野本信正議員の総括質問

2002年3月13日

1、公共用地及び公益用地の適正な管理と利用について

 昨年12月議会で、共産党柳田議員の質問により明らかになった、越智はなみずき台団地の保育所用地は、保健福祉局長答弁で「会社更生法の手続きがされたことに気が付かなかったため申請ができなかった」という、市行政のミスと怠慢でエルカクエイに処分されてしまった事件です。
 土地建物で約6億円もの市民共有財産を損失したものなのに、市側は「遺憾である」と言っただけで何の責任も明らかにしていません。千葉市のミスで、莫大な損失をしたのは今回だけではありません。1972年当時、千葉県企業庁から清掃工場用地として無償譲渡を約束されていた5.7fの土地を、千葉市側が20年以上も名義変更などしなかったため3.6fに削られて、さらに場所も、わんぱくランド跡地に変更させられ、用地買収費と企業の移転保障など莫大手な負担をする損失を被ったことをよもやお忘れではないでしょう。しかも、このときもだれも責任を取っていません。そこで質問しますが
 第1に、幕張C地区新清掃工場用地確保の失敗から、学んだ教訓は何であったのか。改善した点は何か。改善を図ったとすればなぜ、今回越智はなみずき台団地保育所用地のように、「会社更生法の手続きがされたことに気が付かなかった」というような、初歩的なミスと怠慢を犯しているのか。
 第2に、新清掃工場用地確保の失敗も、越智はなみずき団地保育所用地のミスに対してもだれも何の責任も取らない。市役所とはそんな無責任な組織なのでしょうか。
 第3に、二つの事件に関連するのは開発指導要項で寄付が予定されていたとか、行政官の約束で無償譲渡が予定されていたとか、その時点で成立していたことがその後の手続きを忘れたり、怠ったことにより履行されなかった事です。千葉市行政の用地の管理や、財産の管理がきわめてズサンな感じを受けます。各セクションまかせになっていて千葉市行政全体としてチェックする機能が欠落しているのではないか。
 第4に、宅地開発指導要綱で確保したはずの公共用地が計画どうり確保され利用されているのか。12月議会以後点検をしたのか。したとすれば、その実態を明らかにしていただきたい。
 第5に、越智はなみずき台団地住民が、「保育所用地は、住民の購入した土地の分譲価格に入っている」のだから、エルカクエイに対して、「保育所用地を宅地分譲した収入の一部を自治会などに還元」するように求めているが、「市当局も企業の社会的責任を正し、住民の立場に立ってエルカクエイに求めてほしい」と、陳情を受けたはずだが、どうなったのか。
 また、12月議会の答弁で保育所用地の固定資産税が非課税であったことが分かりました。なぜ、非課税であったのか。その期間と税額はいくらか。
 第6は、個別の問題についてであります。
 その1は、保育課が所管する未利用行政財産で、保育所用地4か所はなぜ未利用になっているのか。また、弁天町地内の福祉施設整備用地は、何の目的で何時どこから購入して、なぜ未利用になっているのか。あわせて簿価および取得価格と利息額・手数料について。
 その2は、土気あすみが丘保育所用地は、当初4か所提供されることになっていたが、実際は1か所しかできていません。また、CCセンター1か所、公民館2か所も予定されていたのに、実際は、CCセンター1か所「あすみケ丘プラザ」だけになっています。なぜ、こんなに少なくなったのか。緑区は保育所が不足していたのになぜ確保しなかったのか。ちなみに、H14年1月1日現在の、各区別・学齢前児童数と保育所定員の割合を明らかにしていただきたい。
 その3は、みつわ台病院前道路用地ですが、この土地は、都市計画街路磯部茂呂町線用地で、私がH10年3月議会で質問し、交通事故多発地帯なので早く道路用地を本来の目的に添って広げるよう求めました。当時の道路部長は、その努力を約束しましたが、わずかに削っただけで道路用地は相変わらず杭を打って囲み、季節には雑草が生い茂っていて、私が提案した草花も植えてありません。道路用地を有効に使って早く広げて安全な道路にすべきでありますがどうか。そのときの会議録によれば、この土地831uは、H6年千葉市が1億3,553万円で買収したものです。この8年間で土地開発公社の手数料や銀行の利子はいくらついて、合計どのくらいになったのか。事業開始予定の期日とその時の価格はいくらか。
 その4は、坂月下水処理所跡地13,767平方メートルの有効利用について、私自身この議場でH2年と、H5年の2回にわたって質問し、有効利用を促しました。質問の要旨は「市営住宅用地として確保し建設してはどうか」、これに対して時の建築部長は「検討していく」と答えています。その後どのようになったのか。
 その5は、土地開発公社所有の土地のうち、市が買い戻しをしない前に供用開始している土地の実態について明らかにするとともに、このような土地利用をやめるように指示している文書等についても示してください。

2、水道の普及と管理の問題について

 その1は、未給水地域への普及についてです。
 千葉市内の水道未給水地域は旧泉地区など、およそ4,668世帯12,025人が井戸水を使用しています。千葉市水道局第3次拡張工事の整備促進が望まれていますが、見通しは暗いようであります。一方、更科地域の一部は、簡易水道による給水が始まりましたが、水道水の給水量は計画通りに伸びていないため、源水がたくさん余っているようであります。ところで、簡易水道地域の隣接地には、高根グリンタウン563世帯及び、高根団地240世帯の住宅地が井戸水を使用しています。このうち、高根団地の井戸水を各世帯に供給する共同井戸のポンプが老朽化して、改修整備が必要になっているが、その費用が莫大で住民も頭を痛めているとのことです。住民の中には、井戸水のほうが美味しいが将来を考えれば水道が良いとか、いろんな思いはあるようですが、千葉市水道の給水を望む声は高くなっています。そこで質問しますが
 まず、市内未給水地域への普及の見通しについてでありますが、第3次拡張工事全体の見通しをお尋ねすると共に、高根グリンタウン及び、高根団地など住宅が集中しているこの地域に水道が普及するのはいつ頃になると思われるのか。
 次に、簡易水道事業についてでありますが、
 1つに、普及率・給水人口・一日平均の給水量及び有収水量についてお聞きすると共に、普及率が極端に低い原因について。 
 2つに、一日平均の給水量と平均有収水量の差が大きいわけですがその原因について。
 3つに、一ケ月分の水道料金についてであります。一立方メートル当たりの価格
一日平均給水量334立方メートル当たりの価格、そのうち有収水量70立方メートル当たりの価格について。
 4つに、せっかく簡易水道をつくったのに利用者が少なく大切な源水が余っているのは勿体ないので、至近距離にある高根団地や高根グリンタウン地域まで給水地域を広げて有効利用を図ったらどうか。
 以上お答えください。
 水道問題の2は、検針の業務委託についてであります。
 第1に、水道局が新都市サービスセンターの脱税問題について知ったのは何月何日どんな情報で知ったのか。
 第2に、脱税容疑の事実を知った後、別会社とはいえ事実上同じであるジェネッツに業務委託したのは問題であり、変更する必要があったのではないか。
 第3に、3月7日県議会の答弁で千葉県水道局は、検針業務の委託を見直し、競争入札にすること、そのための委託審査会を準備することを明らかにしました。千葉市はどのような見直しをするのか。
 3月9日付読売新聞と東京新聞は、「千葉市も競争入札にする」と書いてありますが、この報道内容は全部事実か、お答えください。
 地祇に、共産党の提案は、市役所が公的責任を負える制度にすべきと思いますが。千葉市水道局はどうするのか。このさい下水道局もどうするのか質問します。
 第4は、鶴岡市長に質問します。
 福永議員の代表質疑で明らかになった、市長選挙のとき新都市サービスセンター役員から鶴岡候補への、寄付金についてであります。市長は「私は承知していない会計責任者に聞いて見る」と答えましたが、どうでであったのか。
 最後に、新都市サービスセンターおよびジェネッツに、市役所の職員もしくはOBが就職しているか、していた事実はないのか。
以上答弁を求めます。

3、都市交通サービスの向上とバリアフリーについて

 通勤・通学など、関係者が強く要望していたJR都賀駅のホームに、上り下りするエスカレーターが完成し2月23日から運転が始まりました。「便利になった」と皆喜んでいます。私も早速試乗しましたが、引き続きホームへのエレベーターが工事中であります。私はこれまで、議会での質問や毎年運輸省・JRに対して予算要望してきた事が前進したことについて、関係当局の努力に感謝します。続いて自由通路のエスカレーターが急がれます。そこで質問しますが
 1つは、駅前広場から券売器のある自由通路のエスカレーター促進についてであります。この件はモノレール絡みですでに決まっていたものですが、今後どのように進んでいくのか。
 次に、改札口の改善ついてであります。都賀駅は乗降客数が21,765人となっていて毎日ラッシュ時には混雑しています。モノレールが接続された時から改札口の狭隘が問題になっていました。
 都賀駅の入口は、改札機械が8つならんでいますが、この際、改札機の増設を行うようにJRに働きかけて、早期実現を図るべきと提案しますがどうか。
 以上、答弁を求めます。

4、清掃工場と焼却灰処理について

 第1に、北谷津清掃工場代替施設について、環境局長は建設場所について、北谷津か蘇我エコロジーパークのいずれかを考えていると答えました。
 そこで確認しておきたいのですが、いずれに建設するとしても清掃工場の機種は、川鉄のガス化溶融炉サーモセレクトにすると、答えたのですか。
 第2に、蘇我エコロジーパークの中に千葉市の清掃工場として、川鉄のガス化溶融炉サーモセレクト以外の機種が建設される可能性はあるのか、ないのか。
 第3に、千葉市の清掃工場を蘇我エコロジーパークの中に、川鉄のガス化溶融炉サーモセレクトを取り入れた場合についてでありますが、新しく建設するようになるのか。それとも現在稼働している実用プラントを買い取って中古品を使うのか。
 以上答弁を求めます。
 第4に、焼却灰処理について伺います。
 北谷津プラズマ溶融センターはH5年から研究にかかり、焼却灰のリサイクル化推進をうたってH10年から本格稼働しました。維持管理費12億5,597万円・改造日2億6,700万円を使い、7,973トンの灰を処理してスラグ化をしましが、H13年度をもって閉鎖することになりました。
 当局の資料によれば5年間で7,973トンの灰を溶融しスラグ化することにより、無害化と共に埋め立て場の延命が図られた。と書いてあります。そこで質問しますが1つは、研究期間5年・本格稼働してわずか4年で閉鎖した理由は何か。当初の目的は達成したのか。計画通りの溶融化が出来たのか・できなかったのか。それとも計画事態に問題があったのか。
 2つは、千葉市全体の廃棄物処理で、H9年から13年までの5年間で最終処分場への埋め立量は何トンになるのか。
 3つは、プラズマ溶融センターでの1トンあたりの処理費はどのくらいになるのか。建設費・維持管理費・改造費の合計に対しての単価を明らかにしていただきたい。以上答弁を求めます。
 清掃工場と焼却灰処理についての最後の質問は、焼却灰処理などの業務委託についてであります。
 千葉市は、この間焼却灰処理などを、市川環境エンジニアリングに業務委託してきていますが、長野県の藤総業へ搬入した千葉市の焼却灰が、現地の環境問題になった事件もありました。
 そこで質問しますが
 1つは、千葉市がこの間、市川環境エンジニアリングに業務委託してきた事業名と金額について年度ごとに明らかにしてください。
 2つは、市川環境エンジニアリングに業務委託してきた事業は、すべて適正に行われているのか。
 3つは、多くの自治体の業務委託を受けている市川環境エンジニアリングの仕事についての評判は、どのように把握しているのか。
 以上、お答えください。