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日本共産党東京都議会議員団

コロナから市民の命守るための医療・検査体制拡充を!子ども医療費薬局負担無料化を! もりた真弓議員代表質疑【2021年第3回定例会】

もりた真弓議員の代表質疑      2021.9.15

 はじめに、新型コロナ感染症で亡くなられた方に対してお悔やみを申し上げるとともに、今現在闘病中の方にお見舞いを申し上げます。また、新型コロナ感染症対策の最前線で昼夜分かたず、連日対応いただいている医療従事者のみなさんや、感染拡大防止のために業務に尽力していただいている皆さんに、心からの感謝を申し上げます。その一方で、コロナ禍の緊急事態宣言中に、政権を投げ出し総裁選に執着する現政権には、この国の未来も、国民の苦難軽減も任せることができないことは明らかであり、来たる総選挙では、厳しい審判が下されるであろうことを指摘して、会派を代表して代表質疑を行います。

 令和2年度の決算は、新型コロナウイルス感染症対策に係る国の財政措置を積極的に活用し、一般会計で計11回にわたる補正予算を編成するなど、歳入5,767億7,200万円、歳出5,701億8,900万円で、57億2,400万円の実質収支となっています。特別会計は、歳入が3,157億2,800万円で、歳出は3,137億9,700万円で、18億7,100万円の実質収支となり、コロナ対策で1,143億円かかり、前年度比大幅増となりました。また、主要債務総額を4,682億円に削減し、市債残高は9,701億円で対前年度比31億円削減され、実質公債費比率は11.8%に改善、将来負担比率は128.8%で、財政調整基金は128億1,100万円確保され、財政上、数字の上では改善したとのことですが、今後、コロナによる税収減や開発による財政悪化も懸念されます。

 わが会派は、昨年2月18日以降現在まで、新型コロナ感染症対策の強化を求める申し入れを19回にわたって行なってきました。未知のウイルスによる市民生活への多大な影響と、それに対応する自治体の在り方が問われるもとで、市民のいのちと暮らしをどう守るのか、その都度必要な提案をしてきました。

 そこで、うかがいます。

1、市政運営の基本姿勢について

(1)新型コロナウイルス感染防止対策についてです。

 新型コロナウイルスの感染は深刻です。本市でも8月以降は200名を超える感染増加で緊急事態宣言の効果もみられず、2,600名を超える市民が感染し自宅療養となる中、家族内での感染を広げ、病状の急変により命を落としかねない状況です。小学校では実施前に中止となりましたが、多くの市民が反対するなか、パラリンピック学校連携観戦を強行するなど、危機管理や感染対応での優先順位が間違っており、市民の命と健康を守るための本気の対策について質します。

① 緊急事態宣言を発令しても感染が増え続ける要因はデルタ株の強力な感染力と共に、パラリンピック学校観戦を強行したことが、矛盾したメッセージとなり、市民への信頼と協力が得られにくくなったと考えますが、市長はどのようにとらえていますか。

② 日本共産党千葉市議団は、デルタ株が若年層にも感染を広げていくため、PCR検査の拡充を再三求め続けてきましたが、陽性率は直近1週間で14.9%と全く検査が足りず、感染を広げたことは極めて遺憾です。行政検査では、プール方式や自動検査機器の導入、民間検査会社と連携したPCRセンター整備の実施とともに、高齢者施設従事者等への無料PCR検査を学校の全職員に広げたように、保育園、幼稚園、子どもルーム等の職員・従事者・子ども、また希望する市民にも検査体制の構築が必要と考えますが、見解を伺います。

③ 本市のワクチン接種率は、令和3年9月13日時点で2回目接種済みの高齢者が87.44%、同じく2回目接種済みの医療従事者等を含む全世代では45.73%と若年層への接種が遅れており、ワクチン予約は5分で満員となるなど、プラチナチケットをとるより困難な状況です。千葉市は、12歳以上の8割の方が11月下旬までに2回目の接種を終えると見込んでいますが、これでは遅すぎます。50代以下の接種を加速するために集団接種会場の増設、平日夜間・休日の接種枠の拡大が必要と考えます。お答えください。

④ 千葉市では令和3年9月13日時点で1,245名が自宅療養で、家族内感染や症状が悪化して亡くなる不安を多くの市民が抱えています。緊急に酸素吸入や抗体カクテル療法など提供できる施設の整備を図り、更なるホテル療養確保に取り組むことが必要ですが、見解を伺います。また、幕張メッセを使って県と連携し「臨時の医療施設」を設置することが必要と考えるがどうか。

⑤ 日本共産党千葉市議団は8月20日パラリンピック学校連携観戦について、感染状況や医療体制状況が厳しいため中止すべきと市民の署名と共に要請しました。緊急に取り組んだ署名は最終的に3,927筆にまでなり、抗議の電話も殺到したと聞いていますが、神谷市長はパラリンピックの学校連携観戦を強行しました。市長が市民と議会を無視して強行したことに強く抗議します。

  現場からの反対の声や市民の声になぜ耳を傾けないのか。学校連携観戦を実施した後の生徒における感染状況、学校におけるクラスター発生状況の動向についてお示しください。

⑥ パラ学校連携観戦で引率した教師が感染していたことが判明し、観戦中止を求める世論に押され、千葉県が観戦を中止し千葉市でも中止に至りました。市長は、誤った判断をして感染者を発生させたことについて、保護者と市民に対して陳謝すべきですがどうか。

⑦ パラリンピック学校連携観戦の是非についても大きな問題が露呈しました。千葉市でのパラ学校観戦の実施決定を市長が発表し、現場サイドにはメールでの連絡で学校関係者は困惑したと聞いています。なぜ、学校単位での判断を認めなかったのか。今回のパラ学校観戦について、教育委員会会議では議論されなかったのか、うかがいます。

(2)つぎに、選挙公約と所信表明からみた市長の市政運営についてです。

 神谷市政の発足から半年余り「改革を継承し新たな創造へ」とした市政運営は、財政健全化を理由に、市民福祉を切り下げ、心身障害者福祉手当カット、子どもの医療費薬局負担等弱者切り捨て、その一方で大型開発に多額の税金をつぎ込む熊谷市政を継承するものです。

緑区で6人のお子さんを育てているお母さんの手記を一部紹介します。

「医療費引き上げから通院は減りました。それは費用が倍かかるためです。我が家は喘息、アトピー、アレルギーを持つ子が5人。感染症になれば一度に6人分の通院になります。飲み薬、塗り薬は各自、体重や年齢に応じて違います。しかし、引き上げになってから、薬の分量を減らし、兄妹にわけるようになりました。家のローンなどもあり給料日前などに感染症、喘息が悪化したとき、数百円、千円、捻出が難しい時もありました。小学校の費用、幼稚園の費用、医療費の引き上げ、幼稚園がこども園に移行する際の補助金制度廃止。薬の分量を減らし続けた結果、症状を悪化させてしまったため、通院しますが、500円、1,000円とこれが毎月続くと本当に厳しいです。我が家だけではありません。医療費引き上げは、正反対の政策ではないのか。」とあります。

① 子育てに取り組むお母さんの気持ち、生の声を理解して市政運営することが必要だと考えますが、「手記」についての市長の感想をうかがいます。

② 子ども医療費薬局負担は子ども施策全体の充実を図るため見直しによって生じる財源を、喫緊の課題への対応に活用するとしていますが、本当に支援が必要なら予算をとって行うべきであり、神谷市長にはこうした判断が必要だと考えますが、どうか。

 千葉市はこの間、中央公園・通町公園連結事業や稲毛海浜公園のリニューアルのウッドデッキなど市民要望が強いとは言えない事業を継続し、県内の集客スポット第2位の幕張イオンのための新駅設置にも拠出します。一方、市民生活はコロナの影響を受け、生活保護受給者の下水道料金の徴収は暮らしを圧迫し、猛暑の夏にも電気代を気にしてエアコンをかけず、熱中症におびえながら生活をしている実態があります。そこで伺います。

③ 一日の生活費が千円未満の高齢者にとっての下水道使用料1,100円は命にかかわる支払いです。市長はこの実態、市民の生活の厳しさをとらえて生活保護者への下水道使用料負担を撤回すべきであるがどうか。

④ 神谷市長は、大型開発は将来の持続的発展につながる取り組みとの視点を引き継ぐとしていますが、この答弁は、前熊谷市長の答弁と全く同じであり、開発を市民本位に見直し、暮らし優先の政治にすべきではないのか、お答えください。

(3)つぎに防災減災の取り組みについてです。

 7月の静岡県熱海市の土石流災害では伊豆山地区で26人が死亡、1人が不明など大災害となりました。また、8月には季節外れの前線の停滞により、九州地方や広島などの西日本から関東甲信越に至る広範な地域で、たった一日で一か月分の雨量を観測するなど、災害規模が尋常でない状況もありました。毎年この時期に繰り返される洪水・河川の氾濫・土砂崩れなどの災害に対して、どう備えるのか。市民のいのちと暮らしを守ることが最重要課題になっています。そこで伺います。

① 先の土砂災害や豪雨災害を踏まえ、避難所の充実、避難所運営委員会の体制強化など、災害に対する備えについて、改善が図られているのか。

② ハザードマップの最新情報はインターネットで検索すれば得られますが、紙ベースでの情報提供はどうなっているのか。身近な小学校区単位でのマップなどを示すべきではないのか。

③ 防災行政無線の強化と、防災ラジオの普及で確実に情報を届けることについて伺います。

④ 避難所における環境整備については、段ボールベッドなどを整備していますが、頑丈すぎて組み立てるのが大変との意見も寄せられています。コロナ禍での避難環境を改善するために、体育館などでの生活を守る防災用テントの備蓄をさらに充足させることが必要ではないのか、お答えください。

⑤ すべての小中学校にR5年末までに設置完了予定のマンホールトイレは、運用方法や保管状況の把握のために、定期的に訓練などが必要です。避難場所となる体育館から離れた位置に設置されていたり、道路に面した場所に設置されるなど、実際に使用する際の使い勝手が悪い場所に設置されているとの指摘がされている場所があります。

学校施設等のマンホールトイレの設置場所の考え方について、また、避難所におけるマンホールトイレの訓練等について伺います。

⑥ 停電による被害を未然に防ぐ、公道に面した樹木の伐採など、早急に進めることが必要だと考えますが、どうか。

(4)つぎに、カーボンニュートラルの取り組みについてです。

 IPCC気候変動に関する政府間パネルのおよそ8年ぶりとなる第6次評価報告書の作業部会の中で、地球温暖化の要因は人間による活動との見解が示されました。日本共産党は、9月1日、2030年度までに二酸化炭素(CO2)を50~60%削減するという目標を掲げた「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」を発表しました。2030戦略では、「省エネと再エネで、30年度までに50~60%削減」「脱炭素、省エネ・再エネを進める社会システムの大改革を」「脱炭素と貧困・格差是正を二本柱にした経済・社会改革で、持続可能な成長を」ポイントとしています。カーボンニュートラルは2050年度までに二酸化炭素の実質的な排出量を限りなくゼロにすることであり、千葉市はこれを目指すと宣言するとともに、千葉市地球温暖化対策実行計画の見直しに着手したと聞いています。千葉市内の温室効果ガス排出量の約6割は産業部門が占めますが、2030年までを計画期間とする現在の実行計画における産業部門の温室効果ガス削減目標の削減率は、2.9%にとどまっています。そこで伺います。

① 産業部門の削減率が低いのは、大企業に対して削減を求めきれない姿勢のせいではないのか。

② 千葉市の事務事業における温室効果ガスの排出量では、廃棄物処理施設が最も多く、清掃工場で分別収集可能なプラスチック製容器包装を燃やし、年間23,000トンの温室効果ガスを排出しています。他自治体ですでに取り組まれているプラスチックの分別収集を、千葉市は2年後のごみ処理計画策定後へと先送りすることは、行政の怠慢であり、カーボンニュートラルを掲げながら問題をさらに悪化させていることではないのか。

③ 二酸化炭素等の実質的な排出量を限りなくゼロにするためには、環境への配慮と地域経済の発展につながる、再生可能エネルギーの取り組みが必要ですが、千葉市の計画はどうか、お示しください。

2、決算について

 令和2年度決算は、新型コロナ感染症対策により大幅増となり、一般会計では、市税が予算に比べ増収になったこと等により、57億円の実質収支を確保したことが報告されています。

① 地方財政法第3条、「地方自治体は、法令の定めるところに従い、かつ合理的な基準により、その経費を算定し、これを予算に計上しなければならない」「地方公共団体は、あらゆる資料に基づいて正確にその財源を補足し、かつ経済の現実に即応して、その収入を算定し、これを予算に計上しなければならない」とありますが、千葉市の場合コロナ禍対策をはじめ、緊急に必要な事業などに計上、補正して活用する考えがないのはなぜか。57億円の増収を必要な事業に補正しないで全額黒字として残したことは適切であったのか、おたずねします。

② 先に質問した弱者切り捨ての福祉カットにより喫緊の課題へ振り向けたとする財源も、増額した市税収入を少し計上、補正すれば賄えたはずではないのか、お答えください。

③ 次に、主な財政指標の推移のうち、実質公債費比率は、財政健全化プラン14%を下回る11.8%になっていますが、健全化プランの14%まで市債を発行した場合の発行額について。及び千葉市民一人当たりの投資的経費5万1,000円を、政令市平均の6万円まで引き上げ、その全てを建設事業債として発行した場合の発行額についてお示しください。

④ 財政健全化によって上限を抑えてきた建設事業債のため、市内の道路、下水道、公園等の整備は大きく後れ、交通渋滞や降雨時の冠水等の対策が急がれています。市民一人当たりの投資的経費を建設事業債の発行により政令市平均並みに引き上げ、指摘した遅れている公共インフラの整備など事業を進めることを提案するがどうか、お答えください。

⑤ 市は、市税の増収分を補正して活用することを否定し、財政調整基金を増額して財源として活用するとしています。緊急に必要なコロナ禍対策で19億円の財政調整基金取り崩しを提案しましたが、地方創生臨時交付金に切り替えてしまいました。交付金の有効な活用は当然ですが、コロナ禍で必要な事業が山積しているときに財調の活用を中止したことは、市民の緊急時でも活用しない不適切な財政運営ではないのか、うかがいます。

⑥ 千葉市財政の大きな課題は、禁じ手である市債管理基金、緑と水辺、市庁舎整備、美術品等取得基金から237億円も借り入れをしている問題です。政令市では札幌市が返済して残る自治体は千葉市と仙台市・川崎市・京都市・神戸市だけです。このことについての評価と対応について、おたずねします。

3、総合政策行政について

(1)次期基本計画についてです。

 基本理念に基づいた計画の策定にあたり、「本市を取り巻く社会情勢の変化」に示されている内容はより正確に捉えることが必要です。そこでうかがいます。

① 災害時のリスクの拡大では、気候変動や新型コロナ感染症に対応できるまちづくりが求められているもとで、都市の過密化を進める集約型都市構造や、千葉市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略、立地適正化計画などを見直し、過密の緩和やバランスの取れたまちづくりを進める計画にすべきではないのか。

② 新型コロナの爆発的感染を受け、これまでの新自由主義に基づく利益最優先の規制緩和や無秩序な開発を進めた市場原理と、自己責任論による社会保障制度の弱体化を反省し、市民の雇用と暮らし・いのちと健康を守る社会、健全な経済発展の方向を示す計画にすべきであると考えるがどうか、お答えください。

4、市民行政について

(1)平和についてです。

① 自衛隊のオスプレイは、昨年7月に1機目の飛来から数えて現在までに7機、千葉県木更津の駐屯地に暫定配備されています。今年8月からは、館山航空基地、茨城の百里基地、静岡の東富士演習場での訓練を開始しています。2022年3月末までに17機のオスプレイが木更津駐屯地に配備される計画であり、千葉市を含めて千葉県内の空を欠陥機オスプレイが飛行し、訓練を行うことになります。市民の命と暮らしを守るために、オスプレイによる飛行訓練に抗議し、中止すべきと考えます。見解を伺います。

② 武器見本市についてです。来年1月26日から28日に千葉市幕張メッセでの「DSEI JAPAN」の開催が予定されています。中東やアフガニスタンなど、武器・兵器による悲劇はとどまることがありません。武力で平和を構築することはできないことは明らかです。千葉市の幕張メッセを武器の売り買いをする会場に使うことは平和市長としてやめさせるべきではないのか、お答えください。

③ 稲毛区弥生町にある「旧東京帝国大学第二工学部の木造校舎2棟」は、戦争と地域社会の歴史を今に伝える貴重な文化遺産ですが、東京大学ではこれらを解体し、千葉大学と一部の土地を交換したうえで、敷地を開発業者に売却する計画であると報道されています。伝統的な大工技術を駆使している点など、建築学や科学技術史の観点からも貴重な建造物との評価がされており、歴史学や建築学をはじめとする多様な学問的な見地からも重要な遺産であるため、千葉市としても戦争遺跡として、また文化財として保存・活用すべきと考えるがどうか、おたずねします。

(2)千葉市市民自治によるまちづくり条例についてです。

① 市民自治によるまちづくり条例には、市民参加、協働、市民の自立的な活動の3つの柱があり、「協働」については「市民と市が同じ目的を達成するために役割を分担して協力すること」だと示されています。市民には多様な意見があることを踏まえ、市と市民は対等平等の立場で連携・協力すべきではないのか。

② 花見川図書館とこてはし台公民館の複合化の進め方については市民不在との感が否めません。また、若葉区の図書館の移転に伴う問題においても結論ありきで、利用者や地域の声が反映されているのか疑問です。まちづくり条例では「市民参加と協働の推進」をうたっていますが、大事な方針や計画の決定後に市民に周知徹底していく事が、市民参加という認識か、お答えください。

(3)ジェンダー平等についてです。

 8月6日の夜、小田急線の車内で発生した無差別殺傷事件は、「幸せそうな女性を狙った」というあまりにも身勝手なものであり、断じて許されるものではありません。今回の事件は、特定の人でなく、女性そのものに対する怨恨、「女性嫌悪(ミソジニー)犯罪」や「女性へのヘイトクライム」、あるいは「性別を理由に女性を標的とした憎悪犯罪(フェミサイド)」と指摘されています。この事件も「日本社会に根強くある女性差別が根底」にあり「自分より弱い立場の人を攻撃する」ことを正当化する傾向にあることは否めません。

① こうした事件が繰り返されないためにも、また男性も女性も連帯して社会全体が差別的な感情を払拭するためにも、あらゆる場面でジェンダー平等の推進が問われています。千葉市ではハーモニー条例の中でジェンダー平等がうたわれていますが、今後、差別的な感情を払拭するための具体的な取り組みをどう推進していくのか、おたずねします。

5、保健福祉行政について

(1)生活保護についてです。

① 8月13日メンタリストのDaiGo氏の「ホームレスの命はどうでもいい」との差別発言に批判が殺到し、炎上しました。いのちに格差を持ち込む優生思想に直結するこうした問題は看過できません。生活保護受給者に対する「ヘイトクライムを誘発する」発言にどう対処するのか、お答えください。

② コロナ禍で繰り返される緊急事態宣言等の制限がくらしを圧迫し、生活保護の利用が必要なのに申請できないといった例が少なくありません。各区での対応に差がある実態を改善し、申請は無条件で受け付けるなど躊躇なく申請できるよう支援すべきではないか。また、全区・全ケースワーカーにも徹底すべきと考えるがどうか。

③ 申請を躊躇する足かせとなっている「扶養照会」は、福祉事務所にとっても多大な負担ですが、千葉市の「扶養照会」の基準は改善されたのか、お示しください。

(2)国民健康保険についてです。

  国は「子育て世帯の経済的負担軽減」策として、来年度から国・地方の取り組みで、未就学児については国保料均等割りを5割軽減することを決めました。これまでも、所得のない子どもにまで保険料を課す均等割りには、強い批判の声がありました。子どものいる世帯にとって国保料の負担が重くのしかかり、子どもの貧困対策や子育て支援に逆行するものとなっていました。子育て支援に前向きな千葉市となるよう、独自に18歳未満まで対象を広げるべきではないのか、お答えください。

(3)バリアフリーの推進についてです。

 視覚障害者の安全確保について、2019年5月に日本共産党の塩川哲也衆院議員が東京都豊島区で視覚障害者の男性が車にはねられ死亡した事故について質問し、音響式信号機の24時間対応などを求めました。公安委員長は「視覚障害者の方の安全確保は大きな責任。予算確保に努めたい」と答弁しています。そこでうかがいます。

① 市内で視覚障害者用信号機が設置されている場所は何か所か。また、設置要望の箇所数はいくつか。

② 交差点に音響式信号機の設置を要望された場合、近隣住民の合意が得られず実施にまで至らないケースが少なくありません。東京都では必要な場合だけ音が鳴るようにする視覚障害者用信号機が設置されており、千葉市でも要望のある場所にこうした信号機を設置するよう、千葉県に求めるべきではないのか、おたずねします。

③  都内のように、車いすやベビーカー、シルバーカーなどで乗降できるユニバーサルデザインタクシーの導入を、千葉市でも推進する必要があると考えるがどうか、お答えください。

6、こども未来行政について

(1)保育所の実態調査と支援策についてです。

① 保育現場はコロナ禍の1年半、感染対策を第一にこれまでの保育を見直す努力をし、夏祭り、運動会、食育、お泊り保育などの行事や保育内容について、今まで積み重ねてきたことの到達の上に立って「コロナだからできないではなく、コロナだけどできるとことを」と模索の連続の中、奮闘しています。コロナ禍での職員の負担状況をどう把握しているのか、おたずねします。

② コロナ前に策定された事業計画に基づき、保育所の統廃合や民営化が進められていることは大問題です。災害発生時や感染症拡大時に、周辺の他園の子どもを受け入れるなど、公立園の果たした役割が注目されていますが、そのような、コロナ後の保育のあり方を踏まえて、計画を見直すべきではないのか、お答えください。

③ コロナ禍での認可保育園の巡回指導や、状況把握などは十分行われているのか、うかがいます。

(2)子ども・青年学生への支援事業についてです。

① 子ども食堂は、単に食事を提供するだけでなく、放課後の居場所として、また学習の場としての活用や、高齢者や障害者の方も含む、地域の人々とのつながりの場・コミュニケーションの手段として期待されていますが、コロナ禍の活動の影響が危惧されています。コロナ禍での子ども食堂の取り組みと支援について、おたずねします。

② 8月6日には、民生同盟千葉中部地区委員会のみなさんが千葉市への要請行動を行ない、学生の高学費の実態や、社会とのつながりがないという困難に対して、市としての支援が求められました。千葉市は困窮している学生の声に、誠実に答えることが必要です。青年や大学生の支援制度や相談窓口、責任をもって取り組む担当はどこなのか、お示しください。

③ コロナ禍で困窮する学生・青年向けに食料品や日用品を無償提供する「もってけ市」の取り組みは好評で、継続のための支援が求められています。行政が間に入り、食材や日用雑貨等、生活支援の物品を提供してくれる業界団体につなげることも含めた支援策は検討されているのか、おたずねします。

(3)もうひとつの成人式の開催についてです。

 10月31日に予定している「令和3年もうひとつの成人式」は新型コロナ感染拡大の中で行われます。若い人にも急激に広がっているデルタ株等への感染防止対策は十分と言えるのか。出席者全員のPCR検査が必要ではないのか、お答えください。

7、環境行政について

(1)金属スクラップヤードを規制する条例案は、今定例会に提出し今年10月施行としていましたが、先送りとなりました。条例制定が遅れることによる影響と、地元住民や環境へのリスクをどう考え、対応するのか、お示しください。

(2)市民とともに進める環境問題解決とごみ削減についてです。

 千葉市は、生ごみの分別収集のモデル地区における実証実験の結果、全市展開は困難としており、生ごみの発生抑制に重点を置き、普及啓発を推進していくとしています。家庭での取り組みは当然であるが、今回のオリンピックでは、ボランティア用に準備したお弁当が大量に廃棄されたことが明らかとなりました。大規模に行われる食品ロスの問題については、どのように取り組むのか、おたずねします。

8、経済農政について

 緊急事態宣言が繰り返し発出され、時短営業や酒類の提供禁止など、ルールを守っている業者ほど暮らし・営業は成り立たない状況です。

① 千葉市は、国の支援金の制度を活用するよう案内をしていますが、制度が使いにくい、また、国と市の制度を合わせても減収分を補填できるほどの金額でないなどの声が寄せられています。さらなる支援制度の創設や、拡充が必要ではないのか、うかがいます。

9、都市行政について

(1)交通問題についてです。

① 公共交通不便地域の対策と高齢者の外出支援が社会的問題となっていますが、ドアツードアで目的地までワンコインで利用できる、デマンドタクシーの早期実現が求められています。緑区での動きはありますが、これまでも各区の公共交通不便地域でのデマンドタクシーなどの実証実験を行うよう提案しています。地域ごとの交通格差解消について、基本的な方針と取り組みの現状をお示しください。

② 花見川区の北部地域は、区役所やJR総武線へのアクセスが悪く改善が求められています。地域住民や自治会などの意見を聞き、対策を進めるよう提案しますが、お答えください。

10、病院行政について

(1)コロナ禍での病床確保についてです。

① コロナ対応で公立病院の役割がますます問われています。特に青葉病院は感染症病棟を持っていることから、病床削減せずに受け入れを拡充する体制にすべきではないのか、うかがいます。

②  現在、新病院の基本計画・基本設計が進められていますが、市民にはパブコメで意見を聞いたとし、説明の場も設けられておりません。市民が利用しやすい病院を、市民とともに作り上げていくために、声を聴く場、説明する場を設ける必要があると考えます。お答えください。

11、教育行政について

(1)コロナ禍での子どもの学習支援についてです。

① デルタ株による子どもの感染リスクが深刻化する下での、新学期スタートとなっています。千葉市の対策は短縮授業であり、感染リスクの減少に向けた対策としては実効性に乏しいといえるのではないでしょうか。子ども一人一人に用意されているギガタブを使ってのオンライン授業など、環境整備も含めて実施が必要であると考えますがどうか、おたずねします。

② 教育現場からは、コロナ禍で多様化するニーズに応えるためにも人手が足りないとの悲痛な声が届いています。一人一人の子どもを丁寧にみるためにも教員を増やして、学級を小規模にして教員の負担を減らすべきではないのか、お答えください。

(2)通学路の安全についてです。

 八街市での小学生5人を巻き込み死傷させた事故は、改めて通学路の安全対策を問うものでした。党市議団は、7月26日に、通学路安全対策の早期実現を求める申し入れを行っています。そこでうかがいます。

① これまでの取組みと現在の取組み状況について

② 改善が必要な通学路については、予算を組んで計画より前倒しで実施すべきと考えるがどうか、お答えください。

(3)社会教育委員と生涯学習審議会の委員についてです。

 5月24日の千葉市社会教育委員会議において提案された「生涯学習審議会と社会教育委員会議の統合」については、社会教育委員からも議会からも抗議の声が寄せられ、2回目の7月26日の会議では「社会教育委員の生涯学習審議会委員への就任」と訂正され、事務局から拙速であったとのお詫びとともに「統合」ではなく「社会教育委員が生涯学習委員を兼務してもらう」との説明がなされました。そこでうかがいます。

① 生涯学習の推進にかかる課題があるため、社会教育委員を加えるとの説明ですが、現状の生涯学習審議会委員の活動を軽視しているのではないか。

② 生涯学習審議会の現在の委員数15人を変えずに、社会教育委員を何人か加えれば、生涯学習に携わる委員の人数を削減することになります。しかも、8月31日の社会教育委員の会議では、生涯学習審議会の委員構成について「内規」がないことが明らかになりました。規定がない中で決めるべきものなのか、問われるがどうか。

③ 本来、社会教育委員会議は教育委員会が諮問できる機関であり、専門家や有識者が千葉市の課題、少子高齢化やDV、社会保障、防災などについて調査研究などを活発に議論する役割があり、そうした運営にしていくべきではないのか、お答えください。

以上で1回目の質疑と致します。

2回目の質問を行ないます。

1、はじめに、市長の基本姿勢についてです。

 緊急事態宣言が延長され、市民には引き続き自粛と我慢が強いられることになりました。ワクチン接種が進んでも、完全にコロナが抑え込めるのかは疑問であり、市民は不自由で不安な毎日を送っています。

  この要因はすべてこの間の安倍・菅自公政権のコロナ対策の無為無策による人災であり、国民のいのちと暮らしを守るためには、新しい政治に切り替えることが不可欠です。市民と野党4党は9月8日、憲法に基づく政治の回復や、科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化など、6項目について野党共通政策の提言に合意・署名しました。

① 市民のいのちとくらしに責任を持つ市長として、市民と野党4党が合意した共通政策についてどう受け止めているのか。

② コロナ禍で市民のいのちやくらしが脅かされているときに、新しい市長としてこれまでの無駄な開発を抑制すべきではないのか。市民が不利益を被ることが無いよう市政運営に取り組むべきだが、神谷市長の「改革を継承し新たな創造へ」の言葉と、実際の市政運営が乖離しているのではないか。

③  行政が行うべきは、地方自治体の本旨「福祉の増進」ですが、社会的に弱い立場の市民を切り捨てる政策を改めず、続けるのはなぜか。熊谷知事からの「継承」に縛られることなく、支援を必要としている市民の声を受け止めないのか。暮らしを優先する税金の使い方に改めるべきではないのか。

④ 「もうこれ以上は限界だ」との窮状を訴える事業者の声が寄せられています。緊急事態宣言の延長による営業への影響は甚大です。いのちが危ぶまれ暮らしも営業も先行きが見えない中で、業者が倒産するのを見過ごしていていいのか。売上減少を全額補填するなど総合的支援が求められているのではないのか、お答えください。

2、つぎに新型コロナ対策について

1回目の市長答弁では、パラ開催の行動抑制がきかなくなる矛盾について「パラリンピック学校観戦は、市内での開催であることに加え、会場まで借り上げバスでの移動、会場内の安全な動線確保、着席時に一定の間隔を空けるなどの対策を講じることで、感染リスクを抑えることが可能であると考え、実施を判断した。」という答弁でした。感染増加の実態と乖離した答弁であり、遺憾です。危機管理とは最悪を想定し、それを見越した取り組みが求められるわけですが、後手後手な対応は否めません。千葉市は新たに災害などが起きた際、初動を迅速に行うため、局長級の危機管理監を配置しました。市民の多数が入院できずにいる災害事態において全庁挙げた危機管理体制を強化すべきと考えます。

① 保健所の人員不足は深刻で健康観察や積極的疫学調査にも影響が出ています。危機管理部門も含めて全庁上げた人員配置体制を見直すことは当然であり、医療や感染症の専門家の意見を聴取するなど、特に科学的な知見で人員体制を強化すべきと考えますが、市長の見解を伺います。

 次に、ワクチン接種についてです。中央コミュニティセンターでの夜間接種の予約が7日開始されたものの10分程度で予約が埋まりました。先の第2回定例会においても、かかりつけ医をもたない現役世代のワクチン接種迅速化には集団接種会場の増設が必要と繰り返し我が党は求めてきましたが、増設を図れないことは極めて遺憾です。今後3回目の接種も想定されることから、速やかに全区に拡充し、「予約が取れない」という市民を一人でも解消することが市長の責務と考えます。

② ワクチン接種予約が集団接種会場に集中するなか、若年層のワクチン接種を進めるためには集団接種会場の増設が必要であり、未設置区の稲毛区、美浜区、緑区に設置して迅速な接種に努めることが改めて強く求められているがどうか。

 次に、医療提供体制についてです。先の市長答弁では「酸素ステーションを設置した」との答弁でした。一時的に対応をする措置は必要であるものの、わずか4床では、今の多くの入院者が断られ最長8時間も病院に搬送されないという非常事態には不十分としか言いようがありません。昨年度、千葉県は幕張メッセを臨時の医療施設にしようとした計画がありました。しかし、当時の熊谷市長が先頭に立って反対して構想は潰れ、いま深刻な医療崩壊状態になっています。

③ 多くの市民が保健所の連絡も行き届かないなか、孤独に自宅療養しています。急変して命をなくすリスクに1245名がさらされている、いま市長がすべきは、臨時の医療施設の設置を熊谷県知事に強く要請すべきではありませんか。速やかに千葉県と連携し協議を進めるべきですが、神谷市長の幕張メッセを使った臨時の医療施設を設置することについての考えをお示しください。

 次に、パラ学校観戦問題と検査拡充についてです。先の市長答弁は「感染経路は特定できなかったものの、教育活動上の感染の可能性があると考えられることからクラスター認定された。」とのことでした。パラ観戦を行った学校で10名の感染者が出てクラスターに発展したことを重く受け止めるべきです。ここで大きな問題なのが、デルタ株の感染力を軽視し、従前のままの対策で観戦強行し、コロナ感染者を出したということであり、真摯に反省すべきです。子ども達を命の危険にさらした本件の失敗をこれ以上繰り返すことは許されません。

④ 事前にPCR検査で防げていた事案であることは明確です。今回我が党が繰り返し求めてきた、教員PCR検査を実施することは評価するものの、学校での感染を防ぐためには、ワクチンが打てない12歳未満の児童への定期検査の実施に踏み切るべきです。これ以上後手になることは許されません。市長、実施の決断をするべきではないのか。お答えください。

 パラ観戦問題で浮き彫りになった最大の問題点は、神谷市長が熊谷県知事の言いなりで自主判断できないということです。千葉県の多くの自治体は学校判断、自治体判断で早々に学校観戦を取りやめました。一方の千葉市は市内学校で観戦した教員の感染者が出て、多くの批判が殺到して、県知事が急遽中止を判断してそれに追随したにすぎません。

⑤ 神谷市長はなぜ千葉市独自にパラ観戦中止の決断ができなかったのですか。なぜ市民の声より知事の意向を優先させるのですか。今後は市民の声に真摯に耳を傾け運営するよう市長の政治姿勢の是正が必要です。市長の責任ある答弁をお示しください。

3、最後に、子ども医療費問題についてです。

一回目で緑区のお母さんの手記を紹介しました。子どもの病気に関わることさえ節約をせざるを得ない状況であることが切々と書かれていましたが、市長の答弁からは寄り添う姿勢が感じられません。先の答弁では「多額の財源を要している本制度を安定的に維持しつつ、子育て支援の充実・拡充が必要な新たな需要に、見直しによる財源を活用し、子ども施策全体を充実させていくためのもの」と相変わらず、多くの市民の声、とりわけ子育て世帯の多子世帯からの苦しい声に向き合う姿勢が見られないことは極めて遺憾です。

① 市長は現場主義だと施政方針演説でも繰り返し言及してきましたが、市長対話会などを9回開催するなかで、子ども医療費薬局窓口負担撤回についてそうした声は何回聞いたのか。

② 子ども医療費は通院含めて、多子世帯や持病のある家庭の負担が重く、多子世帯負担軽減や回数制限を日本共産党千葉市議団は再三求めてきました。これまで県へ要望するという答弁ですが、来年度こそ、この問題を県市間のトップ同士で話し、強く知事に迫るべきです。市長の決意をお聞かせください。

③ 令和2年度の子ども医療費の予算額は28億8,678万円、一方で決算額は22億2,683万円です。つまり不用額は6億5,994万円も出ています。この不用額や決算の実質収支57億円を活用すれば、来年から薬剤費は無料化が可能です。薬局窓口負担を撤回し、市民のために実質収支を子育て施策にまわすべきです。お答えください。

3回目

 新型コロナ感染症で、文字通り市民のいのちとくらしが脅かされているもとで、市議会が果たす役割が問われています。

 明日からの決算審査分科会において、真剣で誠実な審査を行うことを申し上げて会派を代表しての質疑を終わります。

もりた真弓議員の代表質疑に対する答弁   2021.9.15

【神谷市長答弁】

1、市長の基本姿勢について

新型コロナウイルス感染症防止対策

 はじめに、新型コロナウイルス感染症防止対策についてお答えします。

 まず、パラリンピック学校観戦を強行したことが、矛盾したメッセージとなり、市民の信頼と協力が得られにくくなったと考えるとのことですが、コロナ禍においても、感染リスクが抑えられ実施可能なものは実施し、教育機会の確保を図るという観点から、パラリンピック学校観戦は、市内の開催であることに加え、会場まで借上げバスで移動、会場内の安全な動線確保、着席時に一定の間隔をあけるなどの対策を講じることで、感染リスクを抑えることが可能であると考え、校外学習や修学旅行等の教育活動と同様の基準により実施を判断しました。パラリンピック学校観戦後、引率した中学校教員が体調不良となり、PCR検査の結果陽性となったことを受け、保護者や市民の皆様から感染継続に対する不安の声が多く寄せられ、保護者の不安を完全に払拭し、ご理解ご協力を得ることは難しい状況であったと認識しております。今後も、子どもたちの学習や貴重な体験の機会確保のため、感染リスクの精査と予防対策を十分に行い、教育活動の展開を検討して参ります。

 次に、保育園、子どもルーム等の職員・従事者等への検査についてですが、抗原検査が簡単に行えるキットが、9月下旬ごろに国から配布されることとなっており、これにより、職員に軽微な咳や喉の痛み、微熱などの症状が出た場合などに、研修を受けた職員の管理下において、検体の自己採取が行えるなど、迅速な検査を効率的に行うことが可能となります。このことから、PCR検査につきましては抗原簡易キットで陽性が出た場合に行うこととしました。また、幼稚園については、別に千葉県を通じて抗原簡易キットが配布される予定ですが、不足した場合は保育所分を融通するなど、市として就学前児童が利用する施設全体に対して、キットが行き届くよう工夫して参ります。なお、子どもたちへの検査については、検体の自己採取ができないなど抗原簡易キットは使用できず、PCR検査についても効果や費用を考慮し、現時点では予定しておりませんが、症状が出た場合には登園を控えるようお願いしており、必要に応じて医療機関による検査が行われているものと認識しております。

 次に、希望する市民への検査についてですが、本市では、症状のある方、濃厚接触者などのほか、感染リスクの高い方、重症化リスクの高い集団などに対して、感染拡大防止のための検査を実施することが適当と考えており、希望する方々へのPCR検査対象の拡大については、その効果や費用等を慎重に判断する必要があると考えております。

 次に、50代以下の接種を加速するための集団接種会場の増設、平日夜間・休日の接種拡大についてですが、本市では、市医師会のご協力により、かかりつけ医など身近な医療機関で接種を行う個別接種を中心に行い、補完的に集団接種を実施する体制で接種を進めるとともに、ワクチンの供給量に応じた接種体制の構築を進めて参りました。具体的には、先月下旬以降は個別接種医療機関へのワクチンの配送量を増やすことに加え、さらなるワクチンの追加配送を希望する医療機関に対し、かかりつけ患者以外の一般の方への予約受け入れを可能としている医療機関に重点的に配送することとしております。また、集団接種会場「千葉中央コミュニティセンター」では、日中仕事をしている働く世代の方が、より接種が受けやすくなるよう、月曜日から金曜日までの夜間接種を先週から開始しております。さらに、集団接種会場「イコアス千城台」では、休日の接種枠を拡充したほか、新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいとされている妊婦の方や同居するパートナーなどへの優先接種も行っております。引き続き、ワクチン接種を希望する市民の皆様が、一日も早く接種することができるよう、事業の推進に努めて参ります。

 次に、緊急に酸素吸入や抗体カクテル療法などを提供できる施設の整備を図り、更なるホテル療養確保に取り組むことに関する本市の見解についてですが、本市では、本年9月7日から、宿泊療養施設に「酸素ステーション」を設置し、緊急搬送を要請したものの、緊急性が高くないと判断された自宅療養者で、そのまま自宅療養を続けることが困難と思われる方を一時的に受け入れて、酸素投与等の措置が可能な体制としました。また、抗体カクテル療養はアナフィラキシーショックなどの副作用が報告されていることから、医療機関以外で実施する場合は、安全性や医療従事者の確保の観点から課題があると考えておりますが、市内の医療機関において、宿泊療養施設の入所者に対して抗体カクテル療法を実施した事例があることから、今後は、医療機関と宿泊療養施設との連携について検討して参ります。なお、新たな宿泊療養施設の確保については、補正予算案を今議会に追加で提案することとしております。

 次に、幕張メッセを使って県と連携し「臨時の医療施設」を設置することが必要と考えるがどうかについてですが、本年7月下旬以降の感染者の急増により、病床がひっ迫しているため、入院が必要であるにもかかわらず、自宅で療養されている方もいることから、病床の確保が喫緊の課題であると認識しております。しかしながら、幕張メッセを活用して「臨時医療施設」を設置することについては、医療従事者の確保や、建物の構造上、汚染区域と清潔区域のゾーニングが容易ではないなどの課題があると考えております。このため、これまで県において、県がんセンター旧病棟を活用した「臨時の医療施設」の設置のほか、民間医療機関に対して、さらなる病床確保を要請していることに加え、本市としても転院受入協力制度の活用や、宿泊療養施設を設置して軽症者等の受入れを行うことにより、重症者等のための病床を確保してきたところです。今般、新たな宿泊療養施設を確保するため、補正予算案を今議会に追加で提案する予定であり、引き続き、病床の確保に努めて参ります。

 次に、現場からの反対の声や市民の声並びに生徒における感染状況及び学校におけるクラスター発生状況の動向についてですが、パラリンピック学校観戦については、一律に参加を求めるものではなく、参加を希望する児童生徒が保護者の同意のもとに参加するものとして、コロナ禍においても、感染対策を十分に行うことにより感染リスクを抑えることで、実施が可能であって、教育効果が高い活動という認識に立ち、貴重な体験の機会として実施することとしました。学校観戦を実施した前後の感染者数に特段の差異は認められません。また、保健所の調査により、感染経路が不明ではありますが、若葉区内の市立中学校1校でクラスターが確認されております。

 次に、感染者を発生させたことについて陳謝すべきであるとのことですが、今回の若葉区内市立中学校におけるクラスターでの保健所調査では、感染経路は特定できなかったものの、学校教育活動上の感染の可能性があると考えられることから、クラスター認定されました。感染経路が特定できていないとは言え、学校教育活動上でのことであり、学びの環境を整え、教育機会を確保する意味においては、本市として感染予防対策を徹底する責任があると考えております。また、会場での観戦を楽しみにしていた児童生徒の皆様、プログラム参加にあたって不安を感じさせてしまった保護者の皆様、準備により負担をおかけした現場の教職員の皆様には大変申し訳なく、心よりお詫び申し上げるとともに、今回感染が判明した方々の早期の回復を祈念しております。

選挙公約と所信表明から見た市政運営について

 選挙公約と所信表明から見た市政運営についてお答えします。

 まず、「緑区の6人の子どものお母さんの手記」について、市長の感想はどうか、とのことですが、子ども医療費の保険調剤に係る保護者負担の導入は、児童福祉に関する事業費が毎年度増加する中、地方単独事業として多額の経費を要している、子ども医療費助成制度を安定的に継続させていくとともに、制度の見直しによって生じる財源を専科教員の充実や児童相談所の体制強化等の子育て支援に関する新たな需要に活用し、子ども施策全体の充実を図るため、子どもの健康維持という制度の趣旨が損なわれない範囲で、必要最低限のご負担を頂くこととしたものであります。少しでも保護者の皆様の負担感を緩和できるよう、多子世帯に対する軽減や、月当りの負担回数の上限設定などの制度化について県に求めており、今後も引き続き、制度の創設や拡充に関して国や県へ要望して参ります。

 次に、子ども施策全体の充実を図る費用への対応についてですが、今後、市税収入の大幅な伸びが期待できない中、新たに生じる緊急性、必要性の高い事業の財政需要に対応するためには、既存の事務事業の見直しを進めることにより生じた財源を効率的に活用することが必要と考えております。子ども医療費助成制度における保険調剤への保護者負担の導入は、地方単独事業として多額の財源を要している本制度を安定的に維持しつつ、子育て支援の充実・拡充が必要な新たな需要に、見直しによる財源を活用し、子ども施策全体を充実させていくためのものであり、将来にわたって持続可能な行財政運営を推進するため、限られた財源の効率的な配分を行うものであります。

大型開発を見直し、くらし優先の政治に

 次に、大型開発を見直し、くらし優先の政治にすべきとのことですが、これまで、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける方々への支援を最優先に取り組むなど、市民生活の向上に向けた取り組みを進めてきたところであり、引き続き、ニーズや実態を踏まえた施策を着実に実施して参ります。市民生活の支援に最大限取り組む一方で、都市の魅力、活力の向上を生み出し、本市の持続的発展に資する事業については、将来負担に配慮しつつ、着実に推進していく必要があるものと考えており、引き続き、事業の重点化や事業費の精査に努めて参ります。

カーボンニュートラルの取組みについて

 次に、カーボンニュートラルの取組みについてお答えします。

 まず、産業部門の削減率が低いのは、大企業に対して削減を求めきれない姿勢の正ではないのか、についてですが、本市の産業部門の削減目標値については、平成28年に改定した現在の千葉市地球温暖化対策実行計画に位置付けているもので、業種ごとの技術革新の動向も踏まえた国の目標値設定の考え方に基づき、本市の業種構成比率等を踏まえ設定したものです。本市では大企業を含む31社と環境保全に関する協定を締結しており、エネルギー使用量の大きい企業に対しましては、温室効果ガスの排出抑制の取組み等を求めてきたところです。しかしながら、地球温暖化防止に対する我が国をはじめ、世界各国の取り組みは強化されており、本市においても、昨年11月に産業部門を含めた、あらゆる主体が更なる行動を起こすべく、「千葉市気候危機行動宣言」を公表し、2050年のカーボンニュートラルをめざすことといたしました。 さらに、今年度からは、新たな千葉市地球温暖化対策実行計画の策定にも着手しており、その中で、国の削減目標等も踏まえながら、本市における産業部門に係る新たな削減目標を設定するとともに、温室効果ガス削減に向けた取り組みをさらに進めて参りたいと考えております。

 次に、プラスチックの分別収集についてですが、プラスチックごみの発生抑制や再資源化の推進は、本市にとりましても、重要な課題と考えております。また、国においては、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が成立し、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理まで、あらゆる主体が、プラスチック資源循環に取り組むという方向性が示されたところであり、今後とも、国の動向等を踏まえた検討が必要であると認識しております。一方、再資源化については、費用面等の課題も多いことから、リサイクル形態ごとの効果やコストを明確にするとともに、費用負担の軽減策等を十分整理した上で取り組む必要があるものと考えております。このような認識から、本市におけるプラスチックごみの削減や再資源化の方向性及び、取組みにつきましては、国や他都市の動向等を十分に注視しつつ、民間事業者との連携も視野に入れながら、令和5年度を開始時期とする一般廃棄物(ごみ)処理基本計画の中で整理して参りたいと考えております。

 次に、再生可能エネルギーの取り組みに関する千葉市の計画についてですが、カーボンニュートラルの実現に向けた対策のうち特に重要となるのが、消費エネルギーの削減とともに再生可能エネルギーの創出・活用であると考えております。再生可能エネルギーについては、住宅に対する太陽光発電設備やゼロ・エネルギ・ハウス、いわゆるZEH(ゼッチ)にかかる費用助成など、普及に向けた支援を行ってきたところです。 今後、さらなる取組みが必要となることから、これまでの取組みを継続するとともに、次期千葉市地球温暖化対策実行計画を策定する中で、環境面はもとより、地域経済の振興等の視点からも再生可能エネルギーについての検討を行って参りたいと考えております。

2、決算について

 次に、決算についてお答えします。

 まず、必要な事業に補正せず、57億円の実質収支を確保したことが適切であったのか、とのことですが、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、市民生活の維持・向上を図るために必要な施策については、国庫支出金や県支出金などを積極的に活用することで、補正予算案等の措置を講じており、施策の着実な実施と財政負担の軽減を図って参りました。このことに加え、市税が予算に比べ増収になったことや、効率的な予算執行に努めた結果、令和2年度の決算では57億円の実質収支を確保したものであり、市民サービスの充実を図りつつ、将来に向けて責任のある財政運営を行うことができたものと考えております。

次に、福祉カットによるのではなく、市税収入の増額分により、喫緊の課題に必要な費用を賄うべきではないか、とのことですが、今後、市税収入の大幅な伸びが期待できず、また、基金借入金残高が多額であるといった課題を抱える中、新たに生じる緊急性、必要性の高い事業の財政需要に対応しつつ、将来に向けて持続可能な行財政運営を推進するためには、既存の事務事業の見直しを進めることが必要と考えており、引き続き、事業の重点化を図りながら、市民サービスの充実に努めて参ります。

 次に、実質公債比率が財政健全化プランの14%となるまで市債を発行した場合の発行額と市民一人当たりの投資的経費を政令市平均まで引き上げ、その全てを建設事業債として発行した場合の発行額についてですが、実質公費比率を令和2年度決算の11.8%から14%まで引き上げるには、市債の従前の発行額に加え、新たに総額で1,300億円程度の発行を要するものと試算されます。また、令和2年度の市民一人当たりの投資的経費について、政令市平均まで引き上げ、その全額を建設事業債として発行するものとして試算すると、約92億円発行できることとなります。

 次に、市民一人当たりの投資的経費を建設事業債の発行により政令市平均並みに引き上げ、事業を進めることについてですが、本市の財政状況は、実質公債費比率が、令和2年度の決算で財政健全化プランの目標値である14%を下回る11.8%となるなど、公債費負担の低減は概ね順調な進捗状況となっておりますが、一方で、基金からの借入残額が多額であり、また、今後も市税収入の大幅な伸びが期待できない中、社会保障経費に多額の財政需要が見込まれるなど、依然として財政運営上の課題を抱えております。将来的な公債費負担や各種財政指標への影響を踏まえますと、引き続き、適正規模の市債発行に努める必要があるものと認識しており、将来負担に配慮しつつ、必要な建設事業について計画的かつ着実に取り組んで参ります。

 次に、コロナ禍で必要な事業が山積している時に、財政調整基金の活用を中止したことは、不適切な財政運営ではないか、とのことですが、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、長期的な対応が想定されることから、財政出動にあたっては、国・県から措置される補助金など、感染症対策に限定した財源から優先的に活用することとし、なお不足が生じる場合には、財政調整基金等を機動的に活用し、補正予算等を措置することとしております。昨年の4月から5月にかけて、補正予算を編成した段階では、財源に財政調整基金繰入金を計上したところですが、その後に交付額が示された地方創生臨時交付金の活用や、学校特別教室エアコン整備への市債の充当など、積極的な財政活用を図った結果、財政調整基金からの繰り入れを取りやめたものであります。

 次に、基金借入金についての評価と対応についてですが、基金借入金については、過去に、政令市移行に伴う都市基盤整備等に起因した収支悪化に対応するため、やむを得ず、市債管理基金等から年度を越えた借り入れを実施してきたところですが、その後、財政健全化プランに基づく取組みを進めた結果、借入残高は、平成25年度の312億円をピークに徐々に縮減が図られ、令和2年度では237億円となっております。 基金借入金が多額であることは、財政運営上大きな課題であると認識しており、引き続き、健全な財政運営を進め、早期の解消に努めて参りたいと考えております。

3、次期基本計画について

 次に、次期基本計画についてお答えします。

 まず、過密の緩和やバランスの取れたまちづくりを進める計画とすべきではないかについてですが、次期基本計画の原案では、豊かな自然がもたらす空間のゆとりと、充実した都市機能による高い利便性が生み出す時間のゆとりを本市の特性として位置づけ、これらを生かすことにより、災害や感染症のリスクが高まる中においても、市民一人ひとりが創造性を発揮でき、活力にあふれるまちの実現に取り組むとしております。この考えを踏まえ、「目指すべき都市構造」において・豊かな自然と人が共生する「みどり」 ・交流を生み、多様な産業の集積を生かし新たな価値の創出を支える「しごと」 ・居心地のよい生活圏を形成し、多様なライフスタイルを支える「くらし」の3つの都市構造からなる将来像を定めており、気候変動や災害等のリスクに対応し、安心して暮らせるまちづくりに取り組んで参りたいと考えております。

 次に、市民の雇用と暮らし・いのちと健康を守る社会、健全な経済発展の方向を示す計画にすることについてですが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、都市にとって感染症が大きなリスクとなることが明らかになったことから、本市の特性である都市機能と自然が生み出すゆとりを生かすとともに、テクノロジーを活用し、感染拡大防止と社会・経済活動を両立していくことが重要であると考えております。このような認識のもと、次期基本計画の原案においては、分野別の施策に、企業のデジタルトランスフォーメーションの促進、環境や社会にも配慮した民間事業者の投資や雇用の促進など、地域経済の更なる活性化に向けた取り組みとともに、医療提供体制の充実や健康危機管理体制の強化など、市民のくらしを守る取り組みなどを盛り込んでいるところです。

4、通学路の安全について

 次に、通学路の安全についてお答えします。

 まず、これまでの取り組みと現在の取り組み状況についてですが、平成26年11月に策定・公表した、「千葉市通学路交通安全プログラム」に基づく合同点検と、セーフティウォッチャーの適正配置や取り締まりの強化及び車止め、防護柵、路面標示などの安全対策を継続的かつ計画的に実施しております。また、八街市での事故後、改めて、各市立学校に対して通学路の安全の更なる徹底と要注意箇所の再確認・再点検を依頼しました。8月31日時点で、合せて133箇所の点検要望が学校から寄せられておりますが、道路管理者、交通管理者である千葉県警察による、さらに対応が必要な箇所の抽出も含め、点検を行い、9月中に対策箇所を決定する予定としています。その後、それぞれの現場の状況を踏まえた対策案を検討し、即効性のあるものから速やかに実施して参ります。

 最後に、改善が必要な通学路については、予算を組んで計画より前倒しで実施することについてですが、平成28年度から令和6年度までの9年間で120キロメートルの整備を計画している「通学路のカラー化計画」については、計画を2年前倒しし、残る50キロメートルの整備を4年度の完了を目途に進めて参ります。また、現在行っている点検の結果を受け実施することとなる車止め、防護柵及び路面標示などの安全対策についても速やかに実施して参ります。これらの安全対策の実施にあたっては、できる限り国債の活用を図り、対策を進めて参ります。

【鈴木副市長答弁】

選挙公約と所信表明から見た市政運営について

 市長答弁以外の所管についてお答えします。

 市民の生活の厳しさをとらえて生活保護者への下水道使用料負担を撤回すべきとのことですが、生活保護法により支給される生活扶助には、下水道使用料が含まれていることから、負担の適正化を図るため、生活保護受給世帯の減免措置は、昨年4月に廃止しました。廃止にあたっては、経過措置も講じてきたところですが、本年10月分から下水道使用料は通常請求に移行することから、引き続き、納入に関する問い合わせ等には、丁寧に対応して参ります。なお、10月からは、新たに生活困窮世帯等を支援するため、生活困窮者自立支援法による住居確保給付金、又は、生活保護法による就労自立給付金の受給世帯対する減免制度を設けることとしております。

 次に、防災減災の取組みについてお答えします。

 まず、先の土砂災害や豪雨災害を踏まえた、災害に対する備えの改善についてですが、本市では、過去の災害の教訓等を踏まえ、災害時の速やかな避難のために、本年1月より、より身近な町内自治会集会所を地域の避難施設として活用する「地域避難施設認定制度」を開始したほか、避難所の開設準備情報などで、避難所運営委員会が必要とする緊急情報を、電子メールで迅速に情報伝達する仕組みを整えたところであります。さらに、新型コロナウイルス感染症が蔓延する中にあっても、災害への備えが滞ることがないよう、感染症対策に留意した上で、できる限り避難所開設運営訓練を実施するなど、災害対策の強化を図っているところであります。今後も引き続き、全国で多発する大規模災害の教訓を踏まえ、災害時の被害を最小限にとどめられるよう、防災減災の取り組みを進めて参ります。

 次に、ハザードマップの紙ベースでの情報提供と小学校区単位でのマップについてですが、本市が警戒すべき自然災害は、地震・津波・洪水・高潮など多種にわたり、その規模も多様なものとなることや、新たな被害想定や土砂災害警戒区域の追加など、ハザードマップの更新の頻度が多くなっていることなどから、令和2年4月から、WEB版での公表を原則としているところであります。一方で、パソコンやスマートフォンが使えない方についても、ハザードマップの情報は重要であるため、この9月中に、各区役所及び市役所にA3サイズまで印刷可能なカラープリンターを追加導入して、紙ベースでも提供できる体制づくりを進めているところです。なお、WEB版のハザードマップは、地域の範囲を任意に調整することが可能であり、小学校区が含まれる範囲など、目的に応じた印刷が可能な仕様となっております。このほか、防災活動のリーダーを育成する、防災ライセンス講座では、防災マップの作り方に関する講義を行っており、地域の皆様が身近な情報を反映するマップ作りを支援しているところであります。

 次に、防災行政無線の強化と、防災ラジオの普及で確実に情報を届けることについてですが、防災行政無線による広報は、高い建物や地形などによる周辺環境の影響や住居の遮音性の向上などにより、すべての市民の皆様へ情報をお伝えすることが難しい状況にあることから、今後、屋外スピーカーを増設する予定はありませんが、放送内容を確認できるテレホンサービスや、電子メール・各種SNSなど、情報発信手段の多重化を図るとともに、市民の皆様には平常時から情報入手手段を確保していただくよう周知啓発を行い、より多くの方々への情報伝達に努めているところであります。 また、防災ラジオについては、現行のアナログ無線設備の、使用期限を迎える来年11月末には、これまでのアナログ無線対応では防災情報を受信できなくなるため、新たにデジタル無線対応の防災ラジオの導入や、活用方法、貸与する対象者などを検討して参ります。

 次に、防災用テントの備蓄の充足についてですが、本市では、避難所の感染症対策や避難環境向上のために、学校では教室等を優先的に使用することや、町内自治会集会所の活用、車中泊避難場所の確保など、分散避難を進める中で、避難者のプライバシーの確保などを図っているところであります。また、昨年度は、令和元年の台風における、ピーク時の避難者数でも対応できるよう、防災用テントを整備したところであり、体育館で避難生活を送る場合には活用していただくこととしております。今後も引き続き、プライバシーの確保をはじめとする避難環境の向上を図るため、分散避難先の確保を進めるとともに、避難所等で必要となる物資については防災用テントに限らず、充実を図って参ります。

 次に、マンホールトイレ設置場所の考え方と訓練等についてですが、設置場所について、当初は、震災時の使用を想定し、耐震性能を有する下水道管に接続している既存の汚水枡を使用することとし、学校関係者と協議の上、設置しておりました。しかしながら、一部の施設については、避難所となる体育館や水源から距離が遠いなど、利便性について課題があると認識しております。このことから、現在は、体育館との距離、水源の場所、緊急車両の通行などを考慮したうえ、必要に応じ汚水枡を新たに設置することとし、学校関係者に加え避難所運営委員会のご意見も取り入れ総合的に判断し、避難者の利便性に配慮した場所に設置しております。また、訓練等につきましては、災害時に円滑にマンホールトイレを設置運用できるよう、避難所担当の直近要員の訓練メニューに取り入れているほか、設置運営方法等を解説する動画をホームページで公開して、周知啓発を図っているところであります。今後も引き続き、職員訓練や動画の周知を図っていくとともに、防災に関する研修などでの普及について検討をして参ります。

 次に、停電による被害を未然に防ぐ、公道に面した樹木の伐採などについてお答えします。本市では、災害に強いまちづくり政策パッケージなどにおいて、街路樹や学校敷地内の危険木の伐採、緊急輸送道路、送配電施設等の重要インフラに近接する森林整備の促進など、電力の強靭化を進めているところです。一方、平時における予防的伐採を進めていくにあたっては、樹木の管理を求められる山林所有者、電柱や電線等を設置する電力事業者及び自治体間での役割分担や費用負担の分担等の課題のあることから、本年5月には、九都県市首脳会議を通じて、国に対し電力供給網の予防保全を図るため、危険木の事前伐採を迅速に進められるよう、国において自治体や電力事業者等の関係者間の役割及び費用負担の在り方を示すなど、必要な支援を行うことについて要望を行ったところであります。今後も引き続き、要望に対する国の動向を注視するとともに、本市における電力の強靭化に関する各事業を進めて参ります。

平和について

 次に、平和についてお答えします。

 まず、オスプレイによる飛行訓練に抗議し、中止すべき、についてですが、本市では、千葉県を通じて、国からの情報提供を受けておりますが、オスプレイによる飛行訓練を含め本市への影響については未確認な状況であり、引き続き情報収集に努めるとともに、必要に応じて、国に情報提供を求めるなど、適切に対応して参ります。

 次に、幕張メッセで行われるイベントについて、平和都市宣言を掲げる市長として会場使用をやめさせるべきではないかについてですが、会場使用にあたっての施設利用の可否は、指定管理者である株式会社幕張メッセが、千葉県の「日本コンベンションセンター国際展示場設置管理条例」等の規定に即して判断するものと認識しております。

バリアフリーの推進について

 次に、バリアフリーの推進についてお答えします。

 ユニバーサルデザインタクシーの導入についてですが、昨年11月に示された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく国の基本方針においては、ユニバーサルデザインタクシーの導入率について、令和7年度末までに、各都道府県におけるタクシー総車両数の約25%とする新たな目標が設定されております。 一般社団法人千葉県タクシー協会によると、本市及び四街道市を営業区域とした千葉支部圏内における昨年度末の導入実績については、総車両数1,623台のうち160台、導入率は約10%となっております。バスやタクシー等の車両も含めた公共交通のバリアフリー化については、本年3月に策定した千葉市バリアフリーマスタープランにおける「バリアフリー化の目標と基本的な方向」の一つに示していることから、今後、交通事業者の導入促進に向けた取り組みに協力するとともに、その状況を注視して参ります。

金属スクラップヤードを規制する条例について

 次に、金属スクラップヤードを規制する条例についてお答えします。

 金属スクラップヤードを規制する条例制定が遅れることによる影響と地元住民や環境へのリスクをどう考え、対応するのかについてですが、罰則規定を設けた実効性のある条例を早期に制定すべく、千葉地方検察庁と協議を行っておりますが、現在も協議を継続しているところであります。

 条例制定が遅れることにより、スクラップヤードの新設が懸念されますが、環境局、都市局、消防局による合同立ち入り調査により、条例制定を見据えた保管方法の助言・指導を行うとともに、関係部局における情報の共有化や、重点的なパトロールの実施、さらには既存の法令による指導など、あらゆる手段を講じ、スクラップヤードに対し厳正に対応して参ります。

環境問題解決とごみ削減について

 次に、市民とともに進める環境問題解決とごみ削減についてお答えします。

 大規模イベント等における食品ロスについてですが、イベント等において発生する食品ロスについては、主催者や発注者の食品ロス削減に対する意識の向上が課題であると考えております。本年における食品ロスへの対応に関しましては、コロナ禍にも配慮しながら、市ホームページやリーフレット、などでの情報発信のほか、ホテルや飲食店と連携した食べ切りキャンペーンの実施、事業用大規模建築物への立ち入り調査による適正排出指導などにより、発生抑制や資源化の周知啓発に努めているところですが、引き続き、イベント主催者等も含めて、適正な数の発注を行うことなど、食品ロスの発生抑制につながる指導、食品ロス削減に対する意識を高めるための周知・啓発に努めて参ります。また、次期千葉市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画では、食品ロス対策に係る部門を定めることとしており、更なる食品ロスの発生抑制に向けた新たな視点での取組みについても検討したいと考えております。

事業者支援について

 次に、事業者支援についてお答えします。

 緊急事態宣言による事業者支援について、さらなる制度の創設や拡充が必要ではないかについてですが、本市では、国の支援金の対象外となる事業者向けに、本年1月分から9月分までを対象期間とした本市独自の支援制度を実施しております。申請方法については、国はオンラインに限定していますが、本市ではオンラインのほか、郵送を追加することで、市内の事業者がより使いやすい制度となるよう配慮しているところです。支給額については、国は売上減少率50%以上で、ひと月当たり法人20万円、個人10万円としていることから、国の支給額とのバランスを考慮し、本市は売上減少率20%以上50%未満で、ひと月当たり5万円としております。相次ぐ緊急事態宣言等の延長により市内事業者への影響は長期化しており、引き続き市内事業者の声を聞きながら、国等の支援策を踏まえ支援策を踏まえ、状況に応じた有効な支援策を検討して参ります。

交通問題について

 次に、交通問題についてお答えします。

 まず、地域毎の交通格差解消の基本的な方針と取組みの現状についてですが、現在策定を進めている千葉市地域公共交通計画の素案においては、公共交通の利用しやすさから市域を4つのエリアに区分した上で、交通サービスレベルが高いエリアでは、既存の交通サービスの利便性の維持・向上等を図ることとし、公共交通不便地域を含む交通サービスレベルが低いエリアでは、移動手段の維持・確保のため、地域の多様な輸送資源を活用するなど、交通サービスレベルや地域の特性に応じた施策について検討を進めることとしております。現在、公共交通不便地域については、緑区高津戸地域をモデルに、地域の移動実態を把握するためのアンケートを実施したほか、地域の皆様と地元協議会を設立し、地域における移動需要や課題等の把握に向けた取り組みを始めたところです。また、比較的交通サービスレベルの高い地域においても、スポット的に公共交通へのアクセスが困難な地域などがあることから、昨年度、若葉区桜木地域においてグリーンスローモビリティの実証調査を実施し、利用者やボランティアとして運転手を務めてくださった地域の皆様にも好評だったことから、今後の活用についても検討を進めているところです。引き続き、それぞれのモデル地区において、地域特性を踏まえた移動手段の確保やその支援体制づくりについての調査検討を進め、連携方策や協働検討のノウハウの蓄積等を進めて参りたいと考えております。

 最後に、花見川区北部地域における、花見川区役所やJR総武線へのアクセス改善についてですが、花見川区北部地域に位置する花見川団地から、京成本線八千代台駅方面を結ぶ路線バスについては、高密度の運行されている一方で、花見川区役所やJR幕張駅・新検見川駅方面を結ぶ路線バスは相対的に少ないという状況です。これまでも、花見川北部地域における路線バスの改善などについては、自治会等からご要望を頂いていることから、地域課題の一つとして認識しており、市内バス事業者との定期的な会議において検討を依頼しているところです。しかしながら、バス事業者からは、採算性や運賃確保などのほか、コロナ禍なども含めた利用者減少などの課題を抱えており、対応が難しい状況と聞いておりますが、本市としましては、引き続き、市内バス事業者へ働きかけを行って参ります。

【川口副市長答弁】

市民自治によるまちづくり条例について

 市長答弁以外の所管についてお答えします。

 まず、市民自治によるまちづくり条例における「協働」において、市と市民は対等平等の立場で連携・協力すべきではないのかにいてですが、条例において「協働」とは、市民と市が共通の目的を達成するため。それぞれの果たすべき役割と責任を自覚し、相互に主体性を持ち、自主性を尊重しながら協力し、又は、補完することとしております。互いに違う分野で活動する者同士が、それぞれの役割と責任を自覚し、主体性を持ち、互いの自主性を尊重しながら、取り組んでいくことが重要であると考えております。

 次に、大事な方針や計画の決定後に市民に周知徹底していくことが、市民参加という認識かについてですが、条例において、市民参加については、市民が自己の意思を市の施策に反映させるために意見を述べ、又は提案することを言うものとして定めております。また、市民参加の手続きとして、パブリックコメント手続き、附属機関への付議、ワークショップの開催などの方法を定めており、これらの手続きのうち、施策の計画、決定、執行と評価の一連の過程において適切かつ効果的であると認められるものを実施するよう努めるとともに、市民参加の手続きを実施する場合は、その結果を最も効果的に施策に反映できると認められる適切な時期に実施するよう努めるものと定めております。

ジェンダー平等について

 次に、ジェンダー平等についてお答えします。

 ハーモニー条例のなかでジェンダー平等がうたわれているが、今後、差別的な感情を払拭するための具体的な取組みをどう推進していくのかについてですが、国の第5次男女共同参画基本計画においても、女性に対するあらゆる暴力の根絶がうたわれており、女性に対する暴力根絶には、社会における男女間の格差是正及び意識改革が欠かせないとされています。また、ハーモニー条例の基本理念でも「男女の個人としての尊厳が重んじられ、性別による差別的取扱いを受けることなく、個人としての能力を発揮する機会が確保され、及びその他の人権が尊重されること」と掲げており、すべての市民が男女の別なく個人として尊重され、差別や偏見のない社会を目指しております。具体的な取組みとしては、第4次ハーモ二ープランに基づき、男女共同参画センターにおける男女共同参画への認識と理解を深めるための各種講座、イベントの実施や情報誌等による周知啓発を引き続き行うほか、市内の事業者とのイクボス共同宣言において、ワークライフバランスの推進など多様性を認め合い、それぞれの家庭を大切に思いやる風土づくりに努めることとしており、今後も本市としての取組みに加えて、経済界、大学などと連携し、性別に対するイメージや考え方に基づく偏見や不平等の解消につながるよう理解促進に努めて参ります。

生活保護について

 次に、生活保護についてお答えします。

 まず、生活保護受給者に対する「ヘイトクライムを誘発する」発言にどう対処するのかについてですが、生活保護受給者に対する不適切な発言の背景には、生活保護の申請が国民の権利であるとともに、生活保護を必要とする可能性が誰にでもあることへの認識が不足していることがあると考えております。生活保護法では「すべての国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を無差別平等に受けることができる」と規定し、性別、社会的身分などはもとより、生活困窮に陥った原因の如何は一切問わず保護を行うとしております。生活保護を受給している方に対する偏見をなくすためには、あらゆる方が生活保護に対する理解を深め、誰しも生活困窮に陥る可能性があるという意識を持つことが大切であり、そうした理解や意識が醸成されるような環境を整えるため、市民の皆様向けの講座等を通じ生活保護制度の周知に努めるとともに、民生委員や社会福祉協議会などと連携し、生活保護を受けている方への偏見や差別意識が解消されるよう、生活保護制度の理解促進に向けその啓発に努めて参ります。

 次に、生活保護の申請は無条件で受け付けるなど、躊躇なく申請できるよう支援すべきではないか、また、全区・全ケースワーカーにも徹底すべきではないか、とのことですが、緊急事態宣言を踏まえ、国から生活保護業務における留意点について通知が発出され、特に、面接時の適切な対応として、生活保護制度の仕組みについて十分な説明を行い、保護の申請意思を確認し、申請の意思が確認された方に対しては、申請手続きの助言を行う必要があり、保護の申請書類が整っていないことをもって申請を受け付けない等、法律上認められた保護の申請権が侵害されないことはもとより、侵害されていると疑われるような行為も厳に慎むべきものとされております。今後とも、必要な方には確実に保護を実施するという制度の趣旨を踏まえ、各区保健福祉センター社会援護課に対し、申請権を侵害することのないよう指導して参ります。

 次に、本市の「扶養照会」の基準は改善されたのかについてですが、これまで生活保護の扶養義務調査において「扶養義務の履行が期待できない」と判断される扶養義務者には、直接の照会を行なわない取扱いとしてきたところですが、この判断基準が明確ではなかったことから、申請をためらう方がいると指摘がなされてきたところです。 このような指摘に対し、本年3月に国が保護の実施要領の取扱い等を改正し、判断基準の明確化が図られたところであります。これを受け、判断基準に該当する方には、照会を行わないよう、生活保護業務支援員等により各区保健福祉センター社会援護課に周知を図るとともに、生活保護法施行事務監査を通じ、指導しているところです。 今後も、生活保護の相談・申請を受ける際には、扶養義務者の状況を丁寧に聞き取り、判断基準に即した対応をして参ります。

国民健康保険について

 次に、国民健康保険についてお答えします。

 国民健康保険の子どもの均等割保険料の軽減について、本市独自に18歳未満まで対象を広げるべき、とのことですが、これまでも子育て世帯の負担軽減を図るため、国に対して子どもの均等割保険料の軽減措置について要望して参りましたが、来年度から未就学児の均等割保険料について2分の1を減額する法案が本年6月に成立しました。未就学児を対象とする軽減制度では、子育て世帯の負担軽減には十分であるとは言えないものの、子どもの保険料の軽減制度については、全国的に統一した制度で運用することが望ましいことから、今後も引き続き国に対して対象年齢や軽減割合について拡大を求めて参ります。

バリアフリーの推進について

 次に、バリアフリーの推進についてお答えします。

 まず、市内における視覚障害者用信号機が設置されている場所数と設置要望の箇所数についてですが、市内の、視覚障害者用信号機の設置数は、本年3月末現在で119か所あり、また、設置要望箇所数は、令和2年度9か所、元年度10か所となっております。

 次に、必要な場合だけ音が鳴る視覚障害者用信号機の設置を千葉県に求めるべきではないのかについてですが、地域住民からこのような信号機のご要望がありましたら、千葉県警察に要望して参ります。

保育所の実態調査と支援策について

 次に、保育所の実態調査と支援策についてお答えします。

 まず、保育現場におけるコロナ禍での職員の負担状況をどう把握しているのかとのことですが、公立保育所では、定期的に行うリモートによる保育所長会議などにより、民間保育園では、電話による相談や民間保育園協議会を通じて、現状を把握するよう努めております。保育現場においては、三密の状況が避けられない、子どもがマスクを正しく着用できない中で、換気、手洗い、消毒など、様々な対策を講じており、職員一人一人の努力によりコロナ禍での保育が支えられているものと認識しております。

 次に、コロナ禍後の保育のあり方を踏まえて、保育所の統廃合や民営化の計画を見直すべきではないかとのことですが、保育所として果たすべき役割には、公立と民間とでは差はないものと考えており、「公立保育所の施設管理の基本方針」に基づき、必要かつ十分な公立保育を存置した上で、公立保育所の建替えに伴う民営化や統廃合を図って参ります。

 次に、コロナ禍での認可保育園の巡回指導や状況把握についてですが、巡回指導員の体調管理を十分に行ったうえで、施設の内部までは入らず事務室で施設長から聞き取りを行うなど、コロナ禍においても可能な限り、各園を巡回し、直接保育現場の状況把握を行っております。また、緊急事態宣言期間中は、感染拡大防止を第一に考え、原則として巡回指導は行わず、必要に応じて電話による聞き取りなどを行っております。なお、子どもの安全にかかわる苦情などがあった場合には、緊急事態宣言期間中であっても、直接園を訪問し、確認・指導を行っております。

子ども・青年学生への支援事業について

 次に、子ども・青年学生への支援事業についてお答えします。

 まず、コロナ禍での子ども食堂の取組みと支援についてお答えします。市内には、約30か所のこども食堂が活動していることを把握しており、昨年度、運営主体に対して実施したアンケート調査では、複数の子ども食堂で、テイクアウトや人数制限などの感染防止対策を講じたうえで運営を行っていることを確認しております。また、約8割の運営主体が、市の支援として、感染防止対策を講じた運営方法に係る情報提供や、他の子ども食堂の運営事例の情報共有を希望されたことから、感染拡大の防止に係る国からの通知を情報提供したほか、昨年12月にコロナ禍における運営状況などについてヒアリング調査を実施し、事例集にまとめて情報共有を図ったところです。 さらに、今年度は千葉市子ども食堂ネットワークなどが主催する「子ども食堂エピソード大会ちばし」に参加したところであり、今後も引き続き、運営状況の共有や必要な物資の提供など、ニーズに応じた支援に取り組んで参ります。

 次に、青年や大学生の支援制度や相談窓口、責任を持って取り組む担当はどこなのかについてですが、子ども・若者総合相談センター(Link)では、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども・若者について、様々な相談に応じ、情報の提供や助言、関係機関への橋渡しを行っております。また、生活自立・仕事相談センターでは、仕事や生活に困りごとや心配を抱えている方に、相談支援員が、どのような支援が必要かを相談者と一緒に考え、具体的な支援プランを作成し、寄り添いながら自立に向けた支援を行っているところです。このほか、就労・生活支援相談とハローワークの職業紹介をワンストップで対応する「千葉市ふるさとハローワーク」や、働く方の労働問題についてケースに応じたアドバイスや専門窓口の案内を行う「労働相談室」など、就労・労働に関する支援を実施しております。今後も、青年や大学生が抱える悩みや相談に的確に対応するため、各相談窓口において、専門性の維持、向上に努め、相互の連携を図りながら、適切な支援につながるよう取り組んで参ります。

 次に、行政が間に入り、コロナ禍で困窮する学生等と食材等の提供団体につなげることも含めた政策は検討されているのか、とのことですが、本年8月に、千葉市等にキャンパスが所在する私立大学と短期大学が参画している「ちば産学官連携プラットフォーム」と「フードバンクちば」に協力を呼びかけて、現在、両者で大学生への食糧支援に向けて、実施方法等の検討を進めているところであります。今後も必要に応じて、関係団体との調整、情報提供や周知等に努めて参ります。

 最後に、もうひとつの成人式の感染症対策と出席者全員へのPCR検査の実施についてですが、もうひとつの成人式の開催にあたっては、事前に送付した健康調査票をご提出いただき、直近2週間の健康状態を確認するほか、入場にあたっては、検温、手指消毒、マスク着用を徹底していただくとともに、会場では、参加者間の距離を十分に確保した座席配置を行うなど、徹底した感染症対策を実施することから、参加者に対するPCR検査は行いません。このほか、会場に来られない方のためには、オンラインによりライブ配信を行い、より多くの新成人の皆様に式典の模様をお送りしたいと考えております。なお、開催日が緊急事態宣言発令期間中となった場合には、開催を中止するなど、状況に応じて開催の可否を判断して参ります。

【病院事業管理者答弁】

コロナ禍での病院確保について

 コロナ禍での病院確保についてお答えします。

 まず、青葉病院の病床を削減せずに受け入れを拡充する体制にすべきではないのかについてですが、新病院での救急医療や高齢者医療の強化、周産期医療の集約による市民の需要も考慮し、青葉病院から40床程度を新病院に移行するものの、青葉病院では引き続き救急医療などを担うとともに、感染症指定医療機関として、今後の新興感染症に対しても役割を担うなど、小売る病院としての役割を果たして参ります。

 最後に、新病院整備について、市民の声を聞く場、説明する場を設ける必要があると考えるが、についてですが、これまでも、千葉市立病院再整備基本構想の策定にあたり、市民アンケートやパブリックコメントなどにより市民の皆様のご意見を聴取して参りました。今後も、基本計画・基本設計を含め、新病院整備に係る各段階の進捗に応じ、公募委員を含む外部委員で構成される病院運営委員会等において説明や意見聴取を行っていくほか、ホームページや広報紙などを通じて広報に努めて参ります。 市民の皆様のご理解が得られるよう、適切な情報提供について取り組みながら、市民の期待に応える市立病院を目指して参ります。

【教育長答弁】

新型コロナウイルス感染症予防対策について

 はじめに、新型コロナウイルス感染症予防対策についてお答えします。

 なぜ、学校単位での判断を認めなかったのか、今回のパラ学校観戦について、教育委員会会議では議論去らなかったのかとのことですが、本市においては、平成29年度にオリンピック・パラリンピック教育実施方針を策定し、全市立学校をオリンピック・パラリンピック教育実施校として、パラスポーツ競技を体育の授業に取り入れるほか、多様性理解・国際理解教育に取り組むなど、本市として「オリンピック・パラリンピック教育」を進めて参りました。今回のパラリンピック学校連携観戦プログラムは、その一環として本市として実施を計画したものであり、また、学校単位での判断では、参加・不参加の判断基準が異なり、児童生徒・保護者の間に混乱が生じることも予想されたため、本市として統一の判断としたものです。また、パラリンピック学校観戦については、校外学習の一つであり、校外学習の考え方については、教育委員との情報共有を適宜行っていることから、特段、教育委員会会議での議論は行っておりません。

平和について

 次に、平和についてお答えします。

 旧東京帝国大学第二工学部の木造校舎を戦争遺跡や文化財として保存・活用することについてですが、当該校舎の歴史学や建築学の見地からの価値は認識しているところですが、解体等は所有者である東京大学の判断によるものとなります。東京大学からは、校舎は取り壊す方針であるが、三次元測量を行いデジタルアーカイブ化するとともに、建物内の一部備品等の取り出しなど保存について出来る範囲で対応検討すると聞いており、一定の記録保存は確保されるものと考えております。

コロナ禍での子どもの学習支援について

 次に、コロナ禍での子どもの学習支援についてお答えします。

 まず、ギガタブを使ってのオンライン授業など、環境整備も含めた実施についてですが、コロナ禍において、休校等や登校できない児童生徒への対応として、現在、オンラインでの生活面、学習面についての指導を実施しております。対面授業のライブ配信や休校時などの備えたオンライン授業を実施できるよう、すでに準備を整えております。なお、通信環境が整っていない家庭に対しては、貸出用Wi-fiルーターを300台確保しており、貸与が円滑に進むよう各学校へ配備したところです。

 次に、教員を増やして、学級を小規模にし、教員の負担を減らすことについてですが、本市では、これまで独自の小学校3年生から4年生まで35人学級、5年生から中学校3年生まで38人学級を可能とし、国の基準に比べ、きめ細かな環境を作り、教員の負担軽減に努めてきたところです。また、今年度から令和7年度にかけて、国による学級編成の標準の引き下げが予定されており、小学校6年生まで段階的に35人学級に引き下げることとなっています。教員の人件費は、主に国庫負担金等の国費で賄っていることから、本市における更なる基準引き下げについては、国の動向を注視して参ります。

社会教育委員と生涯学習審議会の委員について

 次に、社会教育委員と生涯学習審議会の委員についてお答えします。

 まず、生涯学習の推進にかかる課題があるため、社会教育委員を加えるとの説明は、現状の生涯学習審議会委員の活動を軽視しているのではないかとのことですが、本市の、生涯学習の推進にあたっては、市民の皆様の多様な学習機会の充実や、地域リーダーやボランティア人材の発掘・育成など課題となっており、社会教育に関する取組みを強化する必要があると認識しております。このため、社会教育のための専門的な知見を有する社会教育委員が生涯学習審議会委員にも就任し、千葉市生涯学習審議会において、より社会教育に関する専門的な審議も行うことで、課題の解決につなげていけるものと考えております。

 次に、生涯学習審議会の現在の委員数を変えずに、社会教育委員を加え、生涯学習に携わる委員の人数を削減することについて、また、委員構成について規定がない中で決めるべきものなのかについてですが、社会教育委員の生涯学習審議会委員への就任については、人数の削減を主眼としているものではなく、社会教育の専門性を高めることを主目的としております。また、千葉市生涯学習審議会の委員の選任にあたっては、審議会で議論すべき内容を踏まえ、委員の属性や人数を決めていく必要があることから、委員の構成については、内規により一律に規定すべきものではないと考えております。

 最後に、本来、社会教育委員会議は教育委員会が諮問できる機関であり、専門家や有識者が千葉市の諸課題について活発に議論できるような運営にしていくべきではないのかについてですが、社会教育委員は教育委員会に対し、社会教育に関する意見や助言ができる役割を有しており、高齢者対策や防災対策などの地域的・現代的な課題を解決につなげていくためには、社会教育委員会議で様々な議論を重ねることが重要であると考えております。今後、事務局においても議論すべき課題を提案するなど、会議の活性化、議論の活発化に取り組むと共に、社会教育委員の研修機会の確保や最新の情報提供などに努めることにより、千葉市社会教育委員会議の更なる機能強化に向けた仕組みづくりに取り組んで参ります。

2回目

【神谷市長答弁】

 はじめに、市民と野党4党が合意した共通政策についてお答えします。

 共通政策についてどう受け止めているのか、についてですが、総選挙に向けた各党の考え方によって合意されたものと認識しております。

 次に、公共事業についてお答えします。

 無駄な開発を抑制して、市民が不利益を被ることのないよう市政運営に取り組むべき、とのことですが、大規模な公共工事については、これまでも緊急性、必要性の観点から可能な限りの見直しを行って参りました。一方、コロナ禍において、影響をうける市民生活や事業者の回復を図るため、国や県の制度を踏まえ市独自の支援を追加で実施するなど、的確な対応を図って参りました。引き続き、感染症への対応に万全を期すと共に、本市の中長期的な発展に資する事業について、将来負担に配慮しながら着実に推進して参ります。

 次に、財源配分についてお答えします。

 市民を切り捨てる政策から、暮らしを優先する税金の使い方に改めるべき、とのことですが、人口減少、少子・高齢化が進展していく中で、より支援が必要な方々のために的確に予算が配分されるよう、市民の皆様のご理解とご協力のもと、市民生活に与える影響を考慮しつつ、事務事業の見直しを進めて参りました。引き続き、支援を必要としている方々の生活向上に向け、医療・介護・子育て・教育など必要な分野へ限られた財源を効率的に配分して参ります。

 次に、新型コロナウイルス感染症防止対策についてお答えします。

 まず、医療や感染症の専門家の意見を聴取するなど、特に科学的な知見で人員体制を強化することにかかる見解についてですが、保健所では、両市立病院や、市医師会の感染症等に関する専門の医師からアドバイスなどをいただきながら、配置された医師を中心に保健師・薬剤師・獣医師等の専門職により感染症対策を進めており、引き続き、保健所の強化に努めて参ります。

 次に、集団接種会場の稲毛区、美浜区、緑区への設置についてですが、本市の集団接種会場は、当初から設置しました中央コミュニティセンターに加え、交通の利便性や会場の規模を考慮してイコアス千城台に、また、それらの会場との地域バランスを考慮して花見川保健福祉センターに設置しております。本市では、市医師会のご協力のもと、地域と密着した約340か所の個別接種医療機関での個別接種を中心に行い、それを補完する役割として3か所の集団接種会場でワクチン接種を進めております。 今後は、ワクチンの供給量に応じ、個別接種医療機関であっても、一般向けに多数の接種機会を設けていただけるところにワクチンを重点的に配送するほか、集団接種の予約枠の拡充にもつとめ、予約の取れない市民の皆様には、市ホームページやコールセンターで予約枠のある個別接種医療機関を個別にご案内するなどして、医療関係者に最大限のご協力をいただきながら、接種を希望する市民の皆様が一日も早く接種ができるよう努めて参ります。

 次に、幕張メッセを使った「臨時の医療施設」の設置にかかる見解についてですが、 感染症の急増により、病床の確保を行うことは重要な課題であると認識しておりますが、幕張メッセを使った「臨時医療施設」の設置については、医療従事者の確保やゾーニングなどの課題を解消する必要があると考えております。今後も、医療圏全体として必要な病床を確保していくため、両市立病院での専用病床の確保のほか、転院受入協力金制度の活用や、宿泊療養施設を増設して軽症者等の更なる受入を行うなど、本市の限りある医療資源を最大限に活用し、医療機関にご協力を求めながら、病床の確保に努めて参ります。

 次に、ワクチンを打てない12歳未満の児童への定期的なPCR検査の実施についてですが、現在、同居する家族も含めた健康観察を毎日行っており、児童生徒自身の体調不良については、無理に登校せず休養するよう保護者に周知し、また、同居家族に体調不良の方がいる場合も、児童生徒に学校を休ませるよう保護者にお願いしています。また、必要に応じて早めに医療機関を受診するよう促しております。今後も十分な健康観察や手洗いの励行、マスクの適切な着用、十分な換気等の基本的な感染症対策を継続的に行うことにより、児童の感染防止に努めて参ります。なお、児童のPCR検査の実施については、効果や費用を考慮し、現時点では予定しておりません。

 次に、なぜ本市独自にパラリンピック観戦中止の決断ができなかったのか、何故市民の声より知事の意向を優先させるのかとのことですが、学校連携観戦プログラムの実施主体は都道府県であり、都道府県が市区町村の希望を取りまとめるものとされていることから、これまでも、参加の判断にあたり、千葉県との意見交換を行って参りました。パラリンピック観戦の中止に関しては、本市における中学校教員の新型コロナウイルス感染症の陽性事例を受け、保護者や市民の皆様から観戦継続に対する不安の声が多く寄せられ、保護者の不安を完全に払拭することは難しいことから、本市として注視の判断をしたものですが、千葉県においても県内における学校連携観戦プログラムの継続の可否について議論すべき状況であったため、千葉県と協議を行ったうえで最終的に決定したものです。

 次に、子ども医療費問題についてお答えします。

 まず、9回開催した市長と語ろう会で、子ども医療費薬局窓口負担撤回に声を何回聞いたのかについてですが、無料化を求めるご意見を1件いただいております。

 最後に、薬局窓口負担を撤回し、市民のために実質収支を子育て支援に回すべきとのことですが、子ども医療費助成事業で生じた不用額は、助成件数が予算編成時の見込みより約3割減少したことによるものですが、主な原因としては、新型コロナウイルス感染症拡大による受診を一時的に控えた世帯が多かったものと捉えております。 子ども医療費の保険調剤にかかる保護者負担は、児童福祉に関する事業費が毎年度増加するなかで、地方単独事業として多額の経費を要している本制度を安定的に継続させていくために導入したもので、見直しについては検討しておりません。また、子育て分野を含む市民生活の向上につながる施策につきましては、引き続き、限られた財源を効率的に配分し着実に推進して参ります。

【鈴木副市長答弁】

 事業者支援についてお答えします。

 売上減少を全額補填するなど総合的支援が求められているのではないかについてですが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するとともに、先行きも不透明な状況が続いていますが、国や千葉県の支援制度活用のほか、本市独自の支援金の支給が千葉市産業振興財団の伴走型支援等を通して、市内の事業者の事業継続を支援しているところです。引き続き、関係機関と連携し、事業者に寄り添ったきめ細かな支援を実施するとともに、事業者の事業継続のための有効な支援策を検討して参ります。

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