スクラップヤード規制条例は住民・自治会・議会・当局が一体となって作り上げてきたもの! 野本信正議員の討論【2021年第3回定例会】
野本信正議員の追加議案への討論 2021.10.5
案議第121号
千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例の制定について、賛成の立場から討論を行います。
金属スクラップヤ-ドを規制する罰則付きの条例が提案されたことは、環境悪化に悩む住民からの要望、議会での多くの質問、自治会連協からの条例制定を求める請願を議会が、全会一致で採択したことを受け、前進したものである。
この間、住民・自治会・議会・当局が一体となって制定を求めてきた条例が、委員会において全会一致で可決されたことは意義深いものである。
議会では緑区中西町の金属スクラップヤードが発生する騒音など閑居被害の実態と改善を、同僚議員が何回も質問した。
若葉区高根町の金属スクラップヤード建設から環境を守る運動が、市当局。市議会への働きかけが熱心に行われた。議会では多数の議員が質問し、共産党市議団は2019年第3回定例会で金属スクラップヤードを規制する条例の提案を行った。
2019年第4回定例会で 自治会連絡協議会からの金属スクラップヤードを規制する実効力のある条例制定を求める請願が提出され、全会一致で採択された。
その後当局の努力があり、今日、罰則付き許可制の条例が委員会で採決されたもので、住民・自治会・議会・当局が一体となって作り上げてきたものである。
廃棄物は法律で規制されるが、金属スクラップヤードは再生資源物であり規制する法律がないため数々の違法行為がなされても、有効な規制が出来なかった千葉市が、罰則付き、許可制の条例によって権限をもって対処することができるようになったことは、金属スクラップヤードの適正管理、住環境の保全に大きな一歩を踏み出すことになる。
しかし明らかになった問題点は、これから開業する事業者には適正管理を順守させる可能性はあるが、75件の従前の事業者を条例に沿って規制することは極めて困難である。
条例の拘束力は、11項目の屋外保管事業のクリアと、立地規制は住宅地から100m離す規制だが、従前の事業者には適用されない。若葉区多部田町のヤードは住宅から20m余で、騒音・振動被害は毎日基準を上回っていても、新しい条例では全く無力である。
また、11項目の屋外保管基準につていては75件の従前事業者のほとんどが違反だらけである。
条例は、「従前の事業者には1月以内に届け出させて、3か月以内に構造等を条例で定める保管基準に適合させる」とあるが、これを可能にするには2回や3回の立入調査と指導では不可能ではないのか。
また、ヤードではたびたび火災が発生している。ひどい事業者は年間に3回も発生していて、近隣住民に不安と、行政への不信が増している。大型の車両が頻繁に出入りして通行の危険を感じている。
私が質疑で提案した財政局も含めた調査体制を編成して、調査と指導改善の徹底を求めておきたい。
次に問題なのは、従前のスクラップヤードでは、騒音、振動の被害や、市街化調整区域に建築物が立ち並び、赤道等公道を無断占用するなど、法律違反の行為がまかり通っている。
若葉区多部田町のヤードは、違法行為が何件あるか質問したところ当局は、合計12件の違法行為があると答えている。
これら法律違反を屋外保管基準に含めて、罰則を背景にした指導を求めたが無理とのことであった。しかし事業者の行為は法律違反であり法治国家で許さないことである。
担当するそれぞれの所管が責任をもって、違法行為の中止をさせるよう強く求めておく。
以上、問題点を明らかにしてきたが、千葉市の重要な環境問題である金属スクラップヤードを規制する、罰則付き、許可制の条例が制定されることは、画期的なことであり評価したい。いくつか指摘したように条例を積極的に活用し、金属スクラップヤードの適正管理と、環境を保全し、関係住民の不安を解消するよう求めておきたい。