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日本共産党東京都議会議員団

生活保護の扶養照会やめよ!ひとり親への支援強化を! 中村きみえ議員 一般質問〔2021年第1回定例会〕

中村きみえ議員の一般質問と答弁             2021.3.1

日本共産党千葉市議団の中村きみえです。JOCの森喜朗前会長が女性蔑視発言を行い国内外でも大きな批判を浴び、女性として許せない思いでいました。国会では、女性議員が白いスーツを着て、男性は白いハンカチなど添えて抗議していました。遅ればせながら本日は、その行動に連帯し、だれもが尊重できる社会を願い通告に従い一般質問を行います。

1.生活保護について

【中村きみえ議員】

 コロナ禍の影響で、失業者・生活困窮者が増え続ける中、最後のセーフティーネットの生活保護が今こそ問われています。2004年から2020年までの生活扶助費は、4人家族で24,040円、母子世帯で22,230円、高齢単身世帯では22,950円と高齢者は、約4分の1まで減額されました。そのうえ、千葉市では下水道使用料も生活保護世帯から徴収し、生活費を圧迫し厳しいと苦情が寄せられています。

2013年8月から開始した生活保護費引き下げは、生存権を保障した憲法25条に違反するとして大阪府内の生活保護利用者42人が、国と府内12市に「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」いわゆる「いのちのとりで裁判」生活保護費の減額処分は違法であるとして処分を取り消す歴史的な判決が下されました。全国29都道府県で1,000人近い原告が戦っています。昨年6月の名古屋地裁の「物価偽装」という違法で不当な判決を克服した勝利判決でした。国は判決に従い、引き下げ前の生活保護基準に戻すよう決断すべきです。

生活保護法第一条では、「この法律は日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とうたわれ、法定受託事務ですが、地方自治体の裁量でサービス、保障内容が異なると言われています。自治体として市民の生存権をきちんと行使できるよう願って質問します。

この20年間での保護率の推移と人数、コロナの影響での相談し、申請した割合の申請率はいくらか、生活困窮を感じた人が社会援護課に相談した割合である相談率をお示しください。

【保健福祉局長答弁】

 この20年間における保護率及び人数の推移について、5年刻みの4月時点でお答えします。保護率は、平成13年が6.95パーミル、18年が12.51パーミル、23年が17.39パーミル、28年が20.85パーミル、 令和2年が21.3パーミル、本年1月では21.6パーミルとなっております。人数は、平成13年が6,189人、18年が1万1,597人、23年が1万6,745人、28年が2万282人、令和2年が2万889人、本年1月では2万1,210人となっております。新型コロナウイルスの影響による申請率は、昨年4月から本年1月までに新型コロナウイルスの影響で相談を受けた件数が512件、申請を受理した件数が347件で、申請率は67.8パーセントとなっております。なお、生活困窮を感じた方の相談率については、把握しておりません。

【中村きみえ議員】

この20年間で三倍まで増えていることがわかります。千葉市の申請率83%は、全国平均50~60%よりは高いですが、相談件数を貧困世帯でわる相談率は、2012年度の統計では千葉県で6%程度にすぎません。本来生活保護を利用する資格がある人のうち、受給者の割合の捕捉率は推計24%で約4分の3は、申請していません。厚労省から昨年9月11日付で「現下の状況における適切な保護の実施について」と題して、法律上認められた保護の申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われる行為も現に慎むべきだとの留意点の内容が行き届くよう示されましたが、現場で徹底されていますか。

【保健福祉局長答弁】

厚生労働省通知においては、保護の申請権の確保、速やかな保護決定、現下の状況における保護の弾力的な運用、自立相談支援機関と福祉事務所の連携の4つの留意点が示されたところです。具体的には、扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行なうといった対応は不適切であること、法廷処理期間の範囲内で、可及的速やかに保護決定までの事務処理を進めること、通勤用自動車に係る処分指導の保留期間の延長、自立支援機関が当該者に福祉事務所への相談や申請を促した場合の円滑な対応が求められております。本市においては、査察指導員や地区担当員、面接相談員等対し、留意点が確実に行き届くよう社会援護課長会議及び生活保護業務支援員による巡回指導を通じ周知を図るとともに、生活保護法施行事務監査の際に実施状況を確認しております。

【中村きみえ議員】

生活保護の申請では、自分が対象となるのか、判断する目安や情報提供が重要です。小田原市では、生活保護のしおりが、かわいいイラストも入り、高校や大学・専門学校に進学する際のしおりもあり、わかりやすく紹介してあります。南魚沼市のホームページでは、「生活保護の申請や相談をためらっている人へ」と健康で文化的な最低限度の生活を送るのは国民の権利です。それを実現するための方法の一つが生活保護制度であり、生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにでもあるのです。もちろん恥ずかしいことでも悪いことでもありませんので、ためらわずにご相談ください。と示され、基準額の例も示し、申請書もダウンロードできます。

千葉市のホームページで、生存権はうたいますが、権利として申請できる問いかけ文書を作成し、進学のお知らせも工夫し、基準額を示し、申請書をダウンロードできるよう改善を求めます。お答えください。

【保健福祉局長答弁】

市ホームページでは、現在、生活保護制度や申請手続等において掲載するとともに、より詳細な「生活保護のしおり」のダウンロードできるようにしているところです。情報提供につきましては、今後、より分かりやすいものとなるよう見直しを検討し、生活保護費の基準額の例を示すなど工夫して参ります。なお、生活保護の申請にあたっては、申請書を受理することが望ましいと考えております。

【中村きみえ議員】

申請書や基準額があることで、すぐにでも記入して社会援護課に申し込めば利用しやすくなるわけですから直ちに実施を求めます。保護の申請をためらうのは、扶養照会がネックになり、進んできませんでした。

千葉市では親族に郵送していますが、本人申告や戸籍謄本等で確認し、本人から聞き取りだけで良いと言われています。厚労省の事務連絡で、扶養の履行が期待できない場合に該当すれば郵送照会は不要だと示しています。千葉市では、扶養照会の仕送り件数はわずか0.4%だと聞いています。日本共産党の小池晃参院議員が1月28日の参院予算委員会で扶養照会を質問し、田村厚労大臣が「義務ではない」と明言しました。そうであるならば、膨大な時間や手間暇をかけ本人が嫌がる扶養照会は、やめればよいではありませんか。

厚労省は、2月26日付で自治体に扶養照会の範囲で20年間音信不通を10年程度に短縮し、「相続で対立している」「借金を重ねている」「著しい関係不良」を加えましたが、明確に禁止しておらず、対象も限定的です。今回の通知では、小手先の微修正であり、根本的解決につながらないと生活保護問題対策全国会議と一般社団法人つくろい東京ファンドが緊急声明を出し「申請者が事前に承諾した場合」に限定すべき、扶養照会を行うのが例外的場合であることを明記すべき、分かりにくい局長通知を改正して、調査手順の整理を明記すべき、3親等内の相対的扶養義務者に関する違法な通知を直ちに削除すべきとしています。よって、扶養照会は、即刻辞めるよう求めます。

【保健福祉局長答弁】

生活保護業務は法定受託義務であり地方自治法により厚生労働大臣がその処理について基準を定めることができるとされ、「生活保護法による保護の実施要領」が示されており、扶養照会については、この実施要領に基づき行っているところです。扶養能力の調査は、扶養義務者について、その職業、収入等につき要保護者その他により聴取する等の方法により、扶養の可能性を調査することとされております。一方で、要保護者の生活歴等から特別な事情があり、明らかに扶養ができない者並びに夫の暴力から逃れてきた母子等当該扶養義務者に対し扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められるものであって、明らかに扶養の履行が期待できない場合は調査することが適当でないとされております。扶養能力の調査については、申請世帯や保護受給中の世帯の状況に応じて、機械的に行うことのないよう、研修などを通じて周知しているところです。

【中村きみえ議員】

菅首相は、最後に生活保護があると主張していますが、そうなる前に対策を講じることが必要ではありませんか。見解を求めます。

【保健福祉局長答弁】

 生活保護に至る前の生活困窮者に対し、就労や家計改善に向けた支援などを行う「生活自立・仕事相談センター」を中心とし、関係機関とのネットワークを構築するなど、生活保護に陥らないための支援に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

 学生はコロナでバイトもできず仕送りもない中で、食事もまともに取れず深刻な事態です。すぐに生活保護申請はできません。こうした実態を直視し、市でも対策を講じるよう求めておきます。

受給者本人が入院しても、アパート代なども含めて基本的な料金はかかります。入院は保険診療分が無料でも、こまごまとしたものをそろえ、病院によっては、自費の支払いを要求されます。入院が長期化すれば、保護費も減り、家族で働く者がいる場合、3人家族でそれまで月額4万円の保護費がわずか1,700円になるケースもあり、働く家族とそうでない家族との間がぎくしゃくします。また入院によって自費の費用が請求され、とても支払えません。

入院によっての減額措置については、支払うべきではありませんか。

【保健福祉局長答弁】

厚生労働省において示されている「生活保護法による保護の実施要領」において、「病院又は、診療所において給食を受ける入院患者については、入院患者に日要品費が計上される期間に限り居宅の基準生活費は算定しないこと」とされております。

【中村きみえ議員】

入院によって自費での請求は、費用の工面を支援すべきですが見解を求めます。

【保健福祉局長答弁】

病院等に入院している被保護者に対しては、身の回り品等の日常生活費を補てんするものとして入院患者日用品費を支給しているところであり、この中で自費分を賄うこととされております。

【中村きみえ議員】

4万円近く保護費が減らされているのに、入院するとリネン類なども含めて自費だけで4万円徴収されたら生活できなくなるではありませんか。支払いできるよう市として検討すべきです。

わが党は、ケースワーカー一人当たりの世帯数が80世帯を守るよう増員を求め続けてきました。

2020年度当初、ケースワーカー一人当たりの世帯数は88世帯となっており、16人不足しています。人事をつかさどる総務局にお尋ねしますが、この状況を適正だと考えますか。

【保健福祉局長答弁】

国が示す標準数に対し、ケースワーカーが不足していることは認識しており、これまでもケースワーカーを毎年度増員するなど、じょうきょうのかいぜんにつとめてきたところです。

【中村きみえ議員】

政令市の多くは不足していますが、それでも、相模原市や新潟市などは、80世帯以下にとどまっています。総務局が人員配置し、不足しないようにすべきです。見解を求めます。

【総務局長答弁】

過去5年間で、生活保護ケースワーカーを27人増員してきたほか、生活保護に係る各種調査を担う調査員などの専門人材を配置するなど、ケースワーカーだけでなく会計年度任用職員を含め。体制強化を図って参りました。引き続き、生活保護を受けている方に対し、必要な支援が確実に行えるよう、ケースワーカーの増員を含めた体制の強化に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

新年度もコロナの影響で受給者増は十分に予想されます。新年度予算で、ケースワーカーの現状の不足人員よりも多く職員配置し、過重負担を解消すべきではありませんか。

【保健福祉局長答弁】

新型コロナウイルスの影響により、保護の申請が急増した場合には、ケースワーカーの業務の軽減を図るため、現在14人配置しているケースワーカーの補助業務を担う会計年度任用職員の増員を検討して参ります。

【中村きみえ議員】

4つに、本来、保護の開始処理は14日以内に行わなければなりませんが、できておりません。早急に改善すべきです。お答えください。

【保健福祉局長答弁】

保護の実施機関は、保護の開始の申請があった時は、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、14日以内に申請者に対して書面での通知をしなければならないと規定されております。ただし、扶養義務者の資産及び収入に状況の調査、その他特別な理由がある場合には、これを30日まで伸ばすことができるとされております。 窮迫の状況が認められる場合には、速やかに保護開始の決定を行っており、今後とも申請者の状況に応じた対応に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

20年程前と比べてケースワーカーになる職員が大変困難を抱え様々な事情を持つ方に接するには、その背景をとらえ、権利を尊重していくことが必要であり、社会福祉に関する高度の専門知識や技術が必要です。千葉市では社会福祉主事は190人中148人となっていますが、さらに高めるべきではありませんか。

【保健福祉局長答弁】

社会福祉主事の資格を有していないケースワーカーについて、社会福祉主事として必要な基礎的知識と技術を身につけさせるため、通信課程を受講し、資格を取得させることとしております。今後とも、社会福祉主事資格のないケースワーカーに対して、積極的に資格の取得に努めるよう働きかけて参ります。

【中村きみえ議員】

生活保護業務に従事する方は、生活保護実施の実施要領等を骨とし、これに肉をつけ、血を通わせあたたかい配慮のもとに、生きた生活保護行政を行うよう留意する7点が示されています。これに則って、対応するようになっていますか。

【保健福祉局長答弁】

生活保護法、実施要領等の遵守に留意すること、また、被保護者の立場を理解し、その良き相談相手となるように努めることなどを示した「生活保護実施の態度」については、生活保護法施行事務監査や生活保護業務支援員による研修の際などに周知を図っており、ケースワーカーはこの規定に十分留意し、生活保護業務を行っております。

【中村きみえ議員】

東京都福祉保健局で生活保護運用事例集など多岐にわたる専門的な事例が示され、ケースワーカーが個別に対応する場合に役立つと思われますが、受給者に寄り添う活用を求めます。お答えください。

【保健福祉局長答弁】

他都市の運用事例集等、ケースワーカー業務に有益と思われるものについては、職員にその取扱いを周知し、活用しているところです。今後も、情報収集を積極的に行い、生活保護の適正な実施に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

ケースワーカーが足りず、14日以内の保護開始もできず、業務が滞っていることを示しています。ぜひ人材配置し、保護費削減前に国に求めるよう強く求めます。

2.花見川区の住みよいまちづくりについて

【中村きみえ議員】

花見川の活性化についてうかがいます。

 この間、2017年7月に花見川の魅力向上を質問し、2018年6月には4月の水辺の調査をして質問、2019年10月には汐留橋でのイベントの問題など3回取り上げてきました。花見川では、花島公園でのカヤックの社会実験やバーベキューキャンプなど泊りのキャンプなども含めイベントが2019年6月22日、7月7日、12月7・8日、2020年11月21・22日と3回開催されました。しかし、天候が悪く、コロナの影響などもあり、中止や延期など進みません。私たちが行った市民アンケートでは花見川について、日常的に街灯の設置やベンチの設置、トイレの増設、川そのものの水質調査や植栽や雑草なども含めた環境改善を求める声が多くありました。 

花見川を日常的に楽しめるよう街灯や、ベンチ設置、水洗トイレの増設、花島公園付近から浪花橋までの川の美観など環境整備と釣りなどを楽しみ、食用にできるような水質調査、汐留橋や亥鼻橋付近の駐車場整備をおこなって、散策する方が一定時間いられるよう求めます。お答えください。

【都市局長答弁】

今年度は、花見川サイクリングコース沿いの既存トイレ3か所の簡易水洗化、花島橋から弁天橋に至る左岸側約3キロメートルのサイクリングコースの舗装化などの環境整備に努めているところです。街灯や駐車場の設置、ベンチやトイレの増設等については、電源や給排水施設の確保などの課題があるほか、河川区域を管理する千葉県との協議が必要であると認識しております。今後の花見川の利活用の調査の中で、利活用の可能性のある民間事業者のご意見なども参考にしながら、その必要性について検討して参りたいと考えております。

 次に、水質調査についてですが、花島橋、汐留橋、新花見川橋において、水質汚濁の指標である生物化学的酸素要求量などを毎月測定し、結果を市ホームページ上で公開しております。

【中村きみえ議員】

社会実験を開催した結果と評価をお示しください。

【都市局長答弁】

カヤック体験の社会実験は、令和元年6月と12月、並びに、昨年11月の3回実施し、合計92人の方にご参加いただいております。参加者へのアンケートでは、「水辺から見た景色が良い」「花見川に対するイメージが良くなった」などのご回答が寄せられるとともに、周辺で見ていた方からも、「楽しそう」「自分もやってみたい」などの声を頂いており、カヤック体験は花見川の魅力を向上させる有効なコンテンツであると考えております。

【中村きみえ議員】

カヤックでの社会実験では、一回当たりの費用が90分1人乗り2,500円、2人乗り4,000円と高額で、気軽に利用できる金額ではありませんでした。もっと利用しやすくすべきではありませんか。

【都市局長答弁】

 カヤックの社会実験につきましては、昨年度は未経験者を中心に、今年度は経験者を中心に募集を行い、利用時間及び利用料金については、実施団体が実験内容を踏まえ、設定しております。参加者からは、利用時間に関して、「90分は長く初心者には敷居が高い」というご意見がある一方、「90分では足りない」とのご意見もあることから、今後、利用者のニーズに合わせた利用時間や料金設定について、関係者と協議して参ります。

【中村きみえ議員】

カヤックはボートがあれば、気軽に利用できるというより万が一の場合の保険や、利用する際のルール化も必要と関係者から指摘がありました。今後、カヤックなどについては、どのように活用するのかお示しいただけますか。

【都市局長答弁】

これまでの社会実験を通して、カヤック体験は、花見川の魅力向上と個性あふれるまちづくりを進める上で効果的であると認識しておりますまた、安全面に配慮しつつ、カワセミをはじめとする野鳥観察などの自然に親しめる花見川の魅力や、ゆるやかに流れる水辺の居心地のよさを体験していただくコンテンツとして、活用して参りたいと考えております。

【中村きみえ議員】

以前に水辺の調査をした際、e‐ボートを活用しましたが、そうしたイベントなどができる企画も必要ではありませんか。

【都市局長答弁】

花見川の活性化にあたっては、カヤック体験のほかにも水辺空間を活用したイベントなどの小さな成功を積み上げていくことが大切であると考えております。そのため、民間団体をはじめ地域住民など、多様な方々が水辺空間を活性化する際には必要に応じて活動支援に努めるとともに、新たな利活用の可能性についても検討して参ります。

【中村きみえ議員】

昨年12月に環境省が発表したモニタリング調査結果では、花見川の水質において放射性セシウムは不検出でしたが、川底の泥からはいまだに検出されているようです。釣りなどする際にも安全にできることや花見川がより多くの方に楽しんでもらえるよう日常的な整備をしつつ、イベントなどでも賑わいが得られ楽しめる企画ができるよう求めておきます。

 次に、仮称検見川・真砂スマートインターチェンジについてです。

 2020年9月議会で、検見川・真砂スマートインターチェンジ(仮称)の整備予算が、3千万円計上され、物流施設などが集積する千葉港など湾岸地域と東関東自動車道の東京方面とのアクセスで、市域外の湾岸習志野ICを利用する必要があり、移動時間の短縮で物流の効率化から、東関東自動車道にいち早く接続し、6車線化された国道357号の整備効果も最大限に発揮するために美浜区内に検見川・真砂スマートICを新設する計画と言われており、東関東自動車道で国道357号の千葉西警察入口交差点~真砂交差点間の渋滞対策とあわせて熊谷市長が要望したものです。1月20日にさいとう和子前衆院議員、寺尾さとし前県議、地域の皆さんとともに千葉国道事務所などと進捗状況を懇談しました。

この事業費はいくらで、いつまでに実施しますか。どれくらいの時間が短縮できますか。

【建設局長答弁】

現在、国、NEXCO東日本、千葉県警察及び本市で構成する「準備会」において、事業費を算出するために必要な位置、構造等について検討を進めているところであり具体的な事業費をお示しすることはできませんが、これまで整備された他都市のスマートインターチェンジの実績から、30億円程度と推定しております。今後実施する「準備会」で作成した実施計画案を、有識者などを加えた「地区協議会」に諮った後、国の許可を受けて事業化することとなるため、明確な時期をお示しすることはできませんが、早期の整備をめざして参ります。なお、市役所周辺から東関東自動車道へアクセスするには、現在、湾岸習志野インターチェンジを利用しており平均的な所要時間は約20分でありますが、整備により約10分短縮できるものと見込んでおります。

【中村きみえ議員】

計画にあたり美浜区の千葉西警察入口交差点付近から、国道14号と国道357号が分岐・合流する真砂交差点付近までの区間を想定していますが、実施するうえで、周辺の住宅が移転を余儀なくされることはありませんか。

【建設局長答弁】

整備にあたり、国道357号の緑地帯など、公用地を最大限活用し、できる限り住宅地などへ影響がないよう配慮してまいります。

【中村きみえ議員】

予備設計はしているようですが、住民や議会にはいつ、その内容を知らせますか。

【建設局長答弁】

現在、実施している予備設計の内容につきましては、できる限り早期にお示ししたいと考えております。今後も、地元の皆様に対して丁寧な説明や意見の把握など地域とのコミュニケーションを図りながら進めて参ります。

【中村きみえ議員】

東関道の建設の際、美浜区の自治会を中心に千葉県公害審査会に調停を申し立て、騒音と大気汚染が課題となり、遮音壁を設けたと伺いました。今回の建設で、こうした問題がさらにひどくならないのか、想定や対策はどう考えていますか。

【建設局長答弁】

整備による影響を把握するため、周辺地区における騒音や大気などの現状把握を行うこととしており、この結果をもとに将来予測を実施した上で、必要な対策を行って参ります。

【中村きみえ議員】

千葉西警察周辺での交通渋滞は以前よりも深刻になっています。今回の事業で渋滞解消となるのか疑問です。準備会は、国、県警、ネクスコ、市が開催しているようですが、検討した結果でむしろ周辺の渋滞を誘発すると認識した場合、見直すべきではありませんか。

【建設局長答弁】

千葉港を中心とした「湾岸地域」と「東京方面」とのアクセス性が格段に向上し、湾岸地域の更なる活性化が見込めますが、整備により渋滞を誘発させることがないよう、交通への影響をしっかりと把握、検討した上で、見極めて参ります。

3.ひとり親家庭への支援について

【中村きみえ議員】

派遣労働法の改悪で正規雇用から派遣社員やパートなど非正規雇用で働く若者や女性は二人に一人と言われ、コロナ禍、非正規で働くシングルマザーは、収入が減り、食費は一日親子で200円、一週間で1,500円程度に抑え、お風呂は1か月に一度シャワーを使い、暖房もできるだけ使わず、寒い中親子で温めあって寝ているという厳しい実態があります。またDV被害や、夫のギャンブルや株への投資など金銭面でのトラブルなど、ひとりで子育てと家計を支えることに疲れ、メンタル不調をきたす方も少なくありません。ひとり親家庭に行政として公助を中心に対策強化が求められます。

千葉市ひとり親家庭は何世帯あり、児童扶養手当支給は何世帯ですか。申請していない世帯で本来は該当する方を把握していますか。

【こども未来局長答弁】

市内のひとり親家庭の世帯数については、把握しておりませんが、児童扶養手当受給世帯は、昨年12月末現在で5,595世帯となっております。また、受給対象となる方が確実に申請できるよう、市ホームページや市政だよりなどで周知しているほか、離婚届を提出した方のうち、希望される方には各区役所市民総合窓口課やこども家庭課において、児童扶養手当をはじめとしたひとり親家庭向けの支援についてご案内しております。

【中村きみえ議員】

千葉市でのひとり親家庭が一体どれだけあるのか、対象をつかみ切れていないようです。様々な制度から抜け落ちてしまう世帯を作ることになり、きちんと実態把握すべきですが見解を求めます。

【こども未来局長答弁】

未婚のひとり親家庭や事実婚など、家庭の形が多様化する中で、ひとり親家庭の世帯数を正確に把握するのは困難であると認識しております。しかしながら、児童扶養手当やひとり親家庭医療費助成については、過年度において、所得制限などにより支給対象にならなかった方に対しても申請の案内を送付しているほか、ひとり親家庭福祉会などを通じて、支援を受けていないひとり親家庭に対して、支援制度についてプッシュ型で情報提供を行うなど、対象者への周知に努めております。

【中村きみえ議員】

市はひとり親家庭支援を検討するためのアンケートを実施し、2019年に集計結果を出しており、その結果から、どう対策を講じますか。

【こども未来局長答弁】

昨年度実施した「ひとり親家庭への支援を検討するためのアンケート調査」の結果では、回答したひとり親家庭の約半数が養育費の取り決めを行っておらず、約6割が養育費を受け取っていないことから、養育費の取り決めに係る支援と、養育費の履行確保にかかる支援を包括的に行う必要があると考え、令和3年度当初予算案において、これらにかかる事業費を計上しております。

【中村きみえ議員】

新年度予算でも養育費に関する支援として講習会や弁護士の相談、調停費用助成など示され救われる方もありますが、アンケートでひとり親家庭にどのような悩みがありますか?の問いには、経済的に苦しいが約3割にも上り、子どもの教育費のことなど、経済的支援をしていく回答が多く寄せられています。住まいの確保や食費の支援、教育費の充実など支援すべきではありませんか。

【こども未来局長答弁】

住まいの確保として、民間の賃貸住宅の紹介や市営住宅の入居申し込みの際に抽選の優遇措置を受けられるほか、食費など生活の支援として、児童扶養手当の支給や母子父子寡婦福祉資金にかかる生活資金の貸付を行っております。また、教育支援として、経済的に困窮しているひとり親家庭の小学5・6年生を対象に、学習塾や習い事にかかる費用の助成を行う「学校外教育バウチャー事業」について、昨年10月に対象者の拡大を行い、事業拡大を図ったところです。

【中村きみえ議員】

 全国では大阪、熊本、福岡などでシングルマザー応援団通称「シンママ応援団」という社団法人が結成され、ネットを検索してラインで「ベランダから死に場所を探している」などと夜中にSOSが寄せられるそうです。するとすぐにその日のうちに、返事をし、日用品や食料品などを送る活動がされています。段ボールいっぱいに必要なものや手作りのケーキを添え、届けられた人は自分が大切にされているととても感謝し、心を開いて、ご自身のことを少しずつ打ち明けてくれています。育ち盛りのお子さんに合う新品の運動靴やシングルマザーが成人式に振袖を着る支援など本人の願いにこたえたきめ細やかな支援がされています。また一時的によりどころとなる「JIKKA」という場所も確保して食事や居場所にもなっています。

行政がNPOなどとも連携して、経済的な支援策や住まいの家賃補助などひとり親家庭に寄り添う支援を求めます。お答えください。

【こども未来局長答弁】

令和元年7月に、一般社団法人シングルマザー支援協議会と「ひとり親家庭の自立支援等に関する連携協定」を締結し、相談支援・就業支援など協会独自の自立支援プログラムにより、対象者の気持ちに寄り添ったきめ細やかな支援を実施していただいており、引き続き緊密な連携に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

千葉市では、ひとり親家庭福祉会(おひさま会)があり、行事や日常生活支援、無料塾なども紹介されています。社協やフードバンク、企業などからお米やクッキーなど配布され、会員に喜ばれているようです。フードバンクは配送料無料ですが、会員に届けるのに配送料がかかる場合もあるようです。そうした支援を充実するため、市として支援、バックアップすべきではありませんか。

【こども未来局長答弁】

民間事業者からひとり親家庭への寄付の申し出があった場合に、ひとり親家庭福祉会を紹介するなど、同会への橋渡しを行っております。今後も、ひとり親家庭のニーズの把握などに努めて参ります。

【中村きみえ議員】

日常生活支援では、家事、育児、介護などのサービスが受けられ、利用者も増えているようです。さらなる利用者増につながる周知を徹底するべきではありませんか。

【こども未来局長答弁】

これまで、市ホームページや各区こども家庭課などで周知しているほか、本年1月に運用を開始した「あなたが使える制度お知らせサービス」を活用してプッシュ型で情報提供を行うなど、引き続き対象者への周知に努めて参ります。

【中村きみえ議員】

ひとり親家庭での国保料を減免し、負担軽減を求めます。

【こども未来局長答弁】

ひとり親家庭に限定した国民健康保険料の減免制度はありませんが、所得に応じた2割から7割の軽減制度や本市独自の減免制度により、経済的に苦しい世帯については負担の軽減を図っております。また、子どもの保険料については、政令市会議等を通じて均等割の軽減について国に要望しており、令和4年度から未就学児の均等割の5割を軽減する制度が創設される見込みです。

【中村きみえ議員】

 所得173万円で親子二人暮らしの場合、年間保険料は19万7千円であり、40歳以上では介護分が4万3千円加算されれば、月額二万円ほど徴収されることになり、軽減された金額とは言えません。

 子育て中のお母さんは、お子さんがお金の心配なく進学できるよう願っています。教育バウチャーや一部の学習支援だけでなく、入学金や授業料の補助など抜本的な経済的な支援、住まいの支援の充実、保険料の軽減など自治体としてできることをぜひ充実するよう求めます。

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