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日本共産党東京都議会議員団

千葉市独自の物価高騰対策を! あぐい初美議員が討論〔2023年第3回定例会〕

あぐい初美議員の討論               2023.9.19

日本共産党千葉市議会議員団の安喰初美です。

議案第89号、第94号、第101号、及び第102号については意見を述べるとともに、議案第99号千葉市都市公園条例の一部改正について、及び議案第100号千葉市下水道条例の一部改正についてに反対し、発議6号千葉市ケアラー支援条例の制定についてが否決され、請願5号、請願6号、請願7号が不採択となったことについて討論を行います。

初めに議案第89号令和5年度千葉市一般会計補正予算(第4号)についてです。今、市民は物価高騰対策を強く望んでいます。予算編成は、市民生活の実態を正確に捉えて必要な対策を行うことが求められています。本会議の質疑で物価高騰で厳しい生活を強いられている市民救済を求めましたが、当局は国や県の動向を注視しつつ、明らかになり次第、迅速な対応を図っていくと答えました。

 千葉市独自では物価高騰対策に取り組まないということですが、9月補正予算は従来から見ても規模が小さいこと、一般財源の活用が少なく、物価高騰に対して緊急支援が必要な時は、市独自の財源を活用してでも対策をすべきです。補正財源について繰越金、財政調整基金などを活用して、市民を支援することを求めておきます。

議案第94号千葉市みんなが輝くまちづくり基金条例の制定については、企業版ふるさと納税による寄付を募るものです。寄付の受け入れ先として高学費で苦しむ学生への支援を行うメニューの創設について求めたところ、市は新たな事業については今後地域課題や社会情勢の変化、寄附者の意向等を踏まえつつ、次期実施計画策定などの機会をとらえ検討していくとのことでしたので、ぜひ、対応するよう求めておきます。

次に議案第99号・千葉市都市公園条例の一部改正についてです。

 この議案は、千葉公園集会所「好日亭」を今後、民間事業者が飲食店として活用する予定であるため、条例で定める有料公園施設から除外するというものです。

 市は、「好日亭」を含め千葉公園の「賑わいエリア」として整備し、カフェやレストラン、物販、フィットネスなど民間施設を6棟新設するなど、パークPFI制度により、民間事業者がこれらの収益施設と一体に公園の整備を行うというものです。

 民間事業者は、20年の間千葉公園内に収益施設を設置して、収益を上げていくこととなります。第1回定例会での千葉公園に係る財産取得の議案の際にも、インフラ整備等に市民の税金を投入し、事業者を儲けさせることは認められないと指摘しました。都市公園法の目的にあるように、住民福祉向上のための公園整備を行うことが基本であり、この条例の一部改正については反対するものです。

次に議案第100号・千葉市下水道条例の一部改正についてです。

 今回の条例改正は、新型コロナウイルスに伴う使用料の減収や、電力価格の高騰による維持管理費の増加など社会情勢の変化により、資金不足が見込まれること。従来の使用料算定期間の4年間では、使用水量や企業債金利の動向など、先が見通せない状況であることから、算定期間を2年間に短縮するとしています。それを受けて資金収支見込みの精査を行なった結果、市民生活への影響等を考慮に、電力価格高騰による影響分について、一般会計からの繰り入れを行うが、それでも不足する資金について、下水道使用料の改定・値上げを行うとのことです。

 昨年10月から今年1月まで実施した下水道使用料の減免総額は、14億4,400万円で、すべて国の新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金を活用したもので、今回実施する使用料の改定・値上げによる市民の影響額は、2年間で総額14億円にもなります。

 昨年度に減免したことについては評価しますが、今度は年間を通じて、2年間で減免した分が値上げによって相殺され、今後も下水道事業における資金不足が生じれば、さらなる使用料の値上げも考えられます。

 物価高騰に苦しむ市民の生活を考えれば、使用料の値上げではなく、一般会計からの繰り入れを行い、市民の負担を軽減することこそ必要ではないでしょうか。

 以上の理由から、市民への負担を強いる千葉市下水道条例の一部改正には反対するものです。

次に議案第101号 工事請負契約について(千葉市立稲毛国際中等教育学校大規模改造工事その1)及び議案第102号千葉市立稲毛国際中等教育学校大規模改造電気工事その1は老朽化した学校施設の改修工事とそれに伴う電気設備工事を行うものです。大規模改造工事の入札予定価格が約13億円にたいし、落札額は11億3,600万円で低入札となっており、また電気工事の入札は1社が4億円、もう1社は3億円と金額の開きが大きすぎていることから、入札が適切に行われたのか疑問が残ります。学校施設の大規模改造工事は多額の予算を要する事業であり、工事が安全を確保して適切に行われることが求められることから不正入札の疑いをもたれないような実行を求めておきます。

 次に発議第6号千葉市ケアラー支援条例についてです。

 本市が3月に公表した千葉市ヤングケアラーに関する実態調査報告書によると、小学5年生で7%、中学2年生で6%とヤングケアラーの存在が明らかになるなか、ケアラーの早期発見、認知度向上、相談体制強化、ヘルバー派遣など、より具体的な支援を条例制定とともに進める必要があると提案したものです。

 保健消防委員会の質疑では、維新の会から「ケアラーの早期発見、認知度の向上は重要である」と賛成の意見が述べられたものの、自民党、公明党、立憲民主会派からは「条例より施策の推進が必要」「今後の財政措置状況をみて条例化の検討をすべき」などの意見から反対を表明し、条例案が賛成少数で否決されたことは遺憾であります。

 しかしながら、多くの会派からヤングケアラーはじめケアラー支援の施策推進が必要と語られたところであるため、議会からの意見を真摯に受け止め、千葉市としては、保健福祉局、子ども未来局、教育委員会の縦割りを超えた施策推進を求めるものであります。

具体的には、自らがケアラーとの認識すら持てずに孤立するケアラーを早期発見すること、新たにLINE相談窓口の開設など相談体制を強化することや、家事や介護等を支援していくヘルパーを派遣するなど、より実効性ある施策展開を求めるとともに、市民認知向上に向けては、市民や関係機関における協力が欠かせないため、早期のケアラー支援の条例制定を要望するものであります。

次に、請願第5号・補聴器購入費助成制度の復活と、聴力検査の実施を求める請願についてです。

高齢化による加齢性難聴者が増加し、物価高騰の中、多くの高齢者が高額な補聴器の購入に困難な状況もあることから、本市による補聴器購入支援と特定検診等での聴力検査を求める請願です。

保健消防委員会における質疑では、「国において聴覚障害による認知機能低下の予防効果を検証しているため国の判断を待つべき」などの意見から反対され、不採択となったことは大変残念な判断と言わざるを得ません。

国の判断待ちにならず、県内では船橋市、浦安市、鎌ヶ谷市などが高齢者の補聴器購入助成事業を次々と展開しています。また、豊島区などは特定検診の追加検査として65歳以上を対象に実施するなど、加齢性難聴の早期発見、早期支援に取組んでいます。

千葉市の認知症者推計では、団塊の世代の子どもが65歳以上となる2040年には現状の1.5倍以上の3万6千人になると見込んでいます。

難聴により、日頃の外出や自治会活動への参加を控えることにより、認知症者がさらに増加することは地域にとっても大きなマイナスであります。国待ちにならず、高齢者にとって本気で住みやすい千葉市をつくるために、早期の購入補助事業を予算化することを強く求めるものであります。

次に請願6号「市立学校の給食費無償化」を求める請願についてです。本市は昨年1月から第3子以降の学校給食無償化が実施されていますが、対象になるのは児童生徒全体の7%であり、憲法26条で義務教育無償化がうたわれているにも関わらず、教育を受ける権利、食の権利を保障する観点からすべての子どもたちに平等に権利が保障されているとはいえません。生活困窮世帯の支援や子育て世帯の経済的な負担軽減として給食費無償化は必要ですが、すべての子どもの心身の成長発達に必要な食事が保障されることは基本的人権であり、その保障のために自治体が役割を果たすことが求められます。

当局の説明では学校費用に占める学校給食の割合が平均で小学校で約71%、中学校では約55%となっており、給食費が保護者の経済的な負担を大きくしていることは明らかです。先日あたらしい千葉みんなの会が学校給食無償化を求める署名1855筆を市長あてに提出しました。給食無償化がいかに市民の切実な要求であるかが示されているのではないでしょうか。

委員会では給食費の完全無償化をする場合の費用について、一般会計予算の0.7%でできると示されました。無償化には多額の予算がかかると言われてきましたが、予算の0.7%であれば無償化実現は可能ではありませんか。本市として国に対して国の財政措置による学校給食の無償化の実施を要望していることは承知していますが、国が具体的な方針を策定し、実施するまでにはこの先何年もかかることが予想されます。子どもたちの健康な体を作る安全な食を提供するために0.7%の予算をかけることをぜひ決断していただき、本市独自に給食の無償化を進めていただくよう要望します。

委員会審査では、「本市として国に財政措置を要望しているので国の動向を注視したい」「無償化によって経済的に困難な子どもが学校にきていれば1食は食べられており支援は十分と言える」などの意見が述べられ、不採択になったことは遺憾です。

次に請願7号「千葉市子ども医療費助成制度の助成対象を18歳までの拡充」を求める請願についてです。今年度、県内で子ども医療費助成制度の助成対象を18歳まで拡充する自治体は49となり、残り5つに千葉市が含まれているばかりか、保護者の自己負担も唯一500円を負担しており、子ども医療費助成においては本市が遅れた自治体となっています。子どもの病気の早期発見、早期治療につながり命と健康を守るために、また、物価高騰で苦しむ子育て家庭の経済的な負担軽減を図るために医療費助成制度の18歳までの拡充が必要です。

委員会審査の当局の説明で、今後の対応として長引く物価高騰の影響を受け、厳しい状況にある子育て家庭に経済的な支援を行うことにより、子どもの保健の向上を図る必要があるとともに、18歳までの助成対象とする自治体が、県内市町村においてはすでに7割を超え、政令市においても今後大半を占める状況となることなどを踏まえ、助成対象を18歳まで拡大することの早期実施について検討していくと示されました。

我が会派が第2回定例会をはじめ、今まで繰り返し18歳までの拡充を求めてきた際に、当局は多額の財源が必要であり子育て施策全体のバランスを考えて検討すると答弁してきました。急に方針が変わったことに対して18歳まで拡充する財源の見通しがたったのか、また、来年度実施をしていくのかなど具体的な方策について質問しましたが、当局は助成対象を18歳まで拡充していくことを検討していくと同じ言葉を繰り返すだけで全く誠意が感じられない答弁でした。

委員会では市民ネットワークが「市民からの要望が大きく、思春期特有の病気の早期発見にもつながる」としてまた、維新の会は「18歳までの拡充は財政に対する負担が少ないので助成は必要だ」と賛成しました。しかし、自民・公明・立憲の会派は「市は早期に実現すると言っているため願意は満たされている。国に一律の制度を作ることを要望していくことが大事だ」と反対し、不採択になったことは大変遺憾です。

本市独自に助成対象を18歳まで拡充していくことが示されたのは、多くの市民の皆さんの切実な要望としてこれまで何度も請願を提出してきた大きな成果であると考えます。子どもの命と健康を守るとともに、子育て家庭の経済的な負担軽減になり、ひいては少子化対策にも効果を発揮する子どもの医療費の18歳までの助成拡充を一刻も早く実現するよう求めて反対討論を終わります。

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