保育の質を低下させないために市は責任を持って! あぐい初美議員一般質問〔2019年第3回定例会〕
日本共産党千葉市議会議員団の安喰初美です。
まず初めに台風15号により被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。被災者の皆さんが、一日も早く元の生活に戻れることを願っております。同時に市民生活の復旧と支援のため、市の職員の皆さんが連日力を尽くされていることに感謝申し上げます。
それでは通告に従いまして一般質問を行います。
1.保育所の問題について
初めに公立保育所の民営化について伺います。
4月に緑町保育所と大森保育所が民営化されてから半年が経とうとしています。6月議会で民営化された園の実態を質問したところ、市や運営法人の準備不足から、開園までに保育士が確保できなかったことにより当初は保育に混乱を招き、子どもや保護者が不安な状態が続いたため、市が巡回指導員や元職員を派遣して対応を図り保育が落ち着いてきたと答弁されました。
しかし、未だ改善の兆しがないので、再度質問します。先日関係者から保育園に要望しても改善されず、「このままこの保育園に預けていいのだろうかという不安な気持ちが消えない、民営化されなければこんなことにはならなかったのに」という切実な声を聞きました。
この声を受けて8月の終わりに民営化された保育園の視察に行きました。園長は保育に入っているので対応が難しいということで、一緒に行った椛沢市議と二人で園内を回らせてもらいました。保育室の床には玩具が散乱している、紙くずが落ちている、ロッカーから荷物がはみ出しカバンがいくつも床に落ちている、トイレの個室のドアに洗濯ピンチがかけてあり、子どもの顔にぶつかりそうになっているなど安全面だけで見ても公立保育所では考えられないような保育環境でした。園庭には大型遊具も砂場もなく、築山があるだけで子どもが自ら遊びを選択できる環境ではありませんでした。
十分な人員が確保されず、その結果、現場では保育士さんたちが余裕のない保育を余儀なくされている実態を目の当たりにしました。今回の民営化で多くの子どもと保護者が安心して保育を受ける権利を奪われたことは重大な問題です。子どもと保護者が安心して過ごせる保育園となるよう市の責任で法人を指導していくことが求められます。
そこで伺います。
① 一つにいまだに保護者の不安が消えないのは市が保護者の要望を解決するための方策が十分ではなかったのではありませんか。
② 二つにこの間、市と法人、保護者の3者による3者協議会が3回開催されましたが、議事録には保護者が市や法人の説明に不信感を持ったり、納得していない様子が表れており、具体的な改善策が市や法人から出されていません。保護者との信頼関係を築くために何が必要だと考えますか。
③ 三つに保育を適切に提供できる職員体制を整えること、また、園長が保育全体を把握し、運営していく役割を果たせるよう事務員の配置をすることなど運営法人に求めるべきではありませんか。
次に老朽化した保育所の建て替え対象となっている小深保育所、小倉台保育所、千城台西保育所の3か所のうち小深保育所と小倉台保育所の建て替え計画が進んでいると聞いています。大森保育所と緑町保育所が民営化されて残りの保育所の動向について関心がもたれています。
④ 小深保育所、小倉台保育所の建て替え計画の概要と進捗状況をお聞かせください。
次に公立保育所の保育士の採用についてです。
2019年度の保育士採用募集人数は25名です。定員に空きがあっても、保育士が不足しているために子どもを入所させられない状況が生まれているのに、この人数での対応では保育士確保が十分とは言えません。
2018年度の保育士採用試験の募集人数は35名でした。しかしながら、最終合格者38名に対し、採用されたのは24名で14名も辞退者が出ています。今年度も同じように辞退者が大勢出たら、正規保育士不足の状態が続きます。
非正規保育士が全体の約3割を占める中、正規保育士は非正規保育士ができない早番遅番当番や書類作成などを行うため、長時間過密労働の実態があり、生き生きと働き続けるためには人員増による労働環境の改善が求められます。
また、幼児教育・保育の無償化により、保育士の需要はますます高まることが予想されます。質の高い保育を実施していくために市が責任をもって保育士を確保することが必要であると思います。
そこで伺います。
① 一つに2019年度の保育士採用募集人数25名の根拠は何ですか。この人数で保育の質の確保ができるのですか。
② 二つに昨年度の保育士採用募集で14名の辞退者が出た原因は何だと思いますか。
③ 三つに今年度辞退者が多く募集人員に達しなかった場合、どのように正規保育士を確保しますか。
2.消防の救急について
次に消防の救急についてです。
2014年度に実施した市民1万人まちづくりアンケートによると、まちづくりで重要な分野は「安心・安全」だと答えた人の割合は7割に上っています。市民ニーズに応え、安心・安全のまちを実現するための取り組みが求められています。安心安全を支えるものの一つとして、救急車は市民の命を守る最前線で仕事をしています。
千葉市には救急車が通常は25台、非常用の6台を含めて31台の車両があります。★(地図)千葉市全体での救急業務の実施体制及び救急隊の配置状況は、若葉区では救急車が6台、中央区は6台、花見川区は4台、緑区は4台ですが、これからあすみが丘にも配置されれば5台となります。美浜区は3台、稲毛区は2台しかありません。★(表)救急の出動件数は、この10年間で45,000件から58,000件と13,000件も増えています。1日平均出動件数も10年間で123件から160件と37件増え、1隊の平均出動件数も1,808件から2,334件と526件増えています。体制が変わらないのに、1隊が取り扱う件数が増え、隊員の負担が増えています。なおかつ、高齢化で救急の需要が高くなり、今後出動件数が増大していくことが予想されるなか、隊員の労働環境を改善するための対策を講じていかなくてはなりません。
★(図)市民が119番通報をしてから救急車が現場に到着し、収容先の病院を決定し現場を出発し、病院につき、手続きを済ませて引き上げ、消防署や出張所に帰るまでを覚知から帰所までといいますが、その平均の所要時間が84.5分かかっています。出動件数が多いほど救急隊員の精神的肉体的負担が重くなることが予想されます。
そこで伺います。
① 一つに病院に搬送するまでの時間が政令市の中でも長いといわれていますが、その原因は何か、課題と対策について求めます。
② 二つに千葉市の救急の実態は国基準に照らして十分なものになっているのですか。また、改善が必要な点はありますか。
③ 三つに平成30年中の救急出動のうち、一日あたりの出動件数について上位5隊までお示しください。
3.国民健康保険について
次に国民健康保険について伺います。
今年4月から保険料滞納者の納付相談窓口が各区役所から中央コミュニティ地下1階健康保険課に集約され6か月経ちます。区役所に納付相談に出向き、納付書の発行を求めた市民に対して、滞納状況も調べず「ここではできません」「中央コミュニティの相談窓口へ行ってください」と案内された事例があったとのことです。高額な保険料の支払いに困難がある人がようやく訪れた区役所の窓口で対応してもらえなかったら納付相談するのをためらってしまうのではないでしょうか。
6月議会で盛田議員が質問した際、当局は「さまざまな事情から保険料の納付が難しい状況にある方に対しては、納付相談により世帯の状況把握に努め、失業などにより所得が大幅に減少した場合には、減 免申請を促したり、滞納拠分を行う場合にも、滞納処分をすることができる財産がない場合などには処分停止を行うなど、個々の状況に応じて適切に対応することで滞納する世帯がふえないよう努 めてまいります。」と答弁していますが、答弁内容とは違う業務が窓口で行われていることが見受けられるようです。
そこで伺います。
① 一つに国保の滞納相談の窓口の集約化は、市民にとって何のメリットがあるのですか。
② 二つに納付相談に特化した職員を区役所から引き揚げてしまったことで区役所の窓口での対応が十分にできない問題が新たに発生しているのではありませんか。
③ 三つに保険料の減免制度を含めた職員の専門性を高める研修の在り方を検討するべきではありませんか。
次は資格証についてです。
★(表)保険料を1年間滞納すると資格証が発行され10割負担で受診することになります。10割では受診が遠のき、重症化して手遅れになっている人もいます。安心して医療にかかれるように資格証の発行を極力減らしていかなければなりません。今年度の資格証発行数は市全体で829件です。★(グラフ)市全体としては昨年度の約半数に減っているなか、他区に比較してとりわけ稲毛区は資格証の発行数が多くなっています。そこで伺います。
①一つに稲毛区の資格証の発行数が多い理由についてどう考えますか。
②二つに資格証を発行しないで安心の医療を保障していくことが市の責務であると考えますが、いかがですか。
③三つに資格証を減らすために納付相談をしやすい場を作っていくことが必要と考えますが、いかがですか。
4.選挙について
次に選挙について伺います。
7月21日投開票の参議院選挙の千葉市の投票率は45.65%で前回選挙から6.82ポイントも低くなっています。せっかくある選挙権を行使し、投票率が上がるよう環境を整えることが求められます。選挙公報は新聞折り込みで届けられますが、新聞未購読の人が増えているため手元に届かない人がいます。区役所や市民センターに置いてあってもわざわざ取りに行く人は少ないのではないでしょうか。インターネットで調べられるといってもパソコンやスマートフォンがない人もいます。今回の選挙で、選挙公報が手元にないので誰を選べばいいかわからず、投票に行かないという人もいて急いで公報を届けた事例もあります。選挙公報が届くことで選挙への意識も高まり、投票率アップに寄与するのではないでしょうか。選挙公報を全戸に届けるための対策が求められます。
投票所のバリアフリー化も必要です。多くの場合、小中学校の体育館が投票所になっていますが、門から体育館までの道に段差や坂があり、高齢者や障害のある方にとっては大変歩きにくくなっています。少なくとも投票所の入り口だけでもバリアフリー化の必要があります。また、足腰の弱っている方が利用できるよう車いすが配置されていれば、車から投票所まで車いすで移動し、車いすのまま投票することができます。
郵便による不在者投票ができるのは、限定された障がい者や要介護5の方などです。障害者手帳を持っていなくても高齢のため外出できない方が増えており、投票をあきらめている人も少なくありません。選挙する権利を保障するために郵便投票ができる人の範囲を拡大することが求められています。
そこで伺います。
① 一つに選挙公報を全戸に届けるため、ポスティングによる方法をとることが必要ではありませんか。
② 二つに投票所の段差をなくすための仮設スロープや車いすの配置状況についてお示しください。
③ 三つに郵便投票の制度変更を国に求めているようですが、実現に向けて強力に後押しすべきではありませんか。
以上で1回目の質問を終わります。
【こども未来局長答弁】
保育につてお答えします。
まず、いまだに保護者の不安が消えないのは市が保護者の要望を解決するための方策が十分でなかったのではないか、についてですが、保護者からは、園運営や保育内容に関して様々な要望が出されており、本市としましては、対応を真摯に検討するよう、法人に要請して参りました。
しかしながら、法人において、順次、職員体制の強化が図られてきたものの、保護者の要望に対応するために必要なマネジメントが十分に機能するまでに時間を要し、今日に至っているものと認識しております。
次に、保護者との信頼関係を築くために必要であると考えることについてですが、園の現状及び保護者の要望への対応状況をお知らせするため、第三者協議会を実施して参りましたが、現時点においても、固定遊具の設置、散歩や行事の実施等、法人の考え方が不明確であり、保護者の納得に至らない要望事項が少なからず残されていることが、信頼関係の構築の妨げになっていると考えております。
これらの要望事項について、対応可能な者については、その内容や時期を明確にすること、また、対応できないものについては、その理由を丁寧に説明することが、信頼関係の構築に不可欠であると考えております。
次に、保育を適切に提供できる職員体制を整えること、園長が保育全体を把握し、運営していく役割を果たせるよう事務員の配置をすることなど運営法人に求めるべきではないか、についてですが、法令による基準は満たしているものの、より円滑に保育を提供するために、さらなる保育士確保が必要であると考えており、引き続き、職員体制の充実を求めて参ります。
また、今月より、園長の業務を分割して行う職員が新たに配置されたことから、この措置によりマネジメントが十分に機能するよう、園内での役割分担を明確にするとともに、法人本部から的確な指示・支援を行うよう指導して参ります。
次に、小深保育所及び小倉台保育所の建替え計画の概要と進捗状況についてですが、小深保育所については、隣接地を購入の上、移転して建替えを行うことを予定しております。
また、小倉台保育所については、市営小倉台団地跡地の一部を用地として確保し、移転して建替えを行うことを予定しております。
2か所ともに、令和5年4月の新規開所を目指しており、整備運営手法については、立地条件、周辺地域における保育需要、費用対効果等を総合的に勘案し、公設公営又は民設民営のいずれが適切かを検討して参ります。
次に、今年度の保育士採用募集人員数25人の根拠は何か、この人数で保育の質の確保ができるのかについてですが、募集人数については、退職者数及び再任用者数の見込みに加え、入所児童数の見込みなどを勘案して決めておりますが、今後も、合格者の決定までにこれらの人数を精査し、保育の質が確保できるよう、必要な正規職員数を確保して参ります。
次に、昨年度の保育士採用募集で14人の辞退者が出た原因についてですが、辞退理由の多くは、他自治体の公立保育所への就職であり、居住地の近隣自治体を選択したものと考えております。
最後に、今年度、募集人員に達しなかった場合の正規保育士の確保についてですが、合格者数の決定にあたっては、面接時に他自治体との併願状況や第一志望の自治体名を確認するなど、合格後の採用辞退の可能性を見込んだ上で、必要数を確保できるようにして参ります。以上でございます。
【消防局長答弁】
消防の救急についてお答えします。まず、病院に搬送するまでの時間が政令市の中で最も長いと言われていますが、その原因は何か、課題と対策についてですが、現場到着から搬送先の決定までに時間を要していることがげんいんとかんがえております。
課題と対策につきましては、現場滞在時における病院選定時間の短縮を図るために平成27年度から、「緊急情報共有システム」を導入し、短縮が図られましたが、救急需要の増加に伴って平成30年は再び延伸しております。このことから、来年から運用を予定している次期救急情報共有システムでは、現場滞在時間の短縮に向けた開発を行っております。
次に、千葉市の救急の実態は国基準に照らして十分なものになっているのか。また、改善が必要な点があるのかについてですが、国が定める基準である消防力の整備指針において、救急自動車は基準の25台に対し現在25台で運用しており充足率は100%となっております。
改善が必要な点については、救急要請の中には不要不急と思われる要請もあることから、救急車の適正利用をさらに推進して参ります。
最後に、平成30年中の救急出動のうち1日当たりの出動件数の上位5隊についてですが、救急統計の速報値によりますと、稲毛救急隊が16件、中央第1救急隊・中央第2救急隊・殿台救急隊・美浜救急隊がそれぞれ15件となります。
以上でございます。
【保健福祉局次長答弁】
国民健康保険についてお答えします。
まず、滞納相談窓口の集約化の、市民にとってのメリットについてですが、本年4月から、現年度分の徴収強化を行うチームを設置し、区役所で行っていた徴収業務については、原則として中央コミュニティセンター内の健康保険課に集約しました。
このことにより、徴収事務を集中的、効率的に行うことができるようになり、未納状態であることの連絡・通知が迅速に市民に届くことで、保険料の納め忘れを防止できることや、滞納が少ない段階での早めの納付相談につながることなどのメリットがあるものと考えております。
次に、区役所窓口での対応についてですが、
徴収業務の健康保険課への集約後も、各区役所に2人づつ納付相談員を配置しており、区役所においても引き続き、簡易な納付相談や納付書の発行などを行っております。区役所窓口での対応については、各区役所とも連携しながら、適切に対応して参ります。
次に、職員の専門性を高める研修のあり方についてですが、
職員向け研修については、毎年、年度当初に区役所及び市民センターなどで国民健康保険事業を新たに担当する職員向けに、医療保険制度の仕組みや保険料の賦課徴収業務、システム操作などに関する研修を実施しております。
また、千葉県健康保険団体連合会などが開催する滞納整理に関する専門的な研修などに、職員を派遣しています。その他、区役所職員が参加しやすいように、給付事務をはじめとする研修を、各区役所に本庁職員が赴いて、毎年複数回実施しております。
今後も引き続き、国民健康保険事業を適切に遂行できるよう、市民から寄せられる声も反映させながら、効果的な研修に努めて参ります。
次に、稲毛区の資格証明書発行数が多い理由についてですが、資格証明については、督促や催告など何度も働きかけを行い、滞納世帯の状況把握を努めたにもかかわらず納付交渉に応じず、納付意思が確認できないなど、やむを得ない場合に交付しているものです。
徴収対策は、資格証明書発行も含め、督促、催告、差押など様々な手法を効果的に組み合わせて実施しているものであり、資格証明書発行数の多寡については、特別な理由はありません。
次に、資格証明書を発行しないで安心の医療を保障していくことが市の責務と考えるがどうかとのことですが、国民健康保険制度は、国民皆保険制度を支える基盤的役割を担っていることから、国民健康保険制度を円満に運営していくことが市の責務と考えております。
そのためには、制度を支える重要な原資となる保険料を、特別な事情なくお支払いいただけない方に対しては、他の被保険者との公平性の観点から、資格証明書交付も含め、徴収対策を実施して参ります。
最後に、資格証明書を減らすための納付相談をしやすい場を作ることについてですが、
資格証明書発行の増減に関わらず、市民の方が来所いただく場が相談しやすい場であることは大変重要であると考えております。引き続き、窓口にいらしていただいた方の個々の状況に適切に対応するため、それぞれの世帯の状況把握に努め、区役所とも情報共有を図りながら、納付相談を進めて参りたいと考えております。
以上でございます。
【選挙管理委員会事務局長答弁】
選挙についてお答えします。
まず、選挙公報を全戸に届けるため、ポスティングによる方法をとることが必要ではないかについてですが、選挙公報の配布期限は投票日の2日前までとなっておりますが、ポスティングによる方法で全世帯に配布を行うには日数を要し、限られた期間内に配布を完了することは難しい状況であります。
新聞折り込みによりますと一斉に配布できるという利点があることから、現在本市では新聞折り込みの方法をとっておりますが、年々新聞の購読率が下がっている現状は認識しておりますので、引き続き、より良い配布方法について研究して参ります。
次に、投票所の段差をなくすための仮設のスロープや車いすの配置状況についてですが、本年7月の参議院選挙では、全投票所158カ所のうち、施設自体に障害がない投票所は45カ所、仮設スロープを設置し、段差を解消している投票所は108カ所となっており、仮設スロープ設置の難しい投票所5カ所については、事務従事者が介助するなどの対応をとっております。
また、車いすについては、158か所のうち73カ所に配置しています。
最後に、郵便等投票の制度変更を国に求めることについてですが、選挙管理委員会としましても、投票が困難な方々の投票機会を確保することは重要な課題であると認識しており、郵便等投票の適用対象者の拡大については、指定都市選挙管理委員会連合会が2年に1度、国に対して行っている法改正要望において重点要望の一つとして求めているもので、直近では昨年6月に要望したところです。
さらに、昨年10月には、本年7月の参議院選挙からの対象者拡大を目的として、指定都市、都道府県及び全国市町村の3つの選挙管理委員会連合会で共同要望も行ったところですが、引き続き国や国会議員等に要望して参ります。
以上でございます。
(2回目)
【あぐい初美議員】
保育所の民営化についてです。
当局は民営化を進める理由として民間活力を生かしていくとしてきましたが、今回の事例を見れば民営化によって公立保育所よりもよくなったところは見当たりません。この民営化では、子どもにとって最善の利益が保障され、子どもが幸せに育っていく場であるべき保育所の姿が実現されていません。民営化によってコストカットできたとしても、保育の質の低下を招いては、子どもや保護者、市民の不利益につながります。
建て替え・民間移管にかかる新設保育園の整備・運営法人の募集要項によると施設設備の条件項目には「専用の屋外遊技場を設け、砂場や大型遊具、植栽を設けるなど充実した保育環境となるような提案を行うこと」とあります。整備の条件となっているにもかかわらず、実際は園庭には大型遊具も砂場もなく、子どもたちの十分な成長発達を保障する環境になっていません。募集基準を満たしていないことが半年も放置されています。このことをはじめ、
保護者の度重なる要望に対して見通しが示されないまま半年たってしまったことに保護者の不安が募っています。
①法人に対していつまでに何をやるのか改善計画書を出させることが必要ではありませんか。
民営化により施設が変わり、職員もすべて入れ替わり、そのうえ保育運営まで変わってしまったら不安や戸惑いを感じない人はいません。その不安をなくすために運営内容の条件には「現在の保育所における保育運営を継承すること。変更しようとするときには事前に保護者と協議すること」と規定しているはずです。
しかし、3者協議会で保護者に説明したことが実際は行われていないことが、保護者の信頼を失うことにつながっています。開園当初から転所が相次いでいることが保護者の不信感を表しており、深刻な事態です。一度失った信頼を取り戻すのは並大抵のことではありません。あらゆる手立てを尽くして公立で行っていた保育の水準になるまで市が責任をもって指導すべきです。
②3者協議会を開催しても一向に誠意ある回答が得られないことへのいら立ちが保護者にはあります。3者協議会が実効性のあるものになるよう法人を指導していくべきではありませんか。
7月から4歳児の保育に園長が入っているために、本来園長がやるべき業務ができずに2か月が過ぎていることに対しても保護者から担任を配置して園長業務ができるようにしてほしいと要望があります。9月から園長の代わりに主任経験のある保育士が事務室に配置され、園長業務を行うようになり、保護者とのコミュニケーションや園全体の目配りを行っているとのことですが、代わりの人が園長業務を果たせているか市として確認し、円滑な保育運営を行えるようになったと示していくことが保護者の不安を取り除くことにつながると考えます。
③保護者の信頼回復と人的手立てができるまで市が責任を持つべきだと思いますが、見解を伺います。
次に、公立保育所は子育ての拠点として地域の要望を受け止め、リーダーシップを発揮して子育て支援を行ってきました。公立だからこそ、虐待事案や要配慮児の受け入れなど市が直接話を通せることでスムーズな対応ができます。保育士も若い人から中堅、経験豊富な人までバランスよく配置され、子どもの発達を保障し、子育て支援もできる体制が整っています。公立で建て替えていれば乳幼児期の大事な成長の場を奪われず、子どもも保護者も犠牲になることはなかったはずです。
④公的保育を保障するため、小深保育所と小倉台保育所の建て替えは公設公営で行うべきではありませんか。
次に、公立保育所の正規保育士の確保についてですが、1回目の質問で、面接時に他自治体との併願状況や第1志望の自治体名を確認して合格を出すとのお答えでしたが、採用辞退の可能性の有無を面接で見分けることは難しいと思います。実際去年は、面接で千葉市が第1志望だという人に合格を出したにもかかわらず、多数の採用辞退者を出しています。
保育士合格者のうち、例年3割の辞退者がいるようです。辞退率を見込んで合格者を出し、年度当初に必要な人数を確保して、保育の質を高めていく取り組みをしていくべきです。
⑤今年度の保育士採用募集人数を確実に確保できるのか伺います。
次に救急についてです。
救急車の現場滞在時における病院選定時間の短縮を図るために2015年度から「救急情報共有システム」を導入し、短縮は図られたものの救急需要の増加により、再び時間が伸びているとのお答えでした。次期救急情報共有システムの開発を行って時間短縮を図っていくとのことですが、システムの導入だけでなく、一刻も早く救命できるように各医療機関の連携や受け入れ態勢を整えていくことが求められています。
2018年の救急出動件数は58,370件であり、そのうち最多件数は稲毛救急隊の3,504件でした。★(グラフ)稲毛区には稲毛署と西千葉出張所の2か所に1隊ずつあります。西千葉の出動件数も2,990件と全体では5番目に多くなっています。稲毛区の救急車1台当たりの人口は8万人で、同程度の人口・面積の美浜区の1台につき5万人に比べても稲毛区はかなり多くなっています。市全体としては国基準を満たしていても区によってばらつきがあり、アンバランスが生じていると感じます。
1日当たりの平均出動件数の上位3隊は稲毛救急隊の9.1件、美浜救急隊8.5件、中央第一救急隊の8.2件となっており、2018年の1日の最多出動数は稲毛救急隊の16件です。
救急隊員の勤務時間は8:30~翌日8:45です。24時間の勤務時間内に最多である16回の出動をした場合、覚知から帰所まで平均所要時間84.5分で単純計算すると、88分しか空き時間がなく、仮眠どころか食事時間も確保するのが難しい状態となっています。人命を助ける救急隊員がこのような働き方で疲労やストレスが蓄積し、現場で力を発揮できないようなことになっては本末転倒です。
昨年から救急の需要が高い時にはサポート救急体制を講じているとのことです。しかし、これから救急需要が増加することが見込まれていることから、救急隊員の働き方改革を進めることが求められます。
① 一つに救急需要対策としてサポート救急の対応で十分なのか伺います。
② 二つに中央署のように稲毛署にも2隊の救急隊を配置して、1隊の出動回数を減らすことは考えないのですか。
次に国民健康保険についてです。
国民健康保険法第1条でこの事業の目的は「社会保障及び国民保健の向上に寄与する」とうたわれています。国民の命と健康を守ることが国保の役割です。収納率を引き上げることありきで取り立てのために納付相談窓口を集約化するのではなく、市民と話し合って支払い可能な額を相談するのが本来あるべき健康保険課の仕事ではありませんか。今まで区役所の窓口で生活実態を聞いて積み上げてきた相談内容が健康保険課に引き継がれておらず、中央コミュニティに出向いてまた一から相談をやり直すやり方は市民の貴重な時間を奪うものであり、サービスの後退です。相談に半日がかりになるような場所ではなく、もっと身近なところで相談できるようにすべきです。
① 納付相談窓口の集約化をやめ、身近な区役所での納付相談に戻すことを求めます。見解をお聞かせください。
★(表)2018年8月では市全体で1,579だった資格証の発行数が2019年8月では829と前年の52.5%に減っています。資格証発行数が減ることは安心して医療にかかることができ、歓迎すべきことですが、なぜ減ったのかの中身が重要です。低所得の人から差し押さえをして滞納処分をしたために資格証の数が減ったとしたら問題です。
② 資格証発行数が減った理由についてお示しください。
次に投票所のバリアフリー化についてです。スロープがない5か所は事務従事者が介助するとのことですが、有権者には投票所で事務従事者が介助してくれるとはわかりません。介助が必要な人に対してすぐに手助けできるように具体的な改善が求められます。
① 投票所の入り口手前に人員を配置してその人に応じた対応ができるようにすべきではありませんか。
② 投票所への移動をサポートするため、すべての投票所に車椅子の配置を求めます。見解をお聞かせください。
(2回目答弁)
【こども未来局長答弁】
保育についてお答えします。まず法人に対していつまでに何をやるのか、改善計画書を出させることが必要ではないかについてですが、保護者の不安を解消するためには、園運営の改善や要望事項への対応に関する見通しを明らかにすることが不可欠と考えており、法人に対し、期限を明示して計画的に改善を行うよう、引き続き要請して参ります。
次に、三者協議会が実効性あるものになるよう、法人をしどうしていくべきではないかについてですが、三者協議会を通じて、園運営の改善や保護者からの要望への対応が着実に進捗していくよう、本市が保護者の要望等を適切に集約した上で、保護者の納得につながる回答を提示するよう、法人に指導して参ります。
次に、保護者の信頼回復と人的手立てができるまで市が責任を持つべきではないかについてですが、一刻も早く保護者の信頼を回復することができるよう、責任を持って、法人に対する指導・助言を行って参ります。また、法人自身の職員体制の強化により、より円滑に保育が提供されるよう、引き続き、保育士確保を求めるとともに、週1回実施している巡回指導員による現地確認等を通じて、園の状況把握を適切に行って参ります。
次に、公立保育を保障するため、小深保育所と小倉台保育所の建替えは公設公営で行なうべきではないかについてですが、保育の提供に当たり、公立と民間とで、その役割に差はないと考えております。小深保育所及び小倉台保育所を建て替える際の整備運営手法については、立地条件、周辺地域における保育需要、費用対効果等を総合的に勘案して検討して参ります。
最後に、今年度の保育士採用募集人数を確実に確保できるのかについてですが、合格者数の決定に当たっては、これまでも面接時に受験者本人の意向や他自治体との併願状況などを確認し、採用時対数を見込んだ上で決定しているところでありますが、今後は、より精度の高い意向確認に努め、必要数を確保して参ります。
【消防局長答弁】
まず、救急需要対策としてサポート救急の対応で充分なのかについてですが、あらかじめ救急需要の高まりが予想される場合には、サポート救急隊を事前に配置しておりますが、急速に救急需要が高まった場合に備え、消火隊員を救急隊員として編成し、非常用救急自動車を運用することとしております。
最後に、稲毛消防署にも2体の救急隊を配置して、1隊の出動回数を減らすことは考えないのかについてですが、救急隊員の疲労回復、救急業務の質の低下及び各種事故防止の観点から、勤務中の疲労度に合わせ隊員の交代を行っております。1隊の出動回数については、他政令市と比較しても著しく乖離はしていないと認識をしておりますが、今後も社会情勢の変化や救急需要を注視しながら適切に配置して参ります。
【保健福祉局次長答弁】
まず、納付相談窓口の集約化をやめ、区役所での納付相談に戻すことについてですが、納付相談窓口の集約化は、現年分の徴収事務を効率的に行い、納め忘れが重ならないようにすることなど、効果的に徴収対策を実施するための措置であり、引き続き各区役所においても、納付相談員を配置し、簡易な納付相談や納付書の発行などを行っております。また、中央コミュニティセンターへの来所が難しい方には、電話や郵送での納付相談をご案内しており、引き続き、丁寧な対応に努めて参ります。
最後に、資格証明書発行数が減った理由についてですが、保険料が未納である方に対して、催告、差押など様々な徴収対策を実施した一方、様々な事情から保険料の納付が難しい状況にある方に対しては、滞納処分の停止を行うなど、個々の状況に応じた対応を行うことで、滞納する世帯が増えないよう努めた結果と考えております。
【選挙管理委員会事務局長答弁】
まず、投票所の入口手前に人員を配置して、その人に応じた対応ができるようにすることについてですが、現在も、有権者の少ない一部の投票所を除き、案内整理を行う従事者を配置しており、介助を必要とする有権者が来場した際には、積極的に声掛けするよう従事者説明会で周知しているところですが、改めて徹底を図るとともに、投票所の入口付近に、事務従事者の介助を望まれる場合には、申し出ていただけるようご案内する掲示をするなど、安心して投票できる環境づくりに努めて参ります。
最後に、すべての投票所に車いすを配置することについてですが、投票環境の向上には、重要な課題と認識しており、車いすが配置されていない投票所で、事前に車いすを利用したいとのご要望をいただいた際には、投票日に一時的に備えおく対応を取っておりますが、今後、全投票所に配置することを目標に、有権者からご要望の多い投票所などから順次車いすの配置を進めて参ります。
(3回目)
【あぐい初美議員】
3回目は意見要望を申し上げます。
保育所の民営化について最大の問題は、子どもと保護者にしわ寄せがいっていることが半年たっても依然として解決されないことです。私は子どもたちの成長発達が阻害されていることについて大変胸が痛みますし、市はこのことを重く受け止めるべきだと思います。今までやってきた「要請します」「指導します」ではなく、法人に対して改善の期日を明確にして約束をとり、安心安全の保育を実施できるよう一刻も早く解決を図るべきです。
また、今後の建て替えについては民営化ではこんなに矛盾が噴き出すのですから公設公営でやるべきです。
救急については他都市を見ると京都市は49.3分、名古屋市は54.2分など覚知から帰所までの時間が短いところが多くなっていることから、他都市に学ぶところもあるのではないでしょうか。命にかかわる重要な問題なので、救急搬送の時間短縮を図るための対策をしていただくとともに、業務に携わる救急隊員の働き方についても負担軽減対策を要望致しまして私の質問を終わります。