野本信正議員の代表質問に対する答弁

2001年9月18日

【鶴岡市長】

市長の基本姿勢について
 ただいま日本共産党千葉市議会議員団を代表されまして、野本議員よりご質問をいただきましたので、私からは、基本的な事項についてお答えをいたします。
 はじめに、憲法・地方自治の本旨に沿った市政運営についての質問のうち、憲法尊重擁護及び地方自治の本旨に沿った市政運営について一括してお答えいたします。申し上げるまでもなく、憲法は国の最高法規であり、国民のすべてがこれを尊重しなければならないものでございます。私は、市長として憲法の基本原理である平和主義、基本的人権の尊重、地方自治の確立などを常に重視しながら、市民の負託にこたえることをその使命と心得ております。
 従いまして、地方自治の本旨に基づき、人間尊重、市民生活優先を基本理念といたしまして、すべての市民の皆様が豊かさを実感し、安心して暮らせる千葉市づくりに最大限の努力をしてまいります。
 次に、小泉内閣の言う「構造改革」に賛成するのかとのことでございますが、聖域なき構造改革を掲げた小泉内閣は、発足以来、国民の皆様の高い支持率を得ているところでございます。今後、経済対策をはじめ、内外ともに大変厳しいわが国の状況に適切に対応されることをご期待をし、願っている次第でございます。
 次に、地方交付税の削減について、お答えいたします。地方交付税は、地方公共団体共有の固有財源であり、その総額は法定5税の一定率をベースに地方財政計画の策定を通じて生じる、地方財源不足額に対応して決定されるものであります。従いまして、国の他の支出と同様に一律削減すると言った性格のものではなく、地方交付税の総額が削減される場合には、国から地方への税源委譲と一体的に行われるべきものと理解しております。
 また、地方交付税削減反対に積極的に行動すべきとのお尋ねですが、指定都市共同で大都市特有の財政需要に対応するため、これまで地方交付税の総額確保を要望してまいりました。今年度につきましても、国の経済財政運営に関する基本方針を背景として、地方分権という時代の要請を考慮し、地方交付税の見直しにあたっては、国から地方への税源配分と一体で進めるよう、関係機関へ要望を行うこととしております。
 次に、大型開発を見直すべきではないかとのご質問にお答えします。21世紀という新たな時代を迎え、国・地方を通じて、少子・高齢化や国際化、情報化の進展、さらには環境問題などへの的確な対応が求められております。私は、人権尊重・市民生活優先の基本理念のもと、新年度予算の編成にあたりましても、先ほど市民自由クラブの森議員の代表質問にもお答えいたしましたとおり、引き続き厳しい財政状況が見込まれるところでありますが、「安らぎをはぐくみ、未来を支える都市づくり」めざし、新5ヵ年計画に位置付けた各種施策を着実に推進することを基本としつつ、21世紀にふさわしい街づくりに取り組み、市民生活の質的充実・向上に努めて参りたいと考えております。
 平和行政について一括してお答えします。まず政策ビラにつきましては、私の体験した事実から、私が実感した平和の尊さを披瀝したものです。
 次に、核兵器廃絶国際条約の締結を政府に求めることにつきましては、条約は国レベルにおいて、国家間の相互理解と信頼に基づいて締結されるべきものでありますので、そのようなことは考えてはいません。また、平和条例の制定につきましては、これまでも平和都市宣言の趣旨に沿って、各種の平和啓発事業を実施しているところであり、改めて条例の制定は必要ないと考えています。
 次に、平和啓発予算の増額と平和都市宣言塔の設置についてですが、これまで平和啓発のため必要な予算を計上し各種施設に鳥君できたところです。今後も平和啓発事業を推進してまいりたいと存じます。また平和都市宣言塔につきましては、平成7年に「平和都市宣言記念像」を設置したところであり、宣言塔の設置は考えておりません。
 次に、大型開発を抑制し、福祉、教育、地域経済活性化を厚くすべきだが同化についてお答えします。50年、100年という長い目で見た都市の発展過程のなかで、社会経済情勢の変化に伴い、地域の役割も大きく様変わりしてまいります。都市の活力を維持していくには、そのような地域を将来を見据えて再生していくことが必要であり、都市経営上取り組むべき大きな課題であります。新5ヵ年計画に位置付けました「蘇我臨海部の整備」をはじめとする大規模プロジェクトは、時代の変化に伴い、その地域の都市機能の更新を目的に実施するもので、税源の涵養や雇用機会の確保、地域の活性化など、本市の都市としての活力を将来にわたり維持するために必要な事業であると考えております。また、福祉、教育、地域経済活性化を厚くすべきとのご質問ですが、市民自由クラブの森議員のご質問にお答えしておりますとおり、新5ヵ年計画事業のバランスよい施策展開を基本としながらも、現在の社会経済情勢から迅速な取り組みを求められている子育て支援策や子どもの教育、高齢社会への対応、地域経済の活性化、地球環境問題への対応などにつきましては、的確に取り組んでまいります。
 平成元年の「平和都市宣言」は、本市の2度にわたる空襲体験をもとに、戦争の悲惨さと平和の尊さを永く後世に語り継ぎ、世界の恒久平和を願って行ったものです。
 私の空襲体験は、それに照らして自身の体験を率直に披瀝したものであり、特にたいはありません。また、本市の平和行政は、基本的に宣言の趣旨に沿って各種施策に取り組んで降りますが、ご提案1点目の「核兵器廃絶国際条約締結」を政府に求めることにつきましては、条約は国レベルにおいて、国家間の相互理解と信頼を深めて締結されるべきものと理解しており、その必要はないものとかんがえております。2点目の平和条例の制定につきましては、本市では平和都市宣言の趣旨に沿って、各種の平和啓発事業をすいしんしているところでございますので、条例の制定は必要ないものと考えております。3点目の予算の増額に平和都市宣言塔の設置につきましては、これまでも厳しい財政状況の中で創意工夫を凝らして平和啓発のための施策に取り組んできたところであり、また平和都市宣言塔については、平成7年に平和都市宣言の周知を図るため、宣言のモニュメントである「平和都市宣言記念像」を設置したところでございます。
 いずれにいたしましても、世界の恒久平和は千葉市民だけでなく、全人類共通の願いであり、今後とも「平和都市宣言」の趣旨に沿った施策展開に努めて参りたいと考えております。

【島田助役】

 市長の基本姿勢のうち、所管の都心開発、蘇我副都心についての質問にお答えする。「開発して進出企業はあるのか」であるが、蘇我臨海部の民間開発は、15年程度をかけて土地利用転換が図られることから、土地需要や社会経済状況にあわせ段階的に進むものであると考えている。現時点での土地需要の見通しとしては、区画整理事業を予定している寒川町地先で、地権者に立地希望を申し出ている企業があると聞いている。
 「だれのための開発か」との質問であるが、次のような効果を期待している。1点目は、大規模空間や水際空間を利用した公園やレクリエーション空間を形成し市民生活の向上。2点目は、臨海部の土地利用転換により就業の場の創出と税の涵養。3点目は、蘇我駅周辺の賑わいを取り戻し、新たな魅力を創出し、街の活性化などにより、市民のための開発であると認識している。
 「市民参加と企業の工場跡地について」の質問であるが、基本計画の推進を図るため、幅広く市民の意見を聞く場として設けた、懇談会から本年6月に「基本計画の推進に関する意見・要望」が報告され、それを整備計画(素案)にいかしている。皿により地元に密着した新しい懇談会を早期に設置し、特定地区の再編整備の充実を図る。また、企業の工場跡地については、今後、関係機関及び企業との協議を進め、企業における整備効果の還元について適切に求めていく。
 最後に「企業用地の土壌汚染対策指導要綱」に基づく土壌調査を進めており、この結果を踏まえ適切に対処していく。

【稲葉助役】

 高齢者・女性・障害者雇用の具体的な中身ですが千葉市としては高齢者・女性の雇用の確保を図るため、千葉地域雇用協議会を通じて高年齢者職業相談室や働く女性のための千葉両立支援ハローワークの運営について協力を行っております。また、障害者の雇用の促進を図るため、千葉公共職業安定所と共催して障害者雇用促進合同面接会を実施するほか、生活技能センターに置いて障害者の自立に向けた講座を設けて職業訓練を行うなど努力をしているところです。今後とも雇用促進に努めて参りたいと存じます。

【財政局長】

 はじめに、地方交付税とそれ以外の歳入の見通しについてでありますが、新5ヵ年計画の財政推計は現行の税財政制度を基本に行ったところであります。国においては、現在の社会経済情勢を背景に、今後の経済財政運営等に関する基本方針を示し、国の財政構造の徹底した見直しとともに、地方財政に関して、国と地方の役割分担の見直しを踏まえ、国庫補助金の整理合理化や、地方交付税の見直しを行い、そのあり方を検討することとして降ります。これらを勘案いたしますと、今後の地方財政に少なからず影響が出ることが予測されるところでありますが、現時点では具体的な内容が示されていないため、これからの国の動向を十分注視していく必要があると考えております。また、平成14年度の国の予算編成につきましては、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、思い切った縮減と重点的な配分を実現することとされておりますので、その動向や地方財政計画に適切に対応して参りたいと考えております。なお、地方交付税に関しましては、平成13年度の地方財政対策で、国と地方の責任分担の明確化を図るために、臨時財政対策債が設けられ、地方交付税と一体で算定されているところであります。新5ヵ年計画における財政推計では、平成13年度の地方交付税を105億円と見込んだところでありますが、普通交付税と臨時財政対策債を合わせた実算定額約140億円と、特別交付税の予算計上額10億円を加えますと、現時点では150億円を見込んでおります。平成14年度以降の地方交付税につきましては、今後地方財政計画や、地方税源の拡充などの動向に左右されるところでありますので、現時点での見極めは難しいところであります。
 次に、競輪事業会計からの繰り入れ金につきましては、第6次5ヵ年計画期間中の平成8年度から12年度までは、49億5千万円の歳入予算を計上し、36億5千万円を繰り入れたところであり、新5ヵ年計画策定にあたっての財政推計では、7億5千万円を見込んでいるところあります。

【都市局長】

千葉駅西口再開発事業について
 まず、A1棟が完成する時期であるが、駅前広場を含め平成16年度末を目標としている。その時点での事業費は約570億円、また市債については約190億円を見込んでいる。
 次に、特定施設建築物制度であるが、事業を推進する上で民間に活力を導入することは、有効な手法と考えられることから、今後の検討課題の1つとして認識している。なお、導入した場合の街づくりについては、事業計画に適合させ、当該市街地再開発事業の目的を達成することとしている。
 次に、A1棟と駅前広場までで凍結して、残りの土地は市民が集い・憩いの場所にしていく事の提案についての見解がいかがとのことであるが、当該事業は駅前にふさわしい土地に合理的、かつ健全な、高度利用による良好な市街地の形成を図ることを目的として、現事業計画を定めているものであり、ご提案の内容はこの現計画とそごをきたすものであり対応できないものと考える。

【総務局長】

 市長の基本姿勢のうち、行政改革に関する2点の質問について、お答えします。
 はじめに、市議会議員との懇談会は、情報交換や意見交換を行い、円滑な市政運営を図るうえで有意義なものであり、これまで極力簡素化を図り、経費の縮減に努めながら開催してまいりましたが、今後一層の経費に縮減を図るため、年1回第1定例会閉会後に会費制で開催いたしたいと考えております。
 次に、交際費の支出につきましては、これまでも縮減に努めてまいりましたが、今後とも社会通念上妥当な範囲内で対応いたし、一層の経費縮減に努めて参る考えでございます。
 次に、情報公開についてお答えします。「一部黒塗りをやめて」とのご指摘ですが、本市では全部改正した情報公開条例を昨年10月から施行し、「原則公開」を基本に、不開示情報を8項目から6項目に整理し、開示範囲の拡大を図りました。また、手数料については、情報公開制度運営審議会から「費用の公平な負担を求めることは妥当であり、できる限り利用しやすいものとすべき」との答申をいただき、昨年10月から1件につき200円から100円に引き下げを行ったものでございます。今後とも現行条例に基づきまして、市民の知る権利を尊重し、情報公開の推進に努めて参りたいと存じます。なお、交際費のホームページでの公開につきましては、今後検討してまいりたいと存じます。

【企画調整局】

 市長の基本姿勢についてのご質問のうち、所管の公共事業の評価制度についてお答えします。
 本市の公共事業評価は、国土交通省所管の国庫補助事業を対象に、これまで一定の要件に該当する河川事業など11件の公共事業について、学識経験者、市民代表による第3者機関「千葉市公共事業再評価監視委員会」にはかり、事業の費用対効果、進捗状況、社会経済情勢の変化などの視点から、適切に評価を実施し、公表しております。
 なお、国が評価手法を定めていない事務事業については、今年度より、目的妥当性、有効性及び効率性の視点から、評価しシステムを導入し、取り組んでいるところであります。今後、これらの評価制度を有効に活用し、行政サービスの向上を図るとともに、市民に対する説明責任を果たしてまいりたいと存じます。
 次に、地方分権・市町村合併のご質問は、関連がありますので一括してお答えします。住民に身近な基礎的自治体である市町村は、地方分権の進展に伴い、独自性を発揮しつつ、市民サービスの充実を図ることが求められており、このための行政体制のあり方を十分検討していかなければならない時期にあります。こうしたなか、市町村合併は行財政基盤の強化や広域的行政の観点から、有効な選択肢の1つであり、避けて通ることのできない重要なテーマであると考えております。また、合併はその地域の将来や住民の生活に大きな影響を及ぼすことから、市町村及びその住民が自主的に判断していくことが重要であると認識しております。
 いずれにいたしましても、隣接自治体との合併に関しては、議会のご意向や市民の皆様のご意見を伺いながら、適切に対応してまいりたいと存じます。
 次に、「新しい千葉市」についてですが、私は「じっくり聞いて、しっかり実行」をモットーに、清新な気概を持って、本市の街づくりに取り組む考えでありまして、具体的には、多くの市民の皆様の意見を伺って策定した新総合ビジョン及び新5ヵ年計画の推進を基本に、21世紀にふさわしい街づくりを進めることが、「新しい千葉市」作りにつながるものと考えております。
 次に、市政の現状把握と大型開発等への批判票についてですが、私は昨年10月に退任するまでの6年間半にわたり助役として、市政運営の一端を担和させていただきましたので、十分に本市の実情は承知いたしております。市長選におきましても、本市の健全財政の維持を基本としつつ、先ほど申し上げた新5ヵ年計画に推進による街づくりを、多くに市民の皆様にお話をし、その結果として、10万票近いご支持をいただくことができたものと受け止めております。

【保健福祉局長】

 保健所の増改築の際、正規の保育士を雇用することを提案するがどうかとのことですがどうかとのことですが、保育士の配置については、従前から児童福祉施設最低基準に沿って、入所児童数に見合った配置としており、常に適正配置に努めているところであります。今後、増改築を行う保育所についても、必要な保育士の確保に努め、保育サービスの向上を図ってまいります。シルバー人材センターへ行政が委託する事業を増やしてはどうかとのお尋ねですが、加入している会員の中で就業の機会に恵まれない方も相当数おりますので、企業や市民にセンターの活動を理解していただく普及啓発にここ数年取り組み、それが実を結び未就業会員は減少してきております。なお、同センターの受託事業における公共事業の占める割合は、ここ3年間は平均6.8%伸びております高齢者の方々が生きがいを持てる就業の場を確保することが大切なことであるので、シルバー人材センターにおけるより一層の公共事業の受注額の拡大に努めて参りたい。
 次に、福祉作業所の建設などを実施すべきではないのかとのお尋ねですが、本市ではこれまで雇用されることが困難な心身障害者に、仕事の提供や生活指導等を合わせて行う施設として、作業所のほか、授産施設や小規模作業所、ワークホーム、共同作業所の整備を進めてきています。今後は、障害特性や個性に配慮した環境で作業ができるよう、新5ヵ年計画において、知的障害者授産施設2箇所、精神障害者授産施設1箇所を整備するほか、ワークホームや共同作業所の利用ニーズにも対応するなど、福祉的就労の場を確保するとともに、その利用をしやすくするための相談支援事業の充実にも努めます。

【保健福祉局長】

 社会保障費削減の影響について2点の質問にお答えします。平成14年度の医療保険制度改革については、厚生労働大臣表明などにより、一部示され手下りますが、本年9月末ごろに「医療保険制度改革案」が取りまとめられ、社会保障審議会などの場で論議される予定になっています。本市としては、国の動向を見守っていきたいと考えております。
 仮に、年齢が75歳に引き下げられた場合には、老人保健医療事業の約2万9千人分の医療費給付費が減額となりますが、一方で国民健康保険事業に老人保健該当者が移行することにより、保険給付が増額となります。また、68歳以上の医療費助成を維持するといたしますと、現行の2年間からさらに5年間を助成することとなり、対象者の大幅な拡大と多額な財政負担の増大を招くものでございます。いずれにしましても、老人の医療費助成事業のあり方については、医療保険制度改革など国の動向や今日の厳しい財政状況、さらには他都市との状況を踏まえて、十分な検討が必要であると考えております。
 次に、介護保険の基盤整備のご質問について順次お答えします。入所希望者が多く、なかなか入所できないのは契約違反とのことですが、介護保険制度の下での保険者としての本市の役割は、計画に基づいて基盤整備を進め、介護サービスを提供していくことであり、特別養護老人ホームに入りづらいことを持って、契約違反とはならないと考えております。
 次に、5ヵ年計画を前倒しして、早期建設をとのことことですが、平成13年度末までに特別養護老人ホーム100床、老人保健施設26床、平成14年度末までに、特別養護老人ホーム100床、老人保健施設200床の増床を予定しております。これにより、高齢者保健福祉推進計画の平成16年度末までの目標量に対しての平成14年度末までの達成率は、特別養護老人ホームについては95.2%、老人保健施設76.1%、グループホーム33.3%となっております。本市といたしましては、今後とも施設整備の促進に努めて参りたいと考えております。
 次に、磯辺2丁目の市有地や国有地の払い下げを求めて建設の促進をとのことですが、美浜区の当該地に付いては、すでに一部を高齢者福祉施設用地として確保し、今後の活用方法について検討しておりますが、国有地については、現在の整備手法のなかでは難しいと考えております。
 次に、乳幼児医療費助成の現物給付に関する2点の質問についてお答えします。現物給付については、本市として県下統一方式により実施することが望ましいとの考えから、これまで千葉県に対して、再三要望して参りましたところ、県からは本年3月、現物給付を含め制度の全般的な見直しについて検討する旨の回答を得たところであります。そこで今後、県の検討状況を十分見極め、市の単独方式についても、関係団体との調整や事務処理システムの構築等について検討を進め、現物給付方式の早期実施を目指して参りたいと存じます。
 次に、国民健康保険についてお答えします。まず資格証明書についてですが、平成9年の国民健康保険法改正により、医療費をまかなう保険料の平等な負担についてご理解をいただくことと、保険料の適正な収納を確保する一環として、長期滞納者に対して、被保険者証に買えて資格証明書の交付が義務づけられたものでございます。資格証明書の交付は、国民健康保険事業が保険料により支えられていることから、長期滞納者と接触する機会を設け、十分な納付相談等を行うことが出来ることから、収納を確保するための有効な手段であります。資格証明書の交付にあたっては、被保険者の理解を得ながら適切に運用し、効果的な収納対策を図って参りたいと考えています。
 次に、保険料の減免についてですが 国民健康保険料の賦課の原則は、負担の公平であり、被保険者の負担能力、すなわち所得に応じて賦課しているところです。低所得者で一定の基準を下回る世帯については、保険料の応益分である被保険者均等割や世帯割について、6割と4割の軽減措置を講じております。こうしたことから、大幅に所得が減少した場合や災害を受けた場合の減免制度は設けてありますが、一定の所得以下の世帯を対象として、一律に減免するような制度をさらに設けることは考えておりません。
 次に、繰入金を増額し保険料を引き下げるべきであるとのことですが、国民健康保険事業の財政は、保険料と国庫負担金等をその財源として、これをまかなうことが原則でありますが、各市の国民健康保険事業の実情の中で一般会計から繰り入れが行われているところです。
 本市でも、医療費が年々増こうしている中、被保険者の負担の軽減を図るべく、一般会計からの繰り入れを法定分以外についても行い、可能な限り保険料の引き上げを抑制してきております。
 今後とも、一般会計からの適切な繰り入れの勤めてまいりますが、保険料を引き下げるための繰入金の増額は考えてはおりません。

【市民局長】

 市長の基本姿勢のうち、小泉内閣の構造改革と地方自治体・千葉市への影響についての所管についてお答えします。本市としても、緊急地域雇用特別交付金事業に不良債権最終処理の影響とその対策についてのうち、雇用対策について2つのご質問をいただきましたが、千葉市の行政サービス上、必要な職員を増やすことについてのご提案のうち、消防所管についておこたえします。消防職員の定数を増やすことについてのご提案でございますが、本市における人員についての消防力の充実率は、確かに満たしておりませんが、人口1万人あたりの消防職員数で見ますと、政令指定都市の中でおおむね上位に位置しております。消防力につきましては、人員面だけでなく総合的に判断すべきであり、その意味では施設・装備等、市域・市民の消防防災上の安全に対する基本的な体制は整備されているところであります。
 今後とも、本市の市街地の構成状況、人口動態の推移等、市域の進展に照らして必要な消防力の充実強化について、引き続き努力してまいる所存であります。

防災対策について
 1点目の雑居ビルの実態についてですが、大惨事となりました新宿歌舞伎町の雑居ビル火災の再発防止を図るため、消防局におきましては、直ちにこの種の建築物の実態調査を行い、2,227棟のうちから新宿歌舞伎町の雑居ビルと同規模・同形態の144棟を抽出し、10月10日をめどに現在、立ち入り検査を実施しているところであります。改善につきましては、立ち入り検査結果の中間報告によりますと、防火管理者の未選任や避難障害など、防火施設の不備事項が認められることから、所要の是正指導も合わせて行っているところであります。
 続きまして、2点目のこのような事態に対応する消防体制についてでございますが、この種の中高層建物火災における人命救助及び消火活動には、はしご車が最も有効な車両装備であり、現在当局には10台保有しております。これらの有効活用を主体として、特別救助隊や先着消防隊による初動体制が重要でありますことから、今後とも事前の実態調査に基づく警防計画を下に、図上訓練を計画的に進めて参る所存でございます。

【経済農政局長】

 内閣府より発表されました研究会の推計によれば、失業者は全国で13万人から19万人に上るとされている一方で、民間シンクタンクにおいては、最低50万から最高130万人と推計されるようにその数値には大きくばらつきのあるマクロ的な推計であります。地域においては基礎データを持たないため、市内の数値を把握することは難しいものであります。
 しかしながら、不良債権処理が地域の雇用に影響を与えることは否定できないので、今後とも国の緊急経済対策に盛り込まれた中小企業対策や雇用対策の動向に留意し、対策を講じていきたいと存じます。平成11年度に、企業者の緊急時の資金需要に対応するため、申し込みから融資実行までの期間を短縮し、利率も他の資金より低く設定した「緊急小口資金」を創設しております。また、本市の融資制度は千葉県中小企業保証協会の保証付融資となっておりますので、必要に応じ保証協会と協議してまいりたいと存じます。
 地域経済の活性化に関するご質問にお答えします。まず、この10年間における地域経済活性化の成果についてですが、市内商工業者に対しましては、中小企業支援センターが中心となって、中小企業資金融資制度をはじめ、専門家派遣、工場診断、商店街診断などの各種支援事業を実施してまいりました。その結果、新分野への進出により、業務が拡大した事例や、企画開発力が強化され業績が大きく向上した事例、あるいは製品の改良により特許を取得した事例など、多くの成果が得られたところでございます。
 次に、市内商工業者に対する経営支援につきましては、事業を効率的かつ効果的に実施し、実効性をさらに高めるため、その実施主体を今年度から産業振興財団に移行したところでございます。今後も、中小企業支援法に基づく中小企業支援センターである財団を中心として、マネージャーなど民間能力を活用した経営支援事業の充実に努めてまいります。
 まず高齢者等、買い物に困っている地域に対してのご質問にお答えします。日ごろ、買い物していた店舗が突然閉店されることは、地域住民にとって大変不便であり、日常の生活に影響を及ぼすところでございます。本市が平成13年8月に実施いたしました商店街に対する空き店舗調査では、回答のあった51商店街のうち、35商店街において119店舗の空き店舗が発生しております。従いまして、こうした地域において地元住民が少なからず不便を感じているものと存じます。
 次に、市の活性化策により、成果を上げた地域についてでございますが、富士見商店街共同組合において平成4年度から平成11年度にかけて、歩道のカラー舗装化やむ電柱化等により景観整備を図り、その結果空き店舗も解消され、若者を中心に多くの方々で賑わっております。
 また、ポイントカードを導入した検見川商工振興会では対前年度比35%、さつきが丘小売市場協同組合では対前年度比約8%、それぞれ売上が伸びております。さらに、都町商工振興会では、空き店舗対策事業により、不足業種の誘致に成功したほか毎年多くの商店街が様々なイベントを開催し、地域住民とのコミュニティ形成並びに販売促進等に成果を上げております。
 次に、今後の活性化策に対するご質問についてでございますが、本市では産業振興財団等と連携を取りながらアドバイザー派遣や各種診断事業等を行い、商店街の現状を分析するとともに、十分話し合いを持ちながら活性化策を進めているところでございます。今後も、各商店街の状況を十分に見極めながら、各種活性化施策を有効に活用し、商店街の活性化に努めてまいりたいと存じます。
 次に、シャッター通り調査と希望者への支援策についてでございますが、本市では毎年度、市内全商店街を対象に空き店舗調査を実施し、空き店舗の発生状況や閉店理由等について把握しているところでございます。また、商店街の空き店舗対策につきましても、わくわく商店街活性化推進事業のなかで希望する商店街に対し、賃貸料の2分の1以内、年間60万円を限度に補助しているところでございます。
 次に、精肉店についてのうち、畜産農家への対策と安全の確認や今後の飼料の心配など、積極的な対応をすべきと思うがどうかについてのご質問ですが、関連がありますので、一括して語答弁申し上げます。去る、9月13日に「千葉市牛海綿状脳症防疫対策会議」を設置し、本対策会議を窓口とし、「千葉県牛海綿状脳症対策本部」と連携を取りながら、防疫・情報の収集・畜産農家への情報提供をするとともに、異常牛の有無を確認するため、畜産農家への立ち入り調査を行うこととしたところです。調査期間は9月17日から9月30日までとし、主な内容は牛の導入先、健康状態、肉骨粉の添加状況、飼料の購入先、飼料の給与状況等であります。いずれにしましても、畜産農家へ正確な情報を提供し、不安の解消に努めて参りたいと存じます。

【教育長】

 少人数学級の実現につきましては、学級編制が県との協議・同意事項となっておりますので、県に働きかけているところです。一方、本市では本年度より独自の少人数指導教員として26人の若い教員を採用しています。教育行政について順次お答えします。
 はじめに「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書についての見解ですが、国の検定を経ていますので、歴史的・社会的事象において、ご指摘の教科書も含め、いずれの教科書も客観的なものであると考えています。なお、お尋ねの教科書については、本市の教科用図書選定委員会の報告によりますと、(1)歴史上の人物への理解を深めるよう配慮がされていること、(2)説明的な記述が多いこと、(3)読み物的資料の色彩が強いこと、(4)「公民」の意味が繰り返し記述されていること、などが特色として指摘されています。
 次に、憲法・教育基本法の立場で、歴史を学ぶことについてですが、学習指導要領では、昭和初期から第二次世界大戦終結までの歴史については、「中国などアジア諸国との関係」などに着目させ、戦争にいたる「経過を理解させる」とともに、「大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる」よう取り扱うことになっています。また、大戦後の歴史についても、「国際社会に復帰するまでのわが国の民主化と再建の過程や国際社会への参加について」理解させることになっており、この趣旨に沿って指導が行われるべきものと考えます。
 次に、わかる授業・楽しい学校についてのうち、まず少人数指導の効果についておこたえします。少人数指導教員配置事業は、不慣れな1年生への学習及び生徒指導の少人数指導として、基礎基本の定着と基本的生活習慣を身に付けさせるなど、大きな教育効果をもたらしております。
 次に、若い先生の増員が求められていることについてですが、千葉市の教員の平均年齢は44.5歳となっており、高齢化が進んでおりますが、本市としましては、少人数指導教員や図書館指導員等、若い教職員を本市独自に配置し、学校活性化に努めているところでございます。
 次に、30人学級編制についてですが、県と協議し、同意が必要となっております。県は原則的には40人学級編制の方針をとっておりますので、市独自での少人数学級は困難と考えます。
 次に、県教委に強く働きかけるべきではないかとのことですが、あらゆる機会を通して、県教委に要望しているところです。
 次に、学校施設の改善についてお答えします。まず、教室のエアコンの設置ですが、コンピュータ室、校長室、事務室は平成12年度で設置が完了しており、現在、保健室、カウンセリングルーム等を優先的に設置しているところで、教室への設置については、今後の課題とさせていただきます。
 次に、耐震補強工事や大規模改修工事のテンポを早めることについてですが、当時業は多大な費用を必要とすることから、補助金の確保と起債の活用等財源の確保を図り、新5ヵ年計画に基づいた、着実な推進を図っていきたいと考えております。また、緊急に改修の必要な箇所や危険な箇所への対応につきましては、現地を調査し、必要な修繕を実施しているところであります。