千葉大網街線の渋滞の改善を―野本信正市議が一般質問〔2020年第3回定例会〕
1、金属スクラップヤードの適正な管理について
【野本信正議員】
若葉区多部田町のヤードは、人家から20メートル程度の位置にあるため、騒音や夜遅くまでの作業による人の話し声などの被害を受けている。また、公共道路いわゆる赤道の無断使用や調整区域の中では違法の建物が並び、作業員が宿泊している等近隣に不安を与えている。
会社名は、T貿易金属処理ヤード、平成30年8月、中古車リサイクルセンター跡地に金属処理ヤードが稼働した。稼働に伴い、騒音振動異臭の問題で会社と話し合いをしたが事態が解決せず、千葉市役所にお願いしている。
最近では、工場拡大に伴い近隣の山林を購入して、赤道の不法占拠や県外ナンバー大型トラックの往来、複数車両の路上駐車で迷惑行為も発生している。
中古車リサイクルセンター跡地に、行政への届も許可を受けることもなく、また近隣住民に話し合うこともなく、金属スクラップヤードが稼働できて、近隣に甚大な環境被害を及ぼしている原因は何か。
【環境局長】
金属スクラップヤードに対しては、既存各種法令の規制に該当する場合がありますが、ヤードの設置に関する許可や届出、保管基準など、直接規制する法令がないため、抜本的解決に至っていないものと認識しております。
【野本信正議員】
千葉市は調査に入っていると聞くが、騒音振動測定によると環境基準値を上回る数値が測定されていて、本来閑静な住宅地で66.8dbなどの数値が測定されている。赤道の不法占拠もある。スクラップは崩落寸前まで山積みされている。このヤードで法律や条例に違反している行為は何件あるのか。すべての件名と違反行為を明らかにされたい。
【環境局長】
本市が把握している当該ヤードの法律や条例に関する違反件数は14件で、その内容は環境、建築、道路及び消防に関係するものとなっております。
【野本信正議員】
合計14件の違反行為があることが明らかにされた。ヤードは山のように金属が積み上げられ地震などで崩壊する危険がある。この事態を改善させることや、公共道路であるいわゆる赤道を占拠していることがなぜ中止させることができないのか。
【環境局長】
昨年10月より実施しております。環境局、都市局、消防局の3局合同による立入検査において、積み上げられた金属が崩落する危険がある場合、崩落しないよう指導しております。
【野本信正議員】
ヤードの中には屋根付きの建物や夜間に寝泊まりする宿舎もあり、市街化調整区域では許されていない施設が多数存在しているのに、市は何の是正もできないのはなぜなのか。
また、ヤードの中には、基準を超える騒音振動、開発行為違反、無許可の建築物、公道の不法占拠、消防用設備に関する違反等、合計14件の法律違反の行為がある。まるで法律違反のデパート、無法地帯そのものである。一般住民が一つでも違反すれば行為は中止させられるはずだ。スクラップヤード業界から見れば、千葉市は規制が緩いのでなんでもOKだから「千葉へ行け」と言って集まって来るのではないのか。どうか。一つ一つの違法行為は、それぞれの所管で法律に基づいて中止させることができるのに、なぜ出来ないのか。答えられたい。
【建設局長】
赤道の占拠についてですが、ヤードには、市道多部田町34号線となっている赤道があり、その不法占用については、昨年6月から、事業者に対し、繰り返し金属スクラップなどの撤去を求めてきた結果、本年7月下旬に撤去されたことを確認しましたが、現在、再度、金属スクラップなどが置かれている状態になっております。 このため、再度是正指導などを行なうとともに、不法占用が繰り返されないよう監視に努めて参ります。また、ヤードの拡大に伴い近接した行政財産道路でもある赤道があるため、その道路境界を確認した上で、必要に応じた是正指導などを行なって参ります。
【野本信正議員】
このような状況は千葉市内73か所の金属スクラップヤードに共通している。住宅地と至近な距離で環境被害が発生している問題では、若葉区高根町のK商事のヤード建設も、自治会が騒音振動火災などの被害を懸念して、建設中止を求めていることが、住民の当然の要求であることをうらづけている。
市は、住宅地の近くに金属スクラップヤード建設を認めてはならないと認識するか。
【都市局長】
本件については、本年2月に立入調査を行い、都市計画法及び建築基準法に違反している建物の存在が確認できたため、建物所有者に対して是正指導を行い、自主的に是正を行うよう是正計画書の提出を求めましたが、提出されませんでした。このため、8月に是正勧告を行ったところでありますが、現在まで建物所有者において是正措置が講じられていないことから、今後は法的措置も含めた違反是正について検討して参ります。
【野本信正議員】
以上のような環境問題が発生し改善できない理由は何か。千葉市は金属スクラップヤー対策に3局合同で行っているが、残念ながら効果が出ていない。この際、罰則付きで実効力のある条例制定が急務であるがどうか。議会が全会一致で可決した、罰則付きで実効力のある条例の準備状況について、どうか。
【環境局長】
法令等に基づく規制指導に従わない金属スクラップヤード事業者については、各法令等に基づき、引き続き、重点的、かつ、粘り強く指導して参ります。
【野本信正議員】
条例が制定されれば事業者は市が示す基準を守ることになり、騒音・振動・臭気・排水・屋根付き建物の撤去・火災対策・自然環境破壊禁止、などを規制出来るようになるのか。
【環境局長】
金属スクラップは有価物であり、資源の有効利用を促進する観点から、ヤード建設の抑制に対しては慎重な検討が必要ではありますが、ヤード操業時の騒音・振動・悪臭・火災など、様々な問題が発生する可能性があることから、近隣住民の生活環境の保全や不安を払拭するために、一定の規制が必要であると認識しております。
【野本信正議員】
住宅地・住民の環境保全には、住宅地とヤードの間を100メートル開けるとかの距離規定を作ること、ヤードの1km以内の住民に説明会を開き、合意を得ること等が必要であり、長野県飯田市の条例では、住民組織を作り自治会長の承諾を条件にしていることなどを参考にしていくよう求めるがどうか。
【環境局長】
3局合同立入検査を先月末まで市内の金属スクラップヤードに対し、44件実施しており、騒音や違反建築に関しての指導を行なっております。各局が所管する規制法令に基づき指導を一斉に実施することにより、行政に監視されているという意識を与えることにつながり、一定の効果があるものと考えております。しかしながら金属スクラップヤードに対し、直接規制する法令がなく、事業者指導に限界があることや、依然として住民から生活環境に関する強い要望があることから、より一層の規制が必要であると認識しております。このため、事業者に対し、更なる指導を行なうため、罰則の導入を視野に入れ、実効性のある条例案の策定を進めているところです。
【野本信正議員】
ヤード内の汚染水対策で飯田市の条例は、簡易浄化槽の設置と、配水管の敷設も義務付けている。千葉市も取り入れることを提案するがどうか。
【環境局長】
条例の策定にあたっては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で規制する使用済みの冷蔵庫やエアコンなど32品目を対象とした「有害使用済機器」の保管基準や他自治体の基準を参考に、各種法令で規制できない部分を条例化することにより、幅広く規制ができるよう検討しております。また、事業者が基準を遵守するよう、基準違反に対する罰則について、あわせて検討をしているところです。
【野本信正議員】
金属スクラップヤードは主に、山林を伐採して設置されている。地権者が山林伐採を市に届け出る際に使用目的を明確にさせて、スクラップヤードの際は、環境保全について遵守することを求めるようにすべきと思うがどうか。
【環境局長】
住宅の近くにスクラップヤードが設置されることで様々な環境保全上の問題が生じるおそれがあることから、策定を進めている条例案の中で、住宅との距離について規制を設けることや説明会の開催を義務付けることなどを検討しております。
【経済農政局長】
森林法に基づく伐採及び伐採後の造林届出制度については。適正な森林整備が確保されるよう、立木の伐採行為等を把握することが目的となっており、伐採後において森林以外の用途に供される場合には、その旨を記載することとされています。 一方で、開発行為の指導監督が可能となる法令整備については、一部の市町村から林野庁に対し要望が上がっているものの、現時点では指導、規制できる状況には至っていません。なお、本市としては、住宅地周辺の伐採届が提出された場合には、届出者が近隣住民に対し事前に説明会を実施し、環境保全の観点も含めて理解を得るよう指導しているところであります。
【野本信正議員】
法律も条例の規制もない施設が次々と設置され、環境を壊し住民に不安を与えているのに行政は規制することもできない。準備している条例が罰則付きで厳しく指導できるように急いで制定することを強く求める。見通しについて答弁を。
【環境局長】
現在進めている条例案において、公共用水域及び地下水の汚染を防止するために、簡易浄化槽などと同等の効果のある油水分離槽の設置や、床面の材質を不浸透性にするなどの措置を講じること等の義務付けを検討しております。今後、パブリックコメントや検察庁協議などの手続きを経て、できるだけ早期に条例が制定できるよう努めて参ります。
2、市営住宅について
【野本信正議員】
(1)長寿命化・再整備計画の見直しについて
市営住宅の築45年以上になる古い準耐火構造の住宅は千城台地域に合計761戸が残されていて取り壊しが計画されているため、多数の入居者が市側から転居をもとめられている。入居者の平均年齢は高く、足腰の痛い人、障害のある人など、階段を昇ることが出来ない人が大多数であるのに市は、4・5階建ての中層住宅に移転を求めているため転居したくても出来ないでいる。市営住宅の長寿命化計画は平成30年に改定され、改定前に計画していた千城台第3団地の中に216戸のエレベーター付き住宅の建設計画を中止にした。但し、5年の間に見直しをする条件が付帯されている。移転を求められている入居者のうち今日まで何世帯が移転できたのか。
【都市局長】
千葉市営住宅長寿命化・再整備計画を改定した平成30年7月の時点で、千城台地域の移転対象世帯は326世帯ありましたが、本年9月25日時点では、61世帯の方々が移転しております。
【野本信正議員】
326世帯中61世帯しか移転できていないことが分かった。移転できずに残っている準耐火構造の住宅の入居者の現在数と、平均年齢は何歳で、最高齢者は何歳なのか。
【都市局長】
千葉市営住宅長寿命化・再整備計画を改定した平成30年7月の時点で、千城台地域の移転対象世帯は326世帯ありましたが、本年9月25日時点では、61世帯の方々が移転しております。
【野本信正議員】
準耐火構造の住宅で転居を待っている入居者416人のうち、階段を昇れない人は何人ぐらいいるのか。
【都市局長】
千城台地域の準耐火構造住宅には、現在258世帯、416人の方が入居されております。入居者の平均年齢は62.6歳で、最高齢は98歳です。
【野本信正議員】
転居者を中層住宅の1階に入居してもらうというが、1階の空き家は少ない。それに空き家があっても、1階の玄関までに階段が最低でも4段、多い所は7・8段あって、足腰の弱い人は住むことができないことを知っているのか。現地に足を運んで入居者の声や実態を正確に把握すべきだ。階段を昇れない人に、4・5階建の中層住宅への転居を求めるのは人権侵害ではないのか。
【都市局長】
階段を昇れない入居者の正確な人数は把握しておりませんが、移転対象者のうち、65歳以上の高齢者の方が全体の約6割を占めており、階段の上がり下りに不便を感じられている方が相当数いらっしゃると推測しております。
【野本信正議員】
希望があれば、千城台以外のエレベーター付きの住宅へ斡旋していくというが、エレベーター付きの住宅は、数が少なく斡旋できる数は宝くじ並みである。実現できないことをできるような答弁は、転居希望者を愚弄するに等しいので、撤回をして、「ごくまれにしか入居できない」ことを正直に伝えるべきだがどうか。
【都市局長】
千城台地域の中層住宅は全て階段室型で、1階であっても、住棟の入口から1m程度高い位置にあることから、数段の階段を昇る必要があり、足腰の弱った方々にとっては不便であることは承知しており、階段の手すり設置など改善を行なっているところです。なお、階段の上がり下りが不便な方や、難しい方々へは、ご希望を伺いながら中層住宅の1階部分や、千城台地域以外のエレベーター付き住宅等もご案内しており、人権侵害に当たるとは考えておりません。
【野本信正議員】
建築部は、移転は10年間かけて行うというが、10年先では平均年齢は73歳、最高齢者は108歳になってしまう。準耐火構造の住宅から転居する人の人権を守ることと、現在中層住宅の3・4・5階から、バリアフリー住宅へ転居しないと日常生活が困難になる人の受け入れも考慮して、千城台第3団地の中に216戸のエレベーター付き住宅を建設するため、市営住宅長寿命化・再整備計画の見直しを求める。
【都市局長】
エレベーター付き住宅への移転を希望している方々には、これまでも、転居まで時間がかかること等お伝えしてきましたが、引き続き状況を正確に説明して参ります。
【野本信正議員】
千葉市はこれまで、木造・準耐火構造の住宅をバリアフリー住宅に建て替えを行ってきた。松ヶ丘町、宮野木町、若葉区では桜木町、小倉台の建て替えを行ってきたのに、最後の千城台だけは中止するのは差別ではないのか。なぜ、千城台だけ中止し差別するのか。説明を求める。
【都市局長】
長寿命化・再整備計画は、計画の進捗や社会情勢など状況の変化に対応することが必要なことから、概ね5年以内に必要な見直しをすることとしております。
【野本信正議員】
平成30年、第2回定例会で当時の服部都市局長は、「新計画はおおむね5年以内に見直すことにしています。その際には、現地の状況や議会の議論などを踏まえ、検討してまいります。」と答弁している。現地の状況は極めて深刻であり、このままでは多くの入居者は、準耐火構造の住宅から転居できない。服部副市長の議会答弁は、見直しを議会で約束したことである。議会答弁を尊重するのか、しないのか。
【都市局長】
平成30年7月に改定した市営住宅長寿命化・再整備計画では、将来の人口減少社会を踏まえた計画とするため、公営住宅の必要戸数の推計を行い、目標個数を設定し、それぞれの団地の今後の方針等について検討したものです。推計では、本市における公営住宅の「必要戸数」は今後10年間で約1,000戸減る結果となりました。 一方、計画改定時の市営住宅の管理戸数と入居者数には、1,000個以上の差があり、また、1,000戸以上の木造や準耐火構造の住宅が耐用年限を超える状況にありました。これらを踏まえ、計画期間内は、市全体で新たな供給は控え、耐用年限を超える木造や準耐火構造の住宅を順次廃止することとしたもので、千城台地域をはじめ、特定の地域を差別したものではありません。なお、松ヶ丘町団地、宮野木町第1、第2団地、桜木町団地、小倉台団地においては、計画改定前に建替え完了済みか、または既に工事着手していたことから、建替えを行ったところです。
【野本信正議員】
議会での約束を守り長寿命化・再整備計画を見直して、216戸のエレベーター付き住宅の建設を重ねて求めるがどうか。
【都市局長】
今後の計画見直しに際しては、平成30年第2回定例会の答弁にもありますように、現地の状況や議会での議論などを踏まえ、エレベーター付きの住宅の建設も含め、検討して参ります。
【野本信正議員】
(2)市営住宅小倉台団地の跡地について
老朽化で建て替えた小倉台団地の跡地は、一部が小倉台保育所の建て替え用地になったが、残りの土地利用についてどうするのか。
【都市局長】
今後の計画の見直しの中で、現地の状況を踏まえ、エレベーター付きの住宅の建設も含め、検討して参ります。
【野本信正議員】
7,700平方メートル、約2,300坪の跡地は今、雑草が繁茂して、虫や蚊が発生するなど地域環境に悪影響を及ぼしている。速やかに雑草を除去すべきではないのか。
【都市局長】
小倉台団地の跡地は、全体で約7,700平方メートルであり、小倉台保育所の建替え用地約2,000平方メートルを除いた、残りの約5,700平方メートルについては、市有資産の有効活用を図る観点から、全庁的に活用方法を検討したところ、庁内利活用の要望がなかったことから、今年度中の公募による売却を予定しております。現地に、雑草が繁茂していることは確認しており、速やかに雑草除去を実施して参ります。
【野本信正議員】
保育所の建て替え時期の令和5年までの間、雑草被害をなくすため、春には菜の花、秋にはコスモスを咲かせて、「地域のなごみの広場」にすることを提案するが。
【都市局長】
跡地の購入者に対し、草刈など、適切に管理していただくよう伝えて参ります。 また、保育所の建替え工事開始予定の令和4年6月までの間は、ご提案も参考にしながら、適切に管理して参ります。
3、交通渋滞の解消について
【野本信正議員】
市内の主要道路で慢性的な渋滞が発生している箇所はたくさんあり、その改善は急がれているが多額の予算を必要とするためなかなか進まない。
国が公表した、渋滞が多発している箇所は、千葉市管理で32か所あり、「黒砂橋交差点」「磯辺茂呂町線の坂月町交差点付近」「星久喜小下交差点」「穴川インター交差点」「国道357蘇我周辺」「千葉大網線の高田入口交差点」等が示されている。
千葉大網街線の渋滞は深刻な事態であり、先にかばさわ議員が質問したとおり早期改善が望まれている。
千葉大網線のバイパスとなる道路である、塩田町誉田町線と、越智町土気町線の工事が進まずに遅れている原因は、熊谷市長が行った財政健全化により、建設事業債の発行額を抑制し、道路建設などの事業を大幅に遅らせてきたことである。
財政部作成の建設事業債発行額の財政健全化プランによれば、
H13年からH21年までの建設事業債発行額は年間平均369億円に対し、H22年からH30年の間は年間187億円と半分減らされている。
今日は、脱財政危機宣言が解除されて、健全化判断比率は大きく改善されている。
この際建設事業債の発行を増やし、投資的経費額を引き上げて、交通渋滞を解消する事業を促進させることを望み質問をする。
慢性的な交通渋滞を解消し道路交通がスムースに流れることと、渋滞で日時用生活の不便を強いられている地域住民の悩みを解決することは、健全な街づくりを進めることであり、千葉市政の最重要課題の一つではないのか。
【建設局長】
生活、経済、産業を支える主要幹線道路の渋滞対策は、本市の持続的発展に資することから、市政の最重要課題の一つと認識しております。
【野本信正議員】
塩田町誉田町と、越智町土気町線の進捗状況について及び、今年度の予算額と財源内訳について示されたい。
【建設局長】
塩田町誉田町線の誉田町地区は、現在、用地取得を進めており、取得率は約49%となっております。また、今年度の予算額は、本年2月の国の補助予算を併せ、1億9,100万円であり、財源内容は、国の交付金が9,450万円、市債が9,400万円、一般財源が250万円となっております。
次に、越智町土気町線は、現在、事業を休止しておりますが、再開する際には円滑に事業執行ができるよう、議題となっている共有地の処理方法について地元と調整を進めているところです。なお、事業の再開については、その他の路線の整備状況を総合的に検討し、判断することとしております。
【野本信正議員】
全体延長約15.0kmのうち千葉市都市計画区間13.7km、うち未整備約5.3kmについて全面的に工事を完成するためには、国費が100%確保された場合で126億円の事業費が必要になる。しかし今年度予算は約2億円なので126億円に届くのは63年もかかる。すなわち現状の予算配分で行くと、千葉大網線の渋滞を解消するバイパス千葉市分の完成は63年も先になってしまう計算になる。千葉大網線の深刻な渋滞を63年も解消しない計画でいいのか。
【建設局長】
千葉大網線の渋滞は、重要な課題と認識していることから、バイパス機能を担う道路整備について、できる限り予算を確保し、早期完成を目指して参ります。
【野本信正議員】
この工事を短縮して仮に10年で完成するためには、年間13億円余の事業費が必要になるが、国の社会資本整備総合交付金を活用すれば、対象事業に対する国比率は50%であるため国費6億円、市債6億円、一般財源1億円になる。以上の予算を獲得して10か年計画で渋滞解消を提案するが。
【建設局長】
千葉大網線のバイパス機能を担う道路整備については、国の交付金対象事業であることから、できる限り交付金の確保に努め、早期完成を目指して参ります。
【野本信正議員】
財政局に質問するが、建設事業債の上限はいくらで、年間いくらになるか。また、令和元年度の建設局の建設事業費はいくらか。
【財政局長】
第3期千葉市財政健全化プランにおいて、建設事業債発行額の上限を平成30年度から令和3年度までの4年間で1,275億円としており、1年あたりに換算すると319億円となります。また、令和元年度一般会計決算における建設事業債発行額310億円のうち、建設局分は98億円となっております。
【野本信正議員】
令和元年度建設局の建設事業債98億円のうち、千葉大網線のバイパスとなる2路線の市債は、9,000万円しか充当されていない。これでは渋滞解消が63年も先になってしまうので市債を有効活用することを提案する。
【財政局長】
道路整備については、整備効果や市民の皆さまからのご要望等を踏まえ、必要性や緊急性の観点から優先度を定めるなどした上で、計画的に整備を進められるよう、予算を配分しているところですが、特に市民生活の向上や地域経済の活性化の観点から有効な施策については、円滑かつ迅速な推進に努めて参ります。
【野本信正議員】
財政健全化によって、実質公債費比率 は12.9%になっていて、起債許可条件の18%には余裕がある。建設事業債は4年間1,275億円で押さえているが、令和元年度の千葉市民一人当たりの投資的経費額は46,313円、政令市18位であるが、政令市平均60,560円まで引きあげるといくらに増額されるのか。
【財政局長】
市民一人当たりの投資的経費の額を政令市平均まで引き上げ、その差額を全て建設事業債として、財政健全化プランの発行上限額に上乗せした場合は、4年間で556億円増の1,831億円となります。
【野本信正議員】
建設事業債を活用して、投資的経費を政令市平均に引き上げると、現プランの4年間1,275億円が、1,831億円に上がり、差し引き556億円の増額となり、1年間で139億円増える。このように建設事業債の上限を緩和して投資的経費を引き上げて、千葉大網線の工事費に年間6億円の市債を充当することを提案するが。併せて市内渋滞路線の解消を目指すことを提案するが。
【財政局長】
令和元年度の決算では、実質公債費比率が財政健全化プランの目標値である14%を超える12.9%となり、公債費負担の低減は、順調な進捗状況となっておりますが基金からの借入残高が多額であるなど、財政課題を抱える中で、将来的な公債費負担や各種財政指標への影響を踏まえますと、引き続き、適正規模の市債発行に努める必要があるものと認識しております。このような状況下ではありますが、道路整備事業など市民の日常生活に密着した施策については、必要な予算を確保するとともに、特に市民の向上や地域経済の活性化の観点から有効な施策については、財源のさらなる効率的な配分に努めて参ります。
【野本信正議員】
市債の発行額を政令市平均まで引き上げれば、年間139億円活用できる。以上の提案を私が、予算審査特別委員会総務分科会で質問したところ財政当局は、「大網街道の渋滞は承知しているが、所管である建設局において、課題意識をもって予算要求が出てきているので、優先順位を振りながら財政配分をしている」と答弁している。すなわち建設局からは野本議員の提案する要求は出ていない。現状の年間9,000万円の予算要求には財政配分していると答えている。
建設局は渋滞解消を63年も先に延ばす計画をやめて、私の提案した10年計画で改善するため必要な予算要求をするよう重ねて求めるが。
【建設局長】
一般的に、道路整備などの公共事業においては、目標年次を定め、計画的に推進するものと認識しており、ご提案は参考にいたしますが、千葉大網線のバイパスは整備延長が長く、用地取得対象者も多いため、その取得にあたっては、地権者個々の生活設計に十分配慮しながら、慎重に交渉を進める必要があります。このことから、用地取得交渉段階において、具体的な改善期間をお示しすることはできませんが、本バイパスの整備は、緑区における最も重要な課題の一つと認識しているため事業効果を早期に発現できるよう、できる限り必要な予算を確保して参ります。
【野本信正議員】
財政局は、建設局から予算要求された場合は予算配分することを求める。渋滞道路路線の改善が大幅に遅れた原因は、財政健全化プランによって建設事業債に上限が設けられ必要な財政措置をしてこなかったことである。しかし今、財政は改善されて実質公債費比率は12.9%であり、この数値の中には千葉市の改善策だけでなく、県費教職員の移譲に伴ういわゆるタナボタ的な2.3%の改善が含まれている。
財政局は市債の有効活用を図り、交通渋滞で社会活動に多大な損失を生じている千葉大網線のバイパスとなる道路整備の促進に、思い切った予算配分をするよう提案するが。併せて市内渋滞解消に予算配分することを求めるが。
【財政局長】
人口減少や少子・超高齢社会の到来、公共施設の老朽化対策といった従来からの課題に加えて、今般の新型コロナウィルス感染症の影響により、厳しい財政状況が見込まれる中、持続可能な財政運営を行っていくため、財政健全化プランで掲げる建設事業債の発行上限額は維持する必要があるものと考えております。一方、交通渋滞は、その時間的損失によって、市民生活や産業活動の向上の妨げとなっているほか、交通事故の増加、環境の悪化など多くの弊害をもたらすものであり、解消に向けての市民ニーズも非常に高いものと認識しております。このため、道路整備など市民の日常生活に密着した施策については、必要な予算を確保するとともに、特に市民生活の向上や地域経済の活性化の観点から有効な施策については、財源の更なる効率的な配分に努めて参ります。
【野本信正議員】
共産党市議団がいわゆる大型開発の見直しを行って、市民生活福祉に回せと質問すると熊谷市長は「都市の活力、魅力の向上を生み出し、本市の持続的発展する事業については着実に推進していくことが必要」と答弁している。交通渋滞を解消し車両の流れを改善することは、産業経済の発展に寄与し、通勤者などの利便を向上させて、交通渋滞地域住民の日常生活の不便と悩みを改善し、「都市の活力、魅力の向上を生み出し、千葉市の持続的発展を着実に推進していくこと」になると思うがどうか。
【建設局長】
渋滞対策として、交通の分散化を図る主要幹線道路の整備は、本市の持続的発展を支える最も重要な事業の一つであることから、事業効果を早期に発現するため、できる限り必要な予算の確保に努め、着実に推進して参ります。