ふくなが洋議員の一般質問に対する答弁(概要)

 
2002年10月1日

PFI事業について

【企画調整局長】
 PFIは、民間事業者の総合的な技術能力を活用する手法で、市民が安心・安全に利用する公共施設等の建設・運営が可能だ。SPCとの特定事業契約は、PFI事業の透明性の原則を遵守し、全て公表している。事業を確実に実施するため、特定事業契約では適宜モニタリング調査を定めており、利用者の意見も反映でき、市民参画は可能だ。PFIは、地元中小企業も含め全ての事業者に参入の機会がある。

福祉行政について

【保健福祉局長】
 障害者の支援費制度は、利用者の支援の必要性や困難性に応じて支援費に差が設けられ、身体障害者施設にはALS加算や遷延性意識障害加算、知的障害者施設には強度行動障害加算が設定されるなど実態を踏まえたものとなっている。一般社会での親族扶養との均衡を保つ観点で、本人の他、一定範囲に限定し扶養義務者に応能負担を求めるものだ。支援費の額は、各種加算を含めて障害者の実態を踏まえたもので、サービス提供の指定業者・施設も必要なサービス水準を保てる額に設定されている。支援費制度移行後も、現行制度でのサービス水準が低下しないよう配慮していく。利用料は、国の基準額原案が示されたが、国の動向を踏まえて、千葉市の利用者負担額を設定していく。支給決定は、申請者の障害状況や生活環境など充分勘案して支給量を設定したい。措置制度の活用については、緊急にサービスが必要となり、かつ支援費支給申請を行う時間がない場合など、やむを得ない時は措置によるサービス提供が可能となっているので、適切に運用していく。現在、千葉市では痴呆性高齢者や知的障害者等が市長の申立で成年後見制度を利用する場合、申立の経費は立替え支援を行っているが、助成は状況を見ながら検討したい。社会福祉協議会が行っている福祉サービス利用援助事業は、市民対象に支援費制度説明会で周知をはかっている。今後も啓発に努める。支援費制度が、障害者の自己決定を尊重した利用者本位の制度として機能していくには、サービスの基盤整備が重要だと認識している。引き続き充実に努める。一方、支援費制度対象外の事業も、障害者の地域での生活を支援する観点から、今後も充実に務める。
 精神障害者対策については、医療対策として通院医療費公費負担制度の浸透をはかるとともに、入院患者も適正な医療の確保の観点から、病院への指導強化に務める。生活の援助は、補正予算の決議を得て、グループホームに対する開設費補助や世話人代替費補助を新たに設け、また、市単独で生活ホーム制度を創設した。社会復帰を促進する設備整備も引き続き努力する。雇用の援助は、社会適応訓練事業の拡充など精神障害者に対する援助の充実に努める。偏見差別をなくす問題では、千葉県との共催で「心のふれあいフェステバル」「心の健康フェア」を開催し、市民の理解促進をはかっている。「心の健康センター」では、各種講演会や研修会を開催し、精神障害・精神障害者への正しい理解がはかれるよう務めている。
 H13年度から、保健所・保健センターで実施するデイケアクラブを4か所から5か所に拡大した。「心の健康センター」が周知されてきたことから、相談件数が大きく伸びている。ホームヘルパー派遣事業を本格実施し、短期入所事業も実施している。休日・夜間の緊急相談は精神科救急システムや障害者専門相談事業で対応するなど、円滑な医療・保護をはかっている。今後も、「心の健康センター」等の機能拡充と、在宅福祉サービスの充実をはかっていく。
 弱視者対策については、ロービジョンケアを保健所・保健センターで実施している3才児健康診査事業で、視力検査を実施し必要に応じ、専門医療機関に無料で受診できる精密検査票発行や保健所での二次健診受診を勧奨するなど、弱視等の早期発見・早期対応に務めている。H13年度で、要経過観察の幼児のうち、19名の弱視児が発見され専門医療機関で適切な対応がされた。成人の弱視者への対応は、障害者福祉センターでの社会適応訓練事業で、弱視者を対象に視覚障害者生活指導を行っている。相談・検査を実施し、障害の状況や本人の希望に合わせ歩行訓練、拡大読書器やパソコンの使い方の指導訓練を実施している。

【保健福祉局次長】
 市内のホームレスの現状と取り組みは、毎年2月・8月に福祉事務所と公園緑地事務所職員が、市内の公園・駅・河川敷等を中心に目視で概数把握を行っている。今年8月調査では126人確認されている。千葉市で、ホームレスが病気などにより急迫の状態にあるときは生活保護制度を活用し対応している。NPO法人が経営する施設の現状と問題点については、H10年頃から首都圏の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で、NPO法人等が社会福祉法に基づき、無料や低額の宿泊所が経営されている。住宅に困り、生計が困難な方に利用してもらいながら、生活指導や一部就労支援等も行っている。千葉市に届け出されている宿泊所は、5か所、定員507人である。これら宿泊所は、開始間もなくで特に問題は認識されていない。

【都市局長】
 8月11日のホームレス傷害致死事件の経過は、現在、警察で捜査中だ。対応は、公園内パトロール強化と照明の点検等、公園利用者の安全対策を講じた。

【教育長】
 千葉市の弱視児の実態は、H11年度まで新宿小学校に弱視学級か設置されていたが、現在は在籍児童がいなくなり、設置されていない。県立盲学校に通う弱視児は、市内から小学部に4人、中学部に1人いる。小学校の通常学級にも在籍しているが、この児童には養護教育センターから視覚機能を補助する拡大読書器等を貸し出している。今後さらに、施設設備の配慮が課題となっている。拡大教科書の無料提供については、障害のさまざまな状況に合った対応が必要であり、今後、弱視児が在籍する学校からの報告や要望等を踏まえ、拡大教科書への経費補助等についても検討する。教育資料作成については、各学校で拡大コピー等を活用して対応している。また、施設には段差解消のためのスロープや階段手すり、身障者トイレなどを設置している。誘導ブロックや注意喚起ブロックは、最近の新設校から設置し、新築・改築の際には、エレベーターを導入している。

環境問題について

【環境局長】
 
地球温暖化防止に積極的に貢献するため、千葉市は環境基本計画を見直し、「温暖化に配慮したまちづくりを推進」「エネルギーを環境にやさしく利用する」などの取り組みを盛り込んだ。市民・事業者・市が一体に実効ある取り組みになるよう市自ら率先して活動を展開する。事業者との連携やライフスタイルの見直しに向け推進をはかる。新たに9月から、家計簿を活用した「エコファミリーづくり」など、地球温暖化防止キャンペーンを実施している。さらに効果的な活動にするため、「地球温暖化防止対策地域推進計画」策定に向け、基礎調査を行っている。この成果を踏まえ、来年度には計画を策定し市民レベルが足元から取組める実効あるものにしていく。VOC(揮発性有機化合物)については、大気汚染防止法に基づき、国が優先取組物質として定める、ベンゼンやアクリロニトリルなどの9物質は、常時監視を実施している。公害防止協定で、排出抑制に向け指導管理対策を推進している。新たな知見に基づく対策では、国が有害大気汚染物質の排出実態調査等でガイドライン、排出抑制等の対策が検討されるので、その動向を見て対応したい。ヒートアイランド現象の実態は、ここ100年で日本の大都市の気温は平均2〜3度上昇しているとの国の調査結果が出ている。千葉市の熱帯夜(最低気温25度以上)の出現状況は千葉測候所のデータから、7月は過去30年間の平均で4.6日に対し、H12年度12日、13年度11日、本年度13日、8月は過去30年間の平均9.9日に対し、H12年度15日、13年度3日、本年度11日と増加傾向にある。対策は、新しい環境基本計画でヒートアイランド対策を推進するため、市街地の緑地や水面等の拡大、水辺等を活用した風の通り道確保、建築物の屋上緑化、壁面緑化等の推進、建築物からの温排水軽減のため省エネルギー推進を盛り込んだ。今後、まちづくりの視点にも配慮し推進をはかりたい。
 ガス化溶融炉の特徴は、廃棄物等を直接焼却する方式ではなく溶融処理することで、ガスを発生させエネルギー源として回収する方式だ。二酸化炭素の排出抑制に寄与するものと考える。
 残渣は、金属を取り出した後、スラグ化し、資源化をはかるのでガス化溶融施設は温暖化や循環型社会の構築に寄与する施設と考える。この施設では、産業廃棄物は廃プラスチック、木くず、繊維くずを処理しており、一般廃棄物は容器リサイクル法に基づく廃プラスチックを処理している。事業者からの報告では、日量300トンの処理能力があり、扱う産廃は熱カロリーが高くガス発生量が多い。現在の処理量は1日240トン程度であり、県内外からの需要に対応している。事故等が生じた場合は、「石油コンビナート等災害防止法」や公害防止協定当で、事故報告を受けることになっており、事故の状況で、情報の公開等適切に対応する。

【教育長】
新築・改築・大規模改造工事を行った際、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の検査を工事仕様書に明記し、実施している。科学物質過敏症の子供が在籍する学校では、原因物質となる床ワックス等を使用しないよう配慮している。

外郭団体について

【総務局長】
 千葉市の外郭団体は、市民ニーズが多様化・高度化し、行政でも新たな対応が求められる中、外郭団体のもつ機能や利点を生かし、活用をはかっている。行政の補完的組織として、市民サービス充実や街づくりに欠かせない重要な役割があると認識している。再検討の必要性については、団体の目的が類以しているものや事業領域の関連性が強いもの、社会経済情勢の変化等で、必要性が低下したものは「外郭団体の見直しに関する指針」に基づき、統廃合も含め検討したい。各団体への支出は、必要な事務事業の補助金や委託料等を法令に基づき適正に支出している。

【都市局長】
千葉マリンスタジアムについて、H13年度、千葉市等からの委託収入の他、プロ野球等の球技収入、広告収入、飲食売店等の収入が順調で、黒字決算だった。今後の見通しは、千葉ロッテマリーンズの成績や経済情勢を踏まえると厳しい状況になると予測される。スタジアムの維持管理費は、H13年度の歳出が管理運営費のための委託料、千葉県への土地使用料、光熱水費、修繕費等で4億1,190万円余だ。歳入は、プロ野球やコンサート等の興行使用料、一般使用料、広告、売店、食堂等の使用料等で3億8,981万円余だ。また、13期の配当金462万円余がある。
 土地開発公社、稲毛区弥生町の計量検査所用地は、公有地拡大の推進に関する法律第5条に基づき取得したもの。H7年7月16日に取得した。前所有者は株式会社江口、面積は394.38u、価格は3億9,438万円だ。この用地は、都市計画道路新港横戸町線事業の協力者に代替地として、今年9月に直接処分した。処分価格は約9,000万円だ。公社所有地の簿価と路線化の差について、路線価は国税庁が公表するが、時価に比べ一般的に低い評価になる。今年1月の路線価を基に推計すると、H13年度末の公社保有地の簿価額は393億円で、路線価は132億円で、差額は260億円となる。公社の内部留保は、公社に損失が生じた時に補填するための準備金がある。準備金は、公社保有地を駐車場貸付など有効活用し得た収入を公社の付帯事業収入として積み立てたもの。額はH13年度決算で7億4,600万円だが、計量検査所用地の処分で、一部活用し3億6,800万円になっている。

【企画調整局長】
 旧扇屋ジャスコ跡地の5,027uは、産業振興会館の整備のほか、さまざまな事業展開が可能なため、128億円で取得したが、現在の評価額は約20億円だ。

土砂災害対策について

【都市局長】
 大森町のがけ崩れは、既存の老朽化した擁壁が、集中豪雨のため崩壊したと考える。「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」に関連した自然がけは、78か所把握している。また、宅地造成等規制法に基づく「宅地造成工事規制区域」内の宅地造成は、現在13か所に勧告し、災害防止に必要な措置を講じるよう指導している。一定規模を超えた擁壁等を設置する場合は、建築基準法で確認し、特定の区域は宅地造成等規制法の許可で宅地の安全性を審査・指導している。

【下水道局長】
 排水対策については、基本的な考えとして5年に1回の大雨まで対応できることを目標に、水循環の健全化も配慮し、雨水管渠、ポンプ場のほか貯留浸透の手法も含めて対応している。

【市民局長】
 被害が出た場合の公的支援とルールづくりについては、昨年4月、土砂災害防止法が施行され、今後、県の土砂災害警戒区域等の指定が予定されている。それを踏まえ、関係部局と協議していく。

蘇我臨海開発について

【都市局長】
 総合スポーツ公園への意見・要望の募集については、「市政だより」とホームページでPRし、7月1日から31日までの1か月間、また8月15日から22日までの1週間、市民から意見や要望を頂いた。充分な成果があったと考える。球技場は、市民利用を前提に、見るスポーツとしてプロサッカーの使用可能な施設を目指している。県や市で行われている中学生から一般までの試合数やJリーグの試合数も考慮し、十分活用される施設だと考える。維持管理費も、検討していく。Jリーグの地域スポーツの理念に賛成するものであり、千葉市生涯スポーツマスタープランでも「地域に根ざしたスポーツの振興」を方針に定めている。この趣旨に沿って活動を支援したい。公園の施設整備費は、債務負担行為で限度額120億円を設定している。現在実施している基本設計で、整備費は検討しているところだ。交通アクセスの配慮、駐車場の充実では、市民からの意見・要望を参考に検討している。防災公園の機能に関しては、災害発生時の救援・復旧活動の後方支援活動拠点、臨海部の広域避難場所として整備する。
 蘇我駅周辺のまちづくりについては、「蘇我特定地区整備計画推進懇談会」で市民の意見を聞きながら決める。真如苑の施設建設での経過と市の対応は、建設用地の変更と代替地を真如苑と川鉄に協議を要請したが、双方の条件が一致せず不調となった。