ヤングケアラーへの相談・支援体制の強化を―かばさわ洋平市議の一般質問【2022年第1回定例会】
1、命と暮らしを守るための新型コロナウイルス対策について
【かばさわ洋平議員】
本市内で新型コロナウイルス感染者の累計は3月7日時点、50,897名となり、オミクロン株の感染増加により、深刻な状況が続いています。とりわけ、高齢者施設等のクラスターも頻発をするなかで、本年1月以降の本市の死者数は67名と高齢者中心に死亡者数も増加していることは極めて深刻であります。ワクチンの遅れによる感染増加、高齢者施設クラスターから死亡者増加、検査を希望しても検査できない検査難民、保健所から連絡来ないと不安を強める市民、学校や保育園等での感染者急増における混乱、まん延防止措置による中小事業者の経営悪化や生活困窮者の増加など、課題が山積するなかで市民の命と暮らしを守るための新型コロナ対策強化が強く求められております。
新型コロナウイルスから命と暮らしを守るために日本共産党千葉市議団は本年1月に市長宛に20回目の申し入れを行い、ワクチン接種体制・検査体制、医療・保健所体制の拡充を求めてきましたが、これまでの取組と今後どのように取り組むのか伺います。
【保健福祉局長】
ワクチン接種体制につきましては、3回目接種を推進するにあたり、集団接種会場を3か所増設するとともに、集団接種の予約枠に加えて個別接種の一般枠も本市が一元的に予約を管理することなどにより、接種を希望する方がより円滑に接種を受けることができる接種体制の確保に取り組んで参りました。検査体制につきましては、行政検査の実施にあたって、検査機器の増設や検査可能な医療機関を確保したほか、本市独自に接待を伴う飲食店の従事者や重症化リスクの高い高齢・障害者施設等の従事者等を対象に検査を行うなど拡充に取り組んで参りました。また、変異株の検査についても、環境保健研究所において、従前からのスクリーニング検査のほか、来月からゲノム解析を開始することとしております。医療提供体制につきましては、自宅や宿泊療養施設での療養者に対する24時間体制のオンライン診療や往診を可能とするなど拡充を図ってきたところです。保健所体制につきましては、庁内からの動員、業務のアウトソーシングにより今般の感染拡大前の102人体制から最大191人体制としたほか、ICTの活用等により、その強化を図っております。今後も引き続き、感染状況に応じた迅速で柔軟な対応に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
まずはワクチン接種についてです。本市におけるワクチン接種後の入院など症状の程度が重い事案は51件、また死亡事案は6件と報告されています。副反応への不安やアレルギー等により接種できない方が職場で「未接種なら取引できない」等の差別を受けたという実態もあるなかで、ワクチンハラスメントへの対策強化も必要と考えます。明石市ではワクチン接種を受けていないことを理由に不当な差別の禁止を条例に明記し、市独自で相談窓口設置など実効性ある対策を進めています。
ワクチンの接種有無による不当な差別を防止するため、明石市のように差別禁止の条例整備と市民周知の徹底、市独自での相談窓口も開設するなど、対策強化を求めますが、対応についてお聞かせください。
【保健福祉局長】
本市では、令和2年12月に、「千葉市新型コロナウイルス感染症対策条例」を制定し、安全で安心な市民生活を守るという条例の目的を踏まえて、第5条において、ワクチン接種の有無による差別も含めて、新型コロナウイルス感染症に関連して発生する可能性のある不当な差別を広く禁止しております。また、ワクチン接種の有無による差別を防止するために、接種券同封のお知らせ、市政だより、市ホームページ、ラジオ広報における周知のほか、市長定例記者会見で市長からも差別禁止について強く呼びかけを行うなど、周知啓発に取り組んで参りました。さらに、被害者支援として、法務省の人権相談や厚生労働省の総合労働相談コーナーといった既に設置されている国の相談窓口を御案内することで、専門的な知見を有する職員や人権擁護委員への御相談が可能な体制となっております。今後は、より一層の周知啓発を図るために、駅・商業施設におけるデジタルサイネージや、市政情報モニターなどを活用し、接種勧奨とあわせた差別禁止の呼びかけについて実施して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、中小事業者支援についてです。
長引くまん延防止措置に伴う影響は中小事業者はじめとした事業継続に影響を与えています。地元のサンドイッチ店では国による事業復活支援金対象外であるが、売上減少で経営が厳しいとの声が寄せられています。
コロナの影響で疲弊する中小事業者や農家・個人事業者含めて事業継続を支えるためにも、中小事業者への市独自の事業給付金を先の第4回定例会でも求めてきましたが、中小事業者支援、営業時間短縮などで売上減少に苦しむ飲食店にも更なる支援が必要と考えるがどうか。
【経済農政局長】
国の事業復活支援金は、昨年11月から今月までを対象期間として、いずれかの月の売上高が過去3年の同月比で30%以上減少する事業者を給付対象としており、業種を限定していないことから、幅広い事業者が対象となると考えております。本市においては、これまでも国の支援金制度を補完すべく、本市独自の支援金制度を設け、長引くコロナ禍により苦しむ事業者の事業継続支援を実施して参りました。今後も国の給付対象とならない売上減少率20%以上30%未満の事業者に対し、国と同様に業種を限定せず、一律20万円を支給する「中小企業者事業継続支援金」を創設し、来年度の早期に申請受付が開始できるよう準備を進めて参ります。加えて、本年6月以降、本市で開催されるプロスポーツや大規模音楽イベント等の観客を対象に、市内飲食店等で利用可能な3,000円分のクーポンを500円で販売することを予定しており、こうした取組みを通じて、飲食店等の利用を促進し、経営支援にも繋げて参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、医療療養体制についてです。自宅療養者数は3月1日時点で4,076名となるなど、感染者の9割以上が自宅療養となるなかで、家族内感染が止まらない状況です。感染防止で重要な対策として療養ホテル2棟の借上げたものの定員187名のうち45名の利用に留まっており、稼働率が24%と低いため、稼働率を上げる取組が必要と考えます。
保健所の逼迫で療養ホテルの調整が難航しており稼働率が低いため、感染者からホテル療養を申込める体制へと改善することを求めますが、見解を伺います。
【保健福祉局長】
千葉市民で宿泊療養を希望する方については、高齢者等の架電対象の方には最初に御連絡した際に御案内し、それ以外の方には専用電話に御連絡いただき、手続きを進めることとなっており、本市が運営している宿泊療養施設の2か所においては、現在のところ、入所希望の方は全員入所いただいております。今後も引き続き、感染者への御案内の工夫等を通じ、希望される感染者が宿泊療養に円滑に入所できるよう努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、救急含めた医療体制についてです。青葉病院において救急の受入ができなかった件数は1月だけで680件にも及ぶなど、オミクロン株の感染増加に伴い、通常医療の受け入れに困難をきたしています。本市の救急搬送困難事案は第5波のピーク時である昨年8月593件と比較しても、第6波の1月では836件まで増加している状況です。市民からは「手術や入院が延期された」など感染の有無に関わらず、救える命が救えなくなるリスクが高まる深刻な事態です。
昨年、党市議団が全戸配布で実施した市民アンケートにおいて、緑区民の最も多い要望事項は、緑区への公立病院整備であります。緑区民が両市立病院へ救急搬送される割合はわずか18%ということで、慢性的に不足する救急や総合病院を求める声は高まり続けています。
コロナ禍により本市の救急搬送困難事案が通常時平均の3倍に急増するなか、救える命が救えなくなるリスクが高まっています。新興感染症蔓延時でも市民の命を守るための医療救急体制の拡充が必要であるため、新たに緑区への公立病院整備の検討を求めるがどうか。
【病院局次長】
新たな公立病院整備につきましては、人口減少、少子高齢社会が進展する中で、医療機関相互の連携や役割分担、将来的な医療需要などを踏まえ、長期的な視点に立ち、市民の皆様が必要とする医療提供体制を確保するという観点から検討していく必要があると考えております。
【かばさわ洋平議員】
次に、保健所体制について伺います。本市も応援職員などで190名体制まで拡充したものの、やはり一時的な応援だと入れ替わりがあり、また一から教えるなど現場は苦闘しています。人口25万人の墨田区は当初10名体制だった保健所人員を今や千葉市と同じ190名程度まで増員をしているなど、市の保健師数もいまだ不十分と言わざるを得ません。
感染者急増に伴い、発生届けの処理、健康観察、疫学調査、入院調整等で困難な状況となったため、保健師等専門職を含めた保健所の体制強化を求めるがどうか。当局においては定員適正化計画を見直し、定員を増やしていくとしていますが計画上の増員を含めお答えください。また、現状の保健所執務室は過密化が深刻であるため、東部地域に新たに第2保健所を設置することを検討すべきではありませんか。
【保健福祉局長】
保健師等専門職を含めた保健所の体制強化については、今般の感染拡大に対応するため、庁内からの保健師をはじめとする職員の動員や事業者による保健師等の派遣、自宅療養者の健康観察業務の外部委託化などアウトソーシングの活用により体制強化を図って参りました。また、千葉市定員適正化計画の中では、新型コロナウイルス感染症をはじめ今後も想定される新興再興感染症等に即応できる体制構築のため専門職を強化することとしており、保健所をはじめ各区保健福祉センターなどに、保健師等の専門職を概ね20人程度増員し、新興再興感染症等が起こった際に対応できる体制を整えて参ります。
次に、第2保健所の設置については、新興再興感染症等への対応においては、保健所が2か所であることにより、それぞれの管轄地域の状況に応じた対応が可能となる一方、市全体としての統一された考え方に基づいた対応が困難となることが考えられることから、急激に増大する業務に臨機応変に対応できる体制について研究して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に検査体制ですが、本市の陽性率は依然として約50%と高く、検査が足りていいない状況で市中感染を広げています。私はこれまで議会で繰り返し、保健所における検査体制の強化、プール方式や自動検査機器導入等を提案してきましたが、環保研の検査が増えていないことは問題です。環保研による検査数は第5波のピーク時の8月は4,363件となる一方で、第6波で感染者数が2倍以上となるなか1月は2,803件回と全く増えていないどころかむしろ減っています。
濃厚接触者でも検査できない市民が多数存在するため、濃厚接触者等への検査キット配布対応を求めます。また、必要な人がPCR検査を受けられるよう、移転後の環境保健研究所において検査機器やゲノム解析機器の導入など検査体制の拡充を求めるがどうか。
【保健福祉局長】
濃厚接触者等への検査キット配布については、新たに先月21日から千葉県などと連携し、濃厚接触者または軽度の有症状者であって、重症化リスクの低い方を対象に、御希望により無償で抗原定性検査キットを配布し、陽性となった場合には、医師が発生届を提出する陽性者登録センターの運用を開始しております。また、環境保健研究所では、高齢者施設等におけるクラスターなど緊急性が求められるPCR検査やデルタ株とオミクロン株の判別を行うための変異株PCR検査を実施しているほか、新型コロナウイルス感染症における新たな変異株や新たな新興再興感染症の発生に対応するため、来月からウイルス及び細菌の全ゲノム解析を行う次世代シークエンサーを新たに導入して参ります。さらに、移転後においても、多検体処理に対応可能な検査室のレイアウトや広さを見直すとともに、安全キャビネットや冷凍冷蔵庫、遠心機等の検査器具を複数台設置するなど、検査体制の充実・強化を図って参ります。
【かばさわ洋平議員】
第6波においては、10代の感染増加が顕著であります。ワクチン未接種の子ども達中心に保育園、学校での検査が急増しているためです。学校では昨年第5波ピークの8月356人だったものが、1月に入り1,290人に、2月には2,694人と第5波ピークと比較しても7.5倍も児童生徒の陽性者数が増加し、それが家族や高齢者に広がる悪循環が続いています。保育園でも、1月・2月だけで休園数は309園に及び、感染者数は約1,431人となるなど深刻な事態となっています。保育園に通わせる保護者からは「休園明けてもまたすぐ休園となるため、仕事が難しい」と子どもの感染増加は社会経済活動にも影響が甚大であるため、学校・保育園における感染抑制に向けた実行性ある対策が必要であります。
東京都や山梨県では学校・保育園での感染増加を抑えるためには、学校・保育園における定期PCR検査を予算化しました。本市としても、子どもから親へ、あるいは祖父母へと広げてしまう悪循環を断ち切るためにも、学校・保育園等での定期PCR検査を実施することを求めます。お答えください。
【教育次長】
定期的なPCR検査の実施については、効果や費用を考慮し、現時点では予定しておりませんが、今後も健康観察を十分に行い、体調不良がみられる場合は登校や登園、出勤を控え、早めに医療機関を受診するよう促すなど、引き続き感染予防対策を徹底して参ります。
【かばさわ洋平議員】
これまで、検査拡充を求めると、抗原検査キットが配布されているため活用していく旨、当局は答弁してきました。ただ、国による抗原検査キットの配布事業では、保育園では使用は保育士のみであり、子ども達は使用しないため、園内で歯止めなく感染が広がっています。さらに深刻なのは学校であり、現場での活用が殆ど進んでいないという声が届いています。
本市学校における抗原検査キットの配布数、1校あたりの数とこれまでの使用件数について伺います。また検査キットには使用期限がありますが、いつまでとなっており、期限がきれたキットとその後の対応についてお聞かせください。
【教育次長】
学校に配付した、教職員用の抗原定性検査キットについては、1校あたりおおよそ20回から30回分、合計で3,670回分であり、使用件数については、9件の報告を受けております。また、検査キットの使用期限は本年1月末までとなっており、期限が過ぎたものは廃棄するよう学校に周知しています。
【かばさわ洋平議員】
感染者が急増するなかで検査キットがほぼ使用されず破棄されるというのは問題です。感染抑止の観点からも適切な運用への改善が必要です。神奈川県のように12歳未満の園児や児童がいる家庭に検査キット配布し、子どもが自宅で検査できるよう改善することを求めるものであります。
大阪府寝屋川市では、昨年から学校や保育園のクラスで感染者が出た場合、クラス全員スクリーニングPCR検査を実施し続けてきました。寝屋川市長によると「一人の感染者が確認されれば、保育園で78%、学校でも50%以上の確率でクラス内複数の感染が確認されています」と発信されています。つまり、千葉市のように感染者が出ても第5波の時のように学校で感染者が出た場合、クラス希望者等の検査もできないなかで、感染が広がっている可能性が高いと考えます。先日、ある小学校の保護者から「クラスで5,6人も体調不良者が出ても、検査もしない、学級閉鎖にもならないため、自主的に休ませている」と相談されました。本市は少なくとも第5波までは学校での感染者が出た場合に希望者検査を実施していましたが、第6波による保健所逼迫で機能不全となりほぼ行われないため、感染増加を止めるための手立てを早急にとるべきであります。そこで、子ども達の学びを保障したいと語られてきた市長に伺います。
学校で感染者がでた場合に、学校内の感染状況を保護者に周知するよう市長宛申入れでも改善を求めてきましたが、どのように改善を図ったのか。また、学校・保育園等での感染連鎖が市中感染へと広がっているため、学校等クラスで感染者が出た場合には、クラス全員あるいは不安で検査を希望する方を検査するなど、安心して子ども達が学べる環境にするために市長から改善を指示してほしいと思いますが、市長の見解をお聞かせください。
【神谷市長】
学校内の感染状況について、部分的な状況しか分からず保護者の方から不安の声が届いていたことから、学校内全体の感染状況について、保護者の皆様にお知らせすることが感染拡大防止において重要であるとの認識のもと、教育委員会に情報提供の内容について検討を依頼しておりました。これを受け、教育委員会では、保護者への周知について、先月上旬にあらためて市立学校に通知し、各学校において、個人が特定されないよう配慮の上、陽性者が確認されている学年や、学級閉鎖等の状況、学校全体の陽性者の増減など、校内の感染状況の傾向を1週間に一度を目安に保護者に報告することとしたと承知しております。
次に、学校等クラス全員や希望者を検査することについては、学校等における陽性者や濃厚接触者の状況などに応じて、保健所が検査を広く実施することがありますが、陽性者が確認されるごとに、学校等クラス全員や希望者への検査は行うことは想定しておりません。現在は、陽性者が確認され、感染拡大の恐れがある場合には、主として学級閉鎖や休園等の措置で対応しております。なお、検査を希望する児童生徒に対しては、無料PCR等検査や検査キットの配付事業について各学校等を通じて保護者や 児童生徒へ周知するとともに、濃厚接触者の特定など、学校や保育園等での感染防止については、保健所と連携しながら取り組んで参ります。
2、ヤングケアラー支援について
【かばさわ洋平議員】
障害のある兄弟への世話、祖父や祖母の介護を手伝うなど、家族の世話や介護を行う18歳未満のヤングケアラーですが、厚労省が今年公表した初の中高生対象にした全国調査では、中学2年の5.7%、高校2年の4.1%が該当するとの調査結果が公表されており、「宿題や勉強する時間がない」など、深刻な状況が浮き彫りになっています。本市も小中高校の児童生徒に対してヤングケアラー実態調査に取組み、3月末には結果が公表されるとのことです。
ヤングケアラーという言葉もまだ社会的に認知が進んでいないため、自分が当事者であると人に言えない、あるいは認知できていないケースも多いと考えられるため、まずは理解促進に向けた取組みが必要と考えます。
埼玉県はヤングケアラーの理解を深めるためハンドブック「ヤングケアラーってなに」を作成し、小学4年生から高校3年生までの全ての児童生徒と教員に配布する取り組みを1月からスタートしています。
本市の市立小中高校においてヤングケアラーにおける理解促進を図るためのハンドブックを作成配布することや教職員等の研修強化を求めますが見解を伺います。
【こども未来局長】
国の実態調査の結果からも、子どもたちにおけるヤングケアラーの認知度はまだ低く、自分がヤングケアラーであることに気付いていないことが課題と考えられるため、ヤングケアラーの概念が広く行き渡り、自分の状況を正しく認識することができるよう、効果的な周知方法について検討して参ります。また、周囲の大人が支援を必要としている子どもに気付くことができるように、教職員向けの研修内容の充実を図るほか、福祉・教育などの様々な分野に携わる幅広い職種の方を対象とした研修を実施し、認知度の向上を図ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、相談と支援体制についてです。いじめなど教育現場における悩み相談では本市でも「中高生SNS相談@ちば」を開設して、相談対応しています。相談状況としては電話と比較しても、気軽に相談しやすいことから令和3年度は前年度217件から942件と4倍相談件数も増加しており、こうしたツールと連携した取組が必要と考えます。
子ども達の声やSOSをキャッチして支援していく上では、「中高生SNS相談@ちば」の案内の中にもヤングケアラーも相談内容として盛り込み、関係機関と連携して支援を行う体制をつくることを提案しますが、対応について伺います。
【教育次長】
今後は、「SNS相談@ちば」の相談内容に、ヤングケアラーを新たに盛り込んだリーフレットを作成し、生徒や保護者に御案内して参ります。また、ヤングケアラーに関する相談内容は、市立学校の管理職と情報を共有し、解決に向けた速やかな支援が行える体制を構築して参ります。
【かばさわ洋平議員】
高崎市が全国初の取組として、中学生と高校生のヤングケアラーがいる家庭に民間のヘルパー2人を1日2時間、週2日まで無料で派遣する事業を進める方針を示しており、子どもに代わって家族の介護やきょうだいの世話、掃除や料理などの家事を行うということであり、本市としても具体的支援への取組が必要と考えます。
支援が必要なヤングケアラーの負担を軽減するため、家族や兄弟などの世話や掃除・料理など家事を行うなどのヘルパー派遣事業に取組むことを求めますが、見解を伺います。
【こども未来局長】
ヤングケアラーの支援については、家事負担を減らすためのヘルパー派遣、孤独な気持ちに寄り添うためのカウンセリングの実施や相談窓口の設置など、子どもの置かれている状況に応じた様々な支援が考えられます。実態調査の結果を踏まえ、ヤングケアラーの状況にある子どものニーズを検証し、様々な関係機関と連携して、より効果的な支援方法を検討して参ります。
3、鎌取・おゆみ野の住みよいまちづくりについて
【かばさわ洋平議員】
はじめに、鎌取駅のロータリーについて伺います。鎌取駅の乗降客が2016年には1日4万人を超え増加し続けるなか、これまで私は、2020年第4回定例会など複数回にわたり、駅ロータリーの回遊性向上に向けた改修や安全に利用できるよう一般停車場の増設や道路照明灯の設置など求めてきました。
鎌取駅南口、北口ロータリーについては、一般停車場の拡充や回遊性向上及び中央の停車場の有効活用など求めてきましたが、具体的なロータリー改修内容と今後の改修スケジュールをお示しください。また、鎌取駅南口は暗いため、道路照明灯の設置を求めます。
【建設局長】
鎌取駅北口ロータリーについては、タクシープールをロータリー中央へ設置し、一般車両の乗降スペースを増やす 整備などを来年度に実施する予定としております。また、南口ロータリーについては、ロータリー及び前面道路の混雑を緩和するため、ロータリー内の植樹帯の一部を撤去し、一般車両の乗降スペースを増やすことに併せ、前面道路に左折専用レーンを新設することなどを計画しており、来年度に詳細設計、令和5年度に工事を予定しております。なお、道路照明灯については、身障者用乗降場付近及びバス専用ロータリーにそれぞれ1基、来年度に設置する予定としております。
【かばさわ洋平議員】
次に、公園トイレについてです。おゆみ野はるの道公園では地域の皆さんからは男子トイレ入口の軽微な段差に躓き危険という相談やトイレ改修の要望が複数寄せられています。また、鎌取・おゆみ野にお住まいの方々は、近隣の公園である古市場公園と古市場第一公園もよく利用されています。両公園ともトイレがかなり老朽化しているということもあり、「臭くて汚い」など、地元からはトイレ改修を求める声が寄せられています。
おゆみ野はるの道公園のトイレを安全に利用できるよう男子トイレの軽微な段差解消や洋式化を求めます。また古市場公園と古市場第一公園のトイレも快適なトイレとなるよう改修の早期実施を求めますが見解を伺います。
【都市局長】
おゆみ野はるのみち公園のトイレの軽微な段差については、視認性を高めるため、段差部分を一定幅で黄色く塗装し、利用者の皆様の安全確保を図ったところです。また、男性トイレの洋式化については、これまで設備類の劣化や便器が破損した場合等に、順次、洋式便器への交換を実施してきたところですが、今後は、和式便器のみの公園を中心に計画的に洋式化を進める必要があると考えております。本公園は、車いす対応の男女共用トイレに洋式便器がありますが、今後、計画的な洋式化を進めるなかで、男子トイレの洋式化について検討して参ります。なお、古市場公園と古市場第一公園においては、外壁等の劣化が進行している状況であることから、塗装について検討しているところであり、快適に御利用いただけるよう、努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、交通対策でおゆみ野地域の中央に位置するいわゆるバザール通りについてです。商業施設等が立地する道路であることから、休日などはいつも渋滞しており、渋滞対策と共に、商業施設等入口への安全対策が求められています。
おゆみ野地域の中心にあるバザール通りを安全に通行・歩行できるよう商業施設入口や歩道含めた安全対策と渋滞解消に向けた取組を求めますが見解を伺います。
【建設局長】
市道浜野町大金沢町線、通称バザール通りでは、歩行者と商業施設に出入りする車両が接触する事故が発生していること、また、休日などに道路が混雑していることは認識しております。今後、実施可能な対策について、交通管理者などと協議調整して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、緑保健福祉センター第2駐車場脇の道路拡幅についてです。道路幅員が狭く、緊急車両等の通行に支障があるため、地元住民から改善を求める声が寄せられ、先般当局に対し住民署名と要望書を提出しました。
緑保健福祉センターの第2駐車場脇道路が狭く危険なため、速やかに緑保健福祉センター駐車場用地の一部を道路にし、安全に車両通行できる道路へ改善を求めますが、今後の対応について伺います。
【建設局長】
現在、当該用地を所管する緑区役所と道路拡幅に向けた用地移管の協議を行っており、協議が整い次第、整備を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、南警察署前交差点の安全対策についてです。2018年第2回定例会における私の一般質問で信号機を歩車分離に改善することを求めました。当時市は、「警察署からは、歩車分離信号に変更した場合、車両通過に要する時間が長くなり、大網街道等の周辺道路への影響についても考慮する必要があると回答があるが、対策を講じるよう要望する」と答弁しました。あれから3年以上が経過しましたが、残念ながら改善は進んでいません。周辺道路への影響もさることながら、最も優先すべきは二度とこの交差点で死亡事故が起きないように安全対策を講じることです。
千葉南警察署前交差点の信号機を、市民の安全と命最優先に歩車分離信号に変更することを改めて強く求めるがどうか。
【川口副市長】
平成29年以降、当該交差点における交通事故は3件発生しており、市民が安全に交差点を通行できることは重要ですので、御要望の歩車分離信号に変更することについては、改めて所轄警察署へ要望したところです。
【かばさわ洋平議員】
おゆみ野まちづくりの最後に、京成千原線の運賃についてです。これまでも京成千原線の運賃が本線と比較しても高いことを示し、繰り返し議会でも取り上げてきました。改めて、JR外房線の鎌取駅から千葉駅への運賃は200円、通学定期代6ヶ月25,360円です。一方で同程度の距離間の京成千原線おゆみ野駅から千葉中央駅への運賃は330円、通学定期代6ヶ月は53,300円と運賃は1.6倍、定期代は2.1倍も格差があります。
先の1月に、京成電鉄、千葉県、千葉市、市原市の4者で構成される京成電鉄千原線整備促進検討会議が開かれましたが、千葉市としては京成電鉄に対し、運賃値下げについてどのように要望し、京成電鉄はどのように回答したのか。
【都市局長】
本市も構成員として参加している京成電鉄千原線整備促進検討会議において、これまでも本市から運賃値下げについて要望しております。本年1月下旬に開催された会議においては、これまでの運賃値下げについての要望に加え、京成千原線と京成千葉線をまたいで乗車した場合、千葉中央駅を境に運賃体系が異なるため、京成千葉駅まで乗車すると運賃が跳ね上がる点を指摘し、利用者視点での運賃体系の見直しについて意見したところです。このことに対し事業者からは、「京成千原線はもともと経営 破綻した千葉急行電鉄を引き継いでいるため運賃体系が異なること、その当時から運賃値上げをすることなく輸送サービスの維持を図っていることについては御理解をいただきたい」、また、「京成千原線から京成千葉線へ乗り継ぐ際の運賃には最大70円の割引を適用し利用促進に努めている」旨の説明がありました。
【かばさわ洋平議員】
長年、沿線住民や自治体が運賃値下げを要望し続けるなか、北総鉄道が10月から、通学定期運賃を平均64.7%引き下げると発表しました。粘り強く、沿線6市の首長などが市政重要課題と粘り強く要望してきたことが大きいものと考えます。本市としても、千葉県、市原市と千葉市で連携を強化して、高すぎる運賃値下げ要望に市長による強い働きかけが必要と考えます。そこで市長に伺います。
高すぎる京成千原線運賃の値下げを願う沿線住民の声に応え、北総線の運賃値下げの取組に学び、千葉県・市原市と連携して、市長自らが京成電鉄に運賃値下げを要望するよう求めますが、市長の見解をお聞かせください。
【都市局長】
運賃の値下げは、沿線住民の利便性向上や地域活性化にもつながるものと考えておりますので、社会情勢を捉えながら事業者に対して働きかけるとともに、引き続き、京成千原線整備促進検討会議の活動等を通じ、千葉県及び市原市と連携して取り組んで参ります。
4、投票率向上に向けた選挙の取組について
【かばさわ洋平議員】
昨年の10月に実施された衆院選挙における本市の投票率は53%と依然として低投票率であり、7月の参院選や来年の統一地方選に向けても、情報伝達の工夫や投票利便の向上に向けた取組強化が求められております。★先の衆院選挙における本市の年代別投票率をみると、10代~30代までが低い傾向であります。
若者が投票しやすいよう大学・高校における期日前投票所設置の取組についてはどうか。また10代~30代の若者の投票率向上に向けた取組として、動画コンテンツによる啓発強化も求めますが見解を伺います。
【選挙管理委員会事務局長】
大学や高校に期日前投票所を設置することは、啓発としては意義のあることと考えられますが、指定都市特有の事情として、投票箱や投票のためのスペースなどを区毎に設ける必要があります。当該区だけの期日前投票所を設置すると対象者が限られ、 利用者数が伸びず、一方、全区を対象とすると6区分を設ける必要があり、コスト面などを考慮すると設置は難しいものと考えております。しかしながら、若年層の投票率が低い状況が続いており、若者への啓発は重要なことと考えておりますので、動画についても様々な方策の一つとして活用しながら、啓発に取り組んで行くことを考えております。一例としまして、稲毛区で取り組んでいる「いなげ若者選挙プロジェクト」で、区内の専門学校生が作成した動画を、市ホームページにも掲載することとしました。今後も動画やSNSなど若者が興味を引きやすいツールを活用した効果的な啓発に取り組んで参ります。
【かばさわ洋平議員】
投票率向上に向けては、投票利便向上に取り組むべきあります。2019年第3回定例会において、私が共通投票所の設置を代表質疑で求めた答弁では、ネットワークや費用等の課題があるため、研究していく旨の回答でありました。函館市の取組では、大型商業施設に設置することで投票率が低い層である40歳代以下の利用者数が、市役所や支所などの期日前投票所より多かったと分析しており、一定の効果が認められております。
共通投票所整備に向けては、どのような調査研究を実施してきたのか。投票利便向上に向けて千葉駅や各区大型商業施設への共通投票所整備の検討を求めますが伺います。
【選挙管理委員会事務局長】
共通投票所を既に設置している自治体からの聞き取りなどを行い、先行自治体における二重投票の防止策が本市でも可能かどうか、また、最もコストのかかるネットワーク構築の費用の縮減やトラブル時の対策などについて調査研究を行ってきました。しかしながら、多くの投票所を持つ本市においては、確実に運用できる状況と判断するには至っていないため、引き続き研究して参ります。
【かばさわ洋平議員】
次に、選挙公報の配布改善についてです。
先の第4回定例会の会派代表質問で新聞購読率が低下し続けるなか、公報が届かない世帯に確実に届くよう全戸配布方式への改善を求めましたが、当局は「限られた期間内に配布を完了することは難しい状況にある。より良い方法を研究する」との答弁でありました。他方、政令市における選挙公報の対応状況を調査しましたところ、関東の政令市でみても、さいたま市、横浜市、川崎市で全戸ポスティングするなどしており、いずれも千葉市より高い投票率となっています。限られた期間はどの自治体も同じななかで困難と答弁して、真剣に検討しない姿勢は改善が必要と考えます。
複数の配布業者を活用することで、本市も選挙公報を配布することは可能ではありませんか。新聞購読率が下がるなか、全ての市民に適切に選挙公報を届けるためには、新聞折込対応からポスティングへの対応に切り替えが必要であり、当局の真剣な検討を求めます。
【選挙管理委員会事務局長】
新聞を購読する世帯が減少傾向にあることは認識しておりますので、現在の新聞折込み以外の方法についても、他都市の状況や配布事業者からの聞き取りなど調査を行っております。その中で、全戸ポスティングを採用している指定都市において、配布事業者の確保や自治会等における担い手不足など、近年、対応に非常に苦慮しているとの話を聞いてもおりますので、引き続き、有権者の皆様に選挙公報を届けるより良い方法について研究して参ります。
5、児童虐待防止対策について
【かばさわ洋平議員】
本市の児童虐待対応件数も年々増加傾向が続くなか、令和2年度は 1,766 件と最多を更新しており、対応件数の増加や事案が複雑化していくなかで対応力の強化が急務であります。私としても2019年第2回定例会で東部に新たな児童相談所整備を求めてきましたが、2所体制への具体化に向けた動きが進展したことは評価するものです。まずは一時保護を必要とする子どもが増加しているなかで定員超過日数が令和2年度で331日とほぼ1年間近く慢性的に定員を超過している状況の改善が急務と考えます。
一時保護所の定員が慢性的に超過しているなか、新たな児童相談所の整備では、一時保護所を併設することと個室を増やすことを求めます。また、一時保護の委託先を増やすべく取組も求めますが、どのように対応するのか伺います。
【こども未来局長】
新たな児童相談所の整備にあたっては、一時保護所の併設も視野に検討しており、一時保護児童のプライバシーや快適性の確保の観点から、個室の増設を含め、具体的な内容については来年度の基本計画の中で、整理して参ります。また、一時保護児童の委託先としては、引き続き、新たな里親の開拓や既存里親の活用を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
同施設内での2所化組織体制のイメージとしては、管轄3区ずつに分割し、東部児相として中央区・若葉区・緑区、西部児相は花見川区・稲毛区・美浜区、という方針であります。先般、児相を改めて視察しましたが、相談スペースや会議室などが不足しているため、早期に移転先を確保することが必要と考えます。児童虐待をうけた子どもがその後、うつ病や葉発達障害を抱えるケースがあるため、発達障害や子育て支援等、ワンストップで相談や支援が行える体制が必要と考えます。
中央区・若葉区・緑区の児童虐待事案に迅速に対応できるよう児童相談所を東部地域へ整備するにあたっては、児童虐待による発達障害、うつ病等への相談支援や相談待ちが続く発達障害者支援センターや療育相談所を有する複合的施設を提案するがどうか。
【こども未来局長】
新たに児童相談所を整備する際に複合施設とすることについては、他自治体での先進事例を研究するとともに、非行やDV、発達障害などそれぞれの専門機関との連携を含め、来年度策定する基本計画の中で整理して参ります。
【かばさわ洋平議員】
先般、日本共産党千葉市議団として、児童虐待を受けて育った当事者と懇談する機会を持ちました。親から受けた身体的暴力以外でも、兄弟で差別的扱いを受けたこと、繰り返される両親が争う場面をみせられる面前DVなどもあり、虐待被害により精神や健康を害し、社会復帰が困難となってしまったとの話がありました。心のケアや社会人になっても生活支援など継続的支援を求めています。
虐待をうけた子ども達が大人になっても心のケアに取り組む継続的支援が必要ではありませんか。また、子育てや子どもの発達など身近に相談できる環境を整備することが重要と考えますが、相談支援体制の拡充にどのように取り組むのか伺います。
【こども未来局長】
虐待や養育困難の相談に至る保護者の中には、幼少期に虐待を受け、愛着障害等の心に深刻なダメージを残したまま親となった事例が見受けられます。児童相談所においては、虐待の連鎖防止の観点から、体罰を用いないしつけの方法や子どもの発達にあった関わり方の指導等、安全な家庭環境づくりのための継続的な支援を行っているところです。また、子育てや子どもの発達など、身近に相談できる環境の整備については、次年度の中央区をはじめとして各区に子ども家庭総合支援拠点を設置し、児童相談所、母子健康包括支援センターとも連携し、相談体制の強化を図って参ります。
【かばさわ洋平議員】
虐待をうけた当事者との話では、殴る蹴るなどアザがないと虐待ではないと思っている市民は未だに多くいることや体罰はしつけとの認識が根深くあることが課題としてあり、社会的にしつけの体罰は許されないという認識を広げることが急務と考えます。横浜市は子供を虐待から守る条例を制定し、毎月5日を虐待防止推進の日として、啓発強化に取り組んでいるなど政令市では8市が子どもを虐待から守るための条例を制定し取組を強化しています。
虐待事案を少しでも減らすために、今後の懲戒権削除や体罰禁止の明記、市や市民等の責務を定める児童虐待防止条例を制定して取組を強化することを求めます。また、これまでの11月中心の啓発ではなく、「189」にちなみ毎月8日や9日などを本市の虐待防止推進の日を決めて、より効果的な啓発強化に取組むべきと考えますが、見解を伺います。
【こども未来局長】
児童虐待の防止のためには、行政の支援だけではなく、市民が児童虐待に関する正確な知識と共通の認識を持つことも重要であることから、今後は、他自治体の条例内容を参考にするとともに、より効果的な啓発方法を検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
子どもを取り巻く虐待を考える時に、もうひとつ必要な取組みは子どもの権利を守るという価値観を社会全体に広げることであります。政令市では9市が子どもの権利に関する条例を制定していますが、千葉市はこちらも制定していません。政令市で先駆けて制定した川崎市の小学生向けリーフレットです。「子どもはありのままの自分でいることができる」「自分のことは自分で決めることができる」など、漫画で非常に理解しやすい中身で伝えています。小中校の児童生徒・そして保護者へ、繰り返し丁寧に子どもの権利を伝えていく取組が虐待防止にも必要な取組であります。
痛ましい子どもに対する虐待を少しでも減らしていくために、子どもがひとりの人間として大切にされ、自分らしく生きられる千葉市とするためにも、子どもの権利条例制定を改めて求めます。また、子どもの権利をわかりやすく伝えるリーフ作成すること、学校での学習を強化することなど、理解促進に向けた取組を求めます。お答えください。
【こども未来局長】
子どもの権利条例の制定については、市としての基本姿勢等を示すことにより、市民意識の一層の向上や啓発を図るとともに、法的根拠を備えることにより、施策の実効性をさらに高めるための一つの方策として意義のあるものと認識しておりますが、政府の有識者会議が昨年取りまとめた報告書の中で、包括的な子どもの権利を定めた「こども基本法」の制定を求めていることから、国の動向を注視して参りたいと考えております。子どもの権利に関する理解促進に向けた取組みについてですが、母子健康手帳に子どもの権利条約の要点や児童憲章を掲載しているほか、児童虐待防止推進月間や児童福祉週間などの機会を捉え、市政だよりやホームページ等を活用した情報発信と各種啓発活動を行っており、引き続き、さらなる市民意識の向上に努めて参ります。また、小学6年生の社会科「わたしたちのくらしと日本国憲法」の学習において、子どもを含む国民の権利や義務を学ぶとともに、中学校の公民「人権と日本国憲法」では、子どもの権利条約の内容への理解を深めております。今後は、市立学校の児童生徒に対して、子どもの権利に関するリーフレットを作成し、毎年4月に配付することを予定しており、配付時に、担任が子どもの権利条約について事前指導を行うことで、子どもたちが自分たちの権利について主体的に学び考えられるよう、理解促進に努めて参ります。