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日本共産党東京都議会議員団

家庭系プラスチック分別収集・再資源化事業急げ! もりた真弓議員一般質問〔2024年第2回定例会〕

もりた真弓議員の一般質問および答弁          2024.6.18

1、千葉市におけるプラスチックごみ分別について

【もりた真弓議員】

 家庭系プラスチック分別収集・再資源化事業についてうかがいます。

千葉市は、2023年3月に策定した一般廃棄物(ごみ)処理基本計画に基づき、プラスチック類の資源化に取り組み、温室効果ガスの削減や3Rの推進にさらに積極的に取り組んでいくとしています。

 現在実施中の単一素材製品プラスチックの再資源化を継続しながら、新たに市内2か所をモデル地区に選定しプラスチックの分別収集及び再資源化の実施に向け、8月から12月までの5か月間、実施するものです。

 私は先日、富山市と岡山市を訪れ、今年3月と4月にプラスチック資源の一括回収事業を始めたばかりの状況を視察しました。富山市では中間処理施設の事業者も訪問し、混合廃棄物の搬入から前処理、近赤外線・比重差・磁力・光学式選別など高度選別処理を機械のみで行なう様子を見学しました。各家庭から回収したプラごみをペレットや固形燃料、圧縮ベールなどへリサイクル・再資源化しており「廃棄物は資源」との考え方を改めて学んできました。

国では2021年6月に「プラスチック資源循環促進法(プラ資源循環法)」が成立しており、プラスチック廃棄物の排出の抑制、再資源化に関する環境配慮設計、ワンウェイプラスチック(使い捨てプラ)の使用の合理化、プラスチック廃棄物の分別収集、自主回収、再資源化等、基本方針の策定が行われています。

2007年からプラスチック容器包装リサイクルに取り組んできた富山市と、2023年度から容器包装リサイクル事業を始めた岡山市では時期は異なるものの、どちらも事業を始めるに到った経過では自治体の長が決断をしたことが大きいとうかがってきました。そこでうかがいます。

脱炭素・地球温暖化防止策として、他自治体がこの間、容器包装リサイクル法の制定に基づき、プラスチックごみ分別の取組を進めてくる中、千葉市の取組が遅れた要因は何か、お答えください。

【環境局長答弁】

 プラスチック製容器包装については。対象となる区分がわかりにくいことに加え、プラスチック製品廃棄物が混入していないことが基準とされるなどの課題が多くありました。令和4年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、プラスチック製品廃棄物も併せて処理できる仕組みが整えられたことから、プラスチックの分別収集及び再資源化に向けた検討を進めているところです。

【もりた真弓議員】

今回のプラスチックごみ一括回収の事業目的と事業の概要についてお示しください。

【環境局長答弁】

 モデル事業は、プラスチック資源の分別ルールや収集方法を検討するために実施するものです。モデル地区は、住環境やごみステーション設置状況などが異なる2地区の、中央区仁戸名町松が丘小学校区約600世帯、美浜区幸町1丁目千葉ガーデンタウン約1,400世帯を選定したところであり、町内自治会・管理組合と協議しご了承をいただいております。モデル事業における収集は週1回で、ごみ収集のない曜日に設定し、パッカー車で収集します。今後、収集業務と再資源化処理を行う民間事業者を選定し、各モデル地区内の回収ルート及び再資源化工場へ運搬するルートを設定する予定です。モデル地区にお住いの皆様にご協力をいただくため、説明会の開催、動画配信、ステーション看板設置などによりモデル事業の周知に努めていくこととし、モデル地区の町内自治会・管理組合との協議を進めて参ります。

【もりた真弓議員】

千葉市で行うモデル地区での分別方法のパンフレットの内容です。リサイクルできない「対象外となるプラスチック」の混入による、施設内の発火、業務の中断、設備の破損・故障の原因となることを視察先で伺いました。

今回のモデル事業で期待する効果は何か。プラスチックの一括回収を全市展開する場合の想定される課題は、モデル地区での5か月間である程度解決策は見通せると考えているのか、うかがいます。

【環境局長答弁】

分別排出行動は、5か月間経過することで安定化すると見込んでおり、収集したプラスチック資源等の組成分析やアンケート調査等を実施することで、的確な事業検証が行なえると考えております。

【もりた真弓議員】

千葉市が行なった昨年11月にサウンディング型調査の提案事業を受け、市が今後採用する回収後のプラスチックごみの処理方法についてはどんな検討を行っているのか。また、プラスチック一括回収の全市展開の時期はいつごろと見込んでいるのかお答えください。

【環境局長答弁】

事業者からの提案内容を参考とし、容器包装リサイクル法に基づき指定法人に委託する手法と再商品化計画の認定による手法を比較検討しております。全市展開については、モデル事業の結果を検証した後、費用対効果等を含め総合的に判断して参ります。

【もりた真弓議員】

現在行われている製品プラスチックの拠点回収は、プラスチック一括回収へと変更されたことでどう変わるのかうかがいます。

【環境局長答弁】

モデル事業の結果を検証しつつ、回収拠点場所の最適化等について検討したいと考えております。

【もりた真弓議員】

プラスチックの一括回収で、可燃ごみ約8,600トン、不燃ごみ約1,400トン、合計約1万トンの削減を見込むとしていますが、CO2の削減量はどの程度の減量を見込んでいるのか、お示しください。

【環境局長答弁】

CO2削減量は、2万トンを見込んでおります。

【もりた真弓議員】

可燃ごみが大幅に減量されることによって今の清掃工場の体制・運営に影響がうまれないのか、おたずねします。

【環境局長答弁】

一般廃棄物処理施設基本計画において、プラスチック類の資源化も見込んだ上で、2清掃工場体制により運用することとしており、本市の一般廃棄物処理の安定的な処理体制に影響を及ぼさないと考えております。

【もりた真弓議員】

プラスチックの分別と一括回収については、市民との共同の上になり立つ事業です。全市での分別を見越して、モデル地区での事業を市民全体のものとするためどう取り組むのか、お示しください。

【環境局長答弁】

地球温暖化対策等のため、プラスチックごみの再資源化に取り組むという趣旨や、その効果を市民の皆様にご理解いただき、ご協力を得る必要があると考えております。モデル地区の皆様から寄せられるご意見やモデル事業における課題等を踏まえ、検証を行うことで、今後の事業検討に生かしてまいります。

【もりた真弓議員】

 政令市ではじめにプラスチック分別を実施したのは、札幌市と名古屋市です。開始年度はH12年度で24年前です。千葉市での排出抑制量は2万トンですから、もっと早く実施していれば、温暖化防止に大きく貢献できたのではないかと考えます。今後の取組を期待して次の質問に移ります。

2、商店街について

【もりた真弓議員】

さつきが丘商店街の八百屋さんが今年3月末で撤退、次いでカラオケ店も閉店となり、店舗が次々と消えています。西小中台団地の商店街では、長年親しまれてきた駄菓子屋も5月に閉店となり、子どもたちの声も聞かれずさみしい場所となりました。

千葉市内どこでも同じ傾向があると思いますが、千葉市の商店街の現状はどうなっているのか。改めて商店街の果たす役割を何と考え、どう位置付けているのか、うかがいます。

【経済農政局長答弁】

 近年、インターネットショッピングの広まりなど、消費行動の大きな変化により商店街は団体数、店舗数ともに減少傾向にあります。商店街は、集積した店舗それぞれが消費ニーズに応え、地域住民に日々の買い物環境を提供しているものと認識しております。

【もりた真弓議員】

 買い物環境の提供だけではない特別の役割を担っていると思いますが、商店街の衰退、消滅に対する有効な手立てはないのかと考えます。

この間、商店街を対象にしてどんな施策が行われてきたのか、過去の支援事業についてお示しください。

【経済農政局長答弁】

 商店街への要望調査や千葉市産業振興財団のコーディネーター及び本市職員による訪問等を通じて、個々の商店街が抱える課題やニーズを把握するとともに、課題解決や販売力向上に資する取り組みへの助言を行う専門家を派遣する商店街アドバイザー派遣事業や、商店街利用者の利便性向上に資する商店街共同施設整備への補助、商業者向けのインターネット販売や事業継承セミナーの開催などに取り組んでいるところです。

【もりた真弓議員】

千葉市内で商店街の復興に成功している事例、店舗はあるのか。商店街の今後について千葉市はどう考えているのかおたずねします。

【経済農政局長答弁】

 花見川団地商店街では、高齢者の買い物支援や多世代交流型コミュニティスペースの整備に取り組まれているほか、幕張ベイタウン商店街では、「朝市」や地域イベントの開催、コミュニティスペース「絆」の設置に取り組まれております。また、穴川商栄会では、大学と近い地域であることを活かし、大学生と連携した地域イベントが開催されるなど、商店街が主体となって、地域産業の活性化や賑わい創出に取り組んでいる事例を把握しております。今後、これらの好事例を各商店街にご案内するとともに、千葉市産業振興財団や区役所と連携して、商店街の取組みを支援して参ります。

【もりた真弓議員】

花見川団地を拠点とした地域生活圏の活性化の取組における商店街への効果、団地住民の受け止めについて、お示しください。また、今後、千葉市内の団地への横展開の展望はあるのかうかがいます。

【都市局長答弁】

 花見川団地の商店街においては、商店街のリノベーションが完成し、無印良品ポップアップストアの開設、団地・商店街の有志の方による休憩所のリノベーションやイベントの開催、SNSでの魅力発信、学生による駄菓子屋の運営、自治会によるこどもカフェの運営など、商店街が多様な活動を繰り広げる場として認識され、主体的に活動する人材の確保やそのネットワーク化が進むなど、効果が発現しつつあると考えています。定期的に行っている意見交換の中では自治会、商店街から活性化の取組みに対して概ね好意的に捉えていただいております。横展開については、団地それぞれ状況が異なることを踏まえ、花見川団地での取組みを検証しつつ、検討を進めて参ります。

【もりた真弓議員】

群馬県高崎市のように、店舗をリニューアルするためのリフォーム助成制度を設けるなど、商店街への必要な対策を講じるための体制と予算の配分をもとめるがどうか、お答えください。

【経済農政局長答弁】

 店舗改装などの設備投資については、中小企業資金融資制度において融資対象としており、利子補給による助成も行っています。また、今年度から、千葉市産業振興財団では、商店街アドバイザー派遣事業において、試行的に商店街が行なう販売力向上の取組みを支援することとし、財団コーディネーターと本市職員が各商店街を訪問しているところです。訪問の際には、商店街や商業者の支援ニーズの把握に努めることとしております。

3、花見川区の諸問題について

【もりた真弓議員】

(1)花見川区北部地域の交通問題について

 鉄道駅のない地域での住民の移動手段は、自家用車、バス、タクシーなどで、花見川区北部地域に関わるバス事業者は京成・シーサイド・平和交通・千葉内陸バスの4社です。この間、花見川団地の方から、いきいきプラザの講座の時間に合わないため、受講を断念した事例や、共産党市議団が実施している市民要望アンケートでも、区役所行きのバスの運行・増便の声が届いています。千葉市の調査では今年4月時点で550便の減便とのことでしたが、花見川区ではさらに5月末のバス事業者のダイヤ改正によって、今でも少ないバス便のさらなる減便が行われました。今後、通院、買い物など日常生活がままならない事態となる懸念が大きくなっています。そこで、うかがいます。

タクシーを呼んでも配車できない、タクシーが来ないという声を聞きます。花見川区内に事業所のある法人タクシー事業者はそれぞれ何社か。また、タクシー事業者からの意見や改善策があればお示しください。

【都市局長答弁】

 花見川区に事業所のある法人タクシー事業者は4者です。事業者や千葉県タクシー協会千葉支部からは、夜間早朝やエリアによっては配車までに時間を要すること、運転手不足が続いているといった状況、課題があると聞いております。また、タクシー事業者からは、時間帯等によっては、配車アプリを用いることも有効であるとの話を伺っております。

【もりた真弓議員】

現在、千葉市として交通事業者に行っている支援事業は何か、おたずねします。

【都市局長答弁】

 バスやタクシー事業者職員の2種免許取得を支援する運転手養成支援の取り組みのほか、路線バスについては、今年度、生活交通バス路線維持支援事業を創設しているほか、バス待ち環境の改善により公共交通の利用促進を図るため、停留所に事業者や自治会等がベンチ等を整備する際の費用の一部を助成してきております。

 また、学校の授業や市政出前講座の開催等により、公共交通を利用したくなるきっかけづくりや動機付けなど、行動変容を促すモビリティマネジメントの取組みを実施しております。

【もりた真弓議員】

緑区などで実施されている介護事業者による一般市民の送迎の現状と利用者の声についてお示しいただくとともに、花見川区での導入は可能かうかがいます。

【保健福祉局長答弁】

 社会福祉法人等が保有する送迎バスを活用した買い物バスは、現在、9施設で実施され、令和4年度の実績は315回の運行に延べ1,660人の利用がありました。利用者からは「普段は、誰かに買っても来てもらうことが多いので、自分で手に取って買い物できることがうれしい」「家だと一人なので、送迎車内で他の利用者との会話が楽しい」など好意的な声が聞かれております。実施にあたっては各区の社会福祉協議会事務所が、利用者ニーズと社会福祉法人の意向とのマッチングや店舗との調整を行っているため、本市としましても、市社会福祉協議会と情報を共有し連携を図りながら、同様の取組みが他の地域にも広がるよう努めて参ります。

【もりた真弓議員】

国の施策として一部地域で始まるライドシェアなどに頼るのでなく、地域の公共交通を支えるバス事業者やタクシー事業者の運営継続と合わせて、利用者の外出支援策となる敬老乗車券や、タクシー利用時の補助こそ必要と考えないか、お答えください。

【保健福祉局長答弁】

 敬老乗車券は、対象者人口の増加とともに、多様化する医療・介護・福祉サービスなどの需要に対応するため、平成19年度をもって廃止しており、今後更なる高齢化の進展を見据えると、事業の再開は困難であり、また、タクシーの運賃助成については、重度障害者を対象に実施しておりますが、対象を高齢者に広げることは困難であると考えております。

【もりた真弓議員】

(2)住宅地に隣接する開発について

 四街道市との市境に近い、花見川区大日町において行われている工事についてです。ここでは資材置き場、事業者説明では資材ヤードですが、整備に伴う騒音・振動などの問題と合わせて、住民生活と周辺環境への影響が危惧される事態となっています。 そこでうかがいます。

なぜ、このような事態となっているのか。今回の工事に関わる事態の詳細と、その要因についての千葉市の見解をお示しください。

【環境局長答弁】

 花見川区大日町の当該工事については、先月16日に振動苦情が市に寄せられ、現地を確認したところ、千葉市環境保全条例に規定する重機等を使用して作業を行っていたことから、事業者に対し、騒音及び振動の規制対象の作業である旨を説明し、近隣住民への配慮を求めております。

【もりた真弓議員】

このような工事を行う場合、近隣への説明などは行わなくてよい取り決めになっているのか、うかがいます。

【環境局長答弁】

 建設工事において、騒音規制法、振動規制法及び千葉市環境保全条例に規定する重機等を使用して作業を行う届出が市に提出された際は、事業者に対し近隣住民へ工事内容を説明するよう促しております。

【もりた真弓議員】

事業者による近隣住民への事前の工事内容等の十分な説明は当然ですが、届出だけで認められる仕組みは見直しが必要と考えないか、お答えください。

【環境局長答弁】

 騒音規制法及び振動規制法において、規制対象となる重機等を使用する作業は届出制であることから、本市の環境保全条例においても同様の取り扱いとしております。

【もりた真弓議員】

条例に沿っていたとしてもこうしたトラブルになるなら、住民にとっては大問題だと指摘して質問を終わります。

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