重要土地調査法の広く周知を! あぐい初美議員一般質問〔2023年第4回定例会〕
あぐい初美議員の一般質問および答弁 2023.12.13
1、いきいきプラザ・センターについて
【あぐい初美議員】
初めに、いきいきプラザ・センターについてです。
いきいきプラザ・いきいきセンターは60歳以上の方が介護予防や健康づくり、同じ興味や趣味を持つ仲間同士の交流や生きがいづくり、地域の方との交流などを通して住み慣れた地域で自分らしくいきいきと生活できるよう支援する施設です。市内にはいきいきプラザが各区に1か所ずつ、いきいきセンターが花見川区、若葉区、緑区に2か所、中央区、稲毛区、美浜区には1か所ずつあります。今後、高齢者人口が増えていくなかで、高齢者の健康を支え、生きがいを持って活動していくための支援を行ういきいきプラザ・いきいきセンターの役割はますます重要になってくると考えます。そこで伺います。
コロナ前とコロナ後の利用者の比較についてお示しください。
【保健福祉局長答弁】
感染症対策として、利用者の人数制限やカラオケ等の禁止などにより、全施設の利用者数の合計は、コロナ禍前の平成30年度が61万9,467人であるのに対し、昨年度は40万2,291人でした。
【あぐい初美議員】
いきいきプラザ・センターの利用者はまだコロナ前までには回復していないようですが、7割近くまで戻ってきているようです。多くの方に利用していただくにはリピーターはもちろん、新規の利用者を増やしていくことが大事だと思います。
新規の利用者を増やすために事業内容をどのように周知していますか。
【保健福祉局長答弁】
いきいきプラザ・いきいきセンターの広報紙や市政だより、SNSでイベント情報を発信しているほか、公民館やあんしんケアセンター、町内自治会などへ施設のパンフレットやイベントのチラシなどを配布し、周知を行っております。
【あぐい初美議員】
写真付きで発信されるイベントの様子や同好会の作品展示、館内の機器の更新情報などSNSでの発信は新しい情報を早く届けることができ、また、視覚によって興味関心を喚起することにも役立つのではないかと考えます。しかし、現在の発信状況はセンターによって月の発信回数が異なりますが、月2回ということもあり全体的に少ないのではないかと思います。もっとSNSを活用すべきです。
SNSでの情報発信を増やしてセンターの事業をPRしていくべきではありませんか。
【保健福祉局長答弁】
いきいきプラザ・いきいきセンターごとに、SNSを活用したイベント情報などを発信しております。今後も、情報発信の回数を増やすことを含めて、引き続き効果的な周知に努めて参ります。
【あぐい初美議員】
高齢になってもいきいき過ごしていくためには、社会参加をして様々な人とコミュニケーションをとっていくことが重要だと考えます。この間、公民館の文化祭やコミュニティ祭りなどに伺いましたが、活動されている様子を見ると女性が圧倒的に多いと感じました。好きなことに打ち込んでいる姿は大変輝いていて、こんな齢の取り方をしたいと思いました。
あやめ台いきいきセンターを訪問してお話を伺ったところ、利用者の大半は女性であり、男性の利用が少ないと伺いました。男性にも新たな出会いや生きがいづくりのために、いきいきプラザやいきいきセンターを利用してもらいたいと思います。
あやめ台いきいきセンターでは男性の利用者を増やすための取り組みとして、女性の中に男性が1人~2人という状況で男性が気まずくなってしまわないように、男性同士気兼ねなく参加できる男性に特化した体操教室や歌の会などを企画しているとのことです。利用者を増やすために工夫を凝らしている努力が実績向上につながっていくよう期待するものです。そこで伺います。
各施設で好評だった企画やイベントなどの情報を共有して利用者の増加につなげていますか。
【保健福祉局長答弁】
利用者アンケートの結果から好評だった企画については、施設間で情報を共有し、他の施設でも開催を検討するなど、利用者を増やす取り組みを進めているところです。
【あぐい初美議員】
高齢者になると若い世代とかかわりを持つことが少なくなってしまいます。若い人との交流を通して刺激を受けたり、自分の経験を伝えたりすることで人生に張り合いが出てくることがあるのではないでしょうか。いきいきプラザやいきいきセンターで世代間交流を進めていくことが求められていると思います。
世代間交流の内容とその効果について、また課題は何かお示しください。
【保健福祉局長答弁】
世代間交流の事例としては、陶芸同好会の会員が講師となる小学生向けの陶芸教室、近隣小学校児童が参加するボッチャ大会、子育て世代も参加する季節の行事などを行っております。世代間交流は、高齢者にとって前向きな気持ちの保持、役割を持つことによる生きがいにもつながると考えております。高齢者世代・子ども世代のニーズを把握し、魅力ある取り組みを創出することで、世代間交流をさらに深め、利用者を増やしていくことが課題と考えております。
【あぐい初美議員】
稲毛いきいきプラザは開所から39年が経過し、老朽化が進んでいます。特に空調設備に不具合が出ており、何度も修理が必要になるため修理費用がかさんでいるとのことです。施設の長寿命化のためには大規模改修が必要だと思います。
今後の改修計画についてお示しください。
【保健福祉局長答弁】
現在、空調設備は稼働するものの、老朽化のため修理用の交換部品もない状態であることから、今年度に実施設計を行い、来年度に改修を行うこととしております。
【あぐい初美議員】
各区に施設が2か所ないし3か所であるため、近隣の方は徒歩や自転車で行くことができても、遠くの方は公共交通や自家用車を利用しなければなりません。また、足腰が弱くなっている方にとっては近くであっても移動に支障があり、車を使いたいという方もいるようです。15か所のうち、6か所は駐車場がなく駐車場の設置の要望があります。また、駐車場があっても停められる台数が少ないために増設を求める声も上がっています。
利用者の利便性向上のため、駐車場を設置、増設すべきではありませんか。
【保健福祉局長答弁】
いきいきプラザは、車での来場者を想定して駐車場を整備しておりますが、いきいきセンターは、近隣住民の利用を想定し、学校や大規模団地の敷地内などに設置しているケースもあり、駐車場が整備されていない施設があります。いずれの施設も敷地内に余裕がないため、駐車場の新設やこれ以上の増設は困難であると考えております。
【あぐい初美議員】
あやめ台いきいきセンターはあやめ台小学校の空き教室を利用して設置されているため、講師用の駐車場が確保されているだけで、利用者用の駐車場はありません。また、駐輪場もなく、入り口付近の軒下に停めています。段差があって停めにくく、屋根もないため雨天時には濡れてしまいます。屋根とスロープを整備することが求められます。そこで伺います。
あやめ台いきいきセンターに駐車場及び駐輪場の設置を求めますが、見解を伺います。
【保健福祉局長答弁】
あやめ台いきいきセンターは、あやめ台小学校の建物の一部を利用しておりますが、敷地に余裕がないことから利用者向けの駐車場や駐輪場の設置は困難です。
【あぐい初美議員】
千葉市基本計画では2040年には65歳以上の高齢者が3人に1人になると示されており、今後、ますます高齢者人口が増えていく中で、元気で健康な高齢者が地域の中で活動していくことが求められています。高齢者の社会活動を支えるために公民館やコミュニティセンターとともに、いきいきセンターの活動を充実させていくことが必要ではないでしょうか。各区に2か所、もしくは3か所では利用できる人が限られてしまうため、職員が公民館や町内自治会に出張して健康体操や介護予防講座などを行って多くの高齢者への働きかけを行っているとのことで、重要な取り組みをされていると思います。プラザやセンターの企画を充実させると共に、施設に来られない方にも積極的に働きかけていくためには人員が必要です。そこで伺います。
職員を増やすために委託費の増額を求めますが、見解を伺います。
【保健福祉局長答弁】
高齢者の通いの場として重要であると認識しておりますので、引き続き安定した運営ができるよう、職員体制を維持し、高齢者のニーズに合わせた事業の充実を図って参ります。
【あぐい初美議員】
各区にいきいきセンターの増設を求めますが、見解を伺います。
【保健福祉局長答弁】
いきいきセンターについては、各区1か所のいきいきプラザを補完する施設として、各区1か所から2か所を配置しているところです。いきいきセンターの増設は考えておりませんが、いきいきセンターに通えない方に対しては、出張による相談や体操教室を行うなど、より多くの方に参加していただけるよう努めて参ります。
2、自衛隊について
【あぐい初美議員】
次に自衛隊について質問します。
自衛隊法第八十三条には「都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる。」とされていることから、災害時に自衛隊に支援を要請し、災害救助に力を借りています。
本市において自衛隊に派遣を要請した過去の災害は何かお示しください。
【危機管理監答弁】
令和元年房総半島台風において、倒木除去及び入浴支援を、同じく令和元年10月25日大雨による土砂災害現場での人命救助について、千葉県を通じて自衛隊の派遣を要請いたしました。
【あぐい初美議員】
8月27日に市役所駐車場等において九都県市合同防災訓練が実施されました。訓練の中で自衛隊車両が走行したり、屋根を壊して屋内に閉じ込められた人を救出するデモンストレーションを行ったり、災害時の炊き出しを行う大きな炊飯窯などが展示されたりしていました。
九都県市合同防災訓練における自衛隊の役割は何ですか。
【危機管理監答弁】
自衛隊は、市民、防災関係機関及び市と密接な連携をとり、実践的な総合防災訓練を実施することにより、本市の災害対応能力の向上及び防災体制の充実強化を図ることを目的に、実動訓練における消防局・消防団と連携した救出・救護訓練、展示・体験コーナーにおける応急給食支援を行い、国の防災関係機関としての役割を果たしていただいております。
【あぐい初美議員】
展示コーナーでは子ども用の自衛隊の制服が用意され、来場者に制服を着させて写真を撮ることが行われていました。子どもにコスプレをさせるのは訓練の目的から逸脱しているばかりか、子どもを利用して自衛隊への興味関心や憧れを抱かせることにつながり、本来自衛隊の任務である武器を持って戦う姿を覆い隠すものであり看過できません。
九都県市合同防災訓練では自衛隊は防災のことに徹するべきではありませんか。
【危機管理監答弁】
自衛隊は、災害発生時に迅速かつ的確に対応するため、警察・消防等の防災関係機関と連携した防災訓練を実施するとともに、市民の防災・減災に関する意識の高揚及び知識の向上を図っているものと認識しております。
【あぐい初美議員】
昨年の稲毛区民祭りでは自衛隊がブースを出し、来場した子ども連れに自衛隊の制服を着せて写真を撮るコーナーが設けられていました。自衛隊の参加については、平成29年から稲毛区民祭りに自衛隊が防災パネルなどを展示し、防災意識を向上させるために実行委員会がブースの出店を要請していると伺いました。
しかし、自衛隊の任務は自衛隊法第3条に「我が国の防衛をすることを主たる任務とし」とあるように、自衛隊は災害救助が本来の任務ではなく、防災をPRする組織ではありません。区民が集まり飲食や買い物をし、踊ったりして楽しむお祭りの会場に戦争を想起させる自衛隊が参加することは祭りの持つ目的からもそぐわないのではないでしょうか。そこで伺います。
各区民祭りにこれまで何回展示をしたのですか。
【中央区長答弁】
令和元年度以降、稲毛区、若葉区、美浜区、で各2回展示を行っております。中央区、花見川区、緑区では展示の実績はございません。
【あぐい初美議員】
各区民祭りにおける自衛隊の出展状況及び展示内容についてお示しください。
【中央区長答弁】
災害派遣の際の写真や救援車両、救援用具の展示のほか、自衛官募集のポスター掲示などが行われております。
【あぐい初美議員】
防災意識を高めるためなら、それにふさわしい団体を参加させるべきではありませんか。
【中央区長答弁】
区民まつりの内容や出展団体は、地域団体等により組織される、各区民まつり実行委員会が決定しております。
【あぐい初美議員】
本庁舎1階ロビーにある掲示板に自衛官募集のポスターが掲示されています。市の庁舎に市の職員募集のポスターが張られるならば理解ができますが、自衛隊のポスターを長期間掲示する理由がわかりません。自衛隊を特別扱いにしてはいないでしょうか。
自衛隊員募集のポスターを掲示する理由について、また掲示の期限はいつまでなのか伺います。
【市民局長答弁】
自衛隊法等の法令において、自衛官等の募集に関する広報宣伝が、市町村の事務として規定されております。なお、ポスターにつきましては、年度ごとに依頼を受けて掲示をしております。
【あぐい初美議員】
市政だより10月号に自衛官募集のお知らせが掲載されました。そこには申込期限が書かれ、自衛官候補生、陸上自衛隊高等工科学校生徒(推薦)、陸上自衛隊高等工科学校生徒(一般)を募集しますとして問い合わせ先の自衛隊千葉募集案内所の電話番号が記載されていました。
自衛官の募集案内はいつから掲載するようになったのですか。
【市民局長答弁】
古いものでは、昭和29年の市政だよりに掲載した記録が残っております。
【あぐい初美議員】
市政だよりへの掲載はやめるべきではありませんか。
【市民局長答弁】
今後も法令に基づき対応して参ります。
【あぐい初美議員】
自衛隊員勧誘のために自治体が保有する18歳と22歳の人の名簿を自衛隊に提供している自治体が増えており、個人情報保護の観点から問題があるため、名簿提供に対する訴訟や名簿提供に反対する動きが出てきています。
18歳と22歳の名簿の提供はされていますか。
【市民局長答弁】
名簿の提供はしておりません。
【あぐい初美議員】
自分の知らないところで勝手に個人情報が自衛隊に提供され、ダイレクトメールが送られてきて勧誘を受けることになった方は、「いきなり自衛隊から連絡がきてびっくりしたし、怖かった」「戦時中の赤紙のように感じた」など他の自治体では精神的なダメージを受けている若者も現れています。千葉市ではこのようなことが起こらないようにしていくことが重要です。
個人情報保護の面から名簿の提供は今後も行うべきではないと思いますが、見解を伺います。
【市民局長答弁】
法令等を踏まえ、適切に対応して参ります。
【あぐい初美議員】
「法令を踏まえ、適切に対応してまいります」ということは、今後、国から名簿を提供するように依頼されれば本市も提供することもあると理解できます。これまで多くの政令市が名簿を提供してきた中で、本市が名簿提供を行ってこなかったことは評価できます。
安保3文書が改定され、自衛隊が専守防衛を投げ捨てて、他国を攻撃しかねない軍事拡大の道を突き進んでいる現在のような情勢の中にあって、自衛隊の人材確保が強調され、地方公共団体との連携強化が打ち出されていることは、自治体に人材確保の下請け的な業務を担わせようとするものではないでしょうか。かつて自治体は戦争遂行体制の一翼として、住民を戦争に総動員するための大きな役割を担わされていた歴史を忘れてはなりません。若者の名簿提供については、本人への確認無しに外部に情報を提供しないよう求めておきます。
「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」略して「重要土地等調査法」と言います。この法律が2022年9月に施行されました。この法律は自衛隊の施設など安全保障上重要な施設の周辺1㎞の区域を「注視区域」、「特別注視区域」として指定し、国が区域内の土地等の利用状況の調査を行い、重要施設等の機能を阻害する行為が認められた場合には、土地の利用者に対して機能阻害行為の中止等の勧告・命令を行うものです。従わない場合には懲役2年以下か罰金200万円が科せられます。そこで伺います。
土地等の利用状況の調査の内容及び誰が行うのかについてお示しください。
【都市局長答弁】
土地等利用状況調査は、公簿等の収集を基本とし、現地・現況調査や所有者等からの報告徴収等の方法を適切に組み合わせる形で、内閣府が実施することとされています。
【あぐい初美議員】
千葉市は今、過去に発生した機能阻害行為としてどのような情報を持っていますか。
【都市局長答弁】
本市では、機能阻害行為に係る情報を持っておりません。
【あぐい初美議員】
「注視区域」「特別注視区域」の指定については、次のような手順になっています。まず、この法律を担当する内閣府の担当官と事務局が区域指定の候補を決め、内閣府に設置されている「土地等利用状況審議会」に提示し、了承を得る。そして、関係自治体の意見を聴取し、その結果を審議会に報告して区域を正式に決定し、官報で公示するというものです。
9月11日に開催された第6回「土地等利用状況審議会」において陸上自衛隊高射学校が候補地としてリストアップされ、その周辺区域である千葉市と四街道市は区域指定の候補として示されたことから、関係自治体として本市に意見聴取が行われたことと思います。そこで伺います。
重要土地等調査法に基づく意見聴取は回答しましたか。
【都市局長答弁】
本年9月11日付で内閣府から、法に基づく「重要施設の施設機能及び国境離島等の離島機能を阻害する土地等の利用の防止に関する基本方針」に示されている注視区域の指定に係る意見照会があり、10月13日付で回答しております。
【あぐい初美議員】
回答するにあたり、どのような調査を行ったのですか。
【都市局長答弁】
内閣府からの紹介項目である区域線の近傍で地形図に反映されていない道路や建物の存在、開発行為に関する情報の有無等を調査しました。
【あぐい初美議員】
意見聴取の回答内容についてお示しください。
【都市局長答弁】
調査の結果、区域線の近傍に回答すべき事項がなかったため、「意見なし」と回答しております。
【あぐい初美議員】
11月29日に国の土地利用状況審議会が開催された後、八千代市では11月30日に、船橋市では12月4日に市のHPで習志野駐屯地及び習志野高射教育訓練場の周辺おおむね1㎞の範囲が「注視区域」として了承されたとお知らせしています。内閣府のHPで公表されている第6回土地等利用状況審議会に示された資料には周知・広報の取り組みとして地方公共団体・関係業界団体と連携しながら周知・広報を実施と示されています。そこで伺います。
千葉市ではどのように周知・広報をしていくのですか。
【都市局長答弁】
内閣府が作成した周知・広報用のリーフレットを宅地課の窓口に配架しているほか、一昨日の12月11日に高射学校周辺の区域が注視区域に指定されたため、市ホームページに掲載したところです。
【あぐい初美議員】
「重要土地調査法」の内容について知らない市民が多いと思いますので、区役所でのリーフレットの配架や市政だよりへの掲載等広く周知に努めるよう要望します。
12月11日には内閣府から公示され、陸上自衛隊下志津駐屯地の高射学校周辺約1㎞の範囲が「注視区域」として指定されました。法律では政府に「注視区域」内にある土地・建物の所有者や賃借人などの情報を集め、必要なら利用状況に関する報告を求めることができるとしています。調査対象は、所有者・利用者だけでなく「その他関係者」も含まれており際限がありません。また、調査で収集できる情報については国会のチェックは及ばず、政府の判断で調査範囲が広げられ、思想信条や所属団体、家族・友人関係などが調べられる危険があります。「注視区域」になったことで市民の自由や民主主義が侵されることがあってはなりません。そこで伺います。
「注視区域」の町字名、及び区域内の人口についてお示しください。
【都市局長答弁】
町字名については、内閣府がホームページにより稲毛区及び若葉区内の19の町字を公表しています。また、区域内の人口は、今回の調査の対象となっていないため、現時点では把握しておりません。
【あぐい初美議員】
「注視区域」にいる住民の氏名や住所等の情報収集は人権や民主主義を侵す危険があるため、安易に住民の情報を提供すべきではないと考えますが、見解を伺います。
【都市局長答弁】
今後、本市に対して氏名や住所等の情報提供の依頼があった場合には、法の趣旨を鑑みるとともに、法に基づく基本方針に定めるところを踏まえて、適切に対応して参ります。
【あぐい初美議員】
たまたま自衛隊の基地周辺に土地・建物を所有したり、借りたりしているだけで調査対象になるばかりか、「注視区域」に指定されたことで不動産価値が下がるなどの影響が生じることが予想され、不利益をもたらす可能性があります。自治体は憲法に基づいて住民の安全や人権、財産を守っていかなければなりません。地方自治の本旨である住民福祉の増進が図られるよう、自治体が持つ情報を安易に国に差し出さないよう重ねて求めて次の質問に移ります。
3、学校の樹木の管理について
【あぐい初美議員】
学校の樹木の管理について伺います。
学校の校庭には桜を始め、けやきやもみじ、松、イチョウなど様々な樹木が植えられており、季節によって花が咲いたり葉っぱの色が変わったりと変化する様子を楽しむことができます。街中に緑が少なくなっている中で、学校の校庭に緑の樹木があることでほっとさせられている方も多いのではないでしょうか。
学校で樹木を植えている目的は何かお示しください。
【教育次長答弁】
公共施設として、積極的な緑化を行うことで、潤いのある緑豊かな景観の形成に寄与しております。入学式、卒業式の式典を演出するサクラや卒業生等によって植えられる記念樹、地域を見守るシンボルツリーなど、学校にはなくてはならないものとなっています。
【あぐい初美議員】
稲毛区にあるほとんどの小学校は開校から50年以上が経過しているため、学校の樹木についても老朽化していると考えられます。桜は折れた枝や枝の切り口から幹を腐らせる雑菌が侵入しやすく、樹齢50年を超えると幹の内部が腐ることから、桜の寿命は50年から60年と言われているようです。
先日市内の小学校の校庭で児童が遊んでいる際、木の枝が落下してきて児童にあたりそうになったということを聞きました。以前、小学校の脇を歩いていた住民の方が目の前に枝が落ちてきて危なかったという話も聞いています。
老朽化した樹木はどれくらいありますか。
【教育次長答弁】
令和元年度の台風15号により、多くの学校で倒木が発生したことから、同年度に樹木の健全度調査を実施しました。その結果、約1,600本が危険樹木、約1,000本が要注意の樹木と判定されました。
【あぐい初美議員】
樹木も年月が経過すれば老朽化し、枝が折れたり倒壊したりする危険性が出てきます。児童生徒の安全を守るために定期的な点検が必要だと考えます。
樹木の管理はどのように行われているのですか。
【教育次長答弁】
学校用務員や造園事業者等による日常的な選定・伐採のほか、令和2年度から倒木等の恐れのある危険樹木の剪定・伐採を計画的に進めています。
【あぐい初美議員】
樹木の安全性については素人目ではわからないことが多いと思います。花園のグリーンベルトの桜は、樹木医が定期的に点検するシステムを作り桜の木を管理しているとのことです。
専門家による診断をして管理していくことが必要ではありませんか。
【教育次長答弁】
適宜、専門の造園事業者による点検、診断を実施しており、適切に対応しております。
【あぐい初美議員】
学校の樹木には樹木の名前を記した札が付けられています。子どもたちはもちろん、学校を訪れた人がその札を見て、樹木の名前を知り新たな知識を得たり興味を持ったりすることも多いと思います。
しかし、札が古くなって名前が消えていたり、札がついていなかったりする樹木も見受けられます。子どもたちと一緒に樹木の名前を調べて一緒に札を作り、札をつけることは学びにつながるのではないでしょうか。子どもの発想を生かした個性あふれるネームプレートがあると樹木への親しみがさらに増すのではないかと思います。
樹木のネームプレートの整備を提案しますが見解を伺います。
【教育次長答弁】
樹木のネームプレートの整備については、多くの市立小学校が環境教育の一環として既に取り組んでおりますが、ネームプレートが劣化している現状もあります。各学校では、授業等で教員が樹木の名前などを補って指導するとともに、必要に応じて修繕や新たな設置を検討していると認識しております。
【あぐい初美議員】
教員が忙しく子どもたちとじっくり向き合う時間が限られている中で、樹木のネームプレート作りまで手が回らないということがあるのではないでしょうか。本来は教員と子どもの共同作業が望ましいと考えますが、保護者や地域のボランティアの方の力を借りて取り組むことや放課後の体験活動として子どもルームやアフタースクールでの活動の一つに加えるなども検討していただくよう要望して一般質問を終わります。