日本共産党提出の「予算組み替え動議」を
他会派が否決

ゆうき房江議員の提案説明(大要)

(2001.3.16)
 日本共産党を代表して、2001年度、千葉市一般会計予算等の組み替えを求める動議について、提案理由、基本方針及びその理由について説明する。
 組み替えを求める理由だが、森首相は、日本経済の完全な復活体制が整いつつあるとしているが、日本の株価は急落を続け平均株価は1万2千円を割り込み、日本経済の深刻な低迷を浮き彫りにした。老人医療費1割負担、高齢者の介護保険料全額徴収に加えて、宮沢財務相の消費税率引き上げ発言は、個人消費をさらに冷え込ませている。完全失業率は4.8%、失業者は320万人で、3年間で一気に85万人も増加する事態が進行している。

 このようなもとで、市民の暮らし福祉を充実させるために全力をあげることが地方自治体の基本的な使命である。同時に、本市財政の健全化を図るためにも、予算の重点を大型プロジェクト優先から市民生活優先に転換することが必要だ。

 こころの健康センターの設置、児童虐待防止推進、ジーゼル車排ガス対策、里山の保全対策、少人数学習指導教員配置、快適トイレ改修などは市民要望の高いもので一定の前進だが、「3つの都心づくり」を中心とした、開発優先の「新5か年計画」初年度の予算は、市民の暮らしと福祉を軽視したものといわなければならない。

 市長が、いくら「市民の福祉向上や地域経済活性化に資する予算」と言っても、新年度予算では政令市中の1人当たりの民生費は最下位クラスだ。

 地域経済活性化についても、不況で苦しむ地元中小業者に対する物品購入・委託・工事を増やすべきだ。介護保険は、利用料が大変で利用を遠慮するケースが多く、全国的にも利用料の減免行なう自治体が増えているのに千葉市は実施していない。特別養護老人ホームの待機者は400人もいるのに新年度に開設されるのは100人分だけ。子育て支援も保育所増設の遅れは、入所希望者には見合わず早急な建設が望まれている。中小零細企業の活性化対策も不十分だ。教育環境整備では、耐震補強にあと9年もかかる。

 そこで、市民の暮らし・福祉優先の予算にするため「組み替え」の基本方針及び内容で、予算を再提出するよう要求する。組み替えの基本方針の1つは、民生費を増やし、少子高齢化対策を強め、安心して暮らせる予算にすること。2つは、老朽校舎の耐震補強を急いで行ない、どの子にもわかる教育をすすめること。3つは、生活福祉型予算に転換して、地域経済活性化を図る。4つは、自主財源の確保と市財政の健全化をはかることだ。

 「組み替え」の内容は、不要・不急の大型プロジェクトを凍結・見直すなどで、民生費を増額し中小零細企業等市民の願いを実現する。県事業負担金の中止、中央第6地区公共公益施設整備計画策定中止、産業振興財団への出損金と運営費の凍結、議員の海外視察の中止、市庁舎整備基金の廃止、資本金50億円超の法人市民税均等割制限税率の適用など行ない、あわせて不要・不急の大型プロジェクトや全体の事務事業の見直しで、約100億円の財源を確保し、列記したように介護保険料・利用料の減免の実施、乳幼児医療費無料化を4歳までの拡大と窓口無料化、保育所やこどもルームの増設、待機者解消のため特別養護老人ホームの増設、中小零細企業の実態調査や商店街への補助増額、小学校での35人学級の実施、学校の耐震・大規模改修の促進、公共料金値上げ中止、国民健康保険料の引き上げ中止、 中小企業への官公需発注を増額し市内業者の仕事を確保して地域経済の活性化をはかる。また、新港横戸町線や千葉駅西口再開発事業・中央港地区区画整理事業の凍結で、約21億円の市債発行を抑制し、迫り来る償還ピーク時の負担軽減をはかる。以上が「組み替え」を求める理由と基本方針及び提案内容の説明だ。議員各位の賛同をお願いする。

【日本共産党が提出した予算組み替え動議】

平成13年3月16日
(あて先) 千葉市議会議長
  提出者 千葉市議会議員 結城 房江
  中村 公江
  小関 寿幸
  木田 文代
  柳田  清
  福永  洋
  野本 信正

 「議案第9号平成13年度千葉市一般会計予算」等の組み替えを求める動議
 上記の動議を,千葉市議会会議規則第15条の規定により提出します。

「議案第9号 平成13年度千葉市一般会計予算」,「議案第12号 平成13年度千葉市国民健康保険事業特別会計予算」,「議案第14号 平成13年度千葉市介護保険事業特別会計予算」,「議案第21号 平成13年度千葉市市街地再開発事業特別会計予算」について,市長は下記により速やかに組み替えを行ない,再提出することを要求する。


1 組み替えを求める理由

 日本共産党は,長引く不況の下で苦しむ市民の暮らし福祉を充実させ,本市財政の健全化を図るため,かねてから予算を大型プロジェクト優先から市民生活優先に転換することを求め,代表質疑等でも主張してきた。

 しかしながら,平成13年度予算は「3つの都心づくりを中心とした開発優先の『新5か年計画』の初年度の予算で,市民の暮らしと福祉を軽視したもの」と言わざるを得ない。よって次の組み替えの基本方針及び内容により,予算の再提出を要求する。

2 組み替えの基本方針

(1)民生費をふやし福祉優先の予算への転換
 介護関連事業の整備,子育て支援施策の充実,障害者施設の建設,乳児院の建設など民生費をふやし,少子高齢化対策を強め安心して暮らせる予算に転換すべきである。

(2)商店街対策,中小零細企業対策,住宅対策等事業予算優先への転換,商店街や中小零細企業の活性化に役立つ事業の拡充,市営住宅の整備などの福祉型事業優先の予算に転換すべきである。

(3)児童・生徒の安全,教育環境整備,わかる教育にするため教育予算の増額
  老朽校舎改修・耐震補強などを急ぎ、たのしい学校,わかる教育のため少人数学級の実施など教育予算を増額するべきである。

(4)生活福祉型予算に転換し,市民の願いにこたえながら地域経済を活性化させ,自主財源の確保と市財政の健全化を図るべきである。

3 組み替えの内容

 (1) 不要・不急の大型プロジェクトを凍結・見直して,民生費を3%増額し,中小零細企業対策等市民の願いを実現する。(約100億円)
   県事業負担金の中止により19億3200万円,中央第6地区公共公益施設等整備計画策定中止4000万円,市町村合併に関する調査の中止で500万円,産業振興財団の出捐金と運営費の3億8600万円の凍結,千葉市臨海部地域再編整備推進4803万円,エコロジ−パ−ク構想5150万円など中止。議員の海外視察費1280万円を中止。市庁舎整備基金35億3100万円の廃止。更に,資本金50億円超の法人市民税均等割制限税率の適用により約1億3000万円確保し,以下の事業を拡充・推進する。
(ア) 介護保険の保険料・利用料の減免
(イ) 乳幼児医療費無料化4才未満まで拡大と窓口無料化
(ウ) 保育所増設,無認可保育所への補助
(エ) 子どもル-ムの増設(増設と人件費補助)
(オ) 特別養護老人ホ-ムの増設
(カ) 乳児院の建設計画策定
(キ) 公共料金の値上げ中止
(ク) 国民健康保険料値上げ中止
(ケ) 中小零細企業への実態調査(人をふやして調査箇所をふやす)
(コ) 商店街への補助の増額
(サ) 小口融資を借りやすくする
(シ) 少人数学級せめて小学校で35人学級に
(ス) 学校の耐震・大規模改修の速度をあげる,快適トイレをふやす
(セ) 中学校図書館にも指導員の配置を
(ソ) 障害児施設と働く場の確保
(タ) 中小企業への官公需発注をふやすなど市内業者の仕事の確保を図る
(チ) 市営住宅の改修・修繕を急ぐ

(2)不要不急の大型プロジェクト凍結により市債発行を抑制する。
  ア 新港横戸町線
  イ 千葉駅西口再開発事業
  ウ 中央港地区区画整理事業

以 上