市長の決断で学校給食費無償化実施を! あぐい初美議員一般質問〔2024年第2回定例会〕
あぐい初美議員の一般質問および答弁 2024.6.19
1、学校給食について
【あぐい初美議員】
生態系の異変や子どもの発達障害などとの関連が疑われている農薬の成分が、多数の小学生の尿から一度に数種類検出されたと、農薬問題に取り組む民間団体が報告しました。小学1年生から6年生までの50人の尿を検査したところ、50人全員から農薬の成分が検出されたということです。子どもたちが摂取している食材が農薬に汚染されているというのは看過できない問題です。一日の食事のうちの1食を占める学校給食は子どもの健康な心と体を育むことをねらいとしており、学校給食で使用する食材は安全でなければならないと考えます。そこで伺います。
給食の食材の安全性はどのように担保されているのかお示しください。
【教育次長答弁】
国の「学校給食衛生管理基準」に基づき、学校給食で使用する原材料及び加工食品の添加物や農薬、微生物・細菌等の検査を実施するほか、農産物及び精肉については国内産の使用を原則とするなど、安全・安心な学校給食の提供に努めております。
【あぐい初美議員】
韓国では子どもの食の安全を守るため、学校給食には農薬や化学肥料を使わずに育てた有機食材を使用する取り組みが進んでいます。輸入に頼らず地域の農家が作り、厳しい検査を経た野菜や加工品が学校に提供されます。流通過程が明確で、農家の経営も環境も守り、食育にも役立ちます。日本でも土壌のミネラル分を多く含むオーガニックな給食により子どもの免疫力や体温が上がり、欠席数が減ったという報告があります。そこで伺います。
有機食材活用による食育の重要性への認識をお聞かせください。また、有機食材の活用を求めますが、いかがですか。
【教育次長答弁】
給食で有機食材を喫食することを通して、有機食材の栽培過程や苦労、本市の農業について伝え、「食」と「農」に対する理解と関心を高めることは有意義な事であると認識しております。また、有機農産物であるコマツナを活用した給食の提供と、地産地消を推進するために生産者を講師として派遣する取り組みを組み合わせた事業を実施しております。
【あぐい初美議員】
本市では、有機食材とまではいきませんが、学校給食の食材に減農薬、減化学肥料の特別栽培野菜を使用していると承知しています。そこで伺います。
特別栽培野菜の使用割合はどのくらいを占めるのかお示しください。
【教育次長答弁】
昨年度実績で5.5トン、全体の0.4%となっております。
【あぐい初美議員】
全体の0.4%というのは大変少ないという印象ですが、
特別栽培野菜の使用割合が少ない要因は何か、また、今後使用割合を引き上げていく見通しについてお示しください。
【教育次長答弁】
特別栽培野菜は、市場の流通量が少なく、給食食材として確保することは困難な状況です。今後の使用については、流通の状況を注視していきたいと考えています。
【あぐい初美議員】
給食食材は現在青果店から納入されていますが、地元産の新鮮な野菜を摂取するとともに農家の収入の保障にもつながることから、JAや地元農家と提携して食材の納入量を増やすことを提案しますが、見解を伺います。
【教育次長答弁】
JAや市場、農政部等と連携した取り組みとして、学校給食センターにおいては平成10年度から、単独調理場においては18年度から地場農産物を導入しており、毎年度青果では市内産約10%、県内産約20%、主食の米では市内産約40%、県内産約60%を使用しております。今後も、学校給食で使用する地場産農産物の品目、回数を可能な限り増やしていきたいと考えております。
【あぐい初美議員】
昨日、朝のNHKニュースでは学校給食について取り上げ、武蔵野市では地元の農家と提携し、泥付きの小松菜や規格外の野菜を学校が直接仕入れることで学校は安く買うことができ、農家は廃棄する量が減ったとお互いにメリットがある取り組みの紹介をしていました。規格外の野菜を使うことで地元産の野菜の使用料は増えますし、市場に出回らない野菜を無駄なく食べることはSDGSにもつながることから、地元産野菜の使用量を増やすため、JAや農政部と連携して規格外野菜の取り扱いについて研究をしていただくことを要望します。
先日八王子市の学校給食センター元八王子を視察してきました。八王子 市は2020年から中学校給食が始まり、現在4つの給食センターで1日11,000食を提供しており、今年10月には新たにもう1か所ができ、12,000食を提供する予定とのことです。元八王子のセンターは6校1,800食を提供しており、委託の民間事業者が運営を行っています。千葉市との大きな違いは給食センターでもアレルギー対応を行っていることでした。アレルギー調理室があり、アレルギーの原因となる特定原材料7品目を除去した給食を調理し、1食分ずつを弁当箱に詰め、各学校の生徒に提供していました。他のお子さんと同じメニューが食べられるようにアレルギー原材料を除去した代替食の提供は、子どもの心身の成長発達にとっても、保護者のお弁当を作る手間を軽減できることからも必要な取り組みであると考えます。
アレルギー対応は別メニューでの提供を求めますが、見解を伺います。
【教育次長答弁】
本市の学校給食センターでは、アレルギー対応食専用の調理製造ラインを有していないことから、代替食の提供は難しい状況にあります。アレルギーのある生徒に対しては、一人ひとりのアレルゲンに応じた、使用する食材の分かる詳しい献立表を個々に配布し、保護者と学校が連携を図りながら、生徒自身がアレルゲンを含む料理を食べないよう対応しております。なお、必要に応じて代替食を持参するような対応もしております。
【あぐい初美議員】
本市では2022年1月から第3子以降の給食費無償化が実施されており、現在第3子以降の無償化数は5595人となっています。しかし、申請制度のため年度が変わるたびに申請をしなければ無償化が実施されない仕組みとなっていることから申請漏れが危惧されます。無償化の対象者は全員無償化が実施されていますか。
【教育次長答弁】
第3子以降無償化の申請については、毎年度、各学校を通じて全家庭に文書や学校・家庭間連絡システム「すぐーる」により複数回周知をしており、申請漏れはないものと認識しております。
【あぐい初美議員】
先日6月11日に新しい千葉みんなの会から学校給食無償化を求める署名3332筆が市長あてに提出されました。子育て家庭だけでなく、給食無償化を願う様々な世代の方から署名が集まっています。署名行動の際に、「物価高騰の中子育て家庭の家計は苦しく、年間6万円もの給食費が生活を圧迫しており、早急に無償化をしてほしい」という声や「全国でも県内でも無償化が進んでいるのになぜ千葉市は無償化を実施しないのか」などの声が聞かれています。市長はこれら市民の切実な願いに応えるべきです。市長はこの署名をどう受け止めますか。
【教育次長答弁】
多くの市民の方々からのご要望であると受け止めております。給食費の無償化については、教育や子育て支援の施策全体において、優先度を見極めて、限られた一般財源の中で実施すべき施策を総合的に検討して参ります。
【あぐい初美議員】
文部科学省が行った学校給食に関する全国調査によると自治体の4割で何らかの無償化が実施され、2023年9月時点で小中学生全員を対象にしている自治体は547に増えています。無償化実施の目的は「経済的負担の軽減」だと652自治体が回答しています。
市長は、新聞のインタビューで「今は完全無償化にするときではない」と市民の願いに冷たく背を向けています。多額の財政が必要なため、国の財政支援のもと、国が一律の制度を作るまで無償化はしないというのは、住民の福祉の増進を投げ捨てるものではないでしょうか。自治体の大小に関係なく予算の1%で無償化は可能で、あとは市長が子どものために真っ先に1%の予算を支出するかどうかの決断いかんにかかっていると思います。市が独自に学校給食無償化を実施すべきではありませんか。
【教育次長答弁】
学校給食については、現状の運営においても、人件費等について年間約52億円の市費を投じ、必要な栄養バランスを考慮しながら、安全・安心な給食の提供に取り組んでいるところです。このほか、学校給食費の無償化については、令和4年1月から導入している第3子以降無償化のほかに、経済的に困窮している世帯については、生活保護や就学援助制度により既に無償化され、昨年度は合計で17.5%の児童生徒が無償化の対象となっており、事業費は約6億円となっております。一方で、今年度の食材費の物価高騰対応分も考慮すると、完全無償化の場合では年間約37億円の追加費用が見込まれるなど、無償化の対象を本市独自で拡充することは、さらに多額の費用を要することとなります。今後、さらに進展する高齢化への対応や公共施設の老朽化対策、学校体育館への冷暖房設備の整備のほか、長引く物価高騰の影響により、多額の財政需要が見込まれている中で、教育や子育て支援の施策全体においても、優先度を見極めて、限られた一般財源の中で、実施すべき施策を総合的に検討する必要があり、現時点では完全無償化は困難な状況であります。
【あぐい初美議員】
現状の学校給食を実施するために人件費等について52億を投じているとの答弁でした。しかし、これは無償化しなくても必要な経費なのですから、52億もかかっているということをことさら強調して、これだけお金がかかっているからこれ以上お金は出せないという言い訳のためにわざわざ数字を出してきたとしか思えません。
完全無償化のためには37億の追加予算が必要になってくるため、市独自の無償化はできないとのことですが、予算の規模が小さくなればさらに前に進めることは可能なのではないでしょうか。
第2子や中学生など段階的に拡充していくことは考えていないのですか。
【教育次長答弁】
繰り返しになりますが、今後さらに進展する高齢化への対応や公共施設の老朽化対策のほか、長引く物価高騰の影響により、多額の財政需要が見込まれている中で、教育や子育て支援の施策全体においても優先度を見極めて、限られた一般財源の中で実施すべき施策を総合的に検討する必要があり、現時点では困難な状況であると考えております。
【あぐい初美議員】
この間完全無償化に踏み出している自治体は、首長のリーダーシップによって決断しているところがほとんどです。千葉市は学校のエアコン設置でも子どもの医療費の助成制度の拡充でも他自治体に遅れを取ってきました。学校給食無償化についても国待ちの姿勢では他市に遅れをとることは否めません。ぜひ、市長の決断で無償化実施を実現するよう要望して次の質問に移ります。
2、六方調整池について
【あぐい初美議員】
調整池は豪雨時に雨水が大量に河川に流れ込んで氾濫することを防ぐために、雨水を貯めて雨水量を調節するためにある施設です。市では、現在、拡張を行っている調整池が1か所あり、その後、市による調整池の建設予定はないと聞いていますが、近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯による大雨が発生しているため、床上、床下浸水を防ぐために調整池の果たす役割は大変重要だと思います。そこで伺います。
現在市内に何か所の調整池がありますか。また、開発行為における今後の建設予定についてもお示しください。
【建設局長答弁】
本市が管理する調整池は110か所です。また、調整池の建設を伴う開発行為について、事前協議を受けているものが2件あります。
【あぐい初美議員】
六方調整池はろっぽう水のみちに流れ込む雨水の調節を行う設備であり、洪水調節容量は287,000㎥と示されています。豪雨時、どのくらいの降雨量に対応することができるのかお示しください。
【建設局長答弁】
本調整池は、1時間当たり53.4ミリメートル程度の降雨に対応しております。
【あぐい初美議員】
六方調整池の入り口には調整池の役割と使用した場合の注意喚起の説明看板が設置されていますが、老朽化し説明の文字が消えかかっており、特に降雨時の注意喚起の説明が読みにくくなっています。1995年3月に調整池が完成した時に設置されたものであればすでに約30年が経過しています。調整池の役割を市民に周知するうえでわかりやすい説明看板が必要だと考えます。
老朽化した説明看板を新しいものに交換すべきではありませんか。
【建設局長答弁】
経年劣化により、見えにくくなった看板について、状況に応じ適切に対応して参ります。
【あぐい初美議員】
適切に対応してくださるとのご答弁ですが、昨日は千葉市でも洪水警報や大雨注意報が出されるなど短時間での雨量が多くなってきているので、時間をおかずに市民にわかりやすい看板に付け替えていただくよう要望しておきます。
六方調整池多目的施設は遊歩道が設置され、近隣住民の散歩コースとして親しまれており、桜の時期にはお花見の名所として多くの人が訪れます。施設の両端には四阿やトイレが設置されており、休息をとることもできます。2か所あるトイレのうち、稲毛区側の1か所が使用禁止となっているため、利用者から早く使えるようにほしいとの要望が上がっています。隣接した長沼原東公園にもトイレがなく、またコンビニも近くにないため、このトイレは利用者にとって大変重要な施設となっています。
トイレを早急に改善すべきではありませんか。
【建設局長答弁】
当該トイレは、調整池の貯留域内に位置しており、増水による冠水が懸念されるため、現在、施設の利用状況の確認やあり方についての検討を行っているところです。
【あぐい初美議員】
外周部の道路から底部の自由広場につながる階段には手すりがなく、上り下りに不安がある方には安全な施設とは言えません。
利用者が安全に利用できるように階段に手すりを設置すべきではありませんか。
【建設局長答弁】
現地を確認し、必要に応じ対策を検討して参ります。
【あぐい初美議員】
多目的施設としてゲートボール場がありますが、草だらけになっており、ゲートボール場として使用するのは難しい状態にあるとともに、今現在、ゲートボールをやりたいという近隣住民の要求があるのかという疑問もわきます。そこで伺います。
ゲートボール場について市民のニーズを調査し、市民の要望に沿った施設を検討すべきではありませんか。
【建設局長答弁】
近年、集中豪雨などの異常気象による増水リスクが高まっていることを踏まえ、調整池の使用方法のあり方について、今後、調査研究して参ります。
【あぐい初美議員】
30年前に多目的施設を作った時と現在とでは気候変動によって一度に降る雨の量が大きく変化し、多目的施設として安全に使い続けられるのか見直す必要があるのかもしれません。しかし、長年地域住民に親しまれてきた施設として今後どのような使い方がふさわしいのか、住民の意見をしっかりと聞きとって反映させていくことが必要だと考えます。
調整池の在り方の検討には幅広く住民や利用者の意見を聞くことを求めますが、見解を伺います。
【建設局長答弁】
今後の調査研究を行っていく中で、近隣の町内自治会などからご意見を伺って参ります。
【あぐい初美議員】
六方調整池多目的施設は、花も緑も水辺もある身近に自然に親しめる場所として近隣の方々に利用されてきました。千葉市の下水道計画の3つの目標のうちの一つに「緑と水辺に恵まれた多自然都市の創造に貢献します」があり、そこには雨水調整池や河川・水路を利用した水辺づくりとして、「雨水流出抑制や排水という機能だけにとどめず、多自然型の施設として周辺の景観と調和させ、親水空間等の多目的活用を目指すことで、市民の親しめる水辺空間の創造と水生生物などの生態系の保全に貢献します。」と掲げられています。
今後の調整池の在り方については、地元自治会、近隣の小中学校、専門家、ウェブアンケート等などから丁寧に意見を聴取して、この目標を達成できる方向性を検討することを要望しておきます。
3、養育費支援について
【あぐい初美議員】
養育費は子どもが経済的、社会的に自立するまでに要する衣食住に必要な経費や教育費、医療費などであり、子どもの面倒を見ている親はもう一方の親から養育費を受け取ることができます。
厚生労働省が発表した「令和3年度全国ひとり親世帯等調査報告結果」によると養育費の取り決めをしていると回答した家庭の割合は母子家庭46.8%、父子家庭28.2%であり、また養育費の受給状況は母子家庭28.1%、父子家庭8.7%となっており、養育費の取り決めをしている家庭のうちの半数以上が養育費を受け取っていないことがわかります。そのため、養育費を確保するための支援が重要です。千葉市では弁護士による養育費相談、養育費の取り決めに係る調停等費用助成、公正証書作成手数料助成、養育費確保促進事業、養育費に関する講習会等、各種養育費支援事業が行われています。養育費に関する支援事業についてそれぞれの実績をお示しください。
【こども未来局長答弁】
「弁護士による養育費相談」は、令和3年度48人、4年度57人、5年度63人に実施しております。「養育費の取り決めに係る調停の費用助成」については、令和3年度に3人、4年度6人、5年度7人、「公正証書作成手数料助成」は、令和3年度16人、4年度28人、5年度24人に助成しております。ひとり親家庭の親等が、保証会社に養育費保証料を支払った場合に助成する「養育費確保促進事業」については、令和3年度1人、4年度2人、5年度3人に助成しております。「養育費に関する講習会」については、令和3年度17人参加、4年度6人参加、5年度は未実施でしたが、今年度は、弁護士を講師に招き、開催する予定でございます。
【あぐい初美議員】
どの事業も利用実績としてはまだ少なく、養育費の支援についてはまだ十分とは言えないと思いますが、支援事業についての評価と課題についてお示しください。
【こども未来局長答弁】
養育費確保のための支援事業は、ひとり親家庭等の自立支援策として大変重要なもので、積極的に取り組むべき事業と考えておりますが、利用実績が少ないことは課題と捉えております。
【あぐい初美議員】
利用実績が少ないのはまだ事業の周知が十分ではないことが考えられますので、様々な媒体を使って周知を広げられるよう要望します。また、弁護士による養育費相談は年々増加していることから、ニーズに応えられるよう相談枠を増やすことを要望します。
本市では離婚前の方やひとり親の相談対応に各区に配置された母子・父子自立支援員が当たっておられますが、一歩進んで養育費に特化したきめ細かな支援が必要ではないかと考えます。
熊本市では養育費確保のための支援として区役所に相談窓口を設け、養育費専門相談員が対応しています。また、北九州市では養育費相談アドバイザーを配置して公正証書作成に至るまでのサポートをはじめ養育費全般の相談を受け付けています。
専門相談員を配置して養育費確保まで丁寧なサポートをするべきではありませんか。
【こども未来局長答弁】
本市では、各区に配置されている母子夫子自立支援員が、養育費確保に係る相談に対応しており、今後も必要に応じて弁護士を紹介するなど、適切なサポートに努めて参ります。
【あぐい初美議員】
明石市は調停調書や公正証書などの債務名義で養育費の取り決めをしたけれど、実際に受けとることができていない場合に、養育費を支払うべき義務者に対して市が働きかけ、それでも支払いがない場合に養育費を受け取るべき人に対して、市が最大3ヶ月分、子ども一人当たり上限月額5万円を立て替え払いをしたうえで、義務者に対して督促を行うなど一歩踏み込んだ支援を行っています。
明石市に学び、養育費確保のために市が立て替え払いを導入してひとり親家庭を支えていくべきではありませんか。
【こども未来局長答弁】
養育費を確実に確保するためには、継続的な支援が必要となることから、他自治体での事業効果について注視していきたいと考えております。
【あぐい初美議員】
物価高騰の中、子どもの健やかな成長を支えるための養育費を確保していく必要性が高まっていると思いますが、養育費の取り決めをしていない母子家庭は約5割を超えており、まずは取り決めを交わす人を増やしていくことが求められます。法務省では離婚届を出す際に市町村の窓口で「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」というパンフレットを交付するようにしているとのことですが、窓口に配架しているのみで個々に配布はされていないようです。個々に配布するとともに市の養育費支援の事業についてもお知らせするパンフレットを配布して養育費確保につながる対応をお願いします。
4、離婚後共同親権について
【あぐい初美議員】
国会で民法改正の法案が可決され、離婚後共同親権が導入されることになりました。24万人を超えた離婚後共同親権導入に反対する署名を始め、国会審議でも弊害を懸念する声が相次ぎ、国民的合意がないまま強行採決されたことは許されません。
離婚後共同親権の問題点は、離婚する父母が合意していなくても、裁判所が離婚後の共同親権を定めうる点です。真摯な合意がないのに親権の共同行使を強いれば、別居している親による干渉、支配を復活、継続する手段となり、結果として子の権利や福祉が損なわれてしまう危険が否定できません。また、子どもがどちらの親と生活を共にしたいのか、どこに住みたいのか、どんな学校に行きたいのかなど子どもが意見を表明する権利が明記されておらず、子どもの最善の利益が保障されるのか懸念されます。
共同親権になると今まで同居親が所得によって支援が受けられていた制度が受けられなくなると明らかになりました。法務省が把握しただけで所得要件で影響を受けるのは32項目にも上ると言われています。そこで伺います。
共同親権になった場合、本市で夫婦の所得が合算されて同居親が支援を受けられなくなる制度はどんなものが考えられますか。
【こども未来局長答弁】
離婚後の「共同親権」の導入を内容とした改正民法の施行は、公布から2年以内とされているため、各制度の具体的な運用は、今後、整理されていくものと認識しております。
【あぐい初美議員】
今後、離婚後共同親権についての相談に対応できる相談窓口の設置などが必要になってくるのではないかと思いますが、どのような対応を行っていくのですか。
【こども未来局長答弁】
現在、ひとり親家庭等が抱える様々な相談は、各区に配置されている母子父子自立支援員が対応しており、今後も研修等により専門的な知識の習得に努め、適切な支援に努めて参ります。
【あぐい初美議員】
子どもが小さいと子連れで相談に行ったり、電話をしたりする時間をつくるのも大変な状況があると思います。メールやLineのほうが相談しやすいという若い人も多いのではないかと思いますので、SNSを利用した相談体制もぜひ検討していただくよう要望して質問を終わります。