学校のトイレ改修と給食室エアコン設置前倒しへ―かばさわ洋平市議の議案質疑〔2022年第4回定例会〕
1.議案第139号千葉市一般会計補正予算
(1)新型コロナウイルス対策事業について
【かばさわ洋平議員】
冬季の新型コロナウイルス感染拡大に備えるため、約18億円の補正予算が提案されたところであります。じわじわと感染者が増加しているなか、第7波を越える感染増加やインフルエンザとの同時流行の懸念もあるなか、医療ひっ迫への備えや効果的な感染対策が求められています。はじめに、現時点における本市の感染者の動向及び、入院者、死亡者の状況について伺います。
【保健福祉局長】
新型コロナウイルスの新規感染者数については、8月上旬をピークに減少傾向となりましたが、10月中旬以降再び増加に転じ、それ以降増加傾向が続いており、先月22日から28日までの1日当たり平均感染者数は698人となっております。先月28日現在の入院者数は209人です。新型コロナウイルス感染症の感染が判明して死亡した方は、これまでの約3年間の累計393人となっております。
【かばさわ洋平議員】
第7波のピーク時には宿泊療養施設の待機者はどの程度発生したのか。冬場のピークに向けてホテル療養体制の一層の拡充が必要ではないのか。
【保健福祉局長】
第7波のピーク時においては、本市の宿泊療養施設への入所を2、3日お待ちいただくケースがありました。今後の感染拡大時においては、本市の宿泊療養施設だけでなく、千葉県の宿泊療養施設とも連携をとりながら、希望する方が滞りなく入所できるよう、調整を図って参ります。
【かばさわ洋平議員】
入院費の公費負担の継続は当然必要な予算措置でありますが、市川市は新たにコロナ新型コロナウイルスのワクチン接種後に健康被害を訴える人に対し、独自の見舞金3万5千円を支給する方針を示しています。本市としても入院医療費の支給のみに留まらず、ワクチン後遺被害やコロナ感染後遺症含めた、新たな支援を図るべきではありませんか。
【保健福祉局長】
後遺症については、ワクチン接種や診断を受けた医療機関やかかりつけ医に相談していただくことが重要であると認識しております。引き続き、後遺症状がある方が適切な医療を受けていただけるよう、「千葉県新型コロナウイルス副反応等相談窓口」や「新型コロナウイルス感染症相談センター」での相談等について、ホームページ等を活用し周知に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
第7波において本市では、医療ひっ迫をさけることを目的とした自宅への無料PCR検査キット送付事業や県との抗原検査キット送付事業を展開しましたが、第8波で医療ひっ迫が懸念されるなか、速やかな再開が必要ではありませんか。
【保健福祉局長】
本市独自の無料PCR検査事業は本年8月に実施したところですが、感染拡大の状況を踏まえて、事業の実施方法を改めて検討した上で、再開について検討をしているところです。千葉県、船橋市、柏市と共同で実施する、抗原検査キット配布事業については、今月5日から再開する予定です。なお、抗原検査キットを体調不良時に備えて、あらかじめ準備していただくことを促進するため、市薬剤師会の協力のもと、先月11日から抗原検査キットの購入費助成事業を実施しています。
【かばさわ洋平議員】
昨年の無料PCR検査事業についてはWEB申請のみで高齢者が申請できずに多くのお困りの声が届き議会で指摘改善を求めてきましたが、今後無料PCR事業を再開する場合は高齢者でも申請しやすいよう電話等でも受付すべきですが、見解を伺います。
【保健福祉局長】
現在検討中の無料PCR検査事業については、電話での受け付けも可能なように準備しております。
【かばさわ洋平議員】
冬場に入り換気が難しい時期となっているため、保育園や学校等での感染によるクラス閉鎖等が増加しています。学校の児童・生徒、保育園はクラスター化しやすく、子どもから家族へと感染の広がりを止めるためにも、保育園や学校教室に空気清浄機を整備して、少しでも感染を抑制するよう取組むべきではありませんか。
【こども未来局長】
保育園においては、換気、手洗い、手指消毒など基本的な感染対策を徹底しているほか、公立保育所には空気清浄機を設置し、民間保育園等に対しては空気清浄機の購入経費について助成を行っております。市立学校においては、文部科学省から新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、特に換気について、その徹底の重要性が周知されていることから、気候上可能な限り、常時換気に努めております。今後とも、各校で効果的な換気を行うなど、適切に対応して参ります。
(2)環境保健研究所移転整備にかかる歳入歳出予算及び債務負担行為について
【かばさわ洋平議員】
現在整備を行っている環境保健研究所の物価高騰に伴う増額補正についてですが、主な要因と今後移転における検体搬送等の体制など万全な体制が必要と考えるがどうか。
【保健福祉局長】
本工事にかかる契約締結時点から、インフレスライド条項の適用基準日までに、建設工事に関する物価が10%前後上昇していたことが主な要因となります。また、今後、検体採取を行う保健所と環境保健研究所の距離が遠くなることから、検体採取や検査実施時間などの情報共有や、検体採取場所から直接、環境保健研究所に検体を搬入するなど、スムーズな検体搬送に努めるとともに、検査の効率化や書類の電子化により、可能な限り早く検査結果を報告できるよう努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
市民から今後検体等を持ち込む機会があることから、案内看板等の設置や周辺道路の安全対策を万全にすべきだが、どのように取組むのか。
【保健福祉局長】
移転後の環境保健研究所においては、適切な場所に案内標識を設置することにより、検体を持ち込む市民の皆様や事業者の方が迷うことがないよう対応して参ります。また、周辺道路の安全対策については、現地の状況を確認し、必要に応じた対策を行って参ります。
【かばさわ洋平議員】
新型コロナウイルス感染症への検査対応の強化を求めてきましたが、検査体制についてと人的体制はどのように拡充されるのか。
【保健福祉局長】
環境保健研究所では、新型コロナウイルスの全ゲノム解析による変異株の判別を行うために次世代シークエンサーを導入しており、今後は新興再興感染症の発生にも活用して参ります。さらに、移転に伴う検査機器の整備などを通じ、今後想定される様々な状況に応じて、適切に多くの検体を処理できるよう、体制を整えて参ります。また、新興再興感染症などの健康危機管理に迅速に対応できるよう、専門職員の検査技術の向上と継承、専門知識の習得などを目的とした人材育成にも努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
全ゲノム解析による変異株の判別を行うための対応をしていますが、本市の現時点における感染株の状況はどうなのか。また今後新型コロナウイルスは今後も変異を続けていくことが想定されるなか、環境保健研究所における変異株調査の状況もHP等で情報提供すべきと考えるがどうか。
【保健福祉局長】
現在のところ本市においては、BA.5系統が主流で、他の系統に置き換わりが進む明らかな傾向は見られておりません。また、県内全体の変異株の発生状況は、本市分も含め県ホームページにおいて、一括して公表されていることから、市ホームページで県の変異株情報を紹介するなど、周知に努めて参ります。
(3)産業用地整備支援事業建設負担金について
【かばさわ洋平議員】
千葉外房有料道路・鎌取IC周辺における産業用地整備支援事業への5億円の債務負担行為を設定する補正予算となりますが、本市における歳出根拠は何か。限度額の額における設定根拠は何か。
【経済農政局長】
企業誘致を行うことで、更なる雇用確保、税源の涵養、地域経済への波及を図るため、また、市民福祉の充実に必要な財源を確保するためにも、継続的に産業用地の供給を行っていくことは必要不可欠であると認識しております。一方で、本市が直接産業用地を整備する場合には、売れ残りリスクなど、財政面での負担が多大になる可能性もあることから、民間活力を導入することとし、本市の負担は、整備が必要な周辺インフラ部分のみを対象として、産業用地整備を行う民間事業者に建設負担金として交付することで、本市の財政面での負担を軽減しつつ、必要な産業用地の整備を推進していくこととしております。また、建設負担金の算出にあたっては、公募地区域の取付道路、下水道の接続、調整池などの対象インフラ整備に係る想定値を試算の上、上限額の設定を行っております。
【かばさわ洋平議員】
新たに整備される産業用地で何社の応募を行い、雇用人数の規模、千葉市民の雇用募集は何名あるのか。
【経済農政局長】
民間事業者から提案された土地利用計画案では、4区画となっておりますが、立地を希望する企業のニーズによって変更が生じるため、現時点では募集する社数については確定しておらず、現在の区画数から増減する可能性があります。全体の雇用規模としては、市内立地企業の状況や分譲面積などにより500人程度を見込んでおり、そのうち市民雇用については、これまでの市内立地企業の実績により、概ね50%程度にあたる250人前後になるものと想定しております。
【かばさわ洋平議員】
産業用地整備後の企業からの税収見込みと今回の投資額における回収見込みについてはどうか。
【経済農政局長】
本市のこれまでの立地企業からの税収実績等を基に試算したところ、全区画において立地企業が操業した後には、固定資産税や法人市民税など、年間約3億円以上の税収が見込まれることから、建設負担金5億円についても早期回収できるものと考えております。
【かばさわ洋平議員】
産業用地整備の入口となる生実本納線においては暗く、歩道脇に不法投棄が絶えない地域であるため、道路照明灯整備や不法投棄対策などの取組みが必要ではありませんか。
【経済農政局長】
今回認定した産業用地の整備が進み、立地企業が施設の建設を行い、周辺の環境が変化していくことから。関係者とも協議の上、適切に対応して参ります。
【かばさわ洋平議員】
新たな産業用地へのアクセスでは最寄りが京成千原線の学園前駅からとなりますが、第三大巌寺踏切など狭く、先般人身事故もあったと聞いているため、踏切拡幅や歩道の安全対策が必要ではないか。
【経済農政局長】
進出企業の従業員が、京成千原線学園前駅から、安全に通勤が可能になるよう、周辺環境の整備を図っていくことは、必要であるものと認識しております。今後、周辺住民の方々への事業説明を通じて得られた要望や進出企業の従業員の通勤状況などの把握を行った上で、庁内の関係部局と情報共有を行い、適切な対応に努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
今回京成電鉄も事業者であるなか、今後、企業誘致が進み、通勤する従業員の利用が進むことが見込まれる。一方で、京成千原線運賃が高く沿線住民も利用できない状況が続くため、産業用地整備を契機に北総線のように定期代など運賃引き下げを行うよう市が強く要請すべきではありませんか。
【経済農政局長】
京成千原線は、進出企業の従業員が通勤手段として利用することが想定されるため、運賃の引き下げは、利用の促進につながり、ひいては自動車通勤の抑制による周辺道路の負荷軽減にも資するものであると認識しております。一方で、京成電鉄からは、京成千原線はもともと経営破綻した千葉急行電鉄を引き継いでいるため料金体系が異なることや、引継ぎ当時から現在に至るまで、運賃値上げをすることなく輸送サービスの維持を図るなどの経営努力を行っていることも伺っております。今後、産業用地整備が進み、京成千原線の将来的な利用状況が見通せるタイミングを捉え、庁内関係部局とも連携し、適切に取り組んで参ります。
(4)畜産飼料価格高騰緊急対策について
【かばさわ洋平議員】
先の議会における代表質疑で求めてきた畜産飼料高騰対策に取組むことは評価するものです。はじめに、本市の畜産農家数と出荷額は10年前と比較してどのようになっているのか。
【経済農政局長】
公表されている統計データによると、畜産農家数は「千葉市農業概要」において、平成22年の66戸から、令和2年には36戸に減少しており、畜産出荷額は、「千葉県統計年鑑」において、平成22年の31億8千万円から、令和2年には21億9千万円に減少しております。
【かばさわ洋平議員】
畜産農家の飼料価格高騰はどの程度なのか。そのうち今回の補正予算ではどの程度の割合が補助されるのか、廃業をする畜産農家を減らす取組が必要と菅考えるがどうか。
【経済農政局長】
畜産飼料価格は、本年3月から7月にかけて急激に高騰したものであり、その後も高止まりが続いております。配合飼料の小売価格の高騰額は、1トン当たり1万5,130円であり、これに対して、国の支援額6,750円、千葉県の600円に加え、本市が独自に600円を支援することで、合計7,950円で、支援の割合は約50%となります。また、粗飼料の小売価格の高騰額は、年間で成牛1頭当たり5万1,453円であり、これに対して、国の支援額10,000円、千葉県の5,000円に加えて、本市が独自に5,000円を支援することで、合計20,000円となり、支援の割合は約40%となります。これらの支援策を講じることにより、畜産農家の経営継続を図って参ります。
【かばさわ洋平議員】
給付要件で生産コスト低減、配合飼料の低減の取組みに努めるとあるが、全ての市内畜産農家を適切に支援すべきではないか。また、今後も長期化される場合は3月以降においても支援を検討すべきと考えるがどうか。
【経済農政局長】
本支援策は市内すべての畜産農家を対象としており、活用にあたっては、持続的な畜産経営に向け、国産資料の割合の増加によるコスト低減や、餌の給与量の適正化などの取組みに努めていただくことを考えております。また、来年3月以降の支援についてですが、まずは畜産飼料の価格動向について、国や千葉県からの情報を収集するとともに、畜産農家の声を伺うなど、注視して参りたいと考えております。
【かばさわ洋平議員】
畜産以外の農家から肥料対策の補正予算だけでは厳しいという声があるため、更なる畜産以外の農家の肥料高騰対策を強化すべきではないか。
【経済農政局長】
本市の肥料高騰対策については、本年10月3日から給付申請の募集を開始したところであり、まずはより多くの農業者の皆様にご活用いただけるよう、あらためて事業の周知を行うとともに、農業者の皆様の声を伺って参ります。
(5)学校施設の各種改修について
【かばさわ洋平議員】
学校施設改修は児童生徒の安心安全な学びにおいては必要不可欠な事業であるため、早期の完了が求められます。エレベーター設置、トイレ改修、給食室冷暖房整備において、本補正予算を実行した場合の完了校数と割合について、それぞれお示しください。
【教育次長】
エレベーター設置は96校で約57%、トイレ改修は119校で約81%、給食室冷暖房設備整備は66校で60%の見込みとなります。
【かばさわ洋平議員】
トイレ改修において給食室の冷暖房整備でも児童生徒学校関係者から喜びの声が届いている。日々使用するトイレ改修と、昨今の温暖化も深刻なため給食室で働く職員の健康を守るためにも冷暖房整備において一層の前倒し対応が必要と考えるが、整備完了年度の見通しと今後の対応について伺います。
【教育次長】
トイレ改修については、令和6年度末の全校完了を予定しており、円滑な事業執行に向け、工事の発注時期や施工時期等の平準化を図るとともに、同一校の関連する工事の一括発注を行うなど、完了時期が遅れることのないよう対応を図って参ります。また、給食室冷暖房整備については、9年度の全校整備完了を予定しておりましたが、給食従事者の労働環境の早期改善を図るため、事業の完了年度の前倒しを検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
学校生活等で骨折した児童生徒や車いすの教職員など、いつでも利用できるように、インクルーシブ教育の推進に向けても、全ての学校へのエレベーター設置が必要と考えるが、前倒しで全校整備すべきではありませんか。
【教育次長】
エレベーターを必要とする児童生徒が不自由なく学校生活を送れるよう、入学予定や在籍状況に応じ整備を行っており、引き続き、バリアフリーやインクルーシブ教育の推進の観点からも着実に事業を進めて参ります。
2.議案第165号 指定管理者の指定について、下田都市農業交流センターについて
【かばさわ洋平議員】
下田都市農業交流センターは農業振興や地域の地産地消推進には欠かせない施設であります。収支においてはコロナ禍もあるなかで苦労されていると聞いており、昨今は地元の農産物のネット販売を始めたとされるが売上はどの程度上がっているのか。
【経済農政局長】
下田都市農業交流センターにおいては、令和2年度から、農産物のインターネット販売に取り組んでおり、2年度は20万4,184円、昨年度は120万6,906円、今年度は10月までで189万6,609円を売り上げております。
【かばさわ洋平議員】
収支が赤字である状況の改善に向けてはどのように市は支援する考えなのか。本市としてもICT支援などに取組み、ネット通販強化と収穫体験を広く市民に周知するためにもSNSなど、広報活動の強化支援を行うべきではないか。
【経済農政局長】
令和4年第2回定例会で補正予算化した地産地消推進事業を活用し、「千葉市つくたべホームページ」をリニューアルするとともに、SNSの発信を強化することとしています。また、下田都市農業交流センターの「しもだ農産物直売所」及びレストラン澪(みお)は、市内産農畜産物を買えるお店、食べられるお店として「千葉市つくたべ推進店」に登録されていることから、「千葉市つくたべホームページ」やSNSを通じて広報活動の強化を行うこととしています。
3.議案第166号 指定管理者の指定公民館施設管理運営について
【かばさわ洋平議員】
コロナ禍で公民館利用者が低下するなかで、運営における評価と課題について、お示しください。
【教育次長】
コロナ禍においても講座の受講が可能となるよう、オンラインを活用した講座の開催や、講演、演奏などの動画の配信に取り組んだことは高く評価しております。 一方で、コロナ禍により公民館登録団体の活動が停滞し、休止、解散した団体が増加したことが課題であり、今後は、新たに公民館で講座を受講した人達が、講座終了後も学び続けられるような環境づくりに努めるなど、登録団体の増加に取り組んでいく必要があると考えております。
【かばさわ洋平議員】
災害時に利用された公民館の活用実績と課題について。災害時に活用できるような機能強化にどのように取組んできたのか。
【教育次長】
令和元年、台風15号及び19号等により、各公民館に避難所を開設し、多くの避難者を受け入れましたが、一部の公民館で停電が発生するなど、予備電源の確保が課題となったことから、電力の強靭化政策の一つとして、9公民館に太陽光発電設備と蓄電池を設置したほか、全ての公民館に、自動車のシガーソケットや太陽光での充電が可能なポータブル充電池を配置いたしました。また、避難者に災害情報を発信することが大変重要であることから、全ての公民館において、デジタルサイネージを活用した情報発信に努めているところです。
【かばさわ洋平議員】
公民館施設管理運営の指定管理委託料が3年間で43億円とあるが、1館あたりの運営経費はどの程度か。また、電気代等の高騰など盛込んだ予算額となっているのかどうか。
【教育次長】
来年度の公民館1館当たりの運営経費は来年度1年間で約3,000万円を見込んでおりますが。また、光熱水費については、昨今の燃料費等の高騰を踏まえた金額としております。
【かばさわ洋平議員】
これまで予算要望等でも求めてきたWifi整備、プロジェクター装置設置、トイレ洋式化、古いテーブルや椅子の更新などの改善状況についてお示しください。また、指定管理料で難しい場合は市の財政負担でも市民サービス向上を図るべきと考えますが見解を伺います。
【教育次長】
まず、WiFiについては、これまで一部の部屋でしかつながらないなど利用者に不便をおかけしていたことから、昨年度末までに全館において全ての部屋でWiFiが使用できるよう改修しました。次に、プロジェクターについては、47館中38館に設置されており、今後、全館に設置できるよう取り組んで参ります。次に、トイレの洋式化については、今後、移転を予定しているこてはし台公民館及び千城台公民館を除く全ての館において、今年度末までに洋式化が完了する予定です。次に、古いテーブルやいすの更新については、指定管理者制度導入以降、順次、更新を進めており、今後も引き続き取り組んで参ります。最後に、財政負担についてですが、指定管理業務に関する負担は、基本的に指定管理者が指定管理料で負担すべきものであると考えております。
【かばさわ洋平議員】
指定管理制度となって直営運営時と比較して、同様の業務内容でも人件費の低減が懸念されているが、直営時と比較して人権費はどの程度違うのか。また、これまで我が党として求めてきた社会教育指導主事の育成と増員はどの程度改善したのか伺います。
【教育次長】
指定管理者制度導入後は、積極的に若年層の職員を採用したことなどにより、市の直営により運営していた平成29年度の人件費と比較すると、約6,600万円の減となっております。また、社会教育主事については、国立教育政策研究所主催の社会教育主事講習への派遣をはじめ、指定管理者において社会教育主事有資格者の採用や、資格取得に必要な費用助成の実施などに取り組んだことにより、直営時の4人から25人に増加しました。今後は、社会教育主事が地域の課題解決に向けた講座の開催や、学習成果の地域への還元に取り組むことで、地域のコーディネーター役となるよう育成を進めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
現場からは長年雇用されている非正規職員でもモチベーションや生活を維持できるように昇給等含めて適切な人件費措置がなされるような予算や指導が必要と考えるがどのように取組むのか伺います。
【教育次長】
現在、指定管理者が雇用している非正規職員の給与については、最低賃金の上昇等を踏まえ、毎年ベースアップを実施するなど、適切な人件費が措置されており、引き続き、指定管理者に対し、適正な給与体系が確保されるよう指導して参ります。
【かばさわ洋平議員】
公民館運営含め教育振興財団の全ての指定管理施設における正規職員と非正規雇用の割合はどの程度なのか。
【教育次長】
正規職員が13%、非正規職員が87%となっております。
【かばさわ洋平議員】
会計年度任用職員や非正規雇用は1年や3年等の時限的契約であるため、長期安定雇用を行うようにすべきですが対応はどうか。また災害時でも市民の命を預かる立場となるため、正規職員の割合を増やすように改善すべきですが、どのように取組むのか伺います。
【教育次長】
まず、非正規職員に対しては、雇用期間終了前に必ず意向を確認し、継続勤務を希望する場合は、原則、引き続き雇用することとしており、安定的な雇用に努めております。次に、正規職員についてですが、災害が発生し、避難所が開設される際は、必ず市職員が直近要員として各避難所に派遣されることとなっており、避難所運営において公民館職員は必ずしも正規職員である必要はないものと考えております。今後も、公民館の管理運営にあたっては、正規、非正規を問わず、多様な雇用体系のもと、最善の形で運営が図られるよう努めて参ります。
4.議案第146号 千葉市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について、
議案第147号 千葉市個人情報保護審議会設置条例の制定について、議案第148号 千葉市情報公開条例及び千葉市情報公開・個人情報保護審議会設置条例の一部を改正する条例について
【かばさわ洋平議員】
今回の行政機関等匿名加工情報の利用に係る手数料など、一連の条例制定や改正について、自治体の裁量権はどの程度あって、市が独自に設定した内容はあるのかどうか。
【総務局長】
法の施行条例で定める事項は、開示請求や、行政機関等匿名加工情報の利用に係る手数料の規定など、法で委任を受けた事項のほか、法で許容されている事項があり、その限りにおいて裁量があるものと認識しております。市が裁量の範囲内で定める事項として、引き続き、個人情報取扱事務目録を作成・公表することなどがあります。
【かばさわ洋平議員】
これまでの自治体で定めてきた個人情報保護条例は個人情報の目的外利用、外部提供や、オンライン結合を制限してきました。しかし今回の法改正では匿名加工情報の提供やオンライン結合を行うことができるなど、行政の持つ巨大な個人情報が匿名加工されるとはいえ、本人同意なく外部にわたることは問題と考えないのか。
【総務局長】
匿名加工情報は「個人情報」には当たらないため、「本人」の同意は要件とされていません。
【かばさわ洋平議員】
医療分野における個人情報も対象となることですが、本市公立病院での受診データや病歴なども匿名加工して民間事業者に提供できることになるのかどうか。
【総務局長】
今後、個人情報ファイル簿の作成の準備を進める中で、それぞれの個人情報ファイル簿について、行政機関等匿名加工情報の提供の可否も含めた調査を行う予定です。
【かばさわ洋平議員】
本市における個人情報漏えい等事案の直近5年の件数と直近令和3年度に漏えい等のあった個人情報数についてお示しください。
【総務局長】
本市における個人情報漏えい、滅失、き損等事案についてですが、誤送信、誤送付によるものがほとんどであり、直近5年の件数は、平成29年度は22件、30年度は28件、令和元年度は43件、2年度は48件、3年度は42件、個人情報数は718人分であります。
【かばさわ洋平議員】
行政機関等匿名加工情報と削除情報を不開示とすることにより、元の個人情報を復元するなどできないものとしているが、ハッキングや職員等による漏えいにより同一人が匿名加工情報と削除情報を入手した場合、これらをマッチングすれば個人情報は復元できるのではないか。その場合の責任や財産的損害が発生した場合、市はどのように賠償を果たすのか。
【総務局長】
匿名加工情報と削除情報を入手したなどに個人情報が復元できることとなる事態を防ぐため、情報公開条例において、これらの情報を不開示情報と定める改正を行います。なお、民事上の賠償責任については、司法判断によるものと考えております。
【かばさわ洋平議員】
令和3年度の個人情報開示請求、訂正請求、利用停止請求の件数と、本市個人情報保護審査会への諮問の件数について、今回の条例改正において、審査会の審議内容に変更はあるのかどうか。
【総務局長】
令和3年度の個人情報開示請求は98件、訂正請求は1件、利用停止請求は1件、本市個人情報保護審査会への諮問件数は1件で、今回の条例改正により、審査会の審議内容に変更はありません。
【かばさわ洋平議員】
千葉市情報公開・個人情報保護審議会設置条例の所掌事務が従来あった目的外利用や提供、オンライン結合などの審議がされないこととなりますが、これまで審議してきた目的外利用や提供などは今後どのように判断されるか伺います。
【総務局長】
目的外利用や提供については、個人情報保護法第69条の規定に基づき、判断することになります。オンライン結合については、改正後の法律に制限についての規定がないため、法66条等において定める安全管理措置の規定に基づき、安全性を確保していくこととなります。改正法施行後においては、必要な情報提供又は技術的な助言を個人情報保護委員会に求めるなどにより、個人情報の適正な取り扱いに努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
審議会への個人情報の保護に関する諮問事項が「個人情報の適正な取り扱いを確保するため専門的知見に基づく意見を聴くことが特に必要と認めるもの」とされ、改正法により許容される審議事項に限定されることのこれまでとの違いと不利益についてはどうか。
【総務局長】
目的外利用や提供、オンライン結合などが審議事項ではなくなることが、これまでとの違いであり、改正法施行後は、法に基づきそれぞれ判断、運用することとなりますが、必要に応じ、個人情報保護委員会に助言を求めるなど、今後も引き続き、個人情報の適正な取り扱いに努めて参ります。
【かばさわ洋平議員】
国会審議では、国の行政機関等が保有する個人情報を匿名加工した上で利活用する提案を民間事業者から募り、審査を経て提供する制度により、東京の米軍横田基地騒音訴訟の原告や国立大学生の情報が本人の同意なく民間利用の対象にあがっていたことが大問題になりました。行政としては市民のプライバシー権の守るために、自己情報が集められているかを知り、不当に使われないよう本人が関与する権利の保障こそ必要ではありませんか。
【総務局長答弁】
現在、本市においては、個人情報保護条例に基づき、個人情報を取り扱う事務の名称・目的・記録項目などを記載した「個人情報取扱事務目録」を作成・公表しております。改正法において、1,000人以上の事務については、個人情報の利用目的や記録項目などを記載した「個人情報ファイル簿」の作成・公表が義務付けられましたが、法の義務付けのない1,000人未満の事務についても、自己に関する個人情報の利用実態を認識することが出来るよう、本市においては引き続き「個人情報取扱事務目録」の作成・公表を行って参ります。
【かばさわ洋平議員】
国による匿名加工情報の審査基準では、事業目的は「新たな産業の創出又は活力ある経済社会に資するもの」であることの基準明記もあるなど産業界から行政データの活用を求められるなかでの規制緩和措置であるのは明らかであるため、問題ではないか。また、毎年複数の個人情報保護漏えい事案があるなかで、データ漏えい防止にかかる対策の強化こそ必要ではありませんか。
【総務局長】
法第114条により、行政機関等匿名加工情報の利用に関する提案があった時は、 加工の方法が個人を識別できない様なものであるか、匿名加工情報を利用する事業が、新たな産業の創出又は活力ある経済社会若しくは豊かな国民生活の実現に資するものであるか、匿名加工情報の漏えいの防止等の措置が適切なものであるかなどを審査することとされています。改正法施行後は、法を適切に運用し、本市における個人情報の取扱いがより適正なものとなるよう、努めて参ります。
5.議案第153号 千葉市都市公園条例の一部改正について
【かばさわ洋平議員】
稲毛海浜公園では、民間事業者の提案に基づき、新たに設置する公衆浴場について、条例で定める休養施設と規定する内容とまた、花の美術館などの教養施設については、来年度より、管理許可制度による管理運営を行うため、条例で定める有料公園施設及び指定管理施設から除外する改正であります。稲毛海浜公園における花の美術館や稲毛記念館等を管理許可制度による管理運営を行うとありますが、これまでとどのような違いがあるのか。また運営における影響についてはどうかお示しください。
【都市局長】
指定管理者制度では、事業者は、基本的に市が定めた管理運営の基準に沿って施設の管理運営を行いますが、都市公園法5条の規定による管理許可制度では、公園施設としての位置付けはそのままで、事業者の自由な発想で主体的に管理運営を行うことになります。影響としましては、管理運営において事業者の裁量が拡大し、施設の改修も行うことが出来ること、利用者の皆様にとっては、より魅力的なサービスを享受することが出来るようになること、本市としては、指定管理料の歳出がなくなり、事業者から管理許可使用料の歳入が得られることなどが挙げられます。
【かばさわ洋平議員】
公衆浴場の新たな整備における近隣に同様施設があるため需要はあるのかどうか。来場者数見通しについて伺います。
【都市局長】
官民連携で取り組んでいる稲毛海浜公園のリニューアルにおいて、現在事業者が計画している公衆浴場は、広域にわたる市場動向調査を実施し、その分析の結果から、フィンランド式のサウナに重点を置いた特徴的な施設であり、近隣の温浴施設とは差別化が図れるため需要が見込まれ、施設として優位性があると事業者から聞いております。来場者は年間で約12万人程度を見込んでおります。
【かばさわ洋平議員】
指定管理料はどの程度削減され、管理許可使用料の見通しはどうか。万が一事業者が経営不振となった場合の負担は市の負担となるのかどうか。
【都市局長】
指定管理料につきましては、昨年度は約1億4千万円を支出しており、今年度も約1億1千万円の支出を予定しておりますが、管理許可制への移行に伴い、これらの支出がなくなります。管理許可使用料収入につきましては、事業者による事業計画の内容に基づいて、施設の種類や面積に応じて算定を行いますので、現時点では協議中であることから、金額は未定となっております。事業者が経営不振となり、管理運営の継続が困難となった場合は、市が直営により管理を行うことになりますので、業務委託などの経費が必要となります。
【かばさわ洋平議員】
公の都市公園において民間活力導入で利益優先となって憩いの場が減少していくのではとの懸念の声もあるが、都市公園機能が民間利益優先で過度に縮小していくことがないような取組みも重要と考えるが見解はどうか。
【都市局長】
事業者によって整備された施設は都市公園の効用や利便性を増進させるものですが、都市公園には休息や遊び、スポーツなど、多様なレクリエーションの場としての機能が求められていることから、稲毛海浜公園のリニューアルにおける民間施設の導入にあたっては、各機能のバランスに十分配慮して進めて参ります。なお、管理許可制度に移行する施設については、事業者に事業報告書の提出を求めるとともに、管理運営状況について定期的なヒアリングを行い、必要に応じて指導を行うなど、引き続き、公園施設として適切に運営がなされるよう努めて参ります。
6.議案第150号 千葉市子ども基本条例検討委員会設置条例の制定について
【かばさわ洋平議員】
これまで、わが党としても子どもの権利を守るための条例の必要性を訴えてきましたが、こどもに関する施策の基本となる事項等を定める「(仮称)こども基本条例」の制定に向け、市民や有識者により意見等の集約を図る附属機関を設置するため、条例を制定するということで進展したことは一定の評価をするものであります。まず伺いたいのは、国の子ども家庭庁の整備における影響はどのようになっているのか。また、家庭にだけ押し付けようとする方向性については疑義があるため、広く子どもの権利を浸透させ子どもの最善の利益を図るための条例とすべきですが、見解を伺います。
【こども未来局長】
こども家庭庁の設置やこども基本法の制定は、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組みや政策を我が国の真ん中に据えて取り組んでいくという、国の強い姿勢が示されたものと受け止めております。本市においてはこれまでこども施策を重要施策の一つとして位置付け、様々な取組みを進めて参りましたが、より一層の推進を図るためには、社会全体でこどもの健やかな成長を見守る気運の醸成が必要と考えており、こども家庭庁設置やこども基本法制定の趣旨を踏まえ、こどもの権利擁護をはじめ、こどもに関する施策の基本となる事項等を定める「(仮称)こども基本条例」の制定に向けて、取り組んで参ります。
【かばさわ洋平議員】
子どもの権利では子どもの意見表明権が記されており、本条例において当事者である子どもの意見集約が欠かせないと考えますが、子どもの声や意見をどのように集約していくのか伺います。
【こども未来局長】
検討委員会の委員に、こどもに関する事業に従事し、日頃からこどもと接している方々を選任することで、こどもの声や意見を踏まえた審議が期待できるものと考えております。また、こどもをはじめ、広く市民の皆様に対してアンケート調査等を行うとともに、本市が「こどもの参画推進事業」として取り組んでいる小学校から大学生等を対象としたワークショップにおいて、条例の内容に関するテーマなどを設定し、こどもや若者の意見を取りまとめ、これらの成果を検討委員会で審議するなど、当事者である子どもの意見を反映させる取組みについて検討して参ります。
【かばさわ洋平議員】
子どもの権利に関する条例制定にあたっては、理念条例に留まらず、より実効性をもって子どもの最善の利益を守る取組みが必要と考えます。そのため、川崎市のように虐待や体罰及びいじめの防止の明記を行うこと、また救済措置として子ども人権オンブスマンやコミッショナーなど独立した相談支援体制を図るべきと考えますが見解を伺います。
【こども未来局長】
本市が制定を目指す「(仮称)こども基本条例」は、こども基本法の目的や基本理念等を踏まえて検討することが望ましいと考えており、こども基本法の基本理念の一つに、「全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的扱いを受けることがないようにすること」と掲げられていることから、こどもに対する虐待や体罰、いじめの防止については、重要な規定項目の一つと考えております。また、こどもの権利に関する条例を制定している複数の自治体においては、こどもの権利の侵害に関する調査及び是正の勧告等を行う第三者機関が設置されており、こどもが悩みごと等を相談しやすい環境の整備や、権利が侵害された際の迅速な救済・回復を図る上で、一定の効果があるものと認識しておりますので、本市においても、条例の制定に向けて取り組む中で、同様の制度について研究して参ります。