高齢者補聴器購入費助成条例を提案! かばさわ洋平議員提案理由説明【2021年第2回定例会】
千葉市高齢者補聴器購入費助成条例の制定について提案理由説明
かばさわ議員 2021/6/8
■提案理由説明 全文
発議第2号 千葉市高齢者補聴器購入費助成条例の制定について提案理由説明を行います。
今回の条例提案は、聴力の低下により日常生活を営むのに支障がある高齢者に対し、補聴器の購入費を助成することにより、外出及び地域交流を支援し、閉じこもりを防止するなど、高齢者の福祉増進を図るためのものです。
日本老年医学会によると、加齢によって起こる加齢性難聴は、一般的に50歳頃から始まり、65歳を超えると急に増加するといわれています。その 頻度は、60歳代後半では3に1人、75歳以上になると7割以上が発症するとの報告もあり、誰もがその可能性を有している課題です。2015年に厚生労働省が策定した認知症対策の新オレンジプランでは、難聴が認知症の危険因子の一つとして挙げられています。
また、2017年のアルツハイマー病協会国際会議では「認知症の約35%は 予防可能な9つの要因により 起こると考えられる。その中では難聴が最大のリスクである。」と発表され、難聴により脳に入ってくる情報が少なくなることが脳の機能低下につながり、うつ病や認知症につながるとも指摘されています。
しかしながら、難聴者が使用する補聴器の価格は、片耳で概ね3万円から20万円、両耳となると倍以上と高額であるにもかかわらず、医療保険が適用されません。補聴器があまりにも高額で、購入できない高齢者が増加しています。市内の高齢者からは、「補聴器は高すぎて購入をためらう」、「耳が遠くなってから人と会う機会が減った」と相談の声が複数寄せられています。
そうした中、補聴器購入を助成する自治体は、東京都では墨田区や葛飾区など、千葉県内では、船橋市や浦安市が支援を行い、本年度から兵庫県の明石市も助成制度を始め、支援は広がり続けています。
千葉市では、身体障害者手帳を持つ方には補聴器購入への支援があります。また、身体障害者手帳の交付対象とならない、両耳で30~70db未満の 聴力レベルの難聴児には、購入費の3分の2を補助する助成制度があり、多くの方が利用し市民福祉向上につながっています。しかし、加齢により多くの 高齢者が発症する、いわゆる軽度・中度の加齢性難聴といわれる方への支援がありません。
軽度・中度の加齢性難聴者への補聴器購入支援は、多くの高齢者が聞こえ づらさから少しでも解放され、健康で自分らしく生きるために、必要不可欠な施策と考えます。高齢者がいくつになっても生涯安心して暮らせる千葉市を共につくろうではありませんか。