大型開発予算を組み替え新型コロナ対策へ! 野本信正議員 予算組み替え動議提案理由説明
予算組み替え動議提案理由の説明 2021.3.3

日本共産党市議団を代表して議案第号令和3年度千葉市一般会計予算の組み替え動議について、提案理由の説明を申し上げます。
1 組み替えを求める理由
新年度予算は歳入の根幹である市税において106億円の減収が見込まれており、財源確保に臨時財政対策債を前年度と比べ120億円増やし、財政調整基金を30億円繰り入れるなどした一般会計4,664億円のうち前年度比0.6%増の28億円の予算を福祉向上のため活用すること。
歳出では緊急性・必要性の乏しい予算の見直しを行い、財源を確保して、新型コロナ感染症から市民の命と暮らしを守り、市民生活優先の予算にすることを求める。
2 組み替える予算について
新年度予算は新型コロナ感染症対策に33億5,100万円が計上されているが、PCR検査費用は1億9,300万円の少額であるため、10億円を追加して検査を強め、無症状の感染者を保護する等感染防止に全力を尽くすこと。
前年度に引き続き、真に必要な福祉を削る「質の悪い福祉カット」を中止すること。心身障害者福祉手当カットを止め元に戻す。在宅高齢者等おむつ給付の所得制限改悪を元に戻す。生活保護世帯等の下水道使用料を元に戻す。子ども医療費の自己負担が2倍になる保険調剤の自己負担の導入を止めて、国からの地方交付税を学校のエアコンの光熱費に活用すること。
気候変動及び地球温暖化対策は、有効な事業が見当たらない。新年度は、容器包装プラスチックの資源化を速やかに実施し、環境負荷の削減を図ること。
市長は、質の悪い福祉カット等を市民に押し付ける一方で、大型開発には7事業で繰り越明許費を含め153億1,900万円、前年度と比べ、68億7,500万円増の予算を計上している。市長は未来への投資と証し、中央公園・通町公園連結強化により、千葉神社に参拝する市民を中心部に誘導するというが、参拝客の70%近くは正月の参拝者で、通常は月1万5,000人~2万人程度であり、賑わいが広がる見通しはない。
急がなくてもまだ十分使える市庁舎の整備は、コロナ禍対策として、庁舎整備を延期し、一時中止した八千代市に学び、千葉市も延期して91億3,500万円の予算を他に回す。千葉公園体育館整備は、既存スポーツ施設の利用者約5万人及びスポーツ関係者にしばらく我慢をお願いし、5年から10年延期して、新年度予算の26億7,900万円と、新庁舎整備の91億3,500万円の合計118億1,400万円に対する市債発行を中止して、深刻な交通渋滞の解消や、台風等災害対策などを急ぐことや、コロナ禍対策などに集中すること。
以上のような大型開発は、緊急性・必要性の視点から大胆に見直しを行い、その財源を、コロナ禍対策、市民生活、福祉に振り向ける。
3 組み替える事業と財源
(1)対象事業
ア 新型コロナ禍対策に20億円増額する。
イ 市立病院の充実強化
ウ 質の悪い福祉カット、市民いじめを中止する。
エ 高齢者・子育て支援・若者対策を強化
オ 教育を充実する。
カ 災害に強い千葉市に
キ 気候変動・地球温暖化防止対策を充実する。
ク ジェンダー平等、男女共同参画行政を充実する等を行う。
以下記載の通りである。
(2)組み替えの財源
緊急性と必要性が高い事業を優先するため、不要な事業の中止、急がなくてよい事業を延期して歳出を削減し財源を確保する。
ア 大型開発の見直し(繰越明許費を含む)
(ア)千葉公園ドーム整備・250競輪、千葉公園体育館整備
(27億1,600万円)
(イ)新庁舎整備 (91億3,500万円)
等7事業合計153億1,900万円の市債を深刻な交通渋滞解消、台風災害対策、コロナ禍対策などに振り向ける。
イ 国・県などの事業に市が負担させられている費用等の是正
(ア)県事業負担金千葉港湾整備等 (1億4,593万円)
(イ)国直轄事業負担金 (2億2,800万円)
ウ 自主財源の確保
(ア)財政調整基金の活用 (30億円)
(イ)資本金が10億円を超える法人に対する市民税均等割の制限税率の適用 (2億9,900万円)
以上総額189億9,193万円中、補助金等を差し引いた金額を、組み替えの財源にする。
(3)市債の有効利用を図り、市民生活の向上を図る。
(4)急を要さない大型公共事業で、当初予算に計上した予算に係る市債及び債務負担行為を抑制する。
以上、市民生活優先の予算に組み替えることを求め、提案理由の説明を終わります。