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日本共産党東京都議会議員団

推進されてきた大型開発・千葉都心開発の検証を―ふくなが洋市議の一般質問〔2022年第2回定例会〕

一般質問を行うふくなが洋市議(6月17日・金)

【ふくなが洋議員】

1.加曽利貝塚についてです。

 最近は古代史に注目が集まっています。群馬県立博物館そして近くにある綿貫観音山古墳は注目されています。綿貫観音山古墳から発掘された副葬品はすべて国宝に指定されています。その国宝は群馬県立博物館に国宝コーナーがあり展示をされて多くの人が訪れています。この国宝は関係者から高く評価をされています。綿貫観音山古墳の石室から発見された埋葬品は豪華で充実しています。古代史に光があたれば加曽利貝塚も注目されることにもなります。そこで伺います。

 最初に加曽利貝塚のあり方についてです。特別史跡加曽利貝塚について特別史跡について指定された背景は何か。今後どのように特別史跡として発信するのか。出土品で国の評価を得ているものはどんなものがあるのか。

【教育次長】

 加曽利貝塚は、「国内最大級の貝塚と集落」「2000年にわたる生活の跡が今も眠る情報の宝庫」「明治時代からの考古学研究の発展への寄与」「市民が遺跡を守り抜いた、文化財保護の歴史の一里塚となっていること」などの点が評価され、H29年10月に特別史跡に指定されました。今後、国内最大級の規模を誇りつつ、集落・貝塚だけでなく周辺の自然環境を含めて保全されている点を活かし、縄文文化とSDGsを学ぶことができる場として、その価値と魅力を広く世界へ発信して参ります。出土品につきましては、関東地方の縄文時代中期の土器が加曽利E式、後期の土器が加曽利B式と命名されるなど、考古学の研究の歴史において重要であることが評価されており、今後、学術的価値に基づく文化財指定を検討して参ります。

【ふくなが洋議員】

特別史跡加曽利貝塚新博物館基本計画が示されています。この基本計画はなにを一番訴えているのか、パースをなぜ示さないのか。

【教育次長】

 新博物館基本計画では、「生きている縄文」をコンセプトに、縄文文化とSDGsを学ぶことができる博物館を目指しています。縄文時代の人々が自然と調和・共存し、限られた資源の中で数千年に及ぶ社会を築いてきたことを訴え、現代社会の持続可能性について考える機会を提供して参ります。パースについては、新博物館の事業手法としてDBO方式の導入を予定しているため、今後、本市の選定する民間事業者が作成することとなりますが、本市の考え・コンセプトを要求水準書等に的確に反映させて参ります。

【ふくなが洋議員】

加曽利貝塚をうちだすときに大事なことは市内南生実町にある、千葉市埋蔵文化財センターの役割です。そこで伺います。埋蔵文化財センターの設立の経過について、目的について伺うものです。

【教育次長】

 埋蔵文化財調査センターは、市内から出土した埋蔵文化財資料を適切に保存、収納し、調査研究、普及活用を図ることを目的に、昭和60年に設置されました。

【ふくなが洋議員】

 千葉市制100周年記念「千葉市内出土考古資料優品展」がさきに郷土博物館・埋蔵文化財センターで開催されました。この取り組みの結果について伺います。

【教育次長】

 千葉市内出土考古資料優品展は、市政100周年を記念して、市内で発掘された旧石器時代から近世まで各時代を代表する出土品180点を展示しました。学術的価値が高い資料や造形的に優れた資料を選りすぐり、外部機関が所蔵する市内の出土資料を含めて一挙公開する初めての試みとして、昨年11月から今年1月までは郷土博物館で、2月から3月までは埋蔵文化調査センターで開催し、コロナ禍にもかかわらず、両施設で8000人を超える方にご来場いただきました。今後も、埋蔵文化財の普及・活用に一層取り組み、市民の皆様の郷土の歴史に対する理解と関心を高めることを目指して参ります。

【ふくなが洋議員】

 千葉市教育振興財団について伺います。この団体の役割と目的、加曽利貝塚についての役割は。

【教育次長】

 千葉市教育振興財団は、市内埋蔵文化財に精通しその取扱いに豊富な経験と技術力を有していることから、市内の文化財の普及を図る委託事業として、埋蔵文化調査センター特別展などの展示事業、出前授業や体験教室などを実施しているほか、発掘調査の成果を市民に還元するための埋蔵文化財再整理業務も行っています。また、加曽利貝塚については、今年度、最新の発掘調査の成果を紹介するためのパネル展示を委託事業として実施する予定であり、今後も特別史跡としての魅力を発信するための事業を同財団と連携して取り組んで参ります。

2.千葉都心開発にかかわる問題について

【ふくなが洋議員】

 次に、千葉都心開発にかかわる問題について伺います。最初に、蘇我臨海部開発基本構想についてです。

 1993年(平成5年)大型プロジェクト優先姿勢を批判して、当時の松井市長に大型プロジェクト優先から市民生活優先に切り替えるように、代表質疑で求めてきました。松井市長は「84万人を擁する大都市に成長した本市は県都として業務核都市としてさらに政令市としてその果たす役割は一段と増大をしており」と答弁しています。それに続けて「今後とも市民生活優先基本に、市民生活の質の向上を目指したきめの細かい施策と都市機能を高めるために必要なプロジェクトを推進し、近い将来を迎える100万都市にふさわしい魅力ある町づくりに向かって努力を重ねて参りたいと考えております」と答えています。この市長答弁についての見解を求めるものです。

【財政局長】

 市民生活の優先を基本に、ソフト・ハードの各種施策を展開し、政令指定都市としてふさわしい町づくりへの取り組む姿勢を示した答弁であると認識しております。

【ふくなが洋議員】

 1996年第2回定例会で蘇我臨海部開発事業について一般質問を行いました。 このことで伺います。この事業の総事業費・市の負担、目的は何であったのか。

【都市局長】

 R2年度末の蘇我特定地区において実施された事業の総整備費は、約833億円であり、そのうち、本市の負担額は約366億円となっております。事業の目的としては、JFEスチールの東工場の機能が西工場へ移転することで大規模な遊休地が発生し、本市の都市構造に重要な影響を与えることになることから、活力と賑わいのある商業等への土地利用転換を果たし、市民の皆様の健康づくりとスポーツ振興に寄与し、広域的な防災拠点としての機能を果たす副都心の形成を図ることを目的としておりました。

【ふくなが洋議員】

 事業が概ね終息したが当初の目的はどのように図られたのか。

【都市局長】

 土地区画整理事業などにより、道路及び公共下水道などの都市基盤施設の整備を行うことで、大規模な遊休地の土地利用転換が図られました。また、市民の皆様の多様なスポーツレクリエーション需要に対応するとともに広域防災拠点となる機能を併せ持った蘇我スポーツ公園の整備により、本市のスポーツ環境の充実、防災機能の強化が図られるとともに、Jリーグを始めとしたプロスポーツやJAPAN JAMなどの大規模イベントが開催されるなど、新たな賑わいが創出され、魅力ある副都心を形成することができたことから、当初の目的は概ね図られたと考えております。

【ふくなが洋議員】

 当初から公害の問題と切り離してはダメと申し上げてきました。公害の問題は解決されたのか。特に地質の問題を伺います。

【都市局長】

 JFEスチールは、蘇我特定地区の整備に向け、H13年度に東工場跡地の土壌調査を行い、基準を超過した六価クロムなどが検出されたことを公表しています。六価クロムが検出された蘇我スポーツ公園用地に関しては、本市とJFEスチールで締結した「蘇我特定地区整備計画の推進に関する基本協定」に基づき、21年度にJFEスチールの費用負担によって、置き換えによる処理が実施されております。具体的には、指定調査機関による土壌分析結果をもとに、汚染土抽出プラントにて浄化し、マニフェストとしての搬出汚染土壌管理票をもって、適正に処理されたことを確認しております。なお、適宜、本市職員が試料採取に立ち会うとともに、写真や書類によって作業の完了を確認しております。また、自然由来のヒ素およびフッ素を含有する土砂を蘇我スポーツ公園の一部区域に蘇我特定地区外から一時的に搬入し、その後、盛土材として活用するため、25年度までに土壌汚染対策法に基づき形質変更時要届出区域の指定を行うとともに、27年度と28年度に封じ込め及び覆土による必要な処置を講じております。

【ふくなが洋議員】

 当時の川鉄(現JFE)に整備効果に応じた公共貢献として用地の無償提供を求めると平成14年第1回定例会で市長が答弁しています。有償部分は適切な価格で買収すると答えています。蘇我スポーツ公園の整備で、230億円の負担についての見解と事業の収束について結果報告を求めるものです。お答えください。

【都市局長】

 蘇我スポーツ公園の用地取得にあたり、蘇我特定地区整備計画の推進に関する基本協定に基づき、JFEスチールによる一部公共施設用地の提供等を通じた公共貢献として、総面積46ヘクタールのうち、無償譲渡面積を12.5ヘクタールとしております。そのほか、33.3ヘクタールについて、不動産鑑定評価に基づき、1㎡当たり6万9000円、総額230億円でJFEスチールから買収しております。

【ふくなが洋議員】

 次に、西口開発の問題です。この事業について、1997年第4回定例会のわが会派の代表質問で、「総事業費954億円の費用で巨大ビル3棟を建設する計画でした。バブルがはじけて入居の見込みもなく市が莫大な借金を抱えることになり1棟のみの建設を」と求めました。続いて、第3者による事業評価を行い情報公開のもとで事業の大幅修正と見直しを求めました。この点に踏まえて伺います。なぜ、第2種再開事業・千葉市が主体となって再開発を進めたのか。総事業費・市の負担と当初の目的は果たされたのか。お答えください。

【都市局長】

 千葉駅西口地区市街地再開発事業は、千葉駅東口に集中する交通の分散と臨海部への玄関口にふさわしい土地の高度利用を図るため事業化したものであり、西口の駅前広場や都市計画道路千葉港黒砂台線の整備など、公共施設整備の緊急性、必要性が高いことや、事業区域に占める当該施設の割合が高いため、本市が施行する用地買収方式の第二種市街地再開発事業を選択したものです。総事業費は、約641億円、本市の負担額は、約515億円です。駅前広場を整備したことで、東口に集中する交通機能を分散するとともに、千葉港黒砂台線を立体交差化したことで臨海部とのアクセス性が強化されました。また、多様な機能を有する再開発ビルと千葉駅をデッキ接続することで千葉駅周辺の回遊性が向上したほか、周辺の民間主導によるまちづくりが展開されるなど、目的が果たされたものと認識しております。

【ふくなが洋議員】

 西口再開発事業での雇用人数と経済効果についてはどうか。

【都市局長】

 雇用人数や経済効果に関する定量的な数値は把握しておりませんが、再開発事業の前には、低層の木造住宅や商業業務ビルが混在しており、駅前でありながらも十分な都市基盤がない状況でしたが、再開発事業により土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新が図られ、ホテルや飲食店、事務所、病院などさまざまな機能が進出し、経済効果があったものと考えております。

【ふくなが洋議員】

 この再開発は、どのような変化をしたのか経過についてお答えください。

【都市局長】

 この再開発事業は、S63年度の都市計画決定を経て、H2年度に着手しました。その後、バブル崩壊に伴う地価の下落・低迷により、再開発ビルの保留床処分や権利床の譲受け希望申出の辞退者が続出し、従前の権利の価格が下落したことで、権利者交渉が難航し長期化しました。事業の早期収束と事業費の圧縮のため、工区分けと特定建築者制度を導入することとし、駅前広場、都市計画道路、JR線沿いの再開発ビル3棟からなるA工区については、22年度に特定建築者が決定し、25年10月に再開発ビルが26年3月に駅前広場が竣工しました。また、都市計画道路の西側の再開発ビル3棟からなるB工区については、29年度に特定建築者を決定し、R2年3月に竣工しました。その後、横断歩道撤去等の残工事を経て、昨年3月に事業が完了しております。

【ふくなが洋議員】

 西口再開発事業は、都市局長の2009年の第2回定例会の答弁では「1990年代のバブル経済崩壊に伴う地価下落が続く局面で収支が厳しくなったものと考えている」とのことでした。この点はどの様に受け止めているのか。千葉市財政に対する影響についても伺うものです。

【都市局長】

 バブル崩壊やリーマンショックなどの社会経済状況の変化の影響により事業が長期化し、事業費の増加を招いたもので、当該開発事業の負担は決して小さいものではないと認識しておりますが、一方で、事業の施行に伴う駅前広場などの公共施設整備により、千葉駅周辺の回遊性や臨海部へのアクセス性が向上したほか、周辺の新千葉2・3地区やJR千葉支社跡地などの民間開発が連鎖するなど、効果があったものと考えております。今後は、こうした経過を踏まえ、必要性、経済性及び公共性などの観点や社会経済情勢の動向などに配慮しながら計画的かつ迅速に、千葉駅西口のみならず千葉都心全体のまちづくりに取り組んで参ります。

【ふくなが洋議員】

 これらの問題を検証するために改めて公文書条例の制定を求めました。この件について伺います。

【総務局長】

 公文書は市民共有の知的資源であり、より適切に管理することが適当であると考えていることから、今年度から公文書管理条例検討委員会において条例制定に向けた検討を行って参ります。

3.女性支援新法について

【ふくなが洋議員】

 次に、女性支援新法についてですDVや性被害・生活困難に苦しむ女性に対する支援が強化されようとしています。 女性への支援は、1956年に制定された売春防止法が基本になっていることには関係者から疑問がありました。新しい女性新法に期待があります。実効性を求めて伺います。婦人相談所の名称の改正・女性支援員の処遇・待遇改善についてはどうか。

【こども未来局長】

 婦人相談所は、売春防止法の規定に基づき、都道府県の設置が義務付けられておりますが、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の施行後には、女性相談支援センターと名称が変更されます。また、同様に婦人相談員は女性相談員と名称が変更となりますが、その職務を行うためには、配偶者からの暴力を受けた被害者の発見に努め、相談に応じ、必要な支援を行うなど専門的な知識や豊富な経験を有する必要があることから、民間から幅広く人材を募集するために、会計年度任用職員を雇用しているところです。

【ふくなが洋議員】

 売春防止法の抜本改正が求められるのではないか。

【市民局長】

 本年5月に、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が国会で成立し、R6年4月に施行されます。これに合わせ、売春防止法も改正され、改正前には売春を行うおそれのある女子への補導処分や保護更生が規定されておりましたが、条文が削除されることとなりました。

【ふくなが洋議員】

 長崎市幹部の性暴力問題についての見解を求めます。

【総務局長】

 長崎市の案件については、報道されている範囲でしか承知しておりませんが、性暴力はあってはならないものと考えております。

4.生活保護行政について

【ふくなが洋議員】

 次に生活保護行政について伺います。何時もお尋ねしている生活保護行政についてです。生活保護行政はコロナ禍で果たす役割が重要になっています。そこで伺います。生活保護行政は権利であると千葉市文書で明記をする時ではないのか。扶養紹介を基本的に行わないことも含めて明らかにするべきではないか。

【保健福祉局長】

 生活保護が権利であることは、本市のホームページで明示するとともに、生活保護制度を分かりやすく説明した「生活保護のしおり」において「生活保護を受けることは国民の権利である」ことを明記して、生活保護の相談に来られた方に説明しております。また、扶養紹介につきましては、相談時の聞き取りなどで扶養義務の履行が期待できないと判断される親族に対しては、扶養紹介を行わない等の取り扱いを行っており、相談者にもその旨説明しているところです。

【ふくなが洋議員】

 千葉市は現在、外国人籍の方の生活保護を求めて訴えられています。この件について千葉市の見解をお答えください。

【保健福祉局長】

 生活保護制度においては、「国民」に対して「その最低限度の生活を保障する」こととされており、一方、活動に制限を受けない「永住者」「定住者」等の在留資格を持つ外国籍の方に対しては、国の通知に基づく保護の準用を行うことができるものとされております。この規定に当てはまらない外国籍の方には、保護の実施もしくは保護の準用を行うことはできないものと考えております。

【ふくなが洋議員】

生活保護世帯の大学進学の問題です。千葉市の現状と改善の方向について伺います。

【保健福祉局長】

 本市の現状では、本年3月末に高等学校等を卒業した生活保護世帯に属する子ども101人のうち、大学等へ進学した方は48人、率にして47.5%となっております。本市では、親から子への貧困の連鎖を断ち切り、生活保護世帯の子どもの自立を助長するためには、大学等への進学を支援していくことが有効であると考え、大学等へ進学する子どもに対して「進学準備給付金」を適切に支給するとともに、高等学校等への進学を支援する「学習支援事業」にも力を入れてきたところであります。今後も国の動向を見据えながら、学習のサポートに努めて参ります。

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