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日本共産党東京都議会議員団

新自由主義による弱者切りすての市政の転換を―ふくなが洋市議が代表質疑

代表質疑を行なうふくなが洋市議

1、市政運営の基本姿勢について

 昨年末から中国で発生した、新型コロナウイルス対策で世界は多大なダメージを受け、わが国も千葉市も未だに解決の道筋が見えない緊急事態が続いています。

そういった新型コロナウイルスの感染が続く中、日夜、休日を問わず、新型コロナウイルス感染症との闘いの最前線で、励んでいただいている医療従事者や介護従事者の皆様の他、感染拡大防止ために業務にあたっている保健福祉局の職員をはじめとする市職員の皆さん、またコロナ禍の中で奮闘されているすべての方々のご尽力に対して、心より感謝申し上げます。それでは会派を代表して代表質疑を行います。

 令和元年度の決算は一般会計で、歳入4,580億4,300万円、歳出は4,510億4,700万円で、58億4,000万円の実質収支となっています。特別会計で歳入は3,556億1,900万円で、歳出は3,536億6,500万円で18億8,100万円の実質収支となっています。

 わが会派は2月18日、市長に対して「新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急の申し入れ」を初めて行いました。その後、8月5日までに第9次の申し入れを行いました。同じ問題で繰り返し「緊急の申し入れ」を行うことは、新型コロナ問題が未解明の新しい感染症であり、市民の健康と暮らしを破壊するもので極めて重大な案件であるからです。

 新型コロナ対策の解決に向けて、国の責任のもと行政・議会と市民が一体となって奮闘しなければならない状況です。なによりも新型コロナ問題が終息しなければ、市民生活・経済活動・社会的活動が回らなくなります。

そこで、1日も早い新型コロナ問題の収束をもとめ最初に伺います。

①新型コロナウイルス感染症対策において、国と県との対応・対策、千葉市独自の対策について、決算上どのような展開になっているのか。

②市内の最近の感染者数についてと、市長は現時点における感染動向を第2波と考えているのかどうか。

また、感染を抑制するために市として取り組むべき最も重要なことは何と考えているのか。

③第1波の4月は、ほぼ毎日のように市長メッセージを、HPで積極的に情報発信をしていました。現在は、第1波を上回る感染者が出ている状況でありながら、市長メッセージが急激に減っていますが、どのような理由なのか。感染情報と注意すべき点及び行動について、きめ細かく発信をするべきではないか。

④新型コロナウイルス感染症は、戦後最大のパンデミック(感染症の大流行)と言われます。その背景は、なにごとも市場に任せ、公共政策を縮減して利益を第一とする新自由主義がもたらすものとは考えないのか。

⑤さらに新自由主義のもとで、公衆衛生や医療を縮小させて、感染拡大に歯止めがかけられないと考えないのか。千葉市もこの流れにそった行政を行ってきているのではないのか。

⑥わが会派は、新型コロナ感染症対策で最初から、検査体制の強化・情報の公開・感染予防品が行き渡ることなどを求めてきました。最近では、世田谷モデルと言われているPCR検査の拡大に期待が高まっています。保健所に負荷を強めず、効率的に検査数を増やして、市民の不安を解消するべきではないか。検査拡大にやっと国も県も動き始めていますが、一貫して否定的なのはなぜなのか。

⑦新型コロナウイルス感染症に最前線で対応しながら、大幅な減収で経営の危機に立たされている医療機関への減収補てんを国に求めると同時に、市も独自の支援を行うべきではないのか。

 決算とSDGs(持続可能な開発目標)についてです。

市長は常々「SDGs」について見解を述べています。SDGsは国連が2030年までに実現すべき国際目標を示したものですが、パリ条約のように定量的な目標があるわけではありません。

 私は、維持可能な社会を目指すべきで、SDGsは改定が必要であると考えます。しかし、アベノミクスに比べれば常識的に正しい未来を描いていると指摘されています。そこで伺います。

①市長はSDGsについて、何を具体化したのか。また、アベノミクスとの関係について見解を伺います。

②SDGsの最大の問題は、政策が国の責任よりも国際的な民間企業に任されていることです。SDGsの実現には、年間5兆ドル~7兆ドルかかるとされています。実現には約275兆円が必要とされています。そこでは、政府の投資から民間の投資へ移行しているなかで、利益のあがる所に投資が集中して、気候変動や生物多様性、格差是正には投資が進んでいません。このことについての見解を求めるものです。

③首都直下や東海、南海トラフ地震、地球温暖化による日常的な異常気象、感染症など、千葉市は様々なリスクに備える体制づくりを進めています。この体制づくりをはじめ、様々な取り組みにおいて市民を参加させ。市民の視点を取り入れていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。

④千葉市はSDGsについて、地方自治体として地球環境を守る視点から、取り組みを強化するべきではないのか。

⑤SDGsのジェンダー平等についてです。誰もが性別に関係なく、平等に機会を与えられる「ジェンダー平等」で日本は、男女格差は世界153カ国中121位(世界経済フォーラム調査)です。日本は今年中に、あらゆる分野の指導的地位に占める女性の割合を30%にするとしています。

 千葉市におけるジェンダー平等の実態と今後の展望。また、本市職員の女性活躍の取り組みについてお答えください。

 次に、スーパーシティ構想についてです。

トヨタ・NTTが資本提携などを通じて「特区法改正法案」で進めるスーパーシティ構想は、AIやビッグデータを活用して「最先端都市」を実現するものです。キャッシュレス化・無人化・車の自動走行・ドローンを使っての配達などをするとされています。千葉市も推進しています。

 スーパーシティ法案(国家戦略特区法改定案)は、5月22日の参院地方創生・消費者問題特別委員会で採決されました。そこで伺います。

①千葉市の方向性について伺います。

②最大の問題は、国や自治体が保有する住民データが、一元的に管理されることへの危うさが指摘されています。個人情報で本人の同意は必要とされるのか。これらの懸念に対する説明を求めます。

③区域内の住民生活の基盤にもかかわらず、大企業の利益の対象になるのではとの危惧があり、地域経済の活性化や住民生活の向上にはつながらず、住民の権利がないがしろにされるものではないのか。

④個人情報を保護しつつ、住民福祉の向上に先端技術をどう生かすかという国民的議論こそ必要ではないのか。

 次に、災害対策についてです。

千葉市は昨年9月9日、強力な台風15号が直撃をして暴風や停電、断水・家屋の崩壊・倒木、農業被害など甚大な被害をもたらしました。市議会も議案質疑を取り下げて被害状況の把握と対応を行いました。

 千葉市では、最大風速35.9m、最大瞬間風速は57.5mで、観測史上1位とのことでした。その後、台風19号、大雨被害など千葉市始まって以来といわれる災害が相次いで、緑区では土砂災害で3人の命が奪われました。

 わが会派は、10月4日に台風15号、10月12日に台風19号についての申し入れを行いました。

 台風15号では、被災者への支援・市有地の安全点検、避難所の充実・今後の災害対策など18項目、台風19号では災害救助法の活用・電源車や発電機の手配・高潮、洪水、浸水対策などについて、台風15号の復旧途上の対策と災害対策の検証を求めました。さらに今年は、7月の豪雨災害が九州・東北を中心に大きな被害をもたらしました。熊本では地震、新型コロナ対策に豪雨の3つが重なる複合災害があり、強い支援策が求められているところです。

 現在「だれ一人あきらめさせない復興」のために、地域に差をつけない支援が必要です。そこで伺います。

①千葉市の災害の検証、特に停電対策などの教訓・反省について、どのようになったのか。防災・減災のために、どのような対策が取られ充実したのか。複合災害に対する計画作成は、どのように検討されているのか。

②避難所生活の改善は、どのように図られたのか。温かい食事の提供、被災者への負担軽減は、どのようになったのか。分散避難についての取り組みの充実についてはどうか。

③生活と生業の再建支援に必要な支援は図られたのか。緊急の危険個所の総点検と対策について伺います。

④国に対して人材の派遣、復旧事業や被災者支援で、千葉市の負担を軽減することや千葉市の裁量で運用できる財源の確保について求めるべきではないのか。

⑤インクルーシブ防災が提唱されています。災害時に障害者や高齢者を含めて、誰も取り残さないで、あらゆる人を受け入れることを国連の防災計画で示されています。 このインクルーシブ防災の千葉市での具体化について伺います。

次に、歳入歳出に関わり伺います。

 千葉市の決算では、自主財源が2,643億2,500万円で、構成比が57.7%となっています。自主財源が高いことは財政基盤が強固であるとされています。

そこで伺います。

①千葉市の市税の特徴はなにか。景気に変動されないことになるのか。将来的な不安はないのか。法人市民税が8.5%を占めることの評価について伺います。

②投資的経費が前年度比で、121億2,600万円増の439億6,900万円となっているが、地域経済にどのような効果をもたらしたのか。

③臨時財政対策債177億1,500万円で、36億5,400万円の減となっています。この背景とコロナ渦のなかでの今後の見通しについて伺います。

④教育費は、小中学校普通教室のエアコン設置などで35億3,400万円増となっています。この事業における地元雇用・経済活性化についてと、反省すべき問題はなかったのか伺います。

次に、市民不在の決算であり、市民が主役の決算になっていないことについて伺います。

①今回の決算は実質黒字としていますが、内容は高洲の土地の売り払い収入など59億3,600万円が大きな要素であり、これはみかけの黒字で不名誉の黒字ではないのか。

②中央公園・通町公園連結事業(事業費2,400万円)・稲毛海浜公園リニューアル事業(事業費9億1,700万円)など、市民から批判の高い事業は見直しをするべきではないのか。

③心身障害者福祉をカットした2億3,800万円を他の福祉に回すことは、市民や関係者の分断・対立を招くものであり、弱者を切り捨てるものです。福祉予算を増やすことが求められているのであり、これは弱者を置き去りにするものではないのか。

④地域経済活性化と地域の雇用の創出について

 市内の雇用の状態は深刻化の一途です。地域活性化では、中小企業支援の住宅リフォーム・公契約制度導入には背を向けたままです。群馬県の高崎市は、後継者支援・経営維持のために億単位で店舗改装など直接の支援を行っています。思い切った支援を行うべきはなかったのか。

次に、オスプレイ暫定配備についてです。

 海上自衛隊が導入するオスプレイ17機を木更津駐屯地へ配備する問題です。今年の7月10日、1機目のオスプレイが木更津基地に到着しました。

 2021年度末までに17機が配備される予定です。今年の6月30日、船橋・八千代・習志野の3市長が連名で、防衛省に市議会と市民へ説明をするように強く申し入れを行いました。

①オスプレイの飛行ルートになる千葉市の市長として、きちんとした態度表明を行うべきではないのか。

次に、アベノミクスの地方自治体への影響についてです。

 安倍首相は2013年に「5年間で待機児童ゼロ」を宣言しながら達成できないと2020年度末に先送りをしました。そこで伺います。

①このことで千葉市への影響はどうなっているのか。公立認可保育所をもっと増設するべきではないのか。保育士不足の解消は実現されたのか。もっと保育の質を向上させるべきではないのか。

②先に安倍首相が辞任表明を行いました。7年8カ月におよぶ安倍政権では、安保法制、特定秘密保護法、2度にわたる消費税増税、特定秘密保護法、共謀罪、集団的自衛権の行使容認の閣議決定、憲法9条の改憲など地方自治体と市民に深刻な打撃と分断、そして対立を与えたと考えないのか。

次に、下水道使用料の福祉に係る減免措置制度の見直しについてです。

 千葉市は昭和60年から「千葉市下水道条例に基づく減免の基準」により、生活保護世帯の減免措置を開始しました。素晴らしい制度でした。

見直しにより生ずる財源は、保健福祉局で生活困窮者施策の充実に活用するとのことですが、生活保護世帯こそ一番の生活困窮世帯です。これでは福祉施策の拡充にはなりません。そこで伺います。

①福祉施策を拡充するなら、新型コロナ渦のもと、これまでの減免制度へ戻すことを求めます。

次に、少人数学級の問題・特別支援学校の設置基準の問題です。

このことについては、わが会派は以前から提案をしてまいりました。文部科学省の中央教育審議会は8月19日に初等中等教育のあり方の「中間のまとめ(骨子案)」を公表しました。この中で新型コロナの感染拡大を踏まえて、少人数学級を可能にするための指導体制や施設整備を盛り込みました。また、学校の中で唯一設置基準がない特別支援学校の設置基準の策定を求めました。

 これまでの経過と教育環境の充実の点からお尋ねします。

①少人数学級がコロナ対策に有効であると考えないのか。また、少人数学級実現に向けて指導体制や施設整備について伺います。

②特別支援学校の設置基準の策定についてお答えください。

次に、保健所機能・環境保健研究所の充実・機能強化についてです

 全国で保健所は1992年852か所でした。ところが、2020年には469か所で約半分になりました。背景は、保健所法改定で保健所のあり方が見直され、地域保健法が成立して、1997年には一気に150か所近くが削減されました。その後小泉構造「改革」で「行政の効率化」のもとで、さらに減らされた経過があります。そこで伺います。

①「行政の効率化」で、保健所の形骸化を進めてきたことは間違いと考えないのか。

②コロナウイルス問題で明らかになったように、公衆衛生の基幹施設として新型コロナ対応の最前線である保健所の充実を、今こそはかるべきではないのか。

 環境保健研究所は、感染症、毒性化学物質、食品・飲料水汚染などから市民を守る健康と生活の安全のための総合機関です。この間はコロナのPCR検査で大きな役割を果たしました。そこで伺います。

①2019年12月22日、再整備基本計画について指名競争入札1,187万円で長大に落札されました。計画策定の背景と発注に係る問題点はなかったのか。

②現在の環境保健研究所の課題についてと、次期の環境保健所の役割、若葉区大宮町に移転することが明らかにされていますが、周辺住民の理解について伺います。

③環境保健研究所は、新たなウイルス対策など時代が求める水準は極めて高くなりつつあります。市民の期待にどうこたえていくのか伺います。

2、総合政策行政について

パラスポーツコンシェルジュの活用とパラスポーツの支援についてです。

オリンピックは来年度に延期されましたが、パラスポーツコンシェルジュの役割は大きくなっています。そこで伺います。

①現在の体制と充実について、さらに市民要望に応えるために事務局の移転    やパラスポーツ団体の組織化について、活動しやすい支援を行うことを求めます。

②これまでも要望してきましたが、知的障害者のスペシャルオリンピックス、そして聴覚障害者のデフリンピックに向けて、活動している障害者に対する具体的な支援について伺います。

3、市民行政について

男女共同参画について伺います。

①公立学校における制服自由の原則の宣言を行うべきではないのか。トランスジェンダーなど性的少数者が、身体の性別に関わらず学校で制服などを自由に選択できるように、性別の違いによる制服を強制しないまちづくりについてお答えください。

②現在、パートナーシップ宣言制度は全国50以上の自治体で制定されています。千葉市も導入していますが、指定都市市長会は取り組みの強化を国に求めています。

 国立市のように在勤在学者にも適用を広げるべきではないか。犯罪被害者家族への支援金も対象にするべきではないのか伺います。

千葉市立美術館についてです。

 千葉市美術館は7月11日、リニューアルオープンを行いました。私はこれまでも千葉市美術館のあり方について提案を行ってきました。そこで伺います。

①千葉市美術館の使命を常に明らかにし、市民の誇りとして市民に支えられ・生きる力をあたえることが求められているのではないか。所蔵作品の無料カードの配布や写真撮影を可能にする。また、聴覚視覚障碍者などハンデをもつ市民への配慮について伺います。

②美術品は個人のものではなく社会的なものであるとされています。市民に対して、個人所有の芸術作品を千葉市美術館に寄託してもらい展示を行うことについて、お答えください。

4、保健福祉行政について

介護保険についてです。

介護保険がスタートして20年になります。本来の目的を実現することは国の責任です。安心・低額の制度にしなければなりません。

 介護離職ゼロは、安倍政権が5年前掲げた目標ですが、最近は耳にすることは全くありません。深刻な事態です。そこで伺います。

①年間10万人が辞めている状況ですが、千葉市の実態と対応についてお答えください。

②当初掲げた「介護の社会化」は捨て去られて、「家族介護」に回帰する実態があります。なぜそうなったのか、改善策について。地域包括支援センターの充実についてお答えください。

③先日、あずみの里(長野県の特別養護老人ホーム)で、准看護士が業務上過失致死罪に問われた事件で、逆転無罪判決が言い渡され、准看護士の無罪が確定しました。この件では、全国の介護・医療機関の安堵の声がわきあがっています。

 この「あずみの里裁判」が、市内の介護・医療機関へもたらした影響と、逆転無罪判決については、もともと立件自体がおかしいとされていたことへの見解を伺います。

優生思想の問題についてです。

2016年7月26日、神奈川県相模原市で起きた障害者施設殺傷事件、県立「やまゆり園」に入所する障害のある19人が殺害され、26人が重軽傷を負いました。2020年3月16日、裁判員裁判は植松聖(さとし)被告に求刑通り、死刑が言い渡されました。弁護人は上告するも本人は取り下げ、3月31日死刑が確定しました。

これで終わりではありません。問題は事件の背景が見えないことです。極刑か無罪かの裁判になり、被害者の実名も出されないこともあり、差別や偏見とのたたかいも深刻でした。植松氏の主張する「人を生産性で測る優生思想」も問題にされています。

さらに7月23日、難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者から依頼を受けて、薬物を投与して殺害をした容疑で、医師2人が逮捕されました。結論は、障害を理由にした「命の選別」は許されないことです。死ぬ権利よりは生きる権利を守る社会になるべきです。命・人権・尊厳が尊重される社会が急務です。そこで伺います。

①やまゆり園障害者殺傷事件・ALS嘱託殺人事件について、これらの事件の本質は何と考えるのか。千葉市におけるALS患者の実態と対応の改善について伺います。

②優生思想は実に残念ですが、一部ではびこっていることは否定できません。旧優生保護法によって、不良な遺伝子を持つ子孫の出生を許さないという考え方が、社会の隅々まで流布した背景が日本にはあります。

 人権が欠ける優生思想について、行政がきちんと批判をして、社会が効率性ではなく一人ひとりが人権を大切にされるように取り組むべきではないのか。

 令和元年度「千葉市盲ろう者実態調査」報告書についてです。

私が知る限りでは、この種の報告書はほとんどなく、素晴らしいものと思います。 そこで伺います。

①この報告書の意義と千葉市以外にも広げて、盲ろう者の実態を明らかにするべきではないのか。市民にも広く理解をもとめるべきではないか。

②目的にあるように、盲ろう者への支援策の基礎資料にとどまらず、これまで明らかにならなかった困難を抱える盲ろう者への、各種のサービスの具体化や充実を図るべきではないのか。

③この実態調査にとどまらず、関係者がもつ苦悩ははかり知れません。その深いところにも光を当てて参加と平等を実現するべきではないか。

5、子ども未来行政について

児童相談所の充実についてです。

 専門職としての職員の採用が求められます。仕事はかなりの経験や蓄積が必要とされます。時代が求めている里親制度への支援も簡単ではありません。そこで伺います。

①業務の民間委託は行わず、命に関わる児童相談所は行政が責任をもつことを確認するものです。

②電話相談はベテランの職員でも難しいとされています。高い専門性が求められます。その保障について伺います。

③児童相談所の職員がやりがいを感じる職場にするために、職員の配置基準の増員とスキルアップについて、および相談所の増設についてお答えください。

保育所の虐待や危機管理の問題です。

 保育所での虐待や危機管理について、何故か議論が行われてきませんでした。マニュアルがないことが当然と思われていたようです。そこで伺います。

①千葉市の保育について、虐待防止はどのようになっているのか。

②災害時における保育所の対応です。3.11の東日本大震災の時、当時の局長の判断で危機を乗り越えることができたと思います。地震・台風・豪雨・コロナなどの対応や公共施設としての機能。役割について伺います。

6、環境行政について

最初にプラスチックの処理について伺います。

①千葉市が最も遅れているプラスチック製容器包装の再資源化を実施して、焼却ごみの削減と温室効果ガスの削減目標を達成することについてお答えください。

②プラスチックごみの削減は地球規模の問題です。コンビニなどのレジ袋の有料化が開始され、市民のプラごみ削減の意識が高まっています。市がマイバッグ等を大量に制作して、市民に提供するなど取り組みを推進すべきではないのか。

③プラスチック製容器包装を焼却しているのは、政令市では千葉市と他3市です。資源を焼却する時代ではありません。なぜリサイクルをしないのか。時代に逆行することは直ちにやめるべきではないのか。

次に、環境の保全に関する細目協定の締結について伺います。

この協定は、環境負荷の低減を図るため、中央区及び美浜区の臨海部に所在する大規模な事業場7社と、千葉県及び千葉市の3者で締結されたものですが、中央区臨海部においては、かねてから粉じん問題が存在し、わが党もたびたび議会で取り上げてきました。

 昨年の12月23日に、千葉市大気環境保全専門委員会から出された提言において、この間、問題になっていた粉じんの原因がやっと明らかになりました。

そこで伺います。

①なぜJFEを特定するまでに、こんなに時間がかかったのか。そのために地域住民に大変な苦労をかけたと思わないのか。

②大気環境保全専門家委員会が先の8月24日に開催され、やっとJFEの粉じん問題の審議行われました。

そこで伺いますが、JFEへの立ち入り検査の具体化と抜本的な粉じん対策について。住民被害への対応がなぜ示されないのか。公害は被害に始まり被害に終わるものです。そのためには厳しい粉じんの排出基準を定めるべきはないのか。

紙おむつのリサイクルについてです。

 福岡県大木町では、すでに町ぐるみで取り組まれています。今日、2018年の国内生産量は約235億枚、一般廃棄物の約5%を占めるとされています。

そこで伺います。

①千葉市の紙おむつリサイクルへの対応はどのようになっているのか。

②処理してペレット状の燃料などにリサイクルすることで、CO2の排出削減ができます。メーカーにおいて、新製品へ再生や処理機を導入して紙おむつのリサイクルを進めています。当面千葉市も何らかの形でリサイクルを推進するべきではないのか。

新浜リサイクルセンターについてです。

 私は、1996年6月議会でも、新浜リサイクルセンターの障害者雇用の問題を取り上げました。

 当時7名の障害者が雇用されているとの清掃局長の答弁がありました。画期的なことだと思います。そこで伺います。

①新浜リサイクルセンターの設立と目的・理念について再度お尋ねします。新浜リサイクルセンターで障害者の雇用と委託先についての経過の説明を求めます。

②当時から千葉市は千数百万円の補助を行っています。当時から経理の公開について質しました。これは現在どのようになっているのか。現在の体制についてもお示しください。

③障害者雇用では大きな役割を果たしています。その先進事例を他に普及するべきではないのか。

千葉市の5分別収集について伺います。 

 1992年(平成4年)10月1日から、ダストボックス回収から5分別収集に入りました。この転換は千葉市政にとって大事業でした。清掃局長も「大きな清掃行政の転換期でございます」「これに伴う職員の労働条件等の問題もいろいろとございます」と答弁しているように、市内のあちこちに粗大ごみの山ができていました。清掃局長は「現在も土木部等に応援を求めておる状況」と答えています。そこで伺います。

①当時の5分別収集について課題は何であったのか。

②当時、市内の清掃業者の取り組みが課題の解決をしたと認識しています。そのことについて報告をいただきたい。

③現在、業者は休みもほとんど取れず、作業環境も基準を守れていません。なぜこのような状況にあるのか。市は労働条件、待遇改善を速やかに行うべきではないのか。

7、都市行政について

インクルーシブ公園の設置についてです。

「公園はオープンスペースで誰もが利用できる。年齢や性別、国籍、障害の有無にかかわらず誰もが安心して楽しめるように」することが求められ、世界的な流れになっています。そこで伺います。

①インクルーシブ公園の理念についてと、これからの公園のあり方の基本にするべきではないのかお答えください。

②これまで健康遊具の設置を求めてきたところです。さらに災害対応型(かまどベンチ・マンホールトイレ・臨時ヘリポート・汚水循環型トイレ・防災備蓄庫・ソーラーパネル)を設置する公園についての考えについてお答えください。

次に、千葉市動物公園の社会教育施設としての役割について伺います。

 動物公園は、7月に新しくチーター・ハイエナ展示場がオープンし、コロナ対策環境下ではありますが、市民の皆さんへの癒しと憩いの施設として、通常より多くのお客さんが来園していると聞いております。

 しかしながら、動物園というものは社会教育施設でもあり、レジャー施設という側面だけでは、その使命を全うするものではないと考えています。

 一般的には動物園には4つの使命・機能があるといわれ、1つ目は集客観光施設としての「レクリェーションの場」ですが、残る3つは「社会教育、環境教育の場」「研究の場」そして絶滅危惧種を繁殖させていく「種の保存の場」と言われており、どれも社会教育施設としての責務を謳っています。

 中でも「種の保存」は、希少動物を飼育している動物園としての重大な責任をもっているはずです。

 また、これら希少野生動物を飼育しているということは、科学研究の観点からも大変貴重な研究材料を保有していると言えます。

 リスタート構想では「開かれた動物園」というキーフレーズがありますが、動物園を市内・近隣の大学などの研究に対しても門戸を開いてゆくことも博物館相当施設の動物園の使命です。

そして、これらへの取り組みに結果をだすことが施設の価値も高め、魅力を底上げし、市民に愛される施設につながるものと考えます。そこで伺います。

①千葉市動物公園の「種の保存」への取り組みと考え方について伺います。

②「開かれた動物園として」の学校、大学などとの研究連携の可能性について伺います。

次に、千葉駅西口地区再開発事業についてです。

 2020年3月31日に竣工式が行われました。この西口再開発については、千葉市の大型開発の象徴として問題点を指摘をしてきたところです。そこで伺います。

①千葉駅西口再開発事業はどのように決定されて、千葉市が取り組んできたのか。その中で、バブル崩壊や地価の大幅下落などの大問題が起こり、事業の継続が危ぶまれたこともありました。この歴史的経過についてお答えください。

②西口再開発事業費について、当初・途中そして竣工を迎えるにあたり、どのようになったのか。再開発事業として見通しの甘さを指摘してきました。その反省について伺います。

③西口再開発事業についての責任と教訓はなにか明らかにされたい。千葉市財政に多大な負担を与えたと思わないのか。

次に、狭隘道路である建築基準法の第42条第2項の規定による道路・同法第43条の許可の問題です。

 こうした道路の改善は難しい問題であることは承知するところです。しかし、住民の安全・安心、地域環境の点からも放置することはできません。そこで伺います。

①市内にどのくらい、第42条第2項の規定による道路、第43条の許可があるのか。これまで市民の要望はどのようなものであったのかお答えください。

②歴史的経過があるとしても、狭隘道路では市民の安全・安心が確保できません。解消に向けて市の取り組みを伺います。

次に、市営住宅のあり方について伺います。

住まいは人権です。市営住宅はその役割を果たしています。その充実が求められます。そこで伺います。

①市営住宅の管理戸数の推移について、これからの市営住宅のあり方・ビジョンについて伺います。

②超高齢社会に伴う一人暮らしへの対応について。バリアフリー化への対応。熱中症対策や住まいの水準の向上についてお答えください。

8、病院行政について

両市立病院は、政策医療で感染症・周産期・小児・精神などを受け持ち、民間病院では不採算の医療とされる分野を公立病院が担うことで一般会計から不足分を繰り入れて市民の命を守っています。そこで伺います。

①黒字の公立病院では、医師・看護師・検査技師など医療スタッフを減らすのではなく、充実・増やすことで市民の願いに応えて、経営の改善が図られているのではないのか。

②コロナ問題を踏まえて、公立病院の統廃合は問題と考えないのか。感染症対策で公立病院の充実が求められているのでないのか。

③公的医療機関の設立意義についての9原則について伺います。1948年の厚労省の指示で、普遍的かつ平等に利用し得るものであること。常に適正な医療の実行が期待しうること。医療費負担の軽減を期待しうること。その経営主体は経済的変動によって左右されない財政的な基礎を有する。当該医療機関の経営により生ずる利益をその医療機関の内容の改善以外に使用しない。社会保険制度と密接に連携協力。医療と保健予防の一体的運営によって矛盾しない経営主体。人事業務について他の公的医療機関と連携、交流が可能であること。地方事情と遊離しないこととして「社会保険制度と連携して医療費負担の軽減を期待しうることが公的病院の原則と掲げ、安い費用で質の高い医療を公的機関の使命と考えられる」とあります。この9原則についての対応について伺います。

④千葉市立病院へ市民の期待が寄せられています。

 そこで伺いますが、心臓血管外科の手術について、いつから始めたのか。また、その症例・実績はどれくらいあるのか。

9、教育行政について

特別支援学校の性教育について。

①障害者権利条約23条や国際セクシュアリティ教育ガイダンスの中で、どのように障害児の性教育は取り組まれているのかお尋ねします。

②知的障害や自閉症の人のニーズへの対応について、最近問題となっている障害者の性被害の実態と、どのように防ぐのかについて。障害の性問題について基礎から学ぶべきではないのか。

③性の権利宣言(1999年)世界性科学会議宣言の具体化についてです。

 そこでは「セクシュアリティが十分に発達するためには触れ合うことへの欲求、人間にとって基本的なニーズが満たされる必要がある」とされています。

この中で、①性的自由への権利。②性的身体の自立。③安全性・安全への権利。④性的平等への権利。⑨科学的研究に基づく性情報への権利。⑩包括的セクシュアリティ教育への権利など、性の権利についての見解と対応について伺います。

次に、図書館についてです。

 図書館ビジョン2040が提案されて、関係者の意見・要望が出されています。

そこで伺います。

①千葉市図書館のこだわりについて。児童書の新刊購入、あるいはタイムリーな企画・活字蔵書への考えについて伺います。

②指定管理・民間委託が進められていますが、(全国15%が指定管理である)本来の図書館の役割を果たすべきではないのか。

③全国3,300の図書館の基盤が崩れているといわれます。「知の宝庫」「民主主義の柱」の教育施設です。多様な価値観をどう守るのか。知る権利の保障についてお答えください。

④プライバシー保護について、利用者データの提出を捜査当局に令状なしで提出をしているのか。さらに、来館者名簿の作成は「図書館の自由に関する宣言」(1954年決定)に反して、利用者のプライバシー侵害にならないのか。あわせて、個人情報保護条例に抵触するのではないのか。

次に、文科省はこれまで見解が分かれていた、中学校へのスマホの持ち込みについてです。

 2009年の通知では、小中学校のスマホの持ち込みは原則禁止としていました。

さらに2020年7月に通知がありました。そこで伺います。

①本来、文科省に学校でのスマホの持ち込みについて容認する権限はあるのか。

②学校教育は自治事務であり、文科省の役割は科学的知見データなどを示すことではないのか。だとすればスマホの問題の持ち込みは、学校ごとに子どもや保護者と話し合う中で決めていいのではないのか伺います。

次に、子どもの歯の矯正、保険適用について伺います。

①学校検診で要精検となった子どもの歯の矯正は、保険適用にするべきではないか。虫歯は保険適用となっていますが、矯正や歯並びはなぜ自費なのか伺います。受診結果を出すのに、保険適用がないのはおかしいと言われています。公的に支援を行う時ではないのかお答えください。

次に、加曽利貝塚について伺います。

新博物館基本計画(素案)が示されました。わが会派は、条例提案も行い、加曽利貝塚の充実を求めてきたところです。

 基本計画では、縄文文化や貝塚の研究とその成果を発信する拠点等となっています。これまでも、全国の縄文文化の取り組みを紹介しながら、加曽利貝塚のあり方について提案をしてきました。

 加曽利貝塚の持つ価値や意義がまだまだ知られていません。現在と縄文時代のつながり、現代の社会にどのように活かせるのか問われています。そこで伺います。

①旧石器時代(岩宿遺跡)から縄文、そして弥生時代への流れにおける加曽利貝塚の意義について伺います。

②全国に縄文時代の遺跡は多数あります。そのなかでの加曽利貝塚の位置について。加曽利貝塚の魅力発信とわが会派の条例提案を生かすことについてお答えください。

10、選挙管理行政について

障害者の代理投票問題についてです。

これまでも障害者の選挙について伺ってきました。そこで伺います。

①障害者から望む声があるのですが、代理投票の補助者を本人が指定する人にできるよう、制度を改正するべきではないのか。

以上、1回目の質疑をおわります。

【熊谷市長】

市政運営の基本姿勢について

令和元年度決算についてお答えします。まず、令和元年度における新型コロナウイルス感染症対策についてですが、令和元年度においては、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大に対応するため、市民の命と健康を守ることを最優先に、当面緊急に取り組むべき対策を実施した結果、経費の総額は8,800万円となっています。主な内容として、国の「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策」による財源措置を活用し、社会福祉施設等におけるマスク等の確保やPCR検査の体制整備など、感染拡大の防止に取り組んだほか、学校の臨時休校に伴う本市独自の対策として、保護者の休業等により生計維持が困難となった世帯への生活資金の貸し出しや、学習サービスソフトウェアを活用した家庭学習の支援など、市民生活への影響緩和に取り組んで参りました。引き続き、新型コロナウイルス感染症の収束に向け、各種対策を講じて参ります。

次に、現時点の感染動向を第2波と考えるか、感染抑制のために取り組むべき最も重要なことは何かについてですが、市内の感染者数は、9月8日現在、累計436名となっております。4月には都市部での感染者の増加を踏まえ、国から緊急事態宣言が発出され、本市においても一旦、新規感染者が減少しました。第2波の明確な定義はありませんが、緊急事態宣言解除後の7月から8月にかけて感染者が再び増加に転じ、現在は、減少傾向となっています。感染抑制のためには、感染者が発生した場合、速やかに陽性者に調査を行い、濃厚接触者を特定してPCR検査を実施し、新たな感染者を迅速に把握することで、感染拡大を防止するとともに、感染が連鎖しないようクラスター対策に取り組むことが重要であると考えております。

 次に、市長メッセージが急速に減った理由、もっときめ細かく発信するべきではないかについてですが、4月は、史上初の緊急事態宣言が発令される中、未知のウイルスについて、不確かなものも含めて様々な情報があふれていました。そこで、市民の不安を少しでも解消し、感染予防に関する正しい理解を広める必要があると判断し、正確な情報をできる限り迅速に発信しました。現在は、そのような段階は過ぎており、日々の感染者数に一喜一憂するのではなく、病床の稼働や市内感染者の状況などの傾向を把握しながら、市民一人一人が持続可能な感染防止に取り組んでいくことが重要と考え、毎週、週報という形で発信しています。また、インターネットやSNS等が使えない高齢者の方などに状況を理解いただくため、公民館などの市施設に「新型コロナウイルス感染症情報コーナー」を設けて、紙ベースで週報の掲示を行うなど、きめ細かな情報発信に努めております。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、新自由主義がもたらす結果とは考えないのか、とのことですが、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行している背景につきましては、発症段階からの様々な事象を専門的な見地から多角的に分析・評価し判断されるべきものであると考えております。

 次に、新自由主義のもとで公衆衛生や医療を縮小させたために感染拡大に歯止めがかからないと考えないのか、千葉市もこの流れに沿った行政を行ってきているのではないかについてですが、本市は、市民生活の安心安全を守るため、これまで保健所機能の充実をはじめ、公衆衛生や医療体制の充実に努めております。

 次に、効率的に検査数を増やして、市民の不安を解消するべきではないかとのことですが、本市では、新型コロナウイルス感染症にかかるPCR検査については、国の通知に基づき、診察した医師が必要と判断した方や全ての濃厚接触者等に実施しているほか、国の接触確認アプリ(COCOA)を利用している市民の方で、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性があると通知を受けた場合も行政検査として実施しております。さらに、クラスターが発生した繁華街の接待を伴う飲食店の従事者に対しても積極的に検査を実施しています。国は、季節性インフルエンザ流行期を踏まえた検査体制の強化の必要性を通知しているところであり、本市においても検査体制の整備に努めてまいります。

 次に、医療機関への減収補填を国に求めると同時に市も独自の支援を行うことについてですが、本市では、衛生物品の提供など医療機関が感染予防を図りながら、必要な医療を提供するための支援を行っております。また、医療機関への財政支援については、国に対し、他の政令指定都市と連携しながら要望を行なっております。

 次に、決算とSDGsについてお答えします。

まず、SDGsについて何を具体化したのかについてですが、本市では、本市を含む圏域全体の発展につながる「ちば共創都市圏」の形成に向けた地方創生に取り組んでおり、人口構造が変化する中でも都市や地域社会の活力の維持・向上を図る、持続可能なまちづくりを積極的に進めております。また、昨年度の台風・大雨の被害を踏まえた「災害に強いまちづくり政策パッケージ」、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした「ちばしチェンジ宣言!」など、災害等のリスクを踏まえた取り組みを強化しているところであり、このような本市の取り組みは「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を目指すSDGsの目標達成に寄与するものと認識しております。また、SDGsとアベノミクスとの関係についてですが、アベノミクスが掲げる経済成長・一億総活躍社会の実現は、SDGsのジェンダー平等に関する目標5、経済成長と雇用に関する目標8、パートナーシップに関する目標17の達成に寄与するものと認識しております。

 次に、気候変動や生物多様性、格差是正に投資が進んでいないことへの見解についてですが、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行うESG投資は世界中で増加しており、特に日本においては年金積立金管理運用独立行政法人が2017年からESG投資を開始したことにより、2016年から2018年の間に投資残高が4.6倍となるなど、大幅に増加しております。また、経済的利益と社会や環境へのインパクトの両立を図るインパクト投資などの手法が注目されるとともに、個人投資が活発化するなどの変化が生じており、ESG投資が浸透しつつあります。今後とも、地球規模の環境・社会問題に対応していくため、官民問わず多様なセクターが連携することにより、必要な資金を確保し、SDGsに寄与する活動をさらに拡大していくことが必要と認識しております。

 次に、市民視点を取り入れることについてですが、SDGsの理念には、目標達成に向けて全てのステークホルダーが役割を果たし、社会・経済・環境に総合的に取り組むことが示されており、市民をはじめとする多様な主体の参画は重要であると認識しております。本市では、新基本計画において、市民・団体・企業・大学など様々な主体によるまちづくりに向けた活動及び連帯を「まちづくりを支える力」として位置づけ、幅広い分野において多様な連携によるまちづくりを進めてきたところです。今後、総人口の減少や人口構造の変化により、労働力の減少、地縁団体の弱体化、民間サービス縮小などの機能低下が見込まれる中で、SDGsのパートナーシップに関する目標17に照らし、多様な主体がより一層主体的にまちづくりに参画することにより、新たな公・共・私の協力関係を構築することが重要と考えます。

 次に、地球環境を守る視点から取り組みを強化するべきではないかについてですが、地球環境の保全への取り組みは、SDGsの最も重要なテーマの1つであると考えていることから、本市としても真摯に取り組むべき課題であると認識しております。このため、来年度末の策定に向け見直しを進めている環境基本計画の中で、温暖化対策など地球環境保全に資する取り組みの強化を検討してまいります。

 次に、防災・減殺のためにどのような対策が取られ充実したのかについてですが、災害についての検証結果に基づき、地域防災計画の加除修正を行い、新たに長期大規模停電対策の項目を追加しました。具体的には、予防対策として、平常時から電力事業者との連携体制を強化することや、市民党は、市からの情報を入手する手段を事前に確保するように努めること等を明記しました。応急対策としては、電力事業者との情報共有を徹底するため、災害対策本部に連絡調整員を派遣していただくとともに、停電復旧作業について、電力事業者のみで対応が困難である場合には、市や他の電力事業者等の協力を得て復旧に努めるほか、電源車の配置等について明記しました。さらに、災害の教訓を踏まえ、電力の強靭化をはじめとする5つの柱で構成される「災害に強いまちづくり政策パッケージ」を策定しました。この政策パッケージには、避難所となる公民館や市立学校に太陽光発電設備及び蓄電池を導入することや、電気自動車等で電気を届けるマッチングネットワークの構築、電力事業者との協定締結等、電力の強靭化に向けた様々な事業を盛り込みました。すでに電力事業者との協定を締結するなど、多くの事業に着手しているところですが、今後も政策パッケージをはじめ、各種防災・減災対策を確実に実行することにより、災害に強いまちづくりを目指してまいりたいと考えております。

 次に、複合災害に対する計画作成はどのように検討されているのかについてですが、現在、地域防災計画には、地震や風水害といった災害種別に、感染症の防止を含めた様々な対策について記載しているところです。また、国土強靭化地域計画には、あらゆる大規模自然災害が発生した場合の、最悪の事態を想定した対策について記載するなど、災害の発生状況に即して、これらの計画に基づいて適切に災害対応を行うこととしております。複合災害の地域防災計画等への反映については、地球温暖化等の影響により、災害が頻発している状況や新型コロナウイルス等の感染症対策を踏まえ、複合災害が発生した場合の被害の激甚化、広域化、長期化等への対応について、国や県の計画との整合性を図りながら検討してまいります。

 次に、避難所生活の改善はどのように図られたのか。温かい食事の提供、被災者への負担軽減はどのようになったのか。分散避難についての取り組み充実についてですが、昨年の長期間かつ広範囲の停電を伴う災害を踏まえ、避難所の生活環境向上のため、市立学校・公民館への太陽光発電設備・蓄電池の設置をはじめ、民間事業者が保有する電気自動車に係る協定締結、スポットクーラーの全校配置、栄養補助食品の備蓄などを進めているほか、新型コロナウイルス等感染症への対策として、非接触型電子温度計、段ボールベッド、パーティション、防災用テントの整備を合わせて進めているところです。また、避難生活が長期に及ぶ場合は、備蓄品以外に、温かい食事や栄養が採れる副菜などの提供や、プライバシー等に配慮した個室環境の提供などが、全ての人々に行き渡ることが必要であるため、民間事業者との連携を強化してまいります。今後、分散避難の取り組みを進める中で、全避難者の生活水準の向上も図ってまいります。

 次に、生活と生業の再建支援に必要な支援は図られたのか、緊急の危険箇所の総点検と対策についてですが、昨年の台風などで被災された方々へは、国・県の制度に市独自の制度を組み合わせて、様々な支援を行っております。具体的には、住宅が被災した世帯への被災者生活再建支援金や特別見舞金等の他、市営住宅の提供、住宅修理への支援、被災家屋等の解体・撤去に係る支援、各種保険料・市税の減免など、生活や住まいの再建支援に取り組んでおります。また、事業者・農業者への支援として、千葉市中小企業資金融資制度による融資や、農畜産物の被害への補償を行ったほか、農業用施設・機械の復旧にかかる経費の助成などに取り組んでおります。さらに、昨年の大雨では、土砂災害警戒区域の指定がない傾斜地においても土砂災害が発生し、尊い人命が奪われたことを踏まえ、千葉県に対し、迅速な区域指定及び市が独自に調査して提供した「土砂災害の恐れのある箇所」を含めた市内全域の再調査を要望しました。併せて、本年度の出水期には市が調査した箇所も含めた、約1万2千世帯に対し、災害情報の入手方法等を記載した啓発チラシを配布するなど、注意喚起を行ったところであり、防災・減災に寄与する様々な取り組みを推進してまいります。

 次に、国に対して人材の派遣、復旧事業や被災者支援で千葉市の負担を軽減することや、千葉市の裁量で運用できる財源の確保について求めるべきではないかについてですが、現在、国では被災市区町村応援職員確保システムを運用しており、大規模災害時における必要な人材の相互支援を行っているところです。また、昨年の台風では、国から市に対して連絡調整員が派遣され、福祉施設等への電源車配備やブルーシート等の物資供給に係る調整業務にあたっていただきました。さらに、千葉県市長会・町村会合同で、関係省庁に対して災害に関する生活再建支援策の充実等について要望活動を行ったところです。今後も、発災前から的確な対応がとれるよう、平常時より国や関係機関との連携を強化し、必要に応じて国に財政的な支援の要望を行うなど、適切に対処してまいりたいと考えております。

 次に、インクルーシブ防災の千葉市での具体化についてですが、本市では災害時に、障害者や高齢者等のよう配慮者に対して、きめ細かに支援を行うためには、近隣住民などの助け合いによる取り組みが有効であると考えております。このような認識のもと「千葉市災害時用配慮者支援計画」に基づき、町内自治会等の地域の方々の協力をいただきながら、避難行動要支援者名簿を活用した、災害時の避難支援体制の構築や、避難所内への福祉避難室や、拠点的福祉避難所の整備等の対策を進めてきたところです。今後は、高齢化の急速な進行により、陽配慮者が増加することから、障害者や高齢者等を含むあらゆる市民を対象とする防災、いわゆる「インクルーシブ防災」という考え方を念頭に置きながら、引き続き市の防災対策を推進するとともに、地域における防災対策をさらに促進するため、新たな支援策等の検討も進めてまいりたいと考えます。

 次に、アベノミクスの自治体への影響についてお答えします。

 待機児童ゼロ達成が先送りされたことに係る千葉市への影響等についてですが、すでに今年4月に5年ぶりに待機児童ゼロを達成したところであり、本市として影響を受けることはありません。将来にわたり継続できるよう引き続き取り組みを進めてまいります。また、公立認可保育所の増設については、幼稚園の認定こども園移行や認可外保育施設の認可化など、既存施設の活用を中心に保育の受け皿の拡充を進めることとしているため、現時点では新たな公立保育所の設備は考えておりません。保育士不測の解消と保育の質の向上については、引き続き、保育士等給与改善や宿舎借り上げ等の支援を継続していくことで保育士確保に努めるとともに、保育者や保育園等の現状を把握するための実態調査や、有識者からの意見聴取などにより更なる保育の質の向上策を検討してまいります。

 次に、「7年8か月に及ぶ安倍政権では、地方自治体と市民に深刻な打撃と分断そして対立を与えたと考えないのか」とのことですが、安倍政権は平静24年12月、それまでの6年間で6人の首相が続いた後に発足し、7年8か月の長期にわたり継続し、国政の安定が地方行政の安定に貢献したものと一定の評価をしております。特に、経済再生・地方創生・災害対策・少子高齢化対策等に積極的に取り組まれた一方で、消費税増税や安全保障政策等、国民の意見が分かれる難題にも取り組まれ、賛否両論はありましたが、政府として成果を出すことに尽力されたものと考えております。

【鈴木副市長】

スーパーシティ構想について

スーパーシティ構想についてお答えします。まず、本市のスーパーシティ構想に対する方向性についてですが、スーパーシティ構想は、物流、医療、教育等の分野の先端技術を組み合わせ、地域住民等に様々なサービスを提供し、住民福祉・利便性向上を図るものであり、社会的課題の解決と持続可能な経済発展とを両立させ、未来社会の生活を加速実現するという考え方は重要なものと捉えております。本市はこれまでも、ドローンや自動運転など先端技術を活用したまちづくりに取り組んできたところであり、それらの知見を活かしながら、今後国から示される国家戦略特別区域基本方針などを踏まえつつ、関係者と協議を行い、実現すべきサービスや指定を受けることによるメリットなどについて、検討を深めてまいります。

次に、住民データが一元管理されることの危うさや個人情報の提供に本人同意が必要とされるのかといった懸念についてですが、国は、データの管理についてデータ連携基盤内に各種データを蓄積するのではなく、個々のサービス提供事業者がデータを保有する分散型の管理を推奨するとともに、関係事業者に対して国が定める安全管理基準の遵守を求めるとしております。また、住民データの連携・共有については、区域指定後、関係住民が参画する区域会議において基本構想に係る事業計画等の内容の検討が行われることに加え、全ての事業者に対して個人情報関係の法令等の遵守を求めることとされていることから、本人同意なしに情報提供が行われることはないものと認識しております。

次に、住民生活の基盤整備が大企業の利益の対象となり、地域経済の活性化や住民生活の向上にはつながらず、住民の権利がないがしろにされるのではないかについてですが、区域会議に住民が参画し、住民目線でよりよい未来社会の実現が図られるよう配慮することや、丁寧かつ適切な方法により住民等の合意形成を図っていくことが重要であると考えております。

次に、個人情報を保護しつつ住民福祉の向上に先端技術をどう活かすかという国民的議論こそ必要ではないかについてですが、ウィズコロナ、アフターコロナの社会において、先端技術の活用や様々な分野におけるデジタル化の推進については、国民的関心が高まっているものと認識しております。このような中で、個人情報の保護と住民の受けるメリットとの共存などの議論を深めていくことが必要であると考えております。

災害対策について

次に、災害対策についてお答えします。まず、災害の検証、特に停電対策などの教訓・反省について、どのようになったのかについてですが、昨年の災害に係る課題を明確にし、具体的な対策に活かしていくため、多方面からの検証を行ったところです。検証方法としては、行政としての課題や地域の状況を明確にするため、庁内調査や町内自治会等の代表者に対する調査を実施しました。全庁調査では、長期停電対策を地域防災計画に規定することや、倒木処理、市への連絡調整員は検討に係る関係機関との連携体制を強化すること、また、停電に伴い通信障害が発生したことから、情報収集・発信体制を強化すること等について検証結果として取りまとめました。地域への調査では、市に望む対策として、情報発信を迅速に行うことについて多くの意見がありました。なお、地域の方々の防災意識の変化として、房総半島台風から東日本台風にかけて自ら防災対策を行った方が倍増したことなど、地域の実態を把握することができました。これらの調査結果を踏まえ、停電対策など様々な取り組みを推進してまいります。

歳入歳出について

 次に、歳入歳出についてお答えいたします。まず、千葉市の市税の特徴は何か、景気に変動されないことになるのか、将来的な不安はないのか、法人市民税が8.5%を占めることの評価についてですが、本市は、東京近郊の都市として個人の所得水準が高いことから、市税全体に占める個人市民税の割合が44.8%と高く、景気の変動を受けにくく安定しています。また、将来的には、人口減少が進むことで、個人市民税が減少することも考えられるため、今後の社会情勢や国の動向を注視する必要があると考えております。なお、法人市民税は、経済情勢の動向による景気の影響を受けるものの、法人税割の税率引き下げから税収に占める割合が減少しており、著しい影響を受ける可能性が少なくなっております。

 次に、投資的経費の増による地域経済への影響についてですが、令和元年度においては、小中学校普通教室へのエアコン設置につて、地元企業の受注機会の確保に配慮しつつ整備を進めたほか、市内事業者の経営安定化の観点から、道路や下水道整備に係る施工時期の平準化に取り組んだところであり、こうした公共事業の推進により、生産・雇用機会の創出を通じて地域経済の発展に一定の効果があったものと認識しております。引き続き、将来負担とのバランスに配慮しつつ、地域経済の活性化や都市活力向上の観点から必要な投資を的確に行い、魅力あるまちづくりを進めてまいります。

 次に、臨時財政対策債減額の背景及びコロナ禍での今後の見通しについてですが、令和元年度の臨時財政対策債は、全国総額が前年度比18.3%減の約7千億円減少したことに加え、市税の増収に伴う基準財政収入額の増などにより、千葉市の財政不足額が約28億円減少したことから、前年度に比べて17.1%減の36億5,400万円減少となったものです。また、コロナ禍での今後の見通しですが、国の予算編成で検討されることから、明確なことはわかりませんが、感染症の影響により地方交付税の原資となる国税の減収が想定されますので、地方交付税の振り替えである臨時財政対策債の割合が高まることが懸念されます。

 次に、実質収支は土地の売り払い収入が大きな要素を占めており、見かけの黒字ではないかとのことですが、旧高洲市民プール跡地を含む私有財産の売り払い収入については、将来の人口減少に伴う施設ニーズを踏まえ、資産総量の最適化を図るべく余剰となる資産を売却したものであり、効率的な資産経営に取り組んだ結果、歳入確保が図られたものと認識しております。加えて、歳入では市税等の徴収対策や税源の涵養などに取り組んだほか、歳出では、市民生活に配慮しつつ事務事業の見直しを進めるとともに、効率的な予算執行に努めたことなどから、基金借入残高を削減しつつ財政調整基金の取り崩しを行わず、一般会計で58億円の実質収支を確保したものであり、これまでの財政健全化に向けた取り組みの効果が着実に表れたものと認識しております。

 次に、市民から批判の高い事業の見直しについてですが、中央公園・通町公園連結事業や稲毛海浜公園リニューアル事業は、市民の皆様をはじめ多くの方々から愛され、賑わいのある空間を創出するために取り組んでいるものであり、本市の活性化や魅力向上に大きく寄与することから、引き続き事業を進めてまいります。また、大型開発の実施にあたりましては、これまでも、緊急性・必要性の観点から可能な限りの見直しを行ってきたところであり、都市の魅力・活力の向上を生み出し、本市の持続的発展に資する事業については、財政健全化とのバランスを踏まえつつ推進していく必要があるものと考えております。

 次に、心身障害者福祉手当カットして、他の福祉に回すことは、弱者を置き去りにするものではないかとのことですが、少子・超高齢社会が進展し、社会保障費が増大する中で、安定的に市民サービスを展開するためには、社会情勢の見通しなどを的確に捉え、限られた財源をより緊急性・必要性の高い事業に効率的に配分することが重要であるものと認識しております。心身障害者福祉手当については、見直しにより生じた財源を発達障害者施設など、喫緊の課題に対応する経費に活用するほか、年々増大する障害者介護給付費など安定的な制度の維持や多様化するニーズへの的確な対応が課題となっている障害福祉事業に活用しているもので、市民の皆様のご理解とご協力のもと見直しを進めることができたものと認識しております。引き続き多様化するニーズを的確に捉え、より支援が必要な分野に財源を振り向けてまいります。

 次に、地域経済活性化と地域の雇用の創出についてお答えします。地域経済活性化に向けた中小企業等の支援としては、創業支援や新商品開発支援などに取り組んでいるところです。高崎市の取り組みについては承知していますが、本市では店舗で開業する創業者を対象に、店舗改装費など開業資金の助成制度を展開するほか、市内事業者が新たに市場に投入する商品を対象に「トライアル発注認定制度」を創出し、市による試験導入や大規模展示会出展による販路拡大支援などを行っているところです。ビジネスの新たな担い手の創出や売上げの向上に向けた支援を継続するとともに、今後も先進事例を調査・研究し、地域経済活性化や地域の雇用の創出につながる施策に取り組んでまいります。

オスプレイの暫定配備について

 次に、オスプレイの暫定配備についてお答えします。市長としての態度表明についてですが、本市では、これまで県及び近隣市からの情報提供により対応してまいりましたが、今後は国・県・木更津市及び近隣市との連携を強化し、積極的な情報収集に努めてまいりたいと考えております。

下水道使用料の福祉に係る減免制度について

 次に、下水道使用料の福祉に係る減免制度をこれまでの制度に戻すことについてですが、生活保護法により支給される生活扶助には下水道使用料が含まれていることから、負担の適正化を図るため、生活保護受給世帯の減免措置は本年4月に廃止しました。廃止にあたっては、家計への急激な影響がないよう1年間の経過措置を講じ、段階的に減免額を見直すこととしております。また、今回の見直しの対象となる方のご理解を得るため、個別に周知文を発送したほか、問い合わせへの対応を行っているところであり、引き続き丁寧な周知に努めてまいります。

障害者のスポーツ活動について

 次に、パラスポーツコンシェルジュの活用とパラスポーツの支援についてお答えします。まず、事務局の移転やパラスポーツ団体の組織化についてですが、事務局については、ハーモニープラザで活動している団体やサークルへの案内がしやすいこと、他部署を目的に来所した障害者が気軽に立ち寄れることから、ハーモニープラザ内で業務を行っておりますが、現在の事務室ではプライバシーの確保の点から複数の相談者に対応することが難しいため、必要なスペースの確保などについて検討してまいります。パラスポーツ団体の組織化については、昨年4月に「公益財団法人千葉市スポーツ協会」の専門委員会として「障害者スポーツ委員会」を設置しており、本年6月から「千葉市スポーツ協会」「千葉県障害者スポーツ協会」「パラスポーツコンシェルジュ」の三者により、情報の共有と課題解決に向けた協議を行っております。今後、より多くの障害者がスポーツ活動に参画していけるよう、連携して各種事業を展開するとともに、その事業成果を十分検証し、障害者スポーツのより効果的な推進手法や組織の在り方について検討してまいります。

 次に、知的障害者のスペシャルオリンピックス、聴覚障害者のデフリンピックに向けて活動している障害者に対する支援についてですが、障害者のスポーツ活動参加を促し、生きがいや生活の質の向上を図り、健康づくりの機会等を増やしていくため、本年6月に「パラスポーツ振興補助金」を創設し、競技団体やNPO法人、市民団体などが障害者を対象とした教室や講座及び体験会を開催した場合に、その費用を助成しております。また、パラスポーツコンシェルジュにより、知的障害者や聴覚障害者など、障害者の種類や程度に応じ、障害者一人ひとりきめ細かに行うとともに、オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、関係団体や競技団体と連携し、スペシャルオリンピックスやデフリンピックについてのPR活動に取り組むことで、障害者スポーツの裾野を更に広げてまいります。

環境行政について

 次に、プラスチックの処理についてお答えします。

まず、プラスチック製容器包装の再資源化の実施による償却ごみの削減と温室効果ガスの削減目標を達成することについてですが、プラスチック製容器包装の再資源化には、回収の実施に伴い多額の収集運搬経費が掛かることやリサイクル形態ごとの効果やコストなどの情報が公開されていないことなどの課題があることから、先般、国に対して要望書を提出したところです。今後、国の動向を踏まえつつ、令和4年度に策定予定の次期一般廃棄物処理基本計画の中で、プラスチック製容器包装の再資源化の事業実施について検討してまいります。また、温室効果ガスの削減目標についてですが、新港清掃工場の民間企業への蒸気供給停止の影響などにより、達成が困難な状況となっておりますが、温室効果ガス削減に向け、引き続き焼却ごみの削減に努めてまいります。なお、当該影響分を反映した温室効果ガスの削減目標につきましては、令和4年度の一般廃棄物処理基本計画の策定に併せて見直し事としております。

 次に、本市がマイバッグ等を大量に制作して市民の皆様に活用するなど、取り組みを推進すべきでは、についてですが、マイバッグ等の啓発品については、費用対効果などを勘案して制作しております。引き続き効果的な周知啓発を実施してまいります。

 プラスチック製容器包装をなぜリサイクルしないのかについてですが、プラスチック製容器包装の再資源化には、回収の実施に伴い多額の収集運搬経費がかかることや、リサイクル形態ごとの効果やコストなどの情報が公表されていないことなどの課題があることから、現在は分別収集を実施しておりません。今後、国の動向を踏まえつつ、令和4年度中に策定予定の次期一般廃棄物処理基本計画の中で、プラスチック製容器包装の再資源化の事業実施について検討してまいります。

 次に、環境の保全に関する細目協定の締結についてお答えします。

まず、この協定でどのように環境対策が充実したか、透明性の確保は、についてですが、本協定は工場の建設及び操業に伴って生ずる環境への負荷の低減が、地域の環境保全に重要な役割を果たしていることを認識し、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ持続的に発展することができる社会の実現に向け、相互の信頼関係の下で環境保全を推進するという理念に基づき締結されています。令和2年3月に新たに締結した協定では、一部の地域において対策強化が必要な粉塵や千葉県が行った大気環境調査において、近年、市原市内で比較的高濃度での推移がみられる有害大気汚染物質について、飛散防止や排出抑制等に関する規定を盛り込むなど、地域の環境保全を図る見直しを行ったところです。また、透明性の確保につきましては、この協定の規定に基づき地域住民への安全及び安心の確保の観点から、各事業者が公害防止対策、環境管理体制、監視・測定結果等について、環境レポートの作成・領布、工場見学の開催等により住民への周知に努めることとしております。

 次に、なぜJFEを特定するまでにこんなに時間がかかったのか、住民に大変な苦労をかけたと思わないのか、についてですが、平成24年度から26年度に実施した降が考えられるが、下ばいじん測定結果について、中央臨海部の降下ばいじん量が他の地域より大きいことが判明したことから、平成30年度及び令和元年度の大気環境保全専門委員会において、発生源を特定し効果的な対策を検討するため、平成27年度から30年度の降下ばいじん測定結果の解析を行ってきたところです。その結果、昨年12月23日に同専門委員会から「臨海部4地点が他の地域より降下ばいじん量が大きい要因としては、様々な発生源が考えられるが、その中でも製鉄工場の影響が比較的大きいものと認められる」との評価及び今後の粉じん対策についての提言を頂いたところです。本市としましては、これまでも生活環境の保全を図るため、主要な発生源の1つである当該事業者に自主的な対策を求めてきたところですが、今後も引き続き提言に基づき、事業者と密接な連携を図ったうえで、さらなる自主的な対策を求めてまいります。

 次に、JFEへの立ち入り調査の具体化と抜本的な粉じん対策について、住民被害への対応がなぜが示されないのか、厳しい粉じんの排出基準を定めるべきではないのか、についてですが、事業者への立ち入り検査につきましては、平成30年度から体制を強化しており、粉じんが住宅側へ飛散しやすい気象条件の時に検査を実施し、必要に応じて「散水の徹底」「発じんの未然防止」などを指導しているところです。抜本的な対策と住民被害への対応がなぜ示されないのかにつきましては、本年8月24日に開催された大気環境保全専門委員会において、事業者の対策の状況が示されているところでありますが、昨年12月の専門委員会からの提言に基づき、事業者と緊密な連携を図ったうえで、更なる自主的な対策を求めていくとともに、地域住民に対してわかりやすい情報提供を行うよう努めてまいります。排出基準につきましては、現行法令で規定されていないため、本市としましては環境目標値を定め生活環境の低減に努めているところです。なお、環境目標値につきましては、専門委員会からの提言で示されていることから、令和3年度末に策定予定の次期環境基本計画に合わせて見直しに関する検討を進めてまいります。

 次に、本市の紙おむつリサイクルへの対応はどのようになっているのかについてですが、紙おむつのリサイクルは、焼却ごみの削減に寄与するものと認識しておりますが、実施に当たっては再資源化施設の整備等の課題があることから、今後も他都市の事例について調査研究を行ってまいります。

 次に、当面は本市も何らかの形でリサイクルを推進するべきでは、についてですが、紙おむつのリサイクルについては、再資源化施設整備の課題等があることから現状では実施することは困難でありますが、今後も国や他都市の情報を収集し、研究してまいります。

 次に、新浜リサイクルセンターについてお答えします。まず、設立の目的と理念について、また資源選別業務の受託事業者における障害者雇用の経過についてですが、新浜リサイクルセンターは、リサイクル社会の構築を理念とし「市内から発生する粗大・不燃ごみを処理すること」「可燃物と不燃物を分別し最終処分量を削減すること」「びん・缶・ペットボトルなどの資源物の選別・売却をすること」などの再資源化及び最終処分量の削減を目的とし、本市のリサイクル拠点として設立しました。新浜リサイクルセンターの資源選別業務の受託事業者における障害者雇用の経過についてですが、運営開始当初は、最大11名の障害者を雇用しておりましたが、定年退職や高齢などを理由に5名が退職し、現在は6名となっております。

次に、障害者雇用に係る補助金や現在の体制についてですが、受託事業者へ確認したところ、昨年度は障害者雇用に係る報奨金として151万2千円、監督者に係る助成金として30万円を受けているとのことです。現在の体制は、障害者6人、健常者36人で資源選別業務を実施ており、健常者のうち5人が障害者職業生活相談員の資格を保有しているとのことです。

その先進事例を他に普及するべきではないかについてですが、現在、新浜リサイクルセンターでは、障害者の方々は空きビンの選別業務に従事しており、障害者がビンを見分けるスピードは健常者とほとんど変わらず、またビンについている傷なども敏感に察知するなど、選別のエキスパートとして高い能力を発揮しております。ホン事例につきましては、評価の高い取り組みと認識しておりますので、今後は受託事業者に対して対外的にPRするよう促してまいります。

次に、千葉市の5分別収集についてお答えします。まず、当時の5分別収集について課題は何であったのかについてですが、市民の皆様に5分別収集に関して深くご理解いただくこと、並びに収集体制の確立であったと認識しています。

次に、当時、市内の清掃業者の取り組みが課題の解決をしたとの認識についてですが、当時、新たな分別収集を開始するにあたり、準備期間が限られる中、清掃業者の協力により大きなトラブルなく分別収集を開始することができたと認識しています。

 次に、本市は労働条件・待遇改善を速やかに行うべきではないのかについてですが、収集業務の委託量の積算にあたっては、国の公共工事の積算体系や単価等を参考に積算しております。また、各事業者における労働条件等については、関係法令等を遵守するよう委託契約に盛り込んでおり、各事業者において適切な対応を行うよう指導しております。

都市行政について

 次に、インクルーシブ公園の設置についてお答えします。まず、インクルーシブ公園の理念についてですが、「インクルーシブ公園」については、現時点では明確な定義がないものと認識しておりますが、例えば、他都市では障害のある子どもも利用しやすい背もたれやベルト付きのブランコが一般的なブランコと並べて設置され、多様な子どもが一緒に楽しめる遊具が導入され始めております。本市の都市公園においても、車いす利用者も一緒に遊べる複合遊具や多様な機能を持つトイレ等、ユニバーサルデ

ザインを基本とする施設のバリアフリー化を推進しているところです。そのため、誰もが分け隔てなく過ごせるような環境づくりを行うインクルーシブな公園の視点は、これまでの

取り組みと方向性を同じくするものと考えておりますが、今後の公園づくりにあたっては他都市の事例等を調査してまいります。

 次に、災害対応型公園の考え方についてですが、本市の地域防災計画において、公園等については、地域常民が自主的に身の安全を図る場所として活用を図ることとされており、災害時には障害者や高齢者等の要配慮者も利用することが想定されます。そのため、災害時においては、誰もが安心して利用できるインクルーシブの視点を踏まえつつ、地域コミュニティ等の共助のもとで安全に避難できる公園づくりを進めてまいります。

 次に、千葉市動物公園の社会教育施設としての役割についてお答えします。まず、千葉市動物公園の「種の保存」への取り組みと考え方についてですが、動物園における「種の保存」とは、現在、野生環境の悪化に伴い絶滅の恐れのある動物たちを、環境回復が行われるまでの間、園で預かり、繁殖させ維持していくという世界規模の取り組みであります。このため、希少野生動物を飼育している動物園で「種の保存」に取り組むことは大変重要な責務であると考えております。本市におけるこれまでの取り組みとしては、日本動物園水族館協会の繁殖計画に基づき、静岡市から来園したレッサーパンダの「風太」については、千葉市動物公園で10頭の繁殖に成功するとともに、子供たちは国内の他の動物園での繁殖に寄与しております。また、本市所有のメスゴリラの「モモコ」が、他園において4頭の繁殖につながるなど、動物公園内外で希少動物の「「種の保存」に貢献しております。さらに、本年7月に展示を開始したチーター、ハイエナについても、日本における繁殖プログラムの一つとして海外から寄贈されたものであるため、来園者への魅力ある展示に努めることに加え、千葉市動物公園での繁殖の実現に向け準備を進めているところでございます。今後も、世界的な種の保存に貢献する動物園となるよう、国内外の動物園との連携の強化や飼育技術の向上に努めるとともに、動物たちの生活環境をより豊かにする「環境エンリッチメント」の考え方に基づく、飼育環境の充実などに取り組んでまいります。

 次に、「開かれた動物園として」の学校、大学などとの研究連携の可能性についてですが、動物公園は、社会教育施設としての役割を有することから、従来より大学生の卒業論文研究への協力や博物館の研究者等へ標本提供などを実施してまいりましたが、学校や大学、企業等と連携して研究に取り組むことで、野生動物の基礎的研究の進展、研究者の育成、最新技術の応用や発展などに貢献するとともに、研究の成果が飼育環境の改善や展示の充実などにも寄与することから、連携を加速・発展させていきたいと考えております。このため、現在は企業と大学との連携による「AIを活用した行動解析によるクロザルの生態の視える化」や県内の高等専門学校との連携プロジェクトとして「飼育環境のデータの蓄積によるゴリラの生活環境改善の具体化」などに取り組んでいるところであります。今後も、「開かれた動物園として」、教育研究機関や企業等との連携を深め、「社会教育、環境教育の場」「研究の場」など、地域や社会に貢献する動物公園となるよう努めてまいります。

 次に、千葉駅西口地区再開発事業についてお答えします。まず、どのように決定されて千葉市が取り組んできたかについてですが、当該事業については、本市の都心の一翼を担う地域として、また臨海地区への玄関口として、駅前広場等の公共施設と再開発ビルを整備し、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図り、駅前地区に相応しい市街地を形成することを目的として、昭和63年の都市計画決定を経て、平成2年度に着手いたしました。その後、バブル崩壊に伴う地価の下落・低迷により、地権者交渉が難航するなど事業が長期化しておりましたが、事業の早期の完了等を図るため、施行区域の分割と特定建築者制度の採用を決定し、平成25年度にはA工区の再開発ビル3棟と駅前広場などの公共施設が、また本年3月にはB工区の3棟の再開発ビルがそれぞれ竣工し、現在、事業の清算に向けた作業を進めております。

 次に、当面、中間、竣工時の事業費の推移及び見通しの甘さに対する反省についてですが、平成2年の事業認可取得時の事業費は500億3,700万円でしたが、その後の用地費や補償費の増額により、ピーク時の平成8年には954億3,500万円に変更いたしました。その後、平成26年にはA工区への特定建築者制度の導入により746億2,900万円に、平成29年にはB工区への同制度の導入により635億3,000万円に変更しました。事業費が当初より増額したのは、事業期間中のバブル崩壊を契機とした社会経済情勢の大きな変化を受け、事業が長期化する中で施行区域外への転出を希望する権利者が事業認可当初から増え、これに伴う用地費や補償費が増額したことが大きな要因であると考えております。

 次に、責任と教訓は何か及び千葉市財政に多大な負担を与えたと思わないかについてですが、当該開発事業の負担は決して小さいものではないと認識しておりますが、一方で、事業の施行に伴う駅前広場などの公共施設整備により、千葉駅周辺の回遊性や臨海地区へのアクセス性等が向上したほか、周辺の新千葉2・3地区やJR千葉支社跡地をはじめとした民間主導による再開発の機運醸成の一助になるなど効果があったものと考えております。今後は、こうした経過を踏まえ、必要性・経済性及び公共性などの観点や社会経済情勢の動向などに配慮しながら計画的かつ迅速に千葉駅周辺のまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、狭隘道路についてお答えします。まず、狭隘道路の現状や市民からの要望などについてですが、幅員4m未満である建築基準法第42条2項の規定による道路は、令和元年度末で市内に約5,000路線で、延長約500㎞存在しています。

 次に、道路に接していない土地であっても、その敷地の周囲に広い空き地がある場合に、建築主の申請により特別に建築が可能となる建築基準法第43条の許可は、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がない場合、建築審査会の同意を得て行っております。許可件数はこの制度が始まった平成11年5月から令和元年度末までの間、延べ1,000件となっております。また、市民からの要望については、建築基準法第42条第2項に規定する道路に関するものが主となりますが、狭隘道路の拡幅を早くしてほしい、緊急車両が円滑に通行できるようにしてほしいなどがあります。

 次に、狭隘道路の改善に向けた取り組みについてですが、本市では市が管理する道路法の道路等のうち、幅員4m未満の道路の拡幅のため、後退用地やすみ切り用地を市に寄付する市民に、助成金や奨励金を交付し、寄付された道路用地の拡幅整備を市が行う「狭隘道路拡幅事業」に取り組んでおります。狭隘道路は、災害時の避難の妨げなど様々な支障が懸念されることや円滑な道路交通の確保などの観点から改善することが重要であり、本事業の更なる促進を図ってまいります。

 次に、市営住宅についてお答えします。

 まず、市営住宅の管理戸数の推移についてですが、市営住宅は、昭和39年に1,357個の管理戸数でしたが、昭和40年代以降の人口急増による住宅不足を補うものとして管理戸数を増やし、平成21年のピーク時には7,203戸の住宅を管理していました。それ以降は将来の需要を見据えつつ、耐用年限を過ぎた建物の除去を進めたことから、戸数は減少に転じ、令和2年4月1日現在6,904戸の住宅を管理しております。

 次に、これからの市営住宅の在り方についてですが、市営住宅は、これからも住宅におけるセーフティネットとして住宅政策の主な役割を担って行きますが、今後は、人口減少が予測されており、また将来の必要戸数の推計においても数の面では充足していると考えております。一方、質的向上のための改善が必要な既存ストックを多く抱えていることから、引き続き住宅困窮者へ低廉な家賃で適切な住宅を提供していくために「千葉市営住宅長寿命化・再整備計画」に基づき、既存住戸の長寿命化やバリアフリー化等の居住性の改善を進めてまいります。

 次に、超高齢化社会に伴う一人暮らしへの対応についてですが、高齢の入居者等が安全に生活を行えるよう、住戸内の手すり設置や既存住棟まわりの段差解消など、バリアフリー化を計画的に行っております。また、浴槽・風呂釜の設置や屋上防水改修の際に断熱性の高い材料を使用するなどにより、室内の居住性向上を進めております。一人暮らしの高齢者への対応については、急病など緊急時に迅速かつ適切な対応が図られるよう、自宅に安否確認センサーや火災センサーなど緊急通報装置を設置する「高齢者緊急通報システム」をご案内しております。今後も一人暮らしの高齢者が安心して住み続けられるよう居住性向上に努めてまいります。

【川口副市長】

保健所機能・環境保健研究所の充実・機能強化について

次に、保健所機能・環境保健研究所の充実・機能強化について お答えします。まず、行政の効率化で保健所の形骸化を進めてきたことは間違いと考えないのかについてですが、これまで保健所の業務量に応じて必要な人員配置に努め、保健所の機能の強化を図ってきたところです。

 次に、公衆衛生の基幹施設として新型コロナ対応の最前線である保健所の充実を今こそ図るべきについてですが、令和2年2月以降、保健所の人員体制を強化しており、感染者の増加に伴い局内外の職員を動員し、新型コロナウイルス対策を行ってまいりました。また、事態が収束する時期を見込むことは難しく、中長期的な対応が必要となったことから、患者搬送やシステム入力などの業務を委託化し、保健所の職員が本来担うべき専門的な業務を実施できるよう体制整備を図っています。

 次に、環境保健研究所再整備基本計画の作成の背景及び発注に係る問題点についてですが、千葉市環境保健研究所再整備基本計画については、総合保健医療センターの大規模改修に伴う環境保健研究所の移転にあたり、新施設に必要な機能や規模、施設の立地条件を含めた建築形態等の条件を整理するため、ノウハウを持つ事業者に委託して作成したものです。環境保健研究所は、市民の健康と安全な生活を確保するため、様々な試験検査を正確、迅速に行うことが求められていますが、本計画は新施設に必要な機能等の条件が十分に整理されており、期待される成果が得られたものと認識しております。

 次に、移転先の若葉区大宮町周辺の理解についてですが、令和2年6月から7月の間に、複数の地元町内自治会の代表者に対し、施設の概要や移転の経緯を説明するとともに、町内自治会を通じて移転に関するお知らせの文書を回覧しました。また、建設予定地の町内自治会に説明会を実施しており、おおむね理解を頂けたものと認識しております。

 次に、新たなウイルス対策など時代が求める水準は極めて高くなりつつあるが、市民の期待にどう応えていくのかについてですが、引き続き、新型コロナウイルス感染症のPCR検査など、正確・迅速な試験検査をはじめ、市民の健康と安全な生活の確保に努めてまいります。

男女共同参画について

 次に、パートナーシップ宣言制度の対象者を在勤在学者にも広げることについてですが、本市では、本制度の対象者について市内転入予定者を含め、全国で初めて事実婚を含めるなどしており、現時点においては、まずは本制度について民間事業者等へ更なる周知を図り、また犯罪被害者等への支援制度及び支援対象者については、先進都市の事例を参考にするとともに、県や関係機関とも協議をしながら検討してまいります。

千葉市美術館について

 次に、千葉市美術館についてお答えします。まず、美術館の使命を明らかにし、市民に支えられ生きる力を与えることが求められているのではないかについてですが、美術館は「美術に関する市民の知識及び教養の向上を図り、市民文化の発展に寄与する」という設置目的と、「市民と密接に結びついた市民参加型の美術館」や「個性を備えた魅力ある美術館」等の基本理念に基づき運営することとしております。この度のリニューアルでは、その具体的な取り組みについて、展示スペースがなく限られた期間等でしか鑑賞することができなかった浮世絵などの所蔵作品のハイライトを常に楽しんでいただけるようになったことや、子どもたちを対象に参加・体験型のアーティストプロジェクトを展開する「つくりかけラボ」など、芸術文化を育む環境づくりが進んだことにより、リニューアル後の1か月で延べ24,000人を超える来館があり、多くの市民の皆様に美術館を訪れていただいております。今後とも、市民の皆様の芸術の拠点として、さらに成長できるよう様々な企画などの充実や、より一層の周知を図ることで幅広い年代の方々に身近に感じていただき、市内外に誇れる美術館となるよう努めてまいります。

 次に、所蔵作品の無料カードの配布、写真撮影を可能にすること、視覚障害などを持つ市民の皆様への配慮についてですが、所蔵作品の無料カードの配布については、新たに整備した常設展示室において、展示作品を定期的に変えながら所蔵作品のハイライトを展示することとしており、より身近に本物の作品を鑑賞していただきたいと考えております。一方で、ホームページ等でより多くの作品に触れていただけるよう、今後はデジタルミュージアムの一環として、所蔵作品のデジタル化を進めてまいります。写真撮影については、企画展は借用する作品が多いため写真撮影が可能なものは限られておりますが、常設展では本市所蔵の作品が中心であり、寄託されている作品を除き、撮影可能となっておりますので、来館者が適切に把握できるよう周知方法を工夫してまいります。視覚障害などを持つ市民の皆様への対応については、施設案内や誘導のほか、効果的な説明や作品鑑賞の補助について、職員等で研修をするなどしており、今後もより良いサービスの提供に努めてまいります。

 次に、個人所有の芸術作品の寄託についてですが、より多くの優れた作品を市民の皆様に鑑賞いただくことは重要なことだと考えております。その上で、美術館は3つの収集方針に基づき、作品を収集しております。1つに「千葉市を中心とした房総ゆかりの作家及び作品」、2つに「江戸時代から近代の日本の絵画及び美術」、3つに「現代美術」、特に1945年以降の美術としており、全国的な評価レベルの作品で、客観的な評価が定まっているものである作品に関し、専門の学芸員が基本的な調査、所蔵者との交渉にあたり、千葉市美術品等収集審議会において学識経験者により審査を受け収集しております。今後も収集方針や展覧会計画を考慮しながら検討し、美術品等収集審議会の評価・審査を経て、受け入れを行うことにより所蔵作品の充実に努めてまいります。

介護保険について

 次に、介護保険についてお答えします。まず、年間10万人が辞めている状況における千葉市の実態と対応についてですが、国における調査とは方法が異なりますが、令和元年度、在宅の要介護認定者を対象に、本市で実施しました「在宅介護実態調査」において、「介護を主な理由として過去1年に仕事辞めた家族・親族がいる方」の割合は5.5%となっており、一定程度、介護離職が生じている状況であると認識しております。引き続き、本市において介護保険制度の周知、利用者が希望するサービスの提供量の確保及び必要なサービスを提供するための介護人材の確保などに取り組み、介護離職のない社会の構築を目指してまいります。

 「介護の社会化」は捨て去られ、「家族介護」に回帰する実態があるが、なぜそうなったのかについてですが、介護保険制度の開始以来、在宅における介護サービスは従来の訪問介護や通所介護等のサービス量の増加に加え、小規模多機能型居宅介護等、生活環境に合わせた新たなサービスの選択肢が広がる中で、在宅での介護を希望する方の意向が反映できるようになっております。改善策、地域包括支援センターの充実についてですが、家族介護者の負担を軽減し、仕事と介護を両立していくためには、高齢者及び介護者のニーズに合わせた伴走型の支援が重要であることから、高齢者の相談窓口として幅広いサービス情報の提供等を行う地域包括支援センターの職員の増員及び資質の向上など、今後も相談体制の強化に努めてまいります。

 次に、「あずみの里裁判」がもたらした影響及び立件自体の見解についてですが、個別の事案に対する評価は、詳細な事実認定を把握しておりませんのでお答えできませんが、安全確保を過剰に配慮することにより、提供する介護サービスの内容が委縮したものになってしまうのではないかといった声があったことは把握しております。このようなことが起きないよう、特別養護老人ホームの運営にあたっては、入所者が有する能力に応じ自立した日常生活を営むことを目指し、入所者の意思を尊重し、常にその立場に立ったサービスが提供されるよう、各施設に対し引き続き必要な助言・指導を行ってまいります。

優生思想の問題について

 次に、優生思想の問題についてお答えします。まず、やまゆり園障害者殺傷事件及びALS嘱託殺人事件の本質についてですが、ALS嘱託殺人事件は現在捜査中であるためコメントを差し控えますが、やまゆり園障害者殺傷事件については、国が設置した「事件の検証及び再発防止対策検討チーム」の報告書によると障害者への一方的かつ勝手な偏見や差別意識が背景となって引き起こされたものとされているところです。また、本市におけるALS患者の実態と対応の改善についてですが、本市において指定難病受給者証の交付を受けているALS患者数は、令和元年度末時点において65人で、そのうち24時間人工呼吸器装着患者は21人となっております。患者及び家族の支援の1つとして、国立病院機構千葉東病院内に設置している「千葉市難病相談支援センター」に令和元年度に寄せられたALS患者に関する22件の相談の内訳は、治療や転院及び療養生活に関する相談となっており、差別や偏見に関する相談はありませんでしたが、表に出せない複雑な気持ちに寄り添うためにも、当事者の心の声を聴きその心情に配慮した支援ができるよう努めてまいります。  次に、一人ひとりの人権が大切にされるような取り組みについてですが、全ての障害者は、基本的人権を享有する個人として、その尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有しています。本市としましては 、所外のある、なしで特別視されることのない社会を構築するため、引き続き福祉講話やヘルプマークの配布をはじめとした障害者への理解促進や差別解消に係る様々な取り組みを実施してまいります。

 次に、「千葉市盲ろう者実態調査」報告書についてお答えします。まず、この報告書の意義と実態を明らかにし、市民にも理解を求めるべきではないかについてですが、報告書は市内の盲ろう者への支援策検討の基礎資料とするため、千葉盲ろう者友の会に委託して実施したものであり、その内容については本市ホームページに公開するとともに、千葉県及び県内中核市にも情報提供しております。今後は、調査結果を分析し、必要な情報について市民に周知を図ってまいります。

 次に、困難を抱える盲ろう者への各種サービスの具体化や充実策についてですが、調査結果により外出や他者とのコミュニケーションなどに問題を抱えていることがうかがえたことから、これらの分析を進め、盲ろう者の支援に活かすため、通訳・介助員派遣事業を共同で行っている千葉県、船橋市及び柏市とともに今後の支援策について研究してまいります。

 次に、盲ろう者の参加と平等の実現についてですが、盲ろう者には特に支援が必要であり、家族など関係者の負担を軽減する観点からも、引き続き本市で実施している盲ろう者向けの通訳・介助員派遣サービスの利用を促進するなど、十分な支援を行うとともに、視聴覚障害者のイベントなどを通じて、利用できるサービスを案内することで、社会参加につなげてまいります。また、障害者の地域の課題を解決するための千葉市地域自立支援協議会において、報告書の分析結果を共有し、関係機関とともに支援に必要な社会資源などの掘り起こしに努めてまいります。

児童相談所の充実について

 次に、児童相談所の充実についてお答えします。まず、業務の民間委託は行わず、児童相談所は行政が責任を持つことについてですが、児童相談所には、子どもに対する重大な権利侵害である児童虐待に対し、迅速・的確に判断・対応することが求められており、法的権限に基づき行政機関としての責任を適切に果たしていく必要があります。民間委託については、こうした児童相談所の責任を果たすうえで支障のない範囲に限り、慎重に検討してまいりたいと考えております。

 次に、電話相談員の高い専門性の保障についてですが、育児不安を抱える保護者の相談の傾聴や虐待相談での的確な情報収集など、電話相談業務には専門性の高さに加え、多くの経験が必要であると認識しております。そのため、電話相談員の採用にあたっては、相談業務の経験を有することを条件とするとともに、採用後においても千葉県児童相談所と共催する研修等への参加、日々の相談事例の共有による経験値の積上げなどの取り組みにより、マニュアルの習得だけでは担保できないスキルの向上を図っております。

 次に、職員の増員とスキルアップ、児童相談所の増設についてですが、児童相談所の組織体制については、国の配置基準に基づき児童福祉司・児童心理士等の増員を図っており、今後も引き続き基準を満たしていくためには、さらなる増員が必要であると考えております。また、児童虐待対応等に必要な専門性を確保するための計画的な育成・指導に加え、職員の意欲の維持・向上を図るため、困難事例へのチーム体制での対応、支援の成果の職員間での共有等に取り組んでおります。職員の増員による組織の大規模化、施設の狭隘化等を踏まえ、引き続き分所・支所の設置も含めた児童相談所の体制強化について検討してまいります。

千葉市の保育について

 次に、保育園等の虐待や危機管理の問題についてお答えします。まず、本市の保育園等における虐待防止についてですが、研修の実施や監査及び巡回における指導等を通じて虐待防止に繋がるよう職員の資質向上を図っております。また、平成26年11月より、政令市で初めてとなる虐待等通報システムを導入しております。システム導入から令和2年8月末までの間に、職員が児童を突き飛ばしたように見えた事例等、31件の通報を受け付けており、施設への立ち入りや指導など、通報内容に応じた迅速な対応を行っております。

 次に、地震・台風・豪雨・新型コロナウイルス感染症等の災害時における保育園等の対応や公共施設としての機能・役割についてですが、保育園等では災害発生時に児童や職員の生命・身体の安全確保を第一に考え、マニュアルや通知等に従い、可能な限り所管課と連携を図り対応いたします。また、保育園等は社会インフラとしての役割を担っており、災害発生後に速やかに保育を再開する必要があることから、避難者の受け入れや食事の提供等については、原則として難しいものと考えております。

【病院事業管理者】

病院局について

 病院局についてお答えします。まず、黒字の公立病院では、医療スタッフを減らすのではなく、充実・増やすことで市民の願いに応えることで、経営の改善が図られていくのではないかについてですが、公立病院が将来にわたり安定的に良質な医療を提供し、その目的を果たし続けていくためには、経営の健全化を図っていくことが必要と認識しております。このため、本市病院事業は第4期病院改革プランに基づき、収益の増加や経費の削減に取り組みつつ、医師や看護師の医療スタッフについては、最適な人員配置に努めており、安全・安心な医療を提供するとともに、効率的な病院運営に取り組んでいるところです。

 次に、コロナ問題を踏まえ、公立病院の統廃合は問題と考えないのか、感染症対策で公立病院の充実が求められているのではないのかについてですが、本市としては、市民が将来にわたって安心して医療を受けられるよう、地域の実情に合った適切な医療提供体制について継続的に検討していくことが重要と認識しております。感染症への対応についても、公立病院が担うべき重要な役割の一つであり、引き続き青葉病院を中心に新型コロナウイルス感染症患者を可能な限り受け入れるほか、今後整備を予定している新病院においても、新興感染症の拡大に適切に対応できるよう病床の整備について検討してまいります。対応についてですが、自治体病院は行政機関、医療機関等と連携し、地域に必要な医療を公平・公正に提供し、住民の生命と健康を守り、地域の健全な発展に貢献していくことが求められていると認識しております。本市病院事業においても、市立病院の使命を果たすべく、両市立病院で特色ある医療を提供するとともに、地域医療機関との連携の強化や患者中心の医療の提供など、市民に求められる医療の提供を図っているところです。また、医療安全体制や感染管理体制の向上を図ることで安全・安心な医療の提供に努めているほか、大学病院と連携しながら医師の確保や研修医の要請を行うなど地域医療を担う人材の充実にも取り組んでいるところであり、将来にわたり市民が必要とする医療を提供できるよう、市立病院としての使命を果たしてまいります。

 心臓血管外科手術について、いつから始めたのか、またその症例・実績についてですが、海浜病院における心臓血管外科手術の再開については、約半年間の準備期間ののち、本年3月に開催された第3者評価委員会において、医療安全体制やインフォームドコンセント、労務環境、地域における必要性などを検証し、全ての委員が再開に異論ないとの結果を頂きました。十分な準備期間を経て5月から手術を開始したところでありますが、新型コロナウイルス感染症の対応もあり、予定手術よりも準緊急や緊急例が多く、医療安全や労務環境などを考慮しながら、必要に応じ他院に患者を紹介するなど、週に1例程度に手術数を抑え慎重に進めているところであります。手術実績については、今後症例数がある程度蓄積された段階を見計らい公表してまいりたいと考えております。

【選挙管理委員会事務局長】

障害者の代理投票問題について

 障害者の代理投票問題についてお答えします。代理投票の補助者を本人が指定する人にできるよう、制度を改正するべきではないのかについてですが、現在の制度は、選挙の公正な実施を確保することを目的に、代理投票における補助者を投票事務従事者に限定するよう平成25年に公職選挙法が改正されたことによるものですが、当時の改正が議員立法により行われたこと、また選挙権の行使に密接に関わる問題でありますことから、国会内で議論されるものと考えますので、国等の動向を注視してまいります。なお、投票所において選挙人が代理投票を希望される際には、選挙人の意思表示を正確に反映させることはもとより、丁寧かつ親切に対応することにより、安心して投票いただけるよう努めてまいります。

【教育長】

エアコン設置事業について

次に、小中学校普通教室へのエアコン設置事業における地元雇用・経済活性化及び反省すべき問題点についてですが、エアコン設置については全校への設置を最短で行うことを目標に、直接施工方式を基本としつつ、リース方式と組み合わせて発注し、計画通り設置が完了いたしました。直接施工方式で発注した62校については、市内業者を対象とした制限付き一般競争入札を基本として入札を行った結果、設備工事と電気工事あわせた延べ124校のうち、122校で市内業者が受注しており、本市域における雇用や経済活性化に寄与することができたものと考えております。また、リース方式で発注した97校については、WTO案件のため市内業者のみを対象とすることはできず、入札の結果、市外業者であるメーカー系列のリース会社が受注しましたが、延べ194校での設置工事のうち33校で市内業者が請け負ったと聞いております。

少人数学級の問題・特別支援学校について

 次に、少人数学級の問題・特別支援学校の設置基準の問題についてお答えします。まず、少人数学級がコロナ対策に有効であると考えないのか、また少人数学級実現に向けて指導体制や施設整備についてですが、感染防止の観点から空間当たりの人数を減らすことは有効であると考えます。本市では、独自に小学校2年生から4年生まで35人学級、5年生から中学3年生まで38人学級を可能とし、国の基準を上回る教育環境を作っているところですが、さらなる推進については、教員及び教室の確保が難しく、現状では厳しい状況にあります。

 次に、特別支援学校の設置基準の策定についてですが、本市においては、特別支援学校は障害の種類によって必要な設備が異なり、統一的に示すのは困難であるという考えから、これまで設置基準は策定しておりません。過日、文部科学省が特別支援学校の設置基準を設ける方針であるとの報道があり、今後、国の動向を注視し、省令等に従って児童生徒の教育的ニーズに応じた施設環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

男女共同参画について

 トランスジェンダーなど性的少数者が身体の性別に関わらず職場や学校で制服などを自由に選択できるように性別の違いによる征服を強制しないまちづくりについてですが、平成28年7月文部科学省発行の「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)」のパンフレットを配布するとともに、毎年実施している人権教育担当者や管理職を対象とした研修会を

通して、トランスジェンダーなどの理解を深め、自認する性別の制服・衣服や体操着の着用を認めることを各学校に周知徹底しております。これをもとに、各学校では生徒の心情や保護者の意向を踏まえ、個別の事情に応じた対応を進めております。

特別支援学校の性教育について

 まず、障害者権利条約23条や国際セクシュアリティ教育ガイダンスの中でどのように障害者の性教育は取り組まれているのかですが、本市では、障害者権利条約23条に関わる内容として、高等部では男女交際や責任とマナー等について「保健」の授業で取り扱い、発展的に自分と家族を築く権利について学べるように支援しています。国際セクシュアリティ教育ガイダンスの内容について、取り立てて学習はしておりませんが、学習指導要領に則り、個々の発達段階により必要となる性に関する課題について、保護者等の理解と協力を得ながら相談体制を充実させ、よりきめ細かな指導をしております。

 次に、特別支援学校における性被害の実態とどのように防ぐのかについてですが、これまで、全国において特別支援学校の児童生徒や卒業生が性被害に遭ったという事実については、通知文や報道等により承知しているところです。そこで、児童生徒の被害防止に向けては、保護者や関係機関との連携を強めるとともに、引き続き周りの大人の見守りによる安全・安心な環境づくりを推進してまいります。また、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、自らを守る意識を高めるために、性教育の担い手となる教職員や保護者向けに保健師や助産師などの専門家を講師として招いて、研修を充実・発展させ、持続的に実施してまいります。

 次に、性の権利についての見解と対応についてですが、本市の男女共同参画ハーモニー条例は、全ての市民が男女の別なく個人として尊重される男女共同参画社会を目指すものであり、性の権利の尊重もこれに含まれていると考えております。そこで、ちば男女共同参画基本計画・第4次ハーモニープランにおいて、基本目標に「生涯にわたる心身の健康と性」を掲げ、性や健康に関する講座、相談事業等の事業を実施しております。

図書館について

 千葉市図書館のこだわりについて、児童書の新刊購入あるいはタイムリーな企画・活字蔵書についての考え方についてですが、児童書については、子どもの発達段階に応じた読書活動が行われるよう、望ましい選書を行っており、今後も子供たちにとって質の高い十分な図書資料の提供に努めてまいります。また、タイムリーな企画・活字蔵書についてですが、ひな人形、端午の節句の飾りつけなど季節に応じた展示なども行っており、蔵書については、一般図書や文庫本のほか加齢で文字を読みづらくなった方や弱視の方が読みやすいものとなるよう、通常の出版物より大きな活字の本を提供するなど、引き続き読者のニーズに合わせた図書の収集をしてまいります。

 次に、指定管理・民間委託が進められているが、本来の図書館の役割を果たすべきではないのかについてですが、今後、人口減少とともに、労働力人口も減少していく中で、限られた予算の有効活用や新たな事業に貴重な人材を振り向けていくために、民間機能を活用した運営手法を導入していくことも有効な手段の1つであると考えております。なお、民間機能の活用を進めるにあたっては、関係部局や関係機関と協議を行ったうえで、慎重に検討してまいります。

 次に、多様な価値観をどう守るのか、知る権利の保障についてですが、「図書館の自由に関する宣言」において「図書館は基本的人権の1つとして知る権利を持つ国民に、資料と施設を提供することを最も重要な任務とする」こととされており、この理念を尊重しつつ、様々な価値観を有する利用者に対し、引き続き「資料収集の自由」「資料提供の自由」のほか、「利用者の秘密を守る」ことなどを実践してまいります。

 次に、プライバシーの保護についてですが、これまで図書館では、利用者の個人情報について捜査当局に対し令状なしで提出したことはありません。なお、図書館入館票については、新型コロナウイルス感染症の発生状況により、関係機関からの求めに応じて提供できるよう、入館される方へ任意での提出を求めております。収集した入館票につきましては、目的以外での利用はしないこと、必要最小限の収集に努めること、また施錠された場所で保管し、1か月を経過した後、速やかに処分していることから、個人情報保護条例等に抵触しないものと考えております。

中学校へのスマホの持ち込みについて

 まず、文科省に学校へのスマホの持ち込みについて、容認する権限はあるのかについてですが、児童生徒への携帯電話の普及、及び災害など緊急時の連絡手段としての活用等の社会情勢を受け、文部科学省では有識者会議での審議結果を踏まえ、新たに本年7月31日付で「学校における携帯電話の取扱い等について(通知)」にて、一定の条件のもと携帯電話の持ち込みを認めるべきであるとの見解が示されたため、教育委員会では本通知を受け、各学校に対し適切な対応について検討を進めるよう依頼したところであります。

 次に、スマホの持ち込みは学校ごとに決めていいのではないかについてですが、本市ではこれまでも、学校ごとに個別の事情に配慮し、携帯電話の持ち込みを許可しておりましたが携帯電話の普及等を受け、昨年、教育委員会に設けた「学校内における携帯電話の取扱いに関する意見交換会」において、意見集約を図り年度内に一定の方向性を示したいと考えております。

子どもの歯の矯正の保険適用について

 学校検診で要精検となった子どもの歯の矯正の保険適用についてですが、学校での健康診断の結果、虫歯のように治療を要するものについては保険の適用となりますが、歯の矯正は厚生労働省の医療保険制度により、一部の疾患を除き保険の適用とはならないと示されております。今後、公的な支援については、国や他都市の動向を研究してまいります。

加曽利貝塚について

 次に、加曽利貝塚についてお答えします。まず、旧石器時代から縄文そして弥生時代への流れにおける加曽利貝塚の意義についてですが、世界各地で狩猟採集から農耕牧畜への転換が始まった中、縄文時代の日本列島では、森や海に囲まれ、自然が生み出す資源に恵まれた環境に適応し、独特の文化が発展しました。加曽利貝塚は、約5千年から3千年前までの縄文時代中期から後期に、当時の人々が自然の中で長きにわたって安定した社会を築き、暮らしていた豊富な情報を知ることのできる貴重な史跡です。縄文人の自然とのかかわり方とその精神性には、「足るを知る」「エコ」「共助」など、今を生きる我々が豊かな自然を将来にわたって継承し、その恵みを継続的に享受できる社会を構築していく上での「未来へのヒント」が含まれていることから、「加曽利貝塚に学ぶべき点」は多分にあると考えます。

 次に、全国の縄文時代の遺跡の中での加曽利貝塚の位置についてですが、加曽利貝塚は、首都圏に位置する唯一かつ貝塚としては初の縄文時代の特別史跡です。国内最大の規模を誇りつつ、東京都心から約40㎞の距離にありながら、集落・貝塚だけでなく周辺の自然環境を含めて保全されている点は、全国的に稀有な例と言えます。また、明治時代から多くの人類学者・考古学者が発掘に訪れ、土器から遺跡の年代を知る研究の第一歩が刻まれるなど日本の考古学研究の発展に大きく寄与するとともに、昭和30年代後半、開発による消滅の危機に瀕した際に、市民運動によって保存が実現したことは、その後の遺跡保護に大きな影響を与えることとなりました。「国内最大級の貝塚と集落」「2千年にわたる生活の跡が今も眠る情報の宝庫」「明治時代からの考古学研究の発展への寄与」「市民が遺跡を守り抜いた、文化財保護の歴史の一里塚となっていること」などの点が評価され、全国に9か所以上が存在する縄文時代の遺跡の中から、わずか4件のうちの1つの特別史跡に位置づけられました。

 次に、加曽利貝塚の魅力発信についてですが、施設面においては「北貝塚住居跡群観覧施設改修」や「車いすでも利用可能な園路整備」等、利便性向上のための史跡整備を計画的に進めるとともに、ソフト面では楽しみながら学べる縄文体験プログラムの提供や専門的な講座を企画するなど、幅広い世代やニーズに対応した事業を展開し、多くの市民に満足いただける事業を推進してまいります。

 条例提案を生かすことについてですが、特別史跡加曽利貝塚グランドデザインにおいては、史跡とその周辺の豊かな自然が縄文時代の人々の暮らしを想起させる貴重な景観になっていることや、自然環境を生かした様々な整備・活用の可能性等を考慮し、対象エリアを設定していることを踏まえ、「歴史的景観や遺跡を守る観点から、遺跡エリアの拡大可能性の確保」も念頭に置き、縄文を感じられるまちづくりに努めてまいります。

2回目の質疑を行います。

①最初に、コロナ問題と新自由主義についてです。

この点では明確な答弁はありませんでした。新自由主義は私が議会に送っていただいた1980年代から始まり、最初は「社会保障の切り捨て」の形でした。医療・介護・福祉の分野での制度改悪が進められました。その一方で「自助」「自己責任」の言葉が押し付けられて「公共」の言葉が後景に追いやられました。

新自由主義により、自己責任を市民に求めると地域が弱体化して、新型コロナ対策がうまく機能しなくなると考えないのか。現在、市民と野党の共闘が大きく前進しており「自助」「自己責任」からの転換、新自由主義の転換が大きな流れになっていると考えないのか。

②新型コロナ対策は市民の一番の願いになっています。

「日々の感染者数に一喜一憂するのではなく、市民一人ひとりが持続可能な感染防止に取り組むことで毎週、週報という形で発信している」との答弁でした。

 この答弁こそ「自助」「自己責任」の表れです。少なくても科学に基づいた対策を国がやらないのなら、千葉市が行うべきです。PCR検査は、感染震源地(エピセンター)での検査を世田谷区や松戸市など自治体独自で始めています。千葉市でも夜の街の検査を行っています。これを広げて、検査体制を強化すれば市民は一喜一憂することがなくなるのではないのか。

③地域経済と消費税の問題です。

市民と野党の共闘で「消費税減税・ゼロ」への方向が出ています。市長は「消費税減税・ゼロ」についてどのように考えるのか。この流れが内需と家計・中小企業の支援になると考えないのか。

④地方自治体と安倍政権・アベノミクスについて、市長は「7年8か月の長期政権は国政の安定が、地方行政の安定に貢献したと一定の評価をしている」とのことでした。消費税増税、安全保障に取り組み、賛否両論はあるが成果を出すことに尽力された」とのことです。そこで伺います。

安倍首相の辞任は、首相自身が「新しい激動的な時代が始まった」と述べているように、憲法を踏みにじる安保法制の強行・森友・加計問題など「安倍政治」の行き詰まりとは考えないのか。

⑤コロナ渦のもとでのスーパーシティ構想の問題です。

コロナ対策でもアプリによる監視より、情報提供によって市民の協力を引き出すとの議論があるなか、先端技術活用には文明論や文化論が必要と考えないのか。スーパーシティ法は「コロナ危機の中で不要不急」として野党が反対した法律です。コロナ危機の時に進めるべきはないと考えないのか。

⑥下水道使用料の減免制度について

「負担の適正化」であり「丁寧な説明に努める」との答弁でした。生活が厳しい生活保護世帯に「負担の適正化」を求めてどうするのか。心身障害者福祉手当をカットして他の福祉に回すことは、障害者に分断と対立を求めるものではないかについて、「限られた財源を緊急性・必要性の高い事業に効率的に配分することが重要」と答えています。とんでもない答弁です。

社会的弱者や障害者世帯が生きていく上で必要なものを切り捨てて、実質黒字が58億円と豪語して心が痛まないのかおたずねします。

⑦少人数学級の問題です。

「国の基準を上回る教育環境を作っているが、さらなる推進には教員及び教室の確保が難しい」とのことです。国もやっと少人数学級・特別支援学校の設置基準の検討に踏み出しました。新型コロナのもと日本のGDP比で教育への公的支出はOECD加盟国38カ国と比較して、36位の教育費であることを認めないのか。そして千葉市独自に未来を担う子どもたちに市民の税金を使うべきではないのか。

⑧稲毛海岸公園リニューアル事業についてです。

見直しを求めましたが「本市の活性化に寄与する」とのことでした。しかし先日、民放テレビで報道されたように、8億円もかけたのに「砂浜は白い砂が半分」「白い砂が公園各所や住宅に飛散する対策を」「税金の無駄使い」と市民から批判の声があり、活性化どころか心配の種になっています。

 稲毛海浜公園リニューアル事業や中央公園・通町公園連結事業は見直し、見直した財源を子育て・教育・福祉施策にまわし市民の願いに応えるべきではないのか。

【熊谷市長】

市政運営の基本姿勢について

 まず、新自由主義により自己責任を求めると地域が弱体化して新型コロナ対策がうまく機能しなくなると考えないのかとのことですが、新型コロナウイルス感染症に対しては、行政として様々な対策を検討し、実施していく必要があります。一方で、新しい生活様式の実践など市民一人ひとりの感染予防と拡大防止の取り組みが何よりも重要で欠かせないものと認識しています。行政、市民、それぞれの立場で新型コロナウイルス感染症対策を進めていく必要があり、これにより地域が弱体化するとは考えておりません。

 次に、現在、市民と野党の教頭が大きく前進しており「自助」「自己責任」からの転換、新自由主義の転換が大きな流れになっていると考えないのかとのことですが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に合わせて、新自由主義に対する主張が一部であることは承知しておりますが、市政運営を担う立場において、そのことに関して特に申し上げることはありません。

 次に、千葉市でも夜の街の検査を行っているが、これを広げて検査体制を強化するれば、市民は一喜一憂することがなくなるのではないかとのことですが、感染の拡大防止の対策として、新しい生活様式の実践など市民一人ひとりの感染予防と拡大防止の取り組みを行うことが、市民の安心につながるものと考えております。検査については、感染リスクが高く、特にクラスターが多く発生しやすいことから、繁華街の接待を伴う飲食店の従事者に対して、積極的に検査を実施しております。なお、国は、冬季に向けて季節性インフルエンザ流行期を踏まえた新型コロナウイルス感染症に対する検査体制の強化の必要性を通知しているところであり、本市においてもこれらを踏まえ、検査体制の強化に努めてまいります。

 次に、コロナ禍を踏まえ消費税を減税することについてですが、税制については、国において社会経済構造の変化等を踏まえ総合的な観点から検討されるものであり、少子・超高齢化が進展していく状況において、社会保障の充実及び安定化を図るための財源を確保するとともに、税制全体としての負担の公平性を高める観点から、消費税制度が導入されているものと認識しております。引き続き税制改正等に関する国の動向を注視するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響に苦しむ市民・事業者の実態を的確に把握し、迅速かつ効果的な対策を実施してまいります。

 次に、安倍首相の辞任は、「安倍政治の行き詰まり」とは考えないのかとのことですが、安倍首相の辞任は、8月28日の首相会見の通り、ご自身の健康上の問題から決断され、政治的空白を生み出さないよう、現下の最大課題であるコロナ対応の冬を見据えた実施策をまとめたこのタイミングで辞任を判断されたものと受け止めております。

【鈴木副市長】

スーパーシティ構想について

 先端技術活用には文明論や文化論が必要と考えないのかについてですが、コロナ禍において、教育・医療などの分野で新たな社会的課題が発生しており、このような課題の解決に資する技術については、社会的・文化的影響も考慮しつつ、関係住民との合意形成を適切に図りながら、その活用の是非について検討されるべきものと考えております。

 次に、コロナ危機の時に進めるべきではないと考えないのかについてですが、コロナ禍において、先端技術の活用により社会的課題を解決することの重要性は一層増していると考えており、住民福祉の向上等に資する先端技術の導入については、時機を逸することなく検討していきたいと考えております。

実質収支58億円の黒字について

 次に、社会的弱者や障害者世帯を切り捨てて、実質収支を確保し心が痛まないかとのことですが、下水道使用料の減免制度及び心身障碍者福祉手当の見直しは、財政健全化の取り組みを進める中で、負担の適正化を図り、より支援が必要な方々のために予算が配分されるよう、市民生活に与える影響を考慮しつつ、事務事業の見直しを行ったもので、市民の皆様のご理解とご協力のもと進めることができたものと認識しております。令和元年度決算は、こうした事務事業の見直しのほか、土地の売り払いなど効率的な資産経営を進めたことなどから、一定の実質収支が確保できたものであり、財政健全化に向けた取り組みの効果が着実に表れたものと認識しております。

稲毛海浜公園リニューアルについて  次に、稲毛海浜公園リニューアル事業や中央公園・通町公園連結事業の見直しについてですが、両事業につきましては、都市・海辺の魅力向上や賑わいのある空間の創出のため取り組んでいるものであり、本市の持続的発展に資することから、着実に推進していく必要があるものと考えております。また、市民生活についても、医療、介護、子育て、教育など必要な分野へ予算を配分してきたところであり、今後も限られた財源を効率的に配分し、市民生活の向上を図ってまいります。

【教育長】

少人数学級について  少人数学級についてお答えします。新型コロナのもと日本のGDP比で教育への公的支出はOECD加盟国38か国で比較して36位の教育費であることを認めないのか、そして千葉市独自に未来を担う子どもたちに市民の税金を使うべきではないかについてですが、日本における教育への公的支出がOECD加盟国中、低い水準にあることは認識しております。本市におきましては、独自の学級編成基準で少人数学級を実現するとともに、専科教員等の配置も行っておりますが、教員の人件費は主に国庫負担金等国費で賄っていることから、学級編成基準の更なる引き下げは、国の財源とともに実施されるべきと考えており、引き続き国の動向を注視してまいります。

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