安心してくらせる住みよい千葉市をつくりましょう
日本共産党東京都議会議員団

大規模な検査をおこない感染の抑止を! もりた真弓議員討論【2020年第1回臨時会】

討論原稿                        7/29 もりた真弓

 日本共産党千葉市議団のもりた真弓です。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、闘病中の方々にお見舞い申し上げます。また、新型コロナ感染拡大防止対策に取り組んでおられる、医療従事者並びに市職員、保健所のみなさまに感謝申し上げます。現場では日々緊張の渦中で対応されていることと思います。1日も早く新型コロナウイルス感染症が収束し、市民が安心して日常生活を送ることができることを望んでいますが、現状は厳しいことが予測されます。

令和2年度7月補正は、新型コロナ感染症拡大防止対策に特化した臨時議会であり、6月議会の補正で執行されている事業の進捗状況を踏まえ、支援の薄い分野へ如何に支援を届けるかが重要と考えます。これまで日本共産党千葉市議団は、市に対して8回にわたる申入れを行ないました。PCR検査の拡充では身近な医療機関での検査体制拡充を求め、52医療機関まで増加するなどの対応を評価するものです。また、中小企業への事業継続の支援や、学校へのエアコン設置なども、具体的に進んでいます。今後実施される事業が有効に活用されるよう求め、賛成の立場から以下討論いたします。

財政局についてです。

今回の補正予算額50億3,839万円中、地方創生臨時交付金は42億2,269万円です。4~6月分と合計すると103億円余りになり、31億4,412万円超過になりますが、超過分を来年3月までの交付金で獲得し、地方創生臨時交付金を目一杯活用していく方針が説明されました。

しかし、7月補正25事業の他に、調整により漏れた事業は3事業、3億8,227万円となっています。これ以外にも、市民の命と健康、及び雇用と事業継続のため緊急に必要な事業を予算化するためには、地方創生臨時交付金を活用するだけでは財源が不足しています。

財源内訳のうち一般財源は3,967万円であり、現在高89億円の財政調整基金は1円も使われていません。新型コロナウィルス感染症の影響について、財政局は50億円から100億円の収入減を予想していると答弁をしました。この状況が元に戻るには5年も10年もかかると言われています。市民や企業を、「今」救うことが市民生活や事業活動の立て直しにつながり、地域経済を活性化して、市税収入や財源等の確保につながると思います。

熊谷市長は、財政運営は、中・長期を考えて財政調整基金を備えておくことが必要との見解を述べていますが、市民と千葉市経済が深刻な事態の時それを救うため、財政調整基金の一部を積極的に使うことは、中・長期的な財政運営を支えることとなるので財政調整基金の投入を強く求めます。

 尚、総務委員会で共産党が「財政調整基金の活用」を度重ねて要求しましたが、財政局は、「新たな対策を講じる際には、交付金の他に、財政調整基金を機動的に活用することを検討して参りたい」等、財政調整基金を活用することについて、5回の答弁をしたことは前進です。必ず実行することを求めておきます。

総務局です。

7月の豪雨災害も、河川の氾濫、土砂崩れ、浸水、家屋の倒壊など、自宅が被災して避難所に身を寄せざるを得ない甚大な被害の災害となっています。コロナ禍のもと、避難所のあり方が問われる事態となっており、これまでの学校体育館での雑魚寝は不可能になっています。避難所における3密を回避するために、分散避難を推進する取り組みの実施は急ぐべきですが、内閣府・消防庁からは、災害時の避難の基本的視点について、「避難とは難を避けること、安全な場所にいる人まで避難所に行く必要はありません」など、「知っておくべき5つのポイント」が示されています。最近は災害時に、「自分の命は自分で守る」意識を持つようにと言われています。災害発生時には、本当に避難所へ行く必要があるかどうかを市民に周知する必要があります。

今回の補正で、3密を回避するため、400の町内自治会集会所を避難所にするとしていますが、分散型避難は全市民が対象であり、集会所のない町内で公園などに緊急避難する場合の備えや、防災備品の支給を全ての自治会に行うなど、視野を広げる必要があることを指摘しておきます。

避難所に予定している400の町内自治会集会所は、耐震基準をクリアしているかどうか、トイレの水洗化と洋式化が完備した集会所が何カ所あるかの把握を急ぐ必要があります。また、避難所として使う場合、老朽化した町内自治会集会所は修繕が必要になるため、現在、何か所から補助金の申請があり、何年ぐらいで予算化できるのかなど把握し、緊急に予算化する必要があると考えます。

加えて、避難所で災害情報を把握するためのテレビが設置されていない集会所が多数あると聞いています。市はラジオを活用すると言いますが、テレビは避難所に絶対必要であり400か所の集会所に、地方創生臨時交付金を活用して設置を求めます。

次に、災害情報をできるだけ早く的確に周知するため、防災無線個別受信機の設置は評価しますが、集会所だけでなく、自治会長宅や避難所運営委員会の責任者宅にも配置が必要です。自治会単位の避難所運営委員会と行政が一体となり、新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえた避難についての打ち合わせを強めることも併せて求めておきます。

市民局についてです。

新しい生活様式の下での文化芸術活動の支援のうち、文化芸術発表支援についてです。コロナ禍で、イベント開催制限により主催者の費用負担となる市文化施設の利用料金を免除するものです。支援の対象範囲を、音楽・舞踊・演劇等としていますが、利用する団体の規模などの条件はなく、広く希望する団体の利用が可能です。対象期間を今年の8月から12月までとしており、団体の利用希望が重なった場合は調整する必要がありますが、練習場所や発表の機会を失っている文化・芸術関係者を励ます事業として、活用されるよう望みます。また、市内にある千葉県の所有する施設について、同様の取組みを県に提案するなど、文化芸術活動の支援の拡充を求めておきます。

動画配信環境整備助成についてですが、ライブハウスは、当初からクラスター発生の代表的な施設として、今でも厳しい自粛状態を求められており、文化としての継承が危ぶまれています。倒産の危機に直面している分野への支援として、すでにコロナ対策として整備したライブハウス等にも、さかのぼって助成を検討するなど柔軟に対応することを求めます。

保健福祉局です。

7月27日時点で、市内のコロナ感染者数の累計は216名まで拡大しています。7月の感染者数は4月の第1波を越える状況となっており、都内感染も拡大するなかで影響を受ける千葉市には、より一層の検査体制拡充が求められています。

PCR検査等協力支援金は、医師が感染した場合に、再開のための支援金を支給するというものであり、感染リスクは看護師等も同じく高いため、医師以外の感染で休止する場合も対象とすることを求めておきます。

また、感染した市民から陰性になった後も微熱や倦怠感等、後遺症が2か月も続き、仕事に復帰できないという相談も寄せられています。東京の新宿区は、感染者に10万円の見舞金の支給が図られており、千葉市としても感染者の後遺症に対する支援に取り組むことを要望します。

なお、コロナ禍での医療機関の経営は多くが赤字でボーナスカット等、存続すら危ぶまれる深刻な状況です。先の議会でも市独自の医療機関への財政支援が必要であると求めてきましたが、臨時議会でも医療機関損失補償に対する予算はなく、国に求めるだけというのは極めて遺憾であります。医療機関の倒産は文字通り、市民の命に直結する最悪な医療崩壊であります。国待ちにならず、今こそ財政調整基金を活用して、1医療機関に対して数千万から1億円規模の緊急財政支援金を投入することを強く求めるものです。

次に、ドライブスルー検査継続については必要ではありますが、1日10~20件程度の検査数では抜本的検査拡充に至っていません。車を持たない高齢者も検査できる環境整備は必要であり、ウォークスルー検査の導入やPCR検査センターの整備、民間検査会社への検査委託を早急に実施して、現状の平均90件程度の検査数を冬場の感染拡大に向けて、千葉大学の協力を求めることも含め、1日あたり200~300件程度の検査キャパシティを確保することを求めておきます。

また要望してきた接待を伴う飲食業従業員が、無症状でもPCR検査を受けられる体制づくりが進展したことは評価するものです。クラスター防止のためにも医療・介護・保育・教育従事者においても無症状での検査、また学校内で感染が出たらクラス全員を検査することや、より多くの市民が積極的に検査を受けられる体制整備を強く求めるものです。

次に、保健所の体制強化についてです。外部委託で市民向け電話相談窓口4名、システムデータ入力4名を外部委託するなかで、41名体制で業務展開を図るということです。最も繁忙を極めた4月~6月は50名体制で対応しており、今後の冬場の感染拡大期においては更なる拡充が必要と考えます。環境保健研究所における検査機械の購入と合わせて検査技師の増員や必要な人材を正規職員として確保し、今後の感染症対策の充実と共に人材育成を図ることを求めておきます。

就労継続支援事業所生活指導支援ですが、生産活動収入50%以上減少が要件となっており、2割3割程度の収入減少で苦しむ事業所は対象外となり、市内61施設あるなかで今回は12事業所だけです。工賃の低下が進むことは障害者の生きる権利にも関わることであり、市独自で対象を広げ、より多くの事業所を支援することを求めておきます。

自殺対策についてですが、自殺統計に基づく人口10万人あたり自殺死亡率の政令市比較では、千葉市は17.2人とワースト2位の19位です。政令市でも多い自殺死亡率の原因について、より踏み込んだ調査分析を行なうことが必要であり、自殺者を減らすための最大限の努力を強く求めるものです。

こども未来局です。

児童福祉施設等の感染拡大防止対策として物品の購入経費だけでなく、人員配置のための予算をつけるべきです。3密が避けられない環境の中で働く保育所や子どもルームの職員は日々、感染の不安とストレスにさらされており、コロナ危機が長引けば心身への影響は大きく、疲弊していくことは避けられません。職員が心身ともに健康で働くために、市の財源で保育所や子どもルームに掃除や消毒に携わるスタッフを配置するとともに、フリーの保育士・指導員の配置を要望します。

在宅保育支援給付金事業は、新型コロナウイルス感染症を心配する保護者への新たな選択肢として、在宅で祖父母が保育を行う3歳未満児の児童について児童一人当たり月1万円の給付金を支給するものです。新たな選択肢を提示するとしながら、事業の効果として保育需要の縮減もうたっており、祖父母に保育を肩代わりさせて安上がりの保育に変えていくことが危惧されます。市の責任で家庭的保育事業を増やして少人数の保育が選択できるようにするべきです。

児童相談所の体制強化の予算は評価しますが、看護師の増員だけでなく、他のスタッフも増やして感染対応を図るべきです。一時保護所の受け入れ人数が増加傾向にあり、居室面積基準を満たしていません。子どもと家族を取り巻く問題は、コロナ禍で深刻さを増しています。幼い乳幼児を置き去りにして、何日間も家を空ける事例があるなど、一刻の猶予もない状態です。児童相談所で働く職員の育成を考えながら2か所体制にしていくことを要望します。

経済農政局についてです。 

中小企業者事業継続給付金支給事業費は、コロナ禍で20%~50%未満まで売り上げが減少した、NPO団体や個人事業主も含め、市内の幅広い職種の中小企業等を対象に、一律20万円を支給するもので、厳しい経営状況にある事業者にとって朗報です。国の持続化給付金や、県の中小企業再建支援金は、前年同月比50%以上売り上げが減少していないと支給対象にならず、私ども共産党市議団は、6月議会で川崎市などの先進事例を示し、実施を求めてきました。実現したことを評価いたします。なお、申請の制度設計にあたっては、申請手続きを簡素化し、給付を必要とする事業者が申請をあきらめることの無いよう、また、売り上げが減少した中小企業にも給付対象を広げることを求めておきます。

ひとづくり応援講座等利用促進事業費についてです。文化・教養・資格取得・スポーツなどの「習いごと事業者」が開く講座の利用促進ですが、前回のひとづくり応援カタログの実施の状況を踏まえて、受講料金を50%割り引き、1講座あたりの価格の上限を10万円と設定しています。前回大手の学習塾が大規模に取り組んで3000万円ほどの価格になったとのことであり、一事業者当たりの上限を2400万円としたとのことでした。限られた財源の執行に当たっては、なるべく多くの事業者が利用できるようにすべきです。

MICE関連施設感染拡大防止対策事業費についてです。会場施設の感染防止設備や衛生用品、消毒作業などの経費に対して、対象経費の4分の3以内、延べ床面積に応じての補助を行うものです。補助率等の上限額の3000万円の設定は、幕張メッセを想定しており、6500万円の財源のうち3000万円を幕張メッセに投じると残りは3500万円です。MICE関連施設の幕張メッセ以外の事業者の感染防止対策は十分できるのか、国費を投じる事業で一つの事業者に偏った使い道となることに、市民から問題視する声もあります。幕張メッセの周辺のイベントの中止で影響を受け困っている業者に向けて、独自の支援こそ必要であると指摘しておきます。

都市局です。

地域公共交通支援事業については、市民生活をささえる路線バスやタクシー等への支援は当然のことです。特に慢性的に人手不足になっており事業の継続が困難であることは以前から指摘をされています。そのため労働条件が厳しくなっており、働く交通労働者の労働条件の改善にこそ光を当てなければなりません。そのことで公正・透明な職場環境実現に向けて支援を行うべきと考えます。また女性のドライバーへの特段の配慮も必要です。今回の支援でこうした点にも波及したものになることを求めるものです。

動物公園感染症対策についてです。

千葉市動物公園は21日にチーターの新規展示場がオープンしました。4連休はかなりの人出となり、混雑をしました。そうしたもとでの新型コロナ対策は特別な配慮が求められます。集客の回復も大事ですが、あらゆる感染症対策への対応を求めます。そして動物公園の大きな役割である種の保存に大きな成果があるように期待をするものです。公立の動物公園として次期の動物公園のあり方を市民に示して市民に支えられた施設になるように求めておきます。

教育委員会です。

学校の感染症対策として加湿器等の備品の整備を行うことは、我が党も要求してきたもので評価します。一方、感染症対策で重要なトイレ掃除については、外部委託が7月末で終了するなど、教育現場の負担が危惧されています。感染リスクの軽減はもちろん、教員の長時間勤務削減にもつながり、何よりも教員が子どもとじっくり向き合い関わる時間を確保するためにも、トイレ掃除の外部委託の延長を求めます。

小・中・特別支援学校特別教室エアコン設置についてです。今回の補正予算50億円のうちエアコン設置に26億円、6月の補正予算90億円のうちGIGAスクールに54億円、エアコンとGIGAスクールで予算の半分を使っています。感染症対策として密を防ぐことが重要と言われていますが、学校で密を防ぐためには少人数学級が必要で、これを実現するためには教員の大幅な増員が必要です。学校の施設整備とともに、教員を増やすことを検討すべきです。

オンライン指導のための環境整備は、オンライン授業実施のために端末を貸し出すものです。オンラインでの双方向の指導をするためには教員の研修が必要ですが、学校にICT支援員が2人しかいないのでは、知識やスキルを身に着ける援助を十分に行うことができません。ICT支援員の増員を求めます。

 今回、補正予算で、検査・医療体制の強化をはじめとして、市内の中小業者の経営支援策や、子どもの感染防止対策が一定図られることは、市民の願いに応えたものです。

新型コロナウイルス感染症が急速に拡大した4月から5月にかけて、首都圏など各地で「医療崩壊の瀬戸際」との訴えが相次ぎました。日本は、ICU(集中治療室)も人口10万人あたりわずか5床に過ぎず、ドイツの6分の1、医療崩壊が起こったとされるイタリアの半分以下で、医師数も人口1000人あたり2.4人で極めて少なく、OECDの平均から見て14万人不足しているという実態です。全国の保健所も、1990年の850か所から、2019年の472か所へと激減するなど「本来、医療に必要な緊急時のための余裕」をなくしたことが、感染症対策を最前線で担っている保健所が、深刻な疲弊状態に陥った要因となっています。

コロナ危機で浮き彫りになった日本の医療の脆弱性は、長年にわたって医療費削減を強引に進めてきた結果にほかなりません。今回の新型コロナ問題では、医療公衆衛生の面で、市場原理と自己責任にもとづく、新自由主義の弊害が顕著にあらわれました。医療体制やPCR検査の遅れなどが十対策分とは言えない中、GoToトラベルキャンペーンに踏み出すなど、政府の進める政策には、7割の国民が「時期尚早」と反対しています。さらに、アベノマスクを再び配ることに数百万円も使うのも、国民の理解が得られるものではありません。

最後に新型コロナウイルス対策の深刻な拡大を防止するために、わが党は昨日、安倍首相に対してPCR検査の大規模な実施、陽性者の隔離保護を行うことと併せて①感染震源地(エピセンター)を明確にしてその地域の住民、事業所の在勤者全体に対してPCR検査を実施数する②地域ごとの感染状況の情報を住民に開示する③医療機関、介護施設、学校など集団感染によるリスクの高い施設に勤務する職員等への定期的なPCR検査を行う④明らかになった陽性者を隔離・保護・治療する体制を緊急につくることを求めました。

 日本のPCR検査は人口比で世界で159位であり異常に遅れています。さらに感染拡大の抑止のためにもう一回緊急事態宣言をやれば日本社会は大変危険なことになります。感染者の急増が見られる地域に千葉市も入っています。千葉市は7月27日時点での陽性率が5,2%であり、感染者が急増しています。感染震源地(エピセンター)の網羅的、大規模な検査をおこない感染の抑止を図ることを強く求めて討論を終わります。

  • 千葉市
  • 千葉市議会
  • 過去の千葉市議団ホームページ
  • JCPサポーター
  • 共産党のキホンのキホン
  • 日本共産党国会論戦MOVIE

ページTOPへ