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日本共産党東京都議会議員団

党市議団が提案した高齢者補聴器購入費補助事業の速やかな立ち上げを―中村きみえ市議の討論【2021年第2回定例会】

議案等に対する討論を行なう中村きみえ市議(6月23日・水、本会議場)

 会派を代表して議案第61号、議案第73号工事請負契約について反対し、発議第2号が否決され、請願第1号、第2号が不採択となったことについて討論を行います。

議案第61号令和3年度千葉市一般会計補正予算(第4号)について

「自治体マイナポイントモデル事業への参加」についてですが、今後の最適な運用を検討するため「自治体マイナポイントモデル対象事業へ参加する」と説明されていますが、最適な運用とは何か質問したところ、通常の「千葉シティポイント」に上乗せし、同数の「自治体マイナポイント」が付与されるため、通常の2倍になるとのこと。具体例でいえば、ウォーキングポイントは通常50ポイントですがこれに上乗せ分が50ポイント加わるため、合計100ポイント付与されることになります。これが最適な運用すなわち市民のメリットだそうです。

 しかし、モデル事業へ参加する市民は、マイナンバー活用が前提条件となるため、ポイントカード2倍付与は、マイナンバーカード普及を誘導することが狙いと言えます。

 そのために総務省は委託金を全額国庫支出として、上乗せするポイントの予算も全額国が支出し至れり尽くせりです。

 ちなみに千葉市のマイナンバーカード交付率は、令和元年5月末16.6%から、令和3年5月末は36.3%に急増しています。この原因は業務改革推進課が所管のマイナンバーカード所有者を対象に実施しているマイナポイント事業が、買い物等を通じて最大5,000円を取得できるため、マイナンバーカードの交付を受ける市民が急増したものです。

 マイナンバーカードは、様々な個人情報が収録されており、漏えいする懸念が広がり、権力機関などに利用される心配もあります。個人情報保護の観点から普及が進みませんでしたが、先に述べた通り、マイナポイント事業が経済的メリットを誘導して、マイナンバーカードの普及を図って来たものです。

 個人情報を脅かす恐れがあるマイナンバーカードを、ポイントを使って普及を図ろうとする委託事業は、千葉市が受託を断ることもできる制度であり、きっぱり拒否し市民の個人情報を保護することを求めます。

補正予算中、新型コロナウイルスワクチン接種事業について

 新型コロナウイルスワクチン接種事業について意見を申し上げます。千葉市の接種率は、かかりつけ医中心とした医療機関関係者のご尽力で、高齢者の1回目接種は、6月21日時点で52%まで進行しています。しかし、わが党の議会論戦で明らかになったように、個別接種で8月以降の予約している人数は把握すらしていません。9月に予約になったという声が届くなか、個別接種における予約状況を適切に把握し、希望者が接種できる医療機関を増やして、前倒し接種に取り組むことを求めるものです。

 また、64歳以下の接種迅速化に向けた取り組みとしては、かかりつけ医を持たない方が多いため、未設置の行政区に必ず集団接種会場を設け、各区の若年層含め、適切かつ迅速に接種に取り組むことは必須です。そのためには、歯科医師会への協力要請など、打ち手確保に取り組むこと、そして最大の問題点である市ワクチン接種担当課の職員が少ないため、集団接種会場を管理マネージメントできないという問題解決にむけては、速やかに全庁から更なる人員確保を行い、希望される市民が1日でも早く接種できるよう取り組むことを強く求めておきます。

 なお、教員や保育士、子どもルーム指導員、市の窓口職員等エッセンシャルワーカーは優先接種として早期接種に努めること、さらには64歳以下の接種券を前倒しして送付し、国等の会場で大規模接種希望者が接種できるよう取り組むことも要望します。

不登校児童生徒の学習支援に係るフリースクール補助について

 「不登校児童生徒の学習支援に係るフリースクール補助」は市内の不登校児童生徒が通うフリースクールに対して学習支援に係る費用の補助を行うものです。不登校の子どもたちの居場所となっているフリースクールを学びの場として位置づけ、学校以外の場所でも学習の機会が確保されるよう財政支援を行うことは一歩前進です。今後は施設に対する補助だけでなく、フリースクールの利用料が高いことから、保護者の負担軽減になるように利用料に対する支援を要望します。

 多子世帯における子育ての負担を軽減するため、小中学校の第3子以降の学校給食費無償化予算が計上されました。関係者からも要望されており、長年にわたり日本共産党千葉市議団も議会で取り上げてきたことが実現することとなりました。

 この無償化により通年予算は5.1億円になり多額の財政が必要となります。県知事が公約で、給食費の無償化を掲げていますので、県財政活用のための連携を進め第二子まで拡充するよう要望します。

議案第73号 工事請負契約について

 今回の議案は、幕張新都心拡大地区新駅の開業に合わせ、駅前広場等および駅前道路と豊砂3号線をつなぐ道路を交互通行できる「新設市道」を、4億481万円かけて整備するものです。

 幕張新都心拡大地区新駅の利用客は1日当たり33,000人と見込まれ、今後、駅前広場には、さらにバスシェルターを設置する計画です。その予算2億9,400万円は千葉市が負担します。そもそも幕張新駅の利用者は、ほとんどイオンの買い物客が多く想定されており、イオンのための駅設置ではないかと言われています。千葉市は、海浜幕張駅などの混雑緩和を理由に上げていますが、イオンの利用客のサービスはイオンがやるべきであり、千葉市が税金を使って負担することには市民の理解が得られないため、賛成できません。

発議第2号、千葉市高齢者補聴器購入費助成条例の制定について

 委員会の質疑では、「現行制度で機能している」あるいは「国が認知機能低下予防効果を検証しているため注視すべき」等の理由で反対して否決されたことは極めて遺憾です。

 超高齢社会で、軽度・中度の加齢性難聴者は今後増加傾向であることは間違いがなく、現行制度においては、重度の聴覚障害者だけが購入補助制度の対象であるため、現行制度で十分という意見は、趣旨や市の支援制度を理解していない発言であり、本当に残念です。

 しかしながら、委員会質疑において当局からは、かつて市として実施していた高齢者への補聴器購入補助事業は、高齢化に伴い廃止した経緯があるものの、国の認知症との関連調査結果が出た際には、改めて制度化も検討していく趣旨の答弁がされました。ぜひとも今年度中には国の調査結果が出ることから、本市の高齢者の聞こえのバリアフリーを進めることは認知症対策にも効果があることは明らかであり、速やかに高齢者補聴器購入費補助事業を立ち上げていただき、高齢者が何歳になっても、暮らしやすい千葉市をつくることを強く要望するものであります。

請願第1号子ども医療費院外処方の窓口負担無料を求める請願、請願第2号子ども医療費助成制度の院外処方保険調剤の自己負担の無料化を求める請願について

 同様の主旨の内容の請願が2本出され、一方の請願事項は「こども医療費の薬局窓口負担を直ちに廃止すること」もう一方は「千葉市子ども医療費助成制度の院外処方の保険調剤の自己負担をなくすこと」としており、同時に審議されました。どちらの請願趣旨とも昨年8月から実施された院外処方の薬局窓口負担が保護者に重くのしかかっている実態があるとともに、調剤費の自己負担を求める自治体は県内では千葉市だけであり、子育てがしやすい街にするために薬局窓口負担をなくすよう求めています。

 保護者負担によってできた財源をエアコンの電気代や専科教員の配置、児童相談所の夜間指導員の増員などの子育て支援に充てているといいますが、病気で苦しむ子どもを持つ家庭の負担を増やし、命と健康を脅かすことになるのは子育て支援充実とは呼べません。

 他会派からは「地方単独事業には多額の費用がかかるため、安定的な財源確保のためには保護者負担は必要である」「経済的な負担が大きい家庭への新たな支援制度を考えるべき」「ただちに廃止するのは混乱を招く」など反対の意見が述べられ不採択になったのは大変遺憾です。

 病気の子どもを抱える保護者が安心してお金の心配なく病院にかかれる制度を作るのは自治体の責任です。子どもの命と健康を最優先に考えるならば、薬局窓口負担を撤回し、千葉市で子育てしてよかったと思える施策の実現を求めます。

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