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日本共産党東京都議会議員団

金属スクラップヤードの崩落や火災などの危険から市民生活・環境を守るため―野本信正議員が千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例の制定の提案理由を説明〔2019年第3回定例会〕

発議第11号 千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例の制定について、提案理由の説明を行います。
今回の条例提案は、千葉市内に多数設置されている、金属スクラップヤードなど再生資源物の屋外保管における崩落・騒音・振動・火災・その他の事故等を防止し、市民生活の安全確保及び生活環境の保全のために、条例を制定しようとするものです。

 

千葉市内の金属スクラップヤードなど再生資源物の屋外保管所は、現在75ヶ所設置され、新たにもう1ヶ所工事が進められています。
今日までに屋外保管所から発生した事故や環境問題は、緑区中西町で周辺住民に騒音・振動被害が及び、本会議で同僚議員が数回にわたり質問し当局に対策を求めました。
また、屋外保管所から発生した火災はすでに5ヶ所に及んでいて、平成30年7月の若葉区更科町の屋外保管所の火災は3日間も燃え続ける大火災となりました。
さらに8日前の8月29日、県立泉高校から約400メートルの高根町の屋外保管所の火災は、消防車18台の出動と消防団の協力、夜遅くまで交通遮断など、大変な事態になりました。
屋外保管所の火災の原因は5ヶ所とも金属スクラップに家電製品などが混じり、自然発火したと言われていて、75ヶ所の屋外保管所のどこでも発生する可能性があり、屋外保管所の近隣の住宅は、火災に巻き込まれる危険にさらされています。

この他、屋外保管所は、山のように積み上げた金属スクラップの崩落の危険や、騒音・振動の被害、保管物に付着した危険物などで汚染される心配、ネズミが生息し蚊やハエなど害虫発生のおそれがある等、深刻な問題が存在し、事故等の防止、市民生活の安全確保及び生活環境の保全に緊急な対策が必要であります。

 

金属スクラップヤードなど再生資源物の屋外保管所について、千葉市環境局は、取り扱うスクラップが再生資源物、いわゆる「有価物」であるため「廃棄物」を規制する現行法制では対応できないと答えています。
すなわち、現在設置されている75ヶ所の事業者は行政のチェックや規制を受けない状態で、市街化調整区域の林を伐採し「資材置き場」と称して屋外保管所を設置し、多数の事業者は、調整区域では禁止されている屋根付きの建物や、鉄筋の枠組みをした頑丈なテントを張るなどしています。公道も大型トレーラーが頻繁に出入りして傷みも進んでいます。また、事業者は近隣自治会や住民に何の説明もしないままです。

 

金属スクラップ等を再生資源物としてリサイクルすることは社会の要請でありますが、屋外保管所が行政のチェックや規制を受けないまま、いわゆる野放しで事業をしていることに対して、条例を制定することで、事業者は、市に届出を行い、提案した条例第3条(屋外保管事業者等の責務)の事故等の防止、適正な保管、市民生活の安全確保及び環境の保全に努めるものであります。
市は、市民生活の安全、生活環境の保全に支障が生じないように再生資源物の屋外保管の適正な保管に関する施策を推進するものであります。
市長は、事業者に必要な報告を求め、必要な限度において「立入検査」、「指導及び勧告」、「改善命令」などを行うことができるものであります。

提案した条例の附則第2項の「経過措置」は、条例施行前の再生資源物の保管をしている「従前の事業者」にも条例を適用するものであります。すなわち、千葉市で現在、再生資源物の保管をしている75の事業者は、条例の適用を受けて、届出を行い、事業者の責務を果たし、市の指導に従うことになります。
条例施行後に「従前の事業者」にも適用することは、事業者から反発される場合もありますが、先進自治体の神奈川県綾瀬市では、職員の訪問に事業者が了解し、届出が始まっていると聞いています。

 

千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例の制定は、市民全体の共通の利益であり緊急の課題であり、千葉市議会が協力して可決されることを強く望みます。
75の屋外保管所及び681世帯もの住宅地から20メートルに設置されようとしている屋外保管所からの事故や火災の防止に考慮して、条例の制定に賛成されることを望み、提案理由の説明を終わります。

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