ふくなが洋議員の議案質疑

2002年6月12日
 日本共産党のふくながです。質疑を行います。

1、議案第66号千葉市青年館管理条例の一部改正について

 今回は市内にある青年館18館のうち10館を廃館しようとするものです。青年館は戦後の青少年の健全育成におおいに寄与してきました。時代の変化に伴い利用が減り廃館の方向が出されています。そこで伺います。
 青年館がこれまで果たしてきた役割と廃館する経過について。青少年の集いの場所を削るだけではなく、今日では青年の居場所やつどいの場所としてストリートバスケット・スケボー・BMX・音楽室などのできる所を求めています、こうした施設がどのくらいあるのか。また、こうした青年の声にどのように応えてきたのか。お答えください。

2、議案第69号工事請負契約 千葉市ネットワーク設備工事5億8,800万円について

 行政機関内や企業内、学校内で複数のコンピューターを結びつけて情報を共有したりデータの交換を行う情報ネットワーク・LANの整備です。
 電子自治体への具体化の一歩です。横須賀市では、電子入札システムをすでに行っています。他の自治体でも神戸市役所では、課税データを作成して税務事務の効率アップとペーパーレス化をはかっています。要介護認定システム、電子投票、土砂災害情報相互通報システム、住民基本台帳ネットワーク、下水道・道路のデータ整備が行われています。そこで伺いますがこの工事契約でどのようなIT・電子自治体を目指すのか伺います。市民のためにどのような行政サービスが提供できるのか。また、問題点について伺います。全体のネットワークシステムの費用の投資額についても伺います。

3、議案第70号 工事請負契約について

 これは、千葉市斎場新築工事が一般競争入札により、44億2,000万円で落札されたものです。斎場は3年後の早い時期にオープンを目指すとされています。入札では、大成建設・飛鳥建設・大本組・新日本建設共同企業体が落札率75%で市の予定価格58億9,324万円に対して14億6,000万円もの低価格で落札しました。そこで伺いますが、落札率75%を下回る大型公共工事は千葉市でこれまでにどのくらいあったのか、工事内容と価格について。また、一番札と二番札との差がこれだけあったケースはあるのか。この工事は特殊な工事であるのか。落札が75%であることへの見解。市の設計どおりの建物建設が保障されるのか、お答えください。
 次に、この斎場は「自然と人にやさしい」斉場にするとのことですが、すでにパースをはじめ基本計画は出されています。斎場建設に係わり伺います。
 近隣住民との合意はどう言う内容で行われているのか。周辺地域の排水・道路などの問題は解決しているのか。斎場の基本コンセプトについてハッキリさせていただきたい。バリアーフリー化については、斎場と言う特別な施設です。ハートビル法では充分対応できない場合が考えられます。市独自の対応はどのようにされているのか。また、桜木斎場の納骨室は満杯の状況です。このことへの速やかな対応と斎場建設ではどのようにされるのか明らかにされたい。さらに、斎場の管理運営についてですが、市が公的責任をきちんと守って行くことを求めますが、お答えください。

4、議案第71号・72号・73号 千葉市斎場新築電気・空調・給排水設備工事について

 千葉市斎場新築電気設備工事を住友・高率建設共同企業体が8億5,000万円落札率92.07%で入札しました。千葉市斎場新築空調設備工事は、ダイタン・福井建設企業体が7億3,000万円、落札率94.36%で落札しました。
 千葉市斎場新築給排水設備工事は、一設・池田建設企業体が4億6,150万円で落札率94.95%で落札しました。
 わが党市議団は、これらの建設に係り、談合情報に基づき5月20日市長に申し入れを行いました。5月22日の回答では「5月21日の入札予定を延期し全JVから事情聴取を行い、全員が談合を否定したので、誓約書を出させた」と言う内容のものでしたが、余りにも不自然な入札です。この点にたって伺いますが、この談合情報に基づいた、入札結果と対応について。また、新たな問題はでていないのか改めて明らかにされたい。

5、議案第74号・75号 工事請負契約について

 議案第74号は、新港横戸町線第3工区ボックス工事で、公募型指名競争入札により、戸田・総電建建設企業体が6億7,700万円、落札率96.8%で入札しました。この工事は、わずか4分の短縮のために約700億円もの工事費をかけるものです。私どもは再検討を求めてきました。
 議案第75号は、新港横戸町線第5工区ボックス工事です。同様の問題がある工事であり、合わせて伺います。
 工事については近隣住民から騒音・振動・地盤沈下などの苦情が寄せられていますが、これらへの対応について。また、被害に対する調査保障は十分行われているのか、お答えください。

6、議案第76号 工事請負契約について

 千葉市中央卸市場水産変電所改修工事です。公募型指名競争入札でモデン・城南建設企業体が3億8,181万円、落札率88.41%で落札しました。しかし、読売新聞に談合情報が入ったり、わが党にも同じく談合情報が寄せられて、市長に申し入れを行うなど問題になった入札案件です。そこで伺います。
 読売新聞の談合情報にもとづいて、千葉市はどのような対応をしたのか。情報どおりの落札についてはどう考えるのか。これまで、この件での談合情報はなかったのか。この工事はどんな工事なのか。変電所の改修工事はどこまですすんで今後の計画はどうなるのか。東電との関係で、契約電力などの見なおしで単価の切り下げなどの努力はどのようにされたのか。場内の消費電力の効率的な使用についてはどうか、お答えください。

7、議案第77号工事請負契約について

 これは、都市計画道路蘇町線JR内房・京葉臨海部鉄道線交差部工事です。わが党は、この蘇我町線は川鉄のための、蘇我臨海開発のための道路だと指摘し、見直しを求めてきました。そこで伺います。
 道路近隣の住民には、これらの工事で迷惑を受けています。地盤沈下・騒音・振動・大気など環境問題も深刻です。これらの方々への対応はキチンとされているのか。ボックス構造の中は大気汚染が深刻です。これらの対策は。蘇我臨海開発との関連もありますが、蘇我町線は接続する道路のアクセスは不十分であり、交通渋滞が深刻になるといわれています。この点は大丈夫か。
 以上を伺い、1回目の質疑を終わります。

  2回目の質疑を行います。

1、議案第66号について

 青少年の集いの場所を公的に保障していく、行政の責任をきちんと果たすよう求めます。

2、議案第69号千葉市ネットワーク工事について

 IT化が民主主義、社会発展に役立つことが可能でありと考えますが、しかし個人情報をめぐっては、漏洩を含め問題が多すぎます。防衛庁が情報公開請求者の個人情報リストを作成し、防衛庁内のLANシステムに掲載していたことが大きな問題となっています。報道機関の取材で明らかとなり、事務次官が調査を命じたと言うものでした。しかし、その後の推移は、防衛庁が内部の調査能力と自浄能力の欠如を示す事ととなり、「こんな組織ではどうにもならない」「人心一新する以外にない」とまで言われています。そこでうかがいますが、第1は、千葉市はこの問題をどのように考えるのか。第2は、市のLANシステム導入にあたり、個人情報保護はどのように保障されるのか。住民基本台帳「改正」案で住基ネットに登録される個人情報に旅券業務、厚生年金の支給、など新たに171業務を追加して行政機関による利用を可能にするもので国民のプライバシー侵害の危険性が指摘されていますがこの点は大丈夫なのか。第3は、ITが使いこなせなければ仕事にならない状況がうまれ、特に高齢者にとってストレスにならないのか。IT化に伴い担当職員のハードな労働にならないのか。情報化でリストラ・行革が一方的にならないのか。第4は、地元業者や災害情報システム(地震情報システム)など市の将来計画との関係でどのように考えているのか。第5は、既存のパソコンのデータ処理対策が必要です。LANに伴い庁内のパソコンのデータ処理のための特別な手立てについて。

3、議案第70号などに関連千葉市斎場新築工事について

 予定価格の75%できちんとした建物ができるとのお答えでした。そこで、今回の契約案件において、どの位の契約差金が出たのかうかがいます。また、平均落札率は何%なのか伺います。あわせて、談合か指摘された場合、市は参加企業から「誓約書」をとっていますが、おざなりの誓約書ではなく、代表権をもつなどの責任者が「誓約書」を自ら提出させるべきではないのか。以上お答えください。

4、議案第74号75号の新港・横戸町線について

 第1は、この工事について地域住民にどのように説明されているのでしょうか。
地域の人たちからは「自分の休みでもない時に、一回だけの説明会だけでは内容は知ることはできない」と話しています。一回だけでなく参加状況を把握して計画的に説明会を行うことが必要ですが、どうか。
 第2は、この工区で工事がはじまるとダンプカーの出入が1日30台、1台が4回として延べ120台のダンプが出入する予定です。近くには学校施設があり交通事故や一般車などの交通問題は起きないのかうかがいます。
 第3は、補償についてですが振動等で建物の被害について補償を充分行うよう求めるものです。
 第4は、1度転居して、転居先が緑化区域に計画され2度転居を余儀なくされる方はいないのか。以上、お答えください。

  3回目の質疑を行います。

1、議案第69号千葉市ネットワーク工事について

 多くの疑問が出てきます。そこで、また伺います。デジタルデバイドと言われる、情報格差や情報に馴染めない市民はどうなるのか。市民が1枚のカードに全ての情報を記録していくことが必要なのか。行政事務をアウトソーシングして安定した行政が保たれるのか。お答えください。

2、議案第70号 工事請負契約 斎場建設や変電所改修工事・新港横戸町線などについて

 契約案件8件中4件を私どもは、談合情報にもとづいて、市に申し入れしました。こうしたことは、県内の井上裕前参院議員議長の秘書の問題や、皆川鎌ヶ谷前市長の逮捕に見られるように、公共事業に関する談合は今国民の大きな批判を浴びています。公共事業の入札の透明性・公平性を市民にはっきりさせなければなりません。こうした公共事業の談合についての考え、市民に対して公共事業の適正な改善をどのようにはかるのかうかがいます。
 また、千葉市斎場建設の75%の入札についてですが、一番札と二番札との差がこれほど開くのは初めてのことだそうですが、入札の経過は業界関係者をはじめ大きな波紋があるようです。今後常任委員会等で明らかにしていきたいと思います。
 公共事業が低価格で設計どおりの施設の設計ができれば大変いいことです。しかし現実は、低価格の場合、下請け業者が単価割れで仕事をさせられてしまうと言う 新たな矛盾が出ています。入札については、キチンと下請け業者に適正な利益を保障するシステムになるようにすべきです。市として地域の中小企業育成強化のために指導すべきではないのかを伺い、私の質疑を終わります。