海浜幕張病院は存続し、診療科目充実へ! 佐々木ゆうき議員が一般質問〔2019年第1回定例会〕
佐々木ゆうき議員の一般質問 2019.3.5
1.病院行政について
【佐々木ゆうき議員】
昨年12月27日に、第1回千葉市病院事業のあり方検討委員会が設置されました。あり方の検討を行う趣旨では、①将来の医療ニーズを把握し、その需要にあった対応をしていく必要性。②海浜病院の建て替え等について早急に結論を出す必要性。③早急な経営の健全化の必要性となっています。
自治体病院は、地域医療構想による病院再編成からの急性期病院の削減、「新公立病院改革ガイドライン」などの国による締め付けなど、国による自治体病院の統合、削減、再編成など自治体病院を取り巻く環境は厳しくなっています。
国のこうした流れもある中で、千葉市における病院事業の「検討すべき課題」では、市立病院の診療機能・規模、2病院体制または統合等、立地の医療提供体制、公営企業法全部適用の継続または経営形態への移行となっています。
第1回目のあり方検討委員会に私や中村きみえ議員が傍聴しましたが、出席委員から出された意見について概要をお示し下さい。
【病院局次長答弁】
第1回の委員会では、千葉保健医療圏及び両市立病院の現状と課題として、市内医療機関の医療の提供状況や、患者数の将来推計、患者の受療動向、救急医療などの政策的医療の現状を報告するなど、今後の審議に当たって必要な情報について、委員との共有を図りました。これに対して、委員からは、海浜病院の老朽化への対応、両市立病院が担っている現在の機能を活かすこと、各病院の役割分担や機能分化も含め、経営的な観点も考慮しながら検討すべき、などの意見がありました。
【佐々木ゆうき議員】
両市立病院の「統合」に関係する発言では、「遠い話だが、先を見据えて考えると統合型の病院になっていかないとなかなか赤字は消えない、長い将来を見据えてある程度統合も考えて」という委員や、「海浜病院を中心として丸を描けば、半分は海という患者さんが来ない場所に位置している立地条件の問題もある。最終的には機能分化を進めていただいて、統合が正しいのかどうかも含めてまずは機能分化を進める、そして立地条件を検証する」という委員もいました。
市長はツイッター上で、「医療体制について(2病院体制又は統合等、立地)を検討するだけで」とのツイートの最後に「繰り返しますが閉鎖は検討していません」と発信されています。
伺いますが、市長として千葉市の西部地域における医療体制の必要性について、あらためて見解を求めます。
【病院局次長答弁】
病院事業のあり方検討では、千葉保健医療圏の現状分析などをもとに市が確保すべき必要な診療機能やその提供体制などについて、検討することとしております。
現在の海浜病院は、周産期医療や小児医療などの政策的医療に対応しているほか、美浜区を中心とした市西部地域の医療ニーズに対応していることは、十分認識しております。これらのニーズに応えられるよう、他の医療機関との役割分担などを踏まえながら、様々な視点で検討を進めていきたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
「市西部の医療ニーズに対応していることは十分認識している」としながら、「海浜病院を今後も残す」「建て直す」と明確にお答えいただけないからこそ、市民が不安になるわけです。そこは明確に答弁すべきではありませんか。
【病院局次長答弁】
病院事業のあり方検討に当たっては、市が確保すべき必要な診療機能などについて、有識者のご意見を伺う必要があることから、昨年の12月に、病院事業のあり方検討委員会を設置し、諮問したところであります。委員会の答申は、本年の8月を目指しており、その答申を踏まえて、方向性の検討を行って参ります。
【佐々木ゆうき議員】
以前も申し上げましたが、市長が公立病院における医療に対する理解がなければ持続・発展していきません。存続と診療科目の充実を求める署名、短期間で市民のみなさんから2200筆が寄せられ、昨日提出しました。重く受け止めていただきたい。
近隣自治体で、小児医療など医療体制が薄い状況から、海浜病院が受け入れを行なっている状況もあり、広域で必要とされている病院であることを、数値や受け入れ状況などからお示し下さい。
【病院局次長答弁】
海浜病院の小児・周産期関連の診療科における、市外からの入院患者の受入状況は、昨年度の実績で、小児科では、 326人で、全体の14.1%、産科では、164人で、全体の21.2%、新生児科では、87人で、全体の33.5%となっており、全体的に高い割合を占めております。
【佐々木ゆうき議員】
現場の海浜病院長がその点をしっかりと答えています。「なぜNICUを増やしていったのかと言うと、受けられないと赤ちゃんが遠くの施設に行かざるを得ない。あまり低出生体重児が得意でないところに行ってしまうと非常に申し訳ない。そういった意味で最後の砦としてやっている」「現場として一番考えていかないといけないことは、特に海浜病院の場合は高齢者をどうやってケアしていくか。地元の美浜区・花見川区の高齢者の方々をしっかりケアできるまで診療科は整備されていない。高齢者の方は整形外科的な課題が非常に多くある。近くの病院でないと行きにくい、75歳以上では特に交通弱者になってしまう、そういった方々を市民目線で見ていくことが、自治体病院としてやっていかなければいけないこと」と発言されています。通院にもバス路線が少なく、タクシーを利用せざるを得ない状況は今後も増えていきます。
海浜病院は市内だけではなく、市外からも緊急に患者を受け入れる広域的な病院としての役割を果たしています。高齢者医療に必要な整形外科、泌尿器科など、その機能と診療科目の充実をさせて公立病院として維持、発展させ、海浜病院に通院するための公共交通へのニーズにも対応を図ることが必要ではないですか。
【病院局次長答弁】
海浜病院では、第4期市立病院改革プランに基づき、高齢者医療の充実に取り組んでいるところであり、昨年度から高齢者に必要とされる領域の形成外科・泌尿器科の手術を開始しております。今後も、高齢者医療に多く求められる整形外科の充実などについても検討を進めていくこととしております。また、海浜病院へ通院しやすくするため、交通アクセスの向上を図ることは重要であると認識しており、関係する公共交通機関への働きかけを行うなど、改善に努めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
前回の質問で、市民とともに病院事業に関する「シンポジウム」等の開催を提案しましたが、病院運営委員会やあり方検討委員会の公開などの答弁にとどまりました。日本共産党市議団は、「市立海浜病院の存続を求める集い」を開催し、参加者との意見交換などを行ないました。参加された市民からは「病院、医療機関の現状と課題がわかった。国・自治体が補てんして当然の事業。拠点病院として充実を」求める意見。医療関係者からは「海浜病院の紹介するケースは一番多く、病院がなくなったら患者さんをどこに紹介すればよいのか。民間委託されたら不採算部門は切り捨てされかねない」と指摘がありました。市民などが意見を述べる場所が求められています。
あり方検討委員会設置条例には、「委員会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。」とされています。他の条例にも臨時委員の記載があるわけですが、医療ニーズを把握するというあり方検討委員会の趣旨からすれば、地域をよく知る自治会関係者、病院を利用されている方も委員として加えるなど、地域医療構想の中で両市立病院がそれぞれ何を担うべきなのか、市民を含めた議論が必要と考えます。お答え下さい。
【病院局次長答弁】
委員会では、千葉保健医療圏の現状分析などをもとに本市が確保すべき必要な診療機能、あるいは、医療の質や経営の効率性を踏まえた病床規模や経営形態など専門性の高い内容について審議をいただくこととしております。このため、新たに委員を加えることは考えておりませんが、委員会の答申を踏まえて、基本構想等を検討するに当たっては、市民の意見を伺う必要性は認識しており、その方法や時期については、今後検討してまいります。
【佐々木ゆうき議員】
市民への情報公開と説明責任が問われます。「1 市民が必要とする安全・安心な医療を一人でも多くの市民に提供する。2 健全な病院経営を確立し、市立病院を持続発展させる。」としていながら、あり方検討委員会で議論されていることが、しられていないのが現状です。あり方検討委員会での議論、検討課題について、様々な広報媒体を活用して、あり方検討委員会への傍聴を市民に広く知らせることを求めます。あわせて、病院事業のあり方検討委員会の第2回の開催日時を示して下さい。
【病院局次長答弁】
第1回の委員会の開催に当たっては、事前に報道機関に情報提供を行い、比較的多くの報道関係者や市民が傍聴に参加されました。第2回の委員会は、3月25日の午後7時からを予定しており、引き続き、開催のつど、報道機関に情報提供を行うほか、会議後においては、会議資料や議事録等を公開することなどにより、会議内容について情報提供を図ってまいります。
【佐々木ゆうき議員】
経営の問題について、公立病院は民間には困難な政策的医療を担っているわけです。自治体病院にはそもそもそうした任務が課せられている状況の中で、経営改善は必要なことではありますが、黒字にすることを目標にしてしまったら、市民に必要な政策的医療を切り捨てが懸念されます。政策的医療に必要な一般会計からの繰り入れを、また赤字であっても市民が納得できる赤字かどうかにあると考えますが、見解を伺います。
【病院局次長答弁】
病院経営の健全化を図りつつ、一般会計からの繰入を行いながら政策的医療を提供し、市民が必要とする安全・安心な医療を一人でも多くの市民に提供することは、市立病院の重要な使命であると考えております。
【佐々木ゆうき議員】
千葉保健医療圏の中で、千葉大学病院から医師を派遣している関係もありますが、派遣されている医師にも「市立病院がなぜ必要なのか」、「どういった責務を果たしているのか」、共通認識にしていくことが必要です。そこへの取り組みとともに、医療を専門とする経営幹部を配置するなどして、総合的に病院事業を管理する職員を配置すべきと考えますが、お答えください。
【病院局次長答弁】
「市立病院の使命」や「果たすべき役割」を掲載した、「第4期千葉市立病院改革プラン」の説明会や病院情報システムへの掲示を通じて、医師を含む職員に対する共通認識を図っております。また、事務職員の専門性の向上は、必要性を認識しており、今年度、民間病院等での職務経験があり、一定の専門的なスキルを有する者を病院局の事務職員として採用しました。当局においてさらに知識や経験を積むことで、将来的に院長等の経営幹部を支援し、経営戦略、中・長期計画の策定、経営分析等を行う経営人材として育成する取組みを始めたところであります。
【佐々木ゆうき議員】
両市立病院の地域連携室は、「病院や診療所との窓口として医師をはじめ、看護師、社会福祉士、事務員が配置され、かかりつけの先生からの患者さんのご紹介から報告まで様々な問い合わせ等に対応」されています。今後も地域医療、市民との関係からも役割を果たすことが求められます。同室の職員も含めて、地域の自治会や病院、福祉団体等との連携を行い、健康講座などの開催を粘り強く行なって、さらに信頼される病院になることを求めます。お答え下さい。
【病院局次長答弁】
両市立病院の地域連携室では、退院後の患者の支援に向けた地域の医療・介護従事者との連携はもとより、地域の医療従事者を対象とした症例検討会や、介護福祉従事者も対象とする公開研修等を開催しております。また、看護部等でも、地域の方々を対象とした公開の健康講座等を開催しております。今後も、市民に信頼される病院を目指し、地域連携の強化に努めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
海浜病院のことについて地域のみなさんにお話を聞くと、そのほとんどの方が必要としている病院です。公立病院として存続して、市民の医療ニーズに応えた病院へと発展させることを強く求めておきたいと思います。
2.立地適正化計画について
【佐々木ゆうき議員】
立地適正化計画との関係で、「自治体戦略2040構想」~人口減少下において満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するかをテーマに議論が行われています。「都市のスポンジ化」や人口集中地区(DID)の低密度化の進行への対応としての「一定の集積を維持」するために立地適正化計画が位置付けられており、人口減少の下での新たな危機への対応として、新たな自治体行政の考え方が示されています。
こうした国での議論や、都市再生特別措置法の改正により、立地適正化計画の本質である人口減少を口実にした、公共施設の統廃合計画との連携、駅周辺への開発、政府の「下請け機関」のように都心や拠点への集中につなげるのではなく、まちづくりの根本は市民とともにどうつくっていくかが基本ではないのか。
【都市局次長答弁】
立地適正化計画は、持続可能な都市構造を形成し、将来、人口減少、少子高齢化を迎えても定住環境を確保するための計画であり、その実現のため、引き続き市民参画のまちづくりとして取組んで参ります。
【佐々木ゆうき議員】
1月29日に行われた都市計画審議会での承認を経て、今年3月に立地適正化計画が策定されることになるわけですが、審議会での議論を反映させて、計画を進めるのか、伺います。
【都市局次長答弁】
都市計画審議会においては、計画案について原案のとおりご承認いただきましたが、今後、計画を進めるに当たり、公共交通に係る取組みとの一層の連携、計画の周知、千葉市らしさの取組みの検討に配慮すべき等のご意見を頂きましたので、充分留意して取組んで参ります。
【佐々木ゆうき議員】
計画の策定が前提で今後進められていくわけですが、20年後のまちづくりを市民と考えるために、若い世代の意見を吸い上げていくことが必要になりますが、策定した自治体においても、そこが一番苦労されているとのことです。
計画策定が終わりではなく、市民が主体となってまちづくりに参加してもらう取り組みについて、様々な広報媒体や都市局として地域に出向いて、自治会など地域団体との懇談、施策の検討にあたっての意見聴取などを取り組むべきですが、見解を伺います。
【都市局次長答弁】
今後の計画推進に当たっては、関係局とも連携を図り、市民参加と協働によるまちづくりに努めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
立地適正化計画への市民への意見や審議会の議論の中でも特徴的だったものは、「地域公共交通の充実」と「団地の活性化」でありました。これは計画策定にかかわらず、従来から要望や意見が出されていた課題です。まずは地域公共交通の充実について、地域公共交通網形成計画の策定に取り組むことや、今回議案として出されている地域公共交通活性化協議会が設置され、地域公共交通のあり方などを交通事業者などの委員も入れて検討していくことになると伺っていますが、バスの減便などで公共交通の不便を余儀なくされている市民も入れて対策を考えるべきではないですか。
【都市局次長答弁】
地域公共交通活性化協議会の構成員につきましては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律第6条の規定に基づき、鉄道やバスなどの地域公共交通の利用者として、公募市民の委嘱を予定しております。
【佐々木ゆうき議員】
これまでも指摘してきましたが、千葉市は独自の公共交通網を持っていません。民間バス事業者は、不採算の路線はバスの本数を減らし、撤退していきます。市は民間任せではなく、公共交通に責任を持って住民の足を確保すべきではないのか、伺います。
【都市局次長答弁】
公共交通は、地域の方々の日常生活などを支えるサービスであると認識しており、持続可能な公共交通の形成には、地域特性を踏まえた交通サービスの提供と、これに対する地域住民のニーズのバランスが必要と考えております。 そのためには、本市と交通事業者及び地域住民が連携するとともに、地域の方々が積極的に利用し、地域社会全体で支えていくことが重要と考えております。
【佐々木ゆうき議員】
千葉市は地域公共交通を民間バス事業者中心に考えていますが、高齢化する地域ではバス停まで歩いていけない人も増えています。公共交通の1つとして、他市で実施しているデマンドタクシーを本気で取り組むことを求めます。お答え下さい。
【都市局次長答弁】
デマンド型乗合タクシーの運行に当たっては、路線バスとの役割分担などの課題もあることから、持続可能な公共交通の形成に向け、今後策定する「地域公共交通網形成計画」の中で、地域や各交通事業者がかかえる課題等を十分調査するとともに、地域特性に応じた多様な交通サービスの組合せや、地域住民を含む関係者の連携などについて議論をし、誰もが気軽に外出できる交通網の編成を目指してまいりたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
新年度予算案の新規事業には「住宅団地の活性化」が盛り込まれ、活性化のための方針とモデル施策を検討するとされています。「住宅団地の活性化」では、千葉市の人口の3割を占める住宅団地の居住者が、今後も「衣・食・住」の環境が整い、教育、福祉施設なども充実した地域を住民と一緒につくりあげていくこと、安心して住み続けられるための「活性化」へとつなげていかなければなりません。市は、団地に居住する市民とともに「住宅団地の活性化」に向けて、どのように取り組んでいこうと考えているのか。
【都市局次長答弁】
主要な住宅団地は、これまで整備されてきた公共施設、商業施設、公共交通などを有効に活用することで、多世代が居住する団地として再生する可能性があると考えております。このことから、まずは地域の既存ストックを認識していただき、様々な特性を踏まえた中で、地域の将来を議論していただくなど、地域との協働による方策を検討したいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
この3月には計画が策定されることになりますが、まちづくりにはもっと市民を参加すべきであり、「都心への集中」を促進したり、交通不便地域が切り捨てられることのないよう強く求めておきたいと思います。
3.美浜区の諸問題について
(1)稲毛海浜公園のリニューアルについて
【佐々木ゆうき議員】
稲毛海浜公園施設リニューアルに関して、公園周辺の3自治会などへの説明を始めてから11か月が経とうとしています。「壁泉を残してほしい」「『磯の松原』は切らないでほしい」「夜間利用の増加に伴う防犯対策を強化してほしい」など、様々な質問・疑問や意見が出されていたわけです。その後、市にはリニューアルに対する質問や意見への回答を求める問い合わせが、3自治会からの問い合わせがあったとのことですが、白砂の導入や「磯の松原」の一部伐採に関することなど、一部について回答を保留しており、現在に至っています。
個別の自治会から質問や意見が出されてきましたが、私の一般質問でも「説明の機会を設けていく」としていましたが、機会は設けたのですか。意見などに対して、市としてどのような検討を行ない、事業者との検討を進めてきたのか、伺います。
【都市局次長答弁】
リニューアル事業に関する個別の自治会からの質問や意見に対しましては、その都度回答や説明に伺い、併せて事業の取組み状況について報告するなど、地域の不安を取り除きご理解を得られるよう努めて参りました。また、頂いたご意見につきましては、より良いリニューアル事業とするため、ひとつひとつ精査したうえで、必要に応じて事業計画に取り入れるよう、事業者と協議を進めているところであります。
【佐々木ゆうき議員】
稲毛海浜公園施設リニューアルの現状についてもお答え下さい。
【都市局次長答弁】
漁業への影響を避けるため中断していた潜堤の工事を、関係機関との調整が整ったことから、2月20日より再開いたしました。現在は、潜堤の完成予定である4月末以降、速やかに白い砂浜への改修に着手できるよう、必要な手続きを進めているところであります。また、バーベキュー施設などの民間投資分については、昨年4月から開始した管理運営の業務経験を踏まえ、より良い計画へと設計の見直しを行っているところであり、来年度早期の着手を目指し、事業者と協議・調整を進めております。
【佐々木ゆうき議員】
意見や質問を出している高浜地区の自治会への正式な回答はいつ行なうのでしょうか。詳細が固まっていないとして1年近くも回答をしていないのはなぜなのか、具体的な理由を求めます。
【都市局次長答弁】
高浜地区の自治会からのご質問等に対しましては、所管課から昨年7月と12月に文書にて回答を行っておりますが、一部のご質問に対しては、詳細な設計や検討を行った後でなければお答えできないことから、回答を保留しております。今後、具体的な計画がまとまり次第、速やかに説明をして参ります。
【佐々木ゆうき議員】
新年度予算案の「稲毛海浜公園のリニューアル」には、ビーチ整備、電気や給排水などの基盤整備、トイレ整備などが計上されています。トイレの整備は老朽化などへの対応として必要なことではありますが、ビーチ整備をなぜ計上しているのか、地元住民の理解は得られていると考えるのか、伺います。
【都市局次長答弁】
ビーチ整備は、白い砂浜への改修後に、来園者が浜辺でくつろぐことができるような、日よけやベンチなどを設置するものであり、公園利用者へのサービス向上や新たな海辺の魅力の創出に必要なものと考えております。地元の皆様には、整備内容の詳細がまとまり次第、説明を行って参りたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
都市公園への民間活力導入が都市公園法の改正によって、より取り組みやすくなったわけですが、事業者の提案と周辺住民の意見との違いがあり、「周辺自治会等のご意見を伺いながら検討を進めていく」ことは当初から矛盾していたものであり、周辺住民抜きに検討した結果が現在に至っていると認めるべきで、利益を追求する施設ではなく、市民や美浜区民に親しまれ、より多くのスポーツや文化イベントの開催誘致などに舵を切るべきではないですか。
【都市局次長答弁】
本事業は、将来を見据えて、稲毛海浜公園の持つ都市型ビーチなどのポテンシャルを活かし、市民をはじめとした多くの方に愛され、より魅力的で賑わいのある公園となるように取り組んでいるものであり、施設整備だけでなく、より多くの方が楽めるイベントの開催など、運営面についても、本格的に取り組む予定となっております。
【佐々木ゆうき議員】
リニューアルを先行していくことが前提では、地元との関係に禍根を残すことは繰り返し指摘してきたことでもあります。ビーチ整備を含めて多額の費用を投じることは認められません。市民生活や福祉に充てるべきです。
(2)海浜病院へのバス路線の充実について
【佐々木ゆうき議員】
高浜地域などにおいて海浜病院行きのバスの運行時間などが改善されましたが、高洲地域は稲毛海岸駅で乗り継いでいかなければならないことや、便数が少ないなどの不便があり、路線の充実が求められています。
現在、海浜病院行きのバスの現状について、新検見川駅や検見川浜駅などは本数はあるものの、高洲地域からの「横軸」におけるバス路線の状況についてお示し下さい。
【都市局次長答弁】
高洲地域から横軸のバス路線を利用して海浜病院まで移動するには、直通の路線と、稲毛海岸駅において乗り換える路線の2路線がございます。直通の路線は、1系統で平日3便が運行されており、稲毛海岸駅において乗り換える路線は、稲毛海岸駅までが、2系統で平日18便、土日17便が運行されており、稲毛海岸駅から海浜病院までは2系統で平日4便が運行されております。
【佐々木ゆうき議員】
これまで、海浜病院行きのバス路線の運行時間改善について、海浜病院としての取り組みについて伺います。
【病院局次長答弁】
海浜病院の患者数が多いが、既存バスの本数が少ない高洲・高浜地区と海浜病院間のバス路線について、運行事業者である千葉海浜交通株式会社と調整し、昨年の9月16日より上下線各1本の増便をはじめ、市営高浜第二団地及び高浜第三県営住宅などを経由する路線への変更や通院時間に合わせたダイヤへの改正など、患者の皆様が利用しやすい運行への改善を図っております。
【佐々木ゆうき議員】
市民の中には、「大きなバスではなく、病院がマイクロバスを循環させて走らせるなど取り組んでほしい」という声もあります。バス事業者による海浜病院行きの減便された地域における調査などを行なって、より海浜病院を利用しやすくする取り組みを求めますが、病院局の見解を求めます。
【病院局次長答弁】
地域の高齢化率や海浜病院を利用する患者の割合等を調査することにより、バス運行の改善が必要な地区を選定し、引き続きバス運行事業者と患者の皆様の利便性の向上に努めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
住民はバスがないことでタクシー代だけで往復3,000円もかかって通院されている方もいます。現場の海浜病院だけでなく、都市局も含めて、よりバス路線が充実するようバス事業者に働きかけていただきたいと思います。
(3)美浜区内の市有地・県有地について
【佐々木ゆうき議員】
都市化の進んだ美浜区には市が所有する学校跡施設や高洲市民プール体育館跡地、企業土地管理局の土地など公共用地が残されています。国有地や民有地はマンション・住宅開発が進み、地域によっては人口が増加し、学校・保育所・子どもルームが飽和状態となることが予想されています。現状は、公共用地が売却されれば、マンションや住宅になっているのが現状です。
2年前の一般質問では、旧幸町第一小学校と第二小学校の跡施設の体育館、校舎を、住民や自治会の要望である避難所として残すことを求めましたが、市は「現在の地震被害想定において、旧幸町第一及び第二小学校跡施設が避難所として使用できなくなった場合でも、幸町地区では想定避難者数分の収容人数は確保できている状況であり、ほかに使用用途のない場合、施設を避難所として残すことは難しいと考えている」と答えるに留まりました。
UR都市機構の賃貸住宅などは震度7程度までに対して耐震性のある強度としていますが、大地震の場合には、室内における建具や家具の転倒、窓ガラスの破損および飛散、電気・ガス・水道などのライフラインの停止、余震への不安などから避難所が被害想定以上に必要になります。
幸町地区の学校跡施設の利用方針案を策定してから2年半が経過しましたが、利用方針案についてはどのような状況にあるのか。
【財政局長答弁】
当時の周辺施設の立地状況等を踏まえ、旧幸町第一小学校については、暫定的に運動広場などとして活用し、旧幸町第二小学校については、売却することとしていますが、現在UR都市機構が団地再生の計画策定中であることから、その策定の状況を注視しながら検討を進め、地元の方々と協議して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
幸町団地自治会は市に対して、小学校を地域の避難施設、運動や交流の広場として整備を求め、UR都市機構へも市とともに協議するよう要請がされていますが、これまで小学校跡施設について、UR都市機構と協議を行ってきたのか、伺います。
【財政局長答弁】
UR都市機構より、学校跡施設に関する幸町団地自治会の 要望は伺っておりますが、UR都市機構が団地再生の計画 策定中であることから、協議までには至っておりません。
【佐々木ゆうき議員】
「跡施設の利活用については今後のURによる計画策定の状況を注視しながら、検討を進め、地元の方々と協議したい」とのことですが、現状の避難場所、避難所、学校体育施設開放、子どもルームなど地域にとってはなくてはならない施設、地域コミュニティの拠点であり、地元要望に沿った形での存続が求められていると考えますが、見解を伺います。
【財政局長答弁】
旧幸町第一小学校については、地元要望を参考に、暫定的に避難場所として利用可能な運動広場としていますが、旧幸町 第二小学校については、地区の想定避難者に対する避難所の 収容人数分は確保されているうえ、本市として将来的にも利活用の見込みがなく、さらに民間活用の可能性も高いことから 売却としています。今後も引き続き、地元の方々には適切な情報提供に努めつつ、関係者と協議して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
市は旧幸町第二小の小学校校舎を除去する方針ですが、市有地は市の財産だけでなく、市民の「福祉の向上に寄与」するものであり、「除去・売却」という方法は、市が活用することができなくなる問題があり、見直すことが必要ではないのか。
【財政局長答弁】
地元から提出された要望を参考に、庁内での利活用調査を 行い、利活用の可能性について検討を行っていましたが、将来的にも利活用の見込みがないため、「公共施設見直し方針」に 基づき、資産総量の縮減や事業コストの削減の観点から、既存施設を除却し売却することとしたものです。引き続き、UR都市機構の動向を注視して参ります。
【佐々木ゆうき議員】
市民に親しまれてきた高洲市民プール・体育館の跡地については、「第一種中高層住居専用地域」となっており、マンションなどの共同住宅が建築可能な用途地域となっています。現在は更地になっていますが、周辺住民として、跡地活用についての関心があります。周辺を取り巻く環境として、東京歯科大学病院の隣接地へのマンション開発、稲毛海岸5丁目の旧公務員住宅跡地へのマンション開発など、新たな開発が進もうとしています。
高洲市民プール・体育館跡地において、当初は「売却」としていますが、現状はどうなっているのか。
【市民局長答弁】
昨年度に除却工事を実施したものの、一部の杭が地中で破損しており、工事を完了することができず、残置物となっております。 このため、残置した杭の撤去による周辺地域への影響や工法などについて、関係部署との協議を行い、来年度に撤去工事を実施する予定であり、撤去工事終了後、年度内の売却を目途に手続きを進めたいと考えております。
【佐々木ゆうき議員】
稲毛海岸5丁目には新たに331戸・10階建てのマンションが建設される予定となっており、今後、数年間は稲毛第二小学校と稲浜中学校の児童・生徒は増加していき、保育所も近隣を含めても足りない状況が続きます。建築計画によれば、同マンションには保育園などの施設は併設されないようです。
高洲市民プール跡地については、新年度に、当該土地に残地された基礎杭を撤去し、年度内に「売却」に向けた手続きを開始するとのことですが、再度、庁内で土地のあり方について検討をすべきではありませんか。
【市民局長答弁】
高洲スポーツセンターの整備に当たっては、当該用地の売却益を整備費に充てることを前提としており、当初の計画どおり、売却に向けた手続きを進めたいと考えております。なお、昨年10月に庁内において「公募処分候補地に係る利活用要望」の調査を実施しましたが、当該用地の利活用についての要望はありませんでした。
【佐々木ゆうき議員】
私は、ディベロッパーなどの開発業者への売却はすべきでないことを指摘してきました。現状について住民への十分な説明を行ない、施設も含め周辺との整合性を持たせたまちづくりを進めるべきではないのか、伺います。
【市民局長答弁】
当該用地の売却の方針については、平成24年7月28日に開催した「高洲市民プール・体育館の再整備に関する地域住民説明会」にて、近隣住民の皆様には説明をさせていただいておりますが、来年度の基礎杭の撤去工事に合わせて、今後の予定などについて、丁寧に説明を行って参ります。
【佐々木ゆうき議員】
市は、「県企業土地管理局がこの地域で所有する用地の処分にあたっては、同局との緊密な連携のもと、情報共有を図りながら、地域住民の意向への配慮を要望するなどの対応に努めていく」として、市としての利活用がないことを理由にして、用地の確保などには取り組もうとしていません。
企業土地管理局所有の検見川地区の土地について、2017年7月当時の質問の際には7箇所ありましたが、これまで処分された土地の内容と、現在残されている土地についての検討状況について伺うものです。
【総合政策局長答弁】
一昨年7月時点で、県企業土地管理局が検見川地区内で所有していた7か所の土地のうち、京葉線沿いの磯辺6丁目の土地は、昨年10月に民間に売却され、磯辺4丁目の土地は、平成31年度中に処分予定であるとのことです。なお、旧海浜運動広場など、その他の5か所については、現時点で処分の予定は未定と聞いております。
【佐々木ゆうき議員】
敷地面積として大きなものは、旧海浜市民運動広場、旧磯辺第一小学校跡地、旧磯辺第二小学校跡地であり、これまでも地域によっては住民の避難施設としての活用などが求められてきたわけですが、企業土地管理局所有の土地であっても、住民が求める機能が必要です。こちらも処分をしてしまえば、将来にわたって利活用できなくなるわけです。県と市で用地については当面処分を行わないことを協議することを求めます。お答えください。
【総合政策局長答弁】
本市が利活用等していた土地につきましては、本市の将来を見据えたまちづくりの観点から全庁的な検討を行った結果、公共用地としての利活用がないことから、県企業土地管理局へ返還する方針を決定したものです。今後、県企業土地管理局が所有する土地の処分が行われる際には、同局と密接に連携を図り、情報を共有していくとともに、地元住民への丁寧な対応を求めて参ります。
【佐々木ゆうき議員】
売却することによって、行政から離れてしまい、開発によって周辺も含めたまちづくりがおかしくなってしまってからでは遅いのです。特に美浜区は残された行政の土地が少なくなっていること、防災、災害対策の関係からも必要であることは繰り返し指摘しておきたいと思います。
以上で、私の一般質問を終わります。