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日本共産党東京都議会議員団

子ども医療費助成制度の保険調剤について保護者負担の撤回を求める請願の採択を―かばさわ洋平市議の討論〔2022年第2回定例会〕

討論を行うかばさわ洋平市議(6月24日・金)

 会派を代表しまして、議案第65号、68号、69号、74号に反対し、その他議案には賛成の立場から、また、発議第3号が否決され、請願第5号が不採択となったことについて、討論を行います。

 はじめに、議案第64号専決処分について、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金の支給についてです。国が予備費を活用して給付金を低所得の子育て世帯に1人5万円支給するものですが、物価高騰は深刻であり、政令市では岡山市が独自に対象者に2万円上乗せして支給をしており、自治体独自でも対策を講じることが必要と考えます。まずは対象となる方に迅速に支給できるように周知徹底を求めておきます。

 次に、議案第65号・一般会計補正予算中の千葉公園体育館整備についてと議案第69号千葉市都市公園条例の一部改正についてです。委員会審議では、インクルーシブ・SDGsになっているか、関係する団体の合意はとれているのか、管理運営の手法、廃止する千葉公園体育館の跡地利用、障害者スポーツの取り組み、あらゆるスポーツ愛好者が利用できるようになど提案をしました。市民のスポーツ振興のための施設整備については反対するものでありません。しかし、新型コロナウイルスにより市民生活に多大な影響がある現状において、多額の整備予算をつぎ込むものであり、工事実施を先延ばしし、物価高等含めて苦しむ市民生活・困窮者等への支援を優先すべきと考えるため、本議案には賛成しかねるとしたものであります。

 次に、議案第66号 千葉市下水道事業会計補正予算についてです。浸水対策事業の雨水貯留槽を、宮崎町2丁目及び都町3丁目に設置するための土壌調査で見つかった重金属類を土壌汚染対策法の手続きを行ったうえで処分する、その処分費用に9億円かかる補正です。掘削した汚染土壌は、不溶化処理をしてセメントの再生工場へ、また洗浄処理をして再生資源として、市川市や八千代市、多古町などに運ばれるとのことです。自然由来とは言え、環境基準を超えた重金属類が検出された土壌の処理に国と千葉市は責任を持つことが求められます。雨水貯留施設の設置は地域住民の浸水被害を最小限に抑えるために必要な事業であるため、早期の完了に向けて取組むよう求めるものです。

 次に、議案第68号 千葉市霊園設置管理条例の一部改正、桜木霊園において指定管理者制度を導入するための改正についてです。平成30年度から実施された平和公園の指定管理者制度においてただすと、園内巡回無料サービスの運行が開始され、施設利用者サービスの向上が図られていると認識が示される一方で、委託経費は導入後の経費を比較すると約1,000万円、約6%の削減が図られているとのことでした。

 桜木霊園の職員数は現状、正規職員が7名、非正規職員が9名となっているものの、今後の正規・非正規含めた職員数については、応募の事業者から提案されるというもので事業者任せです。これまでも千葉市斎場が指定管理制度の提案のなかで従来予算と比較して3,500万円経費削減を提案し、その後従業員から処遇改善を求める相談が寄せられ、議会質問でも処遇改善を取り上げてきたところです。経費削減が目的化する指定管理者制度では人件費抑制につながることが実態としてあるなかでは進めるべきではありません。さらには、市直営ではサービス向上が図られないという対応や考えこそ問題であり、直営でこそ一層の市民サービス向上に努めるべきであり、特に桜木霊園のニーズでは合葬墓の倍率が高いこともあり、今後さらに合葬墓におけるニーズが高まるため、第2合葬墓の早期検討こそ必要と考えます。

 多くの政令市は墓地行政での承継など個人情報の課題があるなかで、市の事業として責任をもって運営するなかで、市は指定管理者制度導入により、行政のもつ専門性が形骸化していくこと、合わせてワーキングプアを増やすことを進めることは問題と考えるため、本議案には賛成しかねるものであります。

次に、議案第70号千葉市立中学校設置条例の一部改正についてです。わが党も11年前からこの問題に取り組んでおり、ようやく夜間中学が実施できることは喜ばしいことです。JR検見川浜駅から徒歩圏内としていますが、通学のために自転車の利用も可能とすべきです。また真砂中と隣り合わせの真砂2小の跡地ですが、夜間の使用する際の防犯対策や事務室、保健室などの整備のためにも補助金が250万円では少なすぎるため、整備充実に向けた補助金拡充を国に強く求めるべきであります。なお給食提供については、アンケート実施して検討するとの答弁でしたが、夜間中学の半数は給食を提供しているため、給食の速やかな対応を要望致します。

 続いて、議案第74号、財産の取得新庁舎用事務用回転椅子の購入についてです。新庁舎の椅子について、単価が適正と思われないので再検討を求めるものです。当局の説明によれば、椅子は業務効率を高めるため疲労軽減につながるよう職員の健康面や安全面に配慮した仕様としたとのことです。その結果、現在の椅子単価約2万円から新しい椅子は単価6万円で、3倍となっています。高額であり節約できないのかと考えますが、職員の業務効率向上、疲労軽減につながるのであるならばやむを得ないと思い、認めるところであります。

 しかしながら、局部長級になると単価11万円であるとのことで、局部長の椅子を11万円にする合理的理由は見当たりません。市長の椅子は市政のトップだからなのか単価18万円であり、一般職員が6万円の高額な椅子で快適な仕事環境が図られる一方で、その約2倍3倍の椅子にする理由は、役職によって高額の立派な椅子にするという、職員を区別するための長い間の慣習によるものであると思われます。ちなみに市議会議員の控室の椅子は現在単価7万円を20万円に、正副議長の椅子は現在14万円を29万円にすることになっています。市民の代表として市民の最も近くにいて、市民感覚を持つことが求められている議員が、何か特別扱いになり市民が見たことも座ったこともない超豪華な椅子に座る予算を自ら決めてしまったことも遺憾であります。

 以上新庁舎の椅子購入について局部長の椅子、市長の椅子、議員の椅子、議長の椅子の単価については、合理性および科学的理由がなく、物価高騰、新型コロナ感染症、給料が増えず、年金減額等で厳しい生活を強いられている市民感覚と著しく乖離していて、市民は納得できないと思われます。よって、購入する椅子のうち、未執行については検討して価格を引き下げること、合わせて執行したものは再検討することを求めます。なお、一般職員の椅子は、業務効率を高めるため疲労軽減につながるよう職員の健康面や安全性に配慮しものであるため、新庁舎職員だけでなく、区役所はじめ出先施設の職員にも早晩同様の椅子にすることを求めておきます。

 次に、議案75号、工事請負契約について、蘇我球技場競技用照明設備改修工事についてです。蘇我球技場開設から16年が経ち老朽化したフクダ電子アリーナの照明設備を改修するものです。今回LEDに交換することで電気代の削減と年間28tのCO₂の削減が見込まれるとのことです。気候危機への対応としても市の施設においてCO₂削減の取組みは重要であり、今後他の施設においても省エネ含めて取組むよう要望すると共に、工期については利用者への影響が大きいためスケジュール通りの進行を求めておきます。

 続いて、追加で提案された議案第79から82号、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分の補正予算については賛成の立場から意見を申し上げます。物価の高騰が暮らしと営業を脅かしています。総務省が公表した消費者物価指数は生鮮食品を含めた総合指数では前年同月比で2.5%の上昇となり、消費税を5%から8%に引き上げた時以来8年ぶりで、消費増税時を除けば約30年ぶりの大幅な物価上昇となっています。

 物価上昇におけるひとつの要因とされているのが、経済政策アベノミクスの柱の異次元金融緩和です。日銀が金融市場で国債や、大企業の株式で構成する投資信託を買い、資金注入してきました。潤ったのは、大企業と富裕層ばかりです。さらにいま超低金利政策が円安を加速させ、食料やエネルギーなどの相次ぐ値上げを助長するなど弊害があらわです。労働者の賃金を上げるなどの実体経済を良くする政策への転換を市としても国へ要望すべきと考えます。

 そうしたなか、今回の補正予算では、ほぼ全世帯対象の下水道使用料等減免に約15億8千万円を盛り込まれたことはじめ、日本共産党千葉市議団としても求めてきた学校給食費の物価高の給食費支援などが盛り込まれたことは一定の評価するものです。学校給食費については一般質問でも求めましたが、堺市が2学期限定で小学校の給食費無償化を行うなど、学校給食費の更なる無償化の拡充をこの物価高の局面でこそ、国、千葉県からの財政も活用するなかで踏み出すことを求めるものです。また、給食費食材高騰支援では児童養護施設や児童相談所の一時施設等でも給食食材高騰しているため、更なる対象の拡充も要望いたします。

 中小事業者対策では、物価高のコスト増に応じて5万~15万円を助成する新たな特別支援金が盛り込まれましたことは一定の評価をするものの、例えばガソリン価格高騰で最も影響を受けているとされている運輸貨物等事業者についての支援措置がなく、特別支援金の活用を示唆していますが、支援額等は不十分と言わざるを得ません。浜松市は物流円滑化支援事業として貨物自動車や旅客運送事業者にも支援しています。他にも、介護事業所の送迎車両への燃料費支援、影響の大きい事業者に適切な支援を行う対策を求めるものであります。

 地域公共交通支援も必要な補正予算と考えます。本市で2路線、千葉中央バスの千葉中線や平山線が7月に路線廃止される予定のなか、路線廃止は生活者への影響が甚大であります。今後市内でのバス路線廃止や減便をなくすためにも地域公共交通事業者への支援拡充も合わせて求めておきます。

 一定の評価がある一方で、今回の補正予算については生活弱者者低所得者への視点、対策への不足感が否めません。生活必需品が大きく値上がりしていることは低所得者には重い負担となります。年収200万円未満の低所得世帯に限定すると影響額は年間6.4%で、年収の4.3%にも相当します。こうした観点も踏まえた対策強化が必要と考えます。

 政令市の物価高騰対策を調査したところ、静岡市では生活困窮者自立支援金に2人世帯では2万円を上乗せ支給、名古屋市では生活保護世帯から大学進学した学生への受給対象外の学生に1人10万円支給、京都市では生活困窮者への食料配布事業、仙台市では子ども食堂支援事業など展開しています。

 繰り返しになりますが、30年来の大幅な物価高が長期化する見通しがあるなかで、今後の国からの交付金活用だけではなく、市の一般会計や財政調整基金も活用し、物価高から市民生活を守る対策の強化を強く要望するものであります。

 次に、発議第3号、千葉市孤立市防止条例についてです。本市の高齢者緊急通報システム整備事業における孤独死は令和2年で9名発生するなど毎年一定数の孤独死が確認されているなかで、孤独死を減らすために、より一層の対策を求める条例です。委員会審議では、「条例が理念的であり前へ進むと考えられない」「セルフネグレクト等の課題がある」などの理由を述べられ反対し否決されました。しかしながら、多くの会派から「孤独死をなくしたい思いは同じ」との見解も合わせて示されました。千葉市では自治会やNPO法人等の住民団体による高齢者見守り活動を行う地域見守り活動支援事業の交付団体は59件にとどまっています。

 市内自治会は1,099あるなかで多くの地域で見守り活動が進んでいないのが実態です。近年、新聞購読率もさがるなかで現状の孤独死防止通報制度も事業者協力任せだけでは限界もあります。より身近な地域でのつながり含めた積極的な見守り活動を展開することが必要であるため、当局には高齢者見守り事業の拡充や孤独死通報制度、高齢者緊急通報システム整備事業の周知策を改善するなど、孤独死をなくすために一層の取組を求めるものであります。

 最後に、請願第5号、子ども医療費助成制度の保険調剤について保護者負担の撤回を求める請願についてです。子ども医療費助成制度では、県が令和5年8月から受診機会の多い世帯の負担軽減を実施する方針が示されたため、軽減内容をただしました。すると、通院は小学3年生までに月に6回目以降は無料、入院は月に11日目以降が無料としており、通院では全体の0.3%に過ぎないこと、入院では全体の約2割に過ぎないことが明らかになりました。これでは多くの子育て世帯を救う支援にならないのは明らかであります。

 政令市では子ども医療費調剤負担を導入しているのは4市あるものの、2回目以降は無料としている札幌市や仙台市と負担軽減を図っています。少なくとも2回目以降は無償にするなどの措置が必要と考えます。また、高校生まで無料の政令市は7市にも及んでおり、新たに東京23区は来年度から高校生まで医療費無料化する方針を発表するなど、子ども医療費無償化は多くの自治体の流れであるなか、千葉市だけが負担増で逆行していることは極めて問題です。

 他の会派は、「自己負担の500円が高いのか安いのか」、「国で統一したルールを」また医療費の最高額を示し、ある程度の自己負担が必要と県の状況を見守るといった発言があり、日本共産党以外はすべて反対して不採択となったことは極めて遺憾です。物価高や持病のあるお子さんを抱える家庭の現状や全国の子ども医療費負担軽減の動きをとらえていないと言わざるを得ません。当局には、子育て世代に選ばれない都市となる愚策を改め、安心して子育てできるよう子ども医療費の調剤負担を早急に見直しすることを強く求めて、会派を代表しての討論と致します。

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