中村きみえ議員の反対討論

 
中村きみえ議員
2002年9月24日
 日本共産党を代表して、議案25件中議案第84号、88号の2件について反対討論を行います。

議案第84号・補正予算、債務負担行為の追加について

 まず、議案第84号・補正予算の中の債務負担行為の追加についてです。
これは、中央港地区区画整理事業の建物移転に、26億4,800万円の債務負担行為が追加されるものです。総事業費532億円中、千葉市の負担は168億円ですが、これまで負担してきた額は132億円となり、市債の発行は今回も含めると111億円で、その利息は2001年度末でも約31億円にもなります。地権者34社のうち、2003年までに戻ってくる事業所はわずか3社でしかありません。2006年までに基盤整備を終え、2011年度を事業完了としていますが、当初予定していたような街づくりの見通しはないと言わざるを得ません。事業の見直しが求められているものです。

スーパーサイエンスハイスクール研究開発事業について

 つぎは、スーパーサイエンスハイスクール研究開発事業についてです。
わが国の青少年の科学技術への関心を高め、学ぶ意欲を向上させる「科学技術創造立国」のための事業であるとの説明でした。しかし、これは小泉内閣のすすめる「競争と管理」「強化と排除」の「教育新制プラン」をさらに押し進め、わずか20人のスーパーエリートを育成するもので、「大企業に役立つ『人材育成』のための事業」との疑問に、なんら答えてはいませんでした。教育内容に格差を持ち込み、中高一貫校の導入や高校入試選抜制度や方法の多様化をはかり、競争と選別強化の教育政策を押し進めて、高校教育をいっそう歪めるものと言わざるを得ません。全国の高校の中から、市立千葉高校が選ばれ誇りであるかのような発言もありますが、市内の高校生約32,000人の中で、わずか20名だけに特別な教育を強めるより、教育基本法第1条の教育の目的である「教育は人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」とのことからも、早期に30人学級を実施し、全ての高校生が学ぶ喜びを味わい、基礎学力の向上に向けて力をつくすことこそ必要です。

議案第88号・老人医療費の助成に関する条例の一部改正に係わる専決処分について

 つぎに、議案第88号・老人医療費の助成に関する条例の一部改正に係わる専決処分についてです。これは、68歳・69歳の全ての方に実施してきた医療費の助成制度に所得制限を加える制度改悪です。31年前から市独自に実施した医療費助成を国の医療制度の改悪に合わせて行われるものです。68・69歳の該当者15,500人のうち、6,200人が市民税課税者で本人負担が3割になってしまい、市民に負担を強いるものです。千葉市は、1億7,700万円で継続できるのですから努力すべきです。今回の医療改悪は、「わが国の階保険制度を維持していくために必要な制度」と当局は答弁していますが、日本医師会、日本歯科医師会などの医療関係者なども反対し、2,900万人の反対署名、600もの地方自治体から反対の意見書が提出されていました。国民に、1兆5,000億円の負担を強いるより、欧米に比べて高い薬価の引き下げ、後発薬品の使用や医療費の無料化で早期発見・早期治療を行う保健予防の充実を図かれば、医療改悪を強行せずに住んだはずです。本来、市は市民の健康を守るため、国に制度改悪の中止を求めるべきだと思います。

工事請負契約について

 最後に、今議会では7件の工事請負契約が提案されました。98.79%の高い入札率がある一方で、66.4%の落札率を含め、基準価格を大幅に下回る入札が5件もあったことは、きわめて異例・不自然に思えます。市として、公正で適切な入札が保障されるように改めて申し上げて、反対討論を終わります。