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日本共産党東京都議会議員団

新型コロナウイルス対策に全力を!ー中村きみえ議員の代表質疑〔2020年第1回定例会〕

【中村きみえ議員】

1.市長の基本姿勢について
(1)国政と市民生活について
 新年早々、アメリカのトランプ大統領が、イランの司令官の殺害を命じ、世界中から非難されている中、中東に自衛隊を派遣しました。日本共産党穀田衆院議員は、昨年10月に海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」と掃海艇「たかしま」がイラン革命防衛隊に追尾され防衛省の隠ぺいを質しました。原油も高騰し、ガソリンも値上げし市民生活に影響を受けています。
①中東情勢について
 もしも、戦争のような事態になれば日本は大打撃を受けます。国は外交努力をしていくべきと考えますが、市長の見解を求めます。

②憲法改正について
 安倍政権は、先の参議院選挙で改憲に賛成する3分の2を割りましたが、自らの任期の2021年までに改憲に執念を燃やしています。安倍九条改憲NO!全国市民アクションが、改憲発議に反対する全国緊急署名に取り組み、平和市長会議に名前を連ねている市長であれば、賛同し声を上げていくべきではありませんか。

③政治不信を巡る問題について
 桜を見る会では、安倍首相の税金の私物化疑惑が深まり、公文書管理法違反、公職選挙法違反、政治資金規正法違反など違法行為を続け、マルチ商法のジャパンライフも含めて宣伝に使われ被害者多数となり、法治国家ではあるまじき事態です。徹底的に真相究明を求めていくべきですが、市長の見解をお示しください。

④カジノ問題について
 カジノをめぐる統合型リゾートIRについて中国企業から収賄容疑でカジノ担当副大臣の秋元司自民党衆院議員が逮捕され、維新の会の下地衆院議員も100万円中国企業から受領し、自民党などの国会議員5人に中国企業から現金を受け取ったとされています。千葉市では、昨年12月議会では、前向きに検討すると言いながら、議会終了直後に今年度中に検討すると述べていました。それが、1月7日に熊谷市長が記者会見で、突然、カジノ誘致見送りを決定しました。市民は、突然の見送りに不信感を抱いています。
 1月11日共同通信、千葉日報によれば、熊谷市長も地検特捜部で事情聴取を受けている自民党の白須賀貴樹衆院議員に贈賄容疑が持たれている中国企業500ドットコムの関係者と市長や市の幹部が会っていたことが明らかになりました。
 1つに、市長は、カジノを突然見送りとしたのかその理由をお示しください。
 2つに、中国企業500ドットコムといつ、どこで誰と誰から要請を受けて何を話したのですか。
 3つに、中国企業500ドットコムとは、面会しただけなのか、例えば市長のパーティーに参加したことはなかったのか、お示しください。
 4つに、先の12月の代表質問では市への情報提供した8事業者の名称について回答がありませんでした。8事業者をなぜ公表しないのですか。市民は不信感を持っており、こういう疑惑を持たれている時期だからこそ、明らかにすべきではないですか。
 5つに、野党の立憲民主党、国民民主党と社民党、共産党などがIR推進整備する2法を廃止するカジノ廃止法案を共同提案しています。人の不幸の上に成り立つカジノは認められませんが、法案についての市長の見解をお示しください。

⑤オスプレイ
 木更津駐屯地への陸上自衛隊オスプレイの暫定配備を5年と容認し、森田千葉県知事も「市長の決意を尊重する」と同意しました。しかし、木更津と習志野の基地を現在も自衛隊機が早朝に低空飛行し、千葉市花見川区の上空を経由して飛び交い、騒音の苦情も多数寄せられています。欠陥機のオスプレイの爆音が、頭上を早朝から夜間まで飛び交えば、市民の命とくらしを脅かします。オスプレイ暫定配備計画の白紙撤回を国、県に求めるべきではありませんか。

⑥自治体戦略2040構想について
 自治体行政ですべて行ってきたことをやめて圏域を作り、都道府県市町村合併や、公共を民間にゆだねてAI,ICTを活用して自治体職員を半分にしようと進めています。
AIを活用して業務の効率化を図ろうとしていますが、福祉の現場などでは、効率化を進めたから人員削減では、住民サービスへの対応が不十分だと懸念の声が寄せられています。職員削減を大前提ではなく、必要な住民サービスを行う職員確保は重要ではないですか。

⑦SDGsについて
 今、地球環境問題をはじめ平和、貧困をなくすことなどSDGsが提唱され17の目標が掲げられています。
 1つに、すべての人に健康と福祉をという目標がありますが、千葉市では子どもの医療費の自己負担を増やそうとしており、これでは格差が拡大するだけではないのか伺います。
 2つに、16番目の平和と公正をすべての人にとしていますが、そもそもSDGsは平和が大前提であり、核兵器廃絶を掲げていくことが必要と考えますが見解を求めます。

⑧全世代型社会保障について
 安倍政権では人生100年時代に備え、全世代型社会保障検討会議が開催され、75歳以上の医療費の窓口負担を一定所得以上から1割から2割負担への倍増、介護では、年金月10万から12万9千円の施設入所者の食費負担を月額2万2千円値上げ、年金はマクロ経済スライドを現在37~38歳の人の年金受給時まで実施し、基礎年金を約3割、7兆円カットする負担増、給付削減を進めようとしています。白内障の手術をした高齢女性からは、「片目だけで1万4千円かかったが二倍になったら3万円近くかかる。二倍の負担は年金生活では厳しい」と話されています。
 財界の負担を減らし、全世代を切り捨てる社会保障の在り方では、市民の健康、福祉は後退すると思いますが、見解を求めます。

(2)予算編成の在り方について
 一般会計4636億円、前年度比26億円で0.6%増、特別会計4112億9300万円、前年度比404億円8.9%減で、合計8748億9300万円で前年度比378億円、4.1%減です。2020年度予算編成は、市民に本当に必要な事業かが求められます。歳入では、消費税交付金約32億円は福祉財源として有効活用が求められます。歳出では、子ども医療費二倍化をはじめ、子育て、福祉カットを行った分、他の事業に質の悪い市民いじめの一方で、大型開発に昨年度より多額の予算措置がされています。
 歳入での消費税交付金の有効活用は福祉財源としてどう活用しますか。
 予算の主な事業では、第3次実施計画(最終年次)の推進、地方創生など千葉市発展に向けた取り組み、2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた取組み、市制100周年の取り組み等、災害に強いまちづくりが、掲げられています。
 市民と党市議団の要求で商店街街路灯撤去費補助、保育園整備、子どもルーム拡大、地域包括ケアシステム強化、学校教育の充実、学校への普通教室のエアコン開始、児童虐待の対応、災害に強いまちづくり推進などありますが、長引く景気低迷、消費税10%増税、社会保障改悪で疲弊する市民生活で、市民の暮らし、福祉応援の姿勢が不足しています。
 第一に、市民福祉の向上が求められていますが福祉カットしている問題についてです。
 その1、公共料金値上げについてです。
 子どもルーム利用料7・8月以外7400円から8500円に、アフタースクール利用料7・8月以外2000円から3500円に、延長保育料週6日利用の保育料を新設し、3歳未満児18000円から21600円、3歳以上児11400円から13680円、生活保護世帯の下水道使用料の減免措置を段階的に廃止など、子どもや弱者への負担増を押し付けています。市民への負担増となる公共料金値上げを中止すべきです。お答えください。
 その2、質の悪い福祉カット、市民いじめについてです。
 高齢者、障害者の福祉をカットし、その分をほかの福祉にあてることが市民の怒りを買っています。子どもの医療費負担増は、学校へのエアコンの電気代や児童相談所などの充実に回す、子どもルームの利用料を値上げし、指導員の賃金を値上げで指導員と保護者の対立をあおり、生活保護世帯の使用料減免廃止分を生活保護世帯の学習支援に充てるなどとカットした分を他の福祉に回すことを正当化しています。しかし、これは福祉全体の後退につながるだけです。
 このような質の悪い福祉カット、市民いじめをやめるべきですがお答えください。

(3)大型開発について
 大型開発については多額の予算措置を投入しようとしています。(仮称)千葉公園体育館整備5億4700万円、(仮称)千葉公園ドーム整備・250競輪2億7995万円、中央公園・通町公園連結事業強化2億510万円、千葉駅東口地区市街地再開発4億4100万円、新千葉2・3地区第一種市街地再開発 2億9000万円、幕張新都心拡大地区新駅設置2億2700万円、稲毛海浜公園リニューアル8億4590万円、蘇我スポーツ公園の整備10億円、新庁舎整備41億1226万円、総額79億4821万円です。厳しい財政と言いながら、大型開発は前年度より約50億も多くの財政措置であり、緊急性の乏しい事業は見直し、教育予算の増額と、市民生活・福祉に回すべきすがお答えください。

(4)予算の主な事業の特徴と問題点
①感染症対策に全力を
 新型コロナウイルス肺炎感染症は患者が、世界でも急増し、健康、経済など多く分野に混乱をもたらし、国内の感染者は25日現在で851人、死者も4人となり、深刻さを増しています。
 1つに、保健所や医療機関で正確な情報発信と提供を行い、検査体制や弱者と言われる方への対応も含めて感染を拡大させない取り組みが求められますが、市の取り組みを伺います。
 2つに、市民の不安にこたえ24時間の相談体制の充実と、市中感染の疑いのある市民の検査を市で実施が求められていますが、お答えください。
 3つに、感染者を増やさないために市でもマスクの確保をし、必要な医療機関、福祉施設などへの提供も行うべきですが見解を求めます。

②災害に強いまちづくりについて
 昨年の相次ぐ台風や強風被害で停電や浸水、土砂崩れなど災害に強いまちづくりが求められています。千葉市災害に強い街づくり政策パッケージと称して電力、通信、土砂災害、冠水対策、災害時の安全・安心の確保、民間企業との連携をうたっています。
 1つに、今年の台風が来るまでに倒木対策や土砂崩れや道路の決壊、雨水被害の対策などを講じ、予想外の対策も取るべきと思いますがお答えください。
 2つに、停電時の対応として体育館へのスポットエアコンの導入は2校にとどまっています。全市に広げていくことを求めます。お答えください。
 3つに、感震ブレーカーも設置の補助が次年度400世帯にとどまっていますが、全面的な普及を進めるべきではありませんか。
 4つに、がけ地近接等危険住宅移転助成では、危険住宅の除去費用がでても新たに住宅購入費用については利子相当額にとどまっており、これでは、移転が推進できません。防災減災の立場で、拡充を図るべきではありませんか。
 5つに、地震が起きた際、家具転倒防止金具の普及など本格的に取り組まなければ被害を食い止められませんが検討されたのですか。

③公立病院について
 厚労省は、公立・公的病院の再編統合を発表し、全国各地で住民、医療関係者をはじめ関係団体が公立病院存続運動を行っており、地域の実情や実態を無視した424病院の再編・統合「再検証」リストを白紙撤回し、いつでも・どこでも・誰もが必要な医療が受けられるよう地域医療の拡充を求めています。厚労省は440の公立・公的病院に再編統合を進める「重点区域の設定」を都道府県に募り、厚労省が区域選定し、リストに掲載の有無にかかわらず全体の総病床数を「少なくとも10%以上」削減する統廃合、市町村など病院設置者が複数の統廃合や再編、「関係者の多さなどからより困難が予想される」検討事例を優先し区域に選び、国が地域の医療体制のデータ分析や意見調整の場を開き再編統合を促し、国費84億円を新たに補助する予算計上しています。
 1つに、病床を減らし補助金を与える国の進め方は、住民自治を軽視し、削減ありきの結論を押し付けており、公立・公的病院への再検証要請を撤回し地域医療拡充を求めるべきですが、お答えください。
 2つに、市内のジェイコー千葉病院や国立千葉東病院ではすでにベッドを削減済みであり、災害時も困難な透析患者の受け入れ、神経難病患者への対応、県リハビリテーションセンターでは、民間でできないリハビリを受け入れ、セーフティーネットの役割を果たしています。市も、こうした病院の必要性を国、県に働きかけるなど対応すべきです。お答えください。
 3つに市立病院の赤字が続くとアンケートで強調しましたが、市民の声をどう受け止めていますか。
 4つに、千葉市立病院再整備基本構想案の概要が示されましたが、千葉都民として都内も含めた医療機関を利用する方が高齢化し、千葉市の需要が高まることと、千葉市の高齢者の人口のピークは2050年であり、今後の将来推計と受療動向は変化すると思われますが、見解をお示しください。
 5つに、海浜病院は、幕張総合高校脇に2025年をめどに整備スケジュールが示され、心臓血管外科の再開するようですが、市民の要望に応えて今後も診療科目と救急体制の充実をしていくべきではありませんか。
 6つに、青葉病院は、引き続き救急医療を担う方針ですが、産婦人科と小児科の入院機能を新病院に集約しようとし、40床ほど移行するとのことですが、地理的に一か所では通いきれず、集約ではなく青葉病院でそのまま受け入れるようにしていくべきではありませんか。

(5)武器見本市について
 「無人機売るなら日本」とイスラエル防衛産業界が日本のマーケットに熱い視線を送っており、先の防衛装備品の見本市であるDSEI Japanに出展しています。実際にピストルを使って体験コーナーで実弾ではないものの射撃をしていました。安保関連法に反対するママの会や幕張メッセでの武器見本市に反対する会では2万筆を超える署名を集め開催中止を求めて県に働きかけています。世界の緊迫した情勢の下、来年の5月開催は、正式決定ではなく、平和都市宣言を掲げ憲法9条を持つ国、自治体として県に開催中止を求めるべきです。お答えください。

2.総務行政について
(1)女性の真の活躍について
 昨年5月29日、女性活躍推進法、男女雇用機会均等法などの改定法が施行されました。女性の登用促進の為に雇用主に対し、実態把握と数値目標を含む行動計画策定などを求めています。
 1つに、千葉市では補佐級以上の女性の登用率は平成31年4月に21.1%で、新年度の数値目標の20%は越えましたが、2025年度の30%を掲げていますが、どういう視点で進めていきますか。女性の局長も含めた登用を進めるべきではありませんか。
 2つに、千葉市職員の女性登用を本気で進めるのであれば、長時間労働を減らし、男女均等待遇を実現して人間らしい働き方を保障することが、登用後の定着につながりませんか。見解を求めます。

(2)職員待遇について
 災害時に職員の方々は全体の奉仕者として市民の命を守る先頭に立って尽力されましたが、職員削減が市民サービス提供の上で不足していることも否めませんでした。非正規から正規へ切り替えるなど正規職員の増員を求めますがお答えください。

3.総合政策行政について
(1)市制100周年の取り組み
 2021年1月1日に市制100周年を迎えるにあたり機運の醸成や市民などが自ら行動する機会につながる取り組みを実施するとしています。式典だけでなく、千葉市の100年を振り返り、市民が主人公で自らのまちをどう進め課題に取り組んでいくのか、より主体的な力を引き出すような取り組みこそ求められていませんか。

(2)オリンピック・パラリンピックについて
 いよいよ開催する年になりました。千葉市ではオリンピックは、フェンシング、テコンドー、レスリング、パラリンピックは、ゴールボール、シッティングバレーボール、パラテコンドー、車いすフェンシングが行われます。「平和の祭典」にふさわしい運営が求められます。
 1つに、市議会で2018年12月に東京2020パラリンピックに向けて共生社会の実現への道と題して、日本パラリンピック委員会副委員長の高橋秀文さんが「海外から来た選手の試合を満席でおもてなしすることが目標だ」と語っていた言葉は強く印象に残り、そのために力を尽くしたいと思っています。パラリンピックの会場を満員にするため、どのような取組みを行ってきましたか。また、パラリンピックの準備や観戦を通じてどのようなレガシーを残していきたいですか。
 2つに、受け入れにあたり、受動喫煙やLGBTなどの環境整備は整っていますか。受動喫煙対策など、大会前までに飲食店をはじめ関係機関の周知徹底も必要ですがどうですか。
 3つに、選手をはじめボランティアのほか観戦者など多くの方が幕張メッセを訪れるにあたり、酷暑対策や感染症対策のほか、安全確保など緊急措置への十分な配慮と同時に、万全の対策が必要であると考えますが、どうですか。

4.市民行政について
(1)ジェンダー平等について
 世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は、2019年153か国中121位と過去最低となりました。特に政治と経済分野で女性の進出が極めて遅れています。
 1つに市長はこの指数についてどう思いどう進めていこうとしているのですか。
 2つに、性暴力について、性犯罪をめぐる刑法では、男性も被害者となり、強姦罪は強制性交等罪になり、法定刑の加減も3年から5年となり、監護者による性犯罪を規定し、親告罪の撤廃が掲げられましたが、性交同意年齢は13歳のままで、暴行・脅迫要綱は残っており、不十分です。同意要件を新設すべきです。刑法改正をめぐって性暴力に反対するフラワーデモは、千葉市でも開催されています。国に対して刑法改正を求めるべきですがお答えください。
 3つに、ワンストップ支援センターについて、議会でも取り上げ千葉市では、性犯罪被害支援センターちさとに年間100万円計上し、県も補助はしていますが、東京都のように24時間夜間も二人体制で宿泊しながら支援する活動には程遠いものです。いざという時に、出動できるようにするには、抜本的な予算の増額が必要であり、国や県に大幅な増額を求めると同時に千葉市でも増額支援を求めます。お答えください。
 4つに、ハラスメント防止について、セクシャルハラスメントは各県の労働局への相談件数は年間7000件とトップであり、25歳から44歳の女性労働者の28・7%がセクハラを経験しています。自治体でもセクハラ防止の啓発や相談体制の整備周知の措置義務が課されていますが、セクハラでは年間1件から3件、マタハラは、2件ないし1件と少ないです。これは、実態に合った相談件数と言えるのか、相談体制もありますが、ハラスメント防止できる体制の充実を求めます。お答えください。
 5つに、LGBT/SOGIも含めた理解促進について、千葉市の同性パートナーシップ制度は、全国各地を励ましています。昨年12月1日レインボー千葉の会が第5回シンポジウム「教育とLGBT 」を開催しました。MTF男性から女性に性別意向を望む当事者で中学校の先生の話を聞き、千葉大学付属小の校長の片岡洋子先生から学校での暴言のうち教師から3割で、男性の性自認、性別違和の男子がいじめを受けやすいと指摘されていました。柏市では、2千人すべての教職員に3年かけて研修し、市役所全部署の研修、管理職対象に男女共同参画を前提にLGBT/SOGIの研修を進め、性別に関係なく選べる制服の導入をしています。
 1つに、千葉市でも研修では、学校現場において階層に応じて全員を対象としている場合もありますが、希望者や昇格者だけ実施しています。柏市のようにすべての職員、教職員への研修を求めます。お答えください。
 2つに、学校での性別に関係ない制服の導入を進めるよう求めます。お答えください。

(2)信号機設置について
 今議会では県に対して「信号機設置予算の大幅な増額を求める意見書案」を提案しました。県では信号機の設置が6年前90基、昨年度41基、新年度予算ではわずか22基だと言われています。千葉市内だけでもわが党の予算要望書でも27基要望しており、あまりにも少なく、交通事故も絶えない状況です。県への働きかけと同時に、市独自でも対策を講じるよう求めます。

5.保健福祉行政について
その1介護保険について
(1)利用料
 介護サービスの利用料を財政審は原則1割から2割に引き上げようとしています。今でさえ、利用料の限度額まで払えず、払える金額でサービスを利用しており負担増は、中止すべきですがお答えください。

(2)軽度者保険外し
 要支援1・2に続いて要介護1・2の生活援助を保険給付から外そうとしており、対象が狭められるため利用が制限されますが、見解を求めます。

(3)負担増
 ケアプラン作成の有料化、介護施設の食費居住費の軽減措置の補足給付の対象の絞り込みなど利用者の負担増を進め、所得格差による健康格差を深刻化させ、要介護状態を悪化させることは結果として給付費増大を招き市民も市財政へも打撃を与えることになると思いますが、こうした動向について市の見解を求めます。
(4)介護職員の待遇改善
 介護職員の待遇改善は、行われず、介護施設では4倍、ヘルパー事業所では10倍の求人だそうです。外国人頼みでなく、今後さらなる高齢化に向けて緊急課題です。国に待遇改善を求め、市独自の対策を講じるべきではありませんか。

(5)認知症対策について
 千葉市では認知症の学習、研修、相談、Sos等行っていますが、渦中にある当事者は、判断能力もない中で相談などできず、家族も含めた周りの方の理解とサポート、家族自身へのケアが必要であり、家族への支援と当事者自身が集まって悩みを打ち明けつつ、自身の残っている機能を生かしてその役割を発揮する場も必要ですが市の取り組みを伺います。

その2、国民健康保険について
 国民健康保険法では、第一条に国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とすると掲げています。千葉市では134,018世帯が加入し、27,113世帯が滞納していますが、そのうち所得が200万以下は、80.3%を占めています。国保加入世帯の33%が被用者であり、会社での保険に入れず国保に加入している方が多くなっています。国保加入者の受診率が下がっているとの指摘もあり、市立病院でも無料低額診療を実施しお金の心配なく受診できるようにすることが必要です。また千葉市では一般会計からの法定外繰り入れも2019年度予算では7億2451万7千円ですが、2018年度は17億1810万5千円と比べても下がっています。短期被保険者証世帯は12,206世帯、資格証明書は829世帯あります。横浜市では、払えない人を見たうえで、国の法律から正規保険証を発行し、短期や資格証はゼロです。
 1つに、一般会計からの法定外繰り入れを増額し、保険料の引き下げをしていくよう求めます。
 2つに、安心して受診できるよう市立病院でも以前から求めていた無料低額診療の実施を求めます。
 3つに、千葉市でも受診抑制を招く短期保険証、資格証明書の発行はやめるべきです。
 4つに、病気、けが、出産時の休業補償として傷病手当、出産手当を法定給付とすることが求められています。見解を求めます。

6.子ども未来行政について
(1)児童虐待問題について
 千葉県では、千葉市を除き、県内6か所の児相1か所の管轄人口の平均値は88万人余りで、全国平均の約58万7000人を大幅に上回り、船橋市と柏市が新設し、県がさらに児相を2か所増設した場合、1か所当たりの管轄人口の平均は約53万人まで減少し、全国平均を下回るとの試算を示しました。千葉市の人口は97万人、県内の児相1か所の管轄人口をさらに上回っています。昨年の教育未来常任委員会では、大阪市の視察で、児童相談所が二カ所あり、1か所は、サテライトとしての役割を果たしていました。2カ所とも同様の施設でなくとも、児童相談所の機能について職員の確保をしつつ増設を求めますが、見解を求めます。

(2)保育所整備について
 千葉市では10月1日現在待機児童は217名です。新年度は民間保育園等32か所、738名の整備を行いますが、量も質も守らなければなりません。
 市は、保育の質に対して、①保育士の配置基準が年齢にふさわしいものか。②看護師、栄養士、調理師等の専門職の配置③職員の労働条件が労働基準法に見合っているか④職員の賃金が専門職にふさわしいか⑤施設が子どもの育ちにふさわしいかという視点で千葉市の基準を引き上げるべきではありませんか。

7.環境行政について
(1)地球温暖化対策について
 昨年12月開催の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議COP25を受け、日本政府が温室効果ガス削減目標を引き上げ、石炭火力発電をやめる世論が高まっています。世界各国が温室効果ガス削減目標を達成しても約3度上昇が予想され、日本の台風被害も地球温暖化の影響を受けている指摘もあります。安倍首相は、石炭火力発電所推進する姿勢に固執しています。
 1つに、二酸化炭素を出し続ける石炭火力は千葉市にもいらないときっぱり表明すべきです。お答えください。
 2つに、先の12月議会では、地球温暖化対策が必要だと答弁していながら、実効性ある対策が予算化されていません。本気で行うつもりがないのですか。

(2)粉じんについて
 2月3日に都市計画審議会において蘇我地区の開発問題を質問しましたが、市は、環境問題は担当がいないと答弁を避けました。この地域ではJFEがあり、わが党は粉じん問題を一貫して取り上げてきました。蘇我石炭火力発電所計画を考える会から昨年12月23日に千葉市環境審議会環境保全推進計画部会大気環境保全専門委員会から市長あてに臨海部における粉じん対策について提言が提出されました。寒川小、アリオ蘇我、フェスティバルウォーク、千葉職業能力開発短期大学校、都公園、蘇我保育所が製鉄工場の影響を受けていることが示されていました。
 1つに、提言をどう受け止めるのか、JFEが発生源になった根拠をお示しください。
 2つに、解析結果から対策を講じることが指摘されており、降下ばいじんの環境目標値は45年変わっておらず、見直しが言われていますが、どう見直しますか。

8.経済農政について
(1)中小企業支援策
 消費税の増税、地域では、商店が閉店しシャッター街がさらに増えています。新型肺炎の影響もあり、10月から12月の国内総生産GDP速報値は年率換算で6.3%の減で5四半期ぶりのマイナス成長です。ポイント還元など高齢者をはじめ、カードを持たない庶民にはほとんど恩恵がなく、事業者負担も重く、必ずしも負担軽減にはつながっていません。
 かねてより求めていますが、経済効果にもつながる高崎市での高崎市まちなか商店リニューアル助成事業補助金は、店舗の改装や店舗で使用する備品の購入など最大100万円で2分の1を助成し、2回まで受けることができ、町の中の経済活性化につながって後継者が確保されています。千葉市でも高崎市のような支援策を講じるべきですが、見解を求めます。

(2)農業従事者の後継者育成と災害対策での支援策の充実を
 昨年の台風被害で、もともと後継者不足の農業が継続できるかどうか問われています。
1つに、家族農業でも若者も頑張っていることを受け止め支援が求められますが、見解を求めます。
2つに、災害対策は、収入保険だけでなく、市として農業を継続できる経済的な支援、人的な支援を求めます。お答えください。

9.都市行政について
(1)市営住宅について
 市営住宅は、低廉な家賃で年金生活者や若者の単身者をはじめ、障害のある方も、気兼ねなく暮らせるよう対策を講じることが必要です。
 1つに、エレベーターのない3階以上の上層階の空室に、単身の若者が入居できるよう推進することを求めます。
 2つに、エレベーターのない団地にエレベーターを設置するなどバリアフリー化住宅の改修を進め、建て替えを待たずに進めていくべきではありませんか。

(2)デマンドタクシーなどについて
 高齢者・障害者の移動支援で輸送サービスを行う福祉有償運送事業者の立ち上げ、運営経費の助成をモデル的に実施され、デマンドタクシー実現をふくめた交通ネットワークを検討するため、千葉市地域公共交通活性化協議会が立ち上がっていますが、地域での足の確保は緊急の課題です。
1つに、デマンドタクシーの早急な実施を求めます。
2つに、そのほかあらゆる交通資源を活かした対策を求めます。お答えください。

10.建設行政について
(1)土木事務所予算について
 災害対応をはじめ、防災、減災、安心、安全のまちづくりのためにも身近な道路整備など土木事務所予算はくらしにかかせないものです。
 土木事務所の予算は、昨年77億5700万円から80億9500万円に増額されましたが、安心できるまちづくりの為に更に増額を求めますが、お答えください。

11.教育行政について
(1)新年度予算では、教育環境整備として、学校施設の大規模改造、外壁改修、トイレ改修,エアコン整備工事が計上され、エアコン設置はようやくできると関係者から期待されています。学校教育の充実として専科指導の非常勤講師を40人増やし60人に、わが党が要望した部活動指導員を45人増やし55人に、スクールロイヤー整備、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの拡充など教員の負担軽減になる対策も講じられています。しかし、現場では、朝の7時前から夜の10時まで働く職員、子育て中の教員は自宅に持ち帰って残業し、倒れるのではないかと心配の声も寄せられています。今年度病休者は100人位を推移しており、若い教員の退職も増えています。議案第42号で教職員の在校等時間の上限の根拠の規定を定めますが、罰則規定がなく守るだけの体制整備が急務です。
 1つに、正規の教員を増やし、教員の負担軽減を図ることが何より必要です。市独自でも教員の確保し子どもたちにわかる授業を実践できるよう求めます。
 2つに、教員の変形労働制は、問題を解決するどころか平日の長時間労働を固定化、助長するものであり、千葉市では条例化しないよう求めます。お答えください。

(2)図書館について
 千葉市では(仮称)千葉市図書館ビジョン2040素案が昨年12月に示され、2月の図書館協議会では、三か所ほど訂正され、翌日に答申が出されました。しかもTRC株式会社図書館流通センターに委託は関係者から厳しく批判されています。策定の趣旨でインターネットが普及し地域の「知の拠点」である在り方を検討し変革すると述べていますが具体性に乏しく、戦略2040構想を背景に千葉市が取り入れようとしたにすぎません。現場の司書の声などを反映した内容となっておらず、窓口の民間委託や地区図書館分館の再編と称して、図書館施設の老朽化への対応として学校等との複合化や施設規模のコンパクト化商業施設への移転の可能性などがあげられており、縮小していくことが懸念されます。 
 1つに、計画策定を民間に委託することは問題ではありませんか。
 2つに、窓口の民営化は行うべきではありません。お答えください。
 3つに、地区図書館や分館は高齢化に向けて地域でより充実した運営が求められるため、縮小、統合すべきではありません。お答えください。
 4つに、老朽化した図書館の建て替えが急がれますが、どう対応するのかお示しください。
 5つに、今回の素案では、図書館の自由に関する宣言は、どう担保されるのですか。

 

(1回目答弁)
【市長答弁】
 ただいま、日本共産党千葉市議会議員団を代表されまして、中村公江議員より市政各般にわたる御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。
 はじめに、国政と市民生活についてお答えします。
まず、戦争のような事態になれば日本は大打撃を受けることから、国は外交努力をしていくべきと考えるが見解は、とのことですが、政府の閣議決定に基づき、「中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力」等が行われているものと認識しております。
 次に、改憲発議に反対する活動に賛同すべきではないか、とのことですが、憲法改正については、それぞれの考えがあってしかるべきであり、憲法に基づき、広く国民的議論を経た上で、国民投票により決まるものと認識しております。
 次に、「桜を見る会」について、徹底的に真相究明を求めていくべきではないか、とのことですが、「桜を見る会」に関しましては、国民の理解が得られるよう、国会において説明が果たされるべきと考えます。

 次に、カジノ問題についてお答えします。
 IRを突然見送りとしたがその理由についてですが、本市は、市・県両議会での推進決議や推進議員連盟の活動や、昨年5月の地元企業有志の方々からの具体的な事業提案を踏まえ、本市の判断に必要となる情報収集のため、民間事業者への情報提供依頼、いわゆるRFIを昨年7月に実施するなど、調査・検討を重ねて参りました。
 そうした中、昨年9月から10月にかけて千葉県全体を襲った史上最大級の台風や大雨等により、市内・県内各地で多くの被災者が発生し、家屋等大きな被害が発生するという状況が生じました。
 また、昨年11月に国から示された認定申請期間に関するスケジュール案が、本市が想定していたものよりも短く、昨年の災害の影響もあり、このスケジュール案では、関係者との調整や法に定める手続きに十分な時間をとることができないものと 判断いたしました。
 本市としては、IRについて誘致ありき、反対ありきではないスタンスから検討を重ねて参りましたが、こうした様々な観点から総合的に判断し、今回の国から示されているスケジュールでのIRの誘致は行わないこととしたものであります。
 次に、中国企業の500.com社と、いつどこで誰と誰から要請を受けて何を話したのか、面会しただけだったのか、パーティーに参加したことがなかったのか、については、関連がありますのであわせてお答えをいたします。
 平成31年1月8日に、市長応接室で職員同席のもと、白須賀衆議院議員の紹介で同社の方と面会いたしました。その際に、IR事業者を紹介したいということから、1月18日に同じく職員同席のもと、ゲンティングループを紹介され、それぞれの会社の事業説明を受けておりますが、これ以外には、500.comと面会などの接触はありません。
 次に、市へ情報提供した8事業者名について公表しないのかとのことですが、本市が昨年実施した民間事業者への情報提供依頼では、事業者が非公表を希望した場合は、社名も含め内容を非公表にすることを条件として情報提供を受けております。
 現在公表の可否について各事業者に確認を行っており、そこで公表することに同意を得られた場合は、現在取りまとめている報告書の中で公表することとなります。
 次に、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律及び特定複合観光施設区域整備法を廃止する法律案に対する見解についてですが、法案については、立法府である国会において、しかるべく審議が行われるものと承知しております。

 次に、全世代型社会保障についてお答えします。
 年金、医療、介護など社会保障全般にわたる各制度については、我が国において急速に進む少子高齢化の中にあって、将来にわたり持続可能で、全ての世代が安心できる制度としていくためには、見直しも必要なものと認識をしております。
 しかしながら、制度の見直しにあたっては、少なからず市民生活に影響を与えることも考えられるため、地方公共団体の意見を十分反映することを指定都市として要望するなど、引き続き、国に働きかけて参ります。
 また、本市においては、今後も施策の選択と集中の中で、限られた財源を効率的に配分し、市民生活及び市民福祉の向上に努めて参りたいと考えております。

 次に、予算編成の在り方についてお答えします。
 まず、地方消費税交付金の福祉財源としての活用方法についてですが、地方税法により、地方公共団体における消費税の収入については、社会保障関係経費に活用することとされており、令和元年10月からの消費税率引上げに伴う、本市の令和2年度における地方消費税交付金の増額分約32億円につきましては、幼児教育・保育の無償化のほか、保育士や介護人材、障害福祉人材の処遇改善、さらには所得の低い高齢者の方の介護保険料の軽減に係る財源として活用することとしております。
 次に、市民への負担増となる公共料金値上げを中止すべき、とのことですが、公共料金については、市民の負担の公平性の観点や受益者負担の原則を踏まえ、市民生活に与える影響などを考慮しつつ、必要最小限の見直しを行うものであり、引き続き適正化に努めてまいります。
 次に、質の悪い福祉カット、市民いじめをやめるべき、とのことですが、多様な市民ニーズに的確に対応し、限られた財源をより緊急性、必要性の高い事業に効率的に配分するため、市民生活に与える影響を考慮しつつ、市民の皆様の御理解と御協力の もと、事務事業の見直しを行っていく必要があるものと認識しております。
 次に、緊急性の乏しい大型開発を見直し、教育予算の増額と、市民生活・福祉に回すべき、とのことですが、大型開発の実施に当たりましては、これまでも、緊急性・  必要性の観点から可能な限りの見直しを行ってきたところであり、また、都市の魅力・活力の向上を生み出し、本市の持続的発展に資する事業については、財政健全化とのバランスを踏まえつつ着実に推進していく必要があるものと考えております。
 なお、新年度予算では、教育・子育て・医療・介護の分野を中心に、市民生活の向上に資する事業について、重点的に財源を配分することとしており、引き続き、未来に向けて選択と集中の観点から、真に必要な施策への効率的な投資に努めて参ります。

次に、感染症対策についてお答えします。
 まず、感染を拡大させないための取組みについてですが、市民に対しては、ホームページや区役所窓口などに配架したリーフレットにより、感染予防策など正しい情報の周知に努めております。また、1月31日には、国からの要請を待たずに専用の電話相談窓口を設置し、市民からの相談に応じております。
 検査体制については、医療機関において新型コロナウイルス感染の疑いがある患者の受診があった場合は、保健所に連絡を受け、直ちに検査できるよう、環境保健研究所の体制を整えております。新型コロナウイルスは、現在のところ、基礎疾患のある高齢者などで重症化する例が多いことから、高齢者施設などに感染予防の対策の徹底を周知するなど、感染拡大の防止に努めております。
 次に、相談体制と検査についてですが、相談電話については、通常は土日を含む9時から17時となっていますが、それ以外の緊急の場合には保健所の緊急携帯電話に連絡が入り、24時間対応できる体制となっております。
 また、検査については、37.5℃以上の発熱が4日以上続くなど2月17日に厚生労働省が発表した目安に合致する場合は、帰国者・接触者相談センターで詳しい内容を聴取した上で、設備の整っている帰国者・接触者外来で診察を行い、医師が検査が必要と判断した場合は検査を実施しております。
 次に、市でもマスクを確保し、必要な医療機関、福祉施設などへの提供も行うべきではないかとのことですが、現在、新型コロナウイルスの感染拡大等で、全国的にマスク不足が広がっていることから、国においてメーカーに増産を依頼するなど取組みを進めていますが、全国的に入手困難な状況が続いています。
 医療機関や福祉施設は、利用者のみならず従事者も含め感染リスクが高く、マスクの必要度が高いことから、市としてもできる限り提供していきたいと考えておりますが、現在のところ供給量が限られていることから優先順位を考えながら提供していきます。

次に、災害に強いまちづくりについてお答えします。
 まず、今年の台風が来るまでに倒木対策などを講じ、予想外の対策もとるべきではないか、とのことですが、災害に強いまちづくり政策パッケージにおいては、街路樹や学校敷地内の樹木伐採や、土砂災害対策事業など災害への備えにあたる事業を盛り込み、早期の対応を図るとともに、想定最大規模の降雨量に対しても、市民が自らの判断で適切に避難できるよう、土砂災害危険箇所等でのチラシ配布や、多様な手段による災害情報の収集・発信など周知や啓発にあたる事業を盛り込んだところです。
 なお、災害が発生した際においては、被害を最小限にするため、冠水等対策について、一部前倒しにより対策を強化しているところであります。
 次に、避難所へのスポットエアコンの導入についてですが、暑い時期や寒い時期に避難所を開設する場合において、避難者の健康を保持し良好な生活環境を確保する上で、エアコンは有効であると認識しており、昨年の台風災害の教訓を踏まえて、停電時でも使用でき、移動も可能なスポットエアコンを若葉区及び緑区の学校各1か所に、モデル的に配置したいと考えております。
導入後は、避難所開設・運営訓練で活用するなど、避難所運営委員会と連携して、スポットエアコンの冷暖房効果や使い勝手等を多様な観点から検証し、今後の方向性について検討して参ります。
 次に、感震ブレーカーの設置補助が次年度は400世帯にとどまっているが、感震ブレーカーは全面的に普及を進めるべきではないか、についてですが、現在、市内全域で感震ブレーカーの有効性について普及啓発活動を展開するとともに、延焼危険性が高い地域を対象に感震ブレーカー簡易タイプの無償配布及び設置補助事業を実施しています。次年度についても、引き続き要改善市街地としている11地区を対象に設置補助事業を実施したいと考えております。
また、今後はこれまでの実績を評価・検証するとともに、町内自治会など各方面からの意見や要望も踏まえ、地域が一体となった自助・共助・公助による感震ブレーカーの設置促進に取り組んで参ります。
 次に、がけ地近接等危険住宅移転助成の拡充についてお答えします。
 がけ地近接等危険住宅移転助成制度は、国の補助制度に基づき、助成内容を除却費等の一部及び住宅購入費の利子相当額としておりますが、がけ崩れの危険性がある住宅の移転を促すことは、必要であると認識しておりますので、今後の利用状況を見ながら、必要に応じて本制度の趣旨を踏まえた拡充等の可能性について検討して参ります。
 次に、家具転倒防止金具の普及などの本格的な取組みを検討したのか、とのことですが、地震時の家具の転倒による怪我のほか、避難の際にドアが 開かなくなることや、ストーブと家具が重なり火災が発生することなど、これまで発生した事例からみても、家具転倒防止金具は家庭でできる大変重要な防災対策であると考えております。
 このため、本市が座長を務めた、九都県市地震防災・危機管理対策部会「大規模地震における有効な家具類転倒防止対策研究会」において、家具転倒防止金具の重要性の周知及び普及に取り組んでまいりました。
 当研究会の取組みの一つとして、本市で開催されたジャパン・DIY(ディー・アイ・ワイ)ホームセンターショーにおいて、啓発活動を行ったところです。
 また、九都県市を超えて全国的に家具転倒防止金具が普及 するよう、内閣府への要望活動を実施したところであり、今後も、自助の取組みを促進するため、国や他の自治体等と連携を図るとともに、ホームセンター等との連携を研究するなど、家具  転倒防止対策をより一層推進してまいります。

次に、オリンピック・パラリンピックについてお答えします。
 まず、パラリンピック会場を満員にするための取組みとそのレガシーについてですが、本市は、パラリンピックに向けて、これまで様々な広報、普及啓発活動、事業を展開してきたところであります。特に、本年度は、パラスポーツ国際大会を3大会誘致・開催し、経済界、大学と連携した応援イベントを実施することで、市民にパラスポーツ観戦の機会と競技体験の場を提供して参りました。
 これらの大会観戦者は、のべ約1万7千人にのぼるとともに、平成28年度から実施しているパラスポーツフェスタの参加者が1万人を超えるなど、多くの市民にパラスポーツに触れ、理解と関心を高めていただき、パラリンピックへの機運の高まりを感じているところであります。また、学校教育においては、障害者アスリート学校訪問を、本年度までに市立小中学校全168校で実施したほか、約2万8千人の児童生徒が実際に幕張メッセでパラリンピックを観戦することとしております。
パラリンピックチケットの販売は、はがきによる申し込みが3月13日から開始され、今後、公式チケット販売サイトや窓口での販売が実施されることから、多くの市民が幕張メッセで観戦されるよう引き続き周知啓発に努めて参ります。
 また、パラリンピックにおける残すべきレガシーにつきましては、ハード面のバリアフリーの一層の推進はもとより、多くの市民や子どもたちの心に多様性を尊重する意識が根付くことで、共生社会の実現に向け、社会変革が進み、本市が国際的に認められる成熟都市へ成長していくことであると考えております。
 次に、受動喫煙対策やLGBTなどの環境整備についてですが、受動喫煙対策に関しては、法や条例の施行に伴い、受動喫煙対策の徹底を図るため、飲食店を含めた、市内のすべての事業所を対象に、巡回訪問を実施して参ります。
 特に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場周辺については、飲食店や商業施設等の事業所を集中的に巡回し、法や条例の順守状況を確認するとともに、違反する施設には是正を求めて参ります。また、多様性を尊重した共生社会づくりの視点から様々な取組みを行っているところですが、LGBTに関しては、一人ひとりの正しい理解が重要であることから、広く情報の提供を行っていくとともに、理解促進のための教育や啓発活動が重要であると考えております。
 このため、千葉市パートナーシップ宣誓制度について市政だよりやチラシで周知を行うほか、男女共同参画センターにてLGBTに関する講座を開催するなど、理解促進を図っております。また、市職員や教職員等に対し、「LGBTを知りサポートするためのガイドライン」を配布し研修を行うとともに、民間企業等においても参考となるよう公開しております。
 さらに、東京2020大会の開催期間に合わせ、「九都県市合同キャンペーン」として、九都県市のホームページにおいて共通メッセージを掲示し、相互リンクを張るなど広域での周知を行い、LGBTの方々への配慮促進を図って参ります。
 次に、酷暑対策や感染症対策、安全確保や緊急措置への対策と取組みについてですが、先ず、酷暑対策についてですが、観戦者については、都市ボランティアによる水分補給などの注意喚起のほか、千葉県がクールスポットを設置し、休憩や給水できる場所を提供いたします。また、活動する都市ボランティアについても、飲料水の配付や休憩所の設置を行って参ります。
 次に、感染症対策、安全確保や緊急措置への対応については、大会組織委員会は、会場内に選手用及び観客用の医務室を設置するほか、救急車を待機させることとしており、感染症などが発生した場合には、大会組織委員会に情報を提供する連絡体制を、県・市で構築することとしております。
 更に、テロ等の武力攻撃事態への対応については、的確かつ迅速に対処するため、図上訓練や実働訓練による国民保護訓練を本年1月に実施いたしました。引き続き、大会時におけるリスク管理の徹底につきまして、大会組織委員会及び県と連携を密にして取り組んで参ります。

【鈴木副市長答弁】
 はじめに、国政と市民生活についてお答えします。
 まず、オスプレイ暫定配備計画の白紙撤回を国、県に求めるべきではないか、とのことですが、本市では、これまで国、千葉県及び木更津市からの情報収集に努めてまいりましたが、今後も引き続き、動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、自治体戦略2040構想についてお答えします。
 AIの活用による業務の効率化は、職員削減を大前提とするのではなく、必要な住民サービスを行う職員の確保が重要ではないか、とのことですが、AIなどの先端技術の活用は、業務の効率化ばかりでなく、市民サービスの向上につながるものであると考えております。引き続き、市民サービスを低下させずに効率的な行政運営を行うという観点から、AIや民間機能の活用等による業務の効率化を図るとともに、業務量や内容に応じた、適切な職員配置となるよう努めて参ります。

 次に、SDGsについてお答えします。
 まず、「すべての人に健康と福祉を」という目標があるが、市は子どもの医療費の自己負担を増やそうとしており、格差を拡大するだけではないかとのことですが、保険調剤への保護者自己負担導入は、地方単独事業として多額の財源を要して実施している、子ども医療費助成制度を継続させつつ、子育て支援の充実・拡充が必要な新たな需要に、制度の見直しによる財源を活用し、子ども施策全体を充実させるため、実施するものであります。
 制度改正後も、現行制度と同様に経済的負担が大きい市民税所得割非課税世帯は、自己負担額を無料とするなどの配慮をしつつ、子どもの健康維持という制度の趣旨が損なわれない範囲で、必要最小限のご負担をいただくことについて、引き続き、受給世帯の保護者や医療機関に対して丁寧な説明に努めて参ります。
 次に、SDGsは平和が大前提であり、核兵器廃絶を掲げていくことが必要ではないかとのことですが、本市は、核兵器などによる戦争への脅威をなくし、市民共通の願いである世界の恒久平和を求め、平成元年に平和都市宣言を行っており、今後とも核兵器のない平和な世界の実現を目指し、市民の皆様に平和都市宣言への理解を深めていただけるよう取組みを進めて参ります。

 次に、公立病院についてお答えします。
 まず、公立・公的病院への再検証要請を撤回し、地域医療拡充を求めるべき、とのことですが、病床の削減ありきで議論を進めることは好ましくないと考えており、地域の病院のあり方については、地域の実情やそれぞれの病院の果たしている役割などを十分に踏まえ、地域医療構想調整会議の場等での議論を経て、合意されるものであると考えております。
 次に、特徴ある医療展開をしている病院の必要性を国、県に働きかけるなど対応すべき、とのことですが、地域により公立・公的医療機関の果たす役割は異なっていることから、全国一律での再編統合を進めるのではなく、地域の実情に合わせ、地域の医療機関等からの意見も丁寧に聞きながら、議論を行っていくべきであることを、先般開催された地域医療構想調整会議において、本市として、意見を述べたところです。今後も、地域において必要な医療体制が確保できるよう求めて参ります。

 次に、女性の真の活躍についてお答えします。
 まず、令和7年度の女性登用率30%という目標に向けた 取組みについてですが、管理職として必要なマネジメント能力の向上を図るための 計画的な育成、ロールモデルとなる女性職員の活躍事例の共有 などによる意欲喚起やキャリア形成支援、さらには時間外勤務の縮減や休暇の取得促進などによる働きやすい環境整備など、女性職員の活躍に向けた課題の解消に向け、積極的に取り組んで参ります。また、女性の管理職登用を進めていくなか、局長職にふさわしい能力や意欲を有する職員については、局長職に登用して参ります。
 次に、長時間労働を減らし、男女均等待遇を実現して、人間らしい働き方を保障することが登用後の定着につながると思うが見解を求める、とのことですが、時間外労働については、これまでも「新・仕事ダイエット」や「働き方向上宣言」などの取組みにより縮減に努めて参りました。昨年10月からは、新たに時間外勤務の上限規制を導入し、より一層の縮減に取り組んでおります。
 また、職員の能力や意向などを踏まえ、性別にかかわりなく、各種政策・事業立案部署への配置や外部研修への派遣などを行っております。
 このように、職員の能力や意向を踏まえた配置や、仕事と家庭生活の両立が可能な職場環境づくりに取り組むことで、管理職をはじめとするポスト職への登用後においても、男女を問わず、安心して働くことが可能となり、その結果、職員のモチベーションも向上し、ポスト職への定着を図ることができるものと考えております。

 次に、職員待遇についてお答えします。
 非正規から正規へ切り替えるなど、正規職員の増員を求めるとのことですが、職員の体制については、これまでも業務量や内容に応じて、常勤職員だけでなく、非常勤職員等も含め、全体として適切な職員配置となるよう努めております。
 また、今年度当初に、平成31年4月から令和5年4月までの4年間を計画期間とし、児童相談所などの充実強化や、職員の働き方向上などのため、職員の増員に向けた、新たな「千葉市定員適正化計画」を策定したところです。
 引き続き、市民サービスを低下させずに効率的な行政運営を行うという観点から、業務量や内容を踏まえ、適切な職員配置となるよう努めて参ります。

 次に、市制100周年についてお答えします。
 市制100周年の取組みについては、本市に関わる全ての人が、都市のあゆみを知り、未来について考え、行動する機会としたいと考えております。市民の活動を記念事業に位置付ける認証制度の活用などにより、誰もが市制100周年に主体的に関わることで、まちづくりに参加する機運を醸成して参ります。

 次に、ジェンダー平等についてお答えします。
 まず、ジェンダー・ギャップ指数についてですが、今回の結果については、昨年度と比べ順位が低下しており、他国と比較して女性の社会参画が厳しい現状が示されているものと認識しております。
本市においては、ちば男女共同参画基本計画の基本目標の1つである「あらゆる分野における女性の活躍」として、「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」や「雇用の分野における男女共同参画の推進」に係る施策を掲げ、「附属機関への女性委員の登用促進」、「男女共同参画推進事業者登録制度」及び「女性の活躍推進やキャリア形成に関する講座の開催」等の事業を進めているところですが、目標値の達成が難しい事業が多い状況であることから、今後もより一層の取組みを進めて参ります。
 次に、国へ刑法改正を求めることについてですが、性犯罪をめぐる刑法の改正については、平成29年7月に施行され、附則において、施行後3年を目途に施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることが規定されていることから、国において十分に議論、検討されるものと考えており、今後の国の動向を注視して参ります。
 次に、ワンストップ支援センターへの補助金の増額支援についてですが、ワンストップ支援センターについては、国の男女共同参画基本計画において、性暴力被害者の負担の軽減や被害の潜在化防止のため、本年中に各都道府県に最低1か所とする設置目標が掲げられており、千葉県では現在、「千葉性暴力被害支援センターちさと」がこの役割を担っています。
 被害者支援の在り方及び支援の充実等については、千葉県、千葉県警察、本市及び同センター等関係機関により「千葉県性犯罪・性暴力被害者支援協議会」において検討しているところであり、その検討状況を踏まえ、対応して参ります。
 次に、ハラスメントが防止できる体制の充実についてですが、セクハラ・マタハラの相談件数が少ないことにつきましては、これまで実施してきた研修などの成果も出てきていると考えますが、一方でハラスメントに関する相談をしにくいと感じる職員がいることも考えられますので、相談窓口が秘密を厳守することや相談者に寄り添った対応を行うことを定期的に庁内掲示板に掲載するなど、引き続き相談窓口の周知に努めてまいります。なお、研修につきましても、適宜、内容の見直しを行う等により、ハラスメントの防止に努めてまいります。
次に、すべての職員、教職員への研修についてですが、LGBTなどに関する職員研修については、新規採用職員や管理監督職を対象とした研修のほか、夜間講座でも実施し、これまで多くの職員が受講しているところです。
 また、教育委員会では、学校管理職、人権教育担当者、養護教諭及び生徒指導主任を対象とした研修等によりLGBTなどに対する教職員の理解を深めるとともに、毎年実施している初任者研修において、LGBTなどにより生きづらさを抱えている子供たちへの対応の仕方等についての研修を取り入れているところです。今後も、研修受講者が、研修内容を他の職員及び教職員に伝達するなどして、LGBTなどに対する理解促進に努めてまいります。
 次に、学校での性別に関係ない制服の導入を進めることについてですが、学校においては、生徒や保護者の意向に沿った上で、スラックスやネクタイ、リボン等の着用を選択できるようにしているところもあり、生徒一人一人の心情に配慮した対応に努めております。
 また、LGBT・SOGIへの理解が進む中、制服のあり方についての検討が必要となってきたことから、昨年8月に学校管理職や養護教諭等、学校現場の教職員も交えた検討会を設置し、制服に関する生徒のニーズ調査を実施するとともに、制服の採用の仕方等について意見交換を行っているところです。今後、各学校において、生徒主体で適切な制服を採用し、運用していけるよう制服のあり方についての基本的な考え方の取りまとめに向け、検討を進めて参ります。

 次に、信号機設置についてお答えします。
県への働きかけと同時に、本市独自でも対策を講じることについてですが、信号機の設置については、必要性、緊急性の高い場所等に信号機の整備を進められるよう、引き続き千葉県警察に働きかけて参ります。
また、交通事故多発箇所などについては、警察、本市及び関係機関が参加して共同現地診断を行っており、交通事故の原因を検証、分析し、対策を実施しているところです。

 次に、介護保険についてお答えします。
 「介護サービス利用料の負担の引き上げ」、「要介護1、2の生活援助の保険給付からの除外」、「ケアプラン作成の有料化」、「補足給付の見直し」についての質問は関連がありますので、一括してお答えします。
 国の社会保障審議会において昨年12月に取りまとめられた「介護保険制度の見直しに関する意見」では、「介護サービス利用料の1割から2割への負担の引き上げ」、「要介護1、2の生活援助の総合事業への移行」、「ケアプラン作成の有料化」の実施が見送られたところです。また、補足給付については、補足給付第3段階の年金収入額を保険料の所得段階と合わせて2つに分けるなどの案が提案されておりますが、具体的な内容は今後示される予定であり、その動向を注視して参ります。
これらの議論や改正内容は、介護保険制度を持続可能なものとしていくために、所得に応じて一定の負担をしていただく必要があることなどから行われているものと認識しております。
 次に、介護職員の待遇改善を国に求め、市独自の対策を講ずるべきではないか、とのことですが、介護職員の待遇を改善する目的で、報酬に上乗せする加算制度として処遇改善加算があります。本市における処遇改善加算の取得状況は、本年2月現在、1,783事業所のうち、約94%の事業所が取得しております。
 さらに昨年10月からは、新たに経験・技能のある職員に重点化した「特定処遇改善加算」が創設されたことから、対象となる事業所に対して、この加算に関する情報提供を随時行ってきたほか、介護職員の待遇改善のため、多くの事業所がこの加算を取得できるよう助言等を行っているところです。また、市独自の対策を講じる予定はありませんが、介護職員の確保のために、他の指定都市とともに、国に対して介護職員の待遇改善等の対策を、要望しているところです。
 次に、家族への支援と当事者自身が集まって悩みを打ち明けつつ、自身の残っている機能を生かしその役割を発揮している場に関する市の取組みですが、認知症については、当事者や家族が気軽に集まり、互いの悩みを打ち明け、相談できる交流の場が必要であると考えております。そこで、市では、認知症カフェの設置を促進するため、設置・運営費用の一部助成や交流会の開催、カフェに関する広報などを行っております。
 また、認知症の方も地域を支える一員として活躍することで、生きがいを持って生活していくことができるため、認知症の方も登壇して行う講演会や、悩みを共有するための認知症本人同士の交流会を開催し、社会参加を促しております。
 さらに、介護者の負担軽減や、地域における認知症に対する理解の促進を図るため、認知症の人を介護している家族等を対象に、認知症に関する正しい知識や介護方法等の習得及び介護者同士の交流を目的とした研修を開催しております。
これらの地域での取組みを更に推進するため、認知症サポーター向けのステップアップ講座を開催し、認知症の状態に応じたコミュニケーションの取り方や実践を学ぶことで、認知症サポーターが、地域で主体的に認知症に関わり、認知症高齢者にやさしい地域づくりを進めていきたいと考えております。

 次に、国民健康保険についてお答えします。
 まず、一般会計からの繰り入れによって保険料を引き下げることについてですが、本市では、平成29年度に累積赤字を解消し、30年度以降は、広域化や公費拡充の効果もあり、一般会計からの収支不足の繰入れがなくなり、本来あるべき姿となっております。
 しかしながら、高齢化や医療の高度化などにより医療費の増加傾向が続き、今後も保険料の上昇が見込まれていることから、保険者として実施できる歳入確保と歳出抑制の取組みを推進し、保険料上昇の抑制につなげたいと考えています。その上で、今後も低所得者の負担増にも配慮しながら、必要な改定を行っていく方針であり、一般会計からの繰入れを行い、保険料引き下げを行うことは考えておりません。
 なお、国保では低所得者に対する保険料軽減制度があり、毎年、対象が拡大されているほか、本市独自の減免制度を実施しております。また、本市では、より一層の公費拡充を国に要望しております。
 次に、市立病院でも無料低額診療を実施することを求める、についてですが、無料低額診療につきましては、社会福祉法上の社会福祉事業と位置付けられており、税制上の優遇措置が講じられております。
 しかし、公立病院が実施する場合にはこの優遇措置の対象とならないことから市立病院が提供している様々な政策的医療への影響等も慎重に検討する必要があります。
 市立病院では、等しく患者を受け入れており、経済的困窮者に対しては、生活面や医療費などの経済面での問題について支援する、医療ソーシャルワーカーなどが、生活保護や高額療養費など活用できる公的制度がないかなどの相談に随時対応しております。
次に、短期保険証、資格証明書の発行をやめるべきとのことですが、まず短期保険証は、納期限から6か月過ぎても未納分のある方に交付しております。また、資格証明書については、1年以上の長期にわたって未納状態が続いており、督促や催告など何度も働きかけを行い、滞納世帯の状況把握に努めたにも関わらず納付交渉に応じず、納付意思が確認できないなど、やむを得ない場合に交付しているものです。
 保険料は、国民健康保険事業を支える重要な原資であり、保険料をお支払いいただいている、他の多くの被保険者との公平性の観点から、短期保険証、資格証明書の交付の取りやめは考えておりません。
 次に、休業補償として傷病手当、出産手当を法定給付とすることについてですが、国民健康保険法では、傷病手当金等の給付を保険者が個々の事情に応じて任意に行うことができるとされておりますが、国保財政の状況などから本市では実施しておりません。法定給付化については国の動向を注視して参ります。

 次に、児童虐待問題についてお答えします。
 児童相談所の機能について、職員の確保をしつつ増設を求めることについてですが、職員の確保につきましては、児童虐待相談対応件数の伸び等を踏まえ、法に定める配置基準に応じて、児童福祉司を初めとする職員の増員など、人員体制の強化を図っているところです。
また、児童相談所の体制については、複雑・多様化する虐待通告に適切に対応するには、施設・設備の適正な規模や機能を確保することが必要であることから、複数か所体制を含め、様々な可能性について検討して参ります。

 次に、保育所整備についてお答えします。
保育の質に対して、千葉市の基準を引き上げるべきとのことですが、保育施設においては、国の基準により、年齢毎の保育士の配置、嘱託医・調理員の配置等が定められており、また、栄養士の配置に対する給付費の加算により、各施設で必要とされる  専門職の配置が促進される仕組みとなっています。
 更に、本市においては、保育園等の1・2歳児に対する配置について国を上回る基準を定め、保育士等の加配に応じた補助を行うほか、保育士等給与改善事業による給与上乗せや、保育士等宿舎借り上げ支援事業による家賃補助を行うなど、保育士等の経済的な支援にも努めているところであり、保育の質に対しては、一定の基準を満たしているものと認識しております。しかしながら、積極的な保育の施設整備を進めてきた一方で、保育施設の保育の質が一様ではなく、全体の底上げが必要と考えており、今後は、保育者や保育施設等の現状を把握するための実態調査や、有識者からの意見聴取等により、必要とされる基準も含め、更なる質の向上策の検討を行って参ります。
なお、職員の労働条件等については労働基準監督署の所管となりますが、施設への指導・監査等の過程で問題が見つかった場合には、助言・指導しております。

【服部副市長答弁】
 はじめに、武器見本市についてお答えします。県に中止を求めるべきではないかについてですが、幕張メッセでのイベントなどの開催に当たっては、指定管理者である株式会社幕張メッセが、千葉県の「日本コンベンションセンター国際展示場設置管理条例」等に基づき、施設利用の可否を判断するものと認識しております。

 次に、地球温暖化対策についてお答えします。
 まず、二酸化炭素を出し続ける石炭火力は千葉市にもいらないときっぱり表明すべきとのことですが、日本の石炭火力政策に対し、国際社会から厳しい意見があることについては承知しておりますが、石炭火力発電などを含めたエネルギー政策については、市民生活や経済活動に深くかかわっていることから、安全性を前提とした上で安定供給されることを第一とし、国において最適なエネルギー需給体制の構築について、十分に検討されるべきものと考えています。
 次に、実効性ある対策の予算化についてですが、令和2年度予算案では、温室効果ガス排出量の削減を一層進めるため、住宅用蓄電池設置費用助成の拡充に加え、新たに窓の断熱改修費用に対して助成するほか、住宅と電気自動車等の双方向に電力を供給することができる一般住宅用充給電設備V2H(ビークル トゥ ホーム)の設置助成を盛り込むなど、これまで以上に再生可能エネルギー等の導入を進めて参ります。
 また、予算計上はしておりませんが、災害に強いまちづくりに向けた政策パッケージとして、民間事業者の提案により本市の追加負担なく、全ての公民館と市立学校等に太陽光発電設備と蓄電池を導入することにより、本市の地球温暖化対策をこれまで以上に進めて参ります。

 次に、粉じんについてお答えします。
 まず、提言をどう受け止め、JFEが発生源になった根拠についてですが、本市としましては、千葉市環境審議会の大気環境保全専門委員会において、専門的な知見に基づき解析が行われ、提言をいただいていることから、その内容を真摯に受け止め、提言に基づいて対策を検討して参りたいと考えております。
 また、根拠につきましては、同委員会において、平成27年度から30年度までの降下ばいじんの測定データを様々な手法で解析したところ、
・寒川小学校、アリオ蘇我、フェスティバルウォーク及び千葉職業能力開発短期大学校の臨海部4地点と蘇我保育所、都公園において、製鉄工場を風上とする風向きの時に、降下ばいじん量が大きくなる関係が明確に見られること
・臨海部4地点における降下ばいじんの鉄とアルミニウムの成分比率に、鉄鋼工業関連特有の特徴が見られることなどが得られたことから、「臨海部4地点が他の地域より降下ばいじん量が大きい要因としては、様々な発生源が考えられるが、その中でも製鉄工場の影響が比較的大きいものと認められる」との結論に至ったところです。
 次に、目標値の見直しについてですが、降下ばいじんの環境目標値につきましては、国においても環境基準が設定されていない中で設定されたものであり、現在は一部の測定地点で断続的に環境目標値を超過することがあるものの、おおむね環境目標値を下回っている状況です。
しかしながら、大気環境保全専門委員会からの提言におきまして、社会情勢が環境目標値設定当時から大きく変化していることから、見直しについて検討を行うことが望ましいとの付帯意見をいただいたこともあり、本市としましては、引き続き他自治体の状況などを情報収集した上で、同委員会において専門家のご意見を伺いながら見直しを検討して参ります。

 次に、中小企業支援策についてお答えします。
 高崎市の取組みについては承知しておりますが、本市では、店舗改装や設備投資に係る環境整備については、中小企業資金融資制度の対象とし、利子補給による助成を行っているほか、国の補助金の採択に向けた事業計画書の作成支援なども行っております。
また、店舗で開業する創業者に対しては、開業資金の助成などの支援メニューも整備しております。引き続き、これら支援メニューの制度の周知に努め、商店等の魅力の向上に取組んで参ります。

 次に、農業従事者の後継者育成と災害対策での支援の充実についてお答えします。
 まず、家族農業への支援についてですが、本市の農家の多くを占める家族経営農家の持続性確保と経営環境の向上は大きな課題であることから、その後継者となる若者への支援も重要と捉えております。これまで、農業後継者に対しては、農業経営に必要な資金の融資を受けた際の利子補給を行うなど、円滑な就農と経営の安定・向上に向け支援して参りました。
今後は、これに加え、農政センターの試験栽培施設を利用し、就農者向けの研修を実施するなど、農業後継者の栽培技術向上を図り、安定経営の実現を目指して参ります。
 次に、災害対策についてですが、これまでも、災害により農業用施設等に被害を受けた農業者に対しては、国の補助制度を活用し、支援して参りましたが、今年度からは、農業経営の安定を図るため、収入保険制度への加入を促す目的で初年度掛金の一部を助成しています。
一方、農業者の皆様が自ら災害対策に取り組んで頂けるよう、園芸施設共済の加入や発電機の設置などの働きかけも行っております。これらに加え、来年度からは、農政センターに貸出用発電機を常備し、災害発生時には、速やかに貸し出す体制を整備するとともに、農政センター職員による、被害状況の早期把握及び、被災農家個々に対する営農指導を確実に実施できる体制を構築して参ります。

 次に、市営住宅についてお答えします。
 まず、エレベーターのない3階以上の上層階の空室に、単身の若者が入居できるよう推進することを求めるについてですが、市営住宅は、住宅に困窮する家族世帯で、収入要件に該当する方や、単身であっても高齢者、障害者等で収入要件を満たす方、および生活保護受給者については、入居することができます。
 本市では、まずは、この条件に該当する方に市営住宅を供給することが必要であると考えており、若い単身者への住宅提供については現在のところ考えておりません。
一方で、エレベーターのない上層階で長期間にわたって空室となっている住宅については、課題であると認識しておりますことから、この対応については、国や他都市の動向を注視して参ります。

 次に、エレベーターのない団地にエレベーターを設置するなどバリアフリー化住宅の改修を進め、また建て替えを待たずに進めていくべきではないかについてですが、本市のエレベーターのない団地は、大部分が共用階段から直接住戸に出入りする、いわゆる階段室型で、エレベーターを設置する場合は階段ごとに設置することとなり、一般的に行われている階段の踊り場に接続する方式では、完全なバリアフリーとはなりません。
 新たに各階に廊下を増築し、エレベーターを設置する方法もありますが、多大な費用がかかるほか、敷地利用に大きな制約がかかります。
 こうしたことから、「千葉市営住宅長寿命化・再整備計画」に基づき、住戸内の手すり設置や既存住棟まわりの段差解消など、必要な改修を計画的に行って参ります。

 次に、デマンドタクシーなどについてお答えします。
 まず、デマンドタクシーの早急な実施についてですが、路線バスとの役割分担や運転手不足などの課題があることから、アンケートやヒアリングなどにより、地域や事業者が抱える課題や問題点等を十分に把握する必要があると考えております。
 また、協議会やバス事業者などを交えた部会などで、地域公共交通網形成計画の策定に向けた検討を進める中で、持続可能な交通手段のひとつとして、デマンドタクシーの必要性について議論するとともに、今後、交通不便地域などの代表的な地区を抽出し、住民の皆様との意見交換などにより、地域の特性に応じた移動支援策を具体的に検討して参りたいと考えております。
 次に、あらゆる交通資源を活かした対策についてですが、地域の状況や意向、課題などを把握した上で、多様な交通手段の中から、持続可能な交通手段やその組み合わせについて、検討する必要があることから、例えば、社会福祉法人等が営利に至らない範囲での対価で実施する「福祉有償運送」やデイサービスで使用している送迎車を利用した「買い物支援サービス」、更には、地域の人たちで送迎を助け合う取り組みなど様々な形について検討して参ります。

 次に、土木事務所予算についてお答えします。
 安心できるまちづくりのために更に増額を求めることについてですが、
新年度予算案では、市民要望に応えるための道路維持費や舗装・側溝改良費などのほか、これまでの台風被害などを踏まえ、災害に強いまちづくりを推進するため、電線共同溝整備費など防災・減災に資する予算を増額しております。
 今後も、安心できるまちづくりのため、必要な予算を確保し、道路の適切な維持管理と災害対応力の強化に努めて参ります。

【病院事業管理者答弁】
 まず、市立病院の赤字が続くとアンケートで強調していたが、アンケートで寄せられた市民の声はどう受け止めているのか、についてですが、市立病院の役割や機能、体制などに対する市民の意識について幅広く調査することを目的として、無作為に抽出した市民3,500人を対象にアンケートを実施し、1,408人の方から回答をいただきました。市立病院の利用経験の有無やお住まいの地域、世代にかかわらず、いろいろな方からご回答をいただき、あらためて幅広い市民の関心の高さが認識されたところです。このアンケートでは、夜間も含めた救急搬送の受け入れや、リスクの高い出産、子どもの医療など、採算をとることが難しい医療を提供する市立病院に対して、現状程度の税金による支援を続けることはやむを得ないと回答された方が全体の約6割を占め、市民の皆様の税金で運営されている市立病院に対する期待のあらわれと認識しております。
 一方で、市立病院が、将来にわたって安定的に医療を提供し続けるためには、健全な経営にも配慮していく必要があり、継続的に両市立病院や他の医療機関との役割分担を踏まえた診療体制や診療機能を検討するとともに、経営の健全化に向けた取り組みを行っていくことも重要と考えております。
 次に、千葉市の高齢者の人口のピークは2050年であり、今後の将来推計と受療動向は変化していくと思われることに対する見解についてですが、精神疾患を除く市内の将来推計入院患者数は、在院日数の短縮や介護サービスの充実などから入院受療率の低下が一定程度進むことを見込んだ場合であっても、2015年の1日当たり5,650人から増加し、2025年から2045年にかけては、6,800人から7,000人程度で推移することが見込まれます。しかし、今後の医療政策の動向や医療技術の進歩、市内の他医療機関の動向などにより、市民の受療動向が変化し、市立病院に求められる医療の内容も変化することが十分に考えられます。
 このため、市民の医療ニーズの変化を的確にとらえ、市民が必要とする医療を地域で切れ目なく提供できるよう、地域の医療機関と連携・役割分担し、医療提供体制の確保に努めていくことが重要と考えております。
 次に、海浜病院は、今後も診療科目と救急体制の充実をしていくべきではないか、についてですが、海浜病院では、高齢化の進展などに伴い、救急搬送件数が増加傾向にあることから、今年度に救急科を新たに設置して救急受入体制の強化を図っております。
 また、平成27年度から心臓血管外科手術を行っておりませんでしたが、新生児から成人までの先天性心疾患を中心とした心臓血管外科診療の提供に向けて準備を進めております。
 新病院においては、地域の高齢者に必要な循環器疾患、脳神経疾患、整形外科系疾患などの対応強化を図るとともに、救急医療体制の充実を目指して参ります。
 最後に、産婦人科と小児科の入院機能は集約でなく青葉病院でそのまま受け入れができるようにしていくべきでは、についてですが、日々の診療に影響がないよう、より高度で専門的な医療を安定的に提供できる体制を構築していくことが重要と認識しております。このため、青葉病院の産婦人科及び小児科の入院診療については、産科医の成り手が少なく全国的にみても医師不足にあること、近年減少傾向にある患者数の推移などを踏まえ、新病院に集約することとしたものです。
 なお、外来診療については、引き続き維持することを検討しており、新病院や周辺医療機関と連携を図ることで、市民の医療に影響がないよう対応して参ります。

【教育委員長答弁】
 教員の働き方改革についてお答えします。
 まず、市独自でも正規教員を確保し子どもたちにわかる授業を実践できるよう求めることについてですが、本市では、子どもたちにわかる授業を実践するために、少人数教育や少人数指導を推進しており、市独自に小学校1年生から4年生までを35人学級、5年生から中学3年生までを38人学級とし、国の基準に比べきめ細かな教育環境を作っております。
 また、学校運営充実のための非常勤職員をはじめ、理科支援員や図書館指導員など、専門スタッフを充実してきたところであり、さらに、来年度は専科指導のための非常勤講師やスクール・サポート・スタッフ等を増員する予定です。
 今後も、国に対し基礎定数の改善を要望するとともに、市独自の専門スタッフの最適化に取組み、教員の負担軽減を図り、子どもと向き合う時間を確保することにより、わかる授業の一層の推進に努めて参ります。

 次に、教員の変形労働時間制を条例化しないよう求めるについてですが、学校における働き方改革が急務となる中、変形労働時間制は、教員の働き方の選択肢の一つではありますが、まずは、教員が学校教育活動に関する業務を行っている時間を適切に管理していくことが重要であると認識しております。
 このため、本定例会に提案している、千葉市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正を行い、教員の在校等時間の上限等に関する方針を規則において定めるとともに、学校業務の効率化や人員配置の工夫などにより、教員の勤務時間の適正化に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 今後も、働き方改革プランに基づき、専科指導のための非常勤講師やスクール・サポート・スタッフ配置の最適化などの取組みを着実かつ効果的に進めつつ、変形労働時間制の導入については学校現場の実情に即して適切に判断して参ります。

 次に、図書館についてお答えします。
 まず、計画策定を民間に委託することは問題ではないかについてですが、計画の策定にあたっては、本市のみならず、全国的な視点も踏まえて検討するため、図書館業務に精通し、ノウハウを有する事業者を活用することとしました。
 さらに、本市独自の視点も重要であることから、千葉市図書館協議会に諮問し、今後の図書館の在り方について議論していただくとともに、シンポジウムや有識者インタビューにより、多様な意見を聴取しながら、策定を進めてきたところです。
 次に、窓口の民営化についてですが、今後、人口減少とともに、労働力人口が減少していく中で、限られた予算の有効活用や、新たな事業に貴重な人材を振り向けていくために、民間事業者を活用していくことも、有効な手段の一つであると考えております。なお、民間委託化を進めるにあたっては、関係部局や関係機関と協議を行った上で、慎重に検討して参ります。
 次に、地区図書館や分館の縮小・統合についてですが、千葉市図書館ビジョン2040(案)において、地区図書館は、特定分野の専門的な資料を揃えた図書館として再編し、分館は、組織体系や利用ニーズなどを総合的に勘案し、サービス内容の限定化を図るほか、利便性の高い場所へのサービスポイントの設置を進めることとしており、誰もが利用しやすいサービス環境の実現に取り組んで参ります。
 次に、図書館施設の老朽化への対応についてですが、「千葉市公共施設等総合管理計画」が示す基本方針や、資産の総合評価などを踏まえるとともに、利用ニーズの動向や、地域に必要な「知」の拠点としての機能などを整理した上で、学校との複合化、施設規模のコンパクト化、商業施設内への移転の可能性等について検討を進め、図書館施設の老朽化に適切に対応していきたいと考えております。
 最後に、「図書館の自由に関する宣言」は担保されるのかについてですが、「図書館の自由に関する宣言」において「図書館は、基本的人権の一つとして知る自由を持つ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする」こととされており、この理念を尊重しつつ、引続き、「資料収集の自由」、「資料提供の自由」のほか、「利用者の秘密を守る」ことなどを実践して参ります。

 

(2回目)

【中村きみえ議員】

 ジェンダー平等では、内閣府の資料で審議会委員への女性の登用について都道府県と政令市が目標値の設定を示しており、千葉市では2021年度までに38%と掲げていますが、26.8%です。北九州市では、すでに52.5%と過半数であり、千葉市は政令市のワーストで北九州市の半数となっています。SDGsでもジェンダー平等を掲げており、千葉市の取り組みの遅れは深刻ですから早急に全庁挙げて対策を講じるよう求めておきます。

1.カジノ問題
 カジノ問題では、災害の問題やスケジュールなどを理由に見送っていたとしていますが、すでに先の12月議会でも議論しわかっていたことです。市民の多くは、国会議員の逮捕が続き、千葉市は大丈夫なのか、企業との接触で問題がなかったのか疑問を感じています。日本のカジノ市場への参入を狙いアメリカの大手カジノ企業による日本の国会議員や地方自治体に対するロビー活動が活発化していたようです。アメリカでは海外腐敗行為防止法に賄賂禁止規定があり利益供与額がたとえ少額であっても処罰すると言われています。日本の政治資金規正法でも外国人または外国企業からの寄付は禁じられており、違法性がないのかどうかを市民にきちんと説明する必要があります。
 1つに、千葉市でIRに関する面談記録を取り寄せましたが2017年度から2019年度までで18回にわたって多くの事業者と市長、副市長、市職員が面談していたことがわかりました。新日本建設株式会社などは6回にもわたって面談しています。こうした事業者の役員などが市長のパーティー券を購入するようなことがあるのかお答えください。
 2つにカジノは今回見送りとしていますが、断念していません。しかし、カジノは、ギャンブル依存症をさらに増やし、治安を悪化させ、マネーロンダリングを封じる保証がありませんから、今後もきっぱりと断念すべきです。お答えください。

2.市民への負担増
 千葉市では、急ぐ必要のない大型開発については真に必要な事業だと正当化していますが、市民への負担増していくことは最小限の見直しだとしています。しかし、今回、子育て世代にとっては負担を増ばかりではありませんか。
 例えば、3歳未満児の保育園、小学校のお子さんがある家庭では、土曜日の保育時間の延長を利用し子どもルームの値上げだけでも月額4700円の負担増となり、そのうえ、お子さんが病気になれば、医療費は倍増し一か月に3回受診するだけで900円の負担増となり、月額5600円の負担増となります。課税者であっても共働きで出費がかさめば日常の生活はかなり厳しい実態があります。昨日、子どもの医療費窓口負担撤回を求めて子育て中のお母さんと党市議団で市に第一次分として2960筆届けました。
 1つに、子育て支援は経済的な負担の軽減が何よりも必要であり、このような子育て支援に逆行する負担増は中止すべきです。お答えください。
 生活保護を受けている市民は、保護費が減り、日々つましく暮らしているのに、とてもこれでは生きていけないと自殺未遂をする方もあります。親の介護でケア付きは月額30万円もかかり、親の年金だけでは支払えず、40代の息子は仕事をやめて介護をしています。このように健康で文化的な最低限度の生活を営む権利という生存権とは程遠い暮らしをしている市民がたくさんいらっしゃいます。
 2つに、市ではこうした現状を把握しているのですか。
 市では、2018年度から在宅高齢者などのおむつ給付や心身障害者福祉手当をカットしましたが、おむつカットなどで3702万円削減し、その分の活用は2501万5千円にとどまり、心身障害者福祉手当は2億3790万4千円の削減に対して1億5575万1千円の活用と見直した全額が活用されていません。子どもの医療費の負担増が、学校のエアコン代に使われたら、就学前の保護者は、どう感じるでしょうか。子どもルームの利用料も指導員の待遇改善のため、生活保護を受けている方の下水道使用料の減免も生活保護世帯の学習支援と言われて、それぞれ待遇改善や前向きな事業を行っても当事者同士の対立を生み、手放しで喜べない質の悪いカットをし、負担増を押し付ける、こんなやり方で値上げを正当化することに市民は怒っており認められません。
 3つに、このような当事者同士の対立をあおるような質の悪い負担増、カットはやめるべきです。お答えください。

3.新型肺炎
(1)新型コロナウィルス感染症対策について
 政府は、2月25日、新型コロナウィルス感染症対策本部で基本方針を出しました。感染の流行を早期に終息させるためには感染拡大防止対策をあらゆる分野で対策を講じることが求められています。市民はどんなタイミングで受診し、何に気を付けて暮らしていけばよいのか連日テレビで報道されていますが、冷静かつ正しい行動がとれるように市民や企業への正確な情報提供が求められています。
 1つに、市として現時点でのネットや紙の情報も含めてわかりやすく広報していくことを求めます。
 青葉病院をはじめ、一般の医療機関でもこうした感染症対策への検査や治療など講じることが今後も求められています。
 2つに、感染症患者の受け入れのためのベッド確保など民間医療機関での受け入れ態勢のため財政措置を抜本的に講じるよう求めていくべきですが見解を求めます。

(2)学校現場について
 新型肺炎は千葉市でも中学校の先生が感染し、休校措置をとり、全教職員の健康管理をチェックされました。感染した教員は発熱していても勤務し、長時間の労働環境が問われており市民が心配しています。受験生も保護者も受験を目前に控え不安が大きく、試験会場を別室にする対策が検討されています。
 1つに、今後の感染者拡大防止と子どもの命と健康を守る観点から市内小中学校の休校措置や春休みの前倒しや卒業式の簡略化など市民の声が寄せられていますが、どう対応されますか。
 2つに、当該の中学校関係者がいわれのない差別やいじめにあうことがないよう関係者の間でのより一層の配慮が求められますが、見解を求めます。
 3つに、これ以上感染しないよう体調の悪い職員は休む体制を整えるなど対策を講じていくことを求めます。見解を伺います。

 

(2回目)
【市長答弁】
(カジノ問題)
 面談した事業者の役員などが、市長のパーティー券を購入するようなことがあるのか、についてですが、購入者については、個別の公表は行っておりませんが、法令に従い政治資金収支報告書に記載し、適切に処理しております。
 次に、カジノは今後もきっぱりと断念すべきとのことですが、この30年で培われてきたMICE機能等を含め、今後  どのように幕張新都心を機能強化し、更新を図っていくのか、その将来像や取組みの方向性について、現在、「幕張新都心将来ビジョン」策定の中で検討を行っており、本市及びその圏域、さらには県内経済全体をけん引していくために、幕張新都心をどのように成長させていくかといった将来のあり方を検討していく中で、IRも含めた有効な戦略について研究していきたいと考えております。

 次に、市民への負担増についてお答えします。
 まず、子育て支援は経済的な負担軽減が何より必要であり、子育て支援に逆行する負担増は中止すべきとのことですが、保育所等の延長保育料については、週5日以下の利用者負担額は変更せず、新たに開始する土曜日の延長保育を含めた、週6日利用の料金を新設したものであることから、負担増には該当しないものと認識しております。
 また、子どもルーム利用料の改定については、多様な利用者ニーズへ対応するため、土曜開所時間の延長や、安全・安心を確保するための入退所管理システムの導入など、利用者サービスの向上を図るものとしております。
 さらに、保険調剤への保護者自己負担導入は、子ども医療費助成制度を継続させつつ、子育て支援の充実・拡充が必要な新たな需要に、制度の見直しによる財源を活用し、子ども施策全体を充実させるため、実施するものであります。
 なお、いずれの制度も、生活保護受給世帯や市県民税非課税世帯に対する軽減措置を、引き続き設けるなど、経済的な負担軽減にも配慮しております。
 今後も、多様化する子育て支援に的確に対応するなど、本市で生み育てて良かったと思えるまちづくりに取り組んで参ります。

 次に、生活保護を受けている市民は、保護費が減り、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利という生存権とは程遠い暮らしをしており、市ではこうした現状を把握しているのかについてですが、平成30年10月から3年間かけて段階的に行われている 生活保護基準の見直しにおいて、最大で5パーセントの減額となっております。
 国では、最低限度の生活に必要な水準を検証・検討するための手法などについて、昨年3月に有識者を構成員とした「生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会」を設置し、現在、議論が行われているところであり、その動向を注視して参ります。

 次に、質(たち)の悪い負担増、カットはやめるべきとのことですが、今後、ますます人口減少、少子・高齢化が進展していく中で、市民ニーズに的確に対応し、限られた財源を効率的に配分するため、市民生活に与える影響を考慮しつつ、事業の見直しを  図る必要があるものと認識しております。

 次に、ネットや紙の情報を含めて分かりやすく広報をしていくことを求めるとのことですが、現在、新型コロナウイルス感染症については様々な情報が報道されているところですが、感染拡大防止のためには、市民に感染予防策など正しい情報を理解していただくことが重要であることから、引き続き、ホームページや区役所窓口などに配架したリーフレットによる広報を実施する他、今後は高齢者施設等に手洗いや咳エチケット等を呼びかけるポスターを配布するなど啓発に努めて参ります。  

 次に、民間医療機関での受け入れ態勢の強化のため財政措置を抜本的に講じるよう国に求めていくべきとのことですが、現在は、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者が発生した場合は、保健所内の帰国者・接触者相談センターが調整して、医療体制の整った帰国者・接触者外来を受診し、検査の結果、感染が認められた場合は、市立青葉病院などの感染症指定医療機関に入院することとなります。新型コロナウイルスは、国内発生早期から次のフェーズに移りつつある段階にあり、今後限られた医療資源で患者へ適切な医療を提供するために軽症者は一般医療機関で対応するなどの方針が国から示されたところです。医療提供体制の維持のため必要な対策を実施するよう、他の政令指定都市と連携して、国に要望して参ります。

【教育長答弁】
 学校現場についてお答えします。
 まず、小中学校の休校措置や春休みの前倒しや卒業式の簡略化など市民の声が寄せられているが、どう対応するのかについてですが、当該校については、国立感染症研究所の実地疫学専門家と保健所が共同で調査等を実施し、教職員と生徒の健康観察期間を2週間までとしたことを踏まえ、3月4日まで休校とすることとしました。
 他の市立学校については、全教職員の健康状態に関する調査を行ったところ感染の疑いがある者はいないこと、また、手洗いや咳エチケットを励行するとともに、全教職員及び全児童生徒を対象に「健康チェック表」による健康観察などを実施することにより、感染症の拡大防止に効果があると考えられることから、現段階では春休みの前倒し及び休校措置は予定しておりません。
 卒業式については、かけがえのない行事であることを踏まえつつ、換気や消毒用アルコールの配置等の対策を行うほか、代表児童生徒への卒業証書の授与等、内容の精査や、参加者を最小限にすることなどについて、各学校に通知したところです。

 当該の中学校関係者がいわれのない差別やいじめにあうことがないようにする、より一層の配慮についてですが、今回の事案については、学校名等の公表を控えるよう、報道機関に依頼するとともに、一般の方にはSNSで広げることがないように配慮を求めているところです。
 また、新型コロナウィルス感染症の報道に触れ、心配をしている人も多いことから、教育委員会では2月5日に、「予防の理解と思いやりの心を大切に」のリーフレットを作成し、市立学校の児童生徒と保護者に配布し啓発を図ったところです。
 なお、各学校においては、スクールカウンセラー等との連携により、新型コロナウィルス感染症に関する悩みや不安について相談できる体制を整えており、引き続き児童生徒の心に寄り添ったきめ細やかな支援に努めて参ります。

 次に、体調の悪い職員は休む体制を整えるなど対策を講じていくことを求めるについてですが、職員は、健康チェック表を用いて、毎日、健康観察を行い、風邪の症状や37.5度以上の発熱がある場合は出勤を控えること、また、出勤している職員についても、発熱等の症状がある場合は直ちに退勤するよう指示することを、学校長に対し指導したところです。
 また、感染の拡大を防ぐためには、疑いのある者を出勤させないことが必要であることから、職員に対し、健康管理や休暇取得の重要性を周知するとともに、授業の実施等に支障がないよう体制を整えて参ります。

 

(3回目)

【中村きみえ議員】

 カジノの問題ですが、面談した事業者がパーティー券を購入したかどうかを聞いていますが、お答えいただけないようです。共産党千葉市議団は25日に、市長あてに政治資金パーティーの収支報告書、パーティー券購入者について3月5日までに公表していただくよう申し入れましたので、その回答を待ちたいと思います。
 新型肺炎の問題では、政府が出した方針では、患者や国民、医療機関には様々な要請をする一方で、国が果たすべき責任が打ち出されておらず、方針にふさわしい十分な財政措置が必要だと私どもは指摘をしています。医療機関の受け入れ体制や検査体制の確立が重要ですし、軽度な場合の自宅療養の判断は、不安を抱える人に一定の知識を備えた人の的確なアドバイスが求められています。そうした相談体制の抜本的な拡充を国待ちにならずに対応して頂きたいと思います。また、地域経済にも打撃を与えており、資金繰りが厳しい中小企業へのつなぎ融資なども必要となっており、党としても国に求めていますが、十分な対策を講じていくことができるよう引き続き取り組むことを表明し、質疑を終わります。

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