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日本共産党東京都議会議員団

エアコン整備を願う1万人近い市民の声に応えて請願採択を!かばさわ議員が討論〔2018年第3回定例会〕

 

 

かばさわ洋平議員の討論   2018.9.19

 

 

 会派を代表して、市長より提案されました16議案中、議案第85号、議案第89号に反対するとともに、発議第9号が否決されたことに対して、請願第3号が不採択になったことへの討論を行います。

 

はじめに、議案第84号専決処分についてと議案第85号千葉市一般会計補正予算の学校施設のブロック塀等の改修についてです。6月18日に発生した大阪府北部の地震で高槻市立小学校のブロック塀が倒れ、四年生の女子児童が死亡した事故がありました。日本共産党千葉市議団は翌日に市内小中学校のブロック塀の通学路安全点検と改修等の早期実施を千葉市長宛てに申し入れました。そうしたなかで早急に教育委員会はじめ、市当局が迅速に通学路の全点検及び危険なブロック塀の改修に取組んだことは子どもの安全第一に対応してくれたこととして感謝するものであります。

今後は死亡事故等が起きてからではなく、定期的な調査や改修で子どもはじめ、市民の安全第一の取組みを進めていただくことを求めるものです。

 

次に、議案第85号 千葉市一般会計補正予算の美術館拡張整備についてです。

 美術館の施設改修を行う工事費10億5,000万円の補正です。予算の内訳は、建築費5億100万円、空調設備4億4,600万円、電気設備8,000万円などのハード面で、湿度や温度を一定に保つための空調設備など、美術品の保管に必要な改修や設備に多額の費用がかかります。

美術館が行う展覧会は、少なくても年に5回。およそ1万人程度の集客を目標にしていますが、美術館の学芸員は現在9名で、1つの企画の準備に2年から3年を要するとなれば、学芸員の増員は必至です。

委員会では、美術品の展示スペースも増やすことでの新たな負担増に対して、学芸員の増員を求めた我がの会派質問に、「増える見込み」と答弁がありました。魅力的な美術館にするためには、美術品の収集、保存・活用をする学芸員を大切にし、拡張整備に見合った増員をすることだと重ねて求めておきます。

 

次に、議案第85号 千葉市一般会計補正予算の放課後児童健全育成事業、子どもルーム整備・運営事業についてです。

 子どもルームの待機児童数が4月時点で638人と急増しています。指導員不足により待機児童が発生しているルームは39ルームで指導員不足に起因した待機児童は282人と深刻な状況です。今回、待機児童解消に向けて余裕教室の改修による子どもルーム整備、さらには高学年子どもルームの環境改善に取組むことは評価するものです。

 最大の課題である指導員不足解消については、我が会派は、一貫して補助指導員の時給含めた指導員の処遇改善策に取組むことを求めてきました。しかし、今回提案された補正予算では指導員不足解消のための予算措置はなく、運営委託先を12箇所も社会福祉協議会から民間事業者へと変更することで指導員不足解消を図ろうとしています。そして、委託費については社会福祉協議会の委託費が1ルームあたり、約1,550万円であるのに対し、民間事業者への委託費は約1,940万円の見積であり、約400万円の格差となることについては現場からも不満が出るなど問題です。

早急な指導員不足解消に向けては民間委託費用と同等の経費で社会福祉協議会に委託して改善を図ることが本来の千葉市が行なうべき対応だと考えます。子どもの最善の利益のためには、社会福祉協議会の運営統括人員を増員し運営ルーム数を増やせるよう支援すること、委託費を改善して処遇改善に取組むことで運営ノウハウの質を担保しつつ、その上で待機児童解消に向けて迅速に取組むことを求めることから、子どもルーム運営債務負担行為の補正予算だけは賛成しかねるものであります。

 

次に、議案第86号、平成30年度千葉市介護保険事業特別会計については総合事業が始まり要支援1・2は介護保険適用から外されました。そのことであんしんケアセンター・介護事業者は困難な事例を受けざるを得ず、運営に苦労をしています。予防を重視した介護予防事業を進めることを求めるものです。

 

次に、議案第89号千葉市行政手続きにおける特定個人を識別するための番号利用等に関する法律に基づく個人番号の利用についてです。独自利用事務を新たに定める条例の改正については、4項目の事務及び個人情報を追加するものです。

問題点のひとつは、マイナンバーの利用の適用にあたっては本人の同意が必要であるが、本条例改正で対象には重度障害者がふくまれていて、本人の同意を得られる環境にないこと。問題点の二つは、マイナンバーは国民の情報を管理すること。情報漏れのリスクが高く被害の拡大が懸念されることから、本条例には賛成しかねるものです。

 

次に、議案第91号千葉市受動喫煙の防止に関する条例の制定についてです。わが会派は受動喫煙防止条例を昨年12月議会で条例提案を行いました。そのこともあり今回議会に提案されたことは歓迎をするものです。

 今後、さらに市民理解と納得で受動喫煙防止を効果あるものにしなければなりません。引き続き子どもと妊産婦への受動喫煙防止、禁煙教育、禁煙外来、加熱式たばこの禁止など2020オリンピック・パラリンピックの開催都市として取り組みの強化を求めるものです。

 

次に、議案第92号心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部改正ですがこの条例はわが会派の中村議員の質問で合理性がないことが明らかになり、国民健康保険料・介護保険料などの特別控除の是正の流れであり改正に賛成をするものです。しかしこれまで指摘をしてきた障害者の一部負担金は廃止をすることを求めておきます。

 

次に、発議第9号・千葉市都市景観条例の一部改正についてです。条例改正の目的は、新たに歴史的景観保全地区を景観計画に定め、加曽利貝塚を歴史的景観保全地区として取り込み、景観の保全をしようとするものです。

他の縄文・弥生の遺跡のある自治体では、条例と景観計画にゾーンを定めて取り組まれていて、周辺も含めた調和、まちづくりが行なわれています。教育委員会は加曽利貝塚の史跡保存活用計画を策定しており、その中の「縄文時代の植生を復原した景観」に関する課題では、史跡内には景観にそぐわない建築物があり、施設外でも送電線の鉄塔があることなどが課題とされています。さらに加曽利貝塚周辺を取り巻く特徴として戸建て住宅等が隣接していることもあります。

この発議に対して、「発議の趣旨は理解するものの現行の制度でも対応は可能であり、景観計画域内の景観形成推進地区に入れればできるので賛成しかねる」などの意見もありますが、開発が進んだ周辺地域と一体的にゾーン指定することによって、加曽利貝塚の歴史的景観を守り、地域の活性化に活かすことが必要だと指摘しておきます。

 

 最後に、請願第3号 小中学校の普通教室にただちにエアコン設置を求める請願についてです。愛知県豊田市の熱中症での児童死亡事故が起きるなど、災害級の酷暑のなかで、今年は学校へ行くことがリスクとなりました。子どもの健康と命を守るためには、他都市が進めるように来年夏前までのエアコン設置を1校でも多く整備されることを市民の多数は望んでおり、署名が9,497筆も寄せられました。

9月議会で提案されたエアコン整備関連予算は、基本計画策定予算7,800万円だけで、しかも計画策定は来年3月までにというスケジュールであり、あまりに遅いと言わなければなりません。早急に計画をとりまとめ、臨時議会または12月補正予算で教室エアコン実施設計・整備予算の計上をして早急な整備を強く求めるものです。

請願審議の各会派の意見として、自民党は「市長や国に働きかけ速やかな整備が必要との立場であるが、現実問題、やらなければならない課題も多いし物理的にただちには難しい」。未来民主は「いますぐにつけるべきは同じ思い。しかし市はエアコン整備の決断はしている。要望項目のただちに決断をというのは願意が満たされている」。公明党は、「ただちに決断はされている。166校をただちにはできない。きちんとした計画をもとに進めるべき」などとして反対し、不採択となりました。

一方で請願第2号の早急にエアコン設置を求めるという請願には全会一致で賛成しました。市民にはただちにと早急にどんな違いがあるのか、説明責任が問われます。言葉尻をつかまえての請願審議ではなく、子ども達の健康と命を守るために、速やかにそして確実にエアコン整備を願う1万人近い市民の声に応えて採択することを強く求めるものであります。我が日本共産党千葉市議団は、市民に寄り添い、子どもの健康と命と学習権を守るために引き続き全力で早期エアコン整備に取り組むことを訴え、以上で、会派を代表しての討論を終わります。

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