物価高騰対策から市民生活守る予算にすべき! あぐい初美議員討論〔2025年第1回定例会〕
あぐい初美議員の討論 2025.2.26

日本共産党千葉市議会議員団を代表して議案第2号令和6年度千葉市一般会計補正予算(第7号)、議案第3号令和6年度千葉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)、議案第10号令和7年度千葉市一般会計予算、議案第46号千葉市保育所設置管理条例の一部改正について、議案第54号包括外部監査契約について反対し、発議第1号千葉市子どもたちをいじめから守るための条例の制定についてが否決され、請願第1号千葉市の教育に関する請願が不採択になったことについて討論を行います。
初めに議案第10号令和7年度千葉市一般会計予算について反対の意見を申し上げます。
反対の理由は第1に、物価高騰で市民を支援する予算が痛切に求められている時に、地方自治の本旨である「住民福祉の増進を図ること」に反して、国民健康保険料値上げなど福祉カットを強行するとともに、子育て支援のために学校給食の無償化を求める声には背を向け、国が行うべきだと切り捨てる等、市民に冷たい予算であることです。
第2の理由は、市民生活などに緊急の必要性が生じたときに活用する財政調整基金を69億円も取り崩しているにもかかわらず、急がなくてよい事業や、必要性の乏しい事業などの大型開発に多額の予算をつぎ込んでいることです。また、企業立地の予算は21億円にも膨れ上がっており、優先順位の考え方が大企業優先になっていることも問題であります。
第3の理由は、大軍拡、国民生活切り下げの石破政権に無批判の姿勢であることです。国政との関係で石破政権は能登半島支援より軍事費を優先して8兆7005億円を投入する等税金の使い方に問題があり、国民要望実現のために、選択的夫婦別姓の導入、学校給食の無償化、学費値上げ中止、マイナ保険証強制をやめ現行の保険証存続、消費税減税、企業団体献金の禁止を進めるべきであると市長の見解を求めました。ところが市長は国会において議論すべきものであり、その動向を注視していくと答え、市民の切実な要望実現を国政に求めていく立場は全くなく、石破政権に無批判、追随するような姿勢を厳しく指摘するものです。特に選択的夫婦別姓については、一般紙のインタビューでは推進する立場を主張していながら、議会では実施していく立場を表明すらしないというのは発言する内容が後退しておりきわめて残念です。
以下、問題点ごと詳細に指摘をします。最初に反対する理由の1と2についてです。新年度予算は一般会計予算が前年度比418億円増の5512億円、企業会計を含む特別会計が前年度比159億5千万円増の567億500万円、全会計を合わせると前年度比577億5千万円増の1兆109億500万円となっています。
新年度予算では、子育て支援や教育施策の充実等の事業に重点配分がされているほか、バス路線維持支援などの地域公共交通支援、学校体育館エアコン設置など市民要望を反映した事業にも配分がなされています。一方で、国民健康保険料の4年連続になる引き上げにより、市民の命と健康が脅かされるものとなっています。
また市が平成30年に強行し、日本共産党千葉市議団が毎年復活を求めている真に支援が必要な人への福祉カットである心身障害者福祉手当の削減、おむつ給付事業の縮小、生活保護世帯に対する下水道使用料徴収等、弱い者いじめと言える「質(たち)の悪い福祉カット」が新年度も継続しています。
日本共産党市議団は、必要性が乏しく、急がなくてよい事業である大型開発の見直しと共に、国や県などの事業に市が負担させられている費用を見直し、自主財源を確保して、福祉の充実を図り市民生活を守るために活用することが必要だと考えます。
福祉を充実させ、市民生活を守るために優先する事業として国民健康保険料など福祉カットを中止すること、学校給食の無償化を当面中学生に実施すること、65歳以上の市民に対して100円でバスの利用ができる高齢者のバス利用応援制度をつくるなど12事業予算36億8647万円を提案しています。
その財源として、中央公園・通町公園の連結強化や千葉駅東口西銀座B地区優良建築物等整備、(仮称)検見川・真砂スマートIC整備等8事業など大型開発と国直轄事業負担金の見直しを図り、財政調整基金の活用及び資本金10億円を超える法人に法人市民税均等割りの制限税率の適用を行うなどによって合計106億5240万円中、補助金を差し引いた金額を我が会派が提案する事業に充てます。これらは我が会派が提案した予算の組み替え動議に沿ったものであり、予算の組み換えを求めるものです。
次に指摘したいのは政治とカネの問題、とりわけ企業団体献金は国民・市民のための行政を企業の利益のための行政に歪めるものです。神谷市長の開いた政治資金パーティーに参加した市内企業代表は、2万円のパーティー券をポケットマネーで購入したとは思えません。収支報告の提出は市長選後になります。市民に対して報告を速やかに行うべきです。
最後に平和の問題についてです。千葉市と世界の恒久平和を望む「千葉市平和都市宣言」を行っている千葉市の市長が、公共施設幕張メッセで開かれる予定の「武器見本市」を無批判で認め、平和に背を向けている姿勢であります。
全国どこを見ても公共施設で武器見本市を開催している自治体は千葉市以外ありません。ガザで5万人もの子どもや女性を殺戮したイスラエルの武器産業やウクライナの戦争に武器を売り込んでいる武器産業も参加する武器見本市に事実上同意する神谷市長を厳しく批判します。
大軍拡、不透明な企業献金の継続、国民生活切り下げを実施する石破内閣の悪政に対して、市民の防波堤となって市民生活を守ることが求められています。国いいなりではなく、市民に優しい予算にするために神谷市長が提案した新年度予算を誰一人取り残さない千葉市にする予算に切り替えていくことを求めます。
続いて各局の指摘事項を申し上げます。
初めに総合政策局についてです。
まず、防災・減災についてです。能登半島地震とその後の豪雨災害、また全国的にも地震や、異常気象による自然災害が増えています。災害対策は被害を広げないための予防的原則、減災の取り組みが必要です。また発災後は迅速に避難所運営などの対策を進めていくことが求められています。新年度の防災アセスメント調査により得られた情報、被害想定などから、防災備蓄品の増強を進めていくこと、能登半島地震のトイレ対策の教訓からもトイレトレーラーの整備などを早急に進めることを求めておきます。
次に人口減少についてです。
千葉市への流入人口が多いとは言え、周辺の自治体への流出にもあらわれているように、学校給食費の無償化や、保育料の第2子完全無償化など、国待ちにならずに千葉市独自で実施し、子育てしやすい、住み続けたい施策を実施することを求めます。
総務局についてです。
会計年度任用職員の処遇改善についてです。千葉市においては人事委員会勧告にもとづいて期末手当等の引き上げが正規の市職員については遡及されて行われているものの、会計年度任用職員については次年度からの改定とされています。他政令市でも遡及や年度途中の改定が行われてきていることや、他会派からも遡及が求められていることから、遡及を通じて、会計年度任用職員の処遇改善が図られるよう求めておきます。
わが会派が求めてきた子どもや若者を担当する「こども若者支援室」が新年度に創設されることとなりました。子ども、若者をめぐっては、いじめや不登校対策、大学や専門学校等の高等教育における学費負担軽減、その後の就労などへの多岐にわたる対応が求められていますので、この支援室が子ども、若者をめぐる様々な課題に取り組むことを求めておきます。
財政局についてです。
物価高騰が続いています。国による相次ぐ社会保障制度の切り下げによって、また定額減税も終了し、現役世代の負担も増えます。市民のこうした厳しい実態に寄り添うことが求められているのではないでしょうか。中小企業エネルギー価格等高騰支援給付金の要件3万円に満たない電気・ガスなどの合計2万円以上3万円未満も対象にした物価高騰対策など市独自に実施することを求めておきます。
行政委員会についてです。
選挙管理委員会については、郵便投票の対象となるのは要介護5、身体障害者手帳の両下肢などの障害1級と2級、免疫や内臓機能の障害の程度が1級または3級であると記載されている者としています。投票の権利を保障するためにも郵便投票の対象者を拡大するよう国に求めていくことと、期日前投票所の増設や共通投票所を増やし、投票しやすい環境づくりを進めていくべきです。
市民局についてです。
はじめに、安心安全なまちづくりについてです。現在SNS中心とした犯行、闇バイトによる盗難被害が増加しています。町内自治会等が設置した防犯カメラの録画画像に対する千葉県警察からの照会についても、令和3年度26件、令和4年度42件、令和5年度49件と増加傾向にあります。市民の皆さんの不安が高まるなか、防犯カメラ設置はJRの未設置駅の早期設置と京成電鉄の駅にも設置すること、さらには自宅設置に関する補助の拡充検討も求めるものです。
次に、市民総合窓口業務の改善についてです。書かない窓口の導入による新しい業務フローに対応するため動線にも配慮した配置や案内掲示の見直しも併せて行うなど、利用者にとってわかりやすい窓口となるよう求めます。また、緑区市民総合窓口課の椅子がかなり老朽化しており、区役所の椅子の使用年限を確認したところ、最長で36年間も使用している椅子もあるとのことでした。市民と接する6区区役所や保健福祉センター等の窓口職員の健康や能率向上に向けて、速やかに椅子を更新するよう要望しておきます。
保健福祉局についてです。
介護問題では、社保協千葉県協議会・千葉民医連が行った県内訪問介護サービス基本報酬引き下げに関する訪問介護事業者へのアンケートの集計結果によると、介護報酬が下がり経営の見通しが悪くなるとの回答が約6割に上り、基本報酬引き下げの影響があるのは約7割、人材確保の見込みがないが約半数、人材確保ができなかった場合、事業縮小、閉鎖、廃業と回答しており、国任せでなく市が独自でも人件費の支援をすべきです。現在1,400人もの特別養護老人ホームの待機者がいながら、新年度はわずか20床のみの建設にとどまっているのは、事業者の手が上がらないことも要因となっており、改善が急務です。
介護の人材確保についてですが、今後、千葉市でもあと15年もすると介護人材が4,700人も不足すると見込んでいるということです。介護職員の今年度の賃上げ率は正規職員で2.52%です。昨年の春闘の賃上げ率は5.1%。ケア労働者と他業種との賃金格差は拡大しています。ここにメスを入れなければ介護職の魅力向上とはなりません。本市でも保育の人材確保に向けて処遇改善に取り組むように、介護職員の確保に向けても、市独自の処遇改善に取り組むよう求めます。
こども未来局についてです。
乳児等通園支援(こども誰でも通園制度)については、「福岡市型」こども誰でも通園制度の先進事例に学び、国の基準にとどまらない市独自の上乗せで、利用時間の上限引き上げ、給食の提供、障害児の受け入れ加算額の上乗せなどと併せて、子どもの成育の継続的な確認のために利用形態を「定期利用」のみで行うなど、利用する側・受け入れる側双方の意見を反映させることを求めておきます。
子どもルームは、今後、年間10校ずつアフタースクールに移行しますが、施設整備が不十分な高学年ルームで3年生の保育が余儀なくされているルームもあります。夏季休業の受け入れ体制など、現場の声を良く聞いていただくことを求めておきます。
環境局についてです。
はじめに水質調査についてです。千葉県では、河川のPFAS濃度が暫定指針値を大幅に超過した地点の周辺である柏市と白井市の境の「金山落」と、市原市の「平蔵川」において追加で調査をしているとしております。市原市と近接の緑区民からも不安の声が届いていますので、緑区の井戸については、今年度は6地点に拡充し、監視測定しているとのことですが、更なる観測地点の拡充と結果についての周知強化を要望します。
次に、メガソーラー規制条例についてです。越智町のメガソーラー計画については、地元地区連による勉強会の開催、さらには地元住民が呼びかけた反対署名が1万筆を超えるなど、村田川への氾濫リスクへの懸念から、建設ストップの声が高まり続けています。そうしたなか、メガソーラー規制条例を政令市でも、仙台、浜松、神戸の3市が制定しています。効果としては、地すべりなどの危険がある場所への設置規制など効果もあるため、本市としても市民の安心安全最優先にメガソーラー建設を許可制とする条例を真剣に検討するよう求めるものです。
経済農政局についてです。
はじめに、企業立地についてです。平成24年度にはわずか1億円だったものが、膨張し続け21億円となっています。しかし、投資した企業の市民雇用は約4割と低迷し、しかもネクストコア千葉誉田で補助金支給した企業では、数百名も特定技能外国人を雇用しているとされるなかで、たばこのポイ捨て、駅の治安悪化など、地元からは不安の声が寄せられています。企業立地補助は全額市費となる事業であるにも関わらず、雇用実態もまともに把握できていないことは問題のため、早急に特定技能外国人雇用の状況を調査すること、地域で暮らす市民の雇用を増やすよう要件の見直し、補助期間、補助額なども見直すよう求めるものです。
また、中小事業者の防衛的賃上げが6割となるなかで、設備投資やDX投資で持続的賃上げを支援すると言いながら、その効果も全く把握していないというお粗末な状況です。失われた30年は担税力ある大企業に補助金ばかり使う経済政策にも一定の責任があることを認識した上で、物価高騰下で必要な賃上げを行うことこそ急務であり、岩手県のような賃上げ支援金など、実効性ある賃上げ施策を検討することを強く求めるものであります。
競輪事業について、車券売り上げは令和6年度予算より132億円もの増加を見込んでおり、若者がスマホで簡単に車券を購入でき、ギャンブル依存症につながりかねない250競争の推進を市長先頭に行うことはやめるべきです。若者へのギャンブル依存症対策の強化を求めます。
農政についてです。農家への経営拡大支援では、新規就農者の初期投資に係る負担を軽減するため、農業者約4,300人を対象とした調査により、現在使われていない施設や機械の情報を収集し、現在、新規就農者へ個別にマッチングを進めているとのことであり、農家の初期投資額をできる限り低減する施策展開を求めるものです。他にも、有機農家支援策として、今年度から、農政センター内に設置した有機ほ場において、パイプハウスでの葉物野菜の栽培実証を開始したとのことであり、有機野菜農家への更なる支援強化、学校給食への提供促進も、教育委員会と連携図りながら、展開することも求めておきます。
都市局についてです。
千葉駅周辺の活性化推進として合計13億200万円が計上されていますが、千葉駅周辺の開発の推進が市民の要望に沿っているかは疑問であり、新たな賑わいづくりになっていくかも不透明な中で多額の税金をつぎ込むことはやめるべきです。
バス路線の減便は直近3年間で約1380便にも及ぶことが示され、地域公共交通維持のための施策が重要であるにもかかわらず、路線バス維持支援の予算は今年度と同様の7,500万円にとどまっており、大幅な予算増が必要です。バスやタクシーの運転手確保のための施策と共に、バス利用者を増やしていく取り組みが求められます。我が会派が提案する高齢者のおでかけ応援パスを導入して、バスでの外出を後押しするべきではないでしょうか。
稲毛海浜公園リニューアルでは民間事業者が整備を行っていますが、花の美術館の再整備が遅れるとともに利用料金の引き上げも検討されているなど地域住民が気軽に訪れることができる施設となるのか危惧されます。公園の再整備を民間事業者に任せ、公園を儲けの施設に作り替えていくことには反対していますが、現在行われている事業については中間評価を行い、事業運営が適切に実施されるよう指導することを求めるものです。
建設局についてです。
道路新設改良について、企業立地促進関連道路整備に4億3,850万円、(仮称)検見川・真砂スマートICに8,800万円、新湾岸道路に1,800万円を計上しています。渋滞解消を理由に新しい道路をつくる計画が進められていますが、人口減少社会に移行していく中で本当に必要なのかが問われます。特に新湾岸道路はルートも事業費も完了時期も示されずに進められており、今後莫大な予算がつぎ込まれることが予想されるため、計画は中止すべきです。大型道路の建設ではなく、市民が安全に利用できるよう生活道路の改善を優先していくことを求めます。
下水道使用料を2026年に平均15%引き上げる案が示されましたが、水道料金も20%値上げするとされており、物価高騰のなか、生活ができなくなると悲鳴が上がっています。県負担金を引き上げないよう千葉県に要望をするとともに、新規の事業については導入時期を先延ばしにするなどして事業費を抑制し、使用料の値上げは中止することを求めます。
消防局についてです。
消防局については消防団員が不足しており、原因の一つとして地域で行う操法大会が負担になっていることが示されました。団員の意見を聞き、負担軽減に取り組むとともに消防団家族への子育て支援策なども検討してもらいたいと思います。
水道局についてです。
配水管の耐震化率はR7年度に44.6%になる見込みと示されました。水の供給は命と生活を支える最重要な施設であるため、施設設備の耐震化・更新を進めるよう要望します。
給水原価が供給単価を上回っていることから一般会計からの繰り入れが続いています。給水原価の引き下げを県企業局に強く申し入れることを求めます。
千葉県が水道料金を20%値上げすると発表しましたが、県営水道が値上げされれば市営水道にも大きな影響が出てくると予想されます。県に対して値上げについての説明を求めるとともに値上げをしないよう要望すべきです。
病院局についてです。
新年度予算では、コロナが5類に移行したのち診療報酬の面で影響を受けていますが、経営ありきではなく、必要な医療を提供できる環境を整えることが求められます。
医師の働き方改革が進められていますが、月平均4時間短縮しているとはいえ、診療科によっては過重負担となる実態もあります。そのような中で、海浜病院では小児科と新生児科で11名の専攻医が在籍しており、小児科の患者数に対して人員配置が偏重していると言わなければなりません。
一方、整形外科医は増員されましたが、まだ市民が他市で治療しなければならない実態があります。さらなる体制強化を求めます。
脳外科医の体制が充実したことで受け入れが増えており、それに伴って介護度が高い患者も増加しています。介護福祉士の配置が必要となっていますが、夜勤や配置されていない部署もあり、さらに増員することが急務です。
新病院を建設するにあたって、看護師も含めた他職種にしわ寄せが来ないように人件費の見直しをすることを求めます。
教育委員会についてです。
第2次不登校パッケージについては、教員の負担軽減策としてステップルームティーチャー活用、スクールカウンセラー活用など、専門職を配置して不登校対策の拡充が予算化されています。また、教頭マネジメント・サポーターの配置や専科指導のための非常勤講師の配置などの事業も拡充としています。学校現場を支える体制を強化することは必要ですが、そもそも教員の多忙化のおおもとには、正規の教員が不足する問題が依然として解決していないからであり。国に働きかけることと同時に、市独自でのさらなる努力を求めます。
加曾利貝塚の魅力向上と博物館管理運営についてです。財政厳しい下での120億円余りの予算を確保して整備を行います。来館したくなる博物館とする工夫や、博物館に来館した人たちが特別史跡である貝塚に行ってみたくなる工夫など、市職員が全国の優れた博物館を訪れ参考にし、進めることを求めておきます。
次に議案第2号 令和6年度千葉市一般会計補正予算(第7号)についてです。
千葉港整備事業負担金について、港湾は県が管轄しているものであり、地方財
政法27条では「県が行う建設事業費の経費の一部を市町村に負担させることができる」と規定しており、本市が港湾の事業費を負担しなければならないということではなく、我が会派は県との協議を行って市の負担をなくしていくことが必要と長年主張してきていることから、本市が負担金を支出することについては賛成できません。
また、中央公園・通町公園の連結強化事業についてはウオーカブルなまちづくりを進めるとしていますが、千葉神社周辺は初もうでの3が日に人出が集中しており、日常的には人通りがなく、事業効果が見込めないとして我が会派は一貫して反対してきています。さらに、千葉駅東口西銀座B地区優良建築物等整備事業では、三越跡地のマンション建設に公共貢献を理由に7億円の補助金を出すのは大手の民間企業を優遇するものであり、千葉駅周辺開発に特別に税金をつぎ込んで事業を進めることには賛同できません。以上の事業が含まれていることから本議案には反対します。
次に議案第3号 令和6年度千葉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)についてです。
この議案では、前年度決算剰余金から県支出減額分を差し引いた金額を国保の財政運営に活用するために基金の積み立てをするとのことですが、基金の積み立てを優先している一方で、今議会で国保料の引き上げが示されています。基金の積み立てをやめれば保険料を引き下げられることは、令和7年度基金残高が22億6500万円あるとの回答からも明らかです。国保料が高すぎて生活を圧迫していることから、基金への積み立てを取り崩して国保料の引き下げに踏み切るべきと考えるため、本議案については賛同できません。
次に議案第46号 千葉市保育所設置管理条例の一部改正についてです。
都保育所、千城台東保育所、弁天保育所の3つの施設は建替えによって民間保育園に移管するため、また、高浜第一保育所と高洲第二保育所は統廃合のため、高浜第一保育所を廃止するための条例の一部改正です。千葉市の進める「公立保育所の施設管理に関する基本方針」では、60か所あった公立保育所を令和22年度までに34か所にまで減らす方針です。今回の条例改正で令和7年4月に50か所に減る公立保育所と比較して、民間事業者による保育施設は266か所へと広がります。
この間、保育を必要とする世帯が増加し、待機児童の解消のため園庭の無い小規模の保育施設を認める規制緩和がされています。結果、毎日の公園の往復の際の安全確保のためのキッズゾーンの整備が急がれるなど、ちぐはぐな対応となっています。
千葉市は地方自治体の責務として子どもたちや保護者に安定した保育を提供する必要があります。仮に民間事業者の都合で閉園となった場合、市は責任を負えません。今後、保育需要が見込まれる地域においても公立保育所を新設する予定はないとしており、コストカットのための方針は改めるべきであり、賛成できません。
次に、議案第54号・包括外部監査契約についてです。
有限責任監査法人トーマツの山崎氏と包括外部監査契約を結ぶ議案です。議案が通れば3回目の契約となります。契約者の所属する監査法人トーマツは、東京都立病院の独立行政法人化をめぐって、都立病院経営委員会の委員として公認会計士が出席し、独立行政法人化に関する意見を出していたこと。また、東京都の特定複合観光施設に関する影響調査、いわゆるカジノ調査で、2017年度、2018年度の調査報告書をまとめる過程で、カジノに利するように東京都がトーマツなどと報告書の変更打ち合わせを行なっていたことも日本共産党東京都議団が明らかにしました。
千葉市は今回も「監査法人と個人との契約は別であり、契約者本人の欠格事項はない」として契約を結ぼうとしています。契約者は監査法人に所属しており、「法人と個人は別である」ということにはなりません。
契約者の所属する監査法人の東京都における問題の事実がある中で、再度、包括外部監査契約を結ぶことは認められないことから、本議案には反対します。
発議第1号 千葉市子どもたちをいじめから守るための条例の制定についてです。
千葉市のいじめ認知件数は5年間で2倍へと増加し3,000件を優に超えていますが、いじめ重大事態として対応されているのは年間でほんの数件です。我が会派は、大阪・寝屋川市の寝屋川モデル「いじめゼロに向けた新アプローチ」が、教育的アプローチと行政的アプローチを並走させており、いじめ防止対策として、毎月学校で子どもたちにいじめ通報促進チラシを配布するなどの「攻めの情報収集」で効果をあげていることを示し、条例への賛同を訴えました。
他会派の委員は「体制整備は行われている」「この条例で何が変わるのか」「実態把握などの調査段階」など、命の危機に直面するいじめに正面から向き合わない消極的な態度で反対し、条例案が否決されたことは大変残念です。
最後に、請願1号 千葉市の教育に関する請願についてです。
全千葉教職員組合のみなさんから提出された学校生活環境の改善、教職員の増員、小中学校の給食費完全無償化を求める請願は、日本共産党千葉市議団以外の会派が反対し不採択となりました。
全国で教員不足が問題視され、「インフルエンザの時期に先生が複数休むとその穴を埋めるためにみんなが無理をするのでドミノ倒しのようになる」とか、「先生が夕方に業務ができるよう、生徒の下校時間を早める」ため、「授業の合間の休み時間を5分に短縮したり、給食前に5時間授業を行う学校もある」との実態もあります。千葉市でも2月1日現在、担任のいない事案が45件発生していることが明らかになりました。講師の先生が15名、教務主任の先生30名が、クラス担任として日々の業務をこなしています。
委員会で自民・立民無所属・公明の各委員が、教職員の増員を求める請願項目に対して、「産休・育休など十分取り組まれている」「内容については理解するが、限られた財源の中で対応している」、学校給食無償化についても「国の動向を見守るとき」などの理由で反対しました。また「請願の主旨はわかるが、全てお金がなければできないこと」などの意見も述べられましたが、あらためて国や自治体がどこにお金を使うべきなのかが浮き彫りになりました。
請願が不採択になったことは大変遺憾であり、教育現場からの切実な声に応えるよう強く求めて、討論を終わります。