わった千葉県も、子育て世帯の保険料の負担軽減について、保険料のあり方の見直しを国に要望しております。

 以上でございます。

 

 

【服部副市長の答弁】

市政運営の基本姿勢について

 はじめに、原発・再生可能エネルギー、東海原発と千葉県・千葉市についてお答えします。

 まず、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案に対する見解についてですが、原子力発電の依存度を可能な限り低減させていくことは重要であると考えておりますが、エネルギー政策については、市民生活や経済活動に深くかかわっていることから、安全性を前提とした上で安定供給されることが第一であり、再生可能エネルギーを含めた各エネルギーの特性を踏まえ、国において最適なエネルギー需要体制の構築について、十分に検討されるべきものと考えております。本市としましては、国の動向について注視し、必要な情報の収集に努めてまいります。

 次に、東海第二原発の事故による本市への被害、茨城県からの避難者受け入れ、再稼働に反対することを求めるがとのことですが、東海第二発電所の事故による影響につきましては、原子力規制委員会において、被害予測を行っておらず本市への影響は不明確ではありますが、福島第一原子力発電所の事故の状況も鑑みも鑑み、今後も、関係各機関等の情報を注視して参ります。茨城県からの避難者受け入れにつきましては、「原子力災害に備えた茨城県広域避難計画」では、一部の避難先を県外と定めており、詳細については、関係する県と協議・調整中であると聞いております。

東海第二発電所の再稼働ですが、原子力発電については、福島第一原子力発電所の事故による福島県の方々が受けた被害の甚大さを考えれば、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入等を進めつつ、その依存度を可能な限り低減させていくことが重要であると考えております。一方、市民生活や経済活動に深くかかわっているエネルギーの供給は、将来を見据えた具体的なエネルギー計画に基づき、現実的なプロセスについて、原発の持つリスクや安全性も含め、国において、十分に検討されるべきものと考えております。

 次に、集約型都市構造、立地適正化計画についてお答えします。

 まず、都心・拠点への公共施設、商業施設の立地を促すための国の交付金制度が活用され、大型開発が集中することになるのではないかについてですが、立地適正化計画は、人口減少、少子高齢化の中にあっても、安心して暮らせるまちづくりを実現するためのもので、住まいを市街化区域の公共交通沿線や日常生活拠点の周辺へ穏やかに誘導することにより、住居地の人口密度を維持するとともに、都市機能誘導区域を設定し、商業、福祉、医療等といった施設を集約することにより、市民の皆様の利便性を維持、向上させることを目指しております。このことから、本計画は、国の交付金制度を活用した大型開発を行うことを目的としたものではなく、商業、福祉、医療等の事業者に対し、あらかじめ区域を示し、拠点への立地を促すものです。引き続き、持続可能な都市構造の形成により、市民の皆様の生活環境を維持、向上させることができるように進めて参ります。

 次に、集約した街には活気が出るが、外れた地域は交通ネットワークや公共施設も縮小され、不便で住みづらい街になるのではないかについてですが、現在検討中の立地適正か計画は、市民全体の暮らしやすさを確保するために策定するものであり、都市機能誘導区域外及び居住促進区域外の地域も含めて、良好な住環境を維持し、持続可能な都市構造のメリットを市民全体で享受できるよう皆様の生活向上を目指し、検討を進めております。集約型都市構造の実現に向け、この計画を進めることで、拠点周辺や公共交通沿線など、一定の区域で人口密度を維持したいと考えております。

 次に、地域防災計画との整合性がずれてしまう懸念についてですが、「立地適正化計画」については、「安全で災害に強いまちづくり」の実現に向けて策定した「地域防災計画」とも整合を図り、本計画とのずれが生じないよう、都市における様々なリスクを把握したうえで、検討を進めております。

 次に、立地適正化計画は、人口減少を理由に集約と縮小を押し付ける、住民自治に反するまちづくりといえるがどうか、また、街づくりは住みよい環境を整備するため、行政と住民が一体となって進める住民自治へと転換すべきとのことですが、立地適正化計画の策定に際しては、住民の皆様の意見を反映させるための措置を講じる必要があることから、まず、計画の基本的な考え方である「千葉市立地適正化計画骨子」について市民意見募集、市民説明会、学識経験者や公募委員等で構成する都市計画審議会等を経て策定し、本年8月10日に公表したところです。この後、策定する立地適正化計画については、多くの市民の皆様にご意見をいただけるよう、市民説明会や出前講座などにおいて計画案や関連する情報について積極的に提示することで、住民参加のまちづくりに努めて参ります。

 次に、250競輪についてお答えします。

 まず、33億円も支出する説明がつかないのでは、についてですが、(仮称)千葉公園ドームを整備する日本写真判定株式会社と締結した基本協定書において、設備に関する整備のほか、管理・運営にかかる一切の経費は、同社が負担することとしており、中・長期的に見込まれる設備の維持・管理コストについての大幅な軽減が見込まれます。また、国有地につきましては、年間約1億1,600万円の借地料が取得により不要となる一方で取得に要した費用である、約26億5,000万円を償還期間30年間にて試算すると、償還に要する費用は借地料の範囲内となることが十分に見込まれ、長期的な負担軽減に資することとなります。更には、経費の削減にもつながるインターネット販売を中心とした効率的な車券販売方法を導入すること等により、これまで以上に、一般会計への繰入による、本市財政への継続的且つ安定的な寄与が可能となることが見込まれます。これらのことなどを総合的に勘案し、民間資本導入による250競輪事業の継続という判断に至ったものであります。

 次に、本場開催の入場者と場外開催の入場者はそれぞれ何人となるのかについてですが、平成29年度における本場開催日の延べ入場者数は、5万2,626人、場外車券発売日の延べ入場者人数は、30万3,730人となることから、合計35万6,356人となります。

 次に、ギャンブル依存症の原因事業を続けるのか、中止すべきではないかについてですが、公営競技におけるギャンブル依存症対策につきましては、全国の公営競技施行者団体が歩調を揃えて対応する形で、公営競技ギャンブル依存症カウンセリングセンターを設置し、専門スタッフによるカウンセリングを行っております。また、本市においても、他の競輪施行者団体と同様に、競輪場内において、依存症相談窓口を設置し、必要に応じて専門機関等の紹介を行っております。さらに、競輪業界の取組として、本人や家族申請による競輪場及び場外車券売場における入場制限や、電話・インターネット投票の利用停止が可能になるよう対応しているところであり、インターネット販売を中心として検討している、(仮称)250競輪については、高い効果が見込まれます。今後は、国や関係団体の動向を注視し、各施行者と連携・協力をしながら依存症への対応を図りつつ、スポーツ性を兼ね備え、わかりやすく競技重視のレース展開が見込まれる250競輪を推進し、新規ファン拡大に注力して参ります。

 次に、稲毛海岸公園リニューアルについてお答えします。

 まず、白い砂について、国産の砂でコストを抑えるべきではないのかについてですが、白い砂丘への改修は、ウッドデッキの整備などと併せて、いなげの浜をリゾート感あふれる海岸へと再生するものであり、本市の海辺の魅力を高め、賑わいと集客力の向上に大きく寄与するものであります。砂浜の改修に使用する白い砂につきましては、自然生態系への影響を最小限に抑える必要があることから、他の海域の生物が混入する恐れのない山砂を使用することとしており、まとまった量を調達することが可能なもののうち、価格的に有利なオーストラリア産の砂を検討しているところであります。

 次に、市民の福祉、子どもの命と比べ優先する事業と思えないがどうかについてですが、稲毛海岸公園リニューアル事業は、開園から40年以上が経過し、施設の老朽化や陳腐化への対応が求められるなか、10年、20年先の将来を見据えて、公園が持つ都市型ビーチなどポテンシャルを最大限に生かしながら、より魅力的でにぎわいのある場所となるよう公園を再生するものであります。また、250競輪についても、新たな競輪事業を通じた自転車スポーツ振興やスポーツビジネスの新分野を開拓する場を創出することにより、地域経済の活性化に資するものであります。市民福祉の向上も重要でありますが、官民が連携して取り組むこれらの事業は、本市の持続的な発展や魅力向上に大きく寄与することから、財政状況に留意しつつ進めて参ります。

 

地球温暖化対策について

 まず、地球温暖化対策実行計画の目標達成に向けた取り組みについてですが、「千葉市地球温暖化対策実行計画改訂版」では、国の削減計画を踏まえ、2030年度を見据えたロードマップを作成し、部門別や部門横断的な施策を位置付けるとともに、平成25年度の温室効果ガス排出量を基準として排出量を13%削減する目標を定めており、・大規模事業者を対象とした報告制度の創設、・中小事業者向けの省エネ設備導入の助成、・ゼロ・エネルギー・ハウスや電気自動車の普及促進など、新規施策を推進していくほか、「千葉市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」に基づく焼却処理量の削減、浄化センターのエネルギー使用量削減など、本市の事務事業における取り組みも着実に推進し、温室効果ガス排出量の削減を図って参ります。

 次に、石炭火力発電所や新清掃工場のガス化溶融炉はCO2の発生源であることを認めるか、削減計画にならないことについてどう説明するかとのことですが、それぞれの施設からCO2が排出されますが、発電所の発電に伴う排出量は地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、市民や事業者など電力を使用した側で算定することとされており、本市の削減計画に直接含まれるものではありません。

 新清掃工場においては、従来と比較し、より高効率な発電が可能となることから、自家消費電力を賄うほか、余剰電力量を増加させ売電による温室効果ガス排出削減に努めるとともに、プラントの動力省力化の促進など、省エネ対策を積極的に導入した施設整備を行うこととしております。本市としましては、温暖化対策実行計画に掲げた各種施策を通じて市民や事業者による省エネと、3Rの推進による焼却処理量の削減に努め、排出量の削減を図って参ります。

次に、石炭火力発電所の中止を決断し、企業に申し入れることを求めるがどうかとのことですが、本年7月に閣議決定された国の第5次エネルギー基本計画の中で、石炭火力発電は、現状において安定供給性や経済性に優れたベースロード電源と評価されておりますが、今後、高効率化・次世代化を推進するとともに、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組むなど、長期を展望した環境負荷の低減を見据えつつ活用していくエネルギー源とされております。本市としましては、環境影響評価方法書に対する市長意見において、温室効果ガス削減対策について、省エネ法に基づくベンチマーク指標を達成できないと事業者が判断した場合は、事業の見直しを検討することなどの意見を述べたところです。今後も、環境影響評価の各段階において、厳しい姿勢で削減対策が確実に実行されるよう事業者に求めて参ります。

次に、新清掃工場における燃料使用量の抑制によるCO2削減をメーカーに求めることを提案するがとのことですが、新清掃工場の整備コンセプトの1つとして、環境にやさしい施設を掲げており、整備・運営事業の業者選定に係る総合評価において、温室効果ガス排出量についても評価項目としていることから、各メーカーにおいて、燃料使用量抑制の配慮が講じられているものと考えております。

次に、容器包装プラスチックの分別処理実施についてですが、容器包装プラスチックの再資源化は温室効果ガスの削減に寄与する反面、収集・再資源化に多くの費用がかかることから、国に対し、全国都市清掃会議等を通して、自治体の費用負担の軽減を図ることなどについて要望しており、今後の法制度の改正内容を見極める必要があります。本市としまして、ごみの減量・再資源化の新規施策を展開するにあたり、より費用対効果の高い事業を優先的に実施する必要があることから、本年2月より剪定枝等の分別収集を全市域で開始したところであり、剪定枝等再資源化事業の効果を踏まえ、引き続き、容器包装プラスチックの再資源化について検討して参ります。

 

都市行政について

次に、モノレール、ルート延伸の見通しと利用者増加対策についてお答えします。

まず、延伸の見通しはどうかについてですが、モノレール延伸計画の検証につきましては、本年5月に、プロポーザル方式による事業者選定を行い、7月に、株式会社日本能率協会総合研究所と「千葉都市モノレール延伸計画再検証業務委託」の契約を締結し、現在、業務を実施しているところであり、今年度末には、この業務を完了させ、その後、延伸の是非について方針を決める予定であります。

次に、利用者増加対策をしっかり行っているのか、モノレール駅における駅1キロの開発で何件・何人増えたのかについてですが、利用者増加対策につきましては、これまでモノレール会社において、年度ごとに事業計画を策定し、利用者増に取り組んできております。昨年度は、地域限定旅行業を通じたイベント列車の運行によるモノレールの魅力発信や、駅係員によるサービス介助士の資格取得、更には、英会話などの語学研修を通じ、高齢者や障害者、訪日外国人などに対するサービス強化などに取り組んでおります。これら会社による取組みは重要と考えており、本市としても、より一層、会社との連携を図り、利用者増加策の検討を進めて参ります。また、モノレール駅における駅1キロの開発につきましては、1キロ条例が施行された平成18年10月1日以降、昨年度末の本年3月31までに、367件の開発許可に対し、3,434戸の住宅等が建設されており、本市の1世帯当たりの平均世帯人数約2.3人から推計しますと、約7,900人増加したものと推測されます。

次に、市営住宅長寿命化・再整備計画をもとに戻し、千城台第3団地の建設を求めるとのことですが、本年7月に改定した千葉市営住宅長寿命化・再整備計画は、本市全体で必要な戸数を確保した上で、耐用年限を経過した住宅を順次用途廃止していくものです。千城台地域には、耐用年限を経過した住宅が多く、一時的に入居者の減少が進むと認識していますが、まずは耐用年限を経過した住宅に対応することを優先していきながらも、千城台地域の状況を注視して参ります。

次に、公園の樹木や街路樹の育ち過ぎ対策についてお答えします。

まず、公園周辺に影響を及ぼしている樹木の管理に要する費用は確保できているのかについてですが、公園の樹木管理につきましては、財政的な制約のある中、隣接地への越境枝の処理や見通しを確保するための剪定、腐朽の進んだ危険木や枯損木の伐採などに優先して取り組んでいるところです。

次に、公園の樹木や街路樹の育ちすぎ対策に予算を増額し適切に管理を求めるとのことですが、公園の樹木や街路樹は、大木化など様々な課題を抱えておりますが、将来にわたり、公園利用や道路交通の安全・安心や快適性を確保していくため、樹木の間引きや樹種の変更など、新たな管理方法について検討を進め、その上で所要の予算を確保し、適正な管理に努めて参ります。

 

建設行政について

次に、生活道路整備についてお答えします。

まず、土木事務所予算について、次年度以降も今年度並みの予算配分を求めるがどうかについてですが、土木事務所は、安全で快適な道路環境を守るため、舗装・側溝の新設改良、交通安全施設の整備及び橋梁の耐震補強や長寿命化など、市民が安心して生活する上で、欠かすことのできない重要な事業を実施しております。

今年度は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を2年後に控え、会場周辺のバリアフリー整備などを実施するための予算を確保したものでありますが、今後も、道路の通行の安全性と信頼性を将来にわたり確保するため、できる限り、必要な予算の確保に努めて参ります。

次に、地元建設業者に仕事がまわる循環型公共事業の促進についてですが、生活道路の整備など、公共事業の発注にあたりましては、市内事業者育成のため、可能な限り優先発注を行い、受注機会の確保に努めて参ります。

以上でございます。

 

【教育長答弁】

教育行政について

 はじめに、全国学力・学習状況調査についてお答えします。まず、学力テストが最優先になり、学校、教師、子どもたちが振り回されていると指摘されていることについての、本市の実態についてですが、「全国学力・学習状況調査」は、児童生徒の学力・学習状況を把握・分析し、教育施策の改善を図ることを目的として実施しており、他都市との得点競争や全国学力・学習状況調査を優先した指導は、本市においても行っておりません。

 次に、過去の学力テストの問題を何度も子どもたちにやらせることは、子どもたちの「学力向上」にならないと思うが、本市の実態はどうか、についてですが、改めて調査を実施しましたが、他の授業や行事を取りやめ、過去に出題された問題を繰り返し解かせるような事前対策は行っていないと把握しております。なお、過去に出題された問題については、学校の実態に即して問題を抽出し、授業で使用するなど、本調査の趣旨を踏まえて適切に活用しております。

 次に、文部科学省に対して「全国学力テスト」の中止を求めるべきではないか、についてですが、本調査は、児童生徒の実態を把握・分析し、指導改善につなげることができるため、今後も、調査結果を活用し、「わかる授業」の一層の推進を図って参ります。

 次に、就学援助の充実についてお答えします。

 まず、子ども時代の貧困が、子ども本人の人生と社会全体に損失をもたらしていることへの見解についてですが、家庭の経済状況に関わらず、学習の機会均等を図るとともに貧困の状況にある子どもを健やかに育成する環境整備を推進し、子どもの将来がその生まれや育った環境によって左右されることなく、将来に夢と希望を持って成長できる社会の実現が求められており、経済的な支援が必要な児童生徒の家庭を対象に就学援助を実施することは重要なことと捉えております。

 次に、就学援助制度の充実に向けた取組みと課題についてですが、就学援助制度を周知するため、入学予定の児童生徒の保護者に対しては、各学校が実施する入学説明会時に「就学援助制度のお知らせ」と「就学援助申請書」を配布しております。今後、各学校では児童生徒の生活状況を注意深く見ながら実態把握に努めるとともに、学校と教育委員会とが情報共有を図ることにより、援助が必要と思われる保護者へ、就学援助制度の個別の周知に積極的に取り組んでいく必要があると考えております。

 次に、就学援助の制度を知らせ、希望者が申請できるように、親切で具体的な手立てをとることについてですが、受給資格のある方が制度を知らないことが無いよう、援助が必要と思われる保護者への案内の個別配布をよりきめ細かく行うとともに、申請を行い易くするため、就学援助の所得審査での添付書類の簡素化等について、今後検討して参ります。

 最後に、受給基準の引き上げを求めることについてですが、本市では、平成25年8月に国の生活保護基準の見直しが行なわれる前の基準で対応しており、見直しによって就学援助を受けられなくなる児童生徒が出ないよう配慮しております。今後、国の生活保護基準の見直しが予定されていることから、国の動向等を注視し、適切に対応して参ります。

 以上でございます。

 

<2回目>

【市長答弁】

市政運営の基本姿勢について

 はじめに、9条改憲についてお答えします。

 9条改憲に反対するのが当然でないか、とのことですが、憲法を尊重し遵守することについては、公人として当然のことでありますが、憲法のあり方については国民的議論に委ねるべきものと考えております。

 次に、酷暑に中での学校のエアコン設置についてお答えします。

 まず、来年夏までの設置を目指してあらゆる努力をすべきではないのかについてですが、事業規模が、166校、約2,400教室と大きく、現時点では、来年夏までの全校設置は難しいものと考えておりますが、空調整備基本計画を今年度夏までに策定し、可能な限り早期の着工を目指して参ります。

 次に、国庫補助を含めた財源確保の考え方についてですが、現行制度で試算すれば、そのような数字となりますが、現時点においては、国の補助制度の改正等の情報はないことから、引き続き、国に対し、エアコン整備に係る財政措置及び国庫補助制度の拡充について要望を行うとともに、国の補正予算等の動向を注視し、可能な限り国費の活用に努めて参ります。

 次に、来年夏の全校へのエアコン設置を目指して、臨時議会を開き追加補正の計上を求めることについてですが、エアコン設置に向け、必要な事業費や財源、地元事業者の活用、さらには、設置に要する期間等から最適な事業手法を見極め、空調設備基本計画を策定することとしており、事業手法等の決定後に、補正予算の措置を念頭においております。児童生徒の健康と良好な学習環境確保の観点から、エアコンのできる限りの早期設置に向け取り組んで参ります。

 

【鈴木副市長答弁】

市政運営の基本姿勢について

 カジノ法案についてお答えします。

 まず、幕張新都心は、カジノを誘致しないと発展しないのかについてですが、MICE都市である幕張新都心の活性化に向けた選択肢の一つとして、カジノを含むIRについても、慎重に検討を進めているところです。

 次に、カジノは幕張新都心の健全な発展を阻害する要因になるとのことですが、 日本型IRは、カジノだけでなく、MICE施設や多種多様な魅力増進施設などを、民間事業者が一体的に設置・運営することによって、国内外からの集客および収益を通じた観光地域振興が期待されております。

 次に、カジノに誘い、ギャンブル依存症を増やすことになるとのことですが、IR整備法やギャンブル等依存症対策基本法が成立したことから、国、自治体、事業者、関連業者、民間支援団体等それぞれの役割により、カジノに限らず公営競技や遊戯等を対象としたギャンブル等依存症患者に対し、必要な対策が講じられることになっておりますので、本市としましても、引き続き対策について研究して参ります。

 最後に、IR誘致断念を重ねて求めるとのことについてですが、IR誘致については、メリットや懸念点を整理し、冷静に評価することが重要であり、引き続き、国の動向などを見ながら慎重に検討して参ります。

 以上でございます。

 

【服部副市長答弁】

環境行政について

 地球温暖化対策についてお答えします。

 まず、温室効果ガスの発生源を規制することが最大の地球温暖化対策であることを認識できないのかとのことですが、国においては、電気事業分野は我が国の二酸化炭素排出量の中で4割程度を占め、地球温暖化対策上非常に重要な分野と捉えております。本市としましても、国と同様の認識に立ち、(仮称)蘇我火力発電所に係る環境影響評価の方法書手続きの中で、温室効果ガス削減に関する市長意見を述べたところです。今後も、削減対策が確実に実施されるよう事業者に求めて参ります。

 次に、石炭火力発電所のストップを求めること、ガス化溶融炉の改善をメーカーに求めることについてですが、石炭火力発電所については、環境影響評価方法書に対する市長意見で、温室効果ガス削減対策について、省エネ法に基づくベンチマーク指標を達成できないと事業者が判断した場合は、事業の見直しを検討するなどの意見を述べたところです。今後も、環境影響評価の各段階おいて、厳しい姿勢で削減対策が確実に実施されるよう事業者に求めて参ります。また、ガス化溶融炉については、新清掃工場の整備・運営事業の業者選定に係る総合評価において、温室効果ガス排出量についても評価項目としていることから、各メーカーにおいて、温室効果ガス排出量削減の配慮が講じられているものと考えております。

 以上でございます。

 

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