福永洋議員の代表質疑に対する答弁(要旨)

2002年2月28日

1、市長の基本姿勢について

【市 長】
○日本共産党市議団の提案に対する見解
 1つの提案として受けとめさせていただく。
○政府予算への評価
 新年度のすみやかな予算の執行で、経済再生への取り組みを始め、各政策の効果が現れることを期待する。
○堂本県政への評価
 就任して1年を経過していないので、評価についての意見は差し控える。

2、小泉内閣の新年度予算案と千葉市の予算案について

【市 長】
○蘇我特定地区の整備について
 蘇我特定地区の整備は、21世紀の市政運営の指針となる「新総合ビジョン」に位置づけた蘇我副都心の中核をなすもの。大都市として発展を続けるためには、重要なプロジェクトだ。市民のレクリェーション活動の場として、また防災対策に寄与する大規模公園の整備や既成市街地の再構築が可能となり、民間投資を喚起させ、雇用の場の創出や税源の涵養をもたらし、市民のための街づくりになると認識している。
 川鉄との費用負担については、道路や公園などの公共施設用地についても、その公共貢献に応じて無償提供を求める。有償部分については、不動産鑑定にのっとり適正な価格で買収する。
○大型プロジェクトについて
 西口再開発等のプロジェクトについては、都市間競争が激しさをます中、市民福祉の充実向上を図るためには、都市の活力を高めることが重要であり、必要な都市基盤整備は、今後とも着実に実施していく。
 西口再開発、中央港地区土地区画整理事業および蘇我特定地区の整備を初めとする市街地整備事業は、市民生活に必要な事業であり、引き続き推進するとともに、市民に進捗状況など事業の情報を適宜知らせる。
○合併問題について
 市町村合併の基本的な考え方は、各自治体自らが将来の街づくりのあり方を見極め、首長・議会・住民の総意で、その是非を判断すべきである。
 合併の目的と自立都市については、人口増を目的とした合併は考えていない。市民の意見については、まず市議会の意見を聞いてから検討したい。

【保健福祉局長】
○少子化対策・人口フレームについて
 少子化対策は、新年度予算編成で、重点7分野の一つに位置付け、各種施策の事業化に務めた。子育て中や、子育てを始める家庭の負担や不安をできる限り解消するため、保育施策や児童健全育成施策の充実を図り、安心して子どもを生み育てることができるよう務める。また、新5か年計画で、年少人口割合をH12年の国勢調査時の14.1%から、H17年には14.7%となると推計し、少子化対策を実行すれば、世代間のバランスの取れた人口構成になると考える。
○緊急地域雇用創出特別交付金を子育て支援に生かす提案について
 (1)事業費に占める人件費割合が概ね8割以上、(2)失業者の雇入れ割合が概ね3/4以上、(3)雇用期間は原則6か月未満、との事業交付対象に合致する子育て関連の新規事業は、検討したが当面の事業等は見あたらなかった。

【都市局長】
○蘇我特定地区の整備について
 経済効果については、特定地区全体の基盤整備や民間の上物整備を合わせて建設投資額に対し、1.5倍の経済波及効果が見込まれ、税増収や雇用創出効果をもたらす。
 住宅・商業施設の見通しだが、住宅は工場移転時期から第2段階の建設が予想され、交通結節性の高い蘇我駅から徒歩圏内にあり、総合スポーツ公園に面しているので住宅需要がある。商業施設は、川鉄から、区画整理区域内の具体的プランを検討していると聞いている。スポーツゾーンは、市民のレクリエーションニーズに応え、防災対策に寄与し、緑豊な空間を創出するため適切に配置した。
 本市も、横浜市と同様に、計画策定にあたり、各種アンケートや総合ビジョン策定の機会に寄せられた声を参考にし、地元自治会長等で構成する「千葉市臨海部地域再編整備懇談会」を組織して、多面的な角度から討議。そこで提出された意見・要望書を活用し、整備計画を策定した。整備の促進にあたり、今後、懇談会で幅広い討議が行われ、その成果を踏まえて事業推進を図り、活力豊な魅力あふれる地域になるよう、積極的に取組んでいきたい。
○土壌汚染問題について
 1月11日に川鉄が公表した土壌汚染に関する調査報告を精査し、追加調査等を指示している。その結果を踏まえて、基準を超過している範囲を特定し、汚染土壌の処理対策を講じるよう指導していく。
 アセスメントについては、第1段階に実施される土地区画整理事業、街路事業、総合スポーツ公園整備は、面積や延長要件で条例アセスメントの対象事業に該当しないが、当該地区の整備は大規模開発のため、市の指導等に基づき、川鉄が任意のアセスメント調査を実施している。
○モノレール問題について
 モノレール事業計画および会社経営については、H14年度に県・市で実施する「千葉都市モノレールに関する検討調査」で検討する。モノレールを利用しやすくするための工夫は、プリペードカードの発行や終列車の繰り下げ、千葉みなと直通運転などを実施してきた。

【企画調整局長】
○PFI事業について
 PFI事業の導入にあたっては、施設整備等を公共が自ら実施する場合と、PFI事業で実施する場合の公的負担の見込み額比較を行う。設計・建設や管理運営の各段階での経費の積み上げで、制度の高いコスト資料を作成・比較し、PFI事業で実施すべきか否かを判断する。施設のオープン後は、契約に基づきPFI事業者が運営管理するので、モニタリングを行い、利用者の意見も適切に反映する。PFIの導入は、街づくりに効果的に活用し、市民ニーズを踏まえ、行政の意図を的確に事業者に伝えるなど管理運営を監視する。

【総務局長】
○行政改革について
 H14年度から3か年の新行政改革推進計画は、H10年度策定の大綱の改定を行い、改定された大綱に基づき、社会経済情勢の変化や地方分権の推進に対応できる簡素で効率的な行財政運営の体制整備を図るものだ。経常経費の削減は、義務的経費を除く一般管理経費を計画期間に毎年度所要の見直しを行い、また老人医療費の見直しについては、高齢者医療制度改革等を踏まえ、老人医療費助成要件に所得制限を設けるものだ。スクラップ・アンド・ビルドや費用対効果等を基調とした事務事業の見直しである。
 定員管理の適正化は、組織の統廃合や業務の委託化等で5年間に概ね250人を目標に削減を行う。新たな行政サービス等で職員が必要となる部署は、見直しで生み出された職員の配置転換を図るなど、適正な職員配置を行う。
 公共料金の見直しは、市民負担の公平確保と受益者負担の原則を踏まえ、市民生活への影響を勘案し、必要最小限の新設および改定を行うもので、財政構造の健全化を図るものだ。この推進計画に位置づけた150の取り組み項目は、着実に実施したい。
○保育師や少人数学習指導員・消防士など不足している職員を増やすことについて
 簡素で効率的な行政運営が求められている中で、行政サービスに必要な職員等は、従来より業務量を精査し、適正な職員の配置に務めている。ご指摘の、厳しい経済状況に対処した雇用創出策については、H14年度、各所管で子どもルーム運営、延長保育、スクールカウンセラー等、前年に比べ一層の雇用増が図られている。

【財政局長】
○官公需契約について
 中小企業への公共事業の発注については、従来より「官公需についての中小企業者の受注機会の確保に関する法律」に基づき、(1)建設工事はランク別発注基準の遵守や分離・分割発注に努めるなど受注機会の確保を図り、(2)役務の提供や物品の調達などでも大型の医療機械や消防ポンプ車等の特殊車輌でメーカー納入のものを除き、地元中小業者の優先指名を基本方針にしている。また、大規模建設工事でも、共同企業体施工として、その構成員に中小企業者を参入させるなど受注機会の拡大に努めてきた。新年度も受注機会の確保に努める。
○土地開発公社について
 都市計画事業化の時期は、公社で保有している都市計画事業用地はH13年度末見込みで、都市計画道路、土地区画整理、都市再開発、公園緑地など全体の公社保有地の約26%、19事業70,766u。事業化されていない公社保有地は、都市計画道路など6事業で、面積31,065u。事業化されていない用地は、事業展開の遅れに伴い事業化が遅れているものだ。
 公社が保有している代替地の、H13年度の見込みは3か所、面積7,199u。新年度予算で、都市計画道路新港横戸町線代替地として、黒砂公民館移転用地に活用する。残る中央赤井町線他1か所は、今後の事業展開に合せ活用したい。
 都市計画道路用地、学校施設用地などH13年度末見込みは面積3,560uであり、目的に沿った暫定利用となっているコミュニティ施設用地は、面積で13,0384uある。新年度予算では、学校施設用地として面積2,919uの買戻しを予算処置した。今後も財政状況等を総合的に勘案し再取得に務め、解消を図る。土地開発公社は、造成事業を実施していないため、造成事業用地は保有していない。
 民間資金の借用については、土地開発公社は土地の取得が計画的・機動的に行われるよう民間金融機関からの資金を確保するため、「公有地の拡大推進に関する法律」で土地開発公社の債務は、地方公共団体が債務保証することができる規定がある。民間資金からの借入は特に問題はない。
 5年以上の長期保有地については、近年の社会経済情勢の変化等で、事業進捗の遅れから長期に保有する状況にある。新5か年計画等の各事業の進捗を見極めながら、早期事業化に務める。国庫補助金や起債等の財源確保を図り、総務省が出した公社経営健全化の目標値を目安に、長期保有地等の解消へ計画的な買戻しに努める。
○ペイオフについて
 自己責任原則に基づく破綻処理を円滑に実施し、金融システムの安定化を図るため、預金保険法の一部が改正されて以降、預金等を全額保護する時限特例処置(ペイオフ)の凍結がされていた。その間、金融機能早期健全化法等が成立し、不良債権の処理や金融機関への検査も終了して、危機的事態の特例処置など様々なセーフティネットが導入されている。ペイオフ解禁の更なる延長は「民間主導の経済再生を遅らせ、日本の金融システムへの国際的な信頼性を損なう」との指摘がある。公金の管理・運営は、1預金者として自己責任による公金の保護策を講じる必要があり、対応策を検討してきている。ペイオフ解禁の延長を国に要請する考えはない。
 収納代理金融機関等で収納され滞留する市税等の保護については、有効な手段がないので他の自治体と連携し、国に対して要望していく。
○財政構造の健全化について
 市債残高が増加傾向にあり、償還に対する公債負担が財政運営に影響がないよう、財政構造の健全性を維持するため新行政改革大綱で、市債にかかる財政指標の数値目標を掲げて取組んでいる。新年度予算でも、市債活用では通常債を減額する他、歳入面で、徴税努力による市税収入の確保や土地売払いなどで財源を確保。歳出面では、事務事業の合理化など経常的経費の削減に務めるなど、財政構造の健全性に努めた。市債・債務負担行為の活用では、財政負担の平準化と世代間の負担の公平化を図り、将来の財政負担の見通しを総合的に勘案し適切な活用を図った。
 民生費、環境や中小企業対策に係わる予算の増額をとのことだが、新年度予算は限られた財源の中で新5か年計画を推進し、福祉の向上と市域の均衡ある発展を図ることを基本に編成した。「環境問題への対応」「少子化対策」「高齢社会への対応」「地域経済の活性化」など7分野に予算を重点配分した。子育て支援や高齢社会への対応など、新期施策や制度の拡充を図ったことで、民生費は予算全体の伸び率を大幅に上回った。
 環境対策は、自動車公害対策や自然保護施策の推進。中小企業対策として新たに地域プラットホームで新事業創出の経営援助など、各分野で対応を図り、新期・拡充施策を盛り込み、市民福祉の向上に努めた。
 再開発など、大型プロジェクトを見直し市民生活優先の予算にとの提案だが、市民の就業の創出等を図るためには、都市機能の更新や都市基盤の整備を計画的に推進する必要がある。今後とも日常生活に密着した施策と合せ、魅力ある都市と拠点づくりを進め、市民福祉の向上と均衡ある発展に努める。

【建設局長】
○歩道整備・側溝の新設改良など福祉型公共事業を増やすことについて
 歩道整備等の交通安全施設整備、舗装新設改良、側溝新設改良は、市民生活の利便性向上や交通の安全を確保するなど、市民生活に密着した事業なので、今後とも整備拡大に努力する。

【市民局長】
○緊急地域雇用創出交付金事業について
 国の緊急雇用対策の一環で、地方自治体が公的雇用を推進し、雇用状況の改善に寄与するもの。国の交付金を受け、県が基金を造成し、自治体が策定した事業計画を県が査定し、認められた事業を実施するもの。県の査定による本市の計画は、H14年度12事業約2億9,000万円、実雇用374人。さらに、前回は、市の直接雇用だった指導教職員配置事業が、今回、県教育委員会の直接雇用になったので、合せると12億円程度となる。

【教育長】
○PFI事業の問題について
 「青少年自然の家」は、建設だけでなく施設管理や事業運営があるため、様々な業種の事業者の参入が見込まれる。だから、地元中小業者も含め参加の機会ができる。
 市民参加をすすめることは、計画段階でアンケート調査を実施し、設計や運営計画に反映させている。オープン後も、利用者との相談を基にしたプログラムや事業に対するアンケートを実施し声を反映する。

3、総務行政について

【企画調整局長】
○新年度予算での「新5か年計画」の進捗状況は
 全体として順調で、市民生活向上に密接に関連する「市民生活指標」の数値も着実に成果を上げている。また、「保育ママ」事業、「パパママ子育て教習所」「徘徊高齢者位置情報システム」「中高年パートタイマー就職相談室」「農業版ハローワーク」など、計画事業に準ずる施策として、新規に取り組むものもあり、充分市民の要望に応えている。

4、企画行政について

【企画調整局長】
○中央第6地区再整備事業について
 当事業は、中心市街地の活性化を目的にしている。現在、事業の推進へ新年度に設置する「事業化検討会」のメンバーを募集している。民間企業の優れた企画力・技術力・資本力・経営能力などに基づく提案で、事業成立性や実現性の高い「事業計画」が策定できると考える。
 また、当該用地は、H6年度に市債を活用し、公共用地を先行取得したもの。「地方債制度」では、「こども科学館」など各公共公益施設に充当される事業債の対象になるまでの「つなぎ資金」で、H16年度の一括返還には、市債の借り替えで積極的に整備促進を図る。

5、市民行政について

【市民局長】
○防災対策について
 自然災害で生活基盤に被害を受け、経済的理由等で生活再建が困難な者に対して「被災者生活再建支援法」での支援が講じられている。自然災害での住宅再建の問題は、国が総合的見地から検討行うので、その動向を見守る。
 広域避難場所は、大規模延焼火災から身を守るため、相当程度のオープンスペースが確保できる場所を指定し、市内に37か所確保している。今後も、市街化の状況や人口の変化を見極め適地の確保に努める。

【都市局長】
○防災対策について
 木造住宅や中層住宅の耐震診断については、建築物の耐震性の向上や都市防災の観点から重要性を感じている。診断費用の助成など支援策を検討したい。耐震補強については、市住宅改良資金利子補給制度および市分譲マンション改良工事資金利子補給制度があり、この活用をお願いしたい。

6、保健福祉について

【保健福祉局長】
○老人医療費について
 老人医療費助成制度について、68歳・69歳は現行通りとした。70歳以上も助成すべきとのことだが、国が、一定以上の所得の方には応分の負担を求める観点から、高額所得者の自己負担を2割とする改正を行った。提案のような助成を続けると、現在及び将来に亘り多額の財政負担となる。市単独の68歳・69歳の助成の対象年齢は維持するが、所得要件を設ける。70歳以上については、法律に基づく負担割合とする。
○乳幼児医療費の無料化について
 現物給付の実施には、専門的なレセプト内容を審査する体制が必要で、この審査・支払い事務は、千葉県国民健康保険団体連合会に委託するのが適切だ。同連合会に委託するには県内統一方式でないと難しい。県内統一方式をH15年度に実施する予定なので、県制度のもとでH15年度の実施としたい。
 4歳児未満までの拡大については、現在政令市の中で、4歳未満児まで所得制限なしに入・通院全額助成している都市はなく、現在の財政状況から年齢の拡大は困難だ。
○介護保険について
 施設整備について、計画の前倒しで整備しており、H14年度予算では4施設を整備する。年度内には2施設100名分、H15年度では70名分が新たに開所する。
 介護保険計画の見直しのための実態調査に取組んでいるが、入所希望者の状況を掌握しつつ、計画的に設備整備を進めたい。神戸市が予定している取り組みについては、その事業内容や効果等を研究したい。
 第1号被保険者・第2段階全員に、減免制度周知のため個別の通知については、収入・資産等要件から、かなりの方々が対象にならないので、一斉通知は適当でない。「市政だより」やホームページに掲載しており、介護保険制度のパンフレットに説明を差し込み、区役所の窓口に置いている。また、保険料決定通知保険料リーフレットを同封したり、民生委員を通じて制度のPRを行っている。引き続きPRを図っていく。
 利用料の減免については、利用者負担が公費と保険料と利用者負担のバランスをとり、サービスを利用する人としない人との間の公平な負担を確保するため、利用者負担の減免は考えていない。低所得者対策は、全国統一的な取扱が必要で、13大都市民生主管局長会議等を通じて国に要望している。
○国民健康保険について
 国民医療費は31兆円に上昇し、このままでは社会経済に多大な影響を与える。将来に亘り持続可能なものにするためと認識している。
 国民健康保険料は、被保険者の増加や老人保険拠出金の伸びが見込まれ、収支不足を補填するため必要最小限の料金改定を行う。改定には低所得者に配慮した。
 一般会計繰入れの増額をとの提案だが、国民健康保険事業の財政は、保険料と国庫負担金等を財源とするのが原則だが、各市の実情から一般会計からの繰り入れが行われている。本市も、法定分以外の繰り入れを行い、H14年度は前年度比4億5,700万円、8.4%増となっている。
 資格証明書については、H9年の国民健康保険法改正で、保険料の平等な負担の理解と、保険料の適正な収納を確保するため、長期滞納者に被保険者証に代えて資格証明書の交付が義務づけられた。資格証明書の交付は、長期滞納者と接触する機会を設け、納付相談ができるので有効な手段である。証明書の発行は、被保険者の理解を得ながら適切に運用し、効果的な収納対策を進めていく。H13年度で証明書を発行したうち、約30%が納付相談等に応じてもらい、保険証を交付している。

7、環境行政について

【環境局長】
○東海市の焼却炉爆発事故について
 東海市清掃センターはH7年から稼働し、ごみ焼却炉・灰溶融炉・粗大ごみ処理施設を備えている。今回の事故は灰溶融炉の炉底を交換する工事中の事故だ。原因は、現在検証中だ。東海市の灰溶融炉は日量15t炉を2基備えたコークスベッド式施設で、本市のプラズマ式とは異なるが、日常の維持管理に万全を期し、操業は安全面に最大限留意すべきと痛感している。
○サーモセレクト社の炉について
 処理対象廃棄物は、一般可燃ごみのほか、シュレッダーダスト・医療系ごみ・下水汚泥や焼却灰など広範な廃棄物も対応できる施設だ。ダイオキシン類の総排出量が極めて少なく、精製ガス・スラグ・メタル・金属水酸化物・混合塩等のリサイクル資源に変えられる。飛灰が発生せず、埋立量をゼロにできる。しかし反面、高温ガスを急速に冷却するので水使用量が多くなり、精製ガスを蓄えるホルダーやガスを使用するエンジン等の設備が必要になる。
 最近の、自治体のごみ処理方式の選定は、従来型ストーカ炉に比べガス化溶融炉の導入がすすんでいる。北谷津清掃工場の処理方式は、ガス化溶融炉も含め検討し選定する。
○エコセメント計画について
 国・県からエコタウン事業の承認を受けた民間企業が、焼却灰を主原料に資源再利用型のセメントを製造するもの。本市にとって、新たな施設を整備せず、焼却灰の無害化・資源化が図られる。エコセメントの販路が確保されて、環境への負荷軽減と最終処分場の延命ができ、資源循環型社会に向けた「ゼロエミッション構想」が推進できる。
 ダイオキシン対策は、1,350度以上の高温で焼却灰を分解し、排ガスは急速冷却されて再合成を防止するため、基準を下回っている。重金属も、分離回収し、回収したものは精錬事業者が再資源化するため、環境面も問題はない。

8、 経済・農政行政について

【経済農政局長】
○信用金庫・信用組合の破綻について
 船信の破綻の影響については、破綻を理由に融資の申込が1件あった。市内には、船信の支店がなく、市資金融資制度の取扱金融機関になっていないので市内中小企業への影響はないと考える。
 信金など中小金融機関の育成については、国が指導・監督を行うものだ。市内に営業拠点のある中小金融機関の財務状況は良好だと認識している。
 中小企業向け融資の改善については、厳しい経済状況の改善へ、政府が総合デフレ対策を発表し、貸し渋り対策が盛り込まれている。その推移を見守る。
○地域経済活性化について
 富士見共同ビルの床取得費は3億5,200万円。1階は商業インキュベート施設で4〜6店舗、10階はビジネスインキュベート施設で6〜8事業所を予定。入居期間終了後は、本格的に創業できるよう支援する。既存の経営者にない感覚を持ち、ニーズに適合した新規開業者を育成し、中心市街地で本格創業することは、周辺にも良い刺激になる。
 市内総事業所への調査については、調査の効率・実効性から対象業種を絞り調査する。製造業・IT関連産業を対象に調査したが、新年度はサービス業を対象とする。アンケート調査し、回答があった事業所を訪問、事業者のニーズなど把握する。対象外の業種も財団の事業活動を通じて把握に務める。
 貸しはがしによる倒産に実態は把握していない。市の資金融資制度を利用し、返済不能となり、千葉県信用保証協会が代位弁済する件数・金額は、前年度比で約1.5倍程度に増えると見込まれる。貸しはがしを止めるよう金融機関へ求めることについては、国の総合デフレ対策の推移を見守りたい。
 資金融資の借り替え制度の創設については、債務者に特別の事情があった場合、県保証協会との協議で、融資期間の変更ができる。今年度は10件の変更を認めた。借り替えと同様の機能だと考える。

9、都市消防について

【都市局長】
○まちづくり条例の制定について
 マンションなどの規制については、地域の街づくりの気運が高まり、住民の総意なら地区計画や建築協定を活用することが基本だと考える。

10、下水道行政について

【水道局長】
○新都市サービスセンターを随意契約にした経緯について
 新都市サービスセンターを随意契約にした経緯は、既に市の下水道料金徴収業務を委託し、転入・転出の諸手続きや料金の精算等に精通して、県の業務等でも実績が確実だった。

【下水道局長】
○新都市サービスとジェネッツの関係について
 新都市サービスは、上下水道料金徴収事務に関する業務をH13年12月1日に、ジェネッツに分割させたもの。新都市サービスに随意契約にしたのは、専用のコンピューターシステムや徴収人員が必要で、その能力を有するのは「新都市サービスセンター」しかなかったから。この間、委託業務について円滑・確実に実施していたので、千葉市の対応に問題はない。
 ジェネッツは、商法の規定に基づき会社分割が行われており、法的には新都市サービスセンターとは無関係だ。業務の性格上停滞させられないので、ジェネッツで業務を引き続き実施するのはやむを得ない。脱税を知ったのは、H13年11月17日の新聞報道だった。  
 新都市サービスセンターとジェネッツとも、市の委託業務は誠実に実施されている。新聞報道が事実なら遺憾なことだ。

11、教育行政について

【保健福祉局長】
○児童館の建設について
 今日の厳しい財政事情では、各地域に新たな施設の建設は困難な状況にある。今後、公民館やコミュニティセンターなど、既存の公共施設を活用し、子どもの遊び場や活動の場を早く確保していきたい。

【教育長】
○学校完全5日制について
 完全5日制のもと、ゆとりの中で、子どもたちが生きる力と心を育み、人間性豊な日本人として成長を期するものだ。一方で、保護者の中には心配もあることを承知している。しかし、今回の教育改革には、学校・家庭・地域一体で子育てに当ることの重要性の認識が必要だ。だから、千葉市学校教育改革会議で検討したことを、3月末に全家庭にリーフレットを配布して啓発し、休日の子どもの活動の場づくりなど連携を図り、対応を講じる。
 学校5日制の趣旨は、家庭や地域での生活時間を増やし、様々な活動を体験させるため。家庭で、親子での活動が重要。公民館は、週末の活動の場だが、小ども向け講座を実施する。
 完全5日制に伴い、従来の事業に加え「ウィークエンドふれあい広場」などの新規事業を実施する。また、週末ごとに公民館の一部スペースを学習の場として活用を図る。クラブサークルやボランティアの協力を得た事業を実施し、週末活動の充実を図る。新規・拡充する小ども向け講座は、公民館の週末利用や利用団体の理解を得て実施し、公民館の増築・改築は考えていない。学校の開放については、H4年9月から「学校週5日制運営委員会」を設け、体制を整えたが、参加児童が減少し、現在は養護学校2校だけとなった。公民館中心の活動展開を見ながら今後の課題にする。
○わかる授業について
 市独自での少人数学級の実施については、学級編成については県との協議・同意が必要で、県は1学級の児童生徒数40人を標準としているため、少人数学級は困難だ。あらゆる機会に実施を県教育委員会へ働きかけている。
 市独自の少人数指導教員配置事業は、学校生活の経験が浅く、適応力に乏しい新1年生のために導入を進めた。H14年度は、県が、小学校1・2年生で115名以上の場合38人学級を実施する。また、国の第7次定数改善計画で少人数指導の加配教員を、今年度、小学校119校中75校に配置された。新年度も相当数の増員が見込まれるので、2年生への配置は見送った。
 各学校が自主性・自律性を発揮し、特色ある教育活動を展開できるよう、CD−ROMでの年間指導計画や各種資料集の配布の準備をすすめている。市独自の「夢広がる学校づくり推進事業」で創意工夫に満ちた授業実践の支援を行う。

12、平和、民主主義について

【市民局長】
○「有事法制」、平和予算について
 「有事法制」については、防衛上の問題であり、国の専管事項だと認識している。国会等で論議されており、その動向を見守る。
 平和啓発予算は、2年前に「ヒロシマ・チバ平和展」開催し、通常の年と比較し多かった。