小関としゆき議員の総括質問

(大要)  (2001.3.13)

1、千葉市農業の育成

 日本農業の基本的な方向を示す「新農業基本法」が99年7月に国会で、わが党を除く賛成で成立した。この「新基本法」の最大の問題は、わが国の農業を輸入自由化などの国の政策によって、国内生産を衰退させ、食料自給率40%を切るまでに低下させ、穀物の自給率にいたっては25%にも低下させた反省も、その責任もあいまいにしていることだ。わが国の食料自給率を下げるにまかせている政府は、国を亡きものにする政治と言わなければならない。

 また、野菜も安価な野菜が大量に輸入され、日本野菜の価格を暴落させて、いっそう農家を危機に陥れている。

 千葉市の農家の実態を見ると、年々農地面積、生産量、農業従事者等が減少しつづけ、過去10年間の統計でも深刻な事態になっている。昨年3月に策定した基本構想では、10年後を目標とする経営、生産対策ビジョンは、目標年度をH20年度におき、21世紀に向け本市の立地条件を生かしながら、経済・社会情勢に対応し得る生産機能のバランスある発展をめざし、効率的かつ安定的な農業経営の目標を定めて、「産業として自立できる農業の確立」を推進するため、各種施策を展開するとしている。

 先日、市内の農家を訪ねた。路地野菜中心の農家だったが、外国の輸入農産物によって価格は下落し、「このままでは農業をやる人はいなくなる」と言っていた。また、別の農家は「作業場の建替えや機械購入の支払いに追われ、農業だけでは年間200万円ほどの赤字になる」「農業をやめたくても職がなくてやめられない」「農業以外の仕事をして生活を支えている」と言っていた。

千葉市農業の現状について

 千葉市のH6年〜H10年の5年間で、耕地面積・作付け面積・農家戸数・農業従事者・生産量とも減少し、極めて深刻な事態だ。どう打開するのか。

食料自給率について

 国の基本計画では、40%を切っている食料自給率を2010年までに45%にするとしている。市も昨年の3月に農業経営基盤強化促進に関する基本的構想を発表した。国の基本法にもとづき自給率を5%向上させるために、市はどんな施策を行なうのか。

輸入農産物について

 党市議団は、今議会にセーフガードの発動を求める意見書を提出している。市長も市の農業を守るため、国に対してセーフガードの発動を求めるべきだ。今日の農産物価格の暴落は、外国農産物の大量輸入から起こっているのは明らかだ。千葉市中央卸売市場で取り扱う市の輸入農産物はどれくらいか。

農産物の価格保障について

 先日訪ねた路地野菜農家は「ねぎは10キロ1000円で、2000円ぐらいにならないと採算が取れない」「ゴボウも経費を引くと利益にならない」と言っていた。地場産野菜を安心して生産できるよう、野菜価格安定制度の充実・改善が必要だ。保障基準が生産費を償え、農業を維持・発展できる価格にし、対象品目の拡大が必要だ。

安全で新鮮な農産物の供給について

 いま政府は、食品安全基準を大幅に緩和しようとしている。今でさえ、農産物輸入自由化で大量に輸入されている農産物に、残留農薬が検出されたとの報告がある。安全基準が緩和されたら輸入野菜の安全性はどうなるのか。残留農薬を千葉市の市場などで一部検査されているが、抜本的な改善が必要ではないか。

農業後継者対策について

 農業従事者の高齢化で、農業後継者が不足している。若い人達が農業に魅力をもって就業できるよう後継者対策は急務だ。市は「新規就農者研修を行なう」と言うが、それだけでは事態は打開できない。鹿児島県・大浦町では、町外や他の産業からの新規就農者に、2年目まで年間120万円の就農奨励金が支給されている。千葉市も、新規就農者支援や「青年農業者支援制度」を創設し、生活が保障される支援策を行なうべきだ。

学校給食について

 学校給食への地元の米、野菜の供給は各地で広がっている。千葉市は、地元産米・野菜は学校給食の何パーセントか。「新鮮さ」からいっても地元の米・野菜を最大限、学校給食に供給すべきだ。市はどんな対策を行なうのか。

2、千葉市モノレールの充実

 都市モノレールは、総営業キロ15.2kmで、さらに県庁前から青葉の森までの延伸計画を決定している。しかし、「運賃が高い」「千葉駅での乗換えが不便」「エスカレータ−・エレベーターのない駅があり、高齢者や障害者にとって利用しづらい」などの苦情がある。

 先日、新聞に「千葉県は、新区間開通(千葉駅〜県庁前駅)で、1日の乗車人員は6000人増えると見込んでいたが、1日平均乗車人員は2000人前後で、先行きに大きな課題を抱えるモノレールになっている」と報道された。

 党市議団は、市民からモノレールについてアンケート調査を行なった。利用しやすいモノレールとなるよう改善を求める。

今後の延伸計画と今後の経営見通しについて

 千葉県は、客足が伸びず154億円もの赤字になっているもとで、星久喜までの工事が終了したらモノレール事業から手を引くような話があるが事実か。もし、千葉市に移管された場合、今後のモノレール事業計画は、どうなるのか。

市民の足として便利なモノレールにするために

 アンケートでも示されているように、運賃が安く、安全で便利な乗り物で、障害者・高齢者にやさしいバリアフリー化がすすめば、利用者はもっと増えるのではないか。
 アンケートでは81%が「運賃が高い」と答えいる。他の公共交通と比較しても高い運賃を思い切って値下げして、利用者を増やすべきだ。

駅のバリアフリー化について

 バリアフリー化は、高齢者や障害者などの利用者にとっては切実な要望だ。国土交通省もこれからの新駅には、エスカレーター・エレベーター設置を義務付け。未設置の駅へ早急に設置すべきだが、今後の計画はどうなっているのか。

モノレール支柱の改善について

 今までの路線の支柱は門形とT字形だが、T字形は道路の中心部に建てられ、特に交差点近くでは見通しが悪く、交通事故も多発している。その対策と改善を求めてきたが、どうなっているのか。また、県庁前駅以遠の建設では交通安全対策も考慮に入れているのか。

災害時の対策について

 先日の大雪で、軌道ケタから落ちた雪の塊で車両が損傷を受けたほか、自動車にも落雪があいついだ。過去にも雪による被害があり、改善してきたはずだが、なぜ同じような事故が起きたのか。また、火災が発生した際の対策はどうなっているのか。

3、市営住宅の改善

 今年1月に改定した千葉市住宅マスタープランで、「すべての方々が健康で生きがいをもち、たのしく暮らすことができるよう『安心して住み続けられる住まいづくり』の実現に積極的に努める」と言っている。長引く不況のもとで、中小企業の倒産、リストラ等により、新築したばかりの住宅を手放す事態も生まれている。また、アパートの家賃が高く、このままでは住み続けられない。市営住宅を修繕してほしい。などの相談があいついでいる。千葉市には、6950戸の市営住宅があるが、築40年以上が329戸、30年以上が2649戸あり、床がぶよぶよで落ちそう、窓枠が木枠で隙間がひどい、風呂がない、トイレが汲み取り式になっているなど老朽化がひどく、空き家が多数ある。

 他の政令市と比べても、住宅全体の市営住宅の割合は約2%で最も少ない。これでは入居したくても入居できないのはあたりまえだ。早急に新築、建て替え、改修善を行ない、市民の入居要望に応えるべきだ。

今後の空き家対策と建て替えおよび新築の計画について

 すぐにでも入居できる一般空き家が385戸ある。市民の要望に応えて早急に入居できる方策をとるべきだ。また「新5か年計画」では、新築100戸、建て替えによる増加戸数89戸、改繕181戸とされているが、これでは少なすぎる。もっと整備戸数を増やすべきだ。

 市営住宅入居者の高齢化が進んでいる。エレベーターを設置するなど、バリアフリー化を進めて住みよい市営住宅にするよう提案する。

 市営住宅で汲み取りのトイレが8団地・418戸もある。「建て替え計画があるから」と未整備のままになっているが、早急に整備すべきだ。

 先の大雪で、臭気筒が壊れた家庭では自費で修繕したところもある。大雪や風などによる被害については、管理者である市が責任を持って修理すべきだ。
空き家になっている敷地内では、草や木が生い茂り、荒れ放題の状況が見られる。定期的に管理者が整備すべきだ。

 特定優良賃貸住宅の空家の穴埋めに、新年度では9億5600万円が住宅供給公社に貸し出されている。例えば、空家の多い特優賃の住宅を計画的に借り上げて、市営住宅として提供するなどの検討をすべきではないか。

4、交通安全対策

 稲毛区・天台と園生町にまたがる京葉道路穴川インタ−、国道16号の合流部の交通安全対策は、これまでも取り上げてきた問題の交差点だ。現在、交通量は97年調査で、1日約61000台、自転車約2500台、歩行者約800人で、この合流部の徒歩通行・自転車通行は極めて危険で、とても歩行者や自転車が通行できない交差点になっている。ここは、北警察署管轄の「危険度A」の最も危険な場所とされているところだ。96年〜98年の3年間の事故件数は105件、負傷者は149名も出ている。ここを通学する近くの高校は8校もある。安心して通行できるよう早急な改善を求める。