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日本共産党東京都議会議員団

認知症予防の推進と認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを!かばさわ洋平市議(緑区)が認知症施策推進条例を提案!〔2020年第4回定例会〕

条例提案を行うかばさわ洋平市議(2020年11月26日・本会議場)

日本共産党千葉市議団のかばさわ洋平です。発議第19号「千葉市認知症施策推進条例」の制定について、提案理由の説明を行います。

この条例提案は、認知症の予防策の一層の推進を図るとともに、認知症になっても認知症とともに生きる人の権利が尊重され、本人含む全ての市民が住み慣れた地域で希望をもって安心して暮らし続けることのできるまちの実現を目指し、市、市民、事業者及び関係機関が一体となって認知症に関する施策を推進するため、条例を制定するものです。

 急速な高齢化の進展により、令和7年には我が国の65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれています。また、認知症には65歳未満で発症する若年性認知症もあり、今や誰もがなり得る病気でもあります。新型コロナウイルスの感染拡大により、通院やリハビリが困難となり、他人との会話等のコミュニケーションの減少は著しく、こうした社会情勢のもとで認知症の支援を必要とする市民は急増していくものと考えられます。

 本市としても認知症施策に関しては認知症サポーター養成や認知症カフェ、さらには認知症初期集中支援チームの取り組みなど、市民や事業者と共同で取り組む施策を展開してきたことは評価するものの、「どこに相談していいかわからない」、「恥ずかしさや近所の目を気にして認知症であることを認めたくなく家族への負担が重い」、「コロナ禍でリハビリに行けず孤立して症状が悪化している」などの声が市民からあがっており、支援の手が届いていません。さらに社会全体で認知症の方をサポートしていく機運は十分とは言えず、改善が急務と考えます。

 こうしたなか、全国の自治体では独自の認知症条例を制定し施策を推進しています。神戸市では、平成30年に「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定して、認知症の無料診断、認知症の人が起こした事故の被害者への見舞金制度の創設など次々と施策を展開しています。

 世田谷区では、認知症当事者も加わり、令和2年に「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」を制定しました。認知症になっても希望を持って生活できることを示し、自分が認知症になったらどう生活したいか意思表示しやすくすることが大切として、条例をもとに、認知症になった場合はどこでどのような生活をしたいか希望を記す「私の希望ファイル」の製作に取り組むとしています。

 以上、先進市の事例を参考にしつつ、本市として取り組むべき施策については、1つに認知症の人が起こした事故に対する保険制度を創設すること、2つに認知症の人の権利や財産を守れるよう成年後見制度における相談体制を拡充すること、3つに地域で認知症の人を見守る体制をつくること、4つに認知症発症後の生活に関する希望を記す取り組みを進めること、5つに認知症の危険因子となり得る難聴を患う方が使う補聴器の購入を支援すること、6つに若年性認知症における無料診断・相談体制を強化することなど、実効性ある取り組みを、条例とともに迅速に施策化すべきであります。

 認知症と共生するまちづくりに最も必要な事は、個別具体的な施策展開はもちろん、市民意識、社会全体の意識の向上に他なりません。本市は、認知症施策推進条例をつくらずこれまで12の要綱整備により認知症施策推進を図っておりますが、今後認知症対策強化する上で要綱のみの整備だけでなく基本理念、責務、役割を明確化して共有することで一層の施策推進が必要と考えます。

 条例制定により、市、市民、事業者及び関係機関が一体となって取り組み、認知症となっても生きる希望を持って住み続けられる千葉市をつくるために、同僚議員の皆さまのご賛同を心より求めまして、提案理由の説明を終わります。

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