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日本共産党東京都議会議員団

クロスセクターベネフィットの視点からデマントタクシーに取り組むべき!野本信正議員一般質問〔2018年第4回定例会〕

野本信正議員の一般質問と答弁(要旨)            2018.12.11

 

 

1 商店街の振興について

【野本信正議員】

郊外型大型店に押され地域商店街は衰退し、シャッター通りが広がり、超高齢社会の下いわゆる買い物難民が増えていて社会問題になっている。

 大型店にお客が流れる原因の一つに、商店街には駐車場がないことである。路上駐車をすれば、駐車違反で反則金が取られるため、お客はこなくなり商店街は寂れる大きな原因になっている。

 私は2008年第一回定例会本会議で、福井県鯖江市が商店街にお客を取り戻すために商店街と市役所・警察とで協議し、福井県公安委員会に駐車禁止区域の解除を働きかけた結果、市民は買い物のために60分駐車が可能になり、商店の利用を広げていることを紹介し、千葉市での具体化を求めた。

これを受けて千葉市経済部は、実践元気商店街手引書に「鯖江市方式」を紹介して、「相談に乗ります」と働きかけた。

 2012年には産業支援課の海保課長が先頭に立ち、千城台の商店会及び自治会と話し合いを持ったがその後進展がない。

必要性を感じたから手引書に紹介し地元と協議したのに、その後6年間放置してきた理由はなにか。

【経済農政局長答弁】

H24に商店会及び自治会との話し合い後も、市産業振興財団のコーディネーターを中心に、当該商店会を継続的に巡回相談で訪問しており、駐車禁止の解除についても意見交換を行い、ニーズの確認を行っている。地域商業の活性化は重要であると認識しており、ニーズの把握に努めているところですが、今後も引き続き当該商店会との意見交換を行っていきます。

 

【野本信正議員】

2014年の議会質問に市は「商店街と自治会の合意が数年かかる」と答弁して、進展しないのを地元の責任にしているが、この6年間千葉市からは地元に何等働きかけが無いのは「市の積極性がない」「商店街の活性化に意欲が欠如」しているのではないのか。買い物客の駐車のため駐車禁止を解除している自治体は、横浜市の本牧通り横須賀市の2か所などがある。

 私は11月16日、横浜市の本牧通り商店街を視察し、1.8キロメートルを歩きながら商店の話を聞いてきた。肉屋、八百屋など食品や日用品を扱う店は、駐車できる午前11時から午後3時までに買い物客が来て、飲食店はお昼の時間に店の前に車が何台も止まり食事を楽しみ、全体として賑やかになり効果が出ていることを体感してきた。本牧通りの取り組みについてどう評価するのか。千葉市にどのように生かすのか。

【経済農政局長答弁】

 商店会等地域の皆さんが地域特性等を踏まえ、積極的に警察に働きかけ実現に至ったもので、一定の成果があったと聞いており、参考になる事例だと認識しています。また、本牧通りの取り組みを本市において、そのまま導入することには課題があると考えていますが、駐車場対策に悩む商業者に対し、解決手法の一例として紹介するなどの対応を行っていきます。

 

【野本信正議員】

どうも心に響く答弁が帰ってこない。経済農政局長は12月4日、若葉区小倉台と千城台の商店街を視察されて、商店側の説明で「わずかな時間で買い物客の車が警察にチェックされて1万円を超す反則金をとられることになり、『2度と買い物にこない』と言って帰った」こうしてお客がへっている。「売り出しの時を狙って一日3回、4回も取締にくる」鯖江市や本牧通りのように買い物時間に駐車が可能になるように、市も努力してほしいと懇願されていた。この商店の人々の切望をどう受け止めたのか。

千葉市も道路が広くて安全が確保できて、効果がありそうな商店街や自治会と話し合いをすすめ駐車禁止を解除できるように実践し、活性化のために、本気で取り組むことを求めるがどうか。

【経済農政局長答弁】

 買い物客の駐車スペースに課題を抱えており、駐車禁止の緩和要望があることは認識したところであり、買い物客、商業者にとってメリットがあると思われます。しかし、駐車対策については、地域商業活性化に向け重要な視点ではありますが、商店会としての合意や近隣住民の皆さんの理解をはじめ、道路の幅員、通行量などを考慮した交通安全対策も重要であり、それぞれの商店会の交通環境を踏まえ、事例の紹介等を行っていきます。

 

【野本信正議員】

千葉市では商店街を応援する事業がH22年度から次々と廃止されゼロになってしまった。

廃止した理由と、廃止した事業名と合計の予算額について述べられたい。また、商店会年末セールなどイベントに、直近の千葉市からの補助金はいくらか。

【経済農政局長答弁】

 H22年度以降、見直した事業は「空き店舗対策」「商人賑わい塾」「商店街プラン作成」「商店街チャレンジ活動」「地域連携活動」「一店逸品創出」で、見直し予算額は1,340万円です。理由は、補助対象事業が夏祭りの開催など地域活性化の観点で行われることが多く、事務事業の見直しを行い、区役所が実施する事業に統合したことによるものです。この事業での商店会に対する支援は、近隣大学との連携による空き店舗を活用したワークショップの開催や、地元商店主を中心としたマルシェへの支援実績等があります。なお、年末セール等に対する補助制度は、市商店街連合会が行っており、昨年度は1商店会当り1万円を5商店会に助成し、補助額は計5万円となっています。

 

【野本信正議員】

商店街にお客が増えて街が元気になるために、またシルバーカーを引いた人も含め高齢者が、身近なお店で買い物ができるためにも、商店街の活性化は絶対必要と思うがどうか。

【経済農政局長答弁】

 身近な商業機能の維持・向上は重要だと認識しています。現在、商業者は近年の消費者の新たな購買行動への対応はじめ、事業承継への対応など様々な課題に直面しており、地域商業を取り巻く環境の変化に対応した支援が、活性化の上で必要だと考えています。このような変化に対応するため、市産業振興財団と連携し、新たな支援事業を展開しています。今後も、消費動向の変化や商業者の支援ニーズを把握するなどで効果的な事業を検討していきます。

 

【野本信正議員】

そのためにも熊谷市政9年間で廃止した事業のうち、今に役立つ事業は復活し、新たに効果的な事業を創出することを提案するがどうか。

千葉市の80か所ある商店会はで、年末セールをしている商店街は合計14か所。商店会への年末セールなどイベントに千葉市からの補助金は、千葉商店街連合会を通じて5商店街5万円。一商店会当たりに対して1万円しか応援していない。一方企業誘致には年間7億7,200万円も注ぎ込んでいる。

商店街に対し千葉市の方針は、地域住民に良好な買い物環境を提供するとある。 答弁と実態の乖離はなぜか。また、もう少し恥ずかしくない応援をすべきと思うがどうか。

【経済農政局長答弁】

 身近な商業機能の維持・向上を図るためには、個店の魅力向上が重要であり、このことが地域商業の活性化にもつながるものと考えています。そこで、商店街単位の利用に限定せず、個店や商業者グループなどが幅広く利用できる制度で支援を行っています。具体的には、環境の変化に対応する時流に即した商業者の取り組みを支援するため、商品開発や販路開拓に向けた「商学連携型支援事業」や、新た商業の担い手を創出するための「商業者の創業支援事業」などを実施していますが、商業を取り巻く環境は絶えず変化しており、引き続き支援の充実に努めていきます。

 

【野本信正議員】

商店街街路灯は夕方から朝まで街を明るくして、町の防犯にも大きく貢献しているが、閉店が相次ぎ維持管理ができない商店会が増えている。

街路灯撤去費用も無いので、せめて街路灯ポールの撤去費用は、市が補助金を交付すべきではないのか。そして、防犯に必要な街路灯は自治会に移管できるように、市が費用負担をして実施するよう求めるがどうか。

【経済農政局長答弁】

 商店街街路灯の維持管理が困難となった場合、一定の要件下で、防犯街灯として町内自治会等への移管を認めることで、継続して維持管理できるよう制度化を図っていますが、費用負担の問題などから移管がスムーズに進まないケースもあることは承知しています。このことから関係局と連携し、移管や不要なものの撤去を円滑に進める適切な手法を検討するため、商店街街路灯の状況把握に努めていきます。

 

【野本信正議員】

商店街を応援する事業を、熊谷市政が全部廃止した。商店会の売り出しに一商店会に年間たった1万円、全体で5万円。維持できなくなった街路灯ポールの撤去費用の補助金も認めない。駐車場対策 鯖江市方式、2012年に千城台で相談会を開催後、市は全く動かない。商店街の方針を言葉だけでなく本気で取り組むことを求めるがどうか。

【経済農政局長答弁】

 商業機能の維持・向上を図る上で、商店会構成員の経営力強化や売上の増加が重要であるとともに、事業承継や新たな担い手の育成なども必要だと認識しています。今後も、商業者を取り巻く環境の変化を的確に捉えるとともに、財団コーディネーターや本市職員による巡回相談等で把握した商業者の支援ニーズを真摯に受け止め、効果的な支援事業を展開することで、積極的に地域商業の活性化を図っていきます。

 

2 市税の増収について

【野本信正議員】

 市財政の根幹である市税収入について、そのうち固定資産税の増収と、法人市民税の増収について質問をしたい。

 固定資産税のうち土地の評価は前面や側面の道路に基づき路線価で決めている。

千葉市はS57年より海岸に面し船が接岸できる護岸を持っている企業に対しては、水際線影響加算を行い、税額を増やしている。

 企業の港に船が接岸されて原材料や製品を降ろしたり積んだりすることで、企業用地は道路と同じあるいはそれ以上に価値が上がるので、その評価を加算して税額を増しているのが、水際線影響加算である。

水際線影響加算の概要と、千葉市が取り入れた理由及び加算率と、当初から今日までの年度ごとの税収とその合計について示されたい。

【財政局長答弁】

 水際線影響加算は、水際に所在し、荷物の積み降ろしを行うための専用埠頭がある企業敷地は、利便性が増大していることで、その評価額を加算するため導入したものです。専用埠頭の推進に応じて評価対象土地の路線価に加算され、具体的には6メートル未満の場合は3%、6メートル以上12メートル未満の場合は4%、12メートル以上の場合は5%が加算されます。導入年度からの税収の増加額は、S57年度からH10年度までが35億5,958万円、H11年度から20年度までが17億8,048万円、H21年度からH29年度までが8億2,656万円で、これまでの合計は61億6,662万円となっています。

 

【野本信正議員】

水際線影響加算によって今日まで合計61億6,662万円という答弁である。水際線影響加算が千葉市財政にこれだけの増収をもたらした。

 千葉市が水際線影響加算を取りいれた経過について当時の会議録を読み返してみると次のように記録されている。 

 昭和54年1979年、第4回定例会の私の代表質問では、野本議員「次に水路価方式について、大工場や臨海地区が前面に護岸を抱え、船舶が係船できる利点を捕らえ画地計算の補正を行いことである。この際水路価方式を取り入れて増収をはかるべきだ」、松井市長「水路価方式は国の評価基準に反映されていない」ので実施できない。野本議員「市長の答弁は税務当局が書いたものと思うが、こういうことを勉強していない。先進市では課税している。水路価方式で新しい財源の確保を求める」

 以上のように私の提案に松井市長は、「国が認めていないので、実施できない」と答えたがそれは間違いであって、先進市では実施していることを指摘。その後、水際線影響加算が実現して、今日まで合計61億6,662万円の税金、自主財源を増やすことができた。議会は、市政のチェックと共に、対案や政策を示し市政をリードすることが仕事であり、水際線影響加算の提案は市財政に貢献できた。

次の提案は加算率を引上げ、税収を増やすことである。

千葉市の加算率は、企業の護岸6メートル未満が3%、6メートル以上12メートル未満が4%、12メートル以上が5%であるが、神奈川県横須賀市は9メートル以上が5%である。千葉市も横須賀市並みに9メートル以上を5%にすれば、H29年度決算時の税額で、約260万円の増収が見込まれる。是非検討し具体化することを提案するがどうか。

【財政局長答弁】

 水際線影響加算は、土地の適正な評価のために導入され、税収増につながったと認識しています。加算率の引き上げは、同加算が専用埠頭による土地の利便性の増加を捉えて導入したものであり、3年後の評価替えに向けて千葉港に入港する船舶の数やトン数の推移などから、改めて専用埠頭の利便性の状況を把握する戸で、加算率の水準について検証していきます。

 

【野本信正議員】

共産党市議団は法人市民税について、資本金10億円超法人の市民税均等割に対して、制限税率上限の課税をして、およそ4億2,100万円の増収をはかるように一貫して提案している。

法人市民税の均等割、資本金10億円超の標準税率は、7号8号9号と3区分されている。それぞれの標準税率と制限税率を示されたい。

また、千葉市内の資本金10億円超法人は何社あるのか。制限税率までの引上げは、地方自治体独自の権限で実施できるので、実現を求めるがどうか。

【財政局長答弁】

 法人市民税の均等割の資本金10億円超法人の標準税率と制限税率については、法人市民税の均等割税率は地方税法で資本金と従業者数で区分し定められており、標準税率の1.2倍が制限税率とされています。資本金が10億円を超え、50億円以下の法人で従業者数が50人以下の場合は、標準税率は41万円、制限税率は49万2,000円、従業員数が50人を超える場合は、標準税率は175万円、制限税率は210万円となっています。また、資本金が50億円を超える法人で従業者数が50人以下の場合は、標準税率は41万円、制限税率は49万2,000円、従業者数が50人以上の場合は標準税率は300万円、制限税率は360万円となっています。市内の資本金10億円超法人数は、H29年度決算ベースで2,349社です。制限税率までの引き上げについては、税収増加で財源確保につながることは認識しているが、本市の法人市民税で、既に法人税割の超過課税を実施しており、均等割の引き上げで法人への更なる負担を求めることは、慎重に検討する必要があると考えます。

 

【野本信正議員】

およそ、4億2,100万円の増税の対象になる。資本金10億円超法人は2,349社で、一社当たりの平均増税額は18万円ぐらいである。

いま大企業はアベノミクスと、金融緩和で空前の利益を上げ、さらに法人税減税により、安倍内閣の5年間に100兆円を超す内部留保をため込んでいる。

 千葉市の資本金10億円超の大企業2,349社も同様であり、少し市民に還元すべきである。また一社当たり18万円の増税は、経営に与える影響は考えられない。 市税収入の増収を真剣に追求する構えがあるのなら、制限税率上限の課税を実施するよう求めるがどうか。

【財政局長答弁】

 提案頂いた税率の引き上げが税収増加につながることは理解しているが、現在、本市の法人市民税は、法人税割の超過課税による収入が、法人割全体の15%を占めています。また、均等割は赤字の法人にも課税されているため、法人の更なる負担増は、経済状況の変化や法人税制の改正議論を踏まえ、財政上の必要性や他の施策に与える影響など幅広い視点から、今後の課題として慎重に検討していきます。

 

3 高齢者及び交通不便地域住民の外出支援について

【野本信正議員】

高齢者及び交通不便地域住民の外出を支援することは重大な社会問題となっている。共産党市議団はこれまで、敬老乗車券の復活や、モノレールのサービス券の利用時間を早めること、コミュニティバスの充実、デマンドタクシーの運行など提案してきた。

千葉市都市局はデマンドタクシーの必要性について議会で、「今後急激に進む人口減少や高齢社会に対応した、交通不便地域における公共交通機関の確保については、基本的には地域の負担を前提とし、デマンドタクシーも含め、様々な方策の検討が必要」と答えている。

質問するが、この答弁を聞くと熊谷市政は、外出支援が必要な高齢者や交通不便地域に住んでいる住民と地域は、外出支援サービスを受けるためには、費用負担をする前提がないとサービスは受けられない、特別の受益を受ける住民は特別の負担が必要だということになるが確認をしたい。

【都市局長答弁】

 今後、急激に進む人口減少や超高齢社会を迎えるにあたり、高齢者の外出支援や交通不便地域での移動手段の確保は重要な課題だと認識しています。このため、地域の方々が必要としている公共交通に対しては、地域住民が主体となって、本市と交通事業者及び地域住民が連携して支えていく取り組みが必要であり、本市としては「地域参画型コミュニティバス等運行支援制度」により支援することにしています。なお、運行にあたっては、利用者となる地域住民を中心に運行協議会を設立し、地域特性を考慮した上で、運行計画や資金計画を検討することになります。具体的には、移動や外出には費用がかかるものであり、運行経費を全て運賃収入で賄うことが難しいと予想されるため、地域住民が積極的に利用し、受益を受ける地域も運行経費の一部を負担することで、自ら移動方策を維持するとともに、地域社会全体で支えると言う活動に、本市も助成するものです。

 

【野本信正議員】

デマンドタクシーの効果について、私は11月12日、東金市の乗り合いタクシーを視察してきた。折よく役所におられた、千葉市役所職員出身の鹿間市長が気さくに応対してくれて、乗り合いタクシーの予約をするオペレーター室を案内してくれた。乗り合いタクシーは、市内全域が対象地域になっていて、利用者は電話で予約し、自宅まで迎えにきて目的地に送り片道400円で帰りも予約で家まで送ってくれ、住民から大変喜ばれている。

乗り合いタクシーを利用する効果にについて東金市は、「皆様の生活スタイルを変える道具になり、外出が増えることで、まちが活性化し、元気になります。買い物、病院、理髪・美容院など、行けなかった、行ったことがない場所に行くことができて、新しい発見もできます。」「家族のだれかがいないと連れていってもらえなかったが、気兼ねなく行ける。いつでも行ける。」

東金市の事例に対する感想を述べられたい。また千葉市がデマンドタクシーを運行した場合、同様な効果があると思うがどうか。

【都市局長答弁】

 東金市が運行経費の一部を負担している乗合タクシーは、高齢者の外出機会が増加し、消費拡大やまちの活性化などの効果が得られていると考えられます。また、本市がデマンド型乗合タクシーを運行した場合の効果については、高齢者の外出が今まで以上に増え、地域への経済効果は上がるものと考えます。

 

【野本信正議員】

高齢者が元気になれば医療費が減り国保財政も抑えられるし、認知症の軽減、介護予防にもつながると思う。経済効果は買い物することと、公民館の文化祭などに出演するため美容院に行くことや、衣装をそろえることもあり、経済に多様な効果をもたらしている。このようなメリットを認識しているのか。

 「クロスセクターベネフィット」の視点から、デマンドタクシーに取り組むべきではないのか。

【都市局長答弁】

 高齢者の外出が活発になることは「クロスセクターベネフィット」の視点から、相乗効果は期待できると考えます。一方で、デマンド型乗合タクシーの導入にあたり、地域住民の意向とともに路線バスとの役割分担や本市と地域がどこまで負担できるかの課題について、交通事業者とともに十分検討し、高齢者も含めて交通不便地域での地域住民の効率的な移動手段方策を支援すべく対応していきます。

 

【野本信正議員】

東金市の乗り合いタクシーのスタートは、H24年だが現在まで利用者はどんどん増えていて、コミュニティバスと競合する地域でも、両方とも利用者が増えている。タクシー会社の収入も増えている。事業費は利用者の負担金、国の補助金、市の負担で賄っている。

 質問するが、乗り合いタクシーに対する東金市の位置付けは、鉄道、路線バス、コミュニティバスに加えて乗り合いタクシーを合わせて、それぞれの特性を生かした公共交通機関として、市民の交通を確保していると説明されたが、どう受け止めるか。 また、千葉市も鉄道、モノレール、路線バス、コミュニティバスに加えて絶対必要な公共交通機関の一つとしてデマンドタクシーを位置付けて、市の責任で運行することを重ねて求めるがどうか。

【都市局長答弁】

 東金市では、地域特性等に見合った市民の交通を確保していると受け止めています。本市では、広域的な公共交通機関であるJR線や京成線の鉄道、高速バスを基軸に、都市内交通機関のモノレールをはじめ、路線バスやコミュニティバス、タクシーがそれぞれの特性を生かし、市民の交通として成り立っていると認識しています。また、本市の「地域参画型コミュニティバス等運行支援制度」では、交通不便地域の移動手段の一つとして「デマンド型乗合タクシー」を位置づけています。今後は、本市が主体となり地元調整などを実施するとともに、交通事業者との調整を行い、将来的には地域住民が主体となって自らの移動方策を確保できるよう取り組んでいきます。

 

【野本信正議員】

高齢者や交通不便地域に住んでいる住民と地域は、特別の受益を受けると言う考えは、市民を分断するものである。

 コミュニティバスまでは市が責任を持つが、デマンドタクシーの外出支援サービスを受けるためには、費用負担することを前提とする方針は撤回すべきではないのか。

【都市局長答弁】

 高齢者も含め交通不便地域での移動手段の確保は、地域社会全体で支えていく必要があると考えています。デマンド型乗合タクシーの運行も含む「千葉市地域参画型コミュニティバス等運行支援制度」としては、本市と交通事業者及び地域住民が連携の下で運行することになり、地域住民を中心に運行計画のほか、資金計画では運賃以外の地域負担についても検討が必要と考えています。この考えのもと、本市が地域住民と協議していく中で、デマンド型乗合タクシー導入のメリット、デメリットをしっかり説明し、地域負担の在り方についても本市は積極的に関わっていき、地域の方々と検討していく方針です。

 

【野本信正議員】

私はこの間、デマンドタクシーを運行する幾つかの自治体を視察してきた。視察したある自治体の幹部職員は、「公共交通機関の整備、デマンドタクシーの運行は、電気・ガス・水道のライフラインと同じ。どこの地域に住んでいても同じサービスを受けられるように取り組んでいる」と説明された。

 この説明を、その通りと思うのか、思わないのか。千葉市もデマンドタクシーをライフラインと同じように、どこの地域に住んでいても同じサービスを受けられるように運行することを求めるがどうか。

【都市局長答弁】

 公共交通や高齢者も含め交通不便地域での移動手段は、地域の方々の日常生活などを支えるサービスだと十分認識しており、一般的にはその地域に見合った効率的な移動方策が必要不可欠と考えています。今後は、本市が主体となり、市民アンケートなどの実施で、具体的な利用者ニーズを把握するとともに交通事業者との調整などを行い、その地域に見合った移動方策の実現につながるよう努めていきます。

 

【野本信正議員】

最後に服部副市長に質問する。

1、公共交通機関は、鉄道・モノレール・路線バス・コミュニティバスを利用できない市民に対して、デマンドタクシーを運行することで総合的な公共交通ネットワークが確立する。2、公共交通機関の整備はライフラインと同じである。電気・ガス・水道のライフラインと同じどこの地域に住んでいても、公共交通について同じサービスを受けられるために、デマンドタクシーの運行が必要である。

デマンドタクシーについての基本方針は、①公共交通機関の一つ、②公共ライフラインと同じ③「クロスセクターベネフィット」の視点の3点を基に取り組むことが必要だと思うがどうか。

また、「クロスセクターベネフィット」の視点から、デマントタクシーに取り組むことである。公共交通機関に積極的に投資することで、高齢者の外出機会を増やし、結果的に介護予防につなげていけば、社会全体としてコスト抑制につながる。このように「ある部門の取り組み(出費)が、他部門の利益(節約)つながる」ような効果を「クロスセクター効果」といい、地域が目指す「将来増」を考える上で、公共交通や街づくり、医療・福祉なども含めた、幅広い視点で捕らえることが重要である。

 千葉市は、デマンドタクシーの運行を受益者負担が前提などと目先の負担軽減にこだわるのではなく、指摘した3点を基本として、幅広い視点からデマンドタクシーの運行を行うべきと思うがどうか。

【服部副市長答弁】

 公共交通は、都市の社会経済活動を支えるライフラインの1つであり、デマンド型乗合タクシーは交通不便地域の方々の移動手段の1つとして認識しています。また、高齢者などの外出機会が増えることは、「クロスセクターべネフィット」の視点から、一定の相乗効果が期待できるものと考えています。地域の方々が必要としている移動手段は、地域自らが移動の足を維持・確保していくと言う意識醸成が肝要であり、その上で本市と交通事業者及び地域住民が連携し、地域の方々が積極的に利用し、地域社会全体で支えていくことが重要と考えています。デマンド型乗合タクシーの運行にあたっては、路線バスとの役割分担などの課題もあり、持続可能な公共交通の形成に向け、今後予定している「地域公共交通網形成計画」の策定の中で、現状の地域や各交通事業者がかかえる課題等を十分に調査するとともに、課題解決のため行政・交通事業者・地域住民などで構成する協議会を設置し、地域特性に応じた多様な交通サービスの組み合わせや地域住民の協力を含む関係者の連携などについて議論し、誰もが気軽に外出できる交通網の編成をめざしていきたいと考えています。

 

4 若葉区の諸問題について

【野本信正議員】

(1)踏切の安全について

 若松町中広踏切の改善については、地元自治会連合会が重点要望事項として市に働きかけてきた。私は、若松町中広踏切を拡幅して、歩行者が安全に通行できるように、また踏切事故を未然に防ぎJRの安全輸送を保証するために、H20年の質問以来何回も質問し、住民と共にJR交渉もしてきた。

中広踏切の、通過電車数や踏切の遮断時間、通過車両や歩行者の実態などについて明らかにされたい。

【建設局長答弁】

 国土交通省関東地方整備局が取りまとめた、H26年踏切台帳データによると、電車の運行本数は1日271本で、ピーク時1時間当り20本となっており、踏切の遮断時間は1日5.9時間で、ピーク時1時間当り25.1分となっています。また、1日当たりの交通量は、自動車が4,432台となっており、歩行者が858人となっています。

 

【野本信正議員】

中広踏切を拡幅し改善することは急がれているが、今までの経緯と計画の概要について明らかにされたい。

【建設局長答弁】

 「中広踏切」は、H13年に歩行者の安全をはかるため、早期にできる対策として踏切内及び前後道路のカラー化を実施しています。その後、24年に道路管理者、鉄道事業者などによる「関東地区踏切道連絡調整会議・千葉県分科会」で、「改良の実施に向けた協議をすべき踏切」に位置づけました。しかし、市内には「中広踏切」に先行して改善に向け協議を進めていた踏切が2か所あり、「大網海道踏切」「西雷踏切」「中広踏切」の順に改良を行うことにしました。現在、「西雷踏切」の整備の見通しがついたことから、JR東日本と「中広踏切」の事業化に向け、協議を行っているところです。計画の概要については、協議中ではありますが踏切内の片側に歩行空間を設置することを検討しています。

 

【野本信正議員】

早期改善を求めるが、見通しについて。

【建設局長答弁】

 現在、事業中の「西雷踏切」の整備完了後の2020年度以降に着手する予定としています。今後、速やかに工事着手できるよう、測量や設計を行うとともに、引き続きJR東日本と協議、調整を行っていきます。

 

【野本信正議員】

(2)御成街道の改善について

御成街道を利用する車両は、千城台・小倉台住民や、国道51号から川崎十字路方面を結ぶ道路として、交通量が増えていると思うが実態はどうか。

【建設局長答弁】

 御成台1丁目交差点から金親町交差点間の交通量は、昼間の12時間でH20年度は5,442台のところ、27年度には5,743台となり、約300台増加しています。

 

【野本信正議員】

国道51号から川崎十字路方面を往復する車両が、御成街道を利用することにより、千城台・小倉台住宅街の交通量を少なくしている効果は大きいと思うが。

【建設局長答弁】

 御成街道は、昼間の12時間で約6,000台の車両が通行していることから、千城台・小倉台の交通量に与える影響は大きいものと考えています。

 

【野本信正議員】

御成街道利用者は、ちょうちん塚の手前から、シャトレーゼ間の道路拡幅と、アップダウンの解消を強く望んでいる。御成街道の危険な実態を質すと共に、アップダウンで対向車が見えず事故を起こした事例はないか。

【建設局長答弁】

 当該区間は、幅員が4.7メートルから5.3メートルと幹線道路としては狭いうえ、300メートルの間に大きなアップダウンが2か所あり、対向車が見づらい状況になっています。なお、事故原因は特定できませんが、H24年からの5年間では交差点部での自動車同士の事故が4件発生しています。

 

【野本信正議員】

ちょうちん塚付近の一部を削る事業の概要と、これによってなにが改善するのか。

【建設局長答弁】

 ちょうちん塚付近の交差点は、公園の法面によって見通しが悪くなっているので、今年度、この法面の一部を削り、舗装面を最大1メートル程度広げる工事を予定しています。これにより、交差点での視認性の向上が図られると考えています。

 

【野本信正議員】

アップダウンを解消し道路幅を拡幅する事業概要と見通しについてはどうか。

【建設局長答弁】

 道路勾配がきつく、狭小な道路になっていることから、できる限り勾配を緩和し、安全に通行できる拡幅整備に向け、現在設計を行っています。今後は、公安委員会など関係機関と協議を進め、早期の着手を目指していきます。

 

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