海浜病院は再整備充実を!武器見本市の幕張メッセ開催中止求めよ! 佐々木ゆうき議員が一般質問〔2018年第3回定例会〕
佐々木ゆうき議員の一般質問及び答弁 2018.9.28
1.安心して住み続けられるまちづくりについて
【佐々木ゆうき議員】
千葉市が立地適正化計画を策定する背景として、「人口減少・少子高齢化」を掲げ、社会構造の大きな転換期にあっても、市民の安全・安心で快適な暮らしと効率的な都市運営を両立する、持続可能なまちの実現が必要とのことです。
千葉市の目指す集約型都市構造とは、住宅や商業・業務等の機能が集積し、公共交通アクセスが充実した複数の「機能を集約する拠点」が公共交通で結ばれた多心型の都市構造とされています。
千葉市の計画における集約型都市構造の位置づけについては、図にあるように、総務省の関係では、「千葉市基本構想」、「千葉市基本計画」、千葉市公共施設見直し方針・総合管理計画における公共施設の再配置・総量縮減に。内閣官房の関係では、千葉市まち・ひと・しごと創生総合戦略の各取り組みの基軸となる考え方として「集約型都市構造への転換」を記載されています。国土交通省の関係では、千葉市都市計画マスタープランで集約型都市構造を目指す理由と千葉市が目指す都市構造を記載。そしてその実現を図るために、都市再生特別措置法の基づく計画として、立地適正化計画という形となっています。そこで、伺います。
千葉市は、計画策定の背景に「人口減少・少子高齢化」を掲げていますが、市が策定した「人口ビジョン」と総合戦略においては、2015年度の97.2万人から2040年度に93.1万人に人口減少をとどめるための施策を全市的に展開することを掲げています。しかし、立地適正化計画においては、「人口ビジョン」で示した施策を講じなかった場合の人口推移、いわゆる出生改善、積極推計よりもさらに人口が10%減少するとしていますが、「人口ビジョン」と立地適正化計画の人口推計に整合性がないのは問題ではないのか、伺います。
【都市局次長答弁】
立地適正化計画は、「人口ビジョン」のなかで、将来にわたり出生率は変動せず、かつ、宅地開発等の人口増を加えたいわゆる「基準推計」を用いて本市の将来像を検討しており、人口ビジョンとの整合は図られております。
【佐々木ゆうき議員】
【2】人口が10%減少することを千葉市が認める計画ではなく、保育環境の充実や学校の普通教室へのエアコン設置などの子育て環境の整備、市内の中小零細企業で働き続けられる雇用環境の整備、高齢になっても地域で生活し、外出を支援する制度の充実など市民生活の充実させるための施策こそ求められているのではないですか。
【都市局次長答弁】
現在検討を進めております立地適正化計画は、人口減少、少子高齢化が将来、進展しても市民の皆様の暮らしやすさを確保するために策定する計画であり、都市機能誘導区域と居住促進区域を設定し、各種サービス機能や住まいの立地を緩やかに誘導することで、市民の皆様の利便性の維持、向上を目指しております。
【佐々木ゆうき議員】
「千葉市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン・総合戦略」の東京圏における千葉市の独自性(まとめ)では、「人口の動き」「人の流れ」「経済と産業の動向」の3つの観点から現状分析を行い、その分析からは、東京との関係性において、本市と東京圏の他の地域、他の政令市との違いがあり、東京圏の中で「ちば」には他と異なる地域特性があるとされています。それは、「本市には市内在勤者が多く、東京圏の他の政令市と比較して昼夜間人口比率が高いこと、千葉商圏の中心として高い商業拠点性を有していること、距離、交通アクセスの面で東京都心部とのつながりが薄く、東京方面からの流入が少ないことなどが明らかになった」ということです。
この観点に照らせば、市内に本社を置く事業者や関連会社の存在や情報・サービス産業の立地に加え、人口減少を食い止めるための施策を充実することができれば、わざわざ「拠点」を設けて、医療・福祉・商業などの都市機能を集約する必要はなくなるのではないか。大幅な人口減少を進める計画は撤回すべきではないですか。
【都市局次長答弁】
人口減少の克服と地域の活性化の取組みも重要な施策と考えておりますが、「千葉市まち・ひと・しごと創生、人口ビジョン・総合戦略」においては、本市の将来の人口減少は避けられないと予測しております。立地適正化計画は、「大幅な人口減少を進める計画」としたものではなく、将来人口減少を迎えても持続可能な都市構造を形成し、「市民生活の利便性の向上」や「サービス産業の生産性の向上」並びに「行政サービスの効率化」を図ることで、定住環境を確保していく計画と考えております。
【佐々木ゆうき議員】
千葉市は、「居住誘導区域」という「誘導」という言葉を使わずに「居住促進区域」を設けています。「居住促進区域」への居住促進につながるのか。この促進区域を設ける目的は何か、伺います。
【都市局次長答弁】
「居住促進区域」を定める目的は、将来、人口減少、少子高齢化が進展しても、主に公共交通沿線や拠点周辺などの一定の区域において人口密度を維持し、公共交通や生活サービスが持続的に維持されるように居住を促すための区域として設定するものです。
【佐々木ゆうき議員】
千葉市は、立地適正化計画の特徴の中で、「住宅団地」を位置付けています。これは重要なことですが、花見川区や若葉区のいくつかの住宅団地を「地域拠点」にしているのみです。地域公共交通ネットワークの形成が重要としつつも、千葉市には市営バスはなく、民間バス事業者に協力していただいているのみです。現実として、美浜区においても、海浜病院を結ぶ一部の民間バス路線が減少するなど、生活への影響が出ています。団地には保育所、学校、商店街など生活基盤が整備されているところであり、この生活圏を整備・充実させることが必要ではないのか。
【都市局次長答弁】
本市の主要団地は施設の老朽化や住民の高齢化が進んでおり、公共交通の減便や商店街の衰退が顕在化しつつありますが、既存ストックを有効に活用することで、多世代が居住する団地として再生する可能性があると考えております。そのため、立地適正化計画においては、都市計画マスタープランで定めている主要駅周辺の拠点だけではなく、一定の拠点性がある主要団地も拠点として位置付け、必要な都市機能の撤退の予防、不足している都市機能の誘導や、公共交通の確保など、地域の特性に応じた住宅団地の再生に関する施策の取組みにより、持続可能な都市構造の形成に努めてまいります。
【佐々木ゆうき議員】
「居住促進区域」は「都市機能誘導区域」と地域公共交通ネットワークをつなぐことで市民生活を保障することにつながりますが、千葉市の計画の基本理念である「誰もが気軽にお出かけ“ちばのまち”~充実する公共交通と便利なまち~」という地域公共交通ネットワークが機能しなければ生活が困難になります。一般的には縮小されるもとで、このネットワーク充実を明確にすることが必要ではないですか。
【都市局次長答弁】
今後は、立地適正化計画の策定を踏まえ、「千葉市総合交通政策」の見直しに取り組んでまいります。なお、この見直しにあたりましては、立地適正化計画の基本理念を尊重しつつ、コンパクト化とネットワークの形成が互いに役割を果たし、相乗的な効果が発揮できるよう、交通事業者との協議、調整や、市民の皆様からの意見聴取などを行ってまいります。
【佐々木ゆうき議員】
立地適正化計画は、公共施設等総合管理計画との連携で、集約型都市構造・コンパクトシティに向けた公共施設の集約化による公共施設面積の縮減も行われるものにも都市機能誘導区域への優遇措置があり、公共施設の縮減と一体的に行われるものです。生活が不便になれば、都市部への移転、公共施設と民間サービスの低下・減少につながり、さらなる生活の不便を招きかねません。
都市機能誘導区域への公共施設の集約化はやめて、住民とともに地域の公共施設をより充実させる方向で考えるべきであります。お答え下さい。
【都市局次長答弁】
公共施設は、都市機能誘導区域のみではなく、居住地に立地していることが望ましい施設もあるため、公共施設等総合管理計画に位置付けのある全ての公共施設を「立地適正化計画」により都市機能誘導区域へ集約することは考えておりません。
現在検討を進めております本計画の策定において、多くの市民の皆様にご意見を頂けるよう、説明会等において計画案や関連する情報について積極的に提示することで、住民参加のまちづくりに努めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
まちづくりは「住民が主人公」をつらぬき、住民と一緒になってまちづくりを考えるべきです。市が計画を策定して、住民に理解してもらうというやり方は絶対に認めることはできません。このまちづくりに関しては答弁にあるように多くの市民の参加が必要であり、市民と行政が相互に意見交換する説明会等の具体的な取り組みが求められるのではないですか。
【都市局次長答弁】
現在進めております本計画の策定においては、多くの市民のご理解を頂けるよう、通常のパブリックコメント手続に加え、市民説明会の開催や出前講座を活用し、住民参加のまちづくりに努めてまいります。
【佐々木ゆうき議員】
繰り返しになりますが、先ほど申し上げたような千葉市の条件を生かし、いま住んでいる地域で、地域が必要な公共施設と行政サービスを展開することであり、特に住宅団地が数多く整備されていることが千葉市の特徴であり、人口の3分の1が住んでいる状況にある中で、そうした生活圏の充実が求められています。安心して住み続けられるまちづくりを進めるべきということを求めておきたいと思います。
2.病院行政について
【佐々木ゆうき議員】
千葉市の海浜病院と青葉病院は、救急医療、血液内科、精神科、小児・周産期医療、地域災害拠点病院など、不採算と言われる医療・政策的医療・を担い、市民のための医療機関としての役割があります。6月議会では市民の声をもとに質問を行い、千葉市も「美浜区を中心とした地域的な医療ニーズにも対応していることは十分認識している」との見解を示しました。
そうした市民の医療ニーズに応えられる市立病院の医療体制の充実を願い、再度質問を行うものです。
【1】地域では内科などの診療所が医師の高齢化や継承が出来ずに閉鎖する事例もあり、海浜病院の近くでは診療所が減少傾向となる地域もあります。まさに、総合病院としての役割を持つ海浜病院の充実が求められていると考えますが、医療機関の減少について見解を伺うものです。お答え下さい。
【病院局次長答弁】
地域医療の確保に貢献できるよう、引き続き、海浜病院が市立病院としての役割を担っていく必要があるものと認識しております。
【佐々木ゆうき議員】
2017年度決算では、累積欠損金が約81億円に達したことが示されました。この金額だけを見て、経営改善を図ることは慎重にしなければなりません。今回の累積欠損金の状況について市はどのように捉えているのか。今後の経営改善への影響について伺います。
【病院局次長答弁】
累積欠損金が拡大したことについては、大変厳しい経営状況であるものと認識しておりますが、民間医療機関では提供が困難な高度医療や不採算医療を担うという公立病院の重要な役割を踏まえ、さらなる収益の確保と費用の削減に取り組み、経営の改善に努めて参りたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
累積欠損金、赤字を抱えては職員のモチベーションも上がりません。住民から信頼されるように、職員が一丸となって、この課題に取り組むとともにどのように改善していくのか、伺います
【病院局次長答弁】
現在、両市立病院では、本年4月に策定した第4期病院改革プランに基づき、経営改善に向けた取組みを進めており、各病院の現場では、病院職員自ら、経営改善支援業務の受託事業者の助言を得ながら、課題の抽出や解決に向けた検討を進めております。こうした取組みを通して、病院職員の経営意識の醸成に努めるとともに、組織目標の達成に向けた推進体制の構築を図って参ります。
【佐々木ゆうき議員】
政策的医療への対応には、一般会計からの繰り入れは必須であることは言うまでもありません。海浜病院に関して言えば、診療科目の充実やこの間閉鎖が続いている心臓血管外科、整形外科などの機能を果たすことが求められています。美浜区の高齢化の状況や引き続き寄せられる「遠くの医療機関には通えない」前回も示しましたが、高度急性期・急性期病院の状況は地図上にあるように、海浜病院が仮に統合でもされてしまったら美浜区と花見川区の市民は遠くに通院しなければならなくなります。先日の決算審査の保健消防分科会でも老朽化への対応にも苦慮されている状況など示されました。市民の声やこうした状況に応えるならば、海浜病院の再整備・充実こそ必要です。現在地や県立救急医療センター用地等も活用した再整備しかありません。お答え下さい。
【病院局次長答弁】
病院事業のあり方検討では、千葉保健医療圏の現状分析などをもとに市が確保すべき必要な診療機能やその提供体制などについて、検討することとしております。現在の海浜病院が担っている周産期医療や小児医療などの政策医療、また、美浜区を中心とした地域的な医療ニーズにも応えられるよう、他の医療機関との役割分担などを踏まえながら、様々な視点で検討を進めていきたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
市民の医療ニーズに応えるためには、引き続き、海浜病院を現在地で再整備・充実が図られるよう強く求めておきます。
3.美浜区の諸問題について
【佐々木ゆうき議員】
稲浜公民館別館の廃止問題について
稲浜公民館別館・旧青少年活動棟「あすなろ」は、2013年度に実施された「資産の総合評価」において、評価結果で「見直し」、方向性で「類似機能の統合」とされていました。
同館の廃止について6月29・30日に説明会が実施され、来年3月に「廃止」を計画しています。利用するサークルの方などから「廃止すべきでない」との声が寄せられています。教育委員会は耐震性がないことや周辺の類似施設との利用調整が可能であることを理由にしています。廃止後は本館や他の施設の利用を促すとしています。地域に親しまれて、利用している施設だけに廃止を強行することは認められません。
さらには、稲毛海岸地区においては稲浜小学校前の戸建て住宅建設や、稲毛海岸5丁目の住宅開発が計画されています。
また、施設周辺の高齢化など、他の施設への利用には移動等の困難が生じます。稲浜公民館別館を建て替えるなどの対策で、生涯学習の基盤こそ充実させるべきと考えないのか、伺います。
【教育次長答弁】
本市においては、「千葉市公共施設見直し方針」や「千葉市公共施設等総合管理計画」に基づき、類似機能の統合を踏まえた集約化などにより、施設利用の効率化、施設総量の削減などを進めております。稲浜公民館別館については、資産の総合評価において、耐震性能の不足や老朽化から施設を廃止し、周辺の類似機能施設での需要吸収を基本として詳細な検討を行うべき、とされていることから、「千葉市公共施設見直し方針」などを踏まえ、建て替えは行わず、今年度末で廃止することといたしました。廃止にあたっては、今後も、地域、利用者への説明や、同館本館、近隣公民館などへの活動場所の調整を丁寧に行って参ります。
【佐々木ゆうき議員】
稲毛海浜公園施設リニューアルについて
地元から意見や質問が出されている「磯の松原」の間伐や「壁泉」撤去に関することについては地元説明から約6か月経ちましたが、「事業の骨格的な部分についての変更は困難ですが、ご意見を踏まえ、必要な変更、改善について検討」とし、保全を望む「磯の松原」については「計画内容をあらためて検討」として、正式な回答はしていません。すでに「潜堤」の工事を始めており、「白い砂」整備に向けて進めようとしています。
地元から出されている「磯の松原」の間伐や「壁泉」撤去に関する意見や質問に答えるべきです。いつまでに市として検討した内容を示すのか。伺います。
【都市局次長答弁】
「磯の松原」の一部伐採や「壁泉」の撤去につきましては、より身近に海辺を感じられるよう、海への見通しや動線を確保することを目的とした民間事業者の提案によるものですが、「磯の松原」や「壁泉」が多くの方々に親しまれている施設であることを踏まえ、現在、その取扱について事業者と検討を進めているところであり、結果がまとまり次第、速やかに地域に対する説明を行ってまいりたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
市民の安全・安心に関わる問題であり、地元住民を無視してリニューアルを進めることはあってはなりません。市が検討した内容を地元住民に押し付けることをしてはなりません。事業を先延ばししてでも住民ともに稲毛海浜公園のあり方について話し合いをしていくべきです。お答え下さい。
【都市局次長答弁】
稲毛海浜公園リニューアル事業については、これまでに実施した周辺自治会等への説明会において多くのご質問やご意見を頂いていることから、現在、より良いリニューアル事業となるよう、検討を進めているところであり、今後とも地域に対する説明や意見交換の機会を設けながら、事業を進めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
多額の予算が投じられる事業に対して理解は得られていません。地元を抜きにして進めれば禍根を残すことになります。そうしたことがないように重ねて求めておきたい。
4.平和行政と空襲被害者救済について
【佐々木ゆうき議員】
1945年6月10日、7月7日の千葉空襲、広島と長崎に原爆が投下されてから73年となりました。空襲体験者と被爆者は平均年齢82歳を超えており、戦争を知らない世代が多数を占めている中で、空襲と被爆の実相を語り継ぐことと、昨年、国連において、核兵器禁止条約の成立という大きな変化があり、核兵器による威かくも禁止するという画期的な条約であり、日本政府はもちろんのこと、地方自治体の役割はますます重要になっています。
核兵器廃絶に向けた取り組みについて
被爆地である広島市も長崎市も各国政府が核兵器禁止条約への署名と批准を進めて条約を発効させることと、「被爆国の政府こそ先頭に立つべき」と述べています。
平和首長会議に加盟してから9年となりますが、市長は一度も同会議の総会には参加をしておりません。「ヒバクシャ国際署名」に賛同しているのであれば、総会に参加し、核兵器廃絶・核兵器禁止を核保有国とその傘下にいる日本政府へ、他の首長と一緒に求めるべきではありませんか。市長に答弁を求めます。
【市民局長答弁】
平和首長会議の総会は4年毎に開催されておりますが、非会員であった平成5年の第3回総会から毎回、市長代理として、平和行政所管局長が出席してきております。核兵器のない世界の実現に向けて、今後も平和首長会議を通じて、取り組んで参りたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
広島と長崎の「平和宣言」には、「朝鮮半島の緊張緩和が今後も対話によって平和裏に進むことを心から希望」し、「市民社会は多様性を尊重しながら互いに信頼関係を醸成し、核兵器の廃絶を人類共通の価値観にしていかなければ」ならず、「世界の7,600を超える都市で構成する平和首長会議はそのための環境づくりに力を注ぐ」「南北首脳による『板門店(パンムンジョム)宣言』や初めての米朝首脳会談を起点として、粘り強い外交によって後戻りすることのない非核化が実現することを、被爆地は大きな期待を持って見守っています。日本政府には、この絶好の機会を生かし、日本と朝鮮半島全体を非核化する『北東アジア非核兵器地帯』の実現に向けた努力を求めます」と触れられています。
昨年実施された9都県市合同防災訓練の一部で北朝鮮による弾道ミサイル発射の想定訓練で、全国瞬時警報システム(Jアラート)と同様のアラームが使用されました。政府は「米朝首脳会談を受けた国際情勢を踏まえた判断」をし、当面はミサイル避難訓練を中止するという方針を示しました。この方針について、千葉市の今年度の対応と、今後の対応はどのようになるのか、伺います。
【総務局長答弁】
今年度の九都県市合同防災訓練では、政府の方針が出る前の段階から、ミサイルに関する訓練を実施する予定はありませんでした。また、今後につきましても、当該訓練の実施予定はありません。
【佐々木ゆうき議員】
平和都市宣言との関係について
昨年6月12日から14日までの3日間で、千葉市に立地する幕張メッセにおいて、海軍関係の国際武器見本市「MAST Asia 2017」が開催されました。来年も開催が予定されています。「だれのこどももころさせない」と戦争に反対し、平和を求める「安保関連法に反対するママの会@ちば」など諸団体のみなさんが強く抗議しています。武器の売買が千葉市美浜区、幕張メッセ建設事業負担金など市としても大きく関わる施設において行われることは、「核兵器などによる戦争への脅威をなくし、市民共通の願いである世界の恒久平和を求め」る「平和都市宣言」にそぐわない内容であり責任が問われるのでないのか。
【経済農政局長答弁】
当該イベントについては、幕張メッセの国際展示場で開催 されたものであり、指定管理者である株式会社幕張メッセが、設置管理条例等に基づき使用を許可したものであると認識しております。
【佐々木ゆうき議員】
幕張メッセの経営理念の「地域の経済発展に貢献し、共生を目指す」にも合いません。巡航ミサイル、護衛艦、戦闘機の模型の展示、海外の軍事産業が展示ブースを設け、ミサイル防衛システムや巡航ミサイル、戦闘機などの売り込みを日本政府にかけています。戦争の反省から築き上げた「武器輸出三原則」が撤廃されたもとで、武器や防衛装備を製造する企業が商取引する、こうした状況は見過ごすことはできません。ましてや、商取引された武器などが戦争や国際紛争で使用され、戦闘員・非戦闘員を問わず、傷つけ、人の命を奪うことにつながることは絶対に認められないのではないですか。あわせて、「平和都市宣言」に照らしても不適当であり、市民の税金が入っている公共施設で、このようなことが行われることについて県とともに中止を求めるべきではないですか。お答え下さい。
【経済農政局長答弁】
当該イベントは、国の後援も受けたものであり、千葉県の 「国際展示場設置管理条例」等に基づき、使用許可がなされたものと認識しております。
【佐々木ゆうき議員】
戦争の悲惨さ、平和の大切さを伝え、世界の恒久平和をめざして、さまざまな取り組みを進めている千葉市です。地方自治体として「国が後援」しているから「何も言えない」ということはあってはなりません。真剣に考えていただきたい。
千葉空襲について
毎年度、戦跡めぐりウォーキングや平和アニメ上映・戦争体験講話会、平和の折り鶴送呈など実施されていますが、これまでの取り組みの域に留まらず、空襲被害と戦争の惨禍を繰り返さないための取り組みを市民とともに実施すべきであり、また、子どもたちに空襲体験を語り継ぐ取り組みを広げることが必要です。
戦争を体験した方・ピーススタッフの話を聞いた小学校6年生の児童の感想を紹介します。「話を聞く前は、戦争中の暮らしは苦しくて毎日が大変なだけとずっと思いこんでいた。しかし、『戦争なんて終わってほしいなんて思ったことはない』『逆にもっとやってほしい』ということを聞いてとてもびっくりした。また戦争中の生活の様子を詳しく話してもらい、あらためて『戦争はやらないほうがいい』と思い、勉強になりました。これから私は、戦争をおこさないためにできる限りのことをしたい」とのことでした。そこで、伺います。
戦争を体験した方・ピーススタッフの講話は、すべての行政区で実施をされていますが、副読本だけでなく、空襲体験者から空襲体験を聞く機会をさらに設けて、子どもたちが戦争の悲惨さを実感し、語りづけるように取り組んでいくべきではないですか。
【教育次長答弁】
各学校では、社会科や道徳、総合的な学習の時間などにおいて、千葉空襲を含め、戦争の状況や戦時下の人々の様子について学ぶ機会を設けております。今後も、社会科主任の研修会等において、千葉空襲を扱った授業の実践事例や、講話を聞いた児童生徒の感想等を紹介し、より多くの学校で、戦争を体験した方から直接話を聞く貴重な機会が設けられるよう、助言して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
【2】戦災資料の常設展示について、主な資料は郷土博物館に展示されていますが、私は、2010年12月9日の一般質問で、「寄贈された戦災遺品の活用について、区役所の空きスペースなどを活用して常設展示を行うよう求め」ました。当時の市民局長は、「市役所や区役所のロビーでの常設展示についても検討し、有効活用に努めていく」と答えて、昨年度末に中央コミュニティセンター4階ホールと花見川区役所ロビーに常設の展示がされました。
さらに戦災資料の常設展示を各区で実施するよう求めます。具体的には美浜区の3階食堂前にも展示できるスペースはどうか。その他の行政区にも展示するよう求めます。お答え下さい。
【市民局長答弁】
今後も、常設展示ができるスペースの有無等について、庁内照会を行うとともに、盗難に対するセキュリティの確保や劣化防止等、常設展示に支障がないか勘案しながら、他区への拡大について、検討して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
千葉市には陸軍関係の施設が数多く存在し、軍都・千葉市と呼ばれていました。そのどれもが戦争につながっていたわけです。
私は以前から、民間が所有する戦跡の保存計画を持つよう求めてきましたが、今後も戦跡を残していくためにも、民間事業者と協定を結んで保存を末永くできるようにすべきではないですか。
【市民局長答弁】
民間が所有する戦跡としては、旧気球聯隊第二格納庫と旧鉄道第一聯隊材料廠がありますが、いずれも所有者である企業や大学により丁寧に保存・活用されており、特に材料廠は千葉県の指定有形文化財となっております。このようなことから、現時点では、戦跡への説明板の設置を進め、市民に対する市内戦跡の周知を優先させて参りたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
戦争を語り継いでいく重要な戦跡です。説明板設置は優先することは必要なことですので、保存についても検討していただくよう求めておきたいと思います。
これまで平和啓発パンフレット「考えよう 平和の大切さ~あなたに伝えたい 『戦争の悲惨さを』『平和の尊さを』」が発行されてきました。
千葉市の戦時中の様子や戦跡の状況などがうかがえる資料として今後も継続していくべきですが、パンフレットの評価と今後の普及をどのように進めていくのか。各資料や広島や長崎の被爆者の動画などにアクセスできるようにQRコードも活用するよう提案します。お答え下さい。
【市民局長答弁】
平和啓発パンフレットについては、今年度実施しました。千葉空襲写真パネル展でのアンケート結果において、70パーセント以上の方が「たいへん良い」又は「良い」と回答しており、戦争の悲惨さや平和の尊さについて、市民への啓発効果は十分にあるものと考えております。今後も千葉空襲写真パネル展会場や図書館、公民館等で配架するなど、広く市民への啓発に努めて参ります。なお、広島や長崎の被爆者の方の証言動画等にアクセスするQRコードのパンフレットへの掲載については、今後検討して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
さらなる平和行政の充実に向けて取り組まれるよう求めておきます。
空襲被害者救済についてうかがいます。
東京大空襲など太平洋戦争での民間被害者に対して救済を求める運動が粘り強く取り組まれています。国が責任を認めない中で、地方自治体では戦争で被害を受けた民間人に見舞金を支給する自治体もあります。元軍人が総額60兆円も補償されてきたのに、民間人に補償がないことは世界の流れに反しています。
国が補償を拒む中、見舞金を支給する自治体とその背景をどのように捉えていますか。
【保健福祉局次長答弁】
名古屋市や浜松市などが、太平洋戦争の空襲等によりけがや病気をした方に対し見舞金を支給していることは承知しておりますが、支給に至る背景は把握しておりません。いずれも各自治体が独自に支給することを決定したものと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
千葉市も空襲被害を受けるなど戦災都市です。見舞金の支給を求めるとともに、戦争・空襲被害者の民間人に対する考えについて伺います。お答え下さい。
【保健福祉局次長答弁】
本市においても、空襲により多数の市民が被害に遭われたことは承知しておりますが、先の大戦で被害を受けた方に対する援護策については、国が個別に判断した上で法律を制定して実施するべきものであり、現在のところ、本市独自の見舞金を支給する予定はありませんが、国の動向を注視するとともに、他の自治体の取組状況について研究して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
被害者の救済要求の根底には「再び戦争を起こさせない」という平和への強い願いがあるわけであります。国もそうですが、空襲被害者が救済されるよう強く求めて、私の一般質問を終わります。