小関としゆき議員の総括質問

2002年3月11日

 まず、高齢者福祉についてうかがいます。

 2001年1月から高齢者の原則1割負担が導入され、各病院からは「患者が少なくなった」と報告されています。政府の健康保険法の「改正」が実施されることになれば、ますます病院が遠ざかり、病気の早期発見・早期治療が遅れ、重症化し、医療費はさらに増えることになります。
 千葉県保険医協会が行ったアンケートでも、医療改革が行われれば「いままでよりも医療が悪くなる47.2%、やや悪くなる35%、合わせて80%以上の開業医の先生方が不安を持っています。
 さて、ある一人暮しのAさんは、まったく身寄りのない方で、食道ガンが見つかりB病院で入院手術し、3か月後には退院させられています。「あとはC病院で見てもらいなさい」と紹介状を渡されましたが、経済的にも大変であり、気力も体力も弱まり衰弱した状態でいるところを民生委員の方が見つけ、C病院に連絡し最悪の事態を免れました。いま、このようなケースが増えています。そこで伺います。
 1つは、国の医療制度「改正」が行われると、Aさんのような方が増加すると思いますが、このことについての見解を伺います。
 2つは、この医療「改革」による、千葉市の68歳、69歳の高齢者医療費助成については、「所得要件を設ける」とされていますが、何人の方が助成対象外となるのでしょうか。また、助成対象外とされた方の負担総額はいくらになるのでしょうか。
 3つは、今回の「改正」が行われれば、新たに自己負担限度額が設けられ、2割負担となる高所得者(夫婦2人で630万円以上)は月40,200円、一般(夫婦2人年収260〜630万円)は月12,000円、住民税非課税世帯は月8,000円となりますが、千葉市では各々何世帯になるでしょうか。
 4つは、今度の「改正」は、入院6か月を超えると入院代など保険外になり、お金のない患者は病院を追い出され、特養に入りたくても満床で入れず、何年も入所待ちになります。この対策について、市はどのように考えているのか。
 5つは、今日の医療費の増加は高い新薬にその原因の一つがあります。値段が安く薬効のある後発品に切り換えれば、患者の負担は軽減します。両市立病院でもこのことを実施することを求めます。以上お答え下さい。
 高齢者福祉の第2は、特別養護老人ホームについてです。 
 高齢者医療改悪のもとで病院を追い出されても、自宅では医療や介護の体制が不十分な場合がほとんどです。介護保健施設が満員で、千葉市の特養ホーム入所待機者が1,253人もいます。そこで伺います。
 1つは、現在の実態の見解を伺います。
 2つは、2002年度の特養建設計画は2か所で、100人しか入所できません。これでは、入所希望に応えようとすれば、何年も待たなければなりません。もっと予算を増やし、早急に整備すべきです。お答えください。
高齢者福祉の第3は、住宅問題についてです。
 いま、少子・高齢化が進み、1人暮らしや夫婦だけで暮らしている高齢者が増えています。市営住宅を申し込んでもなかなか入居できず、低家賃のアパートを探しても、不動産会社は「独居老人はトラブルの心配がある」と貸したくないのが本音だと、先日テレビで報道していました。2001年に作成した千葉市の「住宅マスタープラン」では、若者から高齢者まで全ての市民が安心して住み続けられるようにと、基本目標を掲げています。しかし、市営住宅は高齢者が安心して住み続けられるようにはなっていません。現在、2階建ての市営住宅は、宮野木・千城台・小倉台など14団地886戸あります。室内に急勾配の階段があり、高齢者は手すりがないために階段から転落し、ケガや死亡した例が何件かあります。昨年3月千城台第3団地で64歳の男性が転落、後日病院で亡くなっています。宮野木でも同じような事故が起きています。私が訪ねた82歳の女性の方は、娘さんから「2階に上がると危険だから上がらないように」と言われているそうです。安心して住み続けられる市営住宅を求めて質問します。
 1つは、1人暮らしの高齢者、825人が市営住宅に入居を申し込みしても、入居できるのはわずか47人です。この実態をどのように認識しているのでしょうか。市営住宅の改修善を急ぎ、入居希望者に応えるべきです。伺います。
 2つは、市内の2階建て市営住宅で、室内の手すりのついていない住宅が8団地に522戸ありますが、2002年度の計画では、千城台第2団地の114戸だけです。とくに、手すりの設置を早急に実施すべきですが、見解を伺います。
 3つは、高齢者の4階・5階から1階に住み替えられるようになっていますが、現在も4・5階に住んでいる高齢者もいます。エレベーターの設置など、バリアフリー化については、新築・建替は推進しているようですが、既存の4・5階建ての住宅にも設置すべきです。その計画を作ることを求めます。
 4つは、高齢者が民間住宅に入居する場合、保証人等、市が支援する方法はないのか。伺います。
 5つは、特定優良賃貸住宅に空き部屋が2月末現在246個あります。高齢者世帯にも供給に務めるとしていますが、家賃をもっと安くし、高齢者が入居できるように、空き部屋対策を図るべきです。お答え下さい。
 高齢者福祉の第4は、「老人つどいの家」についてです。
 「老人つどいの家」は市民の協力を得て、一般家庭の一部を開放してもらい、そこへ60歳以上の高齢者が集うことにより、孤独感を解消し、生きがいのある健全な生活をいとなむことを目的としています。千葉市にも高齢者の利用できる施設が色々あって利用者も増えています。高齢化が進み、それに対応できる施設づくりが求められているのではないでしょうか。「老人つどいの家」は、いきいきプラザ等には遠くて行けない高齢者にとって、欠かすことのできない身近な施設です。3か所の施設提供者の方から、お話をうかがって来ましたので、紹介します。ある高齢者は「今までは、日にちや曜日について考えたことがなかったが、ここに通うようになって、今日は何日で何曜日か考えるようになりボケ防止になる」「ここに通って来ると踊りや気功などを教えてもらえ楽しい」と喜んでいます。また、「自分が料理好きなので講習会をやっています。もっと多くの高齢者に来ていただくと、色々な話ができて、さらに楽しい場になると思う」と語っていました。また昨年、高齢者がつどえる場として新たに、大宮小学校の空き教室を開放して「大宮いきいきセンター」がオープンしました。「つどいの家」と同様、多くの方に利用されています。そこで質問します。
 1つは、年1回「老人つどいの家」提供者の懇談会が行なわれていますが、その内容はどういうものですか。提供者の意見や要望を聞く場にもなっているのでしょうか。そこでは、どんな意見や要望が出されているのか。
 2つは、「老人つどいの家」提供者に対する援助金は、10数年も変わっていないと聞きました。提供者は色々と苦労されています。増額すべきではないでしょうか。
 3つは、「老人つどいの家」は89年度に57か所あったものが、現在は29か所に減っています。減った原因はどこにあるのでしょうか。今後、「老人つどいの家」の必要性について、どのように考えているのでしょうか。
 4つは、「老人つどいの家」についてのPRは、「市政だより」に載っていますが、その他どんなPRを行なっているのでしょうか。NHKで放映されたビデオテープなども使ってPRすべきだと思いますがどうか。
 5つは、地域の高齢化が進み、こうした施設が「地域にもっとあればいいのに」との声を聞きます。「老人つどいの家」を含め、空き教室を利用した「いきいきセンター」など、高齢者がつどえる場所をもっと増やすべきです。お答えください。

 第2の質問は、雇用対策についてです。

 内閣府が2月13日に発表した月例経済報告では、主要経済指標の最近の動きを見ると、どの指標も悪化しています。中でも突出しているのは、個人消費の急落や企業倒産件数の増加、完全失業率5.6%と極めて深刻な状況に陥り、とくに青年の失業者が増えています。千葉市内でも、「会社が倒産した」「リストラされた」などで職を失っている市民が増えています。このような状況のもとで、雇用対策事業として進めてきた「緊急地域雇用創出特別事業」が今年度で終了の予定でしたが、事業の継続と充実を求める全国的な要望と運動の広がりで、3年間の時限的措置ではありますが、2004年度まで継続することになりました。千葉市でも、2002年度は12事業、実人数374人が雇用され、約2億9,000万円の創出となります。また、千葉市独自の雇用対策事業として、53事業で実人数477人の雇用拡大計画となっています。そこで伺います。
 1つは、2002年度の「緊急地域雇用創出特別事業」で雇用される市民の年代別割合について伺います。
 12事業374人のうち放置自転車追放指導員を含めて4事業合計282人は、主にシルバー人材センターへの委託ですから高齢者向けであります。残りの8事業92人の年代別就労者数について明らかにして下さい。
 2つは、若い世代や働きざかりの失業者の雇用を増やすことについてであります。
 このことについて日本共産党は強く要求してきました。12事業中、若い失業者が就労できる事業は、パソコン操作指導員とかトレーニング室指導員、合わせても24人しか枠がありません。これら事業はもっと人数が増やせるように、事業の拡大をすべきではないか。伺います。
 3つは、事業をもっと増やすことについてであります。
 市が提案した事業の中では、高齢者以外の枠は92人しかありません。これでは千葉職業安定所管内の2万3,000人の失業者に対して、あまりにも少なすぎます。このことについて真剣に検討したのでしょうか。思いきって増やすべきではないか。伺います。
 4つは、「緊急地域雇用創出特別事業費」の2002年度の予算は約2億9,000万円です。市はあとの1億1,000万円分を県の事業でやるといっていますが、市は独自にもっと予算を増やし具体的な事業を取り組み、雇用も増やすべきです。市営住宅の修繕、生活道路の整備、側溝の掃除、地域の防災安全調査、高齢者・障害者世帯への家具転倒防止の金具取り付け、学校施設の巡回大工など提案しますが、どうでしょうか。以上お答え下さい。

 第3の質問は、教育問題についてです。

 その1は、就学援助についてうかがいます。
入学や進級を迎えるこの時期、子どもたちは胸をはずませています。しかし、長引く不況のもとで、失業したり、売り上げが大幅に減少している家庭が増大している中で、教育費の捻出に困難をきたしています。全ての子どもに「教育を受ける権利」を保障するために質問します。
 第1は、就学援助費についてです。就学援助費は、「義務教育は無償」とした憲法第26条などの関係法により、小中学生のいる家庭で、学用品や修学旅行費、給食費などの支払いが困難な家庭に費用の助成を行うものです。そこでうかがいます。
 1つは、就学援助の周知は、いつ、どんな形で行われ、申請手続きはどんな過程を経て、どこに提出するのでしょうか。
 2つは、就学援助適用率は、どう推移しているのでしょうか。過去5年間でお答えください。
 3つは、給食費等の保護者負担が未納になった場合の保護者への対応策についてうかがいます。
 第2には、高校生への奨学金制度についてです。
 千葉市は、市立千葉高校と市立稲毛高校に通う一人の生徒に対し、1か月1万円の奨学金を支給しています。しかし、その他の学校の生徒はその対象から外されています。今日、全国的に教育費を払えずに学校を退学せざるを得ない生徒が増える中、行政の支援は欠かすことができません。
 教育基本法第3条第2項では、国及び地方公共団体に対して、奨学資金の義務づけを行い、教育の機会均等を保障していく責務があることを明記しています。
 千葉市の奨学金制度の拡充を求めて伺います。
 1つは、現在の奨学金制度は、市内の高校生の何人が受けられているのでしょうか。
 2つは、千葉市在住の高校生で、授業料の滞納や遅滞の実態はないでしょうか。
 3つは、市立高校生のみを対象とせず、高校教育を受ける市内のすべての生徒を対象にすることを求めます。お答えください。

 第4の質問は、新港横戸町線についてです。

 新年度の予算では、繰越明許費を入れると49億5,400万円組まれています。財源は、国から24億2,740万円、市費は9億5,960万円、市債は3億4,700万円であります。私どもは、わずか4分の短縮のために2.4kmの道路を700億円もかけることのムダと、環境問題や道路で地域が分断される問題などを取り上げ指摘してきたところです。最近、事業がすすむにつれて、黒砂台3丁目や穴川4丁目の地域住民のみなさんから、「生活道路についてまだ何の連絡もないが、どうなっているのか」「工事の震動が激しくて、とても2階にはいられない」「工事の砂埃が気になる」など、様々な要望や苦情が私のところにも寄せられています。また、大型トラックが、稲毛区役所前に朝4時〜5時ごろまで10台ほど駐車し、「朝出かけるのに困った」などの苦情も出されています。そこで質問します。
 まず、環境対策についてうかがいます。
 1つは、騒音対策についてです。2000年3月の特別委員会で、幸町や穴川方面にシェルターの取り付けや、稲毛区の住宅密集地付近の掘割り構造部分に、フタをかけるよう求めたところ、当時の道路部長は「道づくり協議会の中でその対応が検討されているところ」と答弁されています。どんな対策が取られたのかうかがいます。
 2つは、排気ガス対策についてです。大型車の対策やSPM対策をどうするのかとの質問に、「自動車排ガスの単体規制の強化、低公害車の普及及び公共交通機関との連携など、関係省庁への協力を呼びかける」と答えていますが、どのように進展しているのかうかがいます。
 さらに、沿道対策には「緑化を進める」と答えていました。私たちは、専門家の研究を紹介し、「沿道緑化は30m位ないと効果がない」と指摘してきました。このことは検討されてきたのかうかがいます。
 生活道路について、沿線住民に説明会等は行ったのでしょうか。今後の説明会の計画はどのようになっているのでしょうか。
 つぎに、住民に対する説明についてうかがいます。
 現在、工事が始まっている地域で、工事前の説明が不十分だと言う声が出ています。工事日程、工事中の騒音や振動対策についてうかがいます。
 最後に、工事中の交通問題についてうかがいます。
 日常の自動車の動線はどうなるのか。緊急時の救急車・消防車等の通行に支障は出ないのか、周辺住民は心配しています。その対策は、どう考えているのかうかがいます。

 第5の質問は、稲毛区の諸問題についてです。

 第1は、JR西千葉駅の公衆トイレについてうかがいます。
 私は、2000年の第3回定例会で、JR西千葉駅東口前の歩道橋下にあるトイレは、場所がわかりづらく、電灯もついていないし、悪臭がするなど、とても利用できる状態ではないので早急な建替えを行うよう求め、質問しました。答弁では、地域からの要望もあり、今「5か年計画」の中で検討するとのことでしたが、建替えについてどのように検討されたのか、うかがいます。
 第2は、稲毛区天台3丁目北部診療所近くの交差点への信号機設置についてです。 
 千葉市の交通事故は、昨年1年間で6,149件あり、負傷者7,739名、死者41名、になっています。事故は交差点の横断歩道を渡る途中や、その近くでの事故が多いようです。ここの交差点近くは、住宅地で診療所や保育所もあり、子どもや高齢者がよく通り、車の交通も多い交差点です。交差点には、カーブミラーや一時停止の標識がありますが、車同士の事故も増えています。2月初めに車同士が衝突し、角の家の塀に突っ込み、一つ間違えれば住宅にまで被害が及ぶところでした。その家の方は、「このような事故は何回もある」「命の危険を感じる、なんとかしてほしい」と、警察にも訴えているそうです。
 私も、警察に話を聞きましたが、「よく事故があることは知っている」「対策は信号機を設置することだ」と話していました。大きな事故が起こらないうちに、早急に信号機の設置を求めるよう。千葉県公安委員会に要請すべきです。お答えください。