来年夏までにエアコン設置を!動物愛護推進を! かばさわ洋平議員が一般質問〔2018年第3回定例会〕
かばさわ洋平議員の一般質問および答弁(要旨) 2018.9.27
1.人と動物が住みやすいまちづくりと動物愛護推進について
【かばさわ洋平議員】
2012年に改正された動物愛護法では殺処分がなくなるよう、都道府県や自治体が引き取った犬猫の譲渡に努める義務が明記されました。これを受け、千葉市においても殺処分ゼロを目指して活動が強化されてきたところであり、平成23年に犬と猫の殺処分数は107頭だったものだが、平成27年度には殺処分ゼロとなり、3年連続継続中であります。行政とボランティアの方々の懸命な努力がある一方で、繰り返される動物虐待またはファッションや流行でペットを買い求め、捨てられる命もまだまだたくさんあるのも事実であります。ひとつひとつの個性ある命に責任を持って向き合う意識を広く市民のなかで共有し、人と動物が共生できる千葉市の実現に向けたさらなる取組みが求められています。
犬や猫の殺処分ゼロを達成においては、千葉市から個人に譲渡した頭数とボランティア団体に譲渡した頭数についてお示しください。
【保健福祉局次長答弁】
平成29年度は、個人への譲渡が、犬が5頭、猫が117頭となっており、ボランティア団体への譲渡は、犬が63頭、猫が179頭となっております。
【かばさわ洋平議員】
千葉市において、猫は一般譲渡とボランティア団体を比較すると1.5倍、犬に至ってはボランティア団体へ12倍も譲渡されている驚くべき件数であります。殺処分ゼロの背景にあるのがボランティア団体における譲渡であることがわかりますが、全国的にも動物愛護団体やボランティアが多頭飼育で行き詰まる例が相次いでいるなどの課題があります。写真は、先日視察した市の動物保護指導センターの2階です。殺処分がゼロになり使用しなくなった焼却炉の脇に段ボールが沢山詰まれていました。譲渡を行なう市民団体からはセンターの場所だけでも貸してほしいという要望などが寄せられており、更なる譲渡推進に向けて動物収容施設増設とボランティア団体との連携支援強化が必要であります。
センター2階を動物収容やボランティア団体が使用できるように施設改修を行なうなど、収容動物の適切な飼養管理とボランティア市民との更なる協働しやすい環境づくりを求めるがどうか。また老朽化したセンター建替えについては、広く市民意見を取り入れながら、譲渡推進の開かれた施設整備を進めるべきと考えるがどうか。
【保健福祉局次長答弁】
収容から譲渡までに要する対応や地域猫対策など、きめ細やかな対応が必要であることから、ボランティアの方々との協働は不可欠であると考えており、ご意見を伺いつつ今後も連携して参ります。なお、第三次実施計画の中では、狂犬病予防や適性飼養を含む動物愛護の普及啓発のための拠点施設として、2020年度末までに基本方針を策定することとしており、今後は、先進都市の状況を調査し、動物愛護の充実を図り、ボランティアと協働しやすい環境づくりの観点を含め検討を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
ボランティアスタッフとの協働や譲渡における取組み強化という点では、私は先日、京都府と京都市が共同運営する京都動物愛護センターを視察しました。一頭でも多くの譲渡へつなげようと譲渡会は土日開催しており、またボランティアと共同で機関紙「愛ランド通信」を発行し、収容された犬や猫の特徴をわかりやすく伝える取組みをしています。先日、緑区市民から現状は遠くてあまり行けないが身近な場所で譲渡会開催があればという声も寄せられています。
譲渡会においては休日に家族そろって確認したいという市民ニーズが高いことから、土日開催を増やすこと、また緑区や若葉区の公共施設等での出張譲渡会開催を求めるがどうか。また紙媒体で動物を紹介する取組みを強化して譲渡促進につなげることを求めるがどうか。
【保健福祉局次長答弁】
これまで、平日に開催していた譲渡会ですが、本年度は試験的に土曜日に譲渡会を1回行い、10組30人の方に来所いただき、9頭の猫の譲渡を行いました。
土日の開催を増やすことについては、駐車場の確保やお手伝いいただくボランティアの確保など課題が見えてきたことから、今後、開催方法など検討して参ります。
また、出張譲渡会については、会場確保のほか、近隣住民の理解や、会場までの動物の移動方法や健康管理などの課題があり困難であると考えております。なお、譲渡動物の紹介については、動物の写真や特徴を平易な文章で分かりやすく市ホームページに掲載しているところであり、今後も、多くの方に譲渡会へ参加いただけるよう、周知に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
環境省は、5月に自治体が掲げる犬猫の「殺処分ゼロ」の定義を明確化し、譲渡が難しいケースを除外する方針を固めたと報道されました。こうした動きに伴い、殺処分がまた現実的に増えるという懸念が現場で高まっています。私は先般、昨年8月にオープンした大阪府動物愛護管理センターを視察しました。かみ癖があるなど譲渡に適さない動物への対応が課題ですが、職員だけでは難しいため動物トレーナー等へ委託して専門家によるしつけ等によって譲渡促進に取組む事業を展開しています。
譲渡促進と殺処分ゼロに向けて、課題のある動物を専門トレーナーでしつけする事業に取組むことや、保護犬を災害救助犬へと育成する仕組みづくりに取組むなど、殺処分ゼロに向けた取組みを強化することを求めるがどうか。
【保健福祉局次長答弁】
終生飼養の観点から、その動物の個性や適性にあった方に飼養していただくことが重要であると考えております。飼養が難しい攻撃性の高い動物については、トレーナーなど専門家のアドバイスのもと、最終飼養者との信頼関係の溝を深めることがないよう、最低限の訓練を行った後に、譲渡後の飼い主との相性など考慮し、希望者の現状の飼養状況や、動物の本能、習性等を理解できるスキルを持っているかなど確認した上で、譲渡を行っております。また、収容した犬を災害救助犬などに育成することについては、適性の見極めが難しく、長期にわたる訓練が必要となることから、難しいものと考えております。今後も、ボランティアの方々と連携を図りながら譲渡促進に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
先日視察しました京都動物愛護センターでは保護施設の横にドッグランが併設されており、土日中心として多くの市民利用があると伺いました。私の元にドッグラン整備を望む声が多く寄せられるなか、人と犬が気持ちよくいられるまちづくりに市は取組むべきです。
人と犬が互いに気持ちよく利用できるレクリエーション空間づくりが必要と考えるが、市内における大規模な公園、緑区では昭和の森にドッグラン整備を求めるがどうか。
【都市局長答弁】
ドッグランについては、公園における犬に関するトラブルなど苦情を頂くことがあり、利用者の安全面や衛生面の確保などの課題があることから、これまで、市が自ら設置することはありませんでした。しかしながら、近年は、ペットと寄り添った暮らしをおくる方が増えてきており、各地で、民間事業者が公園の中にドッグランを設置する例も出てまいりました。本市では、昭和の森において、平成25年度に民間事業者が整備したフォレストビレッジの中に、ドッグランの類似施設を設置しておりますが、平成28年の台風被害により現在は営業を休止しております。今後は、大規模な公園におけるドッグランの設置について、再整備等とあわせて検討を行うとともに、昭和の森の施設については、再開について民間事業者と協議してまいります。
【かばさわ洋平議員】
ぜひ昭和の森フォレストビレッジの再開の際には市も支援してのドッグラン整備を求めておきます。
地域の猫に対する取組みについてです。地域猫活動とは、地域にいる野良猫をこれ以上増やさないように不妊去勢手術をして一代限りの天寿を全うさせるために地域でルールを決めて管理し、地域の住環境を保とうとする活動です。先日、地域猫活動を行なうボランティアさんと懇談する機会がありました。まだまだ地域猫活動に対する市民理解が乏しいこと、さらに、ボランティアへ支援も乏しいことが課題とお聞きしたところです。
地域猫活動において、地域で与えるエサなどは5年にわたるなど経費がかかることからエサ代支援をすることや、地域猫ボランティアを登録制にして、新たに連絡協議会をつくるなど更なる理解促進活動に取組むことを求めるがどうか。
【保健福祉局次長答弁】
地域猫活動は、地域住民の理解と協力の元に地域で猫を適正に管理しながら共生する活動であり、地域により猫の生息数や周辺環境、世話をしている人の考え方など千差万別であることから、餌等に要する経費を支援することは考えておりません。今後も、ボランティアの方々と連携し、ご意見を伺いながら、地域猫活動の理解促進に向け、さらなる周知・啓発に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
市の猫における去勢手術の申し込み件数と実施件数の推移です。先日市民から、「2回市の事業に応募したがハズレた。野良猫が増えて困っている」または「稲毛のセンターまで連れていけない。地域の動物病院で手術の場合も補助を」という声もあります。先日視察した横浜市動物愛護センターでは飼い主のいない猫を増やさないために、身近な地域の動物病院での手術でも対応し、手術費5,000円を補助する制度があり、平成28年度には7,816頭も実施しました。
地域猫の不妊去勢手術が市民応募の3割しか応えられていないため、不妊去勢手術の頭数を拡大すること、また地域にある身近な動物病院でも対応できるような補助制度もつくり、飼い主のいない猫による、ふん尿、鳴き声などの問題解決に取組むことを求めるどうか。
【保健福祉局次長答弁】
飼い主のいない猫の不妊去勢手術は、千葉市獣医師会の協力のもと、休診日や休憩時間などの合間に動物保護指導センターで手術を行っているところであり、さらなる負担を求めることは難しく、また、手術は術前術後の管理を含め3日間の管理を要し、収容動物や負傷動物の治療等でも手術室等を使用することから、さらなる拡充は難しいと考えております。なお、地域の動物病院での実施については、感染症や寄生虫などを飼い主のいる動物に感染させてしまうリスクがあるため、センター1か所で手術を実施しているところです。今後も、不幸な猫が増えることがないよう、この事業を継続して参ります。
【かばさわ洋平議員】
最後は、ひとつひとつの個性ある命に責任を持って向き合う意識を広く市民のなかで共有する、終生飼養に向けた啓発強化についてです。全国各地で広がるマイクロチップ装着ですが、飼い主の氏名や住所を登録することから、犬猫の迷子防止、被災時への飼い主返還、さらには飼い主の責任意識向上にもつながるということで、2016年時点で135万件まで登録が増えています。千葉市は今後、直下地震の確率が最も高い自治体ですから、被災時の返還につなげるためにも必要な施策と考えます。
犬猫の迷子防止、被災時の飼い主返還、飼い主の責任意識向上にもつながる、マイクロチップ装着助成制度を創設して、終生飼養に向けた啓発を強化することを求めるがどうか。
【保健福祉局次長答弁】
マイクロチップは、一度体内に埋め込むと、首輪や名札のように外れて落ちる心配が少なく、動物の身元保証として有用であると考えております。一方で、情報登録をしていない場合や、引っ越ししても、情報を更新しないケースなど課題もあることから、引き続き、動物保護指導センターが実施する講習会や動物病院において、装着の利点や注意点について啓発して参ります。なお、装着に対する費用助成制度の創設は、現在のところ考えておりませんが、国においては、今年度を目途に装着の義務化について検討されていることから、引き続き、国の動向に注視して参ります。
【かばさわ洋平議員】
市は直下地震の被災が懸念される自治体ですから、防災的観点からも必要な施策です。国を注視ではなく、マイクロチップ助成は真剣な検討を求めます。また今後はより譲渡会に力入れていくことが必要であり、センターの人員を増員して、人と動物が住みやすい千葉市に向けて取組むことを強く要望しておきます。
2.鎌取駅周辺のまちづくりについて
【かばさわ洋平議員】
平成18年のいわゆる1キロ条例において鎌取駅周辺の住宅、共同住宅等の建築を目的とした開発行為を認めることとしたことから、鎌取駅周辺の住宅開発が増え、平成18年以降新たな申請戸数は500を超えております。新興住宅急増で駅周辺を中心とした鎌取地域のまちづくりにおいて住民から様々な声が寄せられています。はじめに鎌取駅利用者からの混雑解消や安全対策を求める声について質問します。
鎌取駅混雑過密化が進行しており、住民の安全対策に向けて駅改札機の増設や機能増強、また外房線と京葉線の増発を強くJRに要望することを求めるがどうか。
【都市局長答弁】
鎌取駅の改札機ですが、本市では、平成18年度より、千葉県及び関係市町村等で構成する「千葉県JR線複線化等 促進期成同盟」を通じて、JR東日本に対し、増設の要望をしてきております。その結果、当初4台の改札機が、現在6台に増設されて おりますが、JR東日本からは、これ以上の増設や機能増強は、現在の改札口全体の幅員を考慮すると困難であると聞いております。また、外房線及び京葉線の増発につきましては、改札機同様、これまでも期成同盟を通じ、増発要望を行ってきておりますが、JR東日本からは、現在保有する車両・乗務員を最大限活用して混雑緩和に努めており、増発等を行うには、新たな車両や車両基地の確保、乗務員の増員が必要となるため、現時点での増発は困難と聞いております。本市としましては、鎌取駅周辺の住民の方々が安心、安全に駅を利用できるよう、引き続き、期成同盟などを通じ、改札機や列車の増発について、JR東日本に対し、粘り強く要望して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、鎌取駅北側の宅地において公共下水道が整備されていない問題についてです。鎌取町と辺田町の約130世帯において、浄化槽による対応のため、公共下水道整備が地元住民の強い願いであります。
鎌取駅北口側の鎌取町・辺田町の宅地約130世帯への公共下水道整備について、私は昨年、93筆の署名と要望書を提出してきました。3年程度の期間で整備予定と説明がありましたが、当初計画の町を分けての段階的整備ではなく、公平性の観点から両町を同時期に整備する計画へと前倒しして対応することを求めるがどうか。
【建設局次長答弁】
下水道は自然流下が原則であり、下流から上流に向かって整備を進める必要があることから、当該地区については、今年度、流末となる千葉中央バス千葉営業所入口付近から鎌取駅北口交差点手前までを整備することとしております。これらが完成したのちに、上流となる鎌取町と辺田町の当該地区一帯を、下流側から整備を行い、早期完成に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、平山小学校学区についてです。平成18年度の児童数は168名だったのが平成30年度は455名と2.7倍に増加しています。さらに来年には513名と推計されるなか、増設してきたプレハブでは教室が足りなくなるという状況や子どもルームに入れないなど住民から改善を求める声が寄せられています。
約10年間で2.7倍も児童数が増加している平山小学校は、新たな教室増設または改修等を行ない、学区変更なく地元住民が平山小学校に通えるような体制づくりに取組むこと、また高学年ルーム含めた子どもルームの環境改善に取組むことを求めるがどうか。
【教育次長答弁】
今年度の児童生徒数推計によると、平山小学校は、来年度から2022年度までの4年間、1学級増えて、使用可能な教室数と同数の17学級になると見込んでおります。2023年度以降は児童数が減少に転じる見込みですが、今後も学区内における住宅開発等の状況を十分注視し、児童数が推計を上回った場合には、多目的室等を教室に転用して対応することとしております。
【こども未来局長答弁】
現在、平山小学校におきましては、児童数の増加により余裕教室がない状況であり、次年度以降も図書室を高学年ルームとして利用する予定ですが、子どもルームの物品を置くスペースの確保を始めとした保育環境の改善に向け、教育委員会と密接な連携を図り、引き続き協議して参ります。
【かばさわ洋平議員】
鎌取十字路では毎年事故が起きるなど、危険な交差点となっています。平山小学校の児童、有吉中学校の生徒、さらには千葉南高校生が大網街道を通学しており、鎌取駅北口から、鎌取十字路、さらには赤井交差点までの大網街道においては安全性の高い歩道整備を望む声が多数寄せられています。
平山小学校・有吉中学校、千葉南高校生が通学で利用する鎌取駅北口交差点から赤井交差点までの歩道のうち、狭く未舗装箇所や急勾配を改修するなど、歩道をより安全に通れる対策に取組むことを求めるがどうか。
【建設局次長答弁】
鎌取駅北口交差点から鎌取十字路交差点までの区間については、歩道部分が狭く未舗装となっている箇所があることから、歩行者の安全を確保するため、電柱の移設及びアスファルト舗装を実施します。また、鎌取十字路交差点から赤井交差点までの区間については、民地からの車両の出入り口付近などで、歩道の一部が急勾配となっている箇所が見受けられることから、その改良について検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次は、近隣住民から最も多い要望のひとつである、公園整備です。宅地開発が続くなかで、小さな公園が乱立しており、子ども達がボールを投げたり、蹴ったりできる公園がなく、子どもが伸び伸びと遊べる環境でないと指摘が多く寄せられています。平山小学校区内には17か所の公園がありますが、1,000㎡を超える公園は1カ所しかありません。鎌取駅北側地域の新興住宅街に子ども達が、ボール遊びのできる規模の公園を整備することを求めるがどうか。
【都市局長答弁】
鎌取駅北側地域は、開発行為により多くの公園が整備されておりますが、ボール遊びのできる規模の公園は少ないと認識しております。当該地域における一定規模以上の公園整備につきましては、公園が不足している他の地域の状況を踏まえたうえで、検討を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
ありがとうございます。ぜひ都市局長現地を視察してほしい。千葉市には児童館がないなかで子ども達は遊ぶ場所がないんです。1キロ条例だけやって、あとは開発業者に公園丸投げではダメなんです。しっかりとまちづくりの視点から公園整備を強く求めておきます。
3.通学路におけるブロック塀等の安全対策についてと熱中症予防対策及び普通教室エアコン早期設置について
【かばさわ洋平議員】
6月18日に発生した大阪府北部の地震で高槻市立小学校のブロック塀が倒れ、四年生の女子児童が死亡した事故がありました。日本共産党千葉市議団は翌日に市内小中学校のブロック塀等の通学路安全点検と改修等の早期実施を千葉市長宛てに申し入れました。千葉市は今後直下地震が85%の確率で起きるとされる自治体であることからも、安心安全な学校づくりや子ども達の通学路における更なる安全対策は喫緊の課題であります。
通学路におけるブロック塀等の点検結果と今後の対応について伺います。
【教育次長答弁】
本年6月下旬から7月中旬にかけて行った、目視による点検では、倒壊の恐れのあるブロック塀等が、小中学校合わせて991か所確認されました。各学校では、防犯、交通安全の視点に加え、倒壊の恐れのあるブロック塀等を含めた「安全マップ」を作成し、保護者や地域関係者と情報共有を図り、安全指導に役立てるとともに、倒壊の危険度が高い箇所については、通学路の変更も含め、児童生徒の安全確保に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
危険なブロック塀等は通学路においては991にものぼり多数あることが判明しました。市の施設については早急な対応が必要であります。しかし民間敷地における対応も同様な課題となっています。
地震等に伴うブロック塀等の倒壊による被害が起きないように、民間敷地においてブロック塀等の撤去を促進する補助制度を創設し、子ども達の通学路安全対策を急ぐことを求めるがどうか。
【総務局長答弁】
倒壊のおそれがあるブロック塀等の撤去を促し、地震発生時の被害軽減を図るため、危険ブロック塀等改善補助事業に係る補正予算を本議会に上程し、議決いただいたところです。本補助事業では、ブロック塀等の撤去について、小中学校の敷地から概ね1,500m以内の一般地区は、補助率2分の1・限度額12万円、概ね500m以内の重点地区は、補助率4分の3・限度額18万円とするとともに、軽量なフェンス等の設置について、補助率2分の1・限度額15万円としております。今後は、本年10月から、補助申請の受付を開始するとともに、リーフレットのポスティングや、市政だよりへの掲載などにより、事業内容の周知を行い、制度活用へのご理解・ご協力を呼びかけて参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、熱中症対策についてです。7月に千葉市で37度という過去最高の気温を観測し気象庁も災害レベルと警告しています。子ども達を熱中症から守るためにあらゆる対策が求められています。先日、小学生をもつ保護者から「暑いなか重いランドセルで帰ってくるとぐったりしている。教科書を学校におけるように指導して少しでも子ども達の負担を軽減してほしい」という相談を受けました。教科書やノートの総重量が平均で6Kgにもなると言われるなか、猛暑で何十分も重いランドセルやカバン等を背負って登下校する子ども達の健康を守る配慮が急務であります。
重いランドセル等による子どもの健康影響や熱中症などが懸念されています。教科書を学校に置いて帰るなどいわゆる『置き勉』について、ガイドライン作成のもと現場に徹底すること、さらに教科書の置き場がない学校もあることから棚設置の支援を求めるがどうか。
【教育次長答弁】
文部科学省通知「児童生徒の携行品に係る配慮について」を踏まえ、さらなる児童生徒の負担軽減について検討するよう、各学校に指導して参ります。また、棚の設置については、教室内の子どもたちの生活空間の確保や安全面などへの配慮が必要なため、空き教室などを有効活用するとともに、学校の実状に応じた対応策を検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、普通教室のエアコン整備についてです。文科省は学校環境衛生基準を半世紀ぶりに夏場の温度30度以下から28度以下と見直しました。
学校環境衛生基準の夏場の教室温度28度を上回る日数は何日あったのか。また教室内の最高気温は何度だったか。
【教育次長答弁】
28度を上回った日数は23日、教室内の最高気温は35度でした。
【かばさわ洋平議員】
愛知県豊田市で小学1年生の児童が熱中症で死亡した事故が発生しました。校外学習で戻った後、男子児童は教室で休憩中に意識を失い、救急搬送されたが死亡しました。この教室にエアコンはなく、4台の扇風機しか設置されていなかったなか37度の教室温度だったそうです。千葉市でも35度の温度観測があり、千葉市で熱中症死亡事故が起きていてもおかしかくない状況です。本件事故後の7月18日の熊谷市長のツイートですが、「例の件はエアコン整備の問題ではなく、各教員の熱中症対策が適切に行なわれていたが焦点で、だからこそ大変重要です」と発信しています。そこで市長に伺います。
愛知県豊田市で、小学校1年生の児童が死亡した事件についてですが、エアコンが整備されていたら、子どもの命が守られたと思わないのか、市長の見解を改めて伺います。
【教育次長答弁】
児童生徒の健康と良好な学習環境の確保の観点から、エアコンのできる限りの早期設置に向け、取り組むとともに、熱中症予防に向けた効果的な対策の検討を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
現場の教員は子ども達の命を守るためにどれだけ必死に頑張っています。しかし太刀打ちできない暑さのなかで、大事な命が失われたのです。こうしたことは千葉市でも起きうるのでエアコン設置を急ぐ必要があります。そうしたなか千葉市の熱中症対策ですが教育委員会は7月に、うちわ持参と冷却シート持参をさらに9月にポカリスエットの粉の供与をはじめました。現場の学校で聞けば、うちわは授業中に使えない、冷却パックは通学途中で溶けるなど、ポカリスエットはぬるいために生徒は利用せず、冷水機に行列をつくっているということで実行性に乏しい対策だと言わなければなりません。現場からは熱中症対策で冷水機や製氷機への要望が上がっていますが、冷水機はこれまでPTAの寄付のみの設置です。中学校55校中29校しかありません。小学校に至っては111校中20校しか設置されていません。
来夏も猛暑が続くなかで、学校現場から要望の強い、冷水機等を未整備校に整備して熱中症対策に万全を期すことを求めるがどうか。
【教育次長答弁】
来年度の対応については、今年度の取り組みを十分検証するとともに、冷水機等を含めた対策物品について、児童生徒や教職員、保護者等の意見を聞きながら検討を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
日本共産党千葉市議団は、市内の7月の小学校を視察しました。30度で湿度は70%近く。湿度が高い状況で汗だくの子ども達がおり、集中して学べる環境ではないことを改めて痛感しました。市内の子どもから「暑くて鼻血が頻繁に出る」「先生が暑くてイライラしてあたられる」「保健室に行くから勉強が遅れて心配」など、子ども達の声が寄せられています。
市長は日本共産党千葉市議団の代表質疑に「2019年度夏まで全校設置は難しい」答弁しているが、来年夏までの整備への課題は何か。小学校と中学校のどちらを優先整備予定になるのか。
【教育次長答弁】
市立小中学校166校、約2,400教室へのエアコン設置について、設計、発注手続き、施工という流れを考慮すると、事業規模が大きく、現時点では、来年夏までの全校設置は難しいものと考えております。また、暑さに対する耐性の弱い小学生へ配慮することが望ましいことや、小学生の健康を心配する市民の意見が特に多く寄せられたことなどから、現時点では、小学校への設置を優先したいと考えております。
【かばさわ洋平議員】
2020年夏までの整備では遅い、来夏に間に合うように千葉市は全力で取組むべきであります。以前、堺市を調査した際に工期2年で市内小中学校のエアコン整備を実現したと伺いました。教育委員会と発注担当の建築部の人員を手厚くし連携を強化して早期整備を実現したということです。
学校施設課職員の増員をして、建築部職員とエアコン整備チームをつくり連携強化して早期エアコン整備の実現を求めるがどうか。
【教育次長答弁】
エアコンの早期設置に向け、教育委員会と建築部が連携して、最適な事業手法を見極めることとしており、事業の執行体制については、今後、検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
エアコン整備においては光熱費削減の取組みも重要であります。以前視察した名古屋市では、名古屋市は直接施工でガス空調によるエアコンで冬場も使うということで光熱費が電気に比べおよそ40%削減されたということです。現時点で2億と言われるランニングコストも可能な限り低減すべきと考えます。
エアコン整備における熱源については光熱費削減効果のあるガス方式で整備してランニングコスト低減と早期整備の実現を求めるがどうか。
【教育次長答弁】
熱源に関しましては、空調整備基本計画を策定する中で、ライフサイクルコストの比較や、維持管理のし易さ等を含め検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
熱中症被害状況です。今年も教室から熱中症になる児童生徒が千葉市で出ております。仮にエアコン整備が2年後となる学校では、また暑いなかで熱中症のリスクがある学校に通い続けなければなりません。市原市は来夏までに全教室整備すると計画を大幅に前倒しして、9月議会で約32億円を上程しました。千葉市も来夏までの整備計画を立てるべきです。
市の一般会計補正予算額の推移です。毎年100億円の規模で補正予算を計上しており、平成25年には約190億円の予算規模であります。平成30年度は9月補正時点で約12億です。ブロック塀安全対策で速やかに予算化したように、エアコン整備についても速やかな予算化が必要であります。今こそこども達のために私たちの税金を最優先で使うべきであると訴えるものです。最後に予算編成権のある市長にうかがいます。
子ども達の命と健康、学習環境を守るために、普通教室へのエアコン整備を来年夏までに小・中学校全教室への整備を進めるべく、基本計画策定を前倒しすること、そして12月議会で補正予算を組んで早期整備の実現を求めるがどうか。
【熊谷市長答弁】
空調設備基本計画は、今年度末までに策定することとしておりますが、年内を目途に事業手法等を決定し、補正予算の措置を念頭に置き、できる限り早期の設置に向け取り組んで参ります。
【かばさわ洋平議員】
市長の答弁によると補正予算を念頭に置くとそして早期設置に向けて取組むと答弁がありました。この間、日本共産党千葉市議団はいち早く議会で教室エアコン設置の必要性を語り、求めてきました。私自身も3年前の初質問から数えて4回にわたり、一般質問で教室エアコン設置を求めてきました。市民の粘り強い運動と共に声をあげ続けて、ようやく普通教室へのエアコン設置が前進するということに私は万感の思いであります。
しかしながら、子ども達は来年夏こそはエアコン設置された快適な教室環境で学びたいと切実に願っております。スライドに展開しているのは、今年の6月に市民団体が1日も早く教室にエアコン設置を求める要望書と共に、教育委員会に提出した子ども達のエアコン設置の願いをかけたタペストリーであります。100名近くの子どもの願いが書かれております。「夏、暑すぎます。倒れます。エアコンがあればみんな健康に快適に生活できると思います。ぜひつけてください」「昨年授業を受けているとき先輩が熱中症で倒れました。どうかエアコンを設置してくださいませんでしょうか」と数多くの子ども達の願いが綴られております。
私は、ただただ千葉市を子ども達の笑顔溢れるまちにしたいのです。集中して勉強したいという子ども達の願いに応えること、そして熱中症で命を落とす子どもを絶対に出さないことが必要です。市長に申し上げたい、どうか、来年夏までの1校でも多いエアコン整備に向けて、ひるまず12月に補正予算を組んでいただくことを重ねて強く求めて、私の一般質問を終わります。