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日本共産党東京都議会議員団

医療機関の入院患者の人権の尊重を―中村きみえ市議が一般質問〔2020年第3回定例会〕

一般質問を行なう中村きみえ市議

1.終末期について

【中村きみえ議員】

千葉市でも身寄りがない、疎遠となる中で引き取り手のない無縁遺骨が増えています。この間、終末期の方や亡くなった方の住まいの整理、大家さんからの相談などがあり、終末期に本人の気持ちに寄り添い、安心して人生の最期を迎える取り組みが不可欠だと痛感しています。千葉市では、あんしんケアセンターへの相談やイオンのエンディングサポート事業があります。相続や贈与、身元保証、遺言、葬式、墓じまい、片付けなど相談のメニューはたくさんあり、講演なども行われてきました。しかし、この事業はパンフレットによると80万円の費用がかかるなど一定の資産がなければ相談もできないかと思われます。この間、党市議団もエンディングのあり方検討委員会を提案し、横須賀市の先進事例を参考にするよう求めてきました。横須賀市では、ひとり暮らしで身寄りがなく生活にゆとりがないご高齢等の市民の方の葬儀・納骨・リビングウィルという課題の解決を図り、生き生きとした人生を送っていただくことを目指した事業を実施しています。対象は、原則として、ひとり暮らしで頼れる身寄りがなく、月収18万円以下・預貯金等が225万円以下程度で、固定資産評価額500万円以下の不動産しか有しない高齢者等の市民の方。また生活保護の方も対象となっています。そこで伺います。

千葉市で、所得が低く困っている方を対象に横須賀市のような制度の実施を求めますが、お答えください。以下、一問一答を質問席で行います。

【保健福祉局長】

 本市では、葬儀、納骨をはじめとした終末期の心配事に備えることで将来の不安を軽減し、最後まで尊厳を持って生活が送れるよう必要な情報提供を行うとともに、市社会福祉協議会、あんしんケアセンター、葬儀会社、金融機関、NPO法人等関係団体・企業と、終活の支援について情報共有及び意見交換を行っており、この中で、低所得高齢者への終活支援についても、協議を行っております。今後も、高齢者への終活支援に関するアンケート調査を行い、課題の整理を行うとともに、横須賀市の制度を含めた先進事例の研究を進め、低所得者も含めた終末期支援策について検討して参ります。

【中村きみえ議員】

千葉市では引き取り手のない無縁遺骨は何人となっていますか。その際の課題をどう認識していますか。

【保健福祉局長】

 引き取り手のない無縁遺骨については、桜木霊園などに遺骨の保管依頼を行っており、昨年度は、生活保護を受けていた方など、全体で257体となっております。 また、遺骨の保管場所の確保が課題となっており、現状は、保管依頼先の納骨堂で個別保管を5年間行い、その後、桜木霊園の合葬墓へ合祀することで対応しております。今後、無縁遺骨の増加が見込まれていることから、保管場所の確保に向けた検討が必要と考えております。

【中村きみえ議員】

リビングウィルについても、人権を最大限尊重した上で、その意向に沿った形で対応することが求められますがどうですか。

【保健福祉局長】

 高齢者が、自分らしい暮らしを、人生の最後まで続けることができるようにするためには、人生の最終段階における医療・ケアについて、十分な知識を持った上で家族や医療関係者と共に、本人の意思が共有されることが重要であると考えます。本市では、現在、エンディングサポート事業の中で、リビングウィルも含め、人生の最終段階における様々な選択肢を得ることができるよう周知・啓発を行っておりその一環として、本人の延命治療の意思表示もできる「エンディングノート」を市民講演会などで配布しております。今後、高齢化の進展や一人暮らし高齢者の増加が見込まれ、終活支援の必要性は、ますます高まると考えられることから、本人の意向に沿った選択ができるよう、支援を充実させて参ります。

【中村きみえ議員】

生活保護法の下、生きている間は適用されても、死後は、対象外として、亡くなった後への負担軽減はありません。電化製品などは家電リサイクル法の下で引き取れないということでしたが、公的な支援をするよう求めます。お答えください。

【環境局長】

 家電リサイクル法に基づき、定められたルートで処理を行っていただく必要があることから、本市で引き取ることは難しいものと考えております。

【中村きみえ議員】

ごみ袋の支給がされず、なくなった後、燃えるゴミ、燃えないゴミを大量に自腹で支払うケースがありました。清掃工場への搬入など困ったときに寄り添う対応を求めますがいかがですか。

【環境局長】

 清掃工場への搬入手数料の減免等については、火災や自然災害等の場合に限られており、今回のケースで減免することは難しいものと考えております。

【中村きみえ議員】

身寄りのない方の死後の自宅の片付け処分は、保証人や大家さんに負担が重くなる場合もあり、公的な制度で対処するよう求めます。お答えください。

【保健福祉局長】

 処分費用については、相続人がいない場合、連帯保証人や保証会社、そのほか不動産管理会社や大家が負担している状況となっております。今後、身寄りのない生活困窮者がなくなった際の対応について、他都市の実施状況を確認するなど、調査研究して参ります。

【中村きみえ議員】

千葉市では後見人がいない場合、行政が身寄りのない方にも片付けなどしたケー

スもあると伺いました。今回質問に至った背景には、ホスピス病棟に入るガン末期患者さんが保険証を持つために家賃を払いながら入院する方、保証人と連絡取れず大家が自腹で片付けの処分代を支払う方、生活保護受給者が連帯保証人として片付け処分の費用請求された方、弟は希望する墓に入れても本人に身寄りがないため無縁仏に入らざるを得ない方などと接し、終末期に向けての対策を案じていたからです。

横須賀市で2015年7月にエンディングサポート事業を行い、2018年5月から終活登録事業が行われています。スクリーン①にあるように、これは、生前に本人の希望を聞き、緊急連絡先、リビングウィルやエンディングノートの保管場所、お墓の所在地など登録できます。スクリーン② 倒れて、入院したり、徘徊して保護された時、市役所に問い合わせがあれば、回答できます。個人情報漏えい防止にあえて紙ベースで行っているようです。認知症など配偶者に託せない状況もあります。こうした事業についても、安心して最期を迎えられるように行政としての公的支援が求められており、調査研究するよう求めます。

2.人権侵害について

【中村きみえ議員】

憲法13条では個人の尊重として「すべて国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と掲げられています。個人を尊重する社会になることが必要ですが、生きづらい社会を改善させていくことが必要です。

 家族は、本来、居心地の良い場所になるかと思われますが、幼少期に家族からの虐待を受け、その後、PTSDなど心的外傷を抱え、精神疾患で苦しむ人たちが多くいらっしゃいます。夫が自殺し、精神的に疲れ、言葉を発することができなくなり、親族に精神科に連れていかれ、医療保護入院し、保護室に監禁され、24時間点滴を受け、手足を拘束され、入院中に家族に多額の財産を奪われ、裁判で争っている方がいます。「家族」というだけで、個人の尊重、人権がないがしろにされ、精神的にも身体的にも、経済的にも苦痛を強いる事態は許されるものではありません。経済的な虐待も民事不介入で親族間相盗例という家父長制時代の法律で、加害者が守られており、法改正が望まれています。今回は、医療保護入院のあり方について質問したいと思います。医療保護入院は精神科医と家族だけで決められてしまい、家族からの訴えをうのみにせず、患者への医学的根拠に基づく診断が求められていると思います。

千葉市内では、医療保護入院はどのくらいあり、問題は起こっていないかどうか伺います。

【保健福祉局長】

 過去3年間で、市内の精神科病院に医療保護入院した延べ人数は平成29年度が、 1,257人、30年度が1,162人、令和元年度が1,147人でした。また、「千葉市精神医療審査会」の審査結果に基づき、精神科病院の管理者に対して、退院命令あるいは処遇改善命令を平成29年度に2件、30年度に3件、令和元年度が1件行なっており、入院患者の人権を擁護するとともに、鄭勢な医療及び保護の確保に努めております。

【中村きみえ議員】

精神科では犯罪者にある「告知聴聞」の機会すら与えられていません。外部との連絡も取ることができずに、財産を奪われる事態となり対処ができなくなっています。精神科を受診した方の人権をきちんと尊重した上での入院生活を保障する取り組みが求められていますが、千葉市での対応を伺います。

【保健福祉局長】

千葉市精神医療審査会においては、適正な医療及び保護を確保するため、患者本人の意思によらない入院や行動制限を行わなければならない場合があるという精神科医療の特殊性を踏まえつつ、総合的な観点から入院継続の適否等の審査を行っております。また、本市の精神科病院に対する指導監督については、各施設への立ち入り検査を年1回行うとともに、措置入院者に対しては、入院後概ね3か月を経過したときに、精神保健指導医による診察を行い、措置入院継続の必要性の確認を行っております。今後も、これらの業務を通じて、精神科病院において、患者個人としての尊厳を尊重し、その人権に配慮しつつ、適切な精神科医療が提供されるよう努めて参ります。

【中村きみえ議員】

2012年、障害者への虐待防止と早期発見・早期対応のため障害者虐待防止法が施行され、虐待を受けたと思われる障害者を発見したものの通報義務と通報を受けた地方自治体等の適切な権限行使をすべき責務が規定されています。本人は、拘束されており通報する権利すら取り上げられる事態となっていました。精神科病院を含む医療機関が通報義務等の適応対象から除外され、自主的防止措置に留められています。日弁連も障害者の権利に関する条約の批准に際しての会長声明や障害者権利条約の完全実施を求める宣言において、医療機関における虐待も通報義務等の適用対象とするよう求めていますが、まだ改善されておりません。国に対しても改善を求めていくべきではないか見解を求めます。

【保健福祉局長】

平成24年10月に施行された障害者虐待防止法の附則では、施行五3年後の見直しが規定されていますが、施行から8年が経過する中、まだ、国において見直しに係る議論はなされていないところです。そのような中、本市として、通報義務の対象のあり方や強化すべき権限など、社会情勢の変化に伴い、必要となる見直しについて、大都市会議等において、意見交換をして参ります。また、精神科病院に対しては、引き続き、精神保健福祉法の規定に基づく指導監督を徹底することにより、入院中の患者の人権擁護を確保し、その適正な医療及び保護の実現に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

今回求めたケースが特殊なのではなく人権侵害されることがないよう常に医療機関、公的機関での対応が問われており、国と連携し人権尊重される社会を求めます。

3.花見川区のまちづくりについて

【中村きみえ議員】

(1)幕張国道14号の歩道橋撤去後の対応についてです。

 この問題では、2018年12月、2019年12月議会でも取り上げてきました。スクリーン③をご覧のように歩道橋が老朽化し撤去され、柱だけ残っています。先日、歩道橋が撤去され、視覚障害者の方が、歩道橋が無くなったことに気づかずに、道路を渡ろうとしている現場に直面し、とっさに事なきを得たけれども、歩道橋をなくすなら、すぐに横断歩道を設置すべきだと市民から苦情が寄せられました。

 歩道橋は撤去し、横断歩道の整備を求めていくべきですが、市の見解を求めます。

【建設局長】

 管理者である国土交通省千葉国道事務所及び千葉県警察によりますと、横断歩道は交通渋滞の懸念や安全性の観点から現状において設置は困難とのことです。しかしながら、当該交差点の歩行者の利用実態や地元の皆様のご意見を踏まえると、平面横断ができる横断歩道の設置が望ましいと考えております。このことから、国土交通省千葉国道事務所に対し、横断距離を短くする交差点のコンパクト化など、交差点改良による横断歩道の設置について検討するよう求めて参ります。

【中村きみえ議員】

国はいまだ、柱をそのままにしていますが、バリアフリー化されたまちづくりに横断歩道の設置は欠かせません。引き続き国にも求めていきます。

(2)幕張地域での救急での受け入れ体制について

スクリーン④をご覧のように幕張地域では、美浜長作町線、幕張町弁天町線と南北、東西に道路が走っていることで街が分断しています。その上、花立踏切も閉じて、車の走行は一方通行が多く、複雑になっています。救急車の到着と病院への到着時間が遅くなったことで、植物状態になった方があったように聞いています。道路整備の在り方、救急車が到着できるよう対策を求めますが、お答えください。

【建設局長】

 道路整備のあり方についてですが、当該地域は、車両のすれ違いが困難な狭隘道路が多く、緊急車両の通行など、防災機能の強化に課題があると認識しております このことから、円滑な道路交通を確保し、防災機能の強化を図る幹線道路として、幕張本郷松波線を早期に整備するため、街路事業で実施することとし、現在、都市計画法の事業認可の取得に向け、手続きを進めているところです。一方で、狭隘な生活道路については、全ての道路を一律に整備していくことは困難なため、隅切りの設置などについて「狭あい道路拡幅整備事業」の活用促進を図り、市民生活の安全・安心の向上に努めて参ります。

【消防局長】

 救急車が到着できるようにするため、主に次の2点の対策を講じております。1点目として、出動する救急隊は、ちば消防共同し令センターのコンピューターが救急現場までの道のりを計算して、最短で到着できる部隊を選定しております。2点目として、道路情勢については、消防署員が定期的に管内の調査を行い、車両が通行する上での支障箇所を把握しております。なお、最短で到着できる救急隊が出動中で消防隊の方が早く到着できる場合は、消防隊も出動することがあります。これにより、救急隊が到着するまでの間、消防隊がAEDを用いた心肺蘇生法や体位管理などの応急処置を行うことで、救命率の向上を図っております。

【中村きみえ議員】

幕張特に北側美浜長作町線より東京方面にはほとんど公園もありません。土地の所有者が宅地を進めて住宅は増えるけれども道路も狭く公園もないままであり、計画的なまちづくりを今一度検討するよう求めます。

(3)駅の点字ブロックも含めた政策について

 2019年9月議会で、新検見川駅の南口に点字ブロックがあり、その上をバス待ちの通勤者・通学者が踏んでいる状況があることを示し、改善を求めてきました。市は、点字ブロックの上に乗らないよう、地面に注意喚起のペイントを4カ所ほどしていました。スクリーン⑤のように、現状は変わっていません。この問題を市に伝え、バス事業者から注意喚起しているようですが、一向に改善されません。

議会で取り上げたように、混む路線については、一番前のバス停に変更し、点字ブロックの上に並ばないような取り組みを求めますが見解を伺います。

【都市局長】

 現在、JR新検見川駅前広場には5つのバス停がありますが、南口の階段から最も遠い1番乗り場についても、改善を求められた乗り場と同じく、便数や利用者が多いことから、バス停位置の変更は難しいものと考えております。なお、視覚障害者団体の方とバス停位置の変更について意見交換をした際、視覚障害者が利用する場合には、「慣れ親しんだバス停の位置が変わったことに気付かずに利用してしまう等の混乱をきたす恐れがある」とのご意見も伺っているところです。このことから、本市としては、バス待ちの利用者に対して、視覚障害者誘導用ブロックを避けて並んでいただくための呼びかけや、バス停への標示等の対策を実施してきたところです。今後も、駅前広場を利用する方々へのルール周知等により、誰もが駅前広場を円滑に利用することができるよう引き続き努めて参ります。

【中村きみえ議員】

スクリーンをご覧ください。幕張本郷駅の鉄砲塚跨線橋の駅までの通路までは

点字ブロックがあるもののグレーであり、橋の⑦歩道海側、⑧山側など周辺には点字ブロックがありません。また、スクリーン⑨、⑩新検見川駅北口、⑪幕張駅北口周辺にはそもそも歩道がなく、歩行者への安全対策がされていません。点字ブロックは、いつまでたっても設置されないままなのか、また歩道のない道路での安全対策について、見解を伺います。

【建設局長】

 鉄砲塚跨線橋周辺の視覚障害者誘導用ブロックについては、現在、バリアフリー経路に位置づけられていないため設置しておりませんが、幕張本郷駅に接続することや視覚障害者の利用実態を踏まえ、今後、設置について検討して参ります。また新検見川駅北口及び幕張駅北口周辺の歩道のない道路の安全対策については、現場を調査した上で、路肩のカラー化などを検討して参ります。

【中村きみえ議員】

カラー舗装化も少し早く立ちますが、そもそも視覚障害者への思いやりを持って対応できる社会を皆で構築していかれればと願うものです。

(4)幕張本郷松波線について

 幕張弁天町線から延長される幕張本郷松波線は、7月から8月にかけて10回住民向けの説明会を開催し、様々な質問が寄せられています。移転対象者からは、以前は区画整理を行うと言っていたが道路整備の計画が浮上し、立ち退きが迫られていても、家にかかる分の補償のみでとても新たに転居する費用は工面できず、不安だとの声も寄せられています。

15年間かけて整備をするようですが、スクリーン⑫幕張本郷を起点に⑬幕張まで整備をしていくのか、今まで道路整備で計画通りに進捗していたことがあるのか、お聞かせください。

【建設局長】

 事業化にあたり、早期の買い取りの希望など地権者の皆様のニーズに対応するため、事業区間全体を対象に用地取得を行っていきたいと考えております。また、用地取得を伴う道路整備については、地権者の皆様の生活設計に十分配慮しながら進める必要があることから、当初の計画より遅れる傾向にあります。しかしながら、道路整備は、市民生活の安全・安心の向上に大きく寄与する重要な事業であることから、事業効果を早期に発現できるよう取り組んで参ります。

【中村きみえ議員】

移転対象者へのその後の住宅については、より丁寧な対応が求められていますがどうですか。

【建設局長】

 移転後の生活に不安がないよう、地権者の皆様からのご要望に対し、合意形成を図りながら、できる限り丁寧な対応に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

例えば、区画整理事業地内の権利者の移転先として確保してある仮設住宅などを提供し、当座の生活をしていく支援を検討できないですか。

【都市局長】

 仮設住宅は、区画整理事業に協力していただいた持ち家にお住まいの方が、建物移転のため一時的に居住の場を失った場合、住居を公共補償における仮住居補償の一環として貸し出すための施設であり、他事業に貸し出すことは原則として難しいと考えております。しかし、区画整理事業の進捗状況等によっては、当該仮設住宅が利用されていない期間もあることから、街路事業の補償における仮住居として、仮設住宅を利用したい旨の声が上がりましたら、本来の目的である区画整理事業の移転対象者の使用を妨げないことなどを前提に、仮設住宅の利用が幕張本郷松波線の事業推進に役立つかどうかも含め、検討して参ります。

【中村きみえ議員】

幕張本郷松波線と東幕張土地区画整理事務所とは隣接しており、スクリーン⑭のように現状は仮設住宅3棟12戸空いたままとなっています。道路整備は、区画整理事業とは整備手法が違いますが、あらゆる可能性を考慮し、都市局、建設局とも連携しながら有効活用するよう求めておきます。

4、市立病院について

【中村きみえ議員】

 私どもあたらしい千葉みんなの会では、病院問題について取り組み続け、千葉市病院事業あり方検討委員会の傍聴、6月2日市立青葉病院の産婦人科・小児科の入院病床の存続を求める署名提出を458筆提出し、6月23日に千葉市立病院の再整備基本構想(案)の市民に向けた説明の場を求める請願を審議しました。千葉市立病院再整備基本構想案が示され、パブリックコメントの呼びかけの宣伝も千葉駅、鎌取駅、都賀駅で行い、7月17日、厚労省に病院問題で統廃合撤回を求めてきました。

8月22日には「千葉市立病院の未来を学ぼう!千葉市立病院基本構想ってなあに」と題して、学習会も開催し、市民の病院への期待の声なども寄せていただきました。

2020年6月15日から7月15日に実施された「千葉市立病院再整備基本構想(案)に対する意見」は、8月27日に基本構想の公表と同時に結果が示されました。

提出者220人、意見総数379件と非常に多くの意見が寄せられ、市民の関心の高さのあらわれです。「パブリックコメントを出したかったけど文章にするのが難しい」、「だそうと思ったら終わっていた」などという意見もあり、市立病院に対する市民の関心の高さは、総数を超えていると思われます。

379件の意見で多かったのは、「感染症対策の充実」(51件)であり、市民は望んでいますが基本構想に、新興感染症として位置づけ充実するのですか。

【病院局次長】

 千葉市立病院再整備基本構想では、病院事業の基本方針として、感染症医療も含む政策的医療について、その機能を維持、発展させつつ、引き続きその機能を担うものと位置づけ、また、新病院整備の基本方針として、新興感染症拡大時においても適切に対応できるよう必要な施設・設備を整備することを位置づけております。

【中村きみえ議員】

ほぼ同数の意見は「青葉病院の40床削減見直し、充実を」(51件)です。千葉市内の病院の立地状況からも、緑区には千葉県こども病院しか表記されておらず、緑区、若葉区の現状から青葉病院の必要性を市民が切望しています。周産期・小児医療には、周産期を担う産科医の不足と産科医の確保が困難とされていますが、県と協力した産科医の確保や産科医の育成に未来の千葉市のために必要ですが、どういう対策を行っているのか、また、今後新病院でも産科医は必要不可欠ですが対策や計画について伺います。

【病院局次長】

 産科医は全国的に不足しており、確保が難しい状況にありますが、千葉大学医学部への働きかけや、院長をはじめ、医師のネットワークの活用などにより、人員の確保に努めております。また、臨床研修プログラムの充実により、若い医師の育成にも取り組んでおります。新病院に係る職員配置は今後検討して参りますが、必要な人員の確保や計画的な育成に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

青葉病院の40床程度を新病院に移行すれば、スタッフの定数も減ることになります。現在新型コロナウイルスに奮闘している青葉病院の病床数削減は、病院の規模縮小になり、緑区、若葉区の市民の命を守ることに影響がないという判断で移行を考えているのですか。また、病床数を減らすことの市民へのデメリットをどう把握されていますか。

【病院局次長】

 青葉病院が所在する市内中心部には、中央区、若葉区、緑区を中心としつつも、市内全域から多くの患者を受け入れている急性期病院が集中しており、他の医療機関との役割分担を図っていくことが必要となります。一方、美浜区や花見川区などの市西部には、現在の海浜病院以外に多くの患者を受け入れている急性期病院が無い状況であり、救急医療体制の強化などを図り、市民の医療需要に対応していくことが必要となります。このような状況を踏まえ、将来にわたって安定的に市民に必要な医療を提供するため、青葉病院から新病院に病床の一部を移行するものです。

【中村きみえ議員】

42件の意見があった「現行の経営形態での経営」についてです。想定される経営形態の比較では、現行の地方公営企業法、地方独立行政法人、指定管理者制度の3つのメリット・デメリットが記載されています。経営の健全化を図りつつ、とありますが、2011年度からの現行の経営形態で主に赤字が問題点になっていますが、赤字の理由は経営形態が主な理由か、政策医療を行っていることで発生するのではないですか。

【病院局次長】

平成23年度に地方公営企業法全部適用に移行したことで、市長から病院事業管理者に人事や予算に関する権限が付与され、医師や看護師、医療技術職などの柔軟な採用活動や設備投資を行い、医業収益の拡大と医療の質の向上を図って参りました しかし、医療スタッフの充実などにより、医療の質の向上が図れたものの、人的投資・設備投資に応じた医業収益を確保することができず、多額の累積欠損金を抱えることになったものと認識しております。なお、救急や小児・周産期、精神、感染症など、採算をとることが困難な政策的医療の提供については、その経費に対し、一般会計から費用負担が行われているところであります。

【中村きみえ議員】

公立病院の役割を十分発揮するには現行の経営形態が最も適していると、市民のパブリックコメントで示されています。経営形態の変更は、市民の命と健康を脅かすことにならないかお答えください。

【病院局次長】

他の自治体では、それぞれの実情に応じて、地方独立行政法人や指定管理者により公立病院を運営している事例がありますが、いずれも政策的医療も含め、市民に必要な医療を提供しているものと認識しております。

【中村きみえ議員】

独立行政法人化した医療機関では、職員の人件費が下がり、職員が継続して雇用できなくなる実態があり、医療を同じ水準で保つことも厳しくなっていることや差額ベッドの導入や自費の費用が値上げとなるなど様々な住民負担が増えているとの報告もあります。政策医療を担うためにも議会で情報公開がされる現在の制度を堅持すべきですが見解を求めます。

【病院局次長】

新病院の早期開院が最優先であることを考慮し、現行の経営形態を当面継続することとしておりますが、経営の健全化を図りつつ市立病院の役割を果たすために、最も有効な経営形態については、今後も継続的に検討して行くことも必要と認識しております。

【中村きみえ議員】

パブリックコメントがかつてなく集まったのは、市民に市立病院への期待と、市民への説明が行き届いていないという現状もあります。379件の中で最も多かった「新病院への交通アクセス」の意見は、立地条件もあり不安材料でした。新型コロナウイルスの感染対策、災害対策、市立病院の今後が市民にもわかるように説明の工夫をし、ホームページを見られない方への広報も万全にして、市民の心のよりどころとなる市民病院を市民とともに作ることを求めます。見解を求めます。

【病院局次長】

基本計画、基本設計などの各段階の進捗に応じ、その状況について、ホームページや院内の広報などを通じて、広報に努めるとともに、これまで実施した医療機関アンケートや市民アンケート、パブリックコメントの結果に加え、各市立病院で定期的に行っているアンケートなどを参考にしながら、市民の期待に応える市立病院を目指して参ります。

【中村きみえ議員】

診療科目についてですが、心臓血管外科、脳外科など高度な医療を行う際には、極めて慎重に、医療スタッフも含めて万全の態勢で臨むことが求められていますが、市の対応を伺います。

【病院局次長答弁】

高度な医療を提供するにあたっては、医療安全や感染管理体制に留意し、医師、看護師のほか、医療スタッフ全体のチーム力や習熟度を上げるための修練を行うとともに、労務環境の整備に取り組んでおります。また、高度な医療に限らず、すべての診療において人材確保・育成の強化を図り、患者目線に立った医療を提供して参ります。

【中村きみえ議員】

新病院整備基本計画策定支援及び基本設計のプロポーザル結果で新病院技術提案書の中身を見ますと、ロボット手術の導入、事業費縮減に向けた民間活用、駐車場有料化、看護師人件費は段階的に追加採用などとかなり前のめりで、公的病院で政策医療を担う立場で進めているのか懸念する提案ですが、市はどう考えていますか。

【病院局次長】

基本計画策定支援及び基本設計業務の受託者は、技術提案書の内容そのものを評価して選定するものではなく、担当する技術者の提案力・技術力を評価して選定したものです。このため、受託者の提案を必ず採用するものではありませんが、将来にわたって安定的医療を提案できるよう経営的な視点も含めて多面的に検討する必要があるものと認識しております。

【中村きみえ議員】

新たな病院の計画については市民が利用する病院であり、市民の声をきちんと受け止めて公立病院としての役割を果たしていくよう求めて終わり

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