安心してくらせる住みよい千葉市をつくりましょう
日本共産党東京都議会議員団

立地適正化計画は住民の生活を混乱させるもの!佐々木ゆうき議員が一般質問〔2018年第4回定例会〕

 

佐々木議員の一般質問                    2018.12.7

 

 

1.病院行政について

【佐々木ゆうき議員】

病院事業全体で、2017年度決算において累積欠損金が約81億円に達した要因として、医業費用が増加し続けていることや、心臓血管外科の休止によって海浜病院の大幅な減収等が挙げられます。

また、医業収益に占める経費比率は減少しているものの27.3%に達し、固定費である給与費及び経費だけで医業収益の100%弱を占め、苦しい収支構造となっています。経営状況は苦しいものの、医療機関が担うべき役割や機能を評価する機能評価係数Ⅱは、県内でみると46病院中、青葉病院は2位、海浜病院は23位となっています。

 引き続き、政策的医療など公立病院としての役割を発揮していくことが問われます。

 厚労省は公的病院に対して「地域医療構想を踏まえた医療提供」を、総務省が公立病院に「経営の効率化」や「病院の再編・ネットワーク化」を求めており、病院ごとの「改革プラン」を作らせています。そして政府は、「公立・公的医療機関について再編・統合」を促しています。そこで伺います。

国による制度改定や診療報酬の引き下げが病院経営に大きな影響を与えていることへの見解と、現行制度における病院の経営改善の取り組みを伺います。

【病院局次長答弁】

診療報酬改定等が病院経営に影響することについては承知しており、こうした状況の変化も踏まえながら、第4期病院改革プランの目標達成に向けて、収入の確保と費用の削減に努め、経営改善の取組みを進めているところであります。

 

【佐々木ゆうき議員】

千葉市病院事業のあり方検討委員会が今月12月に第1回目が開催されると伺っていますが、これまでの準備状況を明らかにして下さい。

【病院局次長答弁】

これまで、千葉保健医療圏の調査分析や委員会の委員の選定を進めて参りました。第1回を今月下旬に開催する予定としており、日程や内容等について最終の調整を進めているところです。

 

【佐々木ゆうき議員】

あり方支援業務委託を行なって千葉保健医療圏に関する情報などの把握などを進めてきましたが、どのような情報等をつかんで、あり方検討委員会に反映させようとしているのか。また、第1回目のあり方検討委員会でどのような方向性で議論を進めようと病院局として考えているのか。お答え下さい。

【病院局次長答弁】

千葉保健医療圏における地域や傷病ごとの患者数を把握し、将来推計を行うとともに、他の医療機関による医療の提供状況、在宅医療に関するニーズなどもできる限り把握することとしております。第1回のあり方検討委員会では、これらのデータを確認しながら、市立病院の機能や提供体制などの議論を進めるにあたっての前提となる千葉保健医療圏及び市立病院の現状と課題について整理する予定です。

 

【佐々木ゆうき議員】

市民とともに病院事業やそのあり方について考える「シンポジウム」等を開催して、市の病院事業の現状と公立病院が果たす政策的医療などの状況について、広く市民に周知することが必要ではないですか。

【病院局次長答弁】

今までも、市の病院事業の現状や政策的医療などの状況については、市立病院改革プランの公表などにより周知を行って参りました。今後も、病院運営委員会や病院事業のあり方検討委員会の公開、これらの会議資料や議事録等の公開などを通して、周知を図ってまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

海浜病院についてはこの間、毎議会取り上げてきました。あらためてお聞きしますが、小児・周産期医療など県内でも求められている各種医療への海浜病院としての取り組み、診療体制などを含めてお示し下さい。

【病院局次長答弁】

海浜病院は、地域小児科センターとして、小児の一般診療から専門治療、更には二次救急の受け入れまで幅広い診療を提供しているほか、地域周産期母子医療センターとして、リスクの高い妊産婦や新生児に対する高度な医療もあわせて提供しております。このほか、新たな領域である移行期医療についても、小児心疾患を持ちながら成長し、成人となった患者に対して連続的・総合的なケアを行うため、本年6月より、成人先天性心疾患外来を開設するなど、診療体制の充実を図っております。

 

【佐々木ゆうき議員】

海浜病院は心臓血管外科の休止により、経営面では休止以前から比べて5億から6億もの医業収入が減っていることと、手術を行なった市民が近くで診てもらえない不便をきたしていることから再開が必要であること。高齢化などへの対応として整形外科の再開が求められてことなど、海浜病院に求められている医療ニーズは大きなものがあります。

 美浜区や花見川区の市民からは海浜病院について、「絶対に必要な医療機関、病院である」ことや「夫が海浜病院にお世話になった。残ってほしいと思っている」「病院に対して市民一人ひとり、様々意見はあると思うが、病院があることで助かっている」など海浜病院をより充実してほしいという願いは強いものがあります。

 こうした地域医療との関係からも診療科目の再開・充実などが海浜病院に求められているのではないですか。

【病院局次長答弁】

海浜病院では、第4期病院改革プランに基づき、高齢者医療の充実に取り組んでいるところであり、昨年度から、高齢者に必要とされる領域の形成外科・泌尿器科の手術を開始しております。今後、高齢者医療に多く求められる診療科である整形外科の充実や、心臓血管外科の手術再開についても、検討を進めていくこととしております。

 

【佐々木ゆうき議員】

青葉病院の病床稼働率は昨年度80%、海浜病院は約65%であり、病床稼働率の改善が求められています。青葉病院も海浜病院も紹介患者の確保等による病床稼働率の向上をめざしていますが、さらなる工夫が必要と考えますが、現状の取り組みと今後どう取り組むのか、伺います。

【病院局次長答弁】

現在、両市立病院では、経営改善の取組みの一環として、病院の医師自らが、地域の医療機関を訪問し、病院に関する情報の提供や意見交換等を通じた連携を深めることにより、紹介患者の確保に努めております。今後は、患者に関する状況について、紹介元の医師に対し、より迅速・丁寧に報告を行うことなどにより、地域の医療機関との連携を密にしながら、取組みを推進して参ります。

 

【佐々木ゆうき議員】

海浜病院が公立病院として市民の命と健康を守る役割を果たすよう強く求めておきます。

 

2.国民健康保険制度について

【佐々木ゆうき議員】

(1)国民健康保険料について

 今年度から国民健康保険制度が広域化となり、県が財政運営の主体となりましたが、国からの財政措置が増えなければ国民健康保険制度の運営は困難であり、所得の低い方の多くが加入するなどの課題はなくなりません。全国知事会が財政支援について、今後も国の責任において確実に実施することや、国定率負担の引き上げなど様々な財政支援の方策を講じることなどを求めています。

 2016年7月4日の自民党の社会保障制度に関する特命委員会は「医療に関するプロジェクトチーム」を開き、国保の都道府県化に関して地方関係団体のヒアリングを実施した際に、当時の全国知事会の社会保障常任委員会委員長の栃木県知事は、国民の保険料負担の公平性と将来にわたる国保財政の基盤強化の観点から、「協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには約1兆円が必要との試算がある」として保険料格差是正の必要性を要望されています。

千葉市において国民健康保険料を「協会けんぽ並み」に引き下げた場合に、加入者1人あたりの本人負担の保険料はどの程度引き下がる計算になるのか、伺います。

【保健福祉局長答弁】

国保料は世帯の人数や世帯の総所得を元に計算するのに際し、協会けんぽの保険料では、世帯主の所得を元に計算することなどから、保険料を一概に比較することはできませんが、年間所得100万円の40歳以上の2人世帯の場合、千葉市国保では、今年度の年額保険料は16万1,950円となり、同様の世帯が協会けんぽに加入していた場合の年額保険料は18万 4,276円で、事業者負担を除いた本人負担は9万2,138円となり、1人当たりの差額は約3万5,000円となります。

 

【佐々木ゆうき議員】

千葉市では、年間所得100万円の2人世帯の場合の保険料は、所得の16.19%となり、「協会けんぽ」では事業主との折半で、個人の保険料率は報酬月額の5.73%となっていることからも、全国知事会や全国市長会が政府に要望する国庫支出金の増額について、具体的な公費の活用策と被用者保険や他自治体との保険料格差の是正を示して国に強く要望することが必要ではないですか。

【保健福祉局長答弁】

国保料は、他の被用者保険に比べると、所得に占める保険料負担の割合が大きいこと、また、今後も医療費の増加傾向が続く見込みであることを考慮すると、保険料の負担軽減を図るには、広域化に併せて実施された公費拡充では不十分であると認識しています。国保制度を真に持続可能なものとするためには、更なる公費の拡充が不可欠であることから、政令指定都市と連携して、国に対し、引き続き、公費拡充の要望をしております。今後も状況を注視しつつ、必要な働きかけを行ってまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

千葉市の国民健康保険制度では、災害などで所得が激減した人の保険料を納付義務者からの申請に基づき、「一時的・臨時的」に減免する仕組みの他に、所得が200万円未満の「ずっと困っている」世帯を助ける市制度があります。しかしながら、そもそも所得の低い方の多くが国保に加入しているのは、国保制度の課題であり、本来、低所得者の保険料を減免するのは、その費用を国庫負担で実施するべきと考えますが、見解を求めます。

【保健福祉局長答弁】

国保料については、国の制度として、世帯総所得が一定の基準以下の世帯の場合に、被保険者均等割額及び世帯別平等割額を7割、5割、2割軽減する制度があり、軽減分は公費で補填しております。また、本市では、所得200万円未満の世帯を対象に1割減免を実施しています。国保の加入者には高齢者が多いことから、医療費水準が高く、低所得者が多いことは、国保の構造的な問題であることから、国民皆保険の制度設計の責を負う国が、保険料の負担軽減も含めて、制度のあり方の検討を行うべきものと考えています。

 

【佐々木ゆうき議員】

今年度、市は保険料の引き上げを行ないませんでしたが、広域化後の県への納付金などの歳出に見合った保険料への改定を行っていくとして、来年度以降は3%程度の保険料上昇が見込まれています。保険料の滞納世帯は加入世帯の20%を超え、滞納世帯の88%が所得200万円以下の世帯です。常態化となっています。

ただでさえ所得の1割以上になっている国保料がさらに払えない世帯を増やすことになるのではないですか。一般会計からの繰り入れを増やして、保険料の上昇を抑え、払える保険料にしていくことを改めて求めます。お答え下さい。

【保健福祉局長答弁】

高齢化と医療の高度化などにより医療費の増加傾向が続き、これに伴い保険料も上昇が見込まれています。本市としては、保険者として実施できる歳入確保と歳出抑制の取組みを推進することで保険料の上昇抑制に努めた上で、今後も低所得世帯の負担増に配慮しながら、必要な保険料の改定を行っていきたいと考えています。低所得世帯に対しては、法定軽減制度があるほか、本市独自の減免制度も実施しています。保険料の軽減のためには、所得の状況を把握する必要があることから、低所得者の方にも所得を申告していただき、着実に軽減制度が適用できるよう、努めてまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

都道府県化実施後も「一般会計の繰り入れは自治体の判断でできる」「生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ない」と厚生労働省は答えています。市民の立場に立って保険料の値下げや抑制に取り組むための努力を千葉市はすべきです。

(2)保険料滞納世帯への保険証交付について

 滞納世帯からの正規保険証取り上げは、以前と比べれば減少していますが、受診抑制による重症化や全国的にみても死亡事例が後を絶ちません。

保険料の滞納状況によって交付される窓口10割負担の資格証明書と6か月ごと交付される短期保険証について、今年8月1日現在の各区での交付状況について示して下さい。所得の未申告世帯、所得なし世帯を含め所得200万以下の世帯の資格証明書と短期保険証の交付世帯は、それぞれ資格証又は短期保険証を交付する世帯の何割を占めていますか。お答え下さい。

【保健福祉局長答弁】

資格証明書の交付世帯は、中央区296世帯、花見川区144世帯、稲毛区598世帯、若葉区137世帯、緑区306世帯、美浜区98世帯、合計1,579世帯です。短期被保険者証の交付世帯は、中央区3,885世帯、花見川区2,401世帯、稲毛区1,530世帯、若葉区3,157世帯、緑区1,032世帯、美浜区1,158世帯、合計13,163世帯です。資格証明書交付世帯の内、所得200万円以下の世帯の割合は85%、短期被保険者証世帯については80%となっています。

 

【佐々木ゆうき議員】

各区でそれぞれ交付されている世帯が、特に稲毛区と緑区が世帯の割合から見ても交付割合が高い状況にありますが、資格証明書と短期保険証の取り扱いについて、機械的な交付となっていないのか、医療を必要とする方や世帯の状況を把握・分析しているのか、伺います。

【保健福祉局長答弁】

資格証明書の交付は、保険料が1年以上の未納のある世帯に対し、機械的に行うのではなく、文書や電話などで可能な限り滞納者との接触を図り、その世帯の状況把握に努めております。そのうち、一時的に支払いが困難な世帯については、納付意思の確認に努め、今後の納付計画を立てた上で、特別な事情の申し出を促し、短期被保険者証を発行しております。また、短期被保険者証は6カ月以上未納のある世帯に交付していますが、交付に当たっては、窓口交付を活用し、納付交渉の機会を設け、世帯の状況の把握に努めるなど適切な運用を行っています。

 

【佐々木ゆうき議員】

繰り返しになりますが、国民健康保険制度は相互扶助の制度ではなく、国保法第1条にあるように「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と社会保障制度としての役割があります。国民皆保険という本来の役割に照らして、国に国保法第9条の保険証取り上げの制裁措置規定の改正を求めるとともに、特に資格証世帯の状況を把握して、まずは保険証を交付して対応するよう求めます。お答え下さい。

【保健福祉局長答弁】

資格証明書については、督促や催告など何度も働きかけを行い、滞納世帯の状況把握に努めたにも関わらず納付交渉に応じず納付意思が確認できないなど、やむを得ない場合に交付しているものであります。保険料は、国民健康保険事業を支える重要な原資であり、保険料をお支払いいただいている他の多くの被保険者との公平性の観点から重要であると考えていることから、国に 国保法の改正を求めることは考えておりません。

 

【佐々木ゆうき議員】

病気と貧困から市民の命と健康、暮らしを守る医療保険制度へと改革・改善することを求めておきます。

 

3.安心して住み続けられるまちづくりについて

【佐々木ゆうき議員】

(1)立地適正化計画について

 先日3日から「千葉市立地適正化計画(案)」に対するパブリックコメント手続きが開始されました。「将来の人口減少を見据え、居住や都市機能を生活利便の高い区域へ緩やかに誘導する計画」としています。

千葉市のまちづくりの大本となる都市計画マスタープランと同じように、千葉市の20年後のまちづくりのあり方を決める立地適正化計画について、年末から1月初めという市民が最も忙しい時期にパブリックコメント手続きを実施することは適切ではありません。今からでも期間を延ばすことや、各区での説明会を複数開催するなどして、広く市民の意見が寄せられるようにすべきではないですか。

【都市局長答弁】

立地適正化計画の策定に当たっては、策定までのステップとして、市民の皆様に意見を伺う機会として2段階で行うことを考え、まずは、計画の基本方針として「骨子」を策定するために、計画の骨子案の段階で、パブリックコメント手続に準じた1か月以上の期間の市民意見募集や8回の説明会等の開催などを経て、広く市民の皆様からご意見を聴取できるよう計画策定を進めて参りました。このたび、この骨子に基づき作成した「立地適正化計画案」についても、多くの市民の皆様にご理解いただけるよう、通常のパブリックコメント手続に加え、今月からの各区における説明会等の開催や、都市計画審議会への意見聴取等において、計画案や関連する情報について積極的に提示するとともに、市民の皆様のご意見を伺いながら策定を進めてまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

今回の計画で位置づけられた「都心」・「重要地域拠点」・「地域拠点」にアクセスしなくても日常生活サービスを享受できる連携地域拠点に、花見川区の花見川団地やこてはし台団地、さつきが丘団地、稲毛区のあやめ台団地、若葉区の大宮台団地となっています。選定された基準として、人口集積状況、拠点からの距離、公共交通ネットワークを挙げていますが、それ以外の大規模住宅団地についての位置づけはどうなるのか。

【都市局長答弁】

「連携地域拠点」は、「団地人口が3,000人以上の人口集積」、また「鉄道駅を中心とした都心、重要地域拠点、地域拠点から2キロメートル以上の距離があること」、さらに「幹線的なバス路線により、主たる交通結節点までのネットワークとして1日あたり100本以上のバス運行が確保されている」を条件とし、設定しております。連携地域拠点以外の大規模住宅団地等については、「居住促進区域」として設定しております。

 

【佐々木ゆうき議員】

「千葉市立地適正化計画」の基本方針である①生活の利便性が維持できるエリアへの居住促進、②拠点への都市機能の集約、③郊外の無秩序な開発の抑制は、千葉市で言う千葉都心、蘇我副都心、幕張新都心における駅前などの開発を進めたことや、郊外におけるミニ開発などを野放しにしてきたことに反省もなく、計画を進めることは、住民が置き去りされていると認識しないのか。

【都市局長答弁】

立地適正化計画は、住民を置き去りにするものではなく、将来人口減少、少子高齢化を迎えるにあたり、持続可能な都市構造の形成を緩やかに進め、定住環境を確保していく計画と考えております。

 

【佐々木ゆうき議員】

市民は住み慣れた地域で暮らし続けたいと願っています。住み続けるためには、小学校区規模の単位での日常生活圏での整備が求められます。こうした単位での日常生活に必要な公共施設を計画的に整備するのが居住地計画の基本であるとされています。そうした地域は住みやすく、計画にあるような区域ではない地域では住みにくくなり、公共施設の統廃合や日常生活圏を考慮しない立地適正化計画は、住民の生活を混乱させるものとなります。

 コンパクト化や集約型都市構造への転換、中心市街地への開発と立地の集中、公共施設の統廃合は、市民の暮らしに大きく影響するものであり、「住民福祉の増進」という本来の役割を果たすまちづくりこそ必要と考えないのか。

【都市局長答弁】

住民の福祉の増進を図ることを基本として、都市行政の観点から、人口減少と少子高齢化を迎えるにあたり、公共交通沿線を中心に住宅及び生活機能の立地を緩やかに誘導し、持続可能な都市構造の形成を図っていくことが必要と考えています。

 

【佐々木ゆうき議員】

(2)海浜ニュータウンについて

 美浜区の主要駅である稲毛海岸駅や検見川浜駅は、市民が日常生活を送るうえで必要なサービスの提供を受けられる「地域拠点」として位置づけられています。各拠点に共通しますが、「拠点ごとの誘導施設は市が新たに整備するものを示したり、市や国などが施設整備の支援を約束するものではない」とされており、駅から徒歩圏内を基本とするとされています。そこで伺います。

海浜ニュータウンである高洲・高浜・磯辺・真砂について、立地適正化計画で具体的にどのような方針でまちづくりを進めようとしているのか、伺います。

【都市局長答弁】

高洲・高浜・磯辺・真砂については、「居住促進区域」と定め、同エリアに設定する検見川浜駅や稲毛海岸駅周辺の「都市機能誘導区域」へのアクセスを確保し、地域の人口密度を維持することで、将来、都市の人口減少、少子高齢化が進展しても、生活サービス等が持続できるよう取組んで参ります。

 

【佐々木ゆうき議員】

主要幹線道路においては公共交通ネットワークが確保されていますが、以前の質問でも事例として挙げた海浜病院行きのバス路線の減便が地域によっては続いており、「海浜病院行きのバスが少なくなり不便」との声が高洲第一団地の地域住民から寄せられています。

計画には、地域参画型コミュニティバスの導入推進など示されていますが、「総合交通政策の見直しが必要」との記述にとどまり、市内の交通不便地域とともに高齢化が著しい海浜ニュータウンにおけるバス交通の維持と向上についても検討を急ぐ必要があるのではないですか。お答え下さい。

【都市局長答弁】

海浜ニュータウンにおけるバス交通は、JR総武線と京葉線の各駅への結節や幕張新都心と千葉都心への結節という2つの東西南北の交通軸を維持向上させることが重要と考えております。今後は、立地適正化計画の策定を踏まえ、持続可能な公共交通の形成を目指し、新たに「地域公共交通網形成計画」の策定を予定しておりますので、この取り組みの中で海浜ニュータウンにおける地域課題のひとつとして検討してまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

立地適正化計画にも大きく関わる海浜ニュータウン内のUR都市再生機構の賃貸住宅である高洲第一・第二団地については、地域医療福祉拠点に位置づけられています。「子育てのため、介護のためなど、必要に迫られ転居するのではなく、住み慣れたまちで、いつでも『ずっと暮らし続ける』という選択肢を、団地から」と目的に掲げるURとの連携について、市はどのような方向性で進めるのか。

【総合政策局長答弁】

高洲第一・第二団地では、都市再生機構、いわゆるURが、平成28年から地域医療福祉拠点に位置付け、現在そのあり方について検討を始めたところであり、URが目指す「多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち」の実現に向け、URと連携を図るとともに、URと居住者がパートナーシップを構築できるよう、まちづくりに携わる関係所管と連携し、地域の関係者を繋ぐ役割として関わって参ります。

 

【佐々木ゆうき議員】

総じて言えば、千葉都心・蘇我副都心・幕張新都心などへ集中した大規模開発で、人口減少を切り抜けようとするこれまでのやり方を転換して、市民生活の向上と福祉の増進、安心して住み続けられるまちづくり、市民参加で取り組むべきです。

(3)UR都市再生機構の賃貸住宅について

 昨年9月に全国公団住宅自治会協議会が実施された「第11回団地の生活と住まいアンケート」結果によれば、全国218団地・約8万3千世帯からの回答があり、①世帯主65歳以上が約68%と高齢化と単身世帯40.8%と増加していること、②年金受給世帯は実に7割を超えていること、③8割近い世帯が「家賃負担が重い」と回答していること、④公団住宅に住み続けたいが74%と、高齢化で移転が困難となり、終の棲家として「住み慣れた団地に住み続けたい」という希望が強く現れていることからも、UR都市再生機構の賃貸住宅は住民にとって「公共住宅」としての役割を果たしています。特に花見川団地、千草台団地、千葉幸町団地など大規模団地のある千葉市では一層そのような役割が求められています。そこで伺います。

全国公団住宅自治会協議会が実施されたアンケートへの見解と、千葉市におけるUR都市再生機構の賃貸住宅の果たしている役割について、まず伺います。

【都市局長答弁】

 本市のURの賃貸住宅は、昭和40年代以降の高度成長期において、首都圏で働く中堅勤労者向けの良質な居住環境の住宅を大量に供給し、人口増、延いては本市の発展に大きく寄与したものと考えております。アンケート調査の結果を見ますと、時代を経て、入居者の高齢化や年金生活者、単身世帯などが増加していると認識しております。また、UR賃貸住宅は、本市の住宅セーフティネットの一翼を担い、市民の居住の安定に寄与しているものと考えております。

 

【佐々木ゆうき議員】

今年4月26日に都市建設委員会で視察したアートヒル高根台における「団地再生」では、従前戸数4,606戸のうち事業区域2,729戸が1,111戸と高層棟へと建て替えられました。いわゆる余剰地については民間へ分譲されるなどして戸建て住宅やマンション、保育園、特養老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、スーパーなどが整備されています。私が気になったのはやはり家賃で、従前の団地の間取り2DK・40㎡から50㎡になり、㎡あたり1,050円から1,600円となり、家賃も4万、5万円から8万円となり、「戻り入居」された世帯と他のUR賃貸への移転はほぼ50%ずつとのことでした。

近隣の八千代市の村上団地では、管理戸数2,500戸のうち500戸余りを「集約型」団地再生として位置づけられ、居住者が転居を余儀なくされている事例もあります。

UR都市再生機構は、新たな「ストック再生・再編方針」が今年度中に策定予定とされていますが、先行して実施されている団地との関係では、住民に不安が生じているのが実態です。現在の居住地から転居を余儀なくされれば、居住者にとって引越しなどを含めて大きな負担となり、高齢者であれば他に住める場所が限られてしまいます。居住者の居住・住環境の安定のために、市としてURに働きかけることをあらためて求めます。お答え下さい。

【都市局長答弁】

年度内に、URが新たに定める「UR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョン」は、2019年度から2033年度までの間にUR賃貸住宅ストックに対して、高経年化した団地の一部又は全部建替え、集約化などストックの多様な活用についての方向性を定めるものと聞いております。URでは、これまでも、建替えや環境整備のために居住者の移転が必要となる時には、同一団地内の空き家や他のUR賃貸住宅をあっせんしております。今後、URが建替えなどのストック再生を実施する際には、居住者の居住・住環境の安定に配慮し、URが目指す多様な世代が安心して居住可能な環境整備を実現できるよう、働きかけてまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

家賃の減免については、都市再生機構法第25条4項で「居住者が高齢者、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者でこれらの規定による家賃を支払うことが困難であると認められるものである場合又は賃貸住宅に災害その他の特別の事由が生じた場合においては、家賃を減免することができる。」とされており、団地住民の「家賃を引き下げてほしい」という願いに応えることについても、URに実施を求めるべきではないですか。

【都市局長答弁】

UR賃貸住宅の家賃については、都市再生機構法により、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定めることとなっていますが、低所得高齢者世帯などを対象として、国からの支援などを受け、家賃減額措置を適切に講じることとしておりますので、その動向を注視して参ります。

 

【佐々木ゆうき議員】

畳やふすまなどの取り替えは、最初から入居している世帯については自己負担となっており、経年変化や通常使用によるものであれば賃借人の負担でなく、家主の負担が当たり前になっています。現在のURの賃貸借契約では、畳やふすまの張り替えをはじめとして、洗面器の陶器、台所の換気扇など81項目もの修繕が入居者負担です。昨年改正された民法のもとで今年3月に、国土交通省は賃貸借契約時の参考となる「賃貸住宅標準契約」を改定し、畳の表や障子紙の張り替えなどを貸主負担とするよう変更されています。

URは居住者負担で修繕する区分の見直しを2020年4月までに行うとしています。長年暮らしている方からは「修繕してほしい」との声が寄せられています。10月22日に日本共産党として行なった国への交渉でも、国土交通省は「2020年の民法改正を待たずに見直しを検討する」と答えており、自治体からも見直しを急ぐよう後押しするよう求めます。お答え下さい。

【都市局長答弁】

賃貸住宅標準契約は、国が借主と貸主の賃貸借契約を巡る紛争を防止し、借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を図ることを目的として、モデル的に作成したもので、2020年(平成32年)の4月1日に予定されている民法改正法の施行に向けて、広く普及に努めているものと認識しております。現在、URにおいても法改正に合わせた対応を検討中と聞いておりますので、その動向を注視して参ります。

 

【佐々木ゆうき議員】

【5】先ほどの立地適正化計画との関連で質問した地域医療福祉拠点化の取り組みについて、URは地域によって課題は様々であり、それぞれの地域に必要な要素の導入を目指して、自治体や関連団体、住民と連携・協力して取り組むとしています。特に介護施設数が少ない海浜ニュータウンについては、現在の住まいを活用した介護・医療を受けられるようにしていくことも高齢者社会への対応として求められてくるのではないか。そうした検討についてもURと協議していくことが必要ではないですか。

【総合政策局長答弁】

高洲第一・第二団地の一部では、URが既存の住戸を活用し、高齢者が安全に住み続けられるよう、バリアフリー化した健康寿命サポート住宅に改良するとともに、訪問医療、訪問介護に使用する自動車の駐車スペースなどを確保しております。また、第二団地においては、URが団地内の一部敷地を活用し、少子高齢化対応拠点施設の整備・運営を行う事業者を募り、施設整備を進めることとしております。

引続き、このような取組みが行われるようURに働きかけてまいります。

 

【佐々木ゆうき議員】

「住まいは人権」に反するようなことが行われてはならない。千葉市におけるUR賃貸住宅の果たしている役割からも居住者の願いに応えるよう求めておく。

 

4.美浜区の諸問題について

【佐々木ゆうき議員】

(1)マンホールトイレの整備について

 美浜区で避難所となる学校のマンホールトイレの設置は、千葉市の中で初期に行われており、各地域では設置箇所が適切でないなど、使い勝手が悪いとの意見が出されています。

美浜区町内自治会連絡協議会からも「稲浜小学校避難所の下水型トイレについて」と区要望として出されていたり、その他の避難所運営委員会の会議などでも、マンホールトイレの機能が果たせるのかという話にもなっています。そこで伺います。

初期に設置された美浜区の各避難所におけるマンホールトイレについて、避難所となる高洲第三小学校の体育館からマンホールトイレまで距離がありすぎて非常用井戸からも遠い問題や、他の学校のマンホールトイレの設置箇所等の課題をつかむ必要があるのではないですか。

【建設局長答弁】

震災発生時に使用するマンホールトイレは、耐震性能を有する下水道管に接続する必要があることから、既存の汚水桝への接続を基本とし、学校管理者と協議のうえ設置して参りました。このため、高洲第三小学校などの一部のマンホールトイレについては、避難所となる体育館からの距離が遠いことなど、利便性についての課題が生じていることは認識しております。

 

【佐々木ゆうき議員】

【2】マンホールトイレ未設置の避難所への設置を急ぐこととあわせて、美浜区の避難所に設置されたマンホールトイレの設置箇所等の改善に向けて、取り組むこと求めますが、見解を伺います。

【建設局長答弁】

マンホールトイレについては、2023年度を目標に避難所となる全ての市立小中学校などの整備を最優先に進めておりますが、改善についても、関係部局と連携して避難所運営委員会と調整を図りながら、有効な対策を検討して参ります。

 

【佐々木ゆうき議員】

現状のマンホールトイレを有効に活用できるようにするのか、付け替えるのか、地元・学校など関係者とよく相談していただいて、改善が図られるよう求めて、一般質問を終わります。

  • 千葉市
  • 千葉市議会
  • 過去の千葉市議団ホームページ
  • JCPサポーター
  • 共産党のキホンのキホン
  • 日本共産党国会論戦MOVIE

ページTOPへ