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日本共産党東京都議会議員団

加齢性難聴で苦しむ市民への補聴器購入補助の支援を!—野本信正市議の一般質問【2021年第4回定例会】

一般質問を行なう野本信正市議(2021年12月13日・本会議場)

1  通学路の安全について

【野本信正議員】

 八街市の悲しい事故を受けて千葉市も全国の自治体も通学路の点検と安全対策に取り組んでいる。千葉市も2億9,000万円の予算で路肩のカラー化など進めているが、先に神谷市長が予算を前倒ししてでも取り組むといったことに比べれば予算規模が少額である。

 日本共産党市議団は安全通学路を望むアンケートを実施し、たくさんの要望が寄せられているが、若葉区内で寄せられた危険な通学路について、すぐに9月28日神谷市長と若葉区長あての陳情書をもって、若葉区役所において懇談を行った。

 会場には子どもの安全を求める父親、毎日セーフティウォッチャ‐として活躍している人をはじめ多数の住民が参加して、若葉土木事務所、教育委員会、若葉区長などに次々と要請をした。この経過を踏まえて以下質問を行う。

 若葉区愛生町から稲毛区草野小学校と中学校には、101人の小中学生が通学している。パワーポイントの画面にあるように通学路は幅員約7メートル、歩道はなく、白線が引かれているだけで危険をガードするポールなどは全くない。しかも坂道で大きく曲がるカーブもあり渋滞を解消する通り抜け道となっているため朝晩の交通量は多く、登校・下校する児童生徒の列すれすれに走っている。

 地元からはかねてより改善要望があり、共産党市議団は十数年前、教育委員会の立会いのもと現地調査している。

 質問するが、愛生町の通学路の状況をどのように把握し、どのような改善策をもっているのか。先の区長との懇談も踏まえて答えられたい。

【教育次長】

 当該通学路については、学校と実施した点検において、「道が狭く車両の抜け道として利用されており交通量が多い」「見通しが悪いがスピードが出ている車が多く危険を感じる」という理由から危険であると認識しています。また、先の若葉区役所での懇談の際には、保護者からも「毎日子どもが通学する道なので安全対策を講じてほしい」というご意見をいただきました。これを受けて、学校では繰り返し安全指導を行い、児童の交通安全に対する意識を高めております。また、道路管理者に対しては、危険な状況が少しでも改善するよう、まずは即効性のある対策を依頼しております。

【野本信正議員】

 この際、愛生町14、25、40号線の拡幅を行うべきではないのか。当面ガードパイプ設置など安全対策を早期に実施することを求めるが。この際、側溝を含め90センチぐらいの狭い歩道を、20センチほど広げて車道は少し狭くなるが車がスピードを抑えて走るようにすれば安全が増す。車優先でなく、歩行者子どもの安全第一を貫くこと。

【建設局長】

 当該路線については、現時点で拡幅の予定はありませんが、今後、市内全域において、歩道整備の具体的な箇所や優先順位を定めた計画を策定することとしており、都市計画道路に位置づけられている磯辺茂呂町線との整合を図りつつ、歩道整備の必要性を検討して参りたいと考えております。また、当面の安全対策については、現道の幅員が狭く、歩道の確保が困難な状況となっていることから、今後、道路の幅員構成の変更等によるガードパイプの設置などについて、千葉県警察や学校及び地元町内自治会と協議調整して参ります。

【野本信正議員】

 次に、狭い歩道にごみステーションがあり、ごみ取集日に歩道をごみが占領して、子どもは車道を歩くため一層危険な状態であるが改善策は。

【環境局長】

 当該ごみステーションにつきましては、環境事務所によるパトロール等により把握しており、ごみステーションの場所等は地域の意向を踏まえたもので、地域の方々のご協力により維持管理も適切に行なわれているところではありますが、安全確保の視点も含め、ごみステーションの場所等について町内自治会等と相談して参ります。

【野本信正議員】

次に、若松町大聖寺裏交差点の信号機の横断歩道を、若松小学校の児童生徒が利用している。御成街道方面からの車両が角きりのない交差点を右折するため、横断者の姿が見えずに接触すれすれの危険に子どもらがさらされている。歩行者先出し信号機などへの改善が求められているがどのように取り組んでいるのか。

【市民局長】

 本年9月のご要望を受け、交通信号機の歩者分離式や信号サイクルの変更について、所轄の警察署へ要望しておりますが、歩行者先出し信号機について改めて警察署へ要望したところです。

【野本信正議員】

また、交差点から若葉区役所へ向かう通学路は狭く、歩道もなく危険である。千葉県警は通学路対策として「ゾーン30」の新設を行うとしている。この通学路も30キロ制限を警察と連携して実現されたい。

【市民局長】

 当該通学路の最高速度30キロ制限につきまして、所轄の警察署へ要望しております。

【野本信正議員】

加曽利町桜が丘晴山苑方面から桜木県営住宅入り口交差点までの通学路は、速度制限を示す標識の文字が劣化して役割を果たしていない。いつ改善するのか。

【市民局長】

 所轄の警察署によりますと、制限速度を示す標識の補修については、来年度予算での実施を検討しているとのことです。

【野本信正議員】

 千城台南4丁目から坂月第2調整池・千城台公園を経て、千城台南中学校及び未来小学校への通学路は、道路幅が狭いのに通過車両はかなりのスピードで通り抜け、子どもたちは危険がいっぱいである。ゾーン30を新設し速度制限の路面表示をする等改善を求めるが。

【市民局長】

 当該道路の最高速度30キロ制限について所轄の警察署へ要望しておりますが、両校周辺のゾーン30の新設についても、所轄の警察署へ要望しております。

【野本信正議員】

 高根町・高根団地の急こう配の坂道は、白井小学校へ通う子どもが通り、坂下の郵便局敷地からバスに乗って通学している。区役所の懇談後路肩のカラー化がされて喜ばれているが、高根グリーンタウンまでの道路を、通学路として認めてもらいたいとの要望があるがどうか。

【教育次長】

 当該道路は白井小学校の児童が通学で利用しますが、道路状況や児童の通学の様子を確認した上で、学校は当該道路を通学路として指定することの可否を検討することになります。学校から通学路の届け出が提出された場合は、安全面や要件等を確認を行って参ります。

【野本信正議員】

 八街市の事故は酒酔いの車が子どもの列に突っ込んだもので、ガードレールがあれば 命は助かっただろうと言われている。千葉市も路肩のカラー化に加えて、ガードレール整備や歩道の整備、警察と連携してゾーン30、信号機の設置、とりわけ劣化して見づらい横断歩道や路面のスピード規制表示などを塗り替え見やすくする等安全対策を、危機感を持ち緊急に実施することを求めるが。

 県警も通学路の安全対策を行っているので、もっと強く要求すべきである。

【教育次長】

 現道内でのガードパイプの整備による歩車道の分離や、用地取得を伴う歩道の拡幅・新設については、中長期の対策として検討するとともに、即効性のある対策については速やかに実施して参ります。また、ゾーン30や信号機の設置、横断歩道に補修、速度規制表示については、ご要望いただいた内容を、引き続き速やかに所轄の警察署へ要望して参ります。今後も関係機関との連携をより密にし、通学路の安全対策の充実に取り組んで参ります。

2 台風、大雨等水があふれる災害の対策について

【野本信正議員】

先に発生した大雨被害は、九州から青森まで大雨による河川の決壊で水害に見舞われ、甚大な被害となった。一日に一年分の雨が降る等気候変動が原因とされていて、水害対策と合わせて、気候危機・地球温暖化対策の本格的取り組みが求められている。

 千葉では、一昨年の台風直撃で停電・道路崩落、がけ崩れ、浸水被害など続出した。浸水被害で若葉区は、みつわ台、千城台坂月第2調整池などに被害があった。

みつわ台では、排水管の機能を上回る降雨量のため、画面にあるような被害が発生したが以前から同様なことがあった。被害発生の原因は何か。

【建設局長】

 みつわ台地区については、昭和40年代に開発された大規模な住宅団地であり、高低差のある地形のため、近年の集中豪雨などの大雨により既存の下水道施設の排水能力を超えた雨水が低地部に集中し、浸水被害が発生しているものと考えております。

【野本信正議員】

対策として公園下に貯留槽を設ける工事が進んでいるが、貯留量、この対策工事の効果、予算額と完成進捗状況は。

【建設局長】

 みつわ台第二公園内に整備している雨水貯留槽の貯留量は、7,510立方メートルであります。対策工事の効果については、整備水準を1時間当たり65.1ミリメートルの降雨に対応する雨水貯留槽を整備するものであり、浸水被害の軽減が図られるものと考えております。予算額は14億8,500万円であり、進捗状況については、現在、掘削に先立つ仮設工事を実施しております。

【野本信正議員】

 みつわ台地域住民が浸水の心配なく生活できるのはいつごろか。坂月第2調整池の氾濫は、画面にあるように床上浸水を引き起こし住民に深刻な被害を及ぼした。対策として私は、調整池の水の出口を拡げ水面を引き下げること。調整池下流に補助的調整池をつくることを提案したがその後の進捗は。

【建設局長】

 市民の皆様の生命や財産に深刻な影響を与える浸水被害については、一日でも早く被害軽減を図る必要があることから、引き続き雨水貯留槽の整備を進め、令和5年度末の完成を目指して参ります。調整池流出口の堰の高さを調整し、水位を下げる改良工事については、昨年8月に完了しております。また、既存の調整池下流に整備する施設については、必要となる用地の取得が完了したことから、現在、工事発注に向けた手続きを進めているところです。

【野本信正議員】

一昨年と同等の台風や大雨が降った場合水害は防げるのか。

【建設局長】

 当該地区の対策は、基準となる降雨を1時間当たり65.1ミリメートルに引上げて整備を行うこととしておりますが、令和元年10月の災害のように、令年10月に降る2倍近い雨が、わずか半日で降るなど、想定を超える雨に対しては、被害の軽減は図れるものの、水害を完全に防ぐことは難しいと考えております。

【野本信正議員】

前回並みの降雨量だと水害を防ぐのは難しいとの答弁では住民は安心できない。この際下流の大草地域の冠水対策も含め、今後の台風大雨対策を考慮すれば、千城台公園の地下に貯留槽を設けることを提案するが。

【建設局長】

 今回、新たな調整池を整備することにより、下流の大草地区を含めた流域内の被害軽減が図れるものと考えております。今後は、整備する調整池の効果検証を行うとともに、引き続き流域内の被害に向け、千城台公園への雨水流出軽減策を含め、地域の状況に合わせた対策の検討を進めて参ります。

3 加齢性難聴について

【野本信正議員】

 私はこの間、加齢性難聴の市民が日常生活の中で様々な困難や苦しみをもっていることについて生の声をお聞きし、また手記もいただいたので、その一端を紹介し局長の感想と見解を質したい。

 ①80代女性、難聴になってコミュニケーションがスムースに取れない。会話が成立しなくなる。

 ②聞こえないことはつらく苦しい。相手にいやな思いをさせていないか気になる。日頃何気なく話をしている雑談に入りにくく疎外感を感じてしまう。私とは話したくないと思っているのではと思い孤独になる。

 ③70代前半女性、惣菜店で働いている。60代半ばから耳が聞こえづらくなり今はかなり悪くなり、お客さんからの注文がよくわからなくなってしまいショックを受けている。幸い息子夫婦が店で働くようになり、接客せずに惣菜造りをしているが、お客様と話をできないのは本当につらい。

 ④80代前半女性、1~ 2年前から耳が聞こえづらくなり、徐々に友達との対話に支障をきたすようになり、親しい人には大きな声でといえますが多数の中では聞き漏らしたり誤解したりして、だんだんそういう機会を避けるようになり、付き合いが出来なくなっています。早く補聴器購入費助成をしてください。

 以上の市民の声をどう受け止め、高齢福祉行政に生かすのか、市長・保健福祉局長の感想は。また、このような悩みを持った難聴高齢者がたくさんいることを承知しているのか。

【保健福祉局長】

 耳が聞こえづらいことで、周囲とのコミュニケーションや社会参加にご不便を感じる方、その他、日常生活の中で様々な困難や苦しみを抱えている市民の皆様の声に耳を傾け、それらを解消できるよう高齢者施策を展開していくことが重要であると考えております。また、正確な難聴高齢者数については把握しておりませんが、国立長寿医療研究センターのホームページによると、日常生活で支障のある難聴者の割合は、70歳代男性で5人に1人、女性で10人に1人とされております。

【野本信正議員】

 次の手記は「聞こえないことは危険です」である。①ほとんどの道路は自転車専用レーンがないため自転車は歩道を走ります。難聴者の歩行時は自転車に注意が必要です。特に後ろからくる自転車は見えないため危険です。②異常発生時特に夜間は避難が遅れる危険があります。私は自治会に難聴であることを伝えていますが、最近夜中に地震や大雨が降るので不安です。以上の訴えに対して局長の見解を求める。

【保健福祉局長】

 交通安全や防災の場面においても、耳が聞こえづらい方への配慮が必要であり、関係各署と連携して支援を行っていく必要があると認識しております。

【野本信正議員】

 高齢者福祉行政を担当する職員などに聞いてみた。役所の窓口で手話のわかる市民にはその対応が出来るが加齢性難聴者は難しい、補聴器は老眼鏡のように貸し出しはできない。今コロナ禍の下、カウンターにはビニールシートが有り、お互いにマスク着用で声もこもりがちで、結局、大声で接し身振り手振りで理解をしてもらう。ホームヘルパーなど介護職員も苦労をしている。この実態をどう捉え改善を考えているのか。

【保健福祉局長】

 窓口に来訪した、高齢者など配慮を要する市民の方と意思の疎通が円滑に図れるよう、大きな声でゆっくりと話すことや、ご本人に必要な配慮を聞き、柔軟に対応することなどについて、接遇マニュアルや職員研修において周知を図っているところであり、必要に応じて筆談を行うなど、よりわかりやすい丁寧な応対に努めて参ります。

【野本信正議員】

 加齢性難聴の市民の対策として、補聴器の活用が有効であることを市も認めている。 先の第2回定例会で、わが党安喰議員の加齢性難聴の質問に対して市の答弁は、「加齢性難聴は個人差があるが、早期発見し、早期に補聴器を使用することで、人とのコミュニケーションが活発になり、生きがいや生活の質の向上に寄与するものと認識しております」と答え、補聴器使用の効果を認めている。

 質問するが、この答弁は加齢性難聴者対策の理念と思うがどうか。それとも単なるスローガンなのか。

【保健福祉局長】

 「補聴器の早期利用により、コミュニケーションが活発化し、生きがいや生活の質の向上に寄与する」ことは事実として認識しているものであり、理念やスローガンといったように考えてはおりません。なお、助成制度についてはこのような考え方に加え、他の施策の必要性なども踏まえて対象範囲を決定しているところです。

【野本信正議員】

 一方、「国は難聴は予防可能な認知症の危険因子として、現段階では因果関係が十分確立していないとして、研究しているのでその動向を注視する」と答え、補聴器購入の補助は国が行うべきだとしている。質問するが、国の補助制度実現は何年ぐらい先なのか。

【保健福祉局長】

 研究結果のとりまとめは、当初、昨年度とされておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響等により遅れており、今年度中の取りまとめは難しいと聞いております。また、補助制度が実施される時期についても未定です。

【野本信正議員】

 国の制度ができるまで、5年先、10年先まで難聴で苦しむ市民を放置することになるが、これが千葉市の高齢福祉行政なのか。

【保健福祉局長】

 加齢性難聴を早期に発見し、早期に補聴器を使用することで、効果が認められることから、他の政令指定都市とともに国に対し「聴覚障害の補正と認知機能低下の予防」についての研究について、早期取りまとめを要望しているところです。

【野本信正議員】

 7、令和3年9月末時点で、千葉市70歳以上人口は20万3,292人で、男性8万8,775人、女性11万4,517人である。国立長寿医療研究センターの数字を単純にかけると、高齢者の難聴者は約3万人となる。この人数のうち30%が認知症としても、残りの認知症でない2万人からの難聴者がいることになる。

 軽度・中等度から、重度障害者になるかもしれないことを承知で、3万人余りの難聴者を放置している。千葉市の高齢者福祉は難聴者を見捨てる冷たい行政なのか。

【保健福祉局長】

 難聴に苦しむ多くの高齢者への支援として、早期に補聴器を使用することが有効であることは認識しておりますが、現行の支援制度によって必要度の高い方への支援がされていること、他の政令指定都市で同様の事業を行っている事例はないこと、国において「聴覚障害の補正と認知機能低下の予防」について研究がされているところであることから、今後の高齢化の更なる進展や、財政状況なども踏まえ、現時点で補聴器購入助成を行うことは難しいと考えております。

【野本信正議員】

 国の「障害者総合支援法に定める補装具費支給制度」に基づいて、千葉市が実施している補聴器助成制度の 対象高齢者は、聴覚障害6級以上として身体障害者手帳が交付されている。両耳の聴力レベルが70デシベル以上などで高度難聴者である、質問するが70デシベル以上の人と話すとき、耳元で話すとか、大きな声でとか、どんなレベルになるのか説明されたい。 

【保健福祉局長】

 70から90デシベル未満の高度難聴の方については、耳元40センチ未満の近さでの非常に大きい声か、補聴器を用いないと会話が聞こえないレベルとなります。

【野本信正議員】

 現行の補聴器購入制度の対象者は、耳元40センチより近くで、かなり大声で話さないと聞こえない人たちである。質問するが、「現行の補聴器購入制度」があるから、軽度・中等度難聴者への補聴器購入費助成制度は必要ない、重度障害者になるまで我慢しなさい、と思っているのか。いないのか。加齢性難聴者約3万人のうち、112人に助成しているからそれ以外の人には我慢しろということか。

【保健福祉局長】

 軽度難聴の方は小さな声や騒音下での会話の困難さを、また、中等度難聴の方については普通の大きさの声での会話の困難さを自覚するなど、日常生活において支障がある場合も想定されることから、必要に応じて補聴器の使用が有効であると考えております。一方、助成制度については、「軽度・中等度難聴者への補助制度は必要ない」「重度の障害者になるまで我慢が必要」といったように考えているわけではなく、これまでお答えした様な理由から、他の施策の必要度なども踏まえて対象範囲を決定しているところであり、より必要度の高い方に対し、障害福祉における補装具費の助成を行っているところです。

【野本信正議員】

 加齢性難聴者に対して支援の手を差し伸べ、補聴器購入費助成を行い生きがいのある生活を取り戻し、認知症の進行を遅らせるためなど、大きな効果のある制度設立を求めて質問をした。答弁の特徴は、①難聴で苦しむ市民の実態を紹介したのに、それを理解して寄り添う気持ちが感じられない。窓口で苦労している職員へのねぎらいもない。②補聴器購入費助成制度は、国が認知症との因果関係を解明して制度を創るまで実施しない。③市はゼロ回答でなく障がい者手帳を持っている重度難聴者のち、令和3年3月末時点で112人には補聴器購入費補助を行っている。④政令市はどこも実施していないから千葉市だけの実施は出来ない。⑤独自の実施には多額の財政が必要であった。

 質問するが、出来ない問題点ばかりあれこれ並べて実施を拒んでるが、その理由は何か。答えられたい。

【保健福祉局長】

 現行の支援制度によって、必要度の高い方への支援がされていること、他の政令指定都市で同様の事業を行っていないこと、国において「聴覚障害の補正による認知機能低下の予防」についての研究がされているところであることから、今後の高齢化の更なる進展や財政状況なども踏まえ、現時点では助成制度の実施は難しいと考えており、国や他都市の状況等を注視しているところです。

【野本信正議員】

 加齢性難聴者を支援する補聴器購入費助成を実施するには、様々な困難があるがそれを打開するため、あらゆる可能性を追求して、少しでも加齢性難聴で苦しむ市民に希望を示すのが、高齢者福祉行政ではないのか。

 ちなみに、現在実施している船橋市では、対象者は65歳以上の市民で、所得税非課税世帯に属していること。助成額は上限2万円。令和3年度予算額208万円である。船橋市の12月1日現在の人口は644,611人であり、千葉市人口は977,866人と比較すれば約313万円である。船橋市と同じ内容で補聴器購入助成を実施する場合約313万円の予算で可能である。多額の財政が必要だの答弁は事実と違う。千葉市が新年度から実施するよう重ねて提案する。

【保健福祉局長】

 高齢者福祉に関しては、高齢者数の増加、高齢化率の上昇が続く中、高齢者本人のニーズに加えて、家族や地域の方など高齢者を支える方を含め、様々な方からの多様なニーズがあります。こうしたことから、様々なニーズについて、所要額の多寡に加え、その必要度や効果などを踏まえて施策を決定し、高齢者福祉の進展に努めているところです。

【野本信正議員】

 神谷市長に質問するが、来年度は市長が初めて本格的に予算を編成する年度である。市の認識「加齢性難聴は個人差があるが、早期発見し、早期に補聴器を使用することで、人とのコミュニケーションが活発になり、生きがいや生活の質の向上に寄与するものと認識しております」に基づいて、ゼロ回答でなく、一歩前進させる新年度予算の編成を求める。新年度予算は高齢者に優しい「神谷カラー」を打ち出してほしいと思うがどうか。答弁を求める。

 神谷市長は、先の市長選挙のマニフェストで「高齢者が生涯安心して暮らし、健康寿命を延ばせる社会を創ります」と市民に約束している。超高齢社会のもと、加齢性難聴で苦しむ3万人、それ以上とも言われる市民に支援の手を差し伸べませんか。船橋市と同じ内容の制度なら、約313万円で可能な制度を創り、高齢者に優しい神谷市政にしませんか。

【神谷市長】

 高齢者、障害者の方にあっては、安心安全な生活を送るための支援や心身機能の維持・向上のための支援が必要であり、また、高齢者、障害者ご本人に加え、その生活を支えていらっしゃるご家族、地域で活動している団体、そして専門的な支援を行う介護や障害福祉サービスなど、様々な個人・団体を含めた多岐にわたる支援体制が必要であると認識しております。加齢性難聴のある方におかれましても、日常生活の中での様々な困難や苦しみを抱えている方がおり、また、補聴器を装着することにより人とのコミュニケーションを活発化させ、生きがいや生活の質の向上に寄与するものと考えております。補聴器の購入助成につきましては、高齢者福祉・障害者福祉の分野において先ほど申し上げましたような様々なニーズがある中で、より必要度の高い方に対して障害福祉としての助成を行っている一方、これに該当しない軽度及び中等度の方に対する購入助成制度については、他の政令指定都市とともに国に対して制度創設を要望しているところであり、その動向を踏まえつつ、施策の優先順位を考慮しながら、本市においても助成制度の在り方について研究して参ります。

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