小関としゆき議員の総括質問

2001年9月28日

スポーツ振興について

 スポーツ振興についてうかがいます。
 スポーツは、人々の健康増進・体力向上をうながす営みです。また、それぞれの身体的な能力の発達や新たな可能性を伸ばし、さらには、フェアプレーの精神で競技や試合を通じて、お互いを尊重しあう社会的な関係を築いていく役割も持っています。
 このような、スポーツの持っている役割や意義を大切にし、市民が幸福で健康な生活を営む上での、基本的な権利として保障していくことが、地方自治体の役割ではないでしょうか。
 本来スポーツは、人々の自由で自主的な活動です。政治は、その自主的な活動を保障するとともに、いつでも誰でもスポーツができるよう、公共スポーツ施設の整備や専門的なスポーツ指導者の養成と配置など、諸条件を整備することに力を注がなければなりません。これらの、自治体の支援の原則やスポーツ振興施策の基本は、憲法や社会教育法、スポーツ振興法で明記されているところであります。この、民主的な原則に従って、自治体がその役割を果たすことが求められていますが、どのようにお考えですか。まず、お答えください。

 つぎに、スポーツ施設の運営についてうかがいます。
 国のスポーツ関連予算は年々減らされ、公共スポーツ施設の建設や運営を地方自治体や民間に任せるとして、国の責任を放棄しています。千葉市でも、財政危機を理由にスポーツ振興予算が年々削られていますが、増額すべきではないでしょうか。おたずねします。
 そのもとで、今後の運営のあり方が問題になっています。H13年から、利用料金制の導入をポートアリーナで実施し、他は使用料になっていますが、利用料と使用料の違いはどこにあるのでしょうか。また、小泉内閣は特殊法人を独立法人に変える方向ですが。千葉市スポーツ振興財団は、どのような方向で今後運営を進めようとしているのかうかがいます。

 つぎに、施設の整備についてうかがいます。
 千葉市は、H7年11月に「千葉市生涯スポーツマスタープラン」を策定しました。「活力あるスポーツ交流都市」を目指して、スポーツ、レクリエーション活動の振興と施設の整備を進め、今後も、市民一人一人が生涯にわたって、スポーツに親しみ、活発な交流が行われる環境をつくるとしています。また、スポーツ団体や指導者の養成を図り、市民がそれぞれの目的に応じて、スポーツ・レクリエーションに親しみ、身近で日常的な施設や国際大会などの「見るスポーツ」にも対応できる施設など、目的に応じた様々な施設整備を推進すると新総合ビジョンにも書かれています。施設整備についての第1の質問は、今年度の予算で、千葉公園体育館の耐震改修調査費として500万円計上されています。この体育館は1956年に建設され、45年も経っています。当局は、あと何年この体育館を使用するのでしょうか。
 調査を踏まえて、必用な改・修繕を行なうと思いますが、どの程度の内容なのでしょうか。
 建て替えを求める声もありますが、どのように考えているのか、うかがいます。

 つぎは、障害者も利用できる施設についてです。
 マスタープランでは、スポーツに親しむためのきっかけや、スポーツを日常的に行えるような環境づくりを進めていくことが求められているとしています。いま、交通機関や住宅等バリアフリー化が進められていますが、市内のスポーツ施設は、障害者が自由にスポーツ施設を利用できる環境になっているのでしょうか。私ども日本共産党市議団が調査した、公園スポーツ施設や県総合運動場などは、階段や段差があり、その対策もなく、障害者に配慮された施設になっていません。県総合運動場の職員も、「これだけバリアフリー化が言われているとき、本当にこの施設は遅れています」と言っていました。公園体育館の出入口、更衣室、トイレなどを含め全ての施設に、障害者も利用できるようバリアフリー化を進めるべきです。考えをお聞かせください。

 つぎは、市民のニーズに合ったスポーツ施設を各区につくることについてです。
 マスタープランでは、各区に体育館・テニスコート・温水プール・野球場・球技場・トレーニングルームなどの整備計画をもっていますが、現在ある施設は一部を除いて公式試合ができる施設にはなっていません。今後の施設整備については、各区に公式試合ができる総合スポーツ施設を設置する計画をもっていますが、その進捗状況はどうなっているのか、うかがいます。

 つぎは、若者がスポーツを通じて集える施設についてです。
 市内のあちこちで、設備がないために、広場を見つけてスケートボードや自転車(BMX)の練習をしている若者を見かけます。私は、モノレールスポーツセンター駅と中央公園で、スケートボードをしている青年から話しを聞きました。市内で、スケボーの練習ができる場所は、中央公園・ポートパーク・JR総武線都賀駅近くの高架下などだそうです。その練習を通じて友達ができ交流できて「とても楽しい時が過ごせる」と話していました。
 「しかし、問題があるんです」と言うんです。どんな問題かというと、近所の人たちから「うるさい」と苦情を言われるのだそうです。モノレールのスポーツセンター駅では、警察に「夜遅くまでやらないように」と注意され、タクシーの運転手からは「危険だから、ここでやるな」とも言われているそうです。このような市民からの苦情は当然だと思います。しかし若者は、住民に迷惑をかけるのは本意ではありません。「僕たちは純粋にスケボーを楽しみたいだけ。練習する場所さえあれば、そこを上手に利用していけると思う」と言っていました。いま若者達は、自由に堂々と練習できる場所を求めています。この問題では、日本共産党は何度も質問し要望してまいりましたが、答弁は「関係部局と協議する」とのことでした。どのような協議がされたのでしょうか。施設を設置する方向で検討されているのでしょうか。うかがいます。

 スポーツ振興の最後の質問は、総合型地域スポーツクラブについてです。
 旧文部省の体育局が監修した「スポーツと健康」という雑誌の中で、「総合型地域スポーツクラブ」は、わが国の「スポーツ振興の仕組みを変えようとする大きな挑戦」と指摘しています。
 これは、これまで活動している多くの単一種目スポーツクラブやサークルを排除することになるのではないでしょうか。東京都の大田区長は、この総合型地域スポーツクラブは、現実から「多少遊離している」と批判的な見解を示しています。
 行政的な総合型地域スポーツクラブの施設利用が優先され、単一種目型クラブがしめ出されるようなことがあってはなりません。当局の見解をうかがいます。
 そして、千葉市も「新5か年計画」で、モデル地区指定として2小学校区を2005年度までに推進する計画になっていますが、具体的な推進計画についてうかがいます。

子どもの健全育成について

 子どもの健全育成についてうかがいます。
 社会の急激な変化のもとで、子どもたちへの虐待、不登校やいじめの問題、少年非行の増加と低年齢化など、大きな社会問題となっています。このような状況のなかで、子どもたちの「健全育成」と、子育て支援策の一環として児童館の設置が求められています。
 ここで、船橋市の児童ホームについて紹介します。船橋市の施設の目的は、児童福祉法に基づいた児童厚生施設で、遊戯室・体育館・図書室・集会室などの設備をそなえ、遊びを通して児童の自主性、社会性、創造性を高めることに置いています。船橋市では、地区コミュニティーが23区あり、全てのコミュニティー区に児童ホームの建設計画をすすめていて、現在19か所の施設があります。私は、薬円台児童ホームを視察してきました。場所は、薬円台団地の中にあり、ベビーカーを押したり自転車に子どもを乗せて通ってくるお母さんの姿が目立ちました。施設は、0才〜18才までの児童が利用できます。遊戯室ではお母さんと一緒に遊具で遊んでいました。廊下では一輪車に乗る子どもがいました。2階では小学生が卓球を楽しんでいました。この児童ホームでは、お母さんたちの「子育ての交流の場」として年齢別の教室。また、年5回保健婦さんを呼んでの乳児相談や子育て教室が行なわれているとのことでした。さらに、異なる年齢集団で楽しめる運動会やクリスマス会などの行事を積極的に取り組んでいるそうです。
 園長は「体育館で、高校生が小学生を邪魔者にしないで、一緒に遊んでくれています」と語ってくれました。また、お母さんたちも「身近な場所なので、安心して利用させられる施設です」と話してくれました。
 千葉市には、南部青少年センターがあります。この施設をさらに整備していくのは当然のことです。児童館は、全ての児童を対象にした「児童を健全育成する」施設です。千葉市には、この施設が1つもありません。児童福祉センターは6施設ありますが、児童福祉法に基づいた施設にはなっていません。そこで、児童館の設置を願って質問いたします。
 第1は、児童館の果たす役割について、どのように認識しているのかうかがいます。
 第2は、現在、千葉市公団住宅に6つの児童福祉センターがありますが、この児童福祉センターはどのような施設になっているのでしょうか。子どもたちが、自由に集まって健全な遊びや健康を増進する施設となっているのでしょうか、うかがいます。
 第3は、1999年の第1回定例議会や第3回定例議会で、日本共産党は児童館や児童センターを各地につくるよう求めました。答弁では「第6次5か年計画」で1館整備する計画でしたが、計画通りすすんでいません。なぜ遅れたのか、その理由について、うかがいます。
 第4は、「新5か年計画」で児童センター設置が計画されていますが、その設置場所は「中央区中央4丁目」とされています。
 この場所を選定するにあたっては、子どもたちや父母の意見・要望を聞いて進めるべきですが、見解をうかがいます。また、この児童センターを「子どもの自主性や社会性を高めるなど健全育成を図るため、子どもの交流・活動拠点として推進する」としていますが、具体的な施設の内容をうかがいます。さらに、この児童センターに配置される要員についてですが、児童館あるいは児童センターには、児童の遊びを指導する児童厚生員を配置するとともに、施設の種別により体力増進指導員や年長児童を指導する者を配置することになっています。指導員の配置は、どのように考えているのでしょうか。うかがいます。
 第5は、今後の児童館整備についてです。「新5か年計画」で、ようやく児童センターが1館整備される予定ですが、日本共産党は、今日の非行防止や児童の健全育成・子育て支援として、緊急を要する課題であり、当面は各区に1か所の児童館を2か年計画で建設すべきだと求めてきました。当局は「検討課題」と答弁していますが、どのように検討されたのでしょうか。うかがいます。また、2002年度から学校は週5日制になり、子どもの居場所が問題になっていますが、千葉市の児童館・児童センターの整備計画では、大変な遅れだといわなければなりません。施設の整備にあたっては、小・中学校の空き教室を開放して活用することも考えるべきです。その施設に、児童厚生員や指導員を配置すれば、雇用の拡大にもなります。早急な実現を求めますが、見解をうかがいます。

放置自転車についてうかがいます

 放置自転車についてうかがいます。
 この問題は、私どもが何度も議会で取り上げ、検見川浜駅駐輪場など一定の改善はなされてきました。しかし、まだ早急な改善が求められる課題となっています。
 私は、地域の人たちと先日、JR稲毛駅と西千葉駅周辺の放置自転車を調査しました。平日は、整理する要員がいますが、要員のいない土曜日の午後に行って見ました。大変乱雑になっていて、点字ブロックの上にまで自転車が置かれていて、視覚障害者が通れない状態でした。また、歩道に置かれて通行の妨げになっているなど、「なんとかしてほしい」と多くの通行者から改善を求める声が寄せられました。市長も選挙期間中、市内各地の駅で宣伝に立たれ、実情をご覧になっていると思います。この放置自転車問題を解決することは、車社会で地球温暖化が言われる今日、環境にやさしい街づくりにとって緊急の課題でもあります。
 先に述べた、JR稲毛駅周辺の調査では、8月11日(土)、東口の第1勧銀側に365台、日本生命側に374台、稲毛保育園周辺に105台、合計で自転車が843台、バイク41台が止められていました。また、西口には158台止められていました。8月12日(日)のJR西千葉駅では、千葉大学側に361台、西友側に373台が止められていました。
 調査を行なった日が日曜日であり、学生は夏休みということもあり「今日は、そんなに多くありません」と、駅前の商店の方が言っていました。このような状況を踏まえて質問します。

 第1は、市長にうかがいます。
 このような、放置自転車に対して多くの市民から、改善の要望が出されていますが、千葉市の「自転車等の放置防止に関する条例」の中で「市長の責務」として、第3条で「市長は、この条例の目的を達成するために必要な施策を実施しなければならない」とあります。放置自転車の現状をどのように認識し、必要な施策をどのように実施しようとしているのか、うかがいます。

 第2は、大型店・銀行・遊戯場などへの放置自転車対策の指導についてです。
 条例第8条では、「大型店、銀行、遊戯場等には利用者のために必要な自転車駐車場を、当該大型店舗等若しくはその敷地内又はその周辺に設置するよう務めなければならない」としています。しかし、千葉駅や稲毛駅周辺では、これらの店舗前に放置されている自転車が目立ちます。
 前項の規定により、設置する自転車駐車場の基準は、大型店舗等の用途などを勘案し、規則で定めるとしていますが、その基準はどういうものでしょうか。また、その基準にもとづいて行政指導がされているのでしょうか。指導に従わない場合の対策はどのようになっているのでしょうか。うかがいます。

 第3は、自転車所有者のマナーについてです。
 放置自転車の実態は、自転車所有者のマナーも求められています。「ここに自転車を止めてはいけません、などの看板が立っていても無視される」「何度注意しても聞いてくれない」と整理指導員が話していました。当局は、この声をどう受けとめていますか。うかがいます。

 第4は、自転車駐車場の整理員についてです。
 シルバー人材センターが管理する自転車駐車場は、JR駅・京成駅・モノレール駅など31駅、146人の要員が配置されていると聞いていますが、勤務形態はどのようになっているのでしょうか。稲毛駅や西千葉駅の放置自転車を整理する警備会社要員は、午前中で終わりだと聞きました。しかし、「要員がいなくなる午後からの放置自転車のほうが多いですよ」と、警備会社の整理担当者からうかがいました。シルバー人材センターでは、「今あまり仕事がない」と言っています。放置自転車の整理を午前だけで終っている駅に、状況に応じて午後も整理要員を配置すべきだと考えましが、見解をうかがいます。また、「緊急地域雇用特別事業」として放置自転車等の追放指導員69名いますが、この事業は2001年度で終了してしまいます。今後も事業の継続を国に求め、もし打ち切られるのであれば、千葉市独自で継続するべきと思いますが、見解をうかがいます。

 第5は、自転車駐車場・放置自転車整理要員の休息室の整備についてです。
 要員の休息室が確保されていないのは30駅のうち何か所あるのでしょうか。また、管理棟はいくつかありますが、そこが要員の休息所として使用できるようになっているのでしょうか。
 休息室のないところには、早急に設置すべきです。また、休息室があってもトイレ・流し台・冷暖房等が設置されていないところがあります。至急改善すべきですが、見解をうかがいます。

 第6は、今後の自転車駐車場のありかたについてです。
 千葉市内の30か所の駅周辺に放置されている自転車は、およそ11,300台もあります。この問題を解決するためには、もっと安く利用できる駐車場を設置することではないでしょうか。今後の駐車場設置計画と放置自転車対策について、どのような計画を持っているのか、うかがいます。

稲毛区の諸問題について

 稲毛区の諸問題についてうかがいます。

 第1は、歩行者の安全を守る対策についてです。
 私は、昨年の第3回定例会で作草部町1025番地近くの、コンビニ「ローソン」前、通称団地下Y字路交差点について取り上げました。この交差点は、子どもや高齢者の横断が多い場所ですが、右折・左折の車に巻き込まれて犠牲になる事故が一向になくなりません。稲毛区には、他にも作草部郵便局前など、同様の危険な交差点があります。歩行者の安全を守るためには、歩行者と車を分離する信号機の設置が必要ではないでしょうか。若葉区でモデル的に実施された「思いやり信号」の効果は、どうだったのでしょうか。うかがいます。
 そして、私が先に、団地下Y字路交差点での事故をなくすために、改善を求めた際の答弁は、「危険な状況が生ずるものと考えている」として「関係部局と協議するとともに、信号機の改良については千葉北警察を通じ公安委員会に要望する」とのことでした。その後、どのような協議を行ない改善策を図ったのでしょうか。また、千葉北警察を通じての公安委員会に対する要望はどうだったのかうかがいます。

 第2は、地区コミュニティーセンター建設についてです。
 「新5か年計画」に基づいて、稲毛区長沼町にコミュニティーセンターの建設が予定されています。今年度に用地の取得と基本計画の策定に入るとのことですが、現在の進行状況はどのようになっているのか、うかがいます。
 長沼・山王地域の住民の方々から、この地域には公民館がないために「お母さんたちがサークルをつくっても、集まる場所がない」と、コミュニティーセンターの建設が待ち望まれています。しかし、「この地域に建設されることを知らなかった」との声も聞かれます。2002年度の基本設計実施に伴ない、エリア内の各種団体代表者で構成される「建設懇談会」を設置し、住民要望を反映するとのことですが、この懇談会には、各種団体だけではなく、地域コミュニティーの輪を広げていくためにも、障害者団体や個人参加も認めて、懇談会を開かれたものにすべきではないでしょうか。見解をうかがいます。