講師給与は2級格付けに引上げを! かばさわ洋平議員討論〔2025年第4回定例会〕
かばさわ洋平議員の討論 2025.12.12

議案第149号一般会計補正予算、議案第153号、161号、168号、172号から182号については意見要望を、議案第155号、156号、157号、164号、165号については反対の立場から、請願第3号 千葉市の教育に関する請願の採択を求め、討論を行います。
はじめに、議案第149号・千葉市一般会計補正予算中の特定医療費助成事業についてです。特定医療費助成事業において、受給者数の増加により支給決定件数が増加し、扶助費に不足が見込まれるため、補正するものでありますが、特定医療費助成の受給者数は今後も数百人単位で増加していく見込みです。そうしたなか、当局は国に対し、毎年度、国庫支出金の増額や、人件費、電算システムの運用経費などの事務費も国庫負担の対象とするよう要望活動を展開しております。難病患者が安心して医療を受けられる環境を安定的に継続させるためには、この国への財源確保に向けた強い姿勢を維持し、さらに粘り強い要望活動を展開することを求めておきます。
次に、議案第153号・千葉市病院事業会計補正予算、(仮称)幕張海浜病院整備事業についてです。新病院整備工事において、インフレスライド条項の適用や汚染土壌処理等に伴う追加経費が発生したため、事業費が変動し、これにより契約金額の変更が必要となったため、増額補正及び継続費の年割額の変更を行うものです。汚染土壌処分や既存図面との不一致による工期延伸が発生したことは、極めて重大な問題です。当局が、要因を分析し、今後の教訓として「リスクを織り込んだ積算」や「調査の追加」を分析・共有する方針を示したことは評価するものです。
工期延伸により準備期間は1か月短縮されましたが、当初設けていたバッファにより、令和8年秋の開院目標は堅持される計画です。再度の遅延に対しては、契約に基づき遅延損害金を請求できる仕組みが確認されています。当局はこれまでの反省を活かし、これ以上の遅延は絶対に許されないという強い責任感を持ち、万全の体制での進捗管理を徹底すること、最後まで安全かつ確実な開院準備を遂行し、地域に質の高い医療サービスを予定通りに提供するよう、強く求めておきます。
次に、議案第155号千葉市職員の給与に関する条例等の一部改正についてです。千葉市人事委員会の勧告に基づき、一般職の職員の給料及び期末・勤勉手当等を引き上げるとともに、一般職の職員の改正を踏まえ、特別職の職員の期末手当並びに会計年度任用職員の給料及び期末・勤勉手当を引き上げるなどの改正を行うものです。
一般職の給料及び期末・勤勉手当を民間並みに引き上げるとともに、初任給や中堅層までの職員の改定率に重点をおいて引き上げを図ることは、若い人が千葉市で働き続けたいという意欲につながると考えられることから一般職の給料等の引き上げには賛成です。しかしながら、多くの市民が実質賃金は下がり、年金も十分でない中で、物価高騰で苦しい生活を強いられている現状の社会環境においては、特別職のボーナス引上げは慎重に判断すべきと考えます。国の物価高騰対策も遅れに遅れており、未だ市民に十分な対策が届けられていないなかで、市長は79,020円増の年額734万8860円ものボーナスが支給されることについて、市民感情として理解が得られるものではないと考えます。
また、会計年度任用職員の給与改定の時期について、一般職は令和7年4月にさかのぼって支給されますが、会計年度任用職員は令和8年4月からで1年遅れとなります。4月にさかのぼって支給していない政令市は千葉市を含め、わずか3市のみであります。県内の近隣市を見ても4月にさかのぼって支給しないところはありません。従前から翌年度改定をしていることや職員の生計への影響などの理由を挙げていますが、差別なく処遇改善に取組まない理由として納得できるものではありません。一日も早く会計年度任用職員も4月にさかのぼって改定分を支給するよう強く求めるものであります。以上のことから、特別職の期末手当引き上げ及び、会計年度任用職員の差額支給時期については賛成しかねるものであります。
続いて、議案第156号千葉地域農林業センター設置管理条例の一部改正と議案第157号千葉市農業者健康増進施設設置管理条例の一部改正についてです。千葉地域農林業センターと千葉市農業者健康増進施設の多目的ホールの使用料金を現行使用料金の1.3倍とする値上げ議案です。
令和6年度の利用者数ですが、千葉地域農林業センターは4,675人、農業者健康増進施設は2,668人と一定の利用がある施設であります。今回の値上げにおける影響額は地域農林業センターでわずか1万3千円、農業健康増進施設多目的ホールでも6万9千円程度であり、値上げしなくても運営に支障をきたすものではありません。2025年農林業センサスによると、基幹的農業従事者は5年前の調査より25%も減ったことが明らかになるなか、本市の農家減少も歯止めがかかっておりません。こうした厳しい状況にあり、厳しい物価高騰が続くもとで農業従事者をよりエンパワーメントしていかなければならない局面において、受益者負担の名のもとに、不要な値上げはやめるべきであります。むしろ、会議室に至っては、農業従事者の負担を少しでも軽減するために無料化すべきと考えるため、本議案には反対するものです。
なお、農業者健康増進施設多目的ホールにおける利用実態は農業従事者以外の利用者が9割以上であり、バレーボールなどが主であるとのことです。農業従事者以外の利用者が多数となり、当初の整備目的に合致していない状況であるため、今後の運営において、広く地域住民がスポーツ等で利用できるよう、利用料金を引き下げるなど、運営の在り方を地元住民からの声に戻づき、再検討するよう求めるものです。
議案第161号 千葉市教育職員の給与等の特別措置に関する条例等の一部改正についてです。今回の改正は、教育職員の給料月額の4%を一律支給する「教職調整額」を1%ずつ引き上げ、6年後の令和13年度に10%にまで引き上げるものです。
教員の平均時間外在校時間数は、平成30年度の54時間と比較して、令和6年度は37時間と短くはなっているものの、仮に全額残業代として支払った場合の金額は総額で年間約61億円です。10%まで引きあがっても年間18億円とのことで現在支給されている12億円をあわせても30億円であり、あまりにも乖離していると言わざるを得ない状況です。教育委員会も、今後時間外在校時間を減らして行ったとしても「なお一定程度の乖離がある」と認めています。
また、義務教育等教員特別手当については、給料月額の平均1.5%から平均1.0%で一人当たり1,000円を引き下げ、さらに特別支援学級の教員は学級担任に加算される月額3,000円の対象外とされるため、特別手当が実質引き下げとなります。特別支援学級の職務については、そもそも複雑性、困難性、責任の程度などを考慮して「給料の調整額」が支給されており、特別手当の改定によってさらなる教職員のなり手不足や教員のモチベーションの低下につながらないか危惧されます。
議案には反対するものではありませんが、学校現場における教員の負担軽減、現状の仕事量に合わせた給与の改定が必要であると厳しく指摘しておきます。
次に、議案第164号・千葉市都市公園条例の一部改正についてです。本議案は、業として公園を使用する場合などの都市公園使用料について、近年の物価高騰などを踏まえ料金を改定することと、公園の様々な利活用に伴い、近年増加しているキッチンカー営業等についても新たに区分を設け、占用料を改定するというものであります。
キッチンカーの事業者は、地域団体や民間事業者であっても、売り上げを目的とせず、イベント等を賑やかにすることやご厚意でキッチンカーを設置していだたいているケースもあると考えます。現在、花見川リバーサイドフェスや通町公園利活用で千葉市が主体となって社会実験が行われています。この社会実験から本格実施となると、占用料が生じ、実施主体の運営に影響が出ることになります。物価高騰で生業が厳しい昨今、営利目的とせず、にぎわいづくりのために協力していただいているキッチンカー事業者へ負担増となることは控えるべきと考えます。そのため、新たな占用区分を設けるべきではないことから、本議案には賛成しかねるものであります。
次に、議案第165号・千葉市水道給水条例の一部改正についてです。2026年4月から千葉県営水道が料金を改定することに伴い、市営水道が県営水道から購入している水の購入価格も値上げされることとなり、収支の赤字や資金不足の拡大が見込まれることを理由に、県営水道と同一の水道料金に改定するために条例の一部を改正するというものです。
モデルケース3人世帯で20㎥使用した場合に、新料金との差額では月620円の値上げとなり、全体の影響額は1億7,300万円となります。市民にとっては、他の公共料金の値上げも来年度から実施され、下水道と水道使用料がダブル値上げとなれば、市民生活に大きな影響を与えます。一般会計からの繰り入れにより、値上げ中止を求めましたが、「水道事業は地方公営企業法にもとづき独立採算制であること」を理由に値上げを中止しないとの答弁でありました。千葉県営水道は値上げに踏み切りますが、18.6%の値上げ率にするために、一般会計からの繰り入れを行ないます。市民生活のことを考えるのであれば、1億7,300万円を手当てして負担増とならないようにすべきであります。
なお、災害その他非常の場合における給水装置工事施行事業者の見直しについては、能登半島地震において、地元の宅内配管業者の確保が困難な状況となり、個人が管理する宅内配水管の復旧が遅れて家庭で水を使用できない状況が長期化したことを踏まえて、他の水道事業者が指定した事業者による給水装置工事の施行が可能となる改正については必要です。
委員会審議において、水道運営協議会の答申に盛りこまれた附帯意見の物価高騰対策が議論されたところであり、市民への負担を少しでも軽減していく取組みを求めるものです。物価高騰対策においては、かつてコロナコロナ禍において、下水道使用料を使用期間4か月で最大3256円減免を実施しました。その決算額は約14億4400万円にも及んでいます。しかしながら、手続きの簡易性等、経費の面でメリットがある一方で、市民からは減免への満足度は思いのほか高くなく、むしろ減免されていたこと事態を知らない市民も一定存在しておりました。現在の物価高騰においては、お米はじめとした食品の値上げによる影響が大きいことを鑑みると、やはりお米や食料品への負担軽減に資する現金やクーポン券など、市民に直接届く施策を速やかに展開するよう強く求めるものです。
続いて、議案第168号・指定管理者の指定について、千葉市中央いきいきプラザほか14施設についてです。次期指定管理者として、社会福祉法人千葉市社会福祉協議会を指定することについては賛成いたします。
指定管理者が理学療法士を常勤で配置し、健康増進や介護予防に取り組んでいることは大変重要です。この専門的な指導の介護予防への貢献度を定量的に評価するため、当局は「介護予防事業評価事業」を活用し、医療費や介護給付費などを分析の対象に加えることを検討しています。この取り組みは一歩前進ですが、介護給付費の抑制効果を含めた具体的な評価指標を早急に確立し、介護予防プログラムの有効性を検証すべきです。また、職員の健康ゲーム指導士の資格取得が、仲間づくりなどの効果を生み、安全利用に貢献していることは認められるものの、身体的・認知的機能向上への貢献度を測る方策についても検討するよう求めるものです。
また、土気市民センターと公民館の建替えに伴い、土気いきいきセンターが約3年間、休止または仮移転が検討されていることは重大な問題です。とりわけ、センターが休止となると、数年間にわたり重要な福祉サービスが途切れることを意味し、現地視察では利用者から「継続してほしい」「歩いて行ける位置に必要」との強い要望をお聞きしたところであります。また、職員からも「利用者の方々に甚大な悪影響を与える」との懸念が示されており、バスや車の乗り継ぎが必要な場所への移転は、利用者が施設から遠ざかる、利用継続を断念せざるを得ない事態を生み、介護予防、健康増進の取り組みを後退させることになりかねません。
なお、代替措置として出張講座の継続が示されましたが、これは不十分と言わざるを得ません。そもそも既存のいきいきプラザ・センターがない地域では、出張講座自体の周知が極めて不十分で、利用がほぼ行われておらず、サービス提供における地域間格差は広がり続けていることは深刻な課題であります。こうした課題を踏まえ、市は土気市民センター改築に伴い、土気いきいきセンターを休止するのではなく、土気あすみが丘プラザや土気小学校など、地域住民の生活圏内での代替施設を活用することを強く求めるものです。併せて、センター空白地域を含めた全市民が等しく介護予防サービスを受けられるよう、センター空白地域への出前講座のより積極的な展開と周知啓発の強化を要望するものであります。
次に、議案第172号から182号、指定管理者の指定コミュニティセンター、及び土気あすみが丘プラザについてです。コミュニティセンターの運営は指定管理者制度にて運営されており、今回も事業者が複数変わる施設があります。運営事業者が変更されるもとでも、希望される職員がそのまま働けるよう継続雇用が適切に図られるよう、事業者へ働きかけるよう求めます。同時に、来年度からは使用料金が値上げされるため、値上げが適切に職員の処遇改善にもつながるよう、監査を行うよう要望するものです。
なお、コミュニティセンター運営においては、要望してきた会議室や諸室へのWifi整備が盛り込まれたことは評価するものです。一方で、体育館利用者からは、夏場の酷暑が続くもとで、エアコン設置への要望が複数寄せられています。8日夜には、青森県東方沖を震源とする地震があり、多くの市民が避難した映像がテレビ等で放映されています。災害時の避難場所として、適切に運用できるよう、コミュニティセンターの体育館へのエアコン設置に向けた計画を早期に策定するよう強く求めるものです。
最後に、請願第3号 千葉市の教育に関する請願についてです。請願内容は、物価高騰など大変な経済状況の下で、小中学校の給食費無償化や修学旅行費用や教材費への補助など教育費の保護者負担の軽減を求めるもの、また、複雑化する家庭環境を抱える子どもたちに丁寧な教育を行えるよう教職員の増員の増員を求めるもの、及び講師の給与を1級から2級へと求め教育現場の人手不足の解消を求める内容であります。
子どもたちの健やかな成長を願って、また、現在の学校運営や先生方が直面している教室での厳しい状況を踏まえて提出された請願が、委員会審議においては不採択になったことは大変遺憾であります。
給食費無償化においては、ようやく次年度から小学校における無償化が進む見通しではあるものの、自治体での費用負担が求められる検討もされていることから、全額国費にて負担するよう強く要望すべきであります。
また、修学旅行費や教材費の無償化については、東京都中野区は来年度から、区立小中学校29校の全ての児童・生徒を対象に、教材費や修学旅行費などを無償化するとのことであり、一部自治体で無償化の流れが広がっています。今後、給食費にかかる負担が軽減されるとなった場合は、そうした財源も活用し、修学旅行費や教材費の無償化に取組み子育て世帯に選ばれる千葉市となるよう求めるものです。
最後に、講師における給与見直し要望についてですが、千葉県が教諭と同じく1級から2級に改善し、2級格付けを実現している都道府県に含まれる政令市で1級格付けなのは、千葉市だけという深刻な状況です。本市の臨時的任用講師数は12月時点で451人であり、等級見直し処遇改善における財政負担額は約3億円程度であります。精神疾患による病休、産育休含めて、担任の代替教員の未配置状況は本年12月時点18人も不足をしています。教員未配置解消に向けた講師募集にあたって、処遇格差で他市を選択することが増加することも想定され、その結果、現場の教員に更なる負担をかけることはあってはなりません。講師においても担任をもって、教諭と変わらず、日々の業務を行っていることも多いことから差別することなく、処遇を改善すべきであります。ただでさえ教員不足が深刻化するもとで、本市の未来を担う子ども達が教員不足の影響で満足な教育を受けられないことは大きな損失であるため、早急な処遇改善を図るためにも、本請願を採択するよう改めて強く求めまして、会派を代表しての討論とします。







