中村きみえ議員の総括質問

2001年10月1日
 日本共産党の中村公江です。総括質問に入る前に、一言お礼を述べさせていただきます。私事ですが、この5月の第3子の出産に際し、産前産後の休暇をとらせていただきました。またこの時期に、議員の欠席理由に出産などが追加した条例になったと伺いました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、通告に従い質問に入らせていただきます。

介護保険について

 最初の質問は、介護保険についてです。
 本日10月1日より、65歳以上の介護保険料の満額徴収が始まります。介護保険がはじまった昨年の4月から1年半たち、問題点も明らかになってきました。すべてのお年寄りが老後を安心してくらせるように願って、以下質問いたします。

 第1は、施設整備の問題です。
 介護保険に移行し、措置制度でなくなったため行政側の公的責任が希薄になっています。しかし、基盤整備については行政の責任であります。とくに介護老人福祉施設、特別養護老人ホームのことですが、7月1日現在1,088人の希望者がいます。1日も早く入所したいと自宅、病院や老人保健施設などにおいて待機しているわけです。先日も一人暮らしのお年寄りが施設に入所したくても出来ず、大変困っておりました。県営住宅の5階に住んでいた方が、骨折をし、施設に入れなかったのですが、1階に移してもらうことで急場をしのぐことができました。この方同様、自宅や病院で待機し、入所できずに困っている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。また、施設が入所者を選ぶようになったため、低所得者がなかなか入れない実態もあると聞いています。そこで伺います。
 一人暮らしで痴呆などがはじまり、火を扱うことが危険で、自宅で生活するのが困難な方は、これまでは措置制度で入所できていましたが、今、このような場合入所できるのでしょうか。
 特別養護老人ホームなどの施設や居宅介護支援事業者が「生活保護」を理由にサービスを拒否してはならないと思いますが、どうか伺います。
 介護療養型医療施設の整備目標は平成16年度までに1,177人です。特別養護老人ホームは16年度1,734人です。介護老人保健施設は16年度1,697人です。現在の1,088人の希望者を一日も早く入所できるよう施設整備を早急に行なうよう求めます。また、グループホームの要望が高くなっています。平成16年度までに12ヶ所の整備が目標として掲げられていますが、早急に整備すべきですがどうか、うかがいます。

 第2に、利用料の問題です。
 保険料は今回、第2段階の方が減免され、まだまだ不十分ではありますが、一歩前進したように思います。しかし、今議会でサービス利用が予想よりかなり少なかったため、給付費の5億4,000万円を返還しています。自治体独自でサービスを利用しやすくしない限り、国の悪政のもとで将来不安が高まり、今後の生活費を心配して、利用できない方がたくさんいらっしゃいます。
 それに対して、武蔵野市ではホームヘルプサービス、デイサービス、デイケアについて利用実績や所得に関係なくすべての利用者に対して3%に軽減したことでホームヘルプサービスなどが介護保険実施前の2倍ちかく伸び、給付限度額に対するサービス利用率も2000年6月の調査でも都平均が50,4%のところ63%で、要介護度4は74.8%介、護度5は76.5%と介護度が高くなるにつれて利用者も増えています。千葉市内でも、ヘルパーの利用料が3%に減額されている方はサービスの幅が広がり、安心して受けています。事例で紹介しますと、介護度1の夫と介護度5の妻の二人暮らしでは、毎日午前3時間・夕方2時間のヘルパー派遣と週2回の訪問看護、週1回の訪問入浴を利用し、保険の限度額いっぱい利用しています。1割負担の場合、52,410円のところを2万円の負担ですんでいます。年金や介護手当の収入十数万円の半分は家賃にきえるだけに「ありがたいことです」と新聞にも掲載されました。それでも訪問看護は1時間にしたいところを値段が高いために半分におさえているということでした。
 利用料の負担が少なければサービスの幅も広がり、不十分ながらもなんとか自宅でご夫婦だけで生活出来るのです。措置制度以降、新たに介護認定を受けた方は同じヘルパーの利用でも1割負担になってしまいました。いくつかの他の市町村では3%のサービスに減免してきています。
 ヘルパー以外に、その他の在宅介護支援サービスを軽減している自治体がありますが、千葉市でも実施すべきではないでしょうか。伺います。
 ヘルパー利用料が軽減されることで、サービスを有効に利用できます。やはり、新規で低所得の方には3%に利用料の軽減をすることが必要ではないでしょうか。その際、いくらでできるのか伺います。

 第3に、介護保険の制度上の問題についてうかがいます。
 まず、認定する際の調査項目についてです。
 介護保険の申請をし、認定を受けるには市から調査員が訪問し、85項目の調査に基づいて質問します。この調査項目が非常に不備があります。以前から指摘されていましたが、施設入所者を想定した設問項目になっているため、食事の項目は自分で「食べることができる」かどうかからはじまります。一人で食べられる人は介護度が低くなり、サービスの利用が限られ、一人暮らしが難しくなります。在宅なら食事の買い出し、調理などが伴うわけです。買い物で重たいものを自分でもてなければ一人暮らしもままなりません、一人で住みなれた家で暮らせるためにも調査項目を改善するよう国に求めますが、見解をうかがいます。
 つぎに、ヘルパーの仕事内容です。
 これまで一人暮らしの場合、部屋の炊事・掃除・洗濯、話し相手など必要な家事援助を行なうことができていました。ところが、厚生省の通達で家事援助の内容が制限され、季節の移り変わりによる衣替えや網戸の掃除や草むしりなどができません。今までヘルパーさんがお年寄りに寄り添い、援助していたものがなくなり、高齢者の方は大変困っております。
 高齢者が安心してくらせるように願って、ヘルパーの仕事の範囲を再検討することを求めます。
 つぎに、ヘルパーの待遇改善の問題です。
 ヘルパーの家事援助は需要も多く、援助内容も多岐にわたっています。個々人の嗜好や価値観を尊重しながらの食事作り、買物が求められています。しかし、身体介護と比べて報酬が約3分の一と格段に少なくなっています。ヘルパーの待遇改善も国に求めるべきですが見解を伺います。
 つぎに、感染症対策について伺います。
 認定審査会で医師の意見書からの情報は重要です。施設入所や入浴サービスなどは感染予防としてMRSAの検査をしておくことが必要ではないでしょうか見解を伺います。

 第4は、ヘルパーのセクハラ問題についてうかがいます。
 若い女性のヘルパーが増え、介護される男性は脳梗塞、交通事故などの後遺症で若年齢化した方も増えました。一人暮らしの男性宅に訪問をしたため、セクハラ行為があるようです。こういったケースは氷山の一角で相当潜在化すると思われます。事業者が派遣するスタッフを変更するだけでは限界があるのではないでしょうか。
 同性のヘルパーや複数派遣など国に求めつつ、市独自でも相談窓口を設け、対策を立てることを求めます。

 第5に、ケアマネージャーの問題です。
 介護サービスを提供するには、ケアプランを作成するケアマネージャーの能力、資質の向上が求められます。居宅介護支援事業者によっては、在宅で介護度が重い方にヘルパー派遣のサービスのみで、月に30万円のプランを作成しているところもあれば、利用料の支払いに応じてきめ細かなメニューが利用できるようにしているなど様々です。
 また、良心的にサービスを提供するには情報収集も必要です。ケアマネージャーは施設がどんなところか足を運び目で確かめてプランを立てても評価の対象とされず、個人の努力だけでは限界があります。
 あるケアマネージャーの方は「人の一生を預かる仕事。生きがいを感じる」と熱く語ってくれました。しかし、個人の努力にまかされ、ケアマネージャーだけで独立するには採算がとれず、他の仕事と兼務しながらでなければ経営上困難なのが実態です。
 千葉市では、介護事業者連絡会が行なわれていますが、施設での問題があった際の指導は行なっていても、ケアマネージャーを集めて今後の対策について相談する場がありません。
 船橋市では、市の介護支援専門協議会が市と共催で企画、運営がされ、施設見学、ケース検討、福祉用具の学習会やサービス事業者との連携の取り方の講演など多彩な内容で、ケアマネージャー同士の交流の場も設けられています。
 国にケアマネージャーの待遇改善を求めるべきですが見解を伺います。
 千葉市も船橋市のように市内のケアマネージャー同志が交流し、学習できる場を設けるなど援助を行なうべきです。

 第6に、高齢者の虐待についてうかがいます。
 家庭という密室で親子、夫婦間で虐待が起こっていても、虐待された側は相手をかばい、真実を話そうとしません。虐待した側も自分がしていることを認めて解決に向かうには信頼関係と時間を要します。千葉市で虐待が起こった際、市としてどういう援助、対応がされるのでしょうか。うかがいます。

 第7に、住宅改修についてうかがいます。
 住み慣れた家ですごすためには、住宅改修を早急に実施しなければ生活上不便をきたします。
 千葉市の高齢者住宅改修費支援サービスの利用実績と申し込みから決定までかなりの日数がかかると聞きましたが、平均1件あたり何日かかるのか、職員の体制は十分なのかうかがいます。
 お年寄りやその家族が、使い勝手も良く機能回復に役立てる住宅改造を専門的にアドバイスされているようですが、その実績とPR活動は充分なのか伺います。
 費用の問題です。介護保険の住宅改修費貸付制度があるようですが、利用者はどのくらいあるのか伺います。
 広報活動の充実が必要と思いますがいかがですか。また、受領委任払い制度を作ることが求められています。見解を伺います。

 第8は、休日・年末年始の体制についてうかがいます。
 まず、配食サービスです。本日より、全市的に実施をされますが、土日・年末年始はサービスが実施されないと聞いています。食事は毎日のことなので土日、年末年始も実施するべきではないでしょうか。社協のヘルパーの派遣についても、日曜・年末年始にサービスを行うことを求めます。

子育て支援について

 子育て支援について質問します。

 第1は、保育所の問題についてうかがいます
 旧労働省が2000年1月に、小学校就学前の子どもを持つ女性労働者に、仕事と育児を両立するために必要な施策の調査をしました。その結果、子どものための看護休暇、保育施設の時間の延長、休日保育、育児休業中の経済的支援の増額、保育施設の整備、拡大、事業所内託児施設の設置を求めています。政府は保育所の待機児対策として、2004年度までに5年間で15万人を目標にしていますが、今年度保育所施設整備は72億6,810万円で前年度から4億円も減額され、運営費も前年度の3%増やしただけです。待機児解消のために国は、定員・施設の設置要件の緩和をし、さらに年度後半の今月からは、認可定員の25%を越えての受け入れを認めるとされています。保育の質や安全面での確保がされるのか心配です。
 9月1日現在、千葉市は待機者が3歳未満児で227人、以上児が109人で合計336人となっています。よりよい保育・少子化対策になることを願い、以下質問いたします。
 待機者解消を実現するための施設づくりをもっと積極的に行うことを求めます。
 千葉市は保育士の配置は正規と非常勤でどうなっているのかうかがいます。
 用務員・調理員の男性職員の人数をうかがいます。
 調理の仕事は専任のスタッフで十分調理を実施できているのかうかがいます。
 調理場の問題ですが、調理場の食器洗浄器は家庭でも普及しています。保育所でも必要な器具です。現在、保育所・保育園で設置しているか所数と今後の計画をうかがいます。
 トイレの問題です。家庭では洋式トイレが普及してきていますが、保育所・保育園ではどの程度洋式化されているのか伺います。
 障害児保育についてです。現在、どのような障害のお子さんが何人入所しているのかうかがいます。また、その際、職員の体制はどのようになっているのでしょうか。正規職員と非常勤職員の内訳を伺います。

 第2は学童保育についてうかがいます。
 現在、こどもルームは市内全体で66か所あり、新5か年計画では20か所設置されます。昨年から公設公営化になり、利用者は急増しています。市は、こどもルームの確保のため努力されていますが、実際には用地の確保が難しく、学校内に設置できず、民間の土地にせざるを得ない状況がおこっております。この間、私どもは民間施設を借り上げて行っているルームを6カ所見学してきました。その中でいくつか紹介します。
 S子どもルームは交通量が多く、窓を開けると排ガスが臭くて部屋で過ごせず、空気清浄機を使用していました。学校からも子どもの足で20〜30分かけてルームに来なければ行けないルームもあります。 
 K子どもルームは、商業施設が建ち並ぶビルの2階にあり,出入り口は1カ所で、しかも急な階段になっていました。
 N子どもルームは、無認可保育所の跡地利用ですが、小学校から歩いて20〜30分かかり、施設の老朽化が著しく、雨天時に雨漏りがするということでした。
 M子どもルームは、トイレが1カ所しかなく、狭い施設で早急に移転を希望していますが、場所の確保が定まっていません。
 どこのルームも施設の確保が大変苦労しているとは思いますが、(1)遊び場がない。(2)大通りに面して危険な上、空気も汚染されています。(3)施設が狭いため4年生以上の入所は厳しくなっているなど、環境面からみても改善すべき点がたくさん見受けられました。そこで伺います。
 これらの民間の施設を借り上げて行っているルームの改善については、指導員や父母の意見を聞き・早急に行なうことを求めます。
 障害児の入所についてですが、受け入れている施設がたくさんあります。入所している障害児に十分な指導員の加配がされているのか伺います。また、指導員の研修はどのようにされているのか伺います。
 施設への運営費の補助についてうかがいます。現在、少人数のルームには運営費が配慮されるようになっていますが、50人以上の場合は運営費が頭打ちとなっています。運営費は50人以上でも人数に見合った形で支払うべきですが、見解を伺います。
 整備計画について伺います。公営になったために入所希望が増えています。女性の社会参加と不況のもとでこどもを預けたい人が増えています。千葉市では需要調査をしているのでしょうか。それに見合った整備計画にし、計画の前倒しを行なうことが必要ではないでしょうか。伺います。

 第3は、病児保育についてうかがいます。
 子どもが病気のとき仕事を休んで看病したいというのは親の願いです。しかし、子どもをあずけて働かなければならない場合がたくさんあります。そういう親のための施策が病児保育ではないでしょうか。2年前から緑区、中央区、この7月から花見川区でも開設されました。現在では利用者は増加し、市が認めた4人枠だけでは、キャンセル待ちも出ています。
 千葉市では1施設年間約500万円の委託料を出して実施しております。1日4人の枠を設け、一人あたり1日2,000円の利用料で受け入れています。そこでうかがいます。
 設置していない区でも早急に病児保育施設を整備することを求めます。
 今実施している施設でも4人の枠にこだわらず、定員増をすべきではないでしょうか。見解をうかがいます。
 市からの補助金を増額し、利用料も値下げするよう求めます。

花見川区の諸問題について

 花見川区の諸問題について質問します。

 第1に、交通問題についてうかがいます。
 検見川町1丁目のサイクリング道路と市道幕張町検見川町線の交差する場所に押しボタン式信号機の設置についてうかがいます。
 この場所は、花見川沿いで多くの利用者が散歩や、通勤・通学などで利用しています。歩行者と自動車が安全に通行するために押しボタン式信号がどうしても必要です。県などの関係機関に設置を働きかけることを求めます。

 第2に、新検見川駅の駅前にトイレの設置についてうかがいます。
 昨年交通バリアーフリー法が施行され、行政のみならず鉄道、バス事業者なども駅周辺の整備を行なうことが法制化されました。バスターミナルでは、1日の乗降客数5,000人以上でトイレがある場合には、平成22年度までに身体障害者用のトイレの設置をうたっています。
 以前、私は新検見川駅前にトイレの設置を求めてきました。その後も具体的な場所の選定や利用者の声などをお聞きしていますが、早期に設置をとの声が強く出されています。
 新検見川駅前のトイレ設置を早急に実施するべきですが見解を伺います。