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日本共産党東京都議会議員団

市長と議員ボーナス引き上げは市民理解得られないため中止を! もりた真弓議員が討論〔2018年第4回定例会〕

 

もりた真弓議員の反対討論                 2018.12.14

 

 

 日本共産党千葉市議団のもりた真弓です。

会派を代表して、市長提案12議案中、議案第123号と議案第126号、議員発議第21号に反対し、発議20号が否決され、請願4号・請願5号が不採択になったことについて討論を行ないます。

 

 議案第121号・千葉市一般会計補正予算については賛成をするものですが、いくつか指摘をしておきます。

特別養護老人ホーム整備費助成事業の2億3,198万円の継続補正です。

平成29年補助事業者として、初穂会から選定後約1年を経過して、辞退の申し出があり、次点の千歳会が整備をすることとなりました。特養の整備は準備が大変であることは理解しますが、こうしたケースは初めてであり、再発防止を求めるとともに、市の整備計画に遅れがあってはならないことを指摘しておきます。

 

つぎに、熱中症対策と教室エアコン整備についてです。

熱中症対策ですが、我が会派は9月議会でPTA寄付でしか冷水機が整備されていない問題点を指摘し、それを受けて今回学校現場にアンケート調査をしてニーズ把握したうえで全校に冷水機整備することは評価するものです。なお、学校現場での管理負担が少なくなるよう、自動洗浄機能付き冷水機の設置を求めるものです。

 大型扇風機については、児童生徒の安全に配慮した指導を行ない運用すること、また今後は体育館にエアコン整備が実現できるよう設置検討を進めることを求めておきます。

 

 教室エアコン整備の補正予算についてです。

共産党市議団は、一貫して議会質問で早期整備を求めてきました。市民からの請願は2014年以降11本もあがるなかで、全ての請願と陳情に賛成してきた立場として、本補正予算で整備に向けた動きが進展したことは評価するものです。しかしながら、来年の夏も猛暑の環境となるなかで、とりわけ小学校においては2020年夏の稼働ではなく、来年夏からの稼働を目指して全力をあげることを強く求めておきます。またリース方式においては国庫補助がないことから、市としてもリース方式においてもエアコン整備に伴う国からの予算措置が受けられるよう国に働きかけることも求めます。なお、施工に関しては地元業者の多数が参加できるように求めておきます。

 

 議案123号・千葉市職員の給与に関する条例等の一部改正についてです。

職員給与の改定には賛成ですが、特別職の改定には反対をするものです。

その理由は、1つに、財政健全化の理由で市民への福祉カットを続けてきたこと、とりわけ直近は心身障害者福祉手当カットや、おむつ給付支給事業の大幅切り下げなど、真に困っている市民の福祉を切り下げていること。高すぎる国保料が払えず医者にも行けない市民がいること。財政危機を理由に予算がないという理由で、市民の願いを抑えていることなどからです。

2つに、安倍政権の下、格差と貧困はより一層拡大しました。18歳未満の子どもの貧困率は深刻で、13.9%、7人に1人の子どもは年収122万円以下で暮らしていて、ひとり親世帯の貧困率は50.3%と2人に1人です。また、わずかな年金で必死に暮らしている市民が千葉市にも多数いることです。

3つに、市長の期末・勤勉手当は約695万円で、カットした後でも約556万円と高額です。今回の引き上げでさらに高額にすることになります。

 このような状況の下でほとんどの市民は、特別職の期末・勤勉手当引き上げは理解できません。市民感情と著しく乖離しています。引き上げを自粛して市民生活に福祉に使うことを求めます。

 

 議案第124号・千葉市廃棄物の適正処理及び再利用等に関する条例の一部改正についてです。

 本議案は、これまで対象としてきた事業用大規模建築物の所有者の他に、事業用大規模建築物の基準に満たないものの、前年度年間36トン以上の事業系一般廃棄物を排出した事業所の事業者を「事業系一般廃棄物多量排出事業者」とし、減量計画書の提出等を義務づけ、改正する議案です。廃棄物の減量に繋がるものなので賛成しますが、以下指摘を述べさせていただきます。
 1つに、廃棄物の主なものは"生ごみ"であります。この生ごみの排出抑制や再資源化等の対策への取り組みを進めることを求めておきます。

 2つに、意見聴取で「人件費及び経費を確保出来ない為、ごみの分別や減量に取り組むことは難しいが」という事業者から意見が出されていたことを加味し、事業者任せにせず、チェーン店の本社等への協力の呼びかけ、及び働きかけも含めた支援を求めておきます。

 

 議案第126号・千葉市都市公園条例の一部改正についてです。

 この議案は、現在整備中の蘇我スポーツ公園の円形野球場を有料公園施設として供用日、供用時間を定め、新たに指定管理者に管理を行なわせ、利用料金の上限を定めること。道路占用料条例に定める額を根拠として、都市公園条例における占用物件の一部について、占用料の改定を行なうものです。

 スポーツの振興については否定するものではありませんが、これまで、蘇我スポーツ公園を含む蘇我特定地区整備は多額の事業費となっていること。このうち蘇我スポーツ公園だけで327億円の整備費用となっており、市民生活・福祉を犠牲にしてまで整備を急ぐべきではありません。

 

 議案第132号・指定管理者の指定についてです。

 千葉市ふるさと農園の管理運営を、株式会社塚原緑地研究所に5年間運営を委託するものです。

そもそも指定管理制度は、管理経費の縮減が目的となっており公共施設になじまず、公共施設の管理運営は市の責任で行うべきということは申し上げておきます。しかし、人員減などの影響もあり、我が会派としては、社会福祉法人やNPOなどの非営利団体は認めてきた経過もあります。今回は、自主企画事業を増やしていく計画になっており、地元の賑わいの創出にも繋がる可能性があることから、推移を見守りたいと考え、本議案については賛成という判断をしました。ただ、いくつか気がかりなことがありますので、指摘をさせていただきます。
 1つめは、管理経費の縮減を自主企画事業で賄う計画になっており、計画がきちんと実施出来るか不透明であります。計画がきちんと実施されるように、広報などの周知や交通アクセスについての市の支援を求めておきます。

2つめは、現在働いている従事員の継続雇用についても、事業者任せにせずに市も働きかけをしていくことを求めておきます。

 

発議第20号・千葉市国民健康保険条例の一部改正についてです。

この発議は、子育て世帯の保険料を減免するものです。特に均等割り保険料は、年齢や所得に関係なく、一律に定額が課せられていることは、以前から関係者の間で問題になっており、全国知事会などの地方団体からも「均等割」見直しの要求が出されています。さらに、他の保険では子どもが何人いても保険料は同じであり、バランスを考えても子育て世帯の保険料は軽減すべきです。

 委員より「反対する理由はない。子どもが多いほど国保料が高いのはおかしい。」と賛成の意見がありましたが、その他の委員が「皆保険の維持、国の責任で検討すべき。」「減免制度で一人当たりの保険料があがり、一般会計から繰り入れることは考えていない、政令市で国に要望している」ため、「国がやるべき」「国保は広域化になっており様子を見るべき」と反対し、共産党と無所属の賛成で否決となったことは、極めて遺憾です。

 子どもの数が多いほど国保料が引きあがる「均等割」は子育て支援に逆行しています。国保料を低所得者や家族が多い世帯に重い負担にしている「逆進的な負担」をなくして、所得に応じた国保料にするには、国の責任は当然ですが、千葉市も努力するべきです。

 

 発議第21号・千葉市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正についてです。

 市民の代表である議員は、市民感情を理解することが絶対必要であり、熊谷市政9年間に、財政健全化を理由に議会多数の賛成で切り下げてきた、福祉と市民生活に関わる事業により、我慢を押し付けられてきた市民のことを考えれば、議員の期末手当引き上げは中止すべきです。

 また、市民生活の実態は消費税率が5%から8%に引き上げられて以来、家計消費は、年間25万円も落ち込み、景気は低迷したままであり、天引きされる介護保険料などで受け取る年金は超高齢化社会の下で、暮らしの不安を抱えている高齢者が多数います。こういう時に市民の代表である市議会議員は、期末手当引き上げを自ら発議するようなことを中止して、引き上げ分は市民福祉向上にあてるよう求めます。

 

請願第4号・千葉市の教育に関する請願についてです。

全千葉市教職員組合から署名1,261筆と共に提出された、教室エアコン設置と教員やカウンセラー、特別支援教育支援員等の増員を求める要望や、老朽化校舎の雨漏り等の改善のために教育予算拡充を求めるものです。

現時点の状況を確認したところ「特別支援教育支援員は60校をこえる学校から要望があり、現在は40名の配置で全ての要望には応えられていない」こと、また、老朽化した校舎の雨漏りや樹木剪定については「雨漏りや剪定など老朽化対策改善要望には、5~6割程度しか対応できていない」との状況が明らかになりました。こうした現状があるなかで、他会派は「願意が満たされている」として反対したことは極めて遺憾です。

エアコン設置は進展することになったものの、教員はじめカウンセラーや特別支援教育支援員や老朽化改善などの教育現場からの要求に応えられていない以上、市議会として子ども達の教育環境を少しでも前進していく立場に立って、賛成していただくことを強く求めておきます。

 

 最後に、請願5号・国民健康保険制度の充実を求める請願です。

 一般会計から繰り入れを行ない、国民健康保険料の引き上げは行わないことを求める請願です。国保料の滞納者が、全国で289万世帯、加入世帯の15%を超えています。日本医師会も低所得者の保険料の引き下げを求めています。4人に一人が国保であり、保険料は協会けんぽの1.3倍、組合健保の1.7倍であり、国保の保険料は高すぎます。

 他会派からは「皆保険を維持するためには予防医療が大事だが、医療費増加分をみんなが負担するもの。」「市が繰り入れすれば、健全な医療になるのか。」「所得に応じた保険料になっている。」などの理由で、共産党以外の会派が反対の態度をとったことは誠に遺憾です。

 国保は、所得は低いのに「協会けんぽ」に比べ、保険料が高すぎます。年収96万円の夫婦2人世帯で年間18万円以の保険料を払ったら、あとはどうやって暮らせばいいのでしょうか。国も法定外繰り入れをすべて禁じているわけではないのですから、支払い可能な保険料を目指すのは、住民のいのちと暮らしを守る自治体として当然です。

 国保料の問題は、住民の暮らしと健康を守るためにも、国保制度の持続可能性にとっても、社会の公平・公正を確保するうえでも、重要な政治課題であることを強調して、会派を代表しての討論を終わります。

 

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